米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 楽器;音響 -> 株式会社河合楽器製作所

発明の名称 グランド型電子ピアノ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−233190(P2007−233190A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−56796(P2006−56796)
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 鈴木 昭裕
要約 課題
騒音の発生がなく、大屋根を閉じた状態で演奏されても電子音源部等の発熱によるピアノ本体内の温度上昇が抑えられ、電子音源部等の電子回路に不具合が生じないグランド型電子ピアノを提供する。

解決手段
複数の通気孔29aを有する上板29が上前板27と大屋根31との間に設けられ、電子音源部49が挿通する挿通孔21aと電源部51の下方に位置して通気孔21bとが棚板21に設けられている。また、鍵盤蓋37は、鍵盤39を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動することによって、ピアノ本体2の内部へ収容されずに鍵盤を開放、閉鎖可能とする。よって、騒音の発生がなく、大屋根31を閉じた状態で演奏されても電子音源部49と電源部51との発熱によるピアノ本体2の内部の温度上昇が抑えられ、電子音源部49と電源部51との電子回路に不具合が生じない。
特許請求の範囲
【請求項1】
ピアノ本体内に発熱部の少なくとも一部を有するグランド型電子ピアノにおいて、
前記発熱部によって発せられた熱をピアノ本体外へ放出するための開口部が、ピアノ本体の大屋根以外の上面部と棚板とに設けられていることを特徴とするグランド型電子ピアノ。
【請求項2】
請求項1に記載のグランド型電子ピアノにおいて、
さらに前記発熱部と前記上面部に設けられた開口部とを連通させるダクトを有することを特徴とするグランド型電子ピアノ。
【請求項3】
請求項1に記載のグランド型電子ピアノにおいて、
前記発熱部は、前記上面部に設けられた開口部の略鉛直方向に配置され、且つ前記発熱部によって発せられた熱により上昇した空気が前記上面部に設けられた開口部へ遮られずに上昇する位置に設けられていることを特徴とするグランド型電子ピアノ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のグランド型電子ピアノにおいて、
鍵盤を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動することによって、ピアノ本体内へ収容されずに前記鍵盤を開放、閉鎖可能な鍵盤蓋を有することを特徴とするグランド型電子ピアノ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はグランド型電子ピアノの本体内からの放熱に関するものであり、特に大屋根を閉じた状態で本体内の発熱部から放熱するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子音源部と、この電子音源部などに電力を供給する電源部(以下、電子音源部等とも称する)とを内蔵したアップライト型やグランド型の電子ピアノが知られている。
【0003】
アップライト型電子ピアノには、屋根板もしくは上前板を開放して楽器本体内で発音したピアノ演奏音を楽器の上方もしくは前方に逃がし、これによって演奏音の増大化を図っている。ところが、屋根板もしくは上前板はピアノ演奏音を積極的に増大させる場合に利用されるもので、通常一般家庭等においては騒音公害となるため開けて演奏することが少なく、電子音源部等の発熱によってピアノ本体内の温度が上昇する。そこで、アップライト型電子ピアノにおいては、ピアノ本体の内部後方にピアノ本体の内外を連通させる複数の放熱孔を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、グランド型電子ピアノでは、大屋根が所定の開放角度で開放した状態に保たれ、ピアノ本体内で発音したピアノ演奏音を反射して、これによって演奏音の増大化を図っている。グランド型電子ピアノにおいても、大屋根は通常一般家庭等においては騒音公害となるため開けて演奏することが少なく、電子音源部等の発熱によってピアノ本体内の温度が上昇するが、美観上から楽器本体の後方であっても側板に放熱孔は設けられない。
