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発明の名称 鍵盤楽器の鍵盤蓋装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−133249(P2007−133249A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−327859(P2005−327859)
出願日 平成17年11月11日(2005.11.11)
代理人 【識別番号】100095566
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友雄
発明者 鷹羽 努
要約 課題
鍵盤楽器のコンパクト化を図り、演奏部の後ろ側に配置される構成部品のレイアウトの自由度を高めることができるとともに、鍵盤蓋の開閉を容易に行うことができる鍵盤楽器の鍵盤蓋装置を提供する。

解決手段
鍵盤6を含む演奏部3を開閉する鍵盤楽器1の鍵盤蓋装置4であって、演奏部3の両側に配置された左右の腕木15,15と、互いに回動自在に連結された複数の板材26,27を有し、左右の腕木15,15に、前側の閉鎖位置と後ろ側の開放位置との間で前後方向にスライド自在に取り付けられ、閉鎖位置では、複数の板材26,27が前後方向に並んだ、展開された状態で、演奏部3を閉鎖するとともに、開放位置では、複数の板材26,27が演奏部3の後端部の上方において折り畳まれた状態で、演奏部3を開放する鍵盤蓋16と、を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
鍵盤を含む演奏部を開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置であって、
前記演奏部の両側に配置された左右の腕木と、
互いに回動自在に連結された複数の板材を有し、前記左右の腕木に、前側の閉鎖位置と後ろ側の開放位置との間で前後方向にスライド自在に取り付けられ、前記閉鎖位置では、前記複数の板材が前後方向に並んだ、展開された状態で、前記演奏部を閉鎖するとともに、前記開放位置では、前記複数の板材が前記演奏部の後端部の上方において折り畳まれた状態で、前記演奏部を開放する鍵盤蓋と、
を備えていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
【請求項2】
前記複数の板材の各々の左右の側面には突起が設けられており、前記左右の腕木には、前記突起が係合し、当該突起を介して前記鍵盤蓋を案内するための案内溝が、前後方向に延びるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
【請求項3】
前記複数の板材のうちの最も後ろ側に配置された最後位の板材は、前記鍵盤蓋を後方にスライドさせたときに、前記突起が前記案内溝の後縁に当接することによって、所定の角度、回転するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
【請求項4】
前記最後位の板材は、基部と、当該基部の一端から垂直に延び、前記鍵盤蓋が前記閉鎖位置に位置するときに直立する直立部とから成る断面L形に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
【請求項5】
前記複数の板材の各々は中空であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵盤を含む演奏部をスライド式の鍵盤蓋によって開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の鍵盤蓋装置を備えた電子ピアノとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この電子ピアノは、棚板上に設けられた、鍵盤やコントロールパネルを含む演奏部と、演奏部の両側に配置された左右の腕木と、両腕木の上面後半部間に水平に取り付けられた屋根と、両腕木に前後方向にスライド自在に取り付けられ、演奏部を開閉する鍵盤蓋を備えている。棚板のコントロールパネルよりも後ろ側には、押鍵時にハンマーを回動させるためのアクションが設けられている。また、棚板は、その前端部において、両腕木に水平軸線回りに回動自在に取り付けられている。
【0003】
