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発明の名称 鍵盤楽器のタッチ検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−79312(P2007−79312A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−269223(P2005−269223)
出願日 平成17年9月15日(2005.9.15)
代理人 【識別番号】100095566
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友雄
発明者 平野 哲也
要約 課題
複数の光センサの実装密度を向上させることができるとともに、他の光センサからの光の影響を受けることなく、鍵のタッチ情報を精度良く検出することができる鍵盤楽器のタッチ検出装置を提供する。

解決手段
鍵4の回動に伴って回動するシャッタ6と、シャッタ6の回動経路の付近に設けられ、回動経路の両側に、発光部7a,8a、および発光部から出射された光を受光する受光部7b,8bをそれぞれ有する複数の光センサ7,8と、鍵4が回動する際、シャッタ6による複数の光センサ7,8の発光部からの光の光路の開閉に応じた受光部の受光の有無に基づいて、タッチ情報を検出するタッチ情報検出手段23と、を備え、複数の光センサ7,8のうちの隣り合う2つは、それらの一方の光センサの発光部と他方の光センサの受光部が、シャッタ6の回動経路の同じ側に互いに隣接するように配置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
回動自在の鍵の押鍵情報を含むタッチ情報を検出する鍵盤楽器のタッチ検出装置であって、
前記鍵の回動に伴って回動するシャッタと、
当該シャッタの回動経路の付近に設けられるとともに、当該回動経路の両側に、発光部、および当該発光部から出射された光を受光する受光部をそれぞれ有する複数の光センサと、
前記鍵が回動する際、前記シャッタによる前記複数の光センサの前記発光部からの光の光路の開閉に応じた前記受光部の受光の有無に基づいて、前記タッチ情報を検出するタッチ情報検出手段と、を備え、
前記複数の光センサのうちの隣り合う2つは、それらの一方の光センサの発光部と他方の光センサの受光部が、前記シャッタの前記回動経路の同じ側に互いに隣接するように配置されていることを特徴とする鍵盤楽器のタッチ検出装置。
【請求項2】
前記シャッタは、当該シャッタによって反射される光の光量を低減させるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の鍵盤楽器のタッチ検出装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子ピアノなどの電子鍵盤楽器や、消音ピアノあるいは自動演奏ピアノなどの複合型ピアノに適用され、鍵の押鍵情報を含むタッチ情報を検出する鍵盤楽器のタッチ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鍵盤楽器のタッチ検出装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この鍵盤楽器は、アップライト型の自動演奏ピアノであり、図14に示すように、回動自在の鍵(図示せず)と、鍵の押鍵に連動して回動し、弦62を打弦するハンマー63を備えている。同図に示すように、このタッチ検出装置61は、ハンマー63に設けられたシャッタ64と、第1〜第3センサ65〜67などで構成されている。シャッタ64は、板状に形成されており、ハンマー63のキャッチャシャンク63aに沿ってこれに固定され、上方に延びている。シャッタ64の上端部には、ハンマーシャンク63b側から順に、第1〜第3の3つの段64a,64b,64cが階段状に形成されており、第1段64aが最も高く、第3段64cが最も低い。
【0003】
第1〜第3センサ65〜67は、第1〜第3段64a〜64cに対応するように隣り合った状態で配置されており、一対の発光部および受光部(ともに図示せず)でそれぞれ構成されている。これらの発光部は、シャッタ64の移動経路の一方の側に配置され、受光部は、移動経路の他方の側に、対応する発光部と対向するように配置されていて、発光部から出射された光が対応する受光部で受光されるようになっている。離鍵状態(図14の実線位置)では、シャッタ64は、第1〜第3センサ65〜67とはオーバーラップせず、その下側に位置している。
【0004】
このような構成により、鍵の押鍵に連動し、ハンマー63がセンターピン68を中心として、図14の反時計方向に回動するのに伴い、シャッタ64がハンマー63と一体に回動する。この回動に伴い、シャッタ64の第1段64aが第1センサ65に達することによって、発光部からの光が遮断され、受光部による受光が阻止される。ハンマー63の回動が進むと、第2センサ66の発光部からの光が遮断され、受光部の受光が阻止され、回動がさらに進むと、第3センサ67の発光部からの光が遮断され、受光部の受光が阻止される。また、離鍵時には、上記と逆の順序で発光部からの光の遮断状態が解除され、受光部が受光状態に復帰する。
【0005】
第1〜第3センサ65〜67は、受光部で受光した光の光量が所定レベル以上のときに「Low」信号を、所定レベル未満のときに「High」信号を、検出信号として出力する。これらの検出信号のうち、第1センサ65の検出信号は、鍵の押鍵および離鍵の検出に用いられる。具体的には、第1センサ65の検出信号が「Low」から「High」に切り替わったタイミング(以下「遮光タイミング」という)が、鍵の押鍵タイミングとして検出され、上記と逆に「High」から「Low」に切り替わったタイミング(以下「受光タイミング」という)が、鍵の離鍵タイミングとして検出される。また、第2および第3センサ66,67の検出信号は、鍵の押鍵速度の検出に用いられる。具体的には、第2および第3センサ66,67のそれぞれの遮光タイミングの時間差に基づいて、鍵の押鍵速度が決定される。
【0006】
しかし、この従来のタッチ検出装置61では、第1〜第3センサ65〜67の発光部がシャッタ64の移動経路の一方の側に隣り合った状態で配置され、それらの受光部が移動経路の他方の側に隣り合った状態で配置されている。このため、例えば、発光部から出射される光が発散性を有する場合、受光部側に近いほど光が拡がるため、第1センサ65の受光部には、第1センサ65の発光部からの光だけでなく、その隣の第2センサ66の発光部からの光も到達する。