【特許文献1】実公平6−6400号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、グランド型電子ピアノにおいてピアノ演奏音の高品質化が求められている。このピアノ演奏音の高品質化にともなって、電子音源部のメモリが大容量化(ギガレベル)し、その処理速度も高速化しているため、消費電力が大きく増加している。このような消費電力の大きな電子音源部を備えたグランド型電子ピアノが大屋根を閉じた状態で演奏されると、電子音源部等の発熱によってピアノ本体内の温度が上昇し、電子音源部等の電子回路に不具合が生じる可能性がある。
【0006】
そこで、一般の電子機器、例えばパソコンのように強制冷却ファンを設置して、電子音源部等を冷却することも考えられるが、強制冷却ファンのモータは騒音を発生する。騒音が発生すると楽器として本来の機能を満たさなくなる。したがって、グランド型電子ピアノには例えば強制冷却ファンを設置することができない。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、騒音の発生がなく、大屋根を閉じた状態で演奏されても電子音源部等の発熱によるピアノ本体内の温度上昇が抑えられ、電子音源部等の電子回路に不具合が生じないグランド型電子ピアノを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題点を解決するためになされた本発明のグランド型電子ピアノ(1:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、ピアノ本体内に発熱部(49、51)の少なくとも一部を有し、発熱部によって発せられた熱をピアノ本体(2)外へ放出するための開口部(29a、21a,21b)がピアノ本体の大屋根(31)以外の上面部と棚板(21)とに設けられている。
【0009】
上述のように、本発明のグランド型電子ピアノは、開口部がピアノ本体の大屋根以外の上面部と棚板とに設けられているので、大屋根を閉じた状態で演奏されても発熱部例えば電子音源部等(49,51)の発熱によるピアノ本体内の温度上昇が抑えられ、電子音源部等の電子回路に不具合が生じない。また、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱を開口部からピアノ本体外へ放出するので、騒音の発生がない。単に開口部を設けているだけであり、例えば騒音を発生するモータを有する強制冷却ファンを設置しているわけではないからである。
【0010】
そして、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱をピアノ本体外へ放出するための開口部として、例えばピアノ本体の内外を連通させる通気孔(29a、21a,21b)が大屋根より鍵盤側の上面部と棚板とに設けられる。すると、棚板の通気孔(21a,21b)から流入した空気が発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱を前記上面部の通気孔(29a)からピアノ本体外へ放出できる。いわゆる、自然空冷によって、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱が放出される。
【0011】
上面部に設けられた開口部というのは寸法や数は限定されないが、例えば虫等の侵入を防止するためや、金属棒などの挿入により感電を防ぐためには次のような工夫をするとよい。すなわち、開口部として、例えばピアノ本体の内外を連通させ、虫や金属棒等が侵入できないような孔径寸法の通気孔が放熱効率を落とさないように多数設けられるとよい。いわゆる「パンチングメタル」のような構成とするのが好ましい。
【0012】
また、請求項2に記載のように、請求項1に記載のグランド型電子ピアノにおいて、さらに前記発熱部と前記上面部に設けられた開口部とを連通させるダクト(60)を有するとよい。
【0013】
