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電子楽音発生装置 - 株式会社河合楽器製作所
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発明の名称 電子楽音発生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65471(P2007−65471A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253552(P2005−253552)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
発明者 齋藤 勉
要約 課題
よりきれいな楽音を生成すること。

解決手段
1つの楽音が同時に発音される他楽音と音色が等しいかどうかを判別する判別部15と、その音色が等しいときにゆらぎの程度が小さくなるようにその楽音を発音し、その音色が異なるときにゆらぎの程度が大きくなるようにその楽音を発音する楽音発生部16とを備えている。そのゆらぎの程度は、その楽音のピッチが時刻とともに変動するときに、そのピッチのばらつきを示している。このような電子楽音発生装置は、音色が等しい楽音で和音を発音するときに、その和音をよりきれいに発音することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
1つの楽音が同時発音中の他の楽音との間で所定の条件を満たすかどうかを判別する判別部と、
前記楽音が前記条件を満たすときに前記楽音をゆらぎの程度が小さくなるように発音し、前記楽音が前記条件を満たさないときに前記楽音を前記ゆらぎの程度が大きくなるように発音する楽音発生部
とを具備する電子楽音発生装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ゆらぎの程度は、前記楽音のピッチが時刻とともに変動するときに、前記ピッチのばらつきを示す
電子楽音発生装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ゆらぎの程度は、前記楽音のピッチが時刻とともに変動し、かつ、前記楽音の音量が時刻とともに変動するときに、前記ピッチのばらつきと前記音量のばらつきとを示す
電子楽音発生装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記条件は、前記楽音と同時に発音される他の楽音の音色が前記楽音の音色に等しいことである
電子楽音発生装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記条件は、前記楽音と同時に発音される他の楽音の音色が前記楽音の音色に等しく、かつ、前記楽音の音高が前記他の楽音の音高と異なることである
電子楽音発生装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記条件は、前記楽音と同時に発音される他の楽音の音色が前記楽音の音色に等しく、かつ、前記楽音と前記他の楽音との音程が協和音程であることである
電子楽音発生装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記楽音発生部は、複数第1波形と複数第2波形とを複数楽音に対応付ける記憶装置を参照して、前記楽音が前記条件を満足するときに前記複数第1波形のうちの前記楽音に対応する波形に従って発音し、前記楽音が前記条件を満足しないときに前記複数第2波形のうちの前記楽音に対応する波形に従って発音する
電子楽音発生装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記楽音発生部は、複数ヘッド部分と複数第1ループ部分と複数第2ループ部分とを複数楽音に対応付ける記憶装置を参照して、前記楽音が前記条件を満足するときに前記複数ヘッド部分のうちの前記楽音に対応する第1ヘッド部分が最初に配置されて前記複数第1ループ部分のうちの前記楽音に対応するループ部分が前記第1ヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音し、前記楽音が前記条件を満足しないときに前記複数ヘッド部分のうちの前記楽音に対応する第2ヘッド部分が最初に配置されて前記複数第2ループ部分のうちの前記楽音に対応するループ部分が前記第2ヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音する
電子楽音発生装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記楽音発生部は、複数波形データを複数楽音に対応付ける記憶装置を参照して、ヘッド部分が最初に配置されてループ部分が前記ヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音し、
