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発明の名称 楽音発生装置および楽音発生処理のプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−79341(P2007−79341A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−269542(P2005−269542)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男
発明者 仲江 哲一
要約 課題
煩雑なパラメータの設定作業を必要とすることなく、実際の楽器の楽音のような人間が耳で感じる心地よさを得るためのエンベロープ波形を高速の演算処理によって実現する。

解決手段
エンベロープ発生回路5は、キーボード1から入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数に基づいて生成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数に基づいて生成するエンベロープ生成手段を備えた楽音発生装置。
【請求項2】
前記エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音色に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
【請求項3】
前記エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音高に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
【請求項4】
前記エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音量に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
【請求項5】
入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数によって算出する楽音発生処理のプログラム。
【請求項6】
入力される演奏情報の音色に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項5に記載の楽音発生処理のプログラム。
【請求項7】
入力される演奏情報の音高に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項5に記載の楽音発生処理のプログラム。
【請求項8】
入力される演奏情報の音量に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする請求項5に記載の楽音発生処理のプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音発生装置および楽音発生処理のプログラムに関し、特に、エンベロープ波形を発生する楽音発生装置および楽音発生処理のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シンセサイザなどの電子楽器の演奏によって入力される演奏データの音高や音量、あるいは、演奏に先立って設定されている楽器の音色に応じて、エンベロープ波形を発生し、楽音波形メモリなどから読み出される楽音波形に乗算して、発音すべき楽音信号を制御することが行われている。このエンベロープ波形として最も広く知られているのがADSR方式である。ADSR方式においては、入力される演奏データに同期させて、A(Attack Time:アタック・タイム)、D(Decay Time:ディケイ・タイム)、S(Sustain Level:サスティン・レベル)、R(Release Time:リリース・タイム)の要素を設定する。アタック・タイムは、音が出始めて最大音量に達するまでの時間である。ディケイ・タイムは、最大音量から持続音量まで減衰しながら達するまでの時間である。サスティン・レベルは、鍵盤を例に採ると押鍵状態における持続音のレベルである。リリース・タイムは、鍵盤の場合、離鍵して音が減衰して消音するまでの時間である。このようなADSR方式によってエンベロープ波形を生成する提案としては、下記の特許文献1、特許文献2、特許文献3など多くの先行技術がある。
【0003】
図8は、ADSR方式を採用した従来の一般的な電子楽器の構成を示すブロック図である。図8において、キーボード11は、鍵盤やスイッチを有する操作部であり、鍵盤の演奏に応じて押鍵番号である音高、押鍵時間である音長、押鍵の強さであるベロシティを発生し、スイッチによって楽器の音色を設定する。キー入力制御回路12は、キーボード11の鍵盤およびスイッチをスキャンして、鍵盤のキーオン(押鍵)・キーオフ(離鍵)に応じたキー情報、および、スイッチのオン・オフに応じた音色設定情報などのスイッチ情報を入力する。楽音波形メモリ13は、様々な楽器の音色に対応する波形データをあらかじめ記憶しており、キー入力制御回路12から入力される音色設定情報に応じた波形データを指定する。波形発生回路14は、キー入力制御回路12から入力される音長に応じた期間に同期して、キー入力制御回路12から入力される音高に応じた読み出しレートで、楽音波形メモリ13から指定の波形データを読み出して出力する。エンベロープメモリ15は、ADSR方式のエンベロープ波形をあらかじめ記憶している。エンベロープ発生回路16は、キー入力制御回路12から入力されるキーオンおよびキーオフのキー情報およびベロシティに応じて、エンベロープメモリ15から読み出したエンベロープ波形のパラメータを設定して出力する。乗算回路17は、波形発生回路14から出力される波形データとエンベロープ発生回路16から出力されるエンベロープ波形とを乗算して楽音信号として出力する。アンプ18は、乗算回路17から出力される楽音信号をデジタルからアナログに変換し、フィルタ処理および増幅処理を施してスピーカ19から発音させる。