このように構成されたグランド型電子ピアノによれば、さらに発熱部と上面部に設けられた開口部とを連通させるダクトも有しているので、発熱部例えば電子音源部等から上面部に設けられた開口部との風道に障害物がある場合にも、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱をピアノ本体外へ放出できる。すなわち、この障害物を回避してピアノ本体内にダクトを設置すれば、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱をピアノ本体外へ効率よく放出できる。また、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱が拡散されないので、ピアノ本体内の他の内蔵物例えば響板やスピーカなどに対して熱による不具合を少なくできる。
【0014】
また、請求項1に記載のグランド型電子ピアノにおいて、発熱部は、請求項3に記載のように、上面部に設けられた開口部の略鉛直方向に配置され、且つ発熱部によって発せられた熱により上昇した空気が上面部に設けられた開口部へ遮られずに上昇する位置に設けられているとよい。
【0015】
このように構成されたグランド型電子ピアノによれば、発熱部は、上面部に設けられた開口部の略鉛直方向に配置され、且つ発熱部によって発せられた熱により上昇した空気が上面部に設けられた開口部へ遮られずに上昇する位置に設けられているので、ピアノ本体内の空気を効率よく放出できる。すなわち、発熱部例えば電子音源部等によって発せられた熱により温度上昇したピアノ本体内の空気が膨張により密度が小さくなって略鉛直方向の上方にある上面部に設けられた開口部へ上昇し、ピアノ本体内の空気を効率よく放出できる。
【0016】
また、グランド型電子ピアノの鍵盤蓋は、請求項4に記載のように、鍵盤を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動するとよい。
すなわち、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のグランド型電子ピアノにおいて、鍵盤(39)を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動することによって、ピアノ本体内へ収容されずに鍵盤を開放、閉鎖可能な鍵盤蓋(37)を有するとよい。
【0017】
このように構成されたグランド型電子ピアノによれば、鍵盤蓋は、鍵盤を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動することによって、ピアノ本体内へ収容されないので、ピアノ演奏するときに鍵盤蓋がピアノ本体内に入り込み発熱部例えば電子音源部等から上面部に設けられた開口部との風道の障害物となることがない。したがって、大屋根を閉じた状態で演奏されても発熱部例えば電子音源部等の発熱によるピアノ本体内の温度上昇が抑えられ、電子音源部等の電子回路に不具合が生ずることがない。
【0018】
なお、ピアノ演奏するときに鍵盤蓋がピアノ本体内に入り込むような例えばスライド式の鍵盤蓋の場合には、発熱部例えば電子音源部等から上面部の開口部との風道の障害物となることがあり得る。すなわち、上面部に設けられた開口部は大屋根以外の上面部であることから、例えば大屋根より鍵盤側の上面部に設けられる。なぜなら、大屋根は美観上から開口部を設ける可能性が少ないためである。したがって、鍵盤蓋がピアノ本体内に入り込むような例えばスライド式の鍵盤蓋の場合には、ピアノ演奏するときに鍵盤蓋がピアノ本体内に入り込み発熱部例えば電子音源部等から上面部に設けられた開口部との風道の障害物となる可能性が高いためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。
[構成の説明]
図1は、本実施形態のグランド型電子ピアノ1において大屋根31と鍵盤蓋37とが開放されている状態を示す斜視図である。図2は、図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す斜視図である。図3は、図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31と鍵盤蓋37とが閉鎖されている状態を示す斜視図である。図4は、図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す部分破断側面図である。なお、以下の説明においては、グランド型電子ピアノ1を演奏者から見た場合の手前側(図4の左側)を「前」、奥側(図4の右側)を「後」とし、さらに多数の鍵41(図1に一部のみ図示)の並び方向を「左右方向」として説明する。
【0020】