前記複数波形データは、それぞれ、複数アドレスに複数変位を対応付け、
前記ヘッド部分は、前記楽音が前記条件を満足するときに前記複数波形データのうちの前記楽音に対応する波形データのヘッドアドレスから第1ループトップアドレスまでに示されるデータに対応し、前記楽音が前記条件を満足しないときに前記波形データの前記ヘッドアドレスから第2ループトップアドレスまでに示されるデータに対応し、
前記ループ部分は、前記楽音が前記条件を満足するときに前記波形データの前記第1ループトップアドレスから第1ループエンドアドレスまでに示されるデータに対応し、前記楽音が前記条件を満足しないときに前記波形データの前記第2ループトップアドレスから第2ループエンドアドレスまでに示されるデータに対応する
電子楽音発生装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1ループトップアドレスは、前記第2ループトップアドレスと一致する
電子楽音発生装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記楽音発生部は、サイン合成方式とFM方式と物理モデル方式とのうちから選択される方式を用いて前記楽音を生成する
電子楽音発生装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれかにおいて、
演奏用入力装置の操作に基づいて前記楽音を指定する演奏部
を更に具備する電子楽音発生装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項12のいずれかにおいて、
複数タイミングに複数楽音を対応付けて楽曲を示す楽曲データに基づいて前記楽音を指定する再生部
を更に具備する電子楽音発生装置。
【請求項14】
1つの楽音の音色が入力装置の操作に基づいて選択された音色であるかどうかを判別する判別部と、
前記楽音が前記条件を満たすときに前記楽音をゆらぎの程度が小さくなるように発音し、前記楽音が前記条件を満たさないときに前記楽音を前記ゆらぎの程度が大きくなるように発音する楽音発生部
とを具備する電子楽音発生装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽音発生装置に関し、特に、電子的に楽音を発生する電子楽音発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子的に楽音を発生する電子楽器が知られている。このような電子楽器は、電子部品の進歩と記憶素子の低廉化により、かなりリアルな楽音を生成することができる。電子楽器は、特に、生楽器音をデジタル録音したPCM波形を読み出す方式において、リアルさがこれ以上望めないところまで向上している。しかしながら、そのリアルな楽音は、時と場合により汚く聞こえることがあり、演奏を邪魔することがある。よりきれいな楽音を生成する電子楽音発生装置が望まれている。
【0003】
特許3062569号公報には、この楽音周波数変調装置に対し、さらに音高または放音操作状態に応じて周波数変調の状態を変化させて、変調内容をかなり広く変化させることができるとともに、1つの変調装置で周波数変調によるあらゆる音楽的効果を実現できて、各演奏に最適な変調内容を簡単に得ることのできる電子楽器の楽音周波数変調装置が開示されている。その楽音周波数変調装置は、波形データを発生する手段と、この波形データの発生速度を設定する手段と、楽音の音高を指定する手段と、上記波形データの発生速度を変化させる変調情報であって、少なくとも変調スピードと変調デプスからなる変調情報を複数記憶する手段と、この記憶された複数の変調情報から、第1の変調情報を上記指定された音高に応じて出力する手段と、この出力された第1の変調情報に基づいて、上記設定された波形データの発生速度を変化する手段と、この第1の変調情報が実行されるフェーズの長さを検出する手段であって、このフェーズは1つの楽音の中での当該第1の変調情報が実行される長さを示し、このフェーズの長さの検出結果に応じて、上記記憶された複数の変調情報から、上記第1の変調情報とは異なる次の第2の変調情報を上記指定された音高に応じて出力する手段と、この出力された第2の変調情報に基づいて、上記設定された波形データの発生速度を変化させ、これにより1つの楽音の中でも周波数変調を変化する手段と、上記各変調情報の上記変調スピードとは独立に上記フェーズの長さを切り換える手段とを備えたことを特徴としている。
【0004】
