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発明の名称 信号符号化装置、信号復号化装置、信号符号化方法、及び信号復号化方法。
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17905(P2007−17905A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−202258(P2005−202258)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 菊入 圭 / 仲 信彦 / 大矢 智之
要約 課題
簡単な構成で復号化信号における雑音を低減するとともに、効率的な信号符号化及び復号化を実現すること。

解決手段
この信号符号化装置1は、サンプリングされたデジタル信号SINが入力されてデジタル信号Sを所定のサンプル数のフレーム信号Sに分割するフレーム分割部101と、フレーム信号Sを時間領域と周波数領域との間で変換する際に、フレーム信号Sの時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則を施して時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を生成する時間ワープ変換規則適用部102と、時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を符号化して符号化系列を出力する変換係数符号化部105と、符号化系列を外部に出力する符号化系列出力部106とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
サンプリングされたデジタル信号が入力されて前記デジタル信号を所定のサンプル数のフレーム信号に分割するフレーム分割手段と、
前記フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、前記フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則を施して時間ワープ変換係数を生成する時間ワープ変換規則適用手段と、
前記時間ワープ変換係数を符号化して符号化系列を出力する符号化手段と、
前記符号化系列を外部に出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする信号符号化装置。
【請求項2】
前記符号化手段は、前記時間ワープ変換係数に併せて、前記時間ワープ変換規則適用手段の変換規則における不均一度を示す変換パラメータを符号化する、
ことを特徴とする請求項1記載の信号符号化装置。
【請求項3】
前記時間ワープ変換規則適用手段は、
前記フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、前記フレーム信号に対して時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則を施して非時間ワープ変換係数を生成する変換規則適用手段と、
前記非時間ワープ変換係数を、前記時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が施された変換係数である時間ワープ変換係数に変換する時間ワープ適用手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の信号符号化装置。
【請求項4】
前記時間ワープ適用手段は、
前記非時間ワープ変換係数の入力順序を反転する順序反転部と、
前記順序反転部の後段に設けられ、前記順序反転部からの入力を順次通過させる複数のオールパスフィルタを含むオールパスフィルタネットワークと、
を有することを特徴とする請求項3記載の信号符号化装置。

【請求項5】
時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用された符号化系列を入力して、前記符号化系列を復号化することによって時間ワープ変換係数を得る復号化手段と、
前記時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、所定の逆変換規則を用いて時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換して出力する逆時間ワープ変換規則適用手段と、
を備えることを特徴とする信号復号化装置。
【請求項6】
前記復号化手段は、前記符号化系列に含まれる前記変換規則における不均一度を示す変換パラメータを更に復号化することを特徴とする請求項5記載の信号復号化装置。
【請求項7】
前記逆時間ワープ変換規則適用手段は、
前記時間ワープ変換係数を、前記時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則が施された変換係数である非時間ワープ変換係数に変換する逆時間ワープ適用手段と、
前記非時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、前記時間領域におけるサンプリング間隔が均一な逆変換規則を施してフレーム信号を生成する逆非時間ワープ変換規則適用手段と、
を有することを特徴とする請求項5又は6記載の信号復号化装置。
【請求項8】
前記逆時間ワープ適用手段は、前記時間ワープ変換係数によって出力に重みづけがされた複数のオールパスフィルタが直列的に設けられたオールパスフィルタネットワークを含むことを特徴とする請求項7に記載の信号復号化装置。
【請求項9】
フレーム分割手段が、サンプリングされたデジタル信号が入力されて前記デジタル信号を所定のサンプル数のフレーム信号に分割するフレーム分割ステップと、
時間ワープ変換規則適用手段が、前記フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、前記フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則を施して時間ワープ変換係数を生成する時間ワープ変換規則適用ステップと、
符号化手段が、前記時間ワープ変換係数を符号化して符号化系列を出力する符号化ステップ手段と、
出力手段が、前記符号化系列を外部に出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする信号符号化方法。
【請求項10】
復号化手段が、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用された符号化系列を入力して、前記符号化系列を復号化することによって時間ワープ変換係数を得る復号化ステップと、
逆時間ワープ変換規則適用手段が、前記時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、所定の逆変換規則を用いて時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換して出力する逆時間ワープ変換規則適用ステップと、
を備えることを特徴とする信号復号化方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声信号や音響信号等のデジタル信号を符号化又は復号化する信号符号化装置、信号復号化装置、信号符号化方法、及び信号復号化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、音声信号や音響信号等のデジタル信号を効率よく圧縮して符号化する方法、装置が数多く考案されている。このようなデジタル信号に関する信号符号化方法は、時間領域のままで符号化する方法と、離散フーリエ変換(以下、DFT: Discrete Fourier Transformという)や離散コサイン変換(以下、DCT: Discrete Cosine Transformという)等の何らかの変換規則を適用して符号化する方法(変換符号化)とに大別される。