図1に示す本実施形態のグランド型電子ピアノ1は、ピアノ本体2、ピアノ本体2を支持する3本の脚6(左右一対の脚部のみ図示し、後方の脚部は図示せず)、ピアノ本体2から下方へ延びるペダルユニット8、などを備えている。以下、ピアノ本体2を詳細に説明する。
【0021】
ピアノ本体2は、その下面部を構成する棚板21、左右一対の側板23、フレーム25、上前板27、上板29、上板支持部材30、大屋根31、突き上げ棒33、口棒35、鍵盤蓋37を備えている。また、ピアノ本体2は、鍵盤39、左右一対の拍子木43を備えている。鍵盤39は、多数の鍵41(一部のみ図示)と、それらの鍵41の下方または後方にそれぞれ鍵スイッチ(図示せず)を有している。さらに、ピアノ本体2は、響板45、響板45に取り付けられた3個のスピーカ47、前記棚板21に取り付けられた電子音源部49、電源部51、などを備えている。電源部51は、電子音源部49などに電力を供給する。上前板27は下端が鍵盤39に近く、上端が鍵盤39から遠くなるように傾斜している。
【0022】
鍵盤蓋37は、蓋体37aと、蓋体37aの内面(鍵盤蓋37の開放時は上面となる)に配置された操作パネル37bとを有している。蓋体37aは、L字状の断面形状を有している。鍵盤蓋37は、蓋体37aの平板部の一端(鍵盤蓋37の開放時は下端となる)が、上前板27の一端(鍵盤蓋37の開放時は下端となる)に蝶番53(図4参照)を介して回動可能に取り付けられており、蝶番53を中心として、図1に示す開放位置と、図3に示す閉鎖位置との間で回動することにより、開閉される。
【0023】
操作パネル37bは、楽音のトーンやボリュームなどを調整する多数のスイッチ群や電子回路が形成されたプリント基板など(いずれも図示せず)を有する。
上板29は、図3に例示するように、複数の通気孔29aを有する例えばパンチングメタルなどで構成され、左側の側板23(図示せず)から右側の側板23の間を塞ぐように形成されている。また、上板29は、図4に例示するように、略コの字状の断面形状を有し、上前板27と大屋根31との間を塞ぐように形成され上前板27と上板支持部材30とに固定されている。
【0024】
電子音源部49は、略直方体の形状を有し、図4に例示するように、その一部が棚板21に設けられた挿通孔21aを挿通しピアノ本体2の外部(下方)へ突き出した状態で取付部材(図示せず)によって棚板21へ取り付けられている。電源部51は、略直方体の形状を有し、図1に例示するように、棚板21の上面へ取付部材(図示せず)によって取り付けられており、電源部51の下方に位置する棚板21には通気孔21bが設けられている。また、図1に例示するように、電子音源部49と電源部51との上方に位置する響板45には通気孔45aが設けられている。
【0025】
[作動の説明]
次に、本実施形態のグランド型電子ピアノ1の作動を説明する。
演奏者がグランド型電子ピアノ1を演奏する場合には、図1及び図2に例示するように、鍵盤蓋37を開放位置へ回動する。この開放位置では、鍵盤蓋37は蝶番53(図4参照)を介して時計方向に回動されて鍵盤39を開放し、蓋体37aの外面が上前板27の前面に近接し、傾斜状態に保持されている。この鍵盤蓋37の開放位置において、演奏者が所定の鍵41を打鍵すると、その押鍵情報を検出する。そして、検出された押鍵情報に応じて電子音源部49が演奏信号を生成し、生成された演奏信号はアンプ(図示せず)によって増幅等されてスピーカ47へ出力され、このスピーカ47から演奏音が発音される。
【0026】
なお、図1に例示するように、鍵盤蓋37が開放位置にあるとき、蓋体37aの内面に配置された操作パネル37bが鍵盤39の上方に位置しているので、演奏者は操作パネル37bの所定のスイッチ群を容易に操作できる。操作により発生した所定の信号が電子音源部49へ送られ、発生する楽音のトーンやボリュームなどが調整される。
【0027】
そして、演奏者によってグランド型電子ピアノ1の演奏が開始されると、電子音源部49が演奏信号を生成するために消費される電力によって発熱し、電子音源部49などに電力を供給する電源部51も発熱する。棚板21に設けられた挿通孔21aを挿通しピアノ本体2の外部(下方)へ突き出した電子音源部49の一部から発生する熱は、ピアノ本体2の外部へ放出される。
【0028】
しかし、ピアノ本体2の内部の電子音源部49から発生した熱により温度上昇した空気と、電源部51から発生した熱により温度上昇した空気は、ピアノ本体2の内部に上昇してピアノ本体2の内部に残ることになる。したがって、ピアノ本体2の内部は、電子音源部49と電源部51から発生した熱により温度上昇する。