【0007】
図15は、この状況を模式的に示している。すなわち、同図(a)に示すように、第1センサSO1の発光部SO1aからの光は、発散性を有するため、第1センサSO1の受光部SO1bだけでなく、第2センサSO2の受光部SO2bにも到達する。このため、同図(b)に示すように、第1センサSO1の発光部SO1aからの光をシャッタSで遮断した状態においても、その受光部SO1bが、第2センサSO2の発光部SO2aからの光を受光してしまう。その結果、従来のタッチ検出装置61では、押鍵時には、第1センサ65の遮光タイミングが遅れ、離鍵時には逆に、受光タイミングが早まり、それにより、押鍵および離鍵のタイミングを正しく検出できなくなる。また、押鍵速度を検出する場合、第2センサ66の遮光タイミングが遅れるのに対し、第3センサ67の遮光タイミングは、第2センサ66の発光部からの光の影響を受けないため、遅れを生じない。その結果、両遮光タイミングの時間差は、シャッタ64が実際に通過する時間差よりも小さくなるので、検出された押鍵速度は、実際の押鍵速度よりも大きくなり、押鍵速度を精度良く検出できなくなる。
【0008】
また、上述したような遮光および受光タイミングのずれの度合は、第1〜第3センサ65〜67の発光部と受光部との間におけるシャッタ64の通過位置に応じて異なる。図16は、この状況を模式的に示している。すなわち、同図(a)に示すように、シャッタSの通過位置が受光部SO1b,SO2bに近い場合には、第2センサSO2からの光が遮断されやすく、第1センサSO1の受光部SO1bに到達しにくくなるため、遮光および受光タイミングのずれの度合は小さくなる。これに対し、同図(b)に示すように、シャッタSの通過位置が発光部SO1a,SO2aに近い場合には、第2センサSO2からの光が遮断されにくく、受光部SO1bに到達しやすくなるため、遮光および受光タイミングのずれの度合は大きくなる。以上のように、シャッタ64の通過位置に応じて、遮光および受光タイミングのずれの度合が異なるので、それに基づいて検出される押鍵および離鍵のタイミングや押鍵速度もまた、シャッタ64の通過位置に応じてばらついてしまう。
【0009】
以上のような不具合は、例えば、第1〜第3センサ65〜67間の距離を、それぞれの受光部が他のセンサの発光部の光の影響を受けない程度まで大きくすることによって、解消することが可能である。しかし、その場合には、センサの実装密度が低下するだけでなく、第2および第3センサ66,67間の間隔、すなわち、押鍵速度の検出区間が長くなるため、例えば、押鍵情報として重要な、ハンマー63が弦62を打弦する直前の押鍵速度を精度良く検出することができなくなる。あるいは、上記の不具合を解消するために、例えば、第1〜第3センサ65〜67の発光部の発光強度を、それぞれの受光部が他のセンサの発光部からの光の影響を受けない程度に小さくすることも考えられる。しかし、その場合には、受光部での受光量が全体として小さくなるので、受光部が受光状態にあるにもかかわらず、その受光量が所定レベル未満になるなど、検出信号が安定せず、押鍵および離鍵のタイミングや押鍵速度の検出精度が著しく低下してしまう。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数の光センサの実装密度を向上させることができるとともに、他の光センサからの光の影響を受けることなく、鍵のタッチ情報を精度良く検出することができる鍵盤楽器のタッチ検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【特許文献1】特開平2−160292号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、回動自在の鍵の押鍵情報を含むタッチ情報を検出する鍵盤楽器のタッチ検出装置であって、鍵の回動に伴って回動するシャッタと、シャッタの回動経路の付近に設けられるとともに、回動経路の両側に、発光部、および発光部から出射された光を受光する受光部をそれぞれ有する複数の光センサと、鍵が回動する際、シャッタによる複数の光センサの発光部からの光の光路の開閉に応じた受光部の受光の有無に基づいて、タッチ情報を検出するタッチ情報検出手段と、を備え、複数の光センサのうちの隣り合う2つは、それらの一方の光センサの発光部と他方の光センサの受光部が、シャッタの回動経路の同じ側に互いに隣接するように配置されていることを特徴とする。
【0013】
この鍵盤楽器のタッチ検出装置によれば、鍵の押鍵または離鍵により鍵が回動し、この鍵の回動に伴って回動するシャッタが、隣り合う複数の光センサの発光部からの光の光路を順次、開閉する。タッチ情報検出手段は、この光路の開閉に応じた受光部の受光の有無に基づいて、鍵の押鍵情報を含むタッチ情報を検出する。
【0014】
本発明によれば、複数の光センサのうちの隣り合う2つは、それらの一方の光センサの発光部と他方の光センサの受光部が、シャッタの回動経路の同じ側に互いに隣接するように配置されている。このため、発光部から出射される光が発散性を有していても、一方の光センサの発光部からの光は、その光センサの受光部と、この受光部に隣接する他方の光センサの発光部に到達するだけで、他方の光センサの受光部に到達することはない。このため、一方の光センサの光路のみをシャッタが閉鎖した場合に、その受光部が、他方の光センサの発光部からの光を受光することがないので、受光部の受光の有無の切り替わりのタイミングを、シャッタによる光路の実際の開閉タイミングと一致させることができる。したがって、発光部から出射される光が発散性を有する場合でも、他の光センサの影響を受けることなく、鍵のタッチ情報を精度良く検出することができる。
【0015】