【0003】
このような変換符号化に関する変換規則は、DFTやDCTがそうであるように、多くの場合時間領域と周波数領域の間で変換する規則(時間−周波数変換)である。時間−周波数変換は、時間領域においてある個数のデジタル信号のサンプルをまとめて変換フレームを作成し、この変換フレームに対して所定の変換規則を適用して周波数領域での変換係数を得る。このようにして得られた変換係数を圧縮符号化する方法が変換符号化方式であり、代表的な変換符号化としては下記非特許文献1に記載のMPEG-4 Audio AAC(Advanced Audio Coding)が挙げられる。MPEG-4 Audio AACでは、修正離散コサイン変換(以下、MDCT: Modified Discrete Cosine Transformという)と呼ばれる時間−周波数変換である変換規則を用いている。ここで、変換符号化方式では、時間領域での冗長性を周波数領域において局所化し、周波数領域で情報を局所的に割り当てることで効率の高い情報の圧縮を可能としている。
【0004】
以上説明した変換符号化方式では、時間領域で局所化されている信号を符号化する際に信号の品質が低下する傾向にあった。すなわち、時間領域の信号に急激な立ち上がりや立ち下がりが存在する場合に、変換符号化によって得られた変換係数における雑音が、復号化の際に時間領域で一様に広がってしまい、立ち上がりの直前又は立ち下がりの直後の信号電力の小さな部分では、耳障りな雑音として現れるという問題である。これらは、それぞれ“プリエコー”又は“ポストエコー”と呼ばれている現象である。
【0005】
このような現象に対処するために、下記特許文献1に記載の情報符号化装置では、入力信号波形をブロック化して切り出し、ゲイン制御関数でゲイン制御してMDCTを行うことで、固定ブロック長でプリエコーの発生を防止している。また、MPEG-4 Audio AACでは、時間領域で局所化された信号に対しては、変換規則を適用するフレームの長さを短くし、その他の部分ではフレームの長さを長くすることで、プリエコー及びポストエコーの影響を小さくしている。
【特許文献1】特開平7−221648号公報
【非特許文献1】B. Grill, “The MPEG-4 General Audio Coder”, AES17th International Conference, Sept 1999, p.147-156
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の情報符号化装置においては、所定のゲイン制御を行うための装置構成が複雑になる。また、時間的に局所化された信号を十分に均一化するためには緻密なゲイン制御が必要となる。さらには、ゲイン制御の情報を復号化装置側に伝える必要があるため、緻密にゲイン制御を行えば行うほど符号化効率が低下してしまう。
【0007】
一方、MPEG-4 Audio AACにおいても、時間的に局所化された信号を符号化する際にはフレームの長さが短くなるため、符号化対象のフレーム数が増加すると共にフレームの長さに関する補助情報も必要となり、符号化効率が低下する。また、フレームの長さが短くなると、周波数領域での局所化がされ易い時間的に順局所化された信号に関しては周波数領域への変換による局所化の効果が低下する。
【0008】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものである、簡単な構成で復号化信号における雑音を低減するとともに、効率的な信号符号化及び復号化を実現することが可能な信号符号化装置、信号復号化装置、信号符号化方法、及び信号復号化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の信号符号化装置は、サンプリングされたデジタル信号が入力されてデジタル信号を所定のサンプル数のフレーム信号に分割するフレーム分割手段と、フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則を施して時間ワープ変換係数を生成する時間ワープ変換規則適用手段と、時間ワープ変換係数を符号化して符号化系列を出力する符号化手段と、符号化系列を外部に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の信号符号化方法は、フレーム分割手段が、サンプリングされたデジタル信号が入力されてデジタル信号を所定のサンプル数のフレーム信号に分割するフレーム分割ステップと、時間ワープ変換規則適用手段が、フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則を施して時間ワープ変換係数を生成する時間ワープ変換規則適用ステップと、符号化手段が、時間ワープ変換係数を符号化して符号化系列を出力する符号化ステップ手段と、出力手段が、符号化系列を外部に出力する出力ステップとを備えることを特徴とする。
【0011】
或いは、本発明の本発明の信号復号化装置は、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用された符号化系列を入力して、符号化系列を復号化することによって時間ワープ変換係数を得る復号化手段と、時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、所定の逆変換規則を用いて時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換して出力する逆時間ワープ変換規則適用手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の信号復号化方法は、復号化手段が、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用された符号化系列を入力して、符号化系列を復号化することによって時間ワープ変換係数を得る復号化ステップと、逆時間ワープ変換規則適用手段が、時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、所定の逆変換規則を用いて時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換して出力する逆時間ワープ変換規則適用ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
このような信号符号化装置、信号符号化方法、信号復号化装置、及び信号復号化方法によれば、デジタル信号が所定のサンプル数のフレーム信号に分割され、フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則で変換符号化されて、その結果生成された変換係数が符号化されて出力される。これに対して、出力された符号化系列は、復号化された後時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換される。これにより、ゲイン制御やフレーム長制御等の複雑な制御を行うことなく簡易な構成で信号の符号化及び復号化が実現できる。さらには、変換時の制御情報やフレーム長の情報等の補助情報も削減されるとともに、周波数領域における情報の局所化も容易に為されるため、全体として符号化効率が向上する。
【0014】
また、符号化手段は、時間ワープ変換係数に併せて、時間ワープ変換規則適用手段の変換規則における不均一度を示す変換パラメータを符号化することも好ましい。
【0015】
さらには、復号化手段は、符号化系列に含まれる変換規則における不均一度を示す変換パラメータを更に復号化することも好ましい。
【0016】
かかる符号化手段又は復号化手段を備えれば、フレーム信号を時間ワープ変換係数に変換する際に用いられる変換パラメータが符号化装置から復号化装置に効率的に伝えられ、フレーム信号が円滑に復号化される。