【0029】
ところで、演奏者がグランド型電子ピアノ1を演奏するときには、図1に例示するように、大屋根31が所定の開放角度で開放した状態に保たれている場合と、図2に例示するように、大屋根31が閉鎖した状態に保たれている場合がある。
【0030】
そして、大屋根31が開放した状態に保たれている場合には、図1に例示するように、電子音源部49と電源部51とから発生した熱により温度上昇した空気は、上昇して響板45に設けられた通気孔45aを通り、開放されている大屋根31からピアノ本体2の外部へ放出される。
【0031】
一方、大屋根31が閉鎖した状態に保たれている場合には、図4に例示するように、電子音源部49と電源部51(図1参照)とから発生した熱により温度上昇した空気は、上板29の通気孔29a(図3参照)からピアノ本体2の外部へ放出される。
【0032】
グランド型電子ピアノ1の不使用時などに、鍵盤39を覆うために鍵盤蓋37を蝶番53(図4参照)の回りに反時計方向に回動すると、鍵盤蓋37は図3に示す覆い位置に至る。鍵盤蓋37が図3に示す覆い位置にあるとき、蓋体37aの外面が上前板27の前面と所定の鈍角を成し、蓋体37aの屈曲部の下面が口棒35の上面に当接し、鍵盤蓋37は水平状態に維持されている。
【0033】
なお、本実施形態においては、電子音源部49と電源部51とが「発熱部」に相当し、上板29に有する複数の通気孔29aが「上面部に設けられた開口部」に相当し、棚板21に設けられた挿通孔21aと通気孔21bとが「棚板に設けられた開口部」に相当する。
【0034】
[効果の説明]
従来のグランド型電子ピアノにおいては、消費電力の大きな電子音源部を備えたグランド型電子ピアノが大屋根を閉じた状態で演奏されると、電子音源部等の発熱によってピアノ本体内の温度が上昇し、電子音源部等の電子回路に不具合が生じる可能性があった。なお、騒音が発生すると楽器として本来の機能を満たさなくなるため、強制冷却ファンを設置することができない。
【0035】
それに対して、本実施形態のグランド型電子ピアノ1によれば、複数の通気孔29aを有する上板29が上前板27と大屋根31との間に設けられ、電子音源部49が挿通する挿通孔21aと電源部51の下方に位置して通気孔21bとが棚板21に設けられているので、大屋根31を閉じた状態で演奏されても電子音源部49と電源部51との発熱によるピアノ本体2の内部の温度上昇が抑えられ、電子音源部49と電源部51との電子回路に不具合が生じない。また、複数の通気孔29aを有する上板29が電子音源部49と電源部51とによって発せられた熱をピアノ本体2の外部へ放出するので、冷却ファンなどの設置の必要がなく、騒音の発生がない。
【0036】
また、本実施形態のグランド型電子ピアノ1によれば、鍵盤蓋37は、鍵盤39を開放する位置と閉鎖する位置との間で回動することによって、ピアノ本体2の内部へ収容されずに鍵盤を開放、閉鎖可能なので、ピアノ演奏するときに鍵盤蓋37がピアノ本体2の内部に入り込み電子音源部49と電源部51とから複数の通気孔29aを有する上板29との風道の障害物となることがない。したがって、大屋根31を閉じた状態で演奏されても電子音源部49と電源部51との発熱によるピアノ本体2の内部の温度上昇が抑えられ、電子音源部49と電源部51との電子回路に不具合が生じない。
【0037】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0038】
(1)他の実施形態(イ)
上記実施形態では、電子音源部49と電源部51とによって発せられた熱を単に上板29に有する複数の通気孔29aからピアノ本体2の外部へ放出したが、図5に例示するように、電子音源部59と電源部51(図示せず)とから複数の通気孔29aを有する上板29とを連通させるエアダクト60を有するように構成してもよい。この電子音源部59は、上記実施形態に比べてピアノ本体2の後方に設けられている場合を示している。この電子音源部59は、略直方体の形状を有し、その一部が棚板21に設けられた挿通孔21cを挿通しピアノ本体2の外部(下方)へ突き出した状態で取付部材(図示せず)によって棚板21へ取り付けられている。そして、電子音源部59と電源部51とから複数の通気孔29aを有する上板29との風道に障害物がある場合にも、その障害物を回避してエアダクト60を設置すればよい。
【0039】
