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発明の名称 鍵盤蓋の開閉装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−256739(P2007−256739A)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
出願番号 特願2006−82368(P2006−82368)
出願日 平成18年3月24日(2006.3.24)
代理人 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男
発明者 南雲 慎二
要約 課題
複数の蓋体を連結した鍵盤蓋を楽器ケース内に安定した状態でコンパクトに折り畳むことができる鍵盤蓋の開閉装置を提供する。

解決手段
前蓋12と後蓋13とが連結部材14によって分離可能に連結された鍵盤蓋3で楽器ケース1内の鍵盤部2を開閉自在に覆うために、楽器ケース1に、前蓋12と後蓋13とを楽器ケース1内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部16と、後蓋13を楽器ケース1内の後部側にガイドする第1ガイド溝部17と、前蓋12を後蓋13に重なるようにガイドする第2ガイド溝部18と、第1、第2ガイド溝部17、18を共通ガイド溝部16から分岐する分岐部19とを設けた。従って、鍵盤蓋3を楽器ケース1内に収納すると、前蓋12と後蓋13とを第1、第2ガイド溝部17、18で保持することができるので、楽器ケース1内に安定した状態で収納できると共に、上下に重ねてコンパクトに折り畳んで収納できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
楽器ケース内の前部側に設けられた鍵盤部を鍵盤蓋で開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
前記鍵盤蓋は、前蓋と後蓋とを備え、これら前蓋と後蓋とが連結部材によって分離可能に連結され、
前記楽器ケースには、前記鍵盤蓋を閉じた状態のときに前記前蓋と前記後蓋とを前記楽器ケース内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部と、前記鍵盤蓋を開いときに前記後蓋を前記楽器ケース内の後部側にガイドする第1ガイド溝部と、前記前蓋を前記後蓋とほぼ平行に前記楽器ケース内の後部側にガイドする第2ガイド溝部と、前記第1、第2ガイド溝部を前記共通ガイド溝部から分岐する分岐部とが設けられていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項2】
前記共通ガイド溝部は、幅の広い第1溝と、この第1溝内の底部に設けられた幅の狭い第2溝とからなり、前記第1ガイド溝部は前記第1溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に延長され、前記第2ガイド溝部は少なくとも前記第2溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に前記第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、
前記後蓋の前後部には前記第1溝内に挿入して移動する第1突起部が設けられ、前記前蓋の前後部には少なくとも前記第2溝内に挿入して移動する第2突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項3】
前記前蓋と前記後蓋とを分離可能に連結する前記連結部材は、前記後蓋の後部に設けられた前記第1突起部に回動可能に取り付けられて前記後蓋の前方に突出する前端部に連結突起部を有する第1連結片と、前記前蓋の前後部にそれぞれ設けられた前記第2突起部に取り付けられて前記第1連結片の前記連結突起部が移動可能に挿入するスリット孔を有する第2連結片とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項4】
前記分岐部は、幅の狭い前記第2溝内に設けられて前記第2突起部の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材と、前記第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部を有して前記板ばね部材の弾性変形に伴って前記第1溝内から前記第2溝側に向けて出没する規制部材とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項5】
楽器ケース内の前部側に設けられた鍵盤部を鍵盤蓋で開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
前記鍵盤蓋は、複数の蓋体が屈曲可能な連結シートで折り曲がり可能に順次連結され、
前記楽器ケースには、前記鍵盤蓋を閉じた状態のときに前記複数の蓋体を前記楽器ケース内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部と、前記鍵盤蓋を開いときに前記複数の蓋体を順次谷折りと山折りとに折り畳みながら前記楽器ケース内の後部側にガイドする第1、第2ガイド溝部と、この第1、第2ガイド溝部を前記共通ガイド溝部から分岐する分岐部とが設けられていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項6】
前記共通ガイド溝部は、幅の広い第1溝と、この第1溝内に設けられた幅の狭い第2溝とからなり、前記第1ガイド溝部は前記第1溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に延長され、前記第2ガイド溝部は少なくとも前記第2溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に前記第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、
前記複数の蓋体のうち、互いに隣接して谷折りとなる前記蓋体の端部には、前記第1溝内に挿入して移動する第1突起部が設けられ、互いに隣接して山折りとなる前記蓋体の端部には、少なくとも前記第2溝内に挿入して移動する第2突起部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鍵盤蓋の開閉装置。
【請求項7】
前記分岐部は、幅の狭い前記第2溝内に設けられて前記第2突起部の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材と、前記第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部を有して前記板ばね部材の弾性変形に伴って前記第1溝内から前記第2溝側に向けて出没する規制部材とを備えていることを特徴とする請求項5または6に記載の鍵盤蓋の開閉装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピアノなどの鍵盤楽器に用いられる鍵盤蓋の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピアノなどの鍵盤楽器においては、楽器ケースのコンパクト化を図るために、特許文献1に記載されているように、鍵盤蓋を複数の蓋体に分割し、この複数の蓋体を順次折り曲がり可能に連結して鍵盤蓋を構成し、この鍵盤蓋で楽器ケース内に設けられた鍵盤部を開閉自在に覆うように構成したものがある。このような鍵盤楽器では、鍵盤蓋を閉じたときに複数の蓋体が平坦状をなして鍵盤部を覆い、鍵盤蓋を開いときに複数の蓋体が順次折り畳まれて楽器ケース内に収納される。
【特許文献1】特開平9−44144号
【0003】
この場合、鍵盤蓋は、前蓋と中間蓋と後蓋とを備え、これらを蝶番によって折り曲がり可能に連結する際、前蓋と中間蓋とが山折りになり、中間蓋と後蓋とが谷折りになるように、前蓋と中間蓋と後蓋とをそれぞれ蝶番で連結している。また、楽器ケース内には、前蓋の前端部をガイドする前蓋ガイド部と、後蓋の後端部をほぼ水平にガイドする後蓋ガイド部と、中間蓋を斜めに傾けてガイドする中間ガイド部とが設けられている。