【0017】
また、時間ワープ変換規則適用手段は、フレーム信号を時間領域と周波数領域との間で変換する際に、フレーム信号に対して時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則を施して非時間ワープ変換係数を生成する変換規則適用手段と、非時間ワープ変換係数を、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が施された変換係数である時間ワープ変換係数に変換する時間ワープ適用手段とを有することも好ましい。
【0018】
さらには、逆時間ワープ変換規則適用手段は、時間ワープ変換係数を、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則が施された変換係数である非時間ワープ変換係数に変換する逆時間ワープ適用手段と、非時間ワープ変換係数を時間領域と周波数領域との間で逆変換する際に、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な逆変換規則を施してフレーム信号を生成する逆非時間ワープ変換規則適用手段とを有することも好ましい。
【0019】
この場合、複雑な制御機構等を必要としない簡易な構成で時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用可能とされる。
【0020】
また、時間ワープ適用手段は、非時間ワープ変換係数の入力順序を反転する順序反転部と、順序反転部の後段に設けられ、順序反転部からの入力を順次通過させる複数のオールパスフィルタを含むオールパスフィルタネットワークとを有することも好ましい。
【0021】
さらには、逆時間ワープ適用手段は、時間ワープ変換係数によって出力に重みづけがされた複数のオールパスフィルタが直列的に設けられたオールパスフィルタネットワークを含むことも好ましい。
【0022】
かかる構成を採れば、非時間ワープ変換係数と時間ワープ変換係数との間の変換を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡単な構成で復号化信号における雑音を低減するとともに、効率的な信号符号化及び復号化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面とともに本発明による信号符号化装置及び信号復号化装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる信号符号化装置1の構成を示すブロック図、図4は、本発明の第1実施形態にかかる信号復号化装置2の構成を示すブロック図である。この信号符号化装置1及び信号復号化装置2は、通信ネットワーク等の通信媒体を介して互いに接続され、音声信号や音響信号等のデジタル信号を符号化及び復号化するための装置である。なお、ここでいうデジタル信号とは、アナログ−デジタル変換後の信号であり、時間軸上のサンプリング間隔が一定である離散化された信号を意味する。
【0026】
まず、図1を参照して、信号符号化装置1の構成について説明する。
【0027】
信号符号化装置1は、フレーム分割部(フレーム分割手段)101と、時間ワープ変換規則適用部(時間ワープ変換規則適用手段)102と、変換係数符号化部(符号化手段)105と、符号化系列出力部106とを備えて構成されており、このうち時間ワープ変換規則適用部102は、非時間ワープ変換規則適用部(変換規則適用手段)103と、時間ワープ適用部(時間ワープ適用手段)104とを有する。
【0028】
フレーム分割部101は、所定の時間間隔でサンプリングされたAD変換後のデジタル信号である入力信号SINが入力されて、入力信号SINをサンプル数Nの長さのフレーム信号S(k=0,1,2,3,…)に分割する。
【0029】
時間ワープ変換規則適用部102は、分割されたフレーム信号のうちm番目の入力フレーム信号Sに、フレーム信号の時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則(以下、時間ワープ変換規則という)を施して時間ワープ変換係数Y,Y,…,Y−1を生成する。この時間ワープ変換規則は時間領域と周波数領域との間で変換する変換規則である。
【0030】
より詳細には、非時間ワープ変換規則適用部103が、フレーム分割部101から入力されたフレーム信号Sに対して、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則(以下、非時間ワープ変換規則という)を施して非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1を生成する。このような変換規則としては、DFT、DCT、MDCT等の時間領域と周波数領域との間で変換する変換規則が用いられる。非時間ワープ変換規則適用部103において生成された非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1は、時間ワープ適用部104に入力され、時間ワープ適用部104が、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が施された時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1にマッピングして変換(以下、時間ワープ処理という)する。
【0031】
なお、時間ワープ変換規則適用部102は、フレーム信号Sから非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1の生成処理、つまり非時間ワープ変換規則の適用と、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1から時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−への変換処理、つまり時間ワープ処理の適用とを、別々の行列で表現してそれぞれを適用することによって行ってもよいし、非時間ワープ変換規則の適用と時間ワープ処理の適用とを、一つの行列でまとめて表現して適用することによって行ってもよい。
【0032】
変換係数符号化部105は、入力フレーム信号Sに対して生成された時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を、量子化及び符号化することによって符号化系列を生成し、符号化系列出力部106に出力する。これに対して、符号化系列出力部106は、符号化系列を信号復号化装置2に向けて外部出力する。
【0033】
ここで、図2を参照して、時間ワープ適用部104の構成についてより詳細に説明する。時間ワープ適用部104は、順序反転処理部(順序反転部)107とオールパスフィルタネットワーク108とを備えている。
【0034】
順序反転処理部107は、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1を受けて、これらの入力順序を反転して非時間ワープ変換係数XN−1,XN−2,…,Xの順で出力する。
【0035】
オールパスフィルタネットワーク108は、順序反転処理部107の後段に設けられ、順序反転処理部107から入力された非時間ワープ変換係数XN−1,XN−2,…,Xを順次通過させる1個のフィルタ部108a及びN−1個のオールパスフィルタ部108bからなるオールパスフィルタネットワークである。また、フィルタ部108a,108bの出力側には、それぞれスイッチ部108cが備えられ、それぞれのスイッチ部108cから並列的に時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1が出力される。具体的には、オールパスフィルタネットワーク108は、XN−1,XN−2,…,Xの順で入力される非時間ワープ変換係数を、フィルタ部108aから後段のオールパスフィルタ部108bに向けて順次シフトさせ、最後の非時間ワープ変換係数Xが入力されたタイミングで全てのスイッチ部108cを機能的に閉じることにより、並列的に時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を出力する。