左右の腕木の後端部下側に設けられた背板の前面には、上下のストッパが取り付けられている。上ストッパは、前方に突出する突出位置と、下方に垂下する退避位置との間で、回動自在に設けられており、突出位置と退避位置との切り換えは、電子ピアノの前面に設けられたスイッチによって行われる。
【0004】
鍵盤蓋は、1枚の板で構成されており、その左右の側面の前端部および後端部には、左右の前軸および後軸が側方に突出するように設けられている。一方、左右の腕木の内側面の前半部および後半部には、前後方向に延びる前案内溝および後案内溝が形成されている。これらの前後の案内溝に鍵盤蓋の前後の軸がそれぞれ係合しており、それにより、鍵盤蓋は、その前後の軸および案内溝によって案内されることにより、前後方向にスライドし、演奏部を開閉する。
【0005】
この電子ピアノでは、演奏を行う際、棚板は、その後端部が突出位置に位置する上ストッパに載置されることにより、水平に保持されるとともに、鍵盤蓋は、後方にスライドされ、屋根の下側に収納されている。この状態から鍵盤蓋を閉鎖する場合には、まず、スイッチにより上ストッパを退避位置に回動させることによって、棚板を下方に回動させ、下ストッパに載せることにより、棚板を斜め後ろ下がりの状態にする。次いで、鍵盤蓋を前方にスライドさせ、演奏部を閉鎖する。この場合、コントロールパネルやアクションが棚板と一緒に下側に移動しているので、鍵盤蓋がコントロールパネルなどに接触することがない。このため、コントロールパネルなどの下降分だけ、前後の案内溝を下側に配置することにより、腕木の高さを低くし、電子ピアノをコンパクト化することが可能である。閉鎖状態から鍵盤蓋を開放する場合には、鍵盤蓋を後方にスライドさせ、次いで、棚板を手動で上方に回動させた後、上ストッパを突出位置に回動させ、その上に棚板を載せる。
【0006】
しかし、この鍵盤蓋装置では、鍵盤蓋の開放時に、鍵盤蓋が屋根の下側に収納されるので、そのための空間を屋根の下側に確保しなければならず、その分、腕木の高さおよび奥行が大きくなってしまう。同じ理由により、屋根と棚板の間に配置されるアクションなどのレイアウトの自由度が低下する。また、屋根と棚板の間に電気回路が配置される場合には、演奏時に、電気回路がその上方に収納された鍵盤蓋で覆われるので、電気回路で発生した熱が逃げにくくなり、放熱を効果的に行うことができない。また、演奏部を閉鎖状態と演奏状態との間で切り換えるために、鍵盤蓋をスライドさせるだけでなく、棚板を手動で回動させたり、スイッチを押したりしなければならず、それらの操作が非常に煩雑である。
【0007】
また、主に電子オルガンに適用される従来の他の鍵盤蓋装置として、蛇腹状の鍵盤蓋をスライドさせるタイプのものが知られている。この鍵盤蓋は、左右方向に延びる複数の板材で構成されている。複数の板材は、互いに回動自在に連結され、折り曲げ可能に構成されている。左右の腕木の後ろ側には、裏板が設けられており、それらの内側面には、腕木から裏板にわたって案内溝が連続的に形成されている。案内溝は、腕木の部分では斜め後ろ上がりに延び、裏板の部分では、上下方向に延びている。鍵盤蓋は、左右の案内溝に係合しており、この案内溝に沿ってスライドすることにより、演奏部を開閉する。しかし、この鍵盤蓋装置では、鍵盤蓋を閉鎖する場合には、裏板側に収納された鍵盤蓋を重力に抗して案内溝に沿って大きな操作力で引き上げなければならず、鍵盤蓋を容易に閉鎖できないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、鍵盤楽器のコンパクト化を図り、演奏部の後ろ側に配置される構成部品のレイアウトの自由度を高めることができるとともに、鍵盤蓋の開閉を容易に行うことができる鍵盤楽器の鍵盤蓋装置を提供することを目的とする。
【0009】
【特許文献1】特開2000−330566号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、鍵盤を含む演奏部を開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置であって、演奏部の両側に配置された左右の腕木と、互いに回動自在に連結された複数の板材を有し、左右の腕木に、前側の閉鎖位置と後ろ側の開放位置との間で前後方向にスライド自在に取り付けられ、閉鎖位置では、複数の板材が前後方向に並んだ、展開された状態で、演奏部を閉鎖するとともに、開放位置では、複数の板材が演奏部の後端部の上方において折り畳まれた状態で、演奏部を開放する鍵盤蓋と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この鍵盤楽器の鍵盤蓋装置によれば、鍵盤蓋は、左右の腕木にスライド自在に取り付けられており、前側の閉鎖位置と後ろ側の開放位置との間で前後方向にスライドし、閉鎖位置では、複数の板材が前後方向に並んだ、展開された状態で、演奏部を閉鎖する。