【0004】
このような鍵盤蓋の開閉装置では、鍵盤蓋を閉じたときに、後蓋の後端部が後蓋ガイド部でガイドされた状態で、前蓋、中間蓋、および後蓋が前蓋ガイド部で支持され、これにより前蓋、中間蓋、および後蓋が平坦状に連続して鍵盤部を覆う。また、この状態で鍵盤蓋を開くときには、前蓋を楽器ケース内の後方に向けて移動させると、これに伴って中間蓋が後方に移動する共に後蓋の後端部が後蓋ガイド部でガイドされながら後方に移動し、中間蓋が前蓋ガイド部の後方に移動すると、中間蓋が中間ガイド部でガイドされながら斜め後方に移動するので、前蓋と中間蓋とが山折り状態になると共に、中間蓋と後蓋とが谷折り状態になり、これにより中間蓋と後蓋とが折り畳まれて収納される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の鍵盤蓋の開閉装置では、鍵盤蓋を開いて収納したときに、前蓋と中間蓋とが山折り状態になると共に、中間蓋と後蓋とが谷折り状態になり、これにより楽器ケース内にコンパクトに収納されるが、この状態では中間蓋が前蓋の後端部と後蓋の前端部とで保持されているだけであるから、中間蓋が楽器ケース内に浮いた状態となり、中間蓋が不安定で、楽器ケース内で揺れてしまうという問題がある。このような問題は、中間蓋が更に分割されて中間蓋の枚数が多くなるに従って大きな問題になる。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、複数の蓋体を連結した鍵盤蓋を楽器ケース内に安定した状態でコンパクトに折り畳むことができる鍵盤蓋の開閉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
なお、各構成要素には、後述する各実施形態の項で説明される各要素に付されている図面の参照番号などを括弧と共に付す。
【0008】
請求項1に記載の発明は、図1〜図10に示すように、楽器ケース(1)内の前部側に設けられた鍵盤部(2)を鍵盤蓋(3)で開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
前記鍵盤蓋は、前蓋(12)と後蓋(13)とを備え、これら前蓋と後蓋とが連結部材(14)によって分離可能に連結され、
前記楽器ケースには、前記鍵盤蓋を閉じた状態のときに前記前蓋と前記後蓋とを前記楽器ケース内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部(16)と、前記鍵盤蓋を開いときに前記後蓋を前記楽器ケース内の後部側にガイドする第1ガイド溝部(17)と、前記前蓋を前記後蓋とほぼ平行に前記楽器ケース内の後部側にガイドする第2ガイド溝部(18)と、前記第1、第2ガイド溝部を前記共通ガイド溝部から分岐する分岐部(19)とが設けられていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、図1〜図10に示すように、前記共通ガイド溝部(16)が、幅の広い第1溝(20)と、この第1溝内の底部に設けられた幅の狭い第2溝(21)とからなり、前記第1ガイド溝部(17)は前記第1溝が前記分岐部(19)で分岐されて前記楽器ケース(1)内の後部側に延長され、前記第2ガイド溝部(18)は少なくとも前記第2溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に前記第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、
前記後蓋(13)の前後部には前記第1溝内に挿入して移動する第1突起部(22)が設けられ、前記前蓋(12)の前後部には少なくとも前記第2溝内に挿入して移動する第2突起部(23)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤蓋の開閉装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、図1〜図10に示すように、前記前蓋(12)と前記後蓋(13)とを分離可能に連結する前記連結部材(14)が、前記後蓋の後部に設けられた前記第1突起部(22)に回動可能に取り付けられて前記後蓋の前方に突出する前端部に連結突起部(28)を有する第1連結片(26)と、前記前蓋の前後部にそれぞれ設けられた前記第2突起部(23)に取り付けられて前記第1連結片の前記連結突起部が移動可能に挿入するスリット孔(27a)を有する第2連結片(27)とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤蓋の開閉装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、図1〜図10に示すように、前記分岐部(19)が、幅の狭い前記第2溝(21)内に設けられて前記第2突起部(23)の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材(24)と、前記第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部(25a)を有して前記板ばね部材の弾性変形に伴って前記第1溝(20)内から前記第2溝側に向けて出没する規制部材(25)とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、図11〜図15に示すように、楽器ケース(1)内の前部側に設けられた鍵盤部(2)を鍵盤蓋(32)で開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
前記鍵盤部は、複数の蓋体(30)が屈曲可能な連結シート(31)で折り曲がり可能に順次連結され、
前記楽器ケースには、前記鍵盤蓋を閉じた状態のときに前記複数の蓋体を前記楽器ケース内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部(16)と、前記鍵盤蓋を開いときに前記複数の蓋体を順次折り畳みながら前記楽器ケース内の後部側にガイドする第1、第2ガイド溝部(17、18)と、この第1、第2ガイド溝部を前記共通ガイド溝部から分岐する分岐部(19)とが設けられていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、図11〜図15に示すように、前記共通ガイド溝部(16)が、幅の広い第1溝(20)と、この第1溝内の底部に設けられた幅の狭い第2溝(21)とからなり、前記第1ガイド溝部(17)は前記第1溝が前記分岐部(19)で分岐されて前記楽器ケース(1)内の後部側に延長され、前記第2ガイド溝部(18)は少なくとも前記第2溝が前記分岐部で分岐されて前記楽器ケース内の後部側に前記第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、
前記複数の蓋体(30)のうち、互いに隣接して谷折りとなる前記蓋体の端部には、前記第1溝内に挿入して移動する第1突起部(22)が設けられ、互いに隣接して山折りとなる前記蓋体の端部には、少なくとも前記第2溝内に挿入して移動する第2突起部(23)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鍵盤蓋の開閉装置である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、図5〜図7、および図11〜図15に示すように、前記分岐部(19)が、幅の狭い前記第2溝(21)内に設けられて前記第2突起部(23)の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材(24)と、前記第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部(25a)を有して前記板ばね部材の弾性変形に伴って前記第1溝(20)内から前記第2溝側に向けて出没する規制部材(25)とを備えていることを特徴とする請求項5または6に記載の鍵盤蓋の開閉装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、前蓋と後蓋とが連結部材によって分離可能に連結された鍵盤蓋を閉じた状態のときに、前蓋と後蓋とが楽器ケースの共通ガイド溝部によって楽器ケース内の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持されるので、前蓋と後蓋とによって鍵盤部を確実に且つ良好に覆うことができる。また、共通ガイド溝部が分岐部によって第1ガイド溝部と第2ガイド溝部とに分岐されているので、鍵盤蓋を開くときに、後蓋を楽器ケースの第1ガイド溝部に確実に送り込むことができると共に、連結部材で前蓋を後蓋から分離させて楽器ケースの第2ガイド溝部に確実に送り込むことができる。