特開平06−274178号公報には、2種類の記憶された波形を読み出すときに生じる位相干渉を排除できる楽音信号処理方法が開示されている。その楽音信号処理方法は、1つのLSIで波形メモリ内の二つ以上の楽音信号波形を同時に読み出す際に、1つ目に読み出される波形の直前に余分な空白を付加して波形メモリに記憶し、この空白が、読み出した1つ目および2つ目の波形の波形間の時間差になるようにすることを特徴としている。
【0005】
【特許文献1】特許3062569号公報
【特許文献2】特開平06−274178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、よりきれいな楽音を生成する電子楽音発生装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、よりきれいな楽音を生成するときに備えられる記憶装置の記憶容量をより低減する電子楽音発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明による電子楽音発生装置(1)は、1つの楽音が同時発音中の他の楽音との間で所定の条件を満たすかどうかを判別する判別部(15)と、その楽音が条件を満たすときに楽音をゆらぎの程度が小さくなるように発音し、その楽音が条件を満たさないときに楽音をゆらぎの程度が大きくなるように発音する楽音発生部(16)とを備えている。
【0009】
ゆらぎの程度は、楽音のピッチが時刻とともに変動するときに、ピッチのばらつきを示している。または、ゆらぎの程度は、楽音のピッチが時刻とともに変動し、かつ、楽音の音量が時刻とともに変動するときに、ピッチのばらつきと音量のばらつきとを示している。そのばらつきは、取り得る値の範囲を示し、または、その値の標準偏差を示している。
【0010】
その条件は、楽音と同時に発音される他の楽音の音色が楽音の音色に等しいことである。または、その条件は、楽音と同時に発音される他の楽音の音色が楽音の音色に等しく、かつ、楽音の音高が他の楽音の音高と異なることである。または、その条件は、楽音と同時に発音される他の楽音の音色が楽音の音色に等しく、かつ、楽音と他の楽音との音程が協和音程であることである。または、その条件は、楽音の音色が入力装置の操作に基づいて選択された音色であることである。
【0011】
楽音発生部(16)は、複数第1波形と複数第2波形とを複数楽音に対応付ける記憶装置(10)を参照して、楽音が条件を満足するときに複数第1波形のうちの楽音に対応する波形に従って発音し、楽音が条件を満足しないときに複数第2波形のうちの楽音に対応する波形に従って発音することが好ましい。
【0012】
楽音発生部(16)は、複数ヘッド部分と複数第1ループ部分と複数第2ループ部分とを複数楽音に対応付ける記憶装置(10)を参照して、楽音が条件を満足するときに複数ヘッド部分のうちの楽音に対応する第1ヘッド部分が最初に配置されて複数第1ループ部分のうちの楽音に対応するループ部分が第1ヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音し、楽音が条件を満足しないときに複数ヘッド部分のうちの楽音に対応する第2ヘッド部分が最初に配置されて複数第2ループ部分のうちの楽音に対応するループ部分が第2ヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音することが好ましい。
【0013】
楽音発生部(16)は、複数波形データを複数楽音に対応付ける記憶装置(10)を参照して、ヘッド部分が最初に配置されてループ部分がヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音することが好ましい。このとき、複数波形データは、それぞれ、複数アドレスに複数変位を対応付けている。そのヘッド部分は、楽音が条件を満足するときに複数波形データのうちの楽音に対応する波形データのヘッドアドレスから第1ループトップアドレスまでに示されるデータに対応し、楽音が条件を満足しないときに波形データのヘッドアドレスから第2ループトップアドレスまでに示されるデータに対応する。そのループ部分は、楽音が条件を満足するときに波形データの第1ループトップアドレスから第1ループエンドアドレスまでに示されるデータに対応し、楽音が条件を満足しないときに波形データの第2ループトップアドレスから第2ループエンドアドレスまでに示されるデータに対応する。
【0014】
このとき、第1ループトップアドレスから第1ループエンドアドレスまでが示す時間は、第2ループトップアドレスから第2ループエンドアドレスまでが示す時間より長く、第1ループトップアドレスから第1ループエンドアドレスまでが示す波形は、第2ループトップアドレスから第2ループエンドアドレスまでが示す波形よりゆらぎが大きいように設計される。このとき、電子楽音発生装置(1)は、ゆらぎの程度が異なる複数の楽音を発音するときに、記憶装置(10)の記憶容量を大きく増加させる必要がなく、好ましい。第1ループトップアドレスは、第2ループトップアドレスと一致することが好ましい。