【0004】
図9は、エンベロープ発生回路16から出力されるエンベロープ波形を示す図である。キーオンおよびキーオフのキー情報に同期する期間において、ベロシティに応じて、Attack Time、Decay Time、Sustain Level、Release Timeの要素が設定される。ADSR方式による基本的なエンベロープ波形は、図9の2点差線で示すように、Attack Time、Decay Time、および、Release Timeが一定の傾きの形状になるが、実際には、図9の実線で示すように、Attack Time、Decay Time、および、Release Timeの傾きを変化させて、実際の楽音になるべく近くなるようなエンベロープ波形を発生させている。
【特許文献1】特開平7−77983号公報
【特許文献2】特開2003−280654号公報
【特許文献3】特開2004−144864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ADSR方式を採用した従来の楽音発生装置の場合には、図9に示すエンベロープ波形から明らかなように、実際の楽音になるべく近くなるような形状にはなるが、時間軸に対して滑らかさに欠けて、どこか人工的であり、実際の楽器の楽音のような人間が耳で感じる心地よさという点で物足りないという問題があった。Attack Time、Decay Time、および、Release Timeの傾きをさらに細かく変化させて、曲線に近づけることは技術的に可能であるが、曲線に近づけるほど設定するパラメータも多くなるので、パラメータの設定作業が繁雑なるとともに、キーオンから発音まで間にエンベロープ発生回路16におけるパラメータ値の演算処理が間に合わず、最悪の場合には音切れが発生するおそれがある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、煩雑なパラメータの設定作業を必要とすることなく、実際の楽器の楽音のような人間が耳で感じる心地よさを得るためのエンベロープ波形を高速の演算処理によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の楽音発生装置は、入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数に基づいて生成するエンベロープ生成手段(実施形態においては、図1のエンベロープ発生回路5に相当する)を備えた構成になっている。
この場合において、請求項2に記載したように、エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音色に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
あるいは、請求項3に記載したように、エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音高に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
あるいは、請求項4に記載したように、エンベロープ生成手段は、入力される演奏情報の音量に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
【0007】
請求項5に記載の楽音発生処理のプログラムは、入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数によって算出する。
この場合において、請求項6に記載したように、入力される演奏情報の音色に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
あるいは、請求項7に記載したように、入力される演奏情報の音高に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
あるいは、請求項8に記載したように、入力される演奏情報の音量に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定する構成にしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、煩雑なパラメータの設定作業を必要とすることなく、実際の楽器の楽音のような人間が耳で感じる心地よさを得るためのエンベロープ波形を高速の演算処理によって実現できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による楽音発生装置の実施形態について、電子楽器を例に採って図1ないし図7を参照して説明する。
図1は、実施形態における電子楽器の構成を示すブロック図である。図1において、キーボード1は、鍵盤やスイッチを有する操作部であり、鍵盤の演奏に応じて押鍵番号である音高、押鍵時間である音長、押鍵の強さであるベロシティ(音量)を発生し、スイッチによって楽器の音色を設定する。キー入力制御回路2は、キーボード11の鍵盤およびスイッチをスキャンして、鍵盤のキーオン(押鍵)・キーオフ(離鍵)に応じたキー情報、および、スイッチのオン・オフに応じた音色設定情報などのスイッチ情報を入力する。楽音波形メモリ3は、様々な楽器の音色に対応する波形データをあらかじめ記憶しており、キー入力制御回路2から入力される音色設定情報に応じた波形データを指定する。波形発生回路4は、キー入力制御回路2から入力される音長に応じた期間に同期して、キー入力制御回路2から入力される音高に応じた読み出しレートで、楽音波形メモリ3から指定の波形データを読み出して出力する。統計分布関数によるエンベロープ発生回路5は、キー入力制御回路2から入力されるキーオンおよびキーオフのキー情報およびベロシティに応じて、統計分布関数のエンベロープ波形を出力する。乗算回路6は、波形発生回路4から出力される波形データとエンベロープ発生回路5から出力されるエンベロープ波形とを乗算して楽音信号として出力する。アンプ7は、乗算回路6から出力される楽音信号をデジタルからアナログに変換し、フィルタ処理および増幅処理を施してスピーカ8から発音させる。