【0036】
ここで、オールパスフィルタネットワーク108におけるフィルタ部108aは、下記式(1);
【数1】



によって与えられる伝達関数で表される伝達特性を有し、オールパスフィルタ部108bは、下記式(2);
【数2】



によって与えられる伝達関数で表される伝達特性を有する。上記の伝達関数を導く算出方法は、例えば、周波数ワープ処理について開示する文献「Gianpaolo Evangelista and SergioCavaliere, ”Frequency-Warped Filter Banks and Wavelet Transforms: ADiscrete-Time Approach via Laguerre Expansion” ,IEEE TRANSACTIONS ON SIGNALPROCESSING, VOL.46, NO. 10, Oct. 1998, p2638-2650」に詳細に記載されている。このようなオールパスフィルタネットワーク108を用いることにより、非時間ワープ変換係数を時間領域におけるサンプリング間隔が不均一に分布した変換規則による変換係数に変換することが可能となる。
【0037】
図3は、非時間ワープ変換規則適用部103でDCTを適用し、時間ワープ適用部104によって時間ワープ処理を行った場合の非時間ワープ変換規則と時間ワープ変換規則との間の時間領域におけるサンプル点の位置関係を示すグラフである。同図によれば、上記式(1)及び(2)におけるパラメータaの絶対値が大きくなれば時間ワープ変換規則におけるサンプリング間隔の不均一度合いが増加することがわかる。
【0038】
次に、図4を参照して、信号復号化装置2の構成について説明する。
【0039】
同図に示すように、信号復号化装置2は、符号化系列復号部(復号化手段)201と、逆時間ワープ変換規則適用部(逆時間ワープ変換規則適用手段)202とを備えて構成され、逆時間ワープ変換規則適用部202は、逆時間ワープ適用部(逆時間ワープ適用手段)203と逆非時間ワープ変換規則適用部(逆非時間ワープ変換規則適用手段)204とから構成されている。
【0040】
符号化系列復号部201は、信号符号化装置1から符号化系列が入力されて、その符号化系列を復号化することにより時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を得る。そして、符号化系列復号部201は、時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を逆時間ワープ変換規則適用部202に出力する。
【0041】
逆時間ワープ変換規則適用部202は、時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則が適用された時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を、逆時間ワープ変換規則を用いて逆変換することにより、時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号SOを生成して出力する。逆時間ワープ変換規則適用部202は、このようなフレーム信号SOを時系列に出力することにより信号SOUTに再生する。
【0042】
より詳細には、逆時間ワープ適用部203は、時間ワープ変換係数Y,Y,…Y−1を、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な変換規則が施された非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1にマッピング(以下、逆時間ワープ処理という)することにより変換する。マッピングされた非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1は、逆非時間ワープ変換規則適用部204に入力され、逆非時間ワープ変換規則適用部204は、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な逆変換規則(以下、逆非時間ワープ変換規則という)を施してフレーム信号SOを生成して出力する。このような逆変換規則としては、逆DFT、逆DCT、逆MDCT等の時間領域と周波数領域との間で逆変換する変換規則が用いられる。
【0043】
なお、逆時間ワープ変換規則適用部202は、時間ワープ変換係数Y,Y,…Y−1から非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1への変換処理、つまり逆時間ワープ処理の適用と、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1からフレーム信号SOの生成処理、つまり逆非時間ワープ変換規則の適用とを、別々の行列で表現してそれぞれを適用することによって行ってもよいし、逆時間ワープ処理の適用と逆非時間ワープ変換規則の適用とを、一つの行列でまとめて表現して適用することによって行ってもよい。
【0044】
ここで、図5を参照して逆時間ワープ適用部203の構成についてより詳細に説明する。同図に示すように、逆時間ワープ適用部203は、オールパスフィルタネットワーク205を含んでいる。
【0045】
オールパスフィルタネットワーク205は、直列的に設けられたN−1個のオールパスフィルタ部205aと、それぞれのオールパスフィルタ部205aからの出力信号が並列的に入力されるフィルタ部205bとを備える。第1段目のオールパスフィルタ部205aには単位インパルス列δ(k)(k=0,1,2,…)が入力されて、単位インパルス列δ(k)は、順次オールパスフィルタ部205aをシフトする。ここで、オールパスフィルタ部205aは、式(2)によって与えられる伝達関数で表される伝達特性を有し、フィルタ部205bは、式(1)によって与えられる伝達関数で表される伝達特性を有する。
【0046】
このような構成において、オールパスフィルタネットワーク205は、入力された単位インパルス列δ(0)に対して時間ワープ変換係数Yによる重みづけがされてフィルタ部205bに入力されるとともに、オールパスフィルタ部205aを通過した各単位インパルス列δ(k)(k=1,2,3,…,N−1)にそれぞれ時間ワープ変換係数Y,Y,Y,…YN−1よる重みづけがされてフィルタ部205bに入力される。その結果、フィルタ部205bから時系列で非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1が出力される。
【0047】
以下、図6を参照して、信号符号化装置1の動作について説明するとともに、併せて信号符号化装置1における信号符号化方法について詳述する。
【0048】
まず、フレーム分割部101に入力された入力信号SINは、フレーム信号Sに分割される(ステップS101)。分割されたフレーム信号Sは、非時間ワープ変換規則適用部103によって非時間ワープ変換規則が適用されて、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1が生成される(ステップS102)。次に、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1は、時間ワープ適用部104によって時間ワープ処理が施されて時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1にマッピングされる(ステップS103)。その後、時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1は、変換係数符号化部105によって符号化される(ステップS105)。そして、符号化された符号化系列は、符号化系列出力部106から外部に出力される(ステップ)。最後に、処理対象のフレーム信号Sが最終フレームであるか否かが判定され(ステップS106)、最終フレームであれば処理を終了し、それ以外の場合は処理をステップS101に戻す。