同じ理由から、光センサの発光部と受光部との間におけるシャッタの通過位置にかかわらず、受光部の受光の有無の切り替わりのタイミングを、シャッタによる光路の実際の開閉タイミングと一致させることができる。また、複数の光センサ間の間隔を小さくしても、検出精度には影響を及ぼさないので、そうすることにより、光センサの実装密度を向上させることができるとともに、押鍵速度の検出区間が短くなることによって、例えば弦を打弦する直前の押鍵速度を精度良く検出することが可能になる。さらに、発光部の発光強度を高く設定しても、検出精度に影響を及ぼさないので、そうすることにより、光センサの出力を安定させ、鍵のタッチ情報をさらに精度良く検出することができる。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器のタッチ検出装置において、シャッタは、シャッタによって反射される光の光量を低減させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項1によるタッチ検出装置では、シャッタによって一方の光センサの光路を閉鎖した状態で、他方の光センサの発光部からの光がシャッタで反射され、一方の光センサの受光部に到達する場合がある。本発明によれば、シャッタが上述したように構成されているので、他方の光センサの発光部からの光がシャッタで反射した際に、その反射光の光量がシャッタで低減される。したがって、その反射光が一方の光センサの受光部に到達した場合でも、反射光による悪影響を確実に排除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるタッチ検出装置1を適用したアップライト型の消音ピアノ2(鍵盤楽器)を示している。なお、以下の説明では、消音ピアノ2を演奏者から見た場合の手前側(図1の右側)を「前」、奥側(図1の左側)を「後」とし、さらに左側および右側をそれぞれ「左」および「右」として、説明を行うものとする。
【0019】
図1に示すように、この消音ピアノ2は、棚板3に載置され、白鍵4aおよび黒鍵4bから成る複数(例えば88個)の鍵4(各1つのみ図示)と、鍵4の後部上方に設けられたアクション9と、鍵4ごとに設けられ、弦Sを打弦するハンマー5と、演奏音を電子的に発生させるための楽音発生装置10(図7参照)を備えている。この消音ピアノ2では、演奏モードが、ハンマー5による弦Sの打弦によってアコースティックな演奏音を発生させる通常演奏モードと、ハンマー5による打弦を阻止した状態で、楽音発生装置10によって演奏音を発生させる消音演奏モードに、切り替えられる。
【0020】
鍵4は、その中央に形成されたバランスピン孔(図示せず)を介して、棚板3上に設けられたバランスレール3aに立設するバランスピン11に、回動自在に支持されている。
【0021】
アクション9は、鍵4の押鍵に伴ってハンマー5を回動させるためのものであり、前後方向に延び、各鍵4の後部にキャプスタンスクリュー12を介して載置されたウイッペン13と、ウイッペン13に取り付けられたジャック14などを備えている。各ウイッペン13は、その後端部においてセンターレール15に回動自在に支持されている。ジャック14は、上下方向に延びる突き上げ部14aと、その下端部から前方にほぼ直角に延びる係合部14bとから、L字状に形成されており、その角部においてウイッペン13に回動自在に取り付けられている。また、センターレール15の後端部には、ダンパー16が回動自在に取り付けられている。
【0022】
一方、ハンマー5は、バット5aと、バット5aから上方に延びるハンマーシャンク5bと、ハンマーシャンク5bの上端部に取り付けられたハンマーヘッド5cなどで構成されており、バット5aの下端部において、センターレール15に回動自在に取り付けられている。図1に示す離鍵状態では、バット5aにジャック14の突き上げ部14aの先端が係合しているとともに、ハンマーシャンク5bがハンマーレール17に斜めに当接し、ハンマーヘッド5cが弦Sに対向している。
【0023】
また、タッチ検出装置1は、鍵4ごとに設けられた、シャッタ6と第1および第2光センサ7,8などを備えている。
【0024】
シャッタ6は、板状に形成され、図1に示すように、各鍵4の下面のバランスピン11よりも前側に、下方に直角に突出するように、一体に設けられている。図2に示すように、シャッタ6は、矩形状の左半部6Lと、左半部6Lの上半部から右方に延びる右半部6Rとから逆L字状に形成されており、右半部6Rの下端は左半部6Lの下端よりも高くなっている。
【0025】
また、シャッタ6は、例えば光を透過させない合成樹脂で構成されており、その表面の全面にわたって、シャッタ6によって反射される光(以下「反射光」という)の光量を低減させるための加工が施されている。この表面加工として、例えばシボ加工が挙げられる。シボ加工は、例えば、放電加工やサンドブラストなどによる処理で金型にあらかじめシボ用の凹凸を付けることによって、成形の際に施される。このような表面加工をシャッタ6に施すことによって、表面粗さが大きくなり、シャッタ6での反射光の光量が低減される。
【0026】
第1および第2光センサ7,8は、互いに同じ構成のフォトインタラプタで構成されている。図2〜図5に示すように、第1光センサ7は、側面形状がU字形のケース7cと、このケース7cに、前後方向に互いに対向するように設けられた一対の発光ダイオード7a(発光部)およびフォトトランジスタ7b(受光部)で構成されている。同様に、第2光センサ8は、ケース8cに、前後方向に対向するように設けられた一対の発光ダイオード8a(発光部)およびフォトトランジスタ8b(受光部)で構成されている。第1および第2光センサ7,8は、棚板3上に設けられた基板19に、ケース7c,8cが直立した状態で取り付けられている。図2に示すように、第1および第2光センサ7,8は、それぞれシャッタ6の左半部6Lおよび右半部6Rの下方に、左右方向に並ぶように設けられている。
【0027】
発光ダイオード7a,8aは、pn接続されたダイオードで構成されており、それらのアノードおよびカソードはそれぞれ、基板19に電気的に接続されている。これらの発光ダイオード7a,8aは、それらのアノードに、後述するCPU23から駆動信号が出力されることによってON駆動され、それにより、光を出射する。なお、発光ダイオード7a,8aの発光強度は、アノードに供給される電流量に応じて変化し、電流量が多いほど、より高くなる。
【0028】
フォトトランジスタ7b,8bは、npn接続されたバイポーラトランジスタで構成されており、それらのコレクタおよびエミッタはそれぞれ、基板19に電気的に接続されている。これらのフォトトランジスタ7b,8bは、それらのベースに相当する受光面(図示せず)で光を受光し、この光に応じてON/OFF駆動され、コレクタ−エミッタ間が導通状態または非導通状態に切り替えられる。具体的には、受光面で受光した光の光量(以下「受光量」という)が所定レベル以上のときに、コレクタ−エミッタ間が導通状態になり、所定レベル未満のときに、コレクタ−エミッタ間が非導通状態になる。