また、鍵盤蓋は、開放位置では、複数の板材が演奏部の後端部の上方において折り畳まれた状態で、演奏部を開放する。このように、鍵盤蓋は、開放位置では、演奏部の後端部の上方においてコンパクトに折り畳まれ、演奏部の後ろ側には入り込まない。したがって、鍵盤蓋の開放時に鍵盤蓋を収納するための空間を演奏部の後ろ側に確保する必要がなくなり、その分、左右の腕木の高さおよび奥行を小さくすることができる。その結果、鍵盤楽器のコンパクト化を図ることができる。また、鍵盤蓋を演奏部の後ろ側に案内するために腕木に設けられていた従来の後案内溝などを省略することができる。
【0012】
また、演奏部の後ろ側の空間にスピーカ、電気回路や、電気回路から発生する熱を逃がすための放熱板などの構成部品が配置される場合には、その空間に鍵盤蓋が入り込まないことにより、これらの構成部品のレイアウトの自由度を高めることができる。また、演奏時に、放熱板が鍵盤蓋で覆われないので、電気回路で発生した熱が逃げやすくなり、放熱を効果的に行うことができる。
【0013】
さらに、鍵盤蓋が複数の板材で構成されるので、板材の数を変えることによって、所望の奥行を有する鍵盤蓋を容易に得ることができる。また、蛇腹状の鍵盤蓋を有する従来の鍵盤蓋装置と異なり、鍵盤蓋を閉鎖する際に、鍵盤蓋を重力に抗して引き上げる必要がなくなり、そのときの操作力が軽減されることによって、鍵盤蓋を容易に開閉することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置において、複数の板材の各々の左右の側面には突起が設けられており、左右の腕木には、突起が係合し、突起を介して鍵盤蓋を案内するための案内溝が、前後方向に延びるように形成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、複数の板材の各々の突起が腕木の案内溝に係合しており、これらの突起および案内溝による案内によって、鍵盤蓋を円滑にスライドさせることができる。また、鍵盤蓋の折り畳み時および展開時、突起が案内溝の上下の縁に当接し、板材の上下方向の移動を阻止することによって、板材を円滑に回転させることができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置において、複数の板材のうちの最も後ろ側に配置された最後位の板材は、鍵盤蓋を後方にスライドさせたときに、突起が案内溝の後縁に当接することによって、所定の角度、回転するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、鍵盤蓋を後方にスライドさせたときに、最後位の板材は、その突起が案内溝の後縁に当接することによって、後方へのそれ以上のスライドが阻止されるとともに、所定の角度、回転する。このように、鍵盤蓋を開放時に後方にスライドさせたときに、案内溝の後縁がストッパの役割を果たすとともに、所定の角度、回転した最後位の板材の前側に、他の板材を順次、重ね合わせることによって、鍵盤蓋を折り畳むことができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置において、最後位の板材は、基部と、基部の一端から垂直に延び、鍵盤蓋が閉鎖位置に位置するときに直立する直立部とから成る断面L形に形成されていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、鍵盤蓋が閉鎖位置に位置するときには、最後位の板材の直立部が直立しているので、この直立部によって、演奏部の後ろ側を目隠しし、鍵盤楽器の外観を良好に保つことができるとともに、楽器内部を保護することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置において、複数の板材の各々は中空であることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、各板材が軽量化するため、鍵盤蓋を開閉する際の操作力の軽減によって、鍵盤蓋の開閉をより容易に行うことができる。また、材料コストの削減によって、製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1および図2は、本発明の鍵盤蓋装置を含む電子ピアノを示している。両図に示すように、電子ピアノ1(鍵盤楽器)は、水平な棚板2上に固定された演奏部3と、この演奏部3を開閉するための鍵盤蓋装置4などを備えている。