【0049】
次に、図7を参照して、信号復号化装置2の動作について説明するとともに、併せて信号復号化装置2における信号復号化方法について詳述する。
【0050】
まず、信号符号化装置1から出力された符号化系列は、符号化系列復号部201によって復号化される(ステップS201)。復号化により得られた時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1は、逆時間ワープ適用部203によって、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1にマッピングされる(ステップS202)。その後、非時間ワープ変換係数X,X,…,XN−1は、逆非時間ワープ変換規則適用部204により、時間領域におけるサンプリング間隔が均一な逆変換規則が施され、フレーム信号SOが生成される(ステップS203)。そして、逆非時間ワープ変換規則適用部204においてフレーム信号SOが時系列に処理される結果、信号SOUTに再生されて出力される(ステップS204)。最後に、出力されるフレーム信号SOが最終フレームであるか否かが判定され(ステップS205)、最終フレームであれば処理を終了し、それ以外の場合は処理をステップS201に戻す。
【0051】
以上説明した信号符号化装置1及び信号復号化装置2によれば、入力信号SINがサンプル数Nのフレーム信号Sに分割され、フレーム信号Sが時間領域におけるサンプリング間隔が不均一な変換規則で変換符号化されて、その結果生成された時間ワープ変換係数が符号化されて出力される。これに対して、出力された符号化系列は、復号化された後時間領域におけるサンプリング間隔が均一なフレーム信号に逆変換される。これにより、ゲイン制御やフレーム長制御等の複雑な制御を行うことなく簡易な構成で信号の符号化及び復号化が実現できる。さらには、変換時の制御情報やフレーム長の情報等の補助情報も削減されるとともに、変換符号化の対象の信号フレーム長が一定に保たれることにより周波数領域における情報の局所化も容易に為されるため、全体として符号化効率が向上する。
【0052】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態にかかる信号符号化装置301の構成を示すブロック図、図10は、本発明の第2実施形態にかかる信号復号化装置302の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態における信号符号化装置301の第1実施形態との主な相違点は、ワープパラメータ選択部111を備える点であり、信号復号化装置302の第1実施形態との主な相違点は、符号化系列復号部211が、時間ワープ処理に関するパラメータ情報をも復号化する点である。
【0053】
まず、本実施形態にかかる信号符号化装置301の構成要素における第1実施形態との相違点について詳述する。
【0054】
図8を参照して、ワープパラメータ選択部111は、時間ワープ処理に関するパラメータである時間ワープパラメータ(変換パラメータ)を予め保持されていた値の中から選択する部分である。この時間ワープパラメータは、非時間ワープ変換係数から時間ワープ変換係数への変換特性を決定するパラメータであり、式(1)及び式(2)におけるパラメータaである。つまり、この時間ワープパラメータaは、時間ワープ変換係数における時間領域におけるサンプリング間隔の不均一度合いを表すものである。ワープパラメータ選択部111は、選択した時間ワープパラメータaを時間ワープ適用部104及び変換係数符号化部105に出力する。これに対して、時間ワープ適用部104は、パラメータaを用いて時間ワープ処理を実行し、変換係数符号化部105は、時間ワープ変換係数の符号化系列に併せて、パラメータaを符号化して出力する。
【0055】
図9は、ワープパラメータ選択部111の構成をより詳細に示すブロック図である。同図に示すように、ワープパラメータ選択部111は、ブロック分割部113と、ブロック電力算出部114と、時間領域局所具合判断部115と、時間ワープパラメータ決定部116とを備えて構成されている。
【0056】
ブロック分割部113は、フレーム分割部101からフレーム信号Sを受け取り、フレーム信号Sより短い長さの複数のブロック信号Bに分割する。
【0057】
ブロック電力算出部114は、分割された全てのブロック信号Bにおける信号電力を算出する。
【0058】
時間領域局所具合判断部115は、ブロック電力算出部114によって算出された信号電力よりフレーム信号Sがどれだけどこで局所化されているかを判断する。この判断の方法としては、例えば、同一フレーム信号S内の信号電力の平均との比(又は差)を算出し、フレーム信号S内での信号電力比の分布を計算する。また、時間領域局所具合判断部115は、同一フレーム信号S内の信号電力の最大値又は最小値との比(又は差)を算出するようにしてもよい。
【0059】
時間ワープパラメータ決定部116は、計算した信号電力比の分布に応じて予め定められた時間ワープパラメータaを選択する。このとき、時間ワープパラメータ決定部116は、信号電力比の分布の局所化度合いに応じて、時間ワープパラメータaの値を−1<a<1の範囲で選択する。
【0060】
次に、本実施形態にかかる信号復号化装置302の構成要素における第1実施形態との相違点について詳述する。
【0061】
図10を参照して、符号化系列復号部211は、時間ワープパラメータaと時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1とが併せて符号化された符号化系列を復号化して、時間ワープパラメータaと時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1とを得る。符号化系列復号部211は、時間ワープパラメータaを逆時間ワープ適用部203に送り、逆時間ワープ適用部203は、この時間ワープパラメータaを用いて逆時間ワープ処理を行う。
【0062】
次いで、図11を参照して、本実施形態にかかる信号符号化装置301の動作について説明する。信号符号化装置301の動作は、第1実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図11のステップS111、ステップS113〜S114、及びステップS116〜S117は、それぞれ、図6のステップS101〜S103、及びステップS105〜S106の処理と同一である。
【0063】
ここで、第1実施形態との差異であるステップS112とステップS115について説明すると、ステップS112では、ワープパラメータ選択部111が、フレーム信号Sの信号電力の分布に応じて、時間ワープパラメータaを予め保持されていた値の中から選択し、時間ワープ適用部104及び変換係数符号化部105に出力する。そして、ステップS115では、変換係数符号化部105が、時間ワープ変換係数の符号化系列に併せて、時間ワープパラメータaを符号化して出力する。
【0064】
更に、図12を参照して、本実施形態にかかる信号復号化装置302の動作について説明する。信号符号化装置302の動作は、第1実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図12のステップS213〜S215は、それぞれ、図7のステップS203〜S205の処理と同一である。