【0015】
楽音発生部(16)は、サイン合成方式とFM方式と物理モデル方式とのうちから選択される方式を用いて楽音を生成することもできる。
【0016】
本発明による電子楽音発生装置(1)は、演奏用入力装置の操作に基づいて楽音を指定する演奏部(12)をさらに備えている。すなわち、電子楽音発生装置(1)は、電子楽器として利用されることが好ましい。または、本発明による電子楽音発生装置(1)は、複数タイミングに複数楽音を対応付けて楽曲を示す楽曲データに基づいて楽音を指定する再生部(14)をさらに備えている。すなわち、電子楽音発生装置(1)は、楽曲データを再生する再生装置として利用されることが好ましい。
【0017】
本発明による電子楽音発生装置(1)は、1つの楽音の音色が入力装置の操作に基づいて選択された音色であるかどうかを判別する判別部(15)と、楽音が条件を満たすときに楽音をゆらぎの程度が小さくなるように発音し、楽音が条件を満たさないときに楽音をゆらぎの程度が大きくなるように発音する楽音発生部(16)とを備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明による電子楽音発生装置は、楽音がよりきれいに発音されるように、ゆらぎの程度を違えて発音することができる。本発明による電子楽音発生装置は、たとえば、音色が等しい楽音で和音を発音するときに、その和音をよりきれいに発音することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面を参照して、本発明による電子楽音発生装置の実施の形態を記載する。その電子楽音発生装置は、電子楽器に適用されている。その電子楽器1は、図1に示されているように、電子楽器本体2が演奏用入力装置5と設定用入力装置6とスピーカ7とディスプレイ8とを備えている。演奏用入力装置5は、複数のスイッチから形成され、演奏者が電子楽器1を用いて楽曲を演奏するときに操作される。演奏用入力装置5としては、複数の鍵を備える鍵盤が例示される。その複数の鍵は、複数の白鍵と複数の黒鍵とから形成され、それぞれ、互いに異なる複数の楽音に対応している。設定用入力装置6は、複数のスイッチから形成されている。その複数のスイッチは、スタートボタンを含んでいる。設定用入力装置6としては、電子楽器本体2の上部に配置されるフロントパネルが例示される。スピーカ7は、電子楽器本体2により生成された電気信号を音に変換し、電子楽器本体2により生成された情報に基づいて音を出力する。ディスプレイ8は、表示面を備え、電子楽器本体2により生成される画面をその表示面に表示する。
【0020】
電子楽器本体2は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置とを備えている。そのCPUは、電子楽器本体2にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と演奏用入力装置5と設定用入力装置6とスピーカ7とディスプレイ8とを制御する。その記憶装置は、ROMまたはRAMであり、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。電子楽器本体2は、そのコンピュータプログラムとして、設定部11と演奏部12と楽曲作成部13と再生部14と判別部15と楽音発生部16とがインストールされている。
【0021】
設定部11は、設定用入力装置6の操作に基づいて演奏用入力装置5のスイッチに複数の音色ゾーンを設定する。その音色ゾーンは、それぞれ、演奏用入力装置5のスイッチの一部分を示している。設定部11は、さらに、設定用入力装置6の操作に基づいてその複数の音色ゾーンに複数の音色をそれぞれ対応付ける。
【0022】
たとえば、設定部11は、演奏用入力装置5が鍵盤であるときに、設定用入力装置6の操作に基づいてその鍵盤の鍵のうちからゾーンハイキーとゾーンローキーとを選択する。その音色ゾーンは、ゾーンハイキーがゾーンローキーより右側に配置されているときに複数の鍵のうちのゾーンハイキーとゾーンローキーとの間に配置されている鍵を示し、ゾーンハイキーがゾーンローキーより右側に配置されているときに、複数の鍵のうちのゾーンハイキーより右側に配置されている鍵と複数の鍵のうちのゾーンローキーより左側に配置されている鍵と示している。設定部11は、さらに、設定用入力装置6の操作に基づいて1つの音色ゾーンに1つの音色を対応付ける。
【0023】