【0029】
図3および図5に示すように、第1および第2光センサ7,8は、それらの発光側と受光側が前後逆に配置されている。すなわち、第1光センサ7の発光ダイオード7aおよび第2光センサ8のフォトトランジスタ8bは、シャッタ6の回動経路の後ろ側に互いに隣接するように配置され、第1光センサ7のフォトトランジスタ7bおよび第2光センサ8の発光ダイオード8aは、回動経路の前側に互いに隣接するように配置されている。以上の構成により、図5に示すように、発光ダイオード7aは、光を前方に出射し、発光ダイオード8aは、逆に光を後方に出射する。フォトトランジスタ7bは、発光ダイオード7aからの光を、フォトトランジスタ8bは、発光ダイオード8aからの光を、それらの受光面で受光し、これらの受光した光を電気信号に変換する。これらの電気信号は、鍵4の回動位置に応じた第1および第2検出信号S1,S2として出力される。
【0030】
具体的には、発光ダイオード7a,8aとフォトトランジスタ7b,8bの受光面とを結ぶ光路が開放されることにより、受光面での受光が許容されることによって、受光面での受光量が所定レベル以上になり、フォトトランジスタ7b,8bのコレクタ−エミッタ間が導通状態になり、エミッタからHレベルの信号が出力される。一方、この光路が遮断されることにより、受光面での受光が阻止され、受光面での受光量が所定レベル未満になることによって、コレクタ−エミッタ間が非導通状態になり、エミッタからLレベルの信号が出力される。
【0031】
また、図1に示すように、ハンマー5と弦Sの間には、ストッパ18が設けられている。このストッパ18は、消音演奏モード時に、ハンマー5による弦Sの打弦を阻止するためのものであり、本体部18aと、その先端面に取り付けられたクッション(図示せず)などで構成されている。ストッパ18は、本体部18aの基端部において支点18bに回動自在に支持されており、モータ(図示せず)によって駆動される。ストッパ18は、通常演奏モード時には、上下方向に延び、ハンマー5のハンマーシャンク5bの回動範囲内から退避した退避位置(図1の実線位置)に駆動され、一方、消音演奏モード時には、前後方向に延び、ハンマーシャンク5bの回動範囲内に進入した進入位置(図1の点線位置)に駆動される。なお、このモータは、CPU23からの駆動信号によって駆動される。
【0032】
以上の構成により、鍵4が押鍵されると、鍵4はバランスピン11を中心として図1の時計方向に回動し、この回動に伴ってウイッペン13が反時計方向に回動する。このウイッペン13の回動に伴い、ジャック14がウイッペン13と一緒に上方に移動し、その突き上げ部14aがバット5aを突き上げることによって、ハンマー5が反時計方向に回動する。通常演奏モード時には、ストッパ18が退避位置に駆動されることによって、ハンマーヘッド5cが弦Sを打弦する。一方、消音演奏モード時には、ストッパ18が進入位置に駆動されることによって、ハンマーヘッド5cが弦Sを打弦する直前で、ハンマーシャンク5bがストッパ18に当接し、弦Sの打弦が阻止される。また、この鍵4の回動に伴い、シャッタ6が第1および第2光センサ7,8の光路を開閉し、それに応じて、第1および第2検出信号S1,S2が出力される。
【0033】
図6は、鍵4の回動に伴う第1および第2検出信号S1,S2のタイミングチャートを示している。まず、図1に示す離鍵状態では、シャッタ6が第1および第2光センサ7,8の光路を開放することによって、第1および第2検出信号S1,S2は、ともにHレベルになっている。この離鍵状態から鍵4が押鍵されると、それに伴ってシャッタ6が下方に回動し、その左半部6Lが第1光センサ7の光路上に達したときに、その光路を遮断することによって、第1検出信号S1がHレベルからLレベルに立ち下がる(タイミングt1)。さらに回動が進み、シャッタ6の右半部6Rが第2光センサ8の光路上に達し、その光路を遮断することによって、第2検出信号S2がHレベルからLレベルに立ち下がる(t2)。その後、鍵4が離鍵されると、鍵4は押鍵時と反対方向に復帰回動する。この回動の途中で、第2光センサ8の光路が開放され、第2検出信号S2がLレベルからHレベルに立ち上がり(t3)、復帰回動がさらに進むと、第1光センサ7の光路が開放され、第1検出信号S1がLレベルからHレベルに立ち上がる(t4)。
【0034】
楽音発生装置10は、消音演奏モード時に楽音を生成するものであり、図7に示すように、センサスキャン回路22、CPU23、ROM24、RAM25、音源回路26、波形メモリ27、DSP28、D/A変換器29、パワーアンプ30およびスピーカ31などで構成されている。センサスキャン回路22は、第1および第2光センサ7,8から出力された第1および第2検出信号S1,S2に基づいて、鍵4のオン/オフ情報、およびオンまたはオフされた鍵4を特定するキーナンバ情報を検出するとともに、これらのオン/オフ情報およびキーナンバ情報を、第1および第2検出信号S1,S2とともに、鍵4の押鍵情報データとしてCPU23に出力する。また、センサスキャン回路22は、第1検出信号S1がHレベルからLレベルに立ち下がった後、第2検出信号S2がHレベルからLレベルに立ち下がるまでの時間をカウントするダウンカウント式のカウンタ(図示せず)を備えており、このカウント値cntをCPU23に出力する。
【0035】
ROM24は、CPU23で実行される制御プログラムの他、音量などを制御するための固定データなどを記憶している。また、RAM25は、消音演奏モード時の動作状態を表すステータス情報などを一時的に記憶するとともに、CPU23の作業領域としても使用される。
【0036】
音源回路26は、CPU23からの制御信号に従って、音源波形データおよびエンベロープデータを波形メモリ27から読み出し、この読み出した楽音波形データにエンベロープデータを付加することによって、原音となる楽音信号MSを生成する。DSP28は、音源回路26によって生成された楽音信号MSに所定の音響効果を付加する。D/A変換器29は、DSP28によって音響効果が付加された楽音信号MSを、デジタル信号からアナログ信号に変換する。パワーアンプ30は、変換されたアナログ信号を所定の利得で増幅し、スピーカ31は、増幅されたアナログ信号を再生し、楽音として放音する。
【0037】