このように構成された実施形態においては、電子音源部59と電源部51とから複数の通気孔29aを有する上板29とを連通させるエアダクト60を有しているので、電子音源部59と電源部51とから複数の通気孔29aを有する上板29との風道に障害物がある場合にも、電子音源部59と電源部51とによって発せられた熱をピアノ本体2の外部へ放出できる。すなわち、この障害物を回避してピアノ本体2の内部にダクトを設置すれば、電子音源部59と電源部51とによって発せられた熱をピアノ本体2の外部へ効率よく放出できる。特に、図5に例示するように、上記実施形態に比べてピアノ本体2の後方に電子音源部59が設けられている場合には、電子音源部59によって発せられた熱が拡散されないので、ピアノ本体2の他の内蔵物例えば響板45やスピーカ47などに対して熱による不具合を少なくできる。
【0040】
なお、本実施形態においては、電子音源部59が「発熱部」に相当し、棚板21に設けられた挿通孔21cが「棚板に設けられた開口部」相当し、エアダクト60が「ダクト」に相当する。
【0041】
(2)他の実施形態(ロ)
上記実施形態では、電子音源部49と電源部51とに対する上板29の位置関係については特に限定しなかったが、図6に例示するように、電子音源部69と電源部51(図示せず)とは、上板29の略鉛直方向に配置され、且つ電子音源部69と電源部51によって発せられた熱により上昇した空気が上板29へ遮られずに上昇するように設けられる構成としてもよい。この場合の電子音源部69は、図6に例示するように電子音源部49よりも小型化されている。よって、この電子音源部69は上記実施形態に比べてピアノ本体2の前方に設けられている。この電子音源部69は、略直方体の形状を有し、棚板21の上面へ取付部材(図示せず)によって取り付けられており、電子音源部69の下方に位置する棚板21には通気孔21dが設けられている。
【0042】
このように構成されたグランド型電子ピアノによれば、電子音源部69と電源部51とは、上板29の略鉛直方向にであって、電子音源部69と電源部51によって発せられた熱により上昇した空気が上板29へ遮られずに上昇するように設けられているので、ピアノ本体2の内部の空気を効率よく放出できる。すなわち、電子音源部69と電源部51とによって発せられた熱により温度上昇したピアノ本体2の内部の空気が膨張により密度が小さくなって略鉛直方向の上方にある上板29へ上昇し、ピアノ本体2の内部の空気を効率よく放出できる。
【0043】
なお、本実施形態においては、電子音源部69が「発熱部」に相当し、棚板21に設けられた通気孔21dが「棚板に設けられた開口部」に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態のグランド型電子ピアノ1において大屋根31と鍵盤蓋37とが開放されている状態を示す斜視図である。
【図2】図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す斜視図である。
【図3】図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31と鍵盤蓋37とが閉鎖されている状態を示す斜視図である。
【図4】図1のグランド型電子ピアノ1において大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す部分破断側面図である。
【図5】他の実施形態(イ)のグランド型電子ピアノにおいて大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す部分破断側面図である。
【図6】他の実施形態(ロ)のグランド型電子ピアノにおいて大屋根31が閉鎖され、鍵盤蓋37が開放されている状態を示す部分破断側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…グランド型電子ピアノ、2…ピアノ本体、6…脚、8…ペダルユニット、21…棚板、21a,21c…挿通孔、21b,21d…通気孔、23…側板、25…フレーム、27…上前板、29…上板、29a…通気孔、30…上板支持部材、31…大屋根、33…突き上げ棒、35…口棒、37…鍵盤蓋、37a…蓋体、37b…操作パネル、39…鍵盤、41…鍵盤、43…拍子木、45…響板、45a…通気孔、47…スピーカ、49,59,69…電子音源部、51…電源部、53…蝶番、60…エアアダクト。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013