設定部11は、さらに、設定用入力装置6の操作に基づいて、その複数の音色ゾーンに対応する複数の音色のうちからゆらぎを小さくして発音する楽音の音色を選択する。この選択は、省略することもできる。そのゆらぎは、楽音に関するある量の平均値が一定であり、瞬間的にその平均値の近くでその値が変動している現象を示している。その値としては、その楽音のピッチ、その楽音の音量が例示される。
【0024】
演奏部12は、演奏用入力装置5の操作に基づいてタイミングと楽音とを指定する。たとえば、そのタイミングは、演奏部12は、演奏用入力装置5が鍵盤であるときに、その鍵盤の鍵が打鍵された直後を示している。演奏部12は、その鍵盤のうちの打鍵された鍵に対応する音高を指定する。演奏部12は、さらに、打鍵された鍵が属する音色ゾーンに対応する音色を指定する。演奏部12は、さらに、その打鍵された鍵の打鍵強度を指定する。演奏部12は、さらに、その打鍵された鍵の打鍵強度を指定する。演奏部12は、さらに、その打鍵された鍵が打鍵されてから離鍵されるまでのゲートタイムを指定する。
【0025】
楽曲作成部13は、演奏用入力装置5と設定用入力装置6との操作に基づいて楽曲データを作成する。その楽曲データは、ステップタイムにイベントを対応付けている。ステップタイムは、その見本曲の始まりからの時間を示している。そのイベントは、発音される楽音に関する情報を示し、演奏用入力装置5の操作(たとえば、演奏用入力装置5が鍵盤であるときに、その鍵盤の鍵を打鍵すること)を示している。そのイベントは、ノートナンバとベロシティとゲートタイムとパートとから形成されている。ノートナンバは、ステップタイムにより示される時刻に打鍵される鍵を識別する番号を示し、発音される楽音の音高を示している。ベロシティは、ノートナンバにより示される鍵が打鍵される打鍵強度を示している。ゲートタイムは、ノートナンバにより示される鍵が打鍵されてから離鍵されるまでの時間を示している。パートは、操作される楽器を示し、発音される楽音の音色を示している。このような楽曲データとしては、スタンダードMIDIファイル(SMF)が例示され、周知である。または、楽曲作成部13は、図示されていないFDDを用いてFDから読み込まれた情報に基づいて楽曲データを作成する。
【0026】
再生部14は、楽曲作成部13により作成された楽曲データに基づいて、タイミングと楽音とを指定する。そのタイミングは、設定用入力装置6のスタートボタンが押下されてからその楽曲データのステップタイムに示される時間が経過した時刻を示している。その楽音は、そのステップタイムに対応するイベントにより示される楽音を示している。
【0027】
判別部15は、演奏部12により指定された楽音が所定の条件を満足しているかどうかを判別する。再生部14により指定された楽音が所定の条件を満足しているかどうかを判別する。その条件は、その指定された楽音の音色が同時に発音される他の楽音の音色に等しく、かつ、その指定された楽音と他の楽音との音程が協和音程であることである。または、その条件は、設定部11により音色が選択されたときに、その指定された楽音の音色がその選択された音色に等しいことである。なお、その条件としては、その指定された楽音の音色が同時に発音される他の楽音の音色に等しいことを適用することもでき、その指定された楽音の音色が同時に発音される他の楽音の音色に等しく、かつ、その指定された楽音の音高が同時に発音される他の楽音の音高と異なることを適用することもできる。
【0028】
楽音発生部16は、演奏部12または再生部14により指定された楽音が判別部15により条件を満足すると判別されたときに、スピーカ7を用いてゆらぎが小さくなるようにその楽音を演奏部12または再生部14により指定されたタイミングで発音する。楽音発生部16は、演奏部12または再生部14により指定された楽音が判別部15により条件を満足しないと判別されたときに、スピーカ7を用いてゆらぎが大きくなるようにその楽音を演奏部12または再生部14により指定されたタイミングで発音する。楽音発生部16は、演奏部12または再生部14により指定された楽音が複数であるときに、スピーカ7を用いてその複数の楽音を同時に並行して発音する。
【0029】
図2は、波形データROM10に記録される波形データテーブルを示している。その波形データテーブル21は、音色22と音高23とを波形データ24に対応付けている。音色22は、電子楽器1により発音することができる楽音の音色を識別している。音高23は、電子楽器1により発音することができる楽音の音高範囲を識別している。波形データ24は、音色が音色22により識別される音色であり、音高が音高23により識別される音高範囲に含まれる楽音の波形を生成するときに用いられる波形データを示している。
【0030】
このとき、楽音発生部16は、波形データテーブル21を参照して、演奏部12または再生部14により指定された楽音の音色と音高とに対応する波形データに基づいて波形を生成し、ピッチが演奏部12または再生部14により指定された楽音の音高になるようにその波形を補正し、その補正された波形に従って発音する。