CPU23は、本実施形態において、タッチ情報検出手段を構成するものであり、消音演奏モード時に、楽音発生装置10の動作を制御する。CPU23は、第1および第2光センサ7,8の第1および第2検出信号S1,S2に応じて、発音および止音のタイミングを決定するとともに、鍵4の押鍵速度Vに応じて音量を制御するためのベロシティを決定する。
【0038】
図8は、発音および止音のタイミングの決定処理を示すフローチャートである。この処理は、88個すべての鍵4について順次、実行される。本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、鍵4のキーナンバn(n=1〜88)を初期化することによって値1に設定する。
【0039】
次いで、前回と今回の間で、第1光センサ7の第1検出信号S1がLレベルのままであり、かつ第2光センサ8の第2検出信号S2がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する(ステップ2)。この判別結果がYESのとき、すなわちシャッタ6により第1光センサ7の光路が遮断された状態で、かつ第2光センサ8の光路が遮断された直後のタイミングのときには(図6のt2)、鍵4が押鍵されたとして、発音を開始するために、発音開始フラグF_MSTRを「1」にセットする(ステップ4)。
【0040】
前記ステップ2の判別結果がNOのときには、前回と今回の間で、第1および第2検出信号S1,S2がいずれもHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する(ステップ3)。この判別結果がYESで、第1および第2光センサ7,8の光路がともに遮断されたときには、鍵4が強く押鍵されたとして、前記ステップ4に進み、発音開始フラグF_MSTRを「1」にセットする。以上のように発音開始フラグF_MSTRが「1」にセットされると、発音を開始する制御信号が音源回路26に出力されることによって、発音の開始動作が開始される。
【0041】
一方、前記ステップ3の判別結果がNOのときには、第1検出信号S1がLレベルからHレベルに変化したか否かを判別する(ステップ5)。この判別結果がYESで、第1光センサ7の光路が開放された直後のタイミングのときには(図6のt4)、鍵4が離鍵されたとして、発音を停止するために、発音停止フラグF_MSTPを「1」にセットする(ステップ6)。このように発音停止フラグF_MSTPが「1」にセットされると、発音を停止する制御信号が音源回路26に出力されることによって、発音の停止動作が開始される。
【0042】
一方、前記ステップ5の判別結果がNOのとき、または前記ステップ4または前記ステップ6が実行された後には、キーナンバnをインクリメントする(ステップ7)。次いで、インクリメントしたキーナンバnが値88よりも大きいか否かを判別する(ステップ8)。この判別結果がNOで、n≦88のときには、前記ステップ2に戻り、ステップ2以降の前述した処理を繰り返し実行する。一方、前記ステップ8の判別結果がYESで、n>88のとき、すなわち88鍵すべてについて上記の処理が終了したときには、本処理を終了する。
【0043】
図9は、前述したベロシティの決定処理のフローチャートである。本処理では、まず、第1検出信号S1がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する(ステップ11)。この判別結果がYESで、シャッタ6により第1光センサ7の光路が遮断された直後のときには(図6のt1)、そのときのカウンタ値cntを第1カウンタ値C1として設定し(ステップ12)、ステップ13に進む。
【0044】
一方、前記ステップ11の判別結果がNOで、第1検出信号S1がHレベルからLレベルに変化していないときには、前記ステップ12をスキップし、ステップ13に進む。このステップ13では、第1検出信号S1がLレベルであり、かつ第2検出信号S2がHレベルであるか否かを判別する。この判別結果がYESで、シャッタ6が第1光センサ7の光路を遮断した後、第2光センサ8の光路をまだ遮断していないときには、カウンタ値cntをデクリメントした後(ステップ14)、ステップ15に進む。
【0045】
一方、前記ステップ13の判別結果がNOのときには、前記ステップ14をスキップし、カウンタ値cntをデクリメントすることなくステップ15に進む。このステップ15では、第2検出信号S2がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、本処理を終了する。
【0046】
一方、前記ステップ15の判別結果がYESで、第2光センサ8の光路が遮断された直後のときには(図6のt2)、このときのカウンタ値cntを第2カウンタ値C2として設定する(ステップ16)。
【0047】
次に、第1カウンタ値C1と第2カウンタ値C2との偏差Δcnt(C1−C2)を算出する(ステップ17)。この偏差Δcntは、これまでに述べた算出方法から明らかなように、シャッタ6が、第1光センサ7の光路を遮断した後、第2光センサ8の光路を遮断するのに要した時間に相当し、鍵4の押鍵速度Vに反比例する。次いで、第1および第2光センサ7,8間の回動ストロークSTを偏差Δcntで除算するとともに、除算した値に所定の係数Kを乗算することによって、鍵4の押鍵速度Vを算出する(ステップ18)。この係数Kは、偏差Δcntを時間に換算するためのものである。そして、前記ステップ18で算出された押鍵速度Vに基づいて、ベロシティを決定し(ステップ19)、本処理を終了する。
【0048】
なお、上記の例では、ベロシティの決定処理を、センサスキャン回路22からの押鍵情報データに基づいて、CPU23によって行っているが、センサスキャン回路22およびCPU23に代えて、押鍵情報データを検出するとともに、検出した押鍵情報データに基づいてベロシティを決定する専用の検出手段、例えばLSIなどの大規模集積回路を用いて行ってもよい。それにより、CPU23の負荷を軽減することができる。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、第1光センサ7の発光ダイオード7aと第2光センサ8のフォトトランジスタ8bが、シャッタ6の回動経路の後ろ側に配置され、第1光センサ7のフォトトランジスタ7bと第2光センサ8の発光ダイオード8aが回動経路の前側に配置されている。このため、図5に示すように、発光ダイオード7aからの光が、フォトトランジスタ8bに到達し、受光されることはなく、発光ダイオード8aからの光もまた、フォトトランジスタ7bに到達し、受光されることはない。