【0023】
演奏部3は、複数の鍵5からなる鍵盤6と、鍵5ごとに設けられた、複数のハンマー7、および鍵5の押鍵状態を検出するための複数の鍵スイッチ8(いずれも1つのみ図示)と、それらを支持するシャーシ9などを有している。この演奏部3は、シャーシ9に設けられた複数の連結バー11を介して、棚板2の前部に固定されている。鍵スイッチ8は、スイッチ本体12およびプリント基板13で構成されている。プリント基板13は、発音などを制御する制御装置(図示せず)に接続されている。
【0024】
鍵盤蓋装置4は、演奏部3の両側に配置された左右の腕木15,15(一方のみ図示)と、両腕木15,15に前後方向(図1の左右方向)にスライド自在に取り付けられた鍵盤蓋16で構成されている。
【0025】
腕木15は、前後および上下方向に延びる板状のものであり、後半部では一定の高さを有し、前半部では前方に向かって徐々に低くなっている。両腕木15,15の後半部の上端部間には、屋根17が水平に取り付けられている。また、両腕木15,15の後端部間には、背板23が取り付けられており、この背板23、左右の腕木15,15、屋根17および棚板2によって、演奏部3の後方に空間(以下「後方空間10」という)が形成されている。この後方空間10には、前述した制御装置や、電気回路などから発生する熱を放熱するための放熱板(図示せず)、スピーカ14などが収容されており、それらは棚板2に取り付けられている。両腕木15,15の前端部間には、口棒22が、鍵盤6の下側を覆うように取り付けられている。屋根17の前面には、屋根前付18が下方に若干突出するように取り付けられ、上面には、譜面台21が取り付けられている。
【0026】
各腕木15の内側面には、鍵盤蓋16をスライドさせるための案内溝24が形成されている。図1および図2に示すように、この案内溝24は、口棒22の上端から上方に延びるとともに、腕木15の上面に沿って、やや斜め後ろ上がりに、屋根前付18の手前の頂点Aまで直線状に延びている。さらに、案内溝24は、頂点Aからやや斜め後ろ下がりに直線状に、屋根前付18と演奏部3の後端部との間まで延びている。
【0027】
鍵盤蓋16は、蛇腹状のものであり、互いに回動自在に連結された6つの平板材26(板材)および最後位の1つのL板材27(最後位の板材)を有している。平板材26およびL板材27は、金属材料、例えばアルミニウムの押出成形品で構成され、腕木15,15の間に左右方向に延びている。
【0028】
図3に示すように、平板材26は、一定の厚さを有しており、その左右の側面には、前後方向の一端面(同図の左端面)から所定の距離L1の位置に、突起28が設けられている。この突起28は、断面円形のピン状のものであり、打ち込みなどによって取り付けられている。平板材26の前後方向の両端部には、連結用の溝31,31が互いに左右対称に形成されている。各溝31は、平板材26の全体にわたって左右方向に延びており、内側の方が溝幅の大きい横T字状の断面を有している。
【0029】
図4に示すように、L板材27は、基部34と、基部34の一端から垂直に延びる直立部35から、断面L形に形成されている。基部34の大きさおよび厚さは、平板材26と同じである。また、平板材26と同様、基部34の左右の側面には、直立部35と反対側の端面から所定の距離L1の位置に、突起28が設けられるとともに、直立部35と反対側の端部には、連結用の溝31が形成されている。直立部35の厚さは平板材26と同じであり、長さは基部34よりも若干短い。
【0030】
6つの平板材26とL板材27は、連結材32を介して、前後方向に並ぶように互いに連結されている。図1に示すように、これらの平板材26およびL板材27は、突起28が設けられている側の端部同士が隣接するとともに、突起28が設けられていない側の端部同士が隣接するように配置されている。連結材32は、例えばゴムなどの弾性材料で構成されている。図5に示すように、連結材32の各端部には、溝31と相補的な横T字状の断面を有する係合部36が設けられている。隣り合う各2つの平板材26,26は、それらの溝31,31に連結材32の両係合部36,36が抜け止め状態で係合することによって、互いに連結されるとともに、連結材32の弾性によって、互いに回動することが可能である。L板材27と平板材26もまた、連結材32によって同様に連結されている。