【0031】
図3は、その波形データを示している。その波形データ31は、電子楽器1から発音される楽音の波形(すなわち、時間とともに変化する量)を示し、アドレスを変位に対応付けている。そのアドレスは、時刻に対応し、波形データROM10の中の位置を識別するアドレスを示している。その変位は、そのアドレスに対応する時刻での波形の変位の瞬時値を示している。その波形データ31は、さらに、ヘッドアドレスA1とループトップアドレスA2と第1ループエンドアドレスA3と第2ループエンドアドレスA4とを示している。ヘッドアドレスA1とループトップアドレスA2と第1ループエンドアドレスA3と第2ループエンドアドレスA4とは、それぞれ、波形データROM10のアドレスを示している。
【0032】
ヘッドアドレスA1は、波形データROM10の中のその波形の変位の先頭が記録されるアドレスを示している。ループトップアドレスA2は、ヘッドアドレスA1より順番が後のアドレスを示している。第1ループエンドアドレスA3は、ループトップアドレスA2より順番が後のアドレスを示している。第2ループエンドアドレスA4は、第1ループエンドアドレスA3より順番が後のアドレスを示している。
【0033】
その波形は、ヘッド部分と第1ループ部分と第2ループ部分とを含んでいる。そのヘッド部分は、波形データROM10のヘッドアドレスA1からループトップアドレスA2までに記録される波形の部分に対応している。第1ループ部分は、ループトップアドレスA2から第1ループエンドアドレスA3までに記録される波形の部分に対応している。第2ループ部分は、ループトップアドレスA2から第2ループエンドアドレスA3までに記録される波形の部分に対応している。すなわち、第1ループ部分は、第2ループ部分の一部分である。
【0034】
図4は、基準の波形のピッチと波形データ31により示される波形のピッチとの比の変化を示し、すなわち、波形データ31により示される波形のピッチの変化を示している。その基準の波形のピッチは、時刻に対して一定である。そのピッチは、その波形を1波長毎に分割したときに1波長の波形により示される波形のピッチを示し、そのピッチの各時刻での瞬時値を示している。
【0035】
その時刻のうち時刻t1は、ヘッドアドレスA1に対応している。時刻t2は、ループトップアドレスA2に対応している。時刻t3は、第1ループエンドアドレスA3に対応している。時刻t4は、第2ループエンドアドレスA4に対応している。すなわち、時刻t1から時刻t2までのピッチの比の変化は、その波形のヘッド部分のピッチの変化に対応している。時刻t2から時刻t3までのピッチの比の変化は、その波形の第1ループ部分のピッチの変化に対応している。時刻t2から時刻t4までのピッチの比の変化は、その波形の第2ループ部分のピッチの変化に対応している。
【0036】
波形データ31により示される波形は、時刻t2から時刻t3までのピッチの比が取り得る値の範囲が時刻t2から時刻t4までのピッチの比が取り得る値の範囲より小さくなるように設計されている。または、波形データ31により示される波形は、時刻t2から時刻t3までのピッチの比の標準偏差が時刻t2から時刻t4までのピッチの比の標準偏差より小さくなるように設計されている。さらに、波形データ31により示される波形は、時刻t2から時刻t3までの音量が取り得る値の範囲が時刻t2から時刻t4までの音量が取り得る値の範囲より小さくなるように設計されている。または、波形データ31により示される波形は、時刻t2から時刻t3までの音量の標準偏差が時刻t2から時刻t4までの音量の標準偏差より小さくなるように設計されている。
【0037】
このとき、楽音発生部16は、ヘッドループのPCM波形読み出し方式により楽音の波形を生成している。すなわち、楽音発生部16は、判別部15により条件を満足すると判別されたときに、波形データ31が示す波形のヘッド部分が最初に配置されて第1ループ部分がそのヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音する。すなわち、楽音発生部16は、判別部15により条件を満足すると判別されたときに、ヘッドアドレスA1から順に変位を読み出し、第1ループエンドアドレスA3まで変位を読み出した後にループトップアドレスA2から順に変位を読み出して、波形を生成する。
【0038】
楽音発生部16は、判別部15により条件を満足しないと判別されたときに、波形データ31が示す波形のヘッド部分が最初に配置されて第1ループ部分がそのヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って発音する。すなわち、楽音発生部16は、判別部15により条件を満足しないと判別されたときに、ヘッドアドレスA1から順に変位を読み出し、第2ループエンドアドレスA4まで変位を読み出した後にループトップアドレスA2から順に変位を読み出して、波形を生成する。