【0065】
ここで、第1実施形態との差異であるステップS211とステップS212について説明すると、ステップS211では、符号化系列復号部211により、符号化系列が復号され、時間ワープ変換係数に併せて時間ワープパラメータaが取得される。そして、ステップS212では、逆時間ワープ適用部203において、取得された時間ワープパラメータaを用いて逆時間ワープ処理が実行される。
【0066】
以上説明した信号符号化装置301及び信号復号化装置302によれば、フレーム信号Sを時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1に変換する際に用いられる時間ワープパラメータaが信号符号化装置301から信号復号化装置302に効率的に伝えられ、復号化処理が円滑に為される。また、フレーム信号Sの局所化度合いに応じて適切な時間ワープ処理が行われ、復号化信号における雑音がより低減される。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図13は、本発明の第3実施形態にかかる信号符号化装置311の構成を示すブロック図、図16は、本発明の第3実施形態にかかる信号復号化装置312の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態における信号符号化装置311の第1実施形態との主な相違点は、変換規則選択部131及び非時間ワープ変換規則適用部132を備える点であり、信号復号化装置312の第1実施形態との主な相違点は、符号化系列復号部211が、フレーム信号Sに対して施された変換規則の種別情報をも復号化する点、及び逆非時間ワープ変換規則適用部223を更に備える点である。
【0068】
まず、本実施形態にかかる信号符号化装置311の構成要素における第1実施形態との相違点について詳述する。
【0069】
図13を参照して、変換規則選択部131は、フレーム信号Sに基づいてフレーム信号Sに適用する変換規則として時間ワープ変換規則を適用するか、非時間ワープ変換規則を適用するかを判断する。また、変換規則選択部131は、判断結果に応じて、フレーム信号Sを非時間ワープ変換規則適用部132及び時間ワープ変換規則適用部102のいずれか一方に入力させるように制御する。さらに、変換規則選択部131は、選択した変換規則の種別に関する変換規則選択情報を変換係数符号化部105に出力し、これに対して、変換係数符号化部105は、変換係数の符号化系列に併せて、変換規則選択情報を符号化して出力する。
【0070】
非時間ワープ変換規則適用部132は、入力されたフレーム信号Sに対して非時間ワープ変換規則を施して非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1に変換する。非時間ワープ変換規則適用部132によって変換された非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1は、変換係数符号化部105に出力され、変換係数符号化部105で符号化される。
【0071】
なお、信号符号化装置311は、図14に示すような構成を採ることも可能である。同図を参照して、フレーム分割部101からのフレーム信号Sは、まず、非時間ワープ変換規則適用部132に入力されて、非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1に変換される。変換された非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1は、変換規則選択部131が時間ワープ変換規則を適用すると判断した場合は、時間ワープ適用部104に入力され、時間ワープ適用部104によって時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1に変換されて変換係数符号化部105に入力される。一方、非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1は、変換規則選択部131が非時間ワープ変換規則を適用すると判断した場合は、そのまま変換係数符号化部105に入力される。
【0072】
図15は、変換規則選択部131の構成をより詳細に示すブロック図である。同図に示すように、変換規則選択部131は、ブロック分割部133と、ブロック電力算出部134と、時間領域局所具合判断部135と、変換規則決定部136とを備えて構成されている。
【0073】
ブロック分割部133は、フレーム分割部101からフレーム信号Sを受け取り、フレーム信号Sより短い長さの複数のブロック信号Bに分割する。
【0074】
ブロック電力算出部134は、分割された全てのブロック信号Bにおける信号電力を算出する。
【0075】
時間領域局所具合判断部135は、ブロック電力算出部134によって算出された信号電力よりフレーム信号Sがどれだけどこで局所化されているかを判断する。この判断の方法としては、例えば、同一フレーム信号S内の信号電力の平均との比(又は差)を算出し、フレーム信号S内での信号電力比の分布を計算する。また、時間領域局所具合判断部135は、同一フレーム信号S内の信号電力の最大値又は最小値との比(又は差)を算出するようにしてもよい。
【0076】
変換規則決定部136は、計算した信号電力比の分布に応じてフレーム信号Sに適用する変換規則を選択する。このとき、変換規則決定部136は、信号電力比の分布の局所化度合いが所定の閾値より大きい場合は時間ワープ変換規則を選択し、信号電力比の分布の局所化度合いが所定の閾値より小さい場合は非時間ワープ変換規則を選択する。
【0077】
次に、本実施形態にかかる信号復号化装置312の構成要素における第1実施形態との相違点について詳述する。
【0078】
図16を参照して、符号化系列復号部221は、変換規則選択情報と時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1又は非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1とが併せて符号化された符号化系列を復号化して、変換規則選択情報と変換係数とを得る。符号化系列復号部211は、変換規則選択情報が“時間ワープ変換規則”を示している場合には時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1を逆時間ワープ変換規則適用部202に出力する一方、変換規則選択情報が“非時間ワープ変換規則”を示している場合には非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1を逆非時間ワープ変換規則適用部223に出力する。
【0079】
逆非時間ワープ変換規則適用部223は、非時間ワープ変換係数W,W,…WN−に対して逆非時間ワープ変換規則を施してフレーム信号SOに逆変換する。
【0080】
次いで、図17を参照して、本実施形態にかかる信号符号化装置311の動作について説明する。信号符号化装置311の動作は、第1実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図17のステップS121、及びステップS126〜S127は、それぞれ、図6のステップS101、及びステップS105〜S106の処理と同一である。
【0081】