【0031】
以上のように構成された鍵盤蓋16は、各平板材26およびL板材27の左右の突起28,28が両腕木15,15の案内溝24,24に係合した状態で、腕木15,15間に取り付けられている。これにより、鍵盤蓋16は、突起28を介して案内溝24により案内されることによって、演奏部3を閉鎖する前側の閉鎖位置(図1参照)と開放する後ろ側の開放位置(図2参照)との間で、前後方向にスライド自在になっている。なお、図1の符号33は、鍵盤蓋16を開閉操作するために、最前の平板材26の溝31に取り付けられた断面U字状の取っ手33である。
【0032】
次に、鍵盤蓋装置4の鍵盤蓋16の開閉動作を説明する。図1に示すように、鍵盤蓋16が閉鎖位置にあるときには、最前の平板材26が口棒22に当接しており、6つの平板材26およびL板材27が、案内溝24に沿って並んだ、展開された状態で、演奏部3を閉鎖している。具体的には、最前の平板材26は鉛直に、他の5つの平板材26およびL板材27の基部34はほぼ水平になっている。また、L板材27の直立部35は直立しており、その上端が屋根前付18のすぐ下側に位置し、屋根前付18の下側の開口を塞いでいる。この閉鎖状態から、取っ手33をつかみ、最前の平板材26を持ち上げながら後方に押すと、鍵盤蓋16は、突起28を介して案内溝24により案内されることによって、後方にスライドする。この鍵盤蓋16のスライドに伴い、L板材27の突起28が案内溝24の後縁に当接することによって、L板材27の後方へのそれ以上のスライドが阻止され、それにより、L板材27は、突起28を中心として、同図の反時計回りに回転する。
【0033】
また、鍵盤蓋16のスライドに伴い、6つの平板材26は、突起28を中心として、案内溝24の縁によって移動が阻止されながら回転する。そして、スライドの終了時に、L板材27は、約90度、回転し、屋根前付18の下側において、基部34が直立するとともに、直立部35が前方にほぼ突出した状態になる(図2参照)。また、6つの平板材26は、後ろ側のものから順に、L板材27の前方に突出した直立部35の下側に折り畳まれ、直立した状態で重ね合わされる。以上により、演奏部3が開放され、鍵盤蓋16は、図2に示す開放位置に位置する。この開放状態では、鍵盤蓋16は、案内溝24の頂点Aよりも後ろ側の斜め後ろ下がり部分に位置しているため、安定した状態で折り畳まれている。
【0034】
この開放状態から、取っ手33を手前に引くと、上述した開放時と逆の動作により、平板材26およびL板材27が回転しながら前方にスライドすることによって、鍵盤蓋16は、図1に示す閉鎖位置に復帰する。
【0035】
以上のように、この電子ピアノ1の鍵盤蓋装置4によれば、蛇腹状の鍵盤蓋16は、左右の腕木15,15に形成された案内溝24に沿って前後方向にスライドし、閉鎖位置では、平板材26およびL板材27が案内溝24に沿って並んだ、展開された状態で、演奏部3を閉鎖する。また、鍵盤蓋16は、開放位置では、平板材26およびL板材27が屋根前付18の下側で折り畳まれ、演奏部3を開放する。このように、鍵盤蓋16が開放位置で演奏部3の後方空間10に入り込まないので、その分、腕木15の高さおよび奥行を小さくすることができ、それにより、電子ピアノ1をコンパクト化することができる。また、鍵盤蓋16を演奏部3の後方に案内するために腕木に設けられていた従来の後案内溝などを省略することができる。
【0036】
また、鍵盤蓋16が後方空間10に入り込まないので、後方空間10におけるスピーカ14や放熱板などのレイアウトの自由度を高めることができる。また、演奏時に、放熱板が鍵盤蓋16で覆われないので、放熱板で発生した熱が逃げやすくなり、放熱を効果的に行うことができる。さらに、鍵盤蓋16は、複数の平板材26およびL板材27で構成されるので、平板材26の枚数を変えることによって、所望の奥行を有する鍵盤蓋を容易に得ることができる。また、蛇腹状の鍵盤蓋を有する従来の鍵盤蓋装置と異なり、鍵盤蓋16を閉鎖する際に、鍵盤蓋16を重力に抗して引き上げる必要がなくなり、そのときの操作力が軽減されることによって、鍵盤蓋16を容易に開閉することができる。
【0037】