【0010】
図2は、図1のエンベロープ発生回路5の内部構成を示すブロック図である。図2において、インターフェイス51は、キー入力制御回路2からキーオン・キーオフ、鍵番号(音高)、タッチ(音量)からなるキー情報、および設定された楽器の種類(音色)を内部に入力し、内部で生成されるエンベロープ波形を乗算回路6に出力する。オペレーション・コントローラ(OPCTRL)52は、プログラム・カウンタ(ADRS)53によって読み出した統計分布関数の算出プログラム54のコードに従って、レジスタ(FSRAM)55にセットされているパラメータの数値をループ・バックさせながら、乗算器(MULTIPLY)56、論理演算器(LOGIC)57、および加減算器(FAS)58によって高速演算を行って、様々な統計分布関数による滑らかな曲線のエンベロープ波形を生成する。
【0011】
次に、図2のエンベロープ発生回路5によって生成される代表的な統計分布関数を時間xに対するエンベロープ値yによって表す。図5は、正規分布関数であり、立ち上がりおよび立ち下がりが比較的に緩やかな楽音のエンベロープ波形を表している。図4は、χ分布関数であり、立ち上がりが急峻で立ち下がりが緩やかな楽音のエンベロープ波形を表している。χ分布関数においては、パラメータνの値に応じて曲線の形状が変化する。図5は、F分布関数であり、立ち上がりおよび立ち下がりが極めて急峻な楽音のエンベロープ波形を表している。F分布関数においては、パラメータν1およびパラメータν2の値に応じて曲線の形状が変化する。
【0012】
図6および図7は、図4に示したχ分布関数において、パラメータνの値を「3」および「4」に設定した場合のエンベロープ波形の形状の変化を表している。図6のエンベロープ波形は立ち上がりが比較的急峻であるが、図7のエンベロープ波形は立ち上がりが緩やかになっている。したがって、パラメータνの値を変化させることにより、立ち上がりおよび立ち下がりが極めて急峻な打楽器の楽音、立ち上がりが急峻で立ち下がりが緩やかな鍵盤楽器の楽音、立ち上がりおよび立ち下がりが緩やかな管楽器や弦楽器の楽音など、様々な楽器の楽音をχ分布関数によるエンベロープ波形で表現することが可能になる。
【0013】
なお、オペレーション・コントローラ52は、インターフェイス51から入力される音色、音量、音高の演奏情報に応じて、それぞれ統計分布関数によるエンベロープ波形を生成する。音色および音量によってエンベロープ波形が変化するのは当然であるが、音高についてもエンベロープ波形が変化する場合がある。例えば、アコースティックの鍵盤楽器の場合、高域の鍵と低域の鍵とでは音色が微妙に変化するので、楽音波形メモリ3からの読み出しレートだけではその微妙な変化を表現することが困難であり、音高についても統計分布関数によるエンベロープ波形を生成する。
【0014】
以上のように、この実施形態によれば、電子楽器は、キーボード1から入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数に基づいて生成するエンベロープ発生回路5を備えている。
したがって、煩雑なパラメータの設定作業を必要とすることなく、実際の楽器の楽音のような人間が耳で感じる心地よさを得るためのエンベロープ波形を高速の演算処理によって実現できる。
【0015】
なお、上記実施形態においては、エンベロープ発生回路5にあらかじめ記憶されている統計分布関数の算出プログラムをオペレーション・コントローラ52によって実行する電子楽器の発明、すなわち装置の発明について説明したが、図1の電子楽器内にフラッシュROMなどの不揮発性メモリを設けて、CD−ROMなどの外部記憶媒体から読み込んだ楽音発生処理のプログラム、又は、ネットワークを介して外部のサーバからダウンロードした楽音発生処理のプログラムを不揮発性メモリにインストールして実行する構成も可能である。この場合には、プログラムの発明やそのプログラムを記録した記録媒体の発明を実現できる。
【0016】
すなわち、本発明による楽音発生処理のプログラムは、
入力される演奏情報に応じて発音すべき楽音信号を形成するエンベロープ波形を統計分布関数によって算出する。
この場合において、入力される演奏情報の音色に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする。
あるいな、入力される演奏情報の音高に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする。
あるいは、入力される演奏情報の音量に応じて統計分布関数におけるパラメータを設定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の楽音発生装置の実施形態における電子楽器のブロック図。
【図2】図1における統計分布関数によるエンベロープ発生回路の構成を示すブロック図。
【図3】図2のエンベロープ発生回路によって発生される正規分布関数のエンベロープ波形を示す図。
【図4】図2のエンベロープ発生回路によって発生されるχ分布関数のエンベロープ波形を示す図。
【図5】図2のエンベロープ発生回路によって発生されるF分布関数のエンベロープ波形を示す図。
【図6】図4のχ分布関数においてパラメータνの値を3に設定した場合のエンベロープ波形を示す図。
【図7】図4のχ分布関数においてパラメータνの値を4に設定した場合のエンベロープ波形を示す図。
【図8】エンベロープ波形を発生する従来の電子楽器のブロック図。
【図9】従来のADSR方式のエンベロープ波形を示す図。
【符号の説明】
【0018】
1 キーボード
2 キー入力制御回路
3 楽音波形メモリ
4 波形発生回路
5 エンベロープ発生回路
6 乗算回路
7 アンプ
8 スピーカ
51 インターフェイス
52 オペレーション・コントローラ
53 プログラム・カウンタ
54 統計分布関数の算出プログラム
55 レジスタ
56 乗算器
57 論理演算器
58 加減算器




 

 


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