【0016】
これにより、後蓋を第1ガイド溝部で確実にガイドして保持することができると共に、前蓋を第2ガイド溝部でガイドして後蓋と重なるようにほぼ平行に保持することができる。このため、鍵盤蓋を開いて楽器ケース内に収納した状態のときには、第1、第2ガイド溝部によって前蓋と後蓋とを楽器ケース内に上下に重ねて確実に保持することができるので、鍵盤蓋が前蓋と後蓋とを連結部材で分離可能に連結した構成であっても、楽器ケース内に前蓋と後蓋とを安定した状態で収納することができると共に、前蓋と後蓋とを上下に重ねてコンパクトに折り畳んで収納することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、共通ガイド溝部が、幅の広い第1溝と、この第1溝内底部に設けられた幅の狭い第2溝とからなり、第1溝が分岐部で分岐されて第1ガイド溝部として楽器ケース内の後部側に延長され、少なくとも第2溝が分岐部で分岐されて第2ガイド溝部として楽器ケース内の後部側に第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、後蓋の前後部に設けられた第1突起部が第1溝内に挿入して移動し、前蓋の前後部に設けられた第2突起部が少なくとも第2溝内に挿入して移動することにより、鍵盤蓋を開くときに、後蓋を共通ガイド溝部から第1ガイド溝部に確実にガイドして保持することができると共に、前蓋を共通ガイド溝部から第2ガイド溝部に確実にガイドして後蓋とほぼ平行に保持することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、前蓋と後蓋とを分離可能に連結する連結部材が、後蓋の後部に設けられた第1突起部に回動可能に取り付けられて後蓋の前方に突出する前端部に連結突起部を有する第1連結片と、前蓋の前後部にそれぞれ設けられた第2突起部に取り付けられて第1連結片の連結突起部が移動可能に挿入するスリット孔を有する第2連結片とを備えていることにより、鍵盤蓋を開くときに、前蓋と後蓋とを連結部材で確実に分離させて第1、第2ガイド溝部に個別に送り込むことができ、また鍵盤蓋を閉じるときに、前蓋と後蓋とを連結部材で確実に連結して連動させることができる。
【0019】
すなわち、鍵盤蓋を開いて前蓋と後蓋とを楽器ケース内に収納するときに、後蓋が第1ガイド溝部でガイドされて収納されると、連結部材の第1連結片が後蓋の後部の第1突起部を中心に回動して後蓋の前部と前蓋の後部とを分離すると共に、第1連結片の連結突起部が第2連結片のスリット孔内を前側に向けて相対的に移動するので、前蓋を後蓋から分離させて第2ガイド溝部でガイドすることができ、これにより前蓋と後蓋とを上下に重ねて収納することができる。また、鍵盤蓋を閉じるときには、前蓋と後蓋とが分離されているので、前蓋を引出しても、初期段階では前蓋と共に後蓋が引出されず、第1連結片の連結突起部が第2連結片のスリット孔内を後方に向けて相対的に移動し、この連結部材が第2連結片のスリット孔の後端部に当接すると、この連結突起部によって後蓋を前蓋に連結させることができ、これにより後蓋を前蓋と共に前方に向けて確実に移動させることができるので、前蓋と後蓋とで鍵盤部を覆うことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、分岐部が、幅の狭い第2溝内に設けられて第2突起部の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材と、前蓋の第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部を有して板ばね部材の弾性変形に伴って第1溝内から第2溝側に向けて出没する規制部材とを備えていることにより、第2突起部の強度を確保するために、第2突起部を、第1溝に挿入する大径突起部の先端面に第2溝に挿入する小径突起部を設けた構成にし、この第2突起部が挿入して移動する第2ガイド溝部を、共通ガイド溝部の第1溝と第2溝とがそのまま延長された構成にしても、鍵盤蓋を開くときに、板ばね部材と規制部材とによって、前蓋の第2突起部を共通ガイド溝部から第2ガイド溝部に確実にガイドすることができると共に、後蓋の第1突起部を共通ガイド溝部から第1ガイド溝部に確実にガイドすることができる。
【0021】
すなわち、鍵盤蓋を開くときに、後蓋の第1突起部が共通ガイド溝部を移動して分岐部に到達すると、第1突起部の先端面が幅の狭い第2溝内の板ばね部材を押圧させず、弾性変形させることがないため、規制部材が第1溝内に突出した状態を維持し、この規制部材によって第1突起部を第1ガイド溝部の第1溝に確実にガイドすることができる。また、前蓋の第2突起部が共通ガイド溝部から分岐部に到達すると、第2突起部の先端部が板ばね部材を弾性変形させて規制部材を第1溝内から第2溝側に没入させるので、第1溝が開放されると共に規制部材の切欠け部が第2溝に対応し、これにより切欠け部を第2突起部の先端部つまり小径突起部が通過すると共に、第2突起部の大径突起部が規制部材で規制されずに第1溝内を移動するので、第2突起部を第2ガイド溝部に確実にガイドすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、複数の蓋体が屈曲可能な連結シートで折り曲がり可能に連結された鍵盤蓋を閉じた状態のときに、複数の蓋体が楽器ケースの共通ガイド溝部によって楽器ケース内の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持されるので、複数の蓋体によって鍵盤部を確実に且つ良好に覆うことができる。また、共通ガイド溝部が分岐部によって第1ガイド溝部と第2ガイド溝部とに分岐されているので、鍵盤蓋を開くときに、複数の蓋体を第1、第2ガイド溝部で確実にガイドしながら順次谷折りと山折りとに折り畳むことができると共に、複数の蓋体を第1、第2ガイド溝部で確実に保持することができる。
【0023】
このため、鍵盤蓋を開いて楽器ケース内に収納した状態のときには、第1、第2ガイド溝部によって複数の蓋体を楽器ケース内に谷折りと山折りとに折り畳んで確実に保持することができるので、鍵盤蓋が複数の蓋体を連結シートで折り曲がり可能に連結した構成であっても、楽器ケース内に複数の蓋体を安定した状態で収納することができると共に、複数の蓋体を折り畳んで楽器ケース内の後部側にコンパクトに収納することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、共通ガイド溝部が、幅の広い第1溝と、この第1溝内の底部に設けられた幅の狭い第2溝とからなり、第1ガイド溝部は第1溝が分岐部で分岐されて楽器ケース内の後部側に延長され、第2ガイド溝部は少なくとも第2溝が分岐部で分岐されて楽器ケース内の後部側に第1ガイド溝部とほぼ平行に延長され、複数の蓋体のうち、互いに隣接して谷折りとなる蓋体の端部に設けられた第1突起部が第1溝内に挿入して移動し、互いに隣接して山折りとなる蓋体の端部に設けられた第2突起部が少なくとも第2溝内に挿入して移動することにより、鍵盤蓋を開くときに、複数の蓋体を第1、第2ガイド溝部で確実にガイドして谷折りと山折りとに折り畳むことができると共に、複数の蓋体を第1、第2ガイド溝部で確実に保持して楽器ケース内に収納することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、分岐部が、幅の狭い第2溝内に設けられて第2突起部の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材と、第2突起部の先端部のみが通過する切欠き部を有して板ばね部材の弾性変形に伴って第1溝内から第2溝側に向けて出没する規制部材とを備えていることにより、請求項3に記載の発明と同様、第2突起部の強度を確保するために、第2突起部を、第1溝に挿入する大径突起部の先端面に第2溝に挿入する小径突起部を設けた構成にし、この第2突起部が挿入して移動する第2ガイド溝部を、共通ガイド溝部の第1溝と第2溝とがそのまま延長された構成にしても、鍵盤蓋を開くときに、板ばね部材と規制部材とによって、共通ガイド溝部から複数の蓋体の第1突起部を第1ガイド溝部に確実にガイドすることができる共に、複数の蓋体の第2突起部を第2ガイド溝部に確実にガイドすることができ、これにより複数の蓋体を順次谷折りと山折りとに折り畳むことができる。