ここで、第1実施形態との差異であるステップS122〜ステップS125について説明する。フレーム信号Sが入力されると、変換規則選択部131は、フレーム信号Sの局所化度合いに応じて時間ワープ変換規則を適用するか非時間ワープ変換規則を適用するかを判断する(ステップS122)。時間ワープ変換規則が選択されると(ステップS122;YES)、時間ワープ変換規則適用部102によってフレーム信号Sに時間ワープ変換規則が施されて時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1が生成される(ステップS123)。一方、非時間ワープ変換規則が選択されると(ステップS122;NO)、非時間ワープ変換規則適用部132によってフレーム信号Sに非時間ワープ変換規則が施されて非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1が生成される(ステップS124)。その後、生成された変換係数と適用された変換規則の種別に関する変換規則選択情報とが変換係数符号化部105によって符号化される(ステップS125)。
【0082】
更に、図18を参照して、本実施形態にかかる信号復号化装置312の動作について説明する。信号復号化装置312の動作は、第1実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図18のステップS225〜S226は、それぞれ、図7のステップS204〜S205の処理と同一である。
【0083】
ここで、第1実施形態との差異であるステップS221〜ステップS224について説明する。最初に、符号化系列復号部221により、符号化系列が復号され、変換係数に併せて変換規則選択情報が取得される(ステップS221)。そして、変換規則選択情報が“時間ワープ変換規則”を示すものである場合は(ステップS222;YES)、逆時間ワープ変換規則適用部202によって、時間ワープ変換係数Y,Y,…YN−1に対して逆非時間ワープ変換規則が施されフレーム信号SOに逆変換される(ステップS223)。一方、変換規則選択情報が“非時間ワープ変換規則”を示すものである場合は(ステップS222;NO)、逆非時間ワープ変換規則適用部223によって、非時間ワープ変換係数W,W,…WN−1に対して逆非時間ワープ変換規則が施されフレーム信号SOに逆変換される(ステップS224)。
【0084】
以上説明した信号符号化装置311及び信号復号化装置312によれば、フレーム信号Sの局所化度合いに応じて適切な変換規則が適用され、符号化効率がより一層向上する。併せて、適用される変換規則が信号符号化装置311から信号復号化装置312に効率的に伝えられ、復号化処理が円滑に為される。
【0085】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第2実施形態にかかる信号符号化装置301と第3実施形態にかかる信号符号化装置311との構成要素を組み合わせた構成を採ることもできる。図19は、このような場合の本発明の変形例を示す信号符号化装置321の構成を示すブロック図である。
【0086】
同図に示す信号符号化装置321においては、フレーム信号Sが変換規則選択部131に入力され、変換規則選択部131においてフレーム信号Sに対する変換規則が決定される。変換規則選択部131によって“時間ワープ変換規則”が選択された場合は、ワープパラメータ選択部111によって時間ワープパラメータaが更に選択され、時間ワープ変換規則適用部102に出力される。
【0087】
このような信号符号化装置321の信号符号化に関する動作は、図20に示すように、第3実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図20のステップS131〜S132、ステップS134〜S135、及びステップS137〜S138は、それぞれ、図17のステップS121〜S122、ステップS123〜S124、及びステップS126〜S127の処理と同一である。ステップS133では、フレーム信号Sに対する変換規則として時間ワープ変換規則が選択された場合に、ワープパラメータ選択部111によって時間ワープパラメータaが選択される。ステップS136においては、変換係数符号化部105によって変換係数が符号化される際には、変換規則選択情報及び時間ワープパラメータも併せて符号化され、符号化系列に含められる。なお、符号化系列に含められる時間ワープパラメータaは変換規則選択情報を兼ねるようにしてもよい。例えば、時間ワープパラメータを“0”とすれば、非時間ワープ処理が選択されていることと等価となるので、時間ワープパラメータaを変換規則選択情報に代用することができる。
【0088】
同様に、第2実施形態にかかる信号復号化装置302と第3実施形態にかかる信号復号化装置312との構成要素を組み合わせた構成を採ることもできる。図21は、このような場合の本発明の変形例を示す信号復号化装置322の構成を示すブロック図である。
【0089】
同図に示す信号復号化装置322においては、変換係数に変換規則選択情報及び時間ワープパラメータaが付加された符号化系列を受信し、この符号化系列は符号化系列復号部231はこの符号化系列を復号化して、変換規則選択情報及び時間ワープパラメータaを取得する。得られた変換規則選択情報に応じて、符号化系列復号部231は、変換係数を逆時間ワープ変換規則適用部202又は逆非時間ワープ変換規則適用部223に出力する。また、符号化系列復号部231は、時間ワープパラメータaを逆時間ワープ変換規則適用部202に引き渡す。
【0090】
このような信号復号化装置322の信号復号化に関する動作は、図22に示すように、第3実施形態で詳述した処理と共通するステップを複数含む。具体的には、図22のステップS232、ステップS234、及びステップS235〜S236は、それぞれ、図18のステップS222、ステップS224、及びステップS225〜S226の処理と同一である。ステップS231では、符号化系列が符号化系列復号部231によって復号化され、変換係数、変換規則選択情報、及び時間ワープパラメータaが取得される(ステップS231)。取得された変換規則選択情報が“時間ワープ変換規則”である場合は(ステップS232;YES)、符号化系列復号部231から逆時間ワープ変換規則適用部202に時間ワープ変換係数及び時間ワープパラメータaが渡され、逆時間ワープ変換規則適用部202によって時間ワープ変換係数がフレーム信号SOに逆変換される(ステップS233)。
【0091】
また、第2実施形態における信号符号化装置301のワープパラメータ選択部111は、実際の符号化処理における雑音電力に基づいて時間ワープパラメータを選択するように動作してもよい。このように構成すれば、フレーム信号Sの符号化において雑音電力のより小さい時間ワープ変換規則を簡易に選択させることができる。図23は、このような場合の本発明の別の変形例を示す信号符号化装置331の構成を示すブロック図である。同図に示すように、信号符号化装置331のワープパラメータ選択部111は、ワープパラメータ管理部121と雑音電力評価部122と雑音電力算出部123と逆時間ワープ変換規則適用部124と変換係数復号部125とから構成されている。
【0092】
ワープパラメータ管理部121は、予め複数の時間ワープパラメータaを保持しており、それらの複数の時間ワープパラメータaから1つを選択して時間ワープ変換規則適用部102に通知する。これに対して、選択された時間ワープパラメータaによる時間ワープ変換規則が適用された時間ワープ変換係数が変換係数符号化部105によって符号化され、符号化系列は変換係数符号化部105から変換係数復号部125にも出力される。一方、この符号化系列は、符号化系列出力部106において保持される。変換係数復号部125は、符号化系列から時間ワープ変換係数を復号して逆時間ワープ変換規則適用部124に出力する。さらに、逆時間ワープ変換規則適用部124は、時間ワープ変換係数に逆時間ワープ変換規則を施してフレーム信号SOを取得し雑音電力算出部123に送出し、雑音電力算出部123は、逆時間ワープ変換規則適用部124から出力されたフレーム信号SOともとのフレーム信号Sとを用いて、フレーム信号SOにおける雑音電力を算出し雑音電力評価部122に送出する。そして、雑音電力評価部122は、ワープパラメータ管理部121が選択した時間ワープパラメータaと雑音電力とを関連づけて保持する。その後、ワープパラメータ管理部121は、複数の時間ワープパラメータaから別の1つを選択して、上述した処理と同様の処理を繰り返し、雑音電力評価部122が、別の時間ワープパラメータaに関する雑音電力と既に保持されている雑音電力とを比較することで、雑音電力がより小さい時間ワープパラメータaとそれに対応する雑音電力とを関連づけて保持する。このような雑音電力の計算及び比較処理は、ワープパラメータ管理部121に保持されている全ての時間ワープパラメータaについて繰り返された後、最終的に雑音電力評価部122に保持されている時間ワープパラメータaがワープパラメータ管理部121に通知される。