【0050】
したがって、発光ダイオード7aの光路のみをシャッタ6が閉鎖した状態で、フォトトランジスタ7bが、発光ダイオード8aの光を受光することがないので、従来と異なり、第1検出信号S1の立ち下がりおよび立ち上がりのタイミングt1,t4を、シャッタ6による光路の実際の開閉タイミングと一致させ、精度良く検出することができる。したがって、発光ダイオード7a,8aから出射される光が発散性を有する場合でも、他方の光センサの影響を受けることなく、押鍵および離鍵のタイミングを精度良く検出でき、発音および止音のタイミングを適切に決定できるとともに、押鍵速度Vを精度良く検出できるなど、鍵4のタッチ情報を精度良く検出することができる。
【0051】
また、同じ理由から、以下の効果を得ることができる。
1.第1光センサ7の発光ダイオード7aとフォトトランジスタ7bとの間におけるシャッタ6の通過位置にかかわらず、第1検出信号S1の立ち下がりおよび立ち上がりのタイミングを、シャッタ6による光路の実際の開閉タイミングと一致させ、精度良く検出することができる。
2.第1および第2光センサ7,8間の間隔を小さくしても、第1および第2検出信号S1,S2に影響を及ぼさないので、そうすることによって、第1および第2光センサ7,8の実装密度を向上させることができるとともに、押鍵速度Vの検出区間が短くなることによって、例えば、押鍵情報として重要な、弦Sを打弦する直前の押鍵速度Vを精度良く検出することができる。
3.発光強度を高く設定しても、第1および第2検出信号S1,S2に影響を及ぼさないので、そうすることにより、第1および第2光センサ7,8の出力を安定させ、鍵4のタッチ情報をさらに精度良く検出することができる。
【0052】
また、シャッタ6に、反射光の光量を低減するような表面加工が施されているので、第1光センサ7の光路を閉鎖した状態で、第2光センサ8の発光ダイオード8aからの光がシャッタ6で反射した際に、その反射光の光量がシャッタ6で低減される。したがって、その反射光が第1光センサ7のフォトトランジスタ7bに到達しても、反射光による悪影響を確実に排除することができる。さらに、シャッタ6で第1および第2光センサ7,8の両方の光路を閉鎖した状態においても、第1光センサ7の発光ダイオード7aからの光がシャッタ6で反射した際に反射光の光量が低減されるので、その反射光が第2光センサ8に及ぼす悪影響を確実に排除することができる。
【0053】
図10は、第1実施形態の変形例を示している。この変形例は、図2および図3に示した第1実施形態では、第1および第2光センサ7,8が棚板3上の基板19(図2参照)に直立した状態で配置されているのに対し、第1および第2光センサ7,8が基板19上に倒れた状態で、またケース7c,8cの開口側が互いに対向した状態で配置されている点のみが異なる。この変形例においても、第1実施形態と同様、第1光センサ7の発光ダイオード7aおよび第2光センサ8のフォトトランジスタ8bは、シャッタ6の回動経路の後ろ側に互いに隣接するように配置され、第1光センサ7のフォトトランジスタ7bおよび第2光センサ8の発光ダイオード8aは、回動経路の前側に互いに隣接するように配置されている。
【0054】
この構成によれば、第2光センサ8の発光ダイオード8aからの光が、第1光センサ7のフォトトランジスタ7bに到達し、受光されることがないので、第1実施形態による前述した効果をまったく同様に得ることができる。また、この変形例では、第1および第2光センサ7,8が倒れた状態で配置されているので、棚板3と鍵4との間のスペースを小さくすることができ、それにより、鍵盤楽器本体を小型化することができる。
【0055】
図11は、本発明の第2実施形態によるタッチ検出装置35を示している。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については、同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。同図に示すように、このタッチ検出装置35は、鍵4に設けられた第1シャッタ40と、ハンマー5に設けられた第2シャッタ41などを備えている。
【0056】
第1シャッタ40は、第1実施形態のシャッタ6と同様、矩形の板状に形成されるとともに、鍵4の下面に下方に延びるように取り付けられている。第1シャッタ40の下方には、第1光センサ42が設けられている。第1光センサ42は、第1実施形態の第1および第2光センサ7,8と同様に構成されており、一対の発光ダイオード42aおよびフォトトランジスタ42bで構成され、これらは基板19(図2参照)に電気的に接続されている。
【0057】
第2シャッタ41は、矩形の板状に形成され、図11に示すように、ハンマー5のハンマーシャンク5bの背面に固定され、後方に延びている。第2シャッタ41には、第1実施形態のシャッタ6と同様、第2シャッタ41での反射光の光量を低減させるための表面加工が施されている。また、第2シャッタ41の後方の所定位置には、第2および第3光センサ43,44が設けられている。
【0058】
第2および第3光センサ43,44は、基板45上に取り付けられるとともに、第1光センサ42と同様、一対の発光ダイオード43aおよびフォトトランジスタ43bと、一対の発光ダイオード44aおよびフォトトランジスタ44bでそれぞれ構成されている。第2および第3光センサ43,44は、第2シャッタ41の回動経路に沿うように、前後に並んで配置されている。基板45は、取付レール(図示せず)の所定の位置に所定の角度、傾斜した状態で取り付けられている。この取付レールは、棚板3の左右端部にそれぞれ設けられたブラケット(ともに図示せず)間に渡されている。
【0059】
また、第2光センサ43の発光ダイオード43aおよび第3光センサ44のフォトトランジスタ44bは、第2シャッタ41の回動経路の右側に互いに隣接するように配置され、第2光センサ43のフォトトランジスタ43bおよび第3光センサ44の発光ダイオード44aは、回動経路の左側に互いに隣接するように配置されている。発光ダイオード43a,44aはそれぞれ、フォトトランジスタ43b,44bに向かって光を出射し、フォトトランジスタ43b,44bは、発光ダイオード43a,44aからの光をその受光面でそれぞれ受光し、この受光した光を電気信号に変換するとともに、この電気信号を第2および第3検出信号S12,S13としてセンサスキャン回路22に出力する。
【0060】