また、鍵盤蓋16の折り畳み時および展開時に、突起28が案内溝24の上下の縁に当接し、平板材26およびL板材27の上下方向の移動を阻止することによって、平板材26およびL板材27を円滑に回転させることができる。
【0038】
また、鍵盤蓋16を後方にスライドさせたときに、L板材27は、その突起28が案内溝24の後縁に当接することによって、後方へのそれ以上のスライドが阻止されるとともに、反時計回りに約90度、回転する。このように、鍵盤蓋16を開放時に後方にスライドさせたときに、案内溝24の後縁がストッパの役割を果たすとともに、回転したL板材27の基部34の前側に、6つの平板材26を順次、重ね合わせることによって、鍵盤蓋16を折り畳むことができる。
【0039】
さらに、鍵盤蓋16が閉鎖位置に位置するときには、L板材27の直立部35が直立し、屋根前付18の下側の開口を塞ぐので、電子ピアノ1の外観を良好に保つことができるとともに、電子ピアノ1の内部を保護することができる。
【0040】
また、平板材26およびL板材27がアルミニウムの押出成形品で構成されているので、閉鎖位置に位置する展開された鍵盤蓋16に上方から荷重が加えられた場合でも、鍵盤蓋16の変形や破損を防止することができる。
【0041】
図6は、平板材の変形例を示している。なお、実施形態と同じ構成の部分については、同じ符号を付している。この平板材51は、平板材26と同様、アルミニウムの押出成形品で構成されており、前後の端部の溝31,31以外の部分に、左右方向に貫通する孔52を有し、中空状に形成されている。平板材51の左右の各側面には、ピン状の1つの突起53が設けられている。また、図示しないが、L板材も同様に、中空状に形成されている。以上のように、平板材51およびL板材が中空状であるので、それによる軽量化により、鍵盤蓋16の操作力が軽減されることによって、鍵盤蓋16の開閉をより容易に行えるとともに、材料コストの削減によって、製造コストを削減することができる。
【0042】
図7は、平板材の別の変形例を示している。この平板材61は、木質材で構成され、隣り合う平板材61,61の表面および裏面には、可撓性を有するシート62が、熱着や接着によって、それぞれ貼り付けられている。また、シート62,62は、平板材61,61の連結部分で互いに接着されており、シート62の可撓性によって、平板材61,61が互いに回動自在になっている。また、平板材61の左右の側面には、平板材26の突起28と同じ位置に、ピン状の突起(図示せず)が、例えば、埋め込みおよび接着によって取り付けられている。また、図示しないが、L板材も同様に構成されている。以上のように、複数の平板材61およびL板材を、それらの表裏面に貼り付けたシート62,62で回動自在に連結することによって、蛇腹状の鍵盤蓋を構成することができる。
【0043】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、本実施形態では、平板材26などをアルミニウムの押出成形品や木質材で構成したが、これに限らず、他の金属、合成樹脂や、木質材と合成樹脂との複合材料で構成してもよい。特に、合成樹脂として発泡合成樹脂の押出成形品を用いた場合には、軽量で高い硬度の鍵盤蓋を得ることができる。また、本発明を、例示した電子ピアノ以外の鍵盤楽器、例えば電子オルガンやアコースティックピアノなどに適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の鍵盤蓋装置を含む電子ピアノを、鍵盤蓋が閉鎖位置にある状態で示す側面図である。
【図2】図1の電子ピアノを、鍵盤蓋が開放位置にある状態で示す側面図である。
【図3】平板材の側面図である。
【図4】L板材の側面図である。
【図5】2つの平板材の連結部分を示す部分拡大側面図である。
【図6】平板材の変形例を示す側面図である。
【図7】平板材の他の変形例を、2つの平板材を連結した状態で示す部分拡大側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 電子ピアノ(鍵盤楽器)
3 演奏部
4 鍵盤蓋装置
6 鍵盤
15 腕木
16 鍵盤蓋
24 案内溝
26 平板材(板材)
27 L板材(最後位の板材)
28 突起
34 基部
35 直立部
51 平板材(板材)
53 突起
61 平板材(板材)




 

 


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