【0026】
すなわち、鍵盤蓋を開くときに、複数の蓋体の第1突起部が順次共通ガイド溝部を移動して分岐部に到達すると、第1突起部の先端面が幅の狭い第2溝内の板ばね部材を押圧せず、弾性変形させることがないため、規制部材が第1溝内に突出した状態を維持し、この規制部材によって第1突起部を第1ガイド溝部の第1溝に確実にガイドすることができる。また、前蓋の第2突起部が共通ガイド溝部から分岐部に到達すると、第2突起部の先端部が板ばね部材を弾性変形させて規制部材を第1溝内から第2溝側に没入させるので、第1溝が開放される共に規制部材の切欠け部が第2溝に対応し、これにより切欠け部を第2突起部の先端部つまり小径突起部が通過すると共に、第2突起部の大径突起部が規制部材で規制されずに第1溝内を移動するので、第2突起部を第2ガイド溝部の第2溝に確実にガイドすることができ、これにより複数の蓋体を順次谷折りと山折りとに折り畳むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態1)
以下、図1〜図10を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態1について説明する。
図1はこの発明の鍵盤楽器を示した断面図、図2は図1の鍵盤蓋を拡大して示した要部の分解斜視図、図3は図2の鍵盤蓋を取り外した状態の鍵盤楽器を示した断面図である。
この鍵盤楽器は、図1に示すように、楽器ケース1を備え、この楽器ケース1内の前側(図1では左側)に鍵盤部2が配置され、この鍵盤部2の上側に鍵盤蓋3が開閉自在に設けられた構成になっている。
【0028】
楽器ケース1は、図1および図3に示すように、底板4を備えている。この底板4の前端部(図3では左端部)には、前板5が立設されており、この底板4の後端部(図3では右端部)には、後板6が立設されている。また、底板4の両側部(図3では紙面の表裏面方向)には、側板7が立設されており、これら側板7の上部における後部間(図3では右側部の間)には、天板8が後板6の上端部に載置されて設けられている。これにより、楽器ケース1は、前板5と天板8との間が上方に開放され、この開放された部分から鍵盤部2が上側に露出するように構成されている。
【0029】
鍵盤部2は、図1および図3に示すように、白鍵および黒鍵などの複数の鍵10を鍵盤シャーシ11上に配置したものであり、楽器ケース1内の底板4上に配置され、この状態で鍵盤シャーシ11上の複数の鍵10が前板5と天板8との間に位置して上部側に露出している。また、鍵盤蓋3は、図1および図2に示すように、前蓋12と後蓋13とを備え、この前蓋12と後蓋13とが連結部材14によって分離可能に連結され、この状態で前蓋12と後蓋13とが楽器ケース1内の上部側に前後方向(図1では左右方向)にスライド可能に設けられ、これにより鍵盤部2を開閉自在に覆うように構成されている。なお、前蓋12の先端部には、取手蓋15が蝶番(図示せず)によって折れ曲がり可能に連結されている。
【0030】
また、楽器ケース1の内面、つまり側板7の内面には、図1および図3に示すように、鍵盤蓋3を閉じた状態のときに前蓋12と後蓋13とを楽器ケース1内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部16と、鍵盤蓋3を開いときに後蓋13を少し下げて楽器ケース1内の後部側にガイドする第1ガイド溝部17と、前蓋12を後蓋13の上側にほぼ平行で且つほぼ水平な状態で楽器ケース1内の後部側にガイドする第2ガイド溝部18と、第1、第2ガイド溝部16、17を共通ガイド溝部15から分岐する分岐部19とが設けられている。
【0031】
すなわち、共通ガイド溝部16は、図4(a)に示すように、幅の広い第1溝20と、この第1溝20内の底部(同図では左側の奥部)に設けられた幅の狭い第2溝21とからなり、図3に示すように、鍵盤部2の前端部から鍵盤部2の上方に沿って鍵盤部2の後端部に亘り、緩やかに湾曲して設けられている。この場合、第1溝20は、図4(a)に示すように、側板7の内面からの深さが浅く形成されており、第2溝21は、側板7の内面からの深さが第1溝20よりも深く形成されている。
【0032】
第1ガイド溝部17は、図3および図4(b)に示すように、共通ガイド溝部16の幅の広い第1溝20が分岐部19で分岐されて後部下がりに少し傾斜した状態で、楽器ケース1内の後端部に向けて延長された構成になっている。また、第2ガイド溝部18は、図3および図4(a)に示すように、共通ガイド溝部16と同様、幅の広い第1溝部20と幅の狭い第2溝21とからなり、これら第1、第2溝20、21が分岐部19で分岐されてほぼ水平な状態で、つまり第1ガイド溝部17の上側に沿ってほぼ平行な状態で楽器ケース1内の後端部に向けて延長された構成になっている。
【0033】
一方、後蓋13の両側面における前後部には、図1および図2に示すように、共通ガイド溝部16と第1ガイド溝部17との両者における幅の広い第1溝20内に挿入して移動する第1突起部22が設けられている。この場合、第1突起部22は、図2に示すように、大径突起部であり、その直径が第1溝20の幅とほぼ同じ大きさで、その高さが第1溝20の深さとほぼ同じ長さの円柱状に形成されている。
【0034】
また、前蓋12の両側面における前後部には、図1および図2に示すように、共通ガイド溝部16と第2ガイド溝部18との両者における第1、第2溝20、21内に挿入して移動する第2突起部23が設けられている。この第2突起部23は、図2に示すように、その基端側に第1突起部22と同じ大きさの大径突起部23aが形成され、この大径突起部23aの先端部に小径突起部23bが形成された構成になっている。この場合、小径突起部23bは、その直径が第2溝21の幅と同じ大きさで、その高さが第2溝21の深さとほぼ同じ長さの小径の円柱状に形成されている。なお、取手蓋15の両側面における前後部にも、共通ガイド溝部16内を移動する第2突起部23が設けられている。
【0035】
分岐部19は、図3に示すように、鍵盤部2の後端部に対応する上側に位置し、共通ガイド溝部16の後端部から第1、第2ガイド溝部17、18を分岐させるように構成されている。この分岐部19は、図5〜図7に示すように、幅の狭い第2溝21内に設けられた板ばね部材24と、この板ばね部材24に一体的に設けられて板ばね部材24の弾性変形に伴って変位することにより、第1、第2突起部22、23をそれぞれ第1、第2ガイド溝部17、18に個別にガイドする規制部材25とを備えている。
【0036】
この場合、板ばね部材24は、図5〜図7に示すように、両端部が低く、中間部が盛り上がった形状に形成され、第2溝21内に配置されて、一端部がビス24aによって固定され、他端部が中間部の盛り上がった部分の弾性変形に伴って第2溝21内をスライドするように配置され、この状態で中間部の盛り上がった部分が第2溝21内でその深さ方向に弾性変形するように構成されている。すなわち、この板ばね部材24は、第1突起部22が通過するときに、第1突起部22によって押圧されないため、弾性変形しないが、第2突起部23が通過するときに、第2突起部23の小径突起部23bによって押圧されて弾性変形するように構成されている。
【0037】