【0093】
さらに、ワープパラメータ管理部121は、最終的に保持している時間ワープパラメータaを符号化して得られる時間ワープパラメータ符号化系列を符号化系列出力部106に出力し、符号化系列出力部106において、時間ワープパラメータ符号化系列に対応する時間ワープ変換係数が選択され、時間ワープパラメータ符号化系列とともに外部に出力される。なお、上述した雑音電力算出部123における雑音電力の算出は、フレーム信号SOを対象に行われていたが、時間ワープ変換係数を対象に行われても良い。
【0094】
また、第3実施形態における信号符号化装置311の変換規則選択部131は、実際の符号化処理における雑音電力に基づいてフレーム信号Sに対する変換規則を選択するように動作してもよい。このように構成すれば、フレーム信号Sの符号化において雑音電力のより小さい変換規則を簡易に選択させることができる。図24は、このような場合の本発明の別の変形例を示す信号符号化装置341の構成を示すブロック図である。同図に示すように、信号符号化装置341の変換規則選択部131は、変換規則管理部145と雑音電力評価部144と雑音電力算出部143と逆時間ワープ変換規則適用部142と変換係数復号部141とから構成されている。
【0095】
変換規則管理部121は、非時間ワープ変換規則又は時間ワープ変換規則のいずれか選択し、選択した変換規則に従ってフレーム信号Sを非時間ワープ変換規則適用部132又は時間ワープ変換規則適用部102のいずれかに出力させる。例えば、変換規則管理部121によって非時間ワープ変換規則が選択された場合、変換係数符号化部105において非時間ワープ変換係数が符号化され、符号化系列は変換係数符号化部105から変換係数復号部141にも出力される。一方、この符号化系列は、符号化系列出力部106において保持される。その後、上述した信号符号化装置331における処理と同様にして、雑音電力算出部143は、逆時間ワープ変換規則適用部142から出力されたフレーム信号SOともとのフレーム信号Sとを用いて、フレーム信号SOにおける雑音電力を算出し雑音電力評価部144に送出する。そして、雑音電力評価部144は、この雑音電力を非時間ワープ変換規則に対応する雑音電力として保持する。さらに、変換規則管理部145は、変換規則として時間ワープ変換規則を選択して、上述した処理と同様の処理を繰り返し、雑音電力評価部144が、非時間ワープ変換規則に関する雑音電力と時間ワープ変換規則に関する雑音電力を比較し、変換規則管理部145に対してより小さい雑音電力の変換規則を通知する。
【0096】
そして、変換規則管理部145は、変換規則管理部145から通知された変換規則に関する変換規則選択情報を符号化して得られる変換規則選択情報符号化系列を、符号化系列出力部106に出力し、符号化系列出力部106において、変換規則選択情報符号化系列に対応する変換係数が選択され、変換規則選択情報符号化系列とともに外部に出力される。なお、上述した雑音電力算出部143における雑音電力の算出は、フレーム信号Sを対象に行われていたが、時間ワープ変換係数を対象に行われても良い。
【0097】
また、上記信号符号化装置341は、信号符号化装置321と同様にして、信号符号化装置331と組み合わせた構成を採ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の時間ワープ適用部の構成を示すブロック図である。
【図3】非時間ワープ変換規則と時間ワープ変換規則との間の時間領域におけるサンプル点の位置関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる信号復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の逆時間ワープ適用部の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の信号符号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図4の信号復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8におけるワープパラメータ選択部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる信号復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図11】図8の信号符号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図10の信号復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態にかかる信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13の信号符号化装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【図15】図13の変換規則選択部の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3実施形態にかかる信号復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図13の信号符号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】図16の信号復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の変形例を示す信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図20】図19の信号符号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の変形例を示す信号復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図22】図21の信号復号化装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】本発明の別の変形例を示す信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の別の変形例を示す信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
1,301,311,321,331,341…信号符号化装置、2,302,312,322…信号復号化装置、101…フレーム分割部、102…時間ワープ変換規則適用部、103…非時間ワープ変換規則適用部、104…時間ワープ適用部、105…変換係数符号化部、106…符号化系列出力部、107…順序反転処理部、108,205…オールパスフィルタネットワーク、108b,205a…オールパスフィルタ部、201,211,221,231…符号化系列復号部、202…逆時間ワープ変換規則適用部、203…逆時間ワープ適用部、204…逆非時間ワープ変換規則適用部。




 

 


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