図12は、鍵4の回動に伴う第1〜第3検出信号S11〜S13のタイミングチャートを示している。まず、図11に示す離鍵状態では、第1シャッタ40が第1光センサ42の光路を開放するとともに、第2シャッタ41が第2および第3光センサ43,44の光路を開放することによって、第1〜第3検出信号S11〜S13は、いずれもHレベルになっている。この離鍵状態から鍵4が押鍵されると、それに伴って第1シャッタ40が下方に回動する。この回動の初期において第1シャッタ40が第1光センサ42の光路上に達したときに、その光路が遮断されることによって、第1検出信号S11がHレベルからLレベルに立ち下がる(タイミングt11)。
【0061】
また、この押鍵に伴ってハンマー5が図11の反時計方向に回動するのに伴い、第2シャッタ41がハンマー5と一体に回動する。この回動の途中で、第2シャッタ41が第2光センサ43の光路上に達したときに、その光路が遮断されることによって、第2検出信号S12がHレベルからLレベルに立ち下がる(t12)。回動がさらに進み、ハンマーシャンク5bがストッパ18に当接する直前で、第3光センサ44の光路が第2シャッタ41で遮断されることによって、第3検出信号S13がHレベルからLレベルに立ち下がる(t13)。
【0062】
その後、鍵4が離鍵されると、鍵4およびハンマー5は押鍵時と反対方向に復帰回動する。この回動の途中で、第3光センサ44および第2光センサ43の光路が順に開放され、第3検出信号S13および第2検出信号S12が順にLレベルからHレベルに立ち上がる(t14,t15)。復帰回動がさらに進むと、第1光センサ42の光路が開放され、第1検出信号S11がLレベルからHレベルに立ち上がる(t16)。
【0063】
図13は、上記第1〜第3検出信号S11〜S13に応じて、発音および止音のタイミングの決定処理を示すフローチャートである。本処理では、第2および第3検出信号S12,S13に応じて発音タイミングを、第1検出信号S11に応じて止音タイミングを、それぞれ決定する。
【0064】
本処理ではまず、図8に示す処理のステップ1と同様、鍵4のキーナンバnを初期化することによって値1に設定する(ステップ21)。次いで、前回と今回の間で、第2光センサ43の第2検出信号S12がLレベルのままであり、かつ第3光センサ44の第3検出信号S13がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する(ステップ22)。この判別結果がYESのとき、すなわち第2シャッタ41により第2光センサ43の光路が遮断された状態で、かつ第3光センサ44の光路が遮断された直後のときには(図12のt13)、ハンマーシャンク5bがストッパ18に当接する直前のタイミング、すなわちハンマー5が弦Sを打弦する直前のタイミングであるとして、発音開始フラグF_MSTRを「1」にセットする(ステップ24)。また、第2および第3検出信号S12,S13がHレベルからLレベルに立ち下がったタイミングの時間差(t13−t12)に基づいて、ハンマー5の回動速度、すなわち打弦速度を検出する。
【0065】
一方、前記ステップ22の判別結果がNOのときには、前回と今回の間で、第2および第3検出信号S12,S13がいずれもHレベルからLレベルに変化したか否かを判別する(ステップ23)。この判別結果がYESで、第2および第3光センサ43,44の光路がともに遮断されたときには、鍵4が強く押鍵されたとして、前記ステップ24に進み、発音開始フラグF_MSTRを「1」にセットする。
【0066】
一方、前記ステップ23の判別結果がNOのときには、第1検出信号S11がLレベルからHレベルに変化したか否かを判別する(ステップ25)。この判別結果がYESで、第1光センサ42の光路が開放された直後のタイミングのときには(図12のt16)、鍵4が離鍵されたとして、発音を停止するために、発音停止フラグF_MSTPを「1」にセットする(ステップ26)。その後の処理は、図8の処理と同じである(ステップ27,28)。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、第2光センサ43の発光ダイオード43aと第3光センサ44のフォトトランジスタ44bが、第2シャッタ41の回動経路の右側に配置され、第2光センサ43のフォトトランジスタ43bおよび第3光センサ44の発光ダイオード44aが回動経路の左側に配置されている。このため、第2および第3光センサ43,44のフォトトランジスタ43b,44bに、他方の光センサの発光ダイオード44a,43aからの光が到達することはない。したがって、第1実施形態と同様、第2検出信号S12の立ち下がりおよび立ち上がりのタイミングt12,t15を、第2シャッタ41による光路の実際の開閉タイミングと一致させ、精度良く検出することができる。その結果、発光ダイオード43a,44aから出射される光が発散性を有する場合でも、他方の光センサの影響を受けることなく、ハンマー5による打弦のタイミングおよび打弦速度を精度良く検出することができるなど、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
特に、本実施形態では、第2および第3光センサ43,44でハンマー5の打弦速度を検出しているので、両光センサ43,44間の間隔を小さくすることによって、タッチ情報として重要な、ハンマー5の実際の打弦速度をさらに精度良く検出することができる。
【0069】
また、第2シャッタ41に、反射光の光量を低減するような表面加工が施されているので、第3光センサ44の発光ダイオード44aから出射され、第2シャッタ41で反射した光が第2光センサ43に及ぼす悪影響を確実に排除することができる。同様に、第2シャッタ41で第2および第3光センサ43,44の両方の光路を閉鎖した状態においても、第2光センサ43の発光ダイオード43aからの光が第2シャッタ41で反射した際に反射光の光量が低減されるので、その反射光が第3光センサ44に及ぼす悪影響を確実に排除することができる。
【0070】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、第1実施形態では鍵4付近に、第2実施形態ではハンマー5付近に、それぞれ2つの光センサを設けているが、それらの数をさらに増やしてもよい。その場合には、隣り合う各2つの光センサが、一方の発光ダイオードと他方のフォトトランジスタとが交互に並ぶように配置される。それにより、隣り合う各2つの光センサ間において、実施形態で述べた効果を得ることができる。