また、規制部材25は、図5〜図7に示すように、板ばね部材24の中間部に一体的に設けられて、第1溝20を斜めに遮るように第1溝20内に突出し、その中間部に第2突起部23の小径突起部23bのみが通過する切欠き部25aが設けられ、板ばね部材24の弾性変形に伴って第1溝20内から第2溝21側に出没するように構成されている。すなわち、この規制部材25は、後蓋13の大径の第1突起部22が板ばね部材24に到達しても、板ばね部材24の中間部が押圧されず、弾性変形しないため、規制部材25が第1溝20内に突出した状態を維持し、この突出した規制部材25に第1突起部22が当接することにより、この第1突起部22を共通ガイド溝部16から第1ガイド溝部17に送り込むように構成されている。
【0038】
また、この規制部材25は、図5〜図7に示すように、第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24に到達して板ばね部材24の中間部を押圧して弾性変形させると、この板ばね部材24の弾性変形に伴って規制部材25が第1溝20内から第2溝部21側に没入し、第1溝20を開放すると共に切欠け部25aを第2溝21に対応させることにより、第2突起部23の小径突起部23bが切欠け部25aを通過すると共に、第2突起部23の大径突起部23bが規制部材25で規制されずに第1溝20内を移動する状態になり、これにより第2突起部23を共通ガイド溝部16から第2ガイド溝部18に送り込むように構成されている。
【0039】
ところで、前蓋12と後蓋13とを分離可能に連結する連結部材14は、図2に示すように、後蓋13の後部に設けられた第1突起部22に回動自在に取り付けられて後蓋13の前方に突出する帯板状の第1連結片26と、前蓋12の前後部にそれぞれ設けられた第2突起部23に架け渡されて取り付けられた帯板状の第2連結片27とを備えている。この場合、第1連結片26は、後蓋13の前後方向の長さよりも少し長く形成され、その前端側に後蓋13の前部の第1突起部22を避ける湾曲部26aが設けられ、この湾曲した前端部に連結突起部28が設けられている。
【0040】
また、第2連結片27は、前蓋12の前後方向の長さとほぼ同じ長さで形成され、その長手方向に沿って第1連結片26の連結突起部28が移動可能に挿入するスリット孔27aが設けられている。これにより、連結部材14は、第1連結片26の連結突起部28が後蓋13の後部の第1突起部22を中心に回動することにより、前蓋12と後蓋13とを分離させると共に、第1連結片26の連結突起部28が第2連結片27のスリット孔27a内を移動してスリット孔27aの後端部に当接することにより、前蓋12の後部と後蓋13の前部とを連結するように構成されている。
【0041】
次に、この鍵盤蓋3の開閉装置の作用について説明する。
まず、鍵盤蓋3を閉じた状態のときには、図1に示すように、前蓋12と後蓋13とが楽器ケース1の共通ガイド溝部16によって楽器ケース1内の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持され、これにより鍵盤部2を覆う。このときには、前蓋12の第2突起部23が共通ガイド溝部16の第1、第2溝20、21に挿入して保持されると共に、後蓋13の第1突起部22が共通ガイド溝部16の第1溝20に挿入して保持される。なお、取手蓋15は、その第2突起部23が第1、第2溝20、21に挿入してほぼ垂直に配置された状態で保持されている。
【0042】
この状態で、鍵盤蓋3を開くときには、図8に示すように、取手蓋15を引き上げて楽器ケース1の後方に向けて移動させると、前蓋12と後蓋13とが共通ガイド溝部16でガイドされて後方に向けて移動する。このときに、後蓋13の後部が分岐部19に到達すると、後蓋13の後部の第1突起部22が板ばね部材24を押圧せずに第1溝20内を移動して規制部材25に当接し、この規制部材25によって第1突起部22がガイドされて第1ガイド溝部17に送り込まれる。
【0043】
すなわち、このときには、第1突起部22の先端面が板ばね部材24の盛り上がった中間部を押圧せず、板ばね部材24を弾性変形させないため、この板ばね部材24の中間部に設けられた規制部材25が第1溝20内から第2溝21側に没入せずに、第1溝20内に突出した状態を維持する。このため、この第1溝20内に突出した規制部材25によって第1突起部22が第1ガイド溝部17の第1溝20にガイドされる。
【0044】
そして、鍵盤蓋3が更に押されて後方に移動すると、後蓋13の後部の第1突起部22が第1ガイド溝部17の第1溝20でガイドされながら後部下がりに少し斜め後方に向けて移動する。このときに、後蓋13の前部が分岐部19に到達すると、上記と同様、後蓋13の前部の第1突起部22が板ばね部材24を押圧せずに第1溝20内を移動して規制部材25に当接し、この規制部材27によって第1突起部22がガイドされて第1ガイド溝部17の第1溝20に送り込まれる。これにより、後蓋13が分岐部19で第1ガイド溝部17に送り込まれて保持される。
【0045】
この後、鍵盤蓋3が更に押されて後方に移動すると、前蓋12の後部の第2突起部23が分岐部19に到達する。このときには、図9に示すように、第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24を押圧しながら第2溝21内を移動して規制部材25の切欠け部25aを通過すると共に、第2突起部3の大径突起部23aが第1溝20内を移動し、これにより第2突起部23が共通ガイド溝16から第2ガイド溝部18の第2溝21に送り込まれる。
【0046】
すなわち、第2突起部23が板ばね部材24に到達すると、第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24の盛り上がった中間部を押圧して弾性変形させる。このため、板ばね部材24の中間部に設けられた規制部材25が第1溝20内から第2溝21側に没入し、第1溝20を開放すると共に規制部材25の切欠け部25aを第2溝21に対応させる。これにより、第2突起部23の小径突起部23bが規制部材25の切欠け部25aを通過すると共に、第2突起部23の大径突起部23aが規制部材25で規制されずに第1溝20内を移動するので、第2突起部23が分岐部19で第2ガイド溝部18にガイドされる。
【0047】
このときには、後蓋13が第1ガイド溝部17に配置されて後方への移動が停止されているので、連結部材14の第1連結片26が後蓋13の後部の第1突起部22を中心に回動し、これにより後蓋13の前部と前蓋12の後部とが上下に分離される。この状態で、鍵盤蓋3が更に押されて後方に移動すると、図10に示すように、後蓋13に取り付けられた第1連結片26の連結突起部28が前蓋12に取り付けられた第2連結片27のスリット孔27a内を前方に向けて相対的に移動するので、前蓋12の後部の第2突起部23が第2ガイド溝部18にガイドされて移動する。
【0048】
そして、前蓋12の前部が分岐部19に到達すると、上記と同様、前蓋12の前部に設けられた第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24を押圧しながら第2溝21内を移動するので、板ばね部材24の弾性変形に伴って規制部材25が第1溝20から第2溝21側に没入し、これにより第1溝部20を開放させて規制部材25の切欠け部25aを第2溝21に対応させるので、第2突起部22が分岐部19を通過して第2ガイド溝部18に送り込まれ、前蓋12が第2ガイド溝部18に配置されて保持される。
【0049】
このときにも、後蓋13に取り付けられた第1連結片26の連結突起部28が前蓋12に取り付けられた第2連結片27のスリット孔27a内を前方に向けて相対的に移動し、第2連結片27のスリット孔27aの前端部に位置する。この状態では、前蓋12が第2ガイド溝部18に保持されると共に、後蓋13が第1ガイド溝部17に保持され、これにより前蓋12と後蓋13とが楽器ケース1内の後部側に上下に重なって折り畳まれた状態で配置される。
【0050】