【0039】
このような楽音発生部16は、条件を満足するときにゆらぎの程度が小さくなるように楽音を発音し、条件を満足しないときにゆらぎの程度が大きくなるように楽音を発音することができる。
【0040】
なお、その波形データ31は、さらに、他のループトップアドレスA2’を示すこともできる。ループトップアドレスA2’は、ループトップアドレスA2より順番が後であり、第1ループエンドアドレスA3より順番が前のアドレスを示している。波形データ31により示される波形は、ループトップアドレスA2’から第1ループエンドアドレスA3までのピッチの比が取り得る値の範囲がループトップアドレスA2から第2ループエンドアドレスA4までのピッチの比が取り得る値の範囲より小さくなるように設計されている。または、波形データ31により示される波形は、ループトップアドレスA2’から第1ループエンドアドレスA3までのピッチの標準偏差がループトップアドレスA2から第2ループエンドアドレスA4までのピッチの標準偏差より小さくなるように設計されている。
【0041】
このとき、楽音発生部16は、判別部15により条件を満足すると判別されたときに、ヘッドアドレスA1から順に変位を読み出し、第1ループエンドアドレスA3まで変位を読み出した後にループトップアドレスA2’から順に変位を読み出して、波形を生成する。楽音発生部16は、判別部15により条件を満足しないと判別されたときに、ヘッドアドレスA1から順に変位を読み出し、第2ループエンドアドレスA4まで変位を読み出した後にループトップアドレスA2から順に変位を読み出して、波形を生成する。楽音発生部16は、このような動作を実行しても、条件を満足するときにゆらぎの程度が小さくなるように楽音を発音し、条件を満足しないときにゆらぎの程度が大きくなるように楽音を発音することができる。
【0042】
このような楽音発生部16によれば、電子楽器1は、1つの波形に基づいてゆらぎの程度が異なる複数の楽音を生成することができ、波形データROM10の記憶容量を大きく増加させる必要がなく、好ましい。
【0043】
電子楽器1の動作は、演奏する動作と、自動演奏する動作とを備えている。
【0044】
その演奏する動作は、設定用入力装置6の操作により演奏モードに切り換えられたときに実行される。電子楽器1は、演奏モードのときに、演奏用入力装置5の操作に基づいてタイミングと楽音とを指定する。たとえば、演奏用入力装置5が鍵盤であるときに、そのタイミングは、その鍵盤の鍵が打鍵された直後を示している。その楽音は、音高と音色と打鍵強度とゲートタイムとを示している。その音高は、その鍵盤のうちの打鍵された鍵に対応している。その音色は、打鍵された鍵が属する音色ゾーンに対応する音色に対応している。その打鍵強度は、その打鍵された鍵の打鍵強度を示している。そのゲートタイムは、その鍵が打鍵されてから離鍵されるまでの時間を示している。電子楽器1は、スピーカ7を用いて、演奏用入力装置5の操作に基づいて指定されたタイミングに、演奏用入力装置5の操作に基づいて指定された楽音を発音する。電子楽器1は、演奏用入力装置5の操作により指定された複数の楽音がある時刻に同時に発音されることを示しているときに、スピーカ7を用いてその複数の楽音を同時に並行して発音する。電子楽器1は、たとえば、複数の鍵が同時に打鍵されたときに、その複数の鍵に対応する複数の楽音を同時に並行して発音する。
【0045】
その自動演奏する動作は、設定用入力装置6の操作により自動演奏モードに切り換えられたときに実行される。電子楽器1は、自動演奏モードで設定用入力装置6のスタートボタンが押下されたときに、設定用入力装置5の操作に基づいて予め作成された楽曲データに基づいて楽音を発音する。すなわち、電子楽器1は、スピーカ7を用いて、その楽曲データのステップタイムが示すタイミングに、そのステップタイムに対応するイベントが示す楽音を発音する。電子楽器1は、その楽曲データにより指定された複数の楽音がある時刻に同時に発音されることを示しているときに、スピーカ7を用いてその複数の楽音を同時に並行して発音する。
【0046】
図5は、演奏する動作または自動演奏する動作において、各楽音を発音する動作を示している。電子楽器1は、演奏する動作または自動演奏する動作において指定される楽音が所定の条件を満足しているかどうかを判別する(ステップS1)。その条件は、その指定された楽音の音色が同時に発音される他の楽音の音色に等しく、かつ、その指定された楽音と他の楽音との音程が協和音程であることである。ユーザは、演奏する動作または自動演奏する動作の前に、設定用入力装置6を操作して伴奏に用いる楽音の音色または和音を構成する楽音の音色を電子楽器1に入力する。このとき、その条件は、予め設定用入力装置6の操作により音色が選択されたときに、その指定された楽音の音色がその選択された音色に等しいことである。なお、その音色は、完全に等しくなくても類似度が高い別音色の場合(たとえば、同一音色系列の2音色、「ピアノ音色1」と「ピアノ音色2」など)にもその条件を満足すると解釈すべきである。