【0071】
また、第1実施形態では、第1および第2光センサ7,8を左右方向に配置しているが、前後方向に配置してもよく、さらにはシャッタ6の回動経路に沿って配置してもよい。また、第1実施形態では、シャッタ6の回動経路の後ろ側に第1光センサ7の発光ダイオード7aおよび第2光センサ8のフォトトランジスタ8bを配置し、回動経路の前側にフォトトランジスタ7bおよび発光ダイオード8aを配置しているが、それらを逆に配置してもよいことはもちろんである。このことは、第2実施形態についても同様である。
【0072】
さらに、第1実施形態では、2つの光センサの光路を順次、開閉するために、シャッタ6を階段状に形成しているが、これに代えて、シャッタにスリットや窓を設けてもよい。また、実施形態では、光センサとして、発光ダイオードおよびフォトトランジスタから成るフォトインタラプタを用いているが、他のタイプの適当な光センサを用いてもよく、例えば、発光部がレーザダイオードなどで構成され、受光部がフォトダイオードなどで構成されたものを用いてもよい。さらに、実施形態では、反射光を低減させるために、シャッタの表面にシボ加工などの表面加工を施しているが、これに加えてまたはこれに代えて、他の適当な手段を採用してもよく、例えば、シャッタの表面を含む部分に着色を施してもよい。例えば、発光ダイオードから赤外線が出射される場合には、シャッタを黒色に着色してもよく、それにより、その光を吸収し、反射光の光量を低減することができる。なお、この場合の着色は、シャッタを成形した後に行ってもよく、また、シャッタの成形時に、例えば有色の樹脂を用いて行ってもよい。
【0073】
また、第2実施形態では、鍵4付近に第1光センサ42を1つのみ配置しているが、第1実施形態と同様、2つの光センサを設けるとともに、本発明を適用し、2つの光センサの発光ダイオードとフォトトランジスタを、シャッタの回動経路を間にして、互いに逆に配置してもよい。その場合には、例えば、両光センサのそれぞれの立ち上がりのタイミングの時間差に応じて、離鍵速度を検出し、この離鍵速度に基づいて止音タイミングを決定する。アコースティックピアノでは、鍵4をゆっくりと離鍵するか、速く離鍵するかによってダンパの働き方が異なる。したがって、2つの光センサを上述したように配置することによって、離鍵速度を精度良く検出し、この離鍵速度に基づいて止音タイミングを決定することによって、アコースティックピアノでのダンパによる止音のタイミングを忠実に再現することができる。
【0074】
さらに、第2実施形態では、第1〜第3検出信号S11〜S13を1つのセンサスキャン回路22に出力しているが、これに限らず、例えば、2つのセンサスキャン回路を別個に設け、鍵4付近に配置した第1光センサ42の検出信号S11を一方のセンサスキャン回路に出力し、ハンマー5付近に配置した第2および第3光センサ43,44の第2および第3検出信号S12,S13を他方のセンサスキャン回路に出力してもよい。その場合には、それぞれの光センサとセンサスキャン回路との接続を容易に行えるとともに、光センサの配置の自由度を高めることができる。
【0075】
さらに、実施形態は、本発明をアップライト型の消音ピアノ2に適用した例であるが、本発明はこれに限らず、グランド型の消音ピアノにも適用でき、さらには、自動演奏ピアノや電子ピアノなどの他のタイプの鍵盤楽器にも適用することが可能である。さらに、第1実施形態によるタッチ検出装置1を、ハンマーを有する自動演奏ピアノや電子ピアノはもとより、ハンマーを有しない電子ピアノなどの他のタイプの鍵盤楽器にも適用することが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態によるタッチ検出装置およびこれを適用した消音ピアノの概略構成を示す図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1の第1および第2光センサの斜視図である。
【図4】図1の第1および第2光センサの回路図である。
【図5】図1の第1および第2光センサの上面図である。
【図6】鍵の押鍵および離鍵時における第1および第2検出信号のタイミングチャートを示している。
【図7】図1の楽音発生装置の一部を示す図である。
【図8】図7のCPUで実行される発音および止音のタイミングの決定処理を示すフローチャートである。
【図9】図7のCPUで実行されるベロシティの決定処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態の変形例を示す部分斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるタッチ検出装置およびこれを適用した消音ピアノの概略構成を示す図である。
【図12】鍵の押鍵および離鍵時における第1〜第3検出信号のタイミングチャートを示している。
【図13】図7のCPUにより実行される、第2実施形態による発音および止音のタイミングの決定処理を示すフローチャートである。
【図14】従来のタッチ検出装置およびこれを適用した自動演奏ピアノの部分側面図である。
【図15】第1および第2センサの(a)発光部から光が出射される様子、および(b)シャッタで第1センサの発光部からの光を遮断した様子を模式的に示す図である。
【図16】シャッタの通過位置が(a)受光部側に近い場合、および(b)発光部側に近い場合のシャッタでの光の遮断の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 タッチ検出装置
2 消音ピアノ(鍵盤楽器)
4 鍵
6 シャッタ
7 第1光センサ
7a 発光ダイオード(発光部)
7b フォトトランジスタ(受光部)
8 第2光センサ
8a 発光ダイオード(発光部)
8b フォトトランジスタ(受光部)
23 CPU(タッチ情報検出手段)
35 タッチ検出装置
40 第1シャッタ
41 第2シャッタ
42 第1光センサ
42a 発光ダイオード(発光部)
42b フォトトランジスタ(受光部)
43 第2光センサ
43a 発光ダイオード(発光部)
43b フォトトランジスタ(受光部)
44 第3光センサ
44a 発光ダイオード(発光部)
44b フォトトランジスタ(受光部)





 

 


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