一方、鍵盤蓋3を閉じるときには、図10に示すように、取手蓋15を引出して前方に移動させると、これに伴って前蓋12が第2ガイド溝部18でガイドされて前方に移動し、前蓋12の前部の第2突起部23が上記と同様に分岐部19を通過して共通ガイド溝部16に合流する。このときには、後蓋13に取り付けられた連結部材14の第1連結片26の連結突起部28が前蓋12に取り付けられた第2連結片27のスリット孔27aに沿って後方に向けて相対的に移動するので、後蓋13は移動せずに第1ガイド溝部17に保持された状態を維持する。
【0051】
この状態で、取手蓋15を更に引出して前方に移動させると、図9に示すように、前蓋12の後部の第2突起部23が上記と同様に分岐部19を通過して共通ガイド溝部16に合流し、前蓋12が共通ガイド溝部16でガイドされる。このときには、後蓋13の第1連結片26の連結突起部28が前蓋12の第2連結片27のスリット孔27a内を移動してスリット孔27aの後端部に位置する。これにより、後蓋13の前部が前蓋12の後部に連結され、後蓋13が連結部材14を介して前蓋12と共に前方に引出される。
【0052】
この後、前蓋12が更に前方に移動して、図8に示すように、後蓋13の前部の第1突起部22が分岐部19に到達すると、上記と同様、分岐部19の規制部材25によって第1突起部22がガイドされて共通ガイド溝部16に合流する。この後、後蓋13の後部の第1突起部22が分岐部19に到達して上記と同様に共通ガイド溝部16に合流する。これにより、前蓋12と後蓋13とが共通ガイド溝部16によって楽器ケース1内の前部側にガイドされて鍵盤部2を覆って閉じる。
【0053】
このように、この鍵盤蓋3の開閉装置によれば、前蓋12と後蓋13とが連結部材14によって分離可能に連結された鍵盤蓋3を閉じたときに、前蓋12と後蓋13とが楽器ケース1の共通ガイド溝部16によって楽器ケース1内の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持されるので、前蓋12と後蓋13とによって鍵盤部2を確実に且つ良好に覆うことができる。また、共通ガイド溝部16が分岐部19によって第1ガイド溝部17と第2ガイド溝部18とに分岐されているので、鍵盤蓋3を開くときに、後蓋13を楽器ケース1の第1ガイド溝部17に確実に送り込むことができると共に、前蓋12を楽器ケース1の第2ガイド溝部18に確実に送り込むことができる。
【0054】
これにより、第1ガイド溝部17によって後蓋13をガイドして確実に保持することができると共に、第2ガイド溝部18によって前蓋12をガイドして後蓋13の上側にほぼ平行に保持することができる。このため、鍵盤蓋3を開いて楽器ケース1内に収納した状態のときには、第1、第2ガイド溝部17、18によって前蓋12と後蓋13とを楽器ケース1内に上下に重ねて確実に保持することができるので、鍵盤蓋3が前蓋12と後蓋13とを連結部材14で分離可能に連結した構成であっても、楽器ケース1内に前蓋12と後蓋13とを安定した状態で収納することができると共に、前蓋12と後蓋13とを上下に重ねてコンパクトに折り畳んで楽器ケース1内に良好に収納することができる。
【0055】
この場合、共通ガイド溝部16は、幅の広い第1溝20と、この第1溝20内の底部に設けられた幅の狭い第2溝21とからなり、第1溝20が分岐部19で分岐されて第1ガイド溝部17として楽器ケース1の後部側に延長され、第1、第2溝20、21が分岐部19で分岐されて第2ガイド溝部18として楽器ケース1の後部側に第1ガイド溝部17とほぼ平行に延長され、後蓋13の前後部に設けられた第1突起部22が第1溝20内に挿入して移動し、前蓋12の前後部に設けられた第2突起部23が第1、第2溝20、21内に挿入して移動することにより、鍵盤蓋3を開くときに、後蓋13を共通ガイド溝部16から第1ガイド溝部17に確実にガイドして保持することができると共に、前蓋12を共通ガイド溝部16から第2ガイド溝部18に確実にガイドして後蓋の上側にほぼ平行に保持することができる。
【0056】
また、前蓋12と後蓋13とを分離可能に連結する連結部材14は、後蓋13の後部に設けられた第1突起部22に回動可能に取り付けられて後蓋13の前方に突出する前端部に連結突起部28を有する第1連結片26と、前蓋12の前後部にそれぞれ設けられた第2突起部23に取り付けられて第1連結片26の連結突起部28が移動可能に挿入するスリット孔27aを有する第2連結片27とを備えていることにより、鍵盤蓋3を開くときに、前蓋12と後蓋13とを連結部材14によって確実に分離させて第1、第2ガイド溝部17、18に個別に送り込むことができ、また鍵盤蓋3を閉じるときに、前蓋12と後蓋13とを連結部材14によって確実に連結して連動させることができる。
【0057】
すなわち、鍵盤蓋3を開いて前蓋12と後蓋13とを楽器ケース1内に収納するときに、後蓋13が第1ガイド溝部17でガイドされて収納されると、連結部材14の第1連結片26が後蓋13の後部の第1突起部22を中心に回動するので、前蓋12の後部と後蓋13の前部とを分離することができると共に、第1連結片26の連結突起部28が第2連結片27のスリット孔27a内を前側に向けて相対的に移動するので、前蓋12を第2ガイド溝部18でガイドすることができ、これにより前蓋12と後蓋13とを分離させて上下に重ねて収納することができる。
【0058】
また、鍵盤蓋3を閉じるときには、前蓋12と後蓋13とが分離されているので、前蓋12を引出しても、初期段階では後蓋13が前蓋12と共に引出されず、第1連結片26の連結突起部28が第2連結片27のスリット孔27a内を後方に向けて相対的に移動する。そして、この連結突起部28が第2連結片27のスリット孔27aの後端部に当接すると、連結突起部28によって前蓋12と後蓋13とが連結されるので、後蓋13を前蓋12と共に前方に向けて確実に移動させることができ、これにより前蓋12と後蓋13とで鍵盤部2を覆うことができる。
【0059】
さらに、分岐部19は、幅の狭い第2溝21内に設けられて第2突起部23の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材24と、前蓋12の第2突起部23の小径突起部23bのみが通過する切欠き部25aを有して板ばね部材24の弾性変形に伴って第1溝20内から第2溝21側に向けて出没する規制部材25とを備えているので、第2突起部23の強度を確保するために、第2突起部23を、第1溝20に挿入する大径突起部23aの先端面に第2溝21に挿入する小径突起部23bを設けた構成にし、この第2突起部23が挿入して移動する第2ガイド溝部18を、共通ガイド溝部16の第1、第2溝20、21がそのまま延長された構成にしても、鍵盤蓋3を開くときに、板ばね部材24と規制部材25とによって、第1、第2突起部22、23を共通ガイド溝部16から第1、第2ガイド溝部17、18に個別にガイドすることができる。
【0060】
すなわち、鍵盤蓋3を開くときに、後蓋13の第1突起部22が共通ガイド溝部16を移動して分岐部19に到達すると、第1突起部22の先端面が板ばね部材24を押圧せず、板ばね部材24を弾性変形させることがないため、規制部材25が第1溝20内に突出した状態を維持し、この規制部材25によって第1突起部22が第2ガイド溝18の第1溝20に侵入するのを阻止して、第1突起部22を共通ガイド溝16から第1ガイド溝部17の第1溝20に確実にガイドすることができる。
【0061】
また、前蓋12の第2突起部23が共通ガイド溝部16から分岐部19に到達すると、第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24を弾性変形させて規制部材25を第1溝20内から第2溝21側に没入させるので、規制部材25の切欠け部25aが第2溝21に対応して第1溝20が開放され、これにより切欠け部25aを第2突起部23の小径突起部23bが通過すると共に、第2突起部23の大径突起部23aが規制部材25で規制されずに第1溝20内を移動する。このため、第2突起部部23を共通ガイド溝16から第2ガイド溝部18の第1、第2溝20、21に確実にガイドすることができる。
【0062】