【0047】
電子楽器1は、その楽音が所定の条件を満足しているときに(ステップS1、YES)、波形データ31が示す波形のヘッド部分が最初に配置されて第1ループ部分がそのヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って、ゆらぎが小さくなるようにその楽音を発音する(ステップS2)。電子楽器1は、その楽音が所定の条件を満足していないときに(ステップS1、NO)、波形データ31が示す波形のヘッド部分が最初に配置されて第1ループ部分がそのヘッド部分の直後に繰り返して配置される波形に従って、ゆらぎが大きくなるようにその楽音を発音する(ステップS3)。
【0048】
公知の電子楽器は、たとえばストリングス音色やブラス音色などもソロ演奏に使う場合が考慮されて、短音でも飽きがこないように0.5〜3秒くらいの時間でゆらぎが生じるように多周期を楽音波形にPCM記憶している。このような電子楽器により発音された和音は、その和音を構成する複数の楽音のゆらぎが互いに干渉するために調和しないで音が汚くにごることがある。その傾向は、その和音の構成音が増えれば増えるほど強くなる。本発明による電子楽器1は、音色が等しい楽音で和音を発音するときに、その楽音のゆらぎが小さいために、その和音をよりきれいに発音することができる。
【0049】
本発明による電子楽音発生装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態における楽音発生部16が他の楽音発生部に置換され、波形データ24が他の波形データに置換されている。その波形データは、ゆらぎが小さい楽音の波形とゆらぎが大きい楽音の波形とを別個に示し、すなわち、波形データROM10は、ゆらぎが小さい楽音の波形とゆらぎが大きい楽音の波形とを別個に記録している。その楽音発生部は、判別部15により条件を満足すると判別されたときに、そのゆらぎが小さい楽音の波形に従って発音する。楽音発生部は、判別部15により条件を満足しないと判別されたときに、そのゆらぎが大きい楽音の波形に従って発音する。このような電子楽音発生装置は、波形データROM10に必要な記憶容量が大きく増加するが、電子楽器1と同様にしてよりきれいな楽音を生成することができる。
【0050】
本発明による電子楽音発生装置の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における楽音発生部16が他の楽音発生部に置換されている。その楽音発生部は、サイン合成方式またはFM方式または物理モデル方式を用いて、指定された楽音が所定の条件を満足しているときにゆらぎが小さくなるようにその楽音を発音し、その楽音が所定の条件を満足していないときにゆらぎが大きくなるようにその楽音を発音する。このような電子楽音発生装置も、電子楽器1と同様にしてよりきれいな楽音を生成することができる。
【0051】
本発明による電子楽音発生装置の実施のさらに他の形態は、楽曲データを楽曲に再生する再生装置に適用されている。このような再生装置としては、パーソナルコンピュータが例示される。このとき、その再生装置は、既述の実施の形態における電子楽器1から演奏用入力装置5と設定部11と演奏部12とが削除されている。このような再生装置は、電子楽器1と同様にして、よりきれいな楽音を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明による電子楽器の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、波形データROMに記録される波形データテーブルを示す図である。
【図3】図3は、波形データを示すグラフである。
【図4】図4は、波形データが示す波形のゆらぎを示すグラフである。
【図5】図5は、各楽音を発音する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 :電子楽器
2 :電子楽器本体
5 :用入力装置
6 :設定用入力装置
7 :スピーカ
8 :ディスプレイ
11:設定部
12:演奏部
13:楽音作成部
14:再生部
15:判別部
16:楽音発生部
21:波形データテーブル
22:音色
23:音高
24:波形データ
31:波形データ




 

 


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