なお、上記実施形態1では、第1ガイド溝部17に第1溝20を設け、第2ガイド溝部18に第1、第2溝20、21を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば第1ガイド溝部17に第1、第2溝20、21を設け、第2ガイド溝部18に第1溝20を設けた構成にしても良い。このように構成すれば、鍵盤蓋3を楽器ケース1内に収納するときに、後蓋13を第2ガイド溝部18でガイドすることができ、また前蓋を第1ガイド溝部17でガイドすることができるので、実施形態1とは逆に、後蓋13の下側に前蓋12を重ねて収納することができる。
【0063】
(実施形態2)
次に、図11〜図14を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、複数の蓋体30を屈曲自在の連結シート31で折り曲げ可能に順次連結した鍵盤蓋32で、楽器ケース1内の前部側に設けられた鍵盤部2を開閉自在に覆う構成で、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0064】
すなわち、鍵盤蓋32は、図13および図14に示すように、横方向(図14では紙面の表面方向)に細長い帯板状の蓋体30を順次配列し、その下面に屈曲可能な連結シート31を蓋体30の配列方向に連続させて貼り付けることにより、複数の蓋体30が順次谷折りと山折りとに折れ曲がるように構成されている。また、楽器ケース1における側板7の内面には、実施形態1と同様、鍵盤蓋32を閉じた状態のときに複数の蓋体30を楽器ケース1内の前部側にほぼ平坦状にガイドする共通ガイド溝部16と、鍵盤蓋32を開いときに複数の蓋体30を順次折り畳みながら楽器ケース1内の後部側にガイドする第1、第2ガイド溝部17、18と、この第1、第2ガイド溝部17、18を共通ガイド溝部16から分岐する分岐部19とが設けられている。
【0065】
この場合、共通ガイド溝部16は、実施形態1と同様、幅の広い第1溝20と、この第1溝20内の底部に設けられた幅の狭い第2溝21とからなり、図12に示すように、鍵盤部2の前端部から鍵盤部2の上方に沿って鍵盤部2の後端部に亘り、緩やかに湾曲して設けられている。この場合にも、第1溝20は、図4(a)に示したように、側板7の内面からの深さが浅く形成されており、第2溝21は、側板7の内面からの深さが第1溝20よりも深く形成されている。
【0066】
第1ガイド溝部17は、実施形態1と同様、共通ガイド溝部16の幅の広い第1溝20が分岐部19で分岐されて後部下がりに傾斜した状態で、楽器ケース1内の後端部に向けて延長された構成になっている。また、第2ガイド溝部18は、図11に示すように、共通ガイド溝部16と同じ幅の広い第1溝20と幅の狭い第2溝21とからなり、これら第1、第2溝20、21が分岐部19で分岐されて第1ガイド溝部17の上側に所定間隔をおいてほぼ平行な状態で、楽器ケース1内の後端部に向けて延長された構成になっている。
【0067】
一方、複数の蓋体30のうち、互いに隣接して谷折りとなる各蓋体30の端部側面、つまり図12における下側に位置する端部側面には、図11〜図14に示すように、第1溝20内に挿入して移動する第1突起部22が設けられている。また、互いに隣接して山折りとなる各蓋体30の端部側面、つまり図12における上側に位置する端部側面には、第1、第2溝20、21内に挿入して移動する第2突起部23が設けられている。
【0068】
すなわち、複数の蓋体30の最後部に位置する蓋体30の後部には、図11に示すように、第2ガイド溝部18にガイドされる第2突起部23が設けられており、この最後部の蓋体30の前部には、第1ガイド溝部17にガイドされる第1突起部22が設けられている。また、この最後部の蓋体30に隣接する蓋体30の後部には、図11に示すように、第1ガイド溝部17にガイドされる第1突起部22が設けられており、この蓋体30の前部には、第2ガイド溝部18にガイドされる第2突起部23が設けられている。以下、同様に、各蓋体30の前後部には、第1突起部22と第2突起部23とが交互に設けられている。これにより、複数の蓋体30は、図12に示すように、その後部側から順に谷折りと山折りとに折れ曲がるように構成されている。
【0069】
この場合、第1突起部22は、実施形態1と同様、大径突起部であり、その直径が第1溝20の幅とほぼ同じ大きさで、その高さが第1溝20の深さとほぼ同じ長さの円柱状に形成されている。また、第2突起部23は、図13および図14に示すように、その基端側に第1突起部22と同じ大きさの大径突起部23aが形成され、この大径突起部23aの先端部に小径突起部23bが形成された構成になっている。この場合、小径突起部23bは、その直径が第2溝21の幅と同じ大きさで、その高さが第2溝21の深さとほぼ同じ長さの円柱状に形成されている。
【0070】
ところで、分岐部19は、実施形態1と同様、鍵盤部2の後端部に対応する上側に位置し、共通ガイド溝部16の後端部から第1、第2ガイド溝部17、18を分岐させるように構成されている。この分岐部19も、幅の狭い第2溝21内に設けられた板ばね部材24と、この板ばね部材24に一体的に設けられて板ばね部材24の弾性変形に伴って変位することにより、第1、第2突起部22、23をそれぞれ第1、第2ガイド溝部17、18に個別にガイドする規制部材25とを備えている。
【0071】
この場合にも、板ばね部材24は、第1突起部22が通過するときに、第1突起部22によって押圧されずに弾性変形しないが、第2突起部23が通過するときに、第2突起部23の小径突起部23bによって押圧されて弾性変形するように構成されている。また、規制部材25も、実施形態1と同様、第1溝20を斜めに遮るように第1溝20内に突出し、その中間部に第2突起部23の小径突起部23bのみが通過する切欠き部25aが設けられ、板ばね部材24の弾性変形に伴って第1溝20内から第2溝21側に出没するように構成されている。
【0072】
次に、この鍵盤蓋32の開閉装置の作用について説明する。
まず、鍵盤蓋32を閉じた状態のときには、図11に示すように、複数の蓋体30が楽器ケース1の共通ガイド溝部16によって楽器ケース1の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持され、これにより鍵盤部2を覆う。このときには、複数の蓋体30の第1、第2突起部22、23が共通ガイド溝部16の第1、第2溝20、21にそれぞれ挿入されて保持されている。
【0073】
この状態で、鍵盤蓋32を開くときには、図11に示すように、最先端の蓋体30を引き上げて楽器ケース1の後方に向けて移動させると、複数の蓋体30が共通ガイド溝部16でガイドされて後方に向けて移動する。このときに、最後部に位置する蓋体30の後部が分岐部19に到達すると、この最後部の蓋体30における後部側の第2突起部23が分岐部19で第2ガイド溝部18にガイドされる。すなわち、第2突起部23が板ばね部材24に到達すると、第2突起部23の小径突起部23bが板ばね部材24の盛り上がった中間部を押圧して弾性変形させる。
【0074】
このため、板ばね部材24の中間部に設けられた規制部材25が第1溝20内から第2溝21側に没入し、第1溝20が開放されると共に規制部材25の切欠け部25aが第2溝21に対応する。これにより、第2突起部23の小径突起部23bが規制部材25の切欠け部25aを通過すると共に、第2突起部23の大径突起部23aが規制部材25によって規制されずに第1溝20内を移動するので、第2突起部23が分岐部19で第2ガイド溝部18にガイドされる。
【0075】
この後、鍵盤蓋32が更に押されて後方に移動すると、最後部に位置する蓋体30の前部が分岐部19に到達し、この最後部の蓋体30における前部側の第1突起部22が分岐部19で第1ガイド溝部17にガイドされる。すなわち、第1突起部22が板ばね部材24に到達しても、板ばね部材24が第1突起部22で押圧されず、弾性変形しないため、規制部材25が第1溝20内に突出した状態を維持し、この規制部材25に第1突起部22が当接し、これにより第1突起部22が規制部材25でガイドされて第1ガイド溝部17に送り込まれる。
【0076】
このように、最後部の蓋体30の前部側に位置する第1突起部22が分岐部19によって共通ガイド溝部17から第1ガイド溝部17にガイドされると、これに隣接する蓋体30の後部側の第1突起部22も、上記と同様に、分岐部19によって共通ガイド溝部17から第1ガイド溝部17にガイドされる。これにより、最後部の蓋体30の前部側とこれに隣接する蓋体30の後部側とが、図12に示すように、谷折りになる。
【0077】
この後、鍵盤蓋32が更に押されて後方に移動すると、最後部の蓋体30に隣接する蓋体30における前部側の第2突起部23が分岐部19で第2ガイド溝部18にガイドされると共に、この蓋体30に隣接する次の蓋体30における後部側の第2突起部23も分岐部19で第2ガイド溝部18にガイドされる。これにより、最後部の蓋体30に隣接する蓋体30の前部側とこれに隣接する次の蓋体30の後部側とが山折りになる。このように、鍵盤蓋32が順次後方に移動するのに伴って、複数の蓋体30が順次谷折りと山折りとを繰り返して、図12に示すように、楽器ケース1内の後部側に折り畳まれて収納される。
【0078】
また、鍵盤蓋32を閉じるときには、図12に示すように、最先端の蓋体30を引出して前方に向けて移動させると、これに伴って複数の蓋体30が第1、第2ガイド溝部17、18でそれぞれガイドされて分岐部19で順次共通ガイド溝16に合流する。すなわち、複数の蓋体30に設けられた第1、第2突起部22、23がそれぞれ第1、第2ガイド溝部17、18によってガイドされ、分岐部19で第1、第2突起部22、23が共通ガイド溝部16に順次ガイドされて合流する。これにより、複数の蓋体30が共通ガイド溝部16によって楽器ケース1の前部側にガイドされて鍵盤部2を覆って閉じる。
【0079】
このように、この鍵盤蓋32の開閉装置によれば、複数の蓋体30が屈曲可能な連結シート31で折り曲げ可能に順次連結された鍵盤蓋32を閉じた状態のときに、複数の蓋体30が楽器ケース1の共通ガイド溝部16によって楽器ケース1内の前部側にガイドされてほぼ平坦状に保持されるので、複数の蓋体30によって鍵盤部2を確実に且つ良好に覆うことができる。また、共通ガイド溝部16が分岐部19によって第1ガイド溝部17と第2ガイド溝部18とに分岐されているので、鍵盤蓋32を開くときに、複数の蓋体30を第1、第2ガイド溝部17、18で確実にガイドしながら順次谷折りと山折りとに折り畳むことができると共に、複数の蓋体30を第1、第2ガイド溝部17、18で確実に保持することができる。
【0080】
このため、鍵盤蓋32を開いて楽器ケース1内に収納した状態のときには、第1、第2ガイド溝部17、18によって複数の蓋体30を楽器ケース1内の後部側に谷折りと山折りとに交互に折り畳んで確実に保持することができるので、鍵盤蓋32が複数の蓋体30を屈曲可能な連結シート31で折り曲げ可能に順次連結した構成であっても、楽器ケース1内の後部側に複数の蓋体30を安定した状態で収納することができると共に、複数の蓋体30を順次折り畳んで楽器ケース1内の後部側にコンパクトに収納することができる。
【0081】
この場合、共通ガイド溝部16は、実施形態1と同様、幅の広い第1溝20と、幅の狭い第2溝21とからなり、第1ガイド溝部17は第1溝20が分岐部19で分岐されて楽器ケース1内の後部側に延長され、第2ガイド溝部18は第2溝21が分岐部19で分岐されて楽器ケース1内の後部側に第1ガイド溝17とほぼ平行に延長され、複数の蓋体30のうち、互いに隣接して谷折りとなる蓋体30の端部に設けられた第1突起部22が第1溝20内に挿入して移動し、互いに隣接して山折りとなる蓋体30の端部に設けられた第2突起部23が第2溝21内に挿入して移動するので、鍵盤蓋32を開くときに、複数の蓋体30を第1、第2ガイド溝部17、18で確実にガイドして谷折りと山折りとに順次折り畳むことができると共に、複数の蓋体30を第1、第2ガイド溝部17、18で確実に保持して楽器ケース1内に収納することができる。
【0082】
また、分岐部19は、幅の狭い第2溝21内に設けられて第2突起部23の先端面が弾接して深さ方向に弾性変形する板ばね部材24と、第2突起部23の小径突起部23bが通過する切欠き部25aを有して板ばね部材24の弾性変形に伴って第1溝20内から第2溝21側に向けて出没する規制部材25とを備えていることにより、実施形態1と同様、第1、第2突起部22、23をそれぞれ第1、第2ガイド溝部17、18に個別にガイドすることができる。
【0083】
すなわち、この分岐部19が板ばね部材24と規制部材25とを備えていることにより、第2突起部23の強度を確保するために、第2突起部23を、第1溝20に挿入する大径突起部23aの先端面に第2溝21に挿入する小径突起部23bを設けた構成にし、この第2突起部23が挿入して移動する第2ガイド溝部18を、共通ガイド溝部16の第1、第2溝20、21がそのまま延長された構成にしても、鍵盤蓋32を開くときに、板ばね部材24と規制部材25とによって、共通ガイド溝部16から複数の蓋体30の第1突起部22を第1ガイド溝部17に確実にガイドすることができる共に、複数の蓋体30の第2突起部23を第2ガイド溝部18に確実にガイドすることができ、これにより複数の蓋体30を順次谷折りと山折りとに折り畳むことができる。
【0084】
なお、上記実施形態2では、複数の蓋体30の下面に屈曲可能な連結シート31を貼り付けて鍵盤蓋32を構成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図15に示すように、複数の蓋体30の上面にも屈曲可能な化粧シート35を貼り付けた構成でも良い。このように構成すれば、化粧シート35によって複数の蓋体30の連結強度を高めることができるほか、この化粧シート35によって鍵盤蓋32に装飾効果をもたせることができ、商品価値を高めることができる。
【0085】
また、上記実施形態1または2では、分岐部19に板ばね部材24と規制部材25とを設けた場合について述べたが、必ずしも分岐部19に板ばね部材24や規制部材25を設ける必要はない。この場合には、第2突起部を幅の狭い第2溝内に挿入する小径突起部のみの円柱状に形成し、且つ第2ガイド溝部を幅の狭い第2溝のみで形成すれば良い。このように構成すれば、第2突起部が第2溝のみでガイドされ、大径の第1突起部が第1溝のみでガイドされるので、分岐部19に板ばね部材24や規制部材25を設けなくても、円滑に且つ確実に第1、第2突起部を分岐させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】この発明を適用した鍵盤楽器の断面図である。(実施形態1)
【図2】図1の鍵盤蓋を拡大して示した要部の分解斜視図である。
【図3】図2の鍵盤蓋を取り除いた状態の鍵盤楽器の断面図である。
【図4】図3の各ガイド溝部を示し、(a)は共通ガイド溝部と第2ガイド溝部との要部を示した拡大斜視図、(b)は第1ガイド溝部の要部を示した拡大斜視図である。
【図5】図3の分岐部を示した拡大図である。
【図6】図5のA−A矢視における断面図である。
【図7】図5の分岐部を示した要部の斜視図である。
【図8】図1の鍵盤蓋を開き始めた状態を示した鍵盤楽器の断面図である。
【図9】図8の鍵盤蓋を更に開いて後蓋が第1ガイド溝部にガイドされて保持された状態を示した鍵盤楽器の断面図である。
【図10】図9の状態から更に鍵盤蓋を開いて前蓋の後部が第2ガイド溝部にガイドされた状態を示した鍵盤楽器の断面図である。
【図11】この発明を適用した鍵盤楽器の断面図である。(実施形態2)
【図12】図11の鍵盤蓋を楽器ケース内に収納した状態を示した鍵盤楽器の断面図である。
【図13】図11の鍵盤蓋の要部を拡大して示した分解斜視図である。
【図14】図13の鍵盤蓋の要部を示した拡大側面図である。
【図15】実施形態2の鍵盤蓋の変形例を示した拡大側面図である。
【符号の説明】
【0087】
1 楽器ケース
2 鍵盤部
3、32 鍵盤蓋
12 前蓋
13 後蓋
14 連結部材
16 共通ガイド溝部
17 第1ガイド溝部
18 第2ガイド溝部
20 第1溝
21 第2溝
22 第1突起部
23 第2突起部
23a 大径突起部
23b 小径突起部
24 板ばね部材
25 規制部材
25a 切欠け部
26 第1連結片
27 第2連結片
27a スリット孔
28 連結突起部
30 蓋体
31 連結シート




 

 


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