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発明の名称 スピーカグリルおよび電子楽器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−41375(P2007−41375A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−226620(P2005−226620)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 鈴木 昭裕
要約 課題
成形が容易で安全かつ十分な広さの開口面積を有するスピーカグリルおよびスピーカグリルを用いた電子楽器の提供。

解決手段
スピーカグリル1は、プラスチック等の合成樹脂により製造された長方形の薄板を中心に構成される本体5と本体5に張られるジャージネットに代表される被覆部から構成される。また、スピーカー4から出力される音を通過させるための開口部は、平行となる二組の辺の長さが互いに異なる平行四辺形の格子8で覆われるように構成されている。平行四辺形の格子8を形成する枠体9は、被覆部に加えられる張力の方向とは異なる方向に成形されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
スピーカーから出力される音を通過させるための開口部を備えた薄板状の本体と、
張力を加えた状態で前記本体の片面に取り付けられた織物からなる被覆部と、
を備えたスピーカグリルにおいて、
前記本体の開口部は、平行となる二組の辺の長さが互いに異なる平行四辺形の格子で覆われ、
前記格子を形成する枠体は、前記織物に加えられる張力の方向とは異なる方向に沿って成形されていることを特徴としたスピーカグリル。
【請求項2】
配線用差込接続器より直接電源を取り込む電源装置と、
前記電源装置が内蔵された筐体と、
前記筐体に設置されたスピーカーと、
を備えた電子楽器において、
請求項1に記載のスピーカグリルが前記スピーカーに取り付けられていることを特徴とした電子楽器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカーに取り付けるスピーカグリルおよびスピーカグリルを用いた電子楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子ピアノをはじめとした電子楽器のスピーカーには、美感の向上やほこりなどを電子楽器の内部に侵入させないことを目的として、スピーカグリルが取り付けられている。
【0003】
このスピーカグリルは、プラスチックなどの合成樹脂から成形され、少なくとも一部にスピーカーから出力される音を通過させるための開口部を備えた薄板状の本体と、張力を加えた状態で本体の片面を覆うように取り付けられたジャージネット等の織物などからなる被覆部とにより構成されている。
【0004】
なお、本体の開口部は、格子で覆われており、その格子形状は、格子を形成する枠体が被覆部に映り目立つことがないように、ひし形に形成されたもの(図2参照)が多い(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、被覆部を構成する織物に与える張力の方向と、枠体の成形方向とが一致すると、枠体により形成される格子の縁に沿って織物が窪み、美感を損ねてしまうため、張力を加えた方向に対して斜めの方向に枠体が成形できるように、格子形状はひし形となっている。
【0006】
また、電子楽器については、電源アダプターを介して供給される直流電源を入力する電源装置(以下、直流電源装置とする)や、配線用差込接続器(コンセント)から直接供給される交流電源を入力する電源装置(以下、交流電源装置とする)を筐体に内蔵する電子楽器が知られている。
【0007】
この交流電源装置を備えた電子楽器において、交流電源装置を内蔵した筐体に開放部(筐体に設けた穴のことを示す)が設けられている場合、開放部の条件(開放部と交流電源装置の間に、金属や木材などの仕切りが取り付けられている場合などは検査対象外)によっては安全規格UL496111−12(以下、安全規格とする)の検査対象となる。
【0008】
この安全規格の条件として、次のことが知られている。
(1)予め規定されたプローブ(径約7mm、長さ約100mm等、以下、検査プローブとする)を用いて、検査プローブが開放部に挿入できるか否かを試み、開放部に挿入できたとしても、挿入された検査プローブが筐体内に設置されている交流電源装置に接触しないこと。
(2)開放部が調整用(電子楽器の中には、各種調整のために穴が設けられているものもある)である場合、検査プローブとは別に予め規定されたプローブ(通常は径3.2mm、以下、調整用検査プローブとする)を用いて、調整用検査プローブを開放部に挿入し、挿入角度を検査規定内(スピーカグリル本体の長方形平板の片面に対し垂直な方向から30度以内など)において変化させても調整用検査プローブが交流用電源に接触しないこと。
【0009】
なお、スピーカグリルの格子により形成される開口(以下、格子開口とする)は、通常、調整用の開放部ではないものの、検査官(安全規格を検査する人)が格子開口を調整用の開放部であると判断した場合には、その格子開口に対し安全規格の検査が実施される。したがって、スピーカグリルやスピーカグリルを用いた電子楽器では、スピーカグリルの格子開口が検査官に調整用の開放部と判断され、検査が行われる場合であっても、検査を通過するように、スピーカグリルは安全規格の条件を満たした構造にしておく必要がある。
【特許文献1】実開平5−12293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、安全規格の条件を満たすスピーカグリルの構造にするためには、調整用検査プローブ等が開放部を通過しない程度にスピーカグリルの格子開口を小さくする方法が考えられる。しかし、スピーカグリル全体の開口面積が小さくなるとスピーカーからの音がこもってしまう等の悪影響が生じる。そこで、従来のスピーカグリルと同じ程度の開口面積を確保する必要がある。
【0011】
従来のように、格子形状がひし形の場合、例えば、図5(a)に示すように、長辺と短辺との比が1に近いもの(正方形に近い形状)は、容易に十分な開口面積を確保することができるが、調整用検査プローブP(図中に点線で外径を示す)が検査対象となった格子開口を簡単に通過してしまう。そこで、図5(b)に示すように、ひし形の一方の対角線Aを短くし、調整用検査プローブが検査対象の格子開口を通過できない(すなわち、安全規格の条件を満たす)ようにし、他方の対角線Bを長くすることで、図5(a)に示した格子形状の格子開口と同じ程度の開口面積を確保することが考えられる。
【0012】
しかし、このように一方の対角線Aが短く、他方の対角線Bを長くしたひし形の格子形状の場合、対角線Bの両端に位置する格子開口の内角C(以下、格子開口における鋭角な内角を格子角とする)が鋭角になりすぎてしまうため、格子を形成する枠体の成形が著しく困難になるという問題があった。
【0013】
そこで本発明は、成形が容易で安全かつ十分な広さの開口面積を有するスピーカグリルおよびスピーカグリルを用いた電子楽器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、少なくとも一部に、スピーカーから出力される音を通過させるための開口部を備えた薄板状の本体と、張力を加えた状態で前記本体の片面に取り付けられた織物からなる被覆部と、を備えたスピーカグリルにおいて、前記本体の開口部は、平行となる二組の辺の長さが互いに異なる平行四辺形の格子で覆われ、前記格子を形成する枠体は、前記織物に加えられる張力の方向とは異なる方向に沿って成形されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明のスピーカグリルでは、織物に加えた張力の方向と枠体の形成方向とが異なるため、被覆部が格子の開口により窪むことがなく、美感に優れたものとなる。
【0016】
また、本発明のスピーカグリルでは、格子形状を平行となる二組の辺の長さが互いに異なる平行四辺形とすることにより、格子形状がひし形である場合に比べ、格子角を鋭角にすることなく、格子開口の面積を十分に確保することと、安全規格の条件を満たすことを両立することが可能となる。
【0017】
つまり本発明によれば、音質を劣化させることなく、安全規格の条件を満たすことができ、しかも、枠体の成形が容易なスピーカグリルを提供することができる。
請求項2の発明は、配線用差込接続器より直接電源を取り込む電源装置と、前記電源装置が内蔵された筐体と、前記筐体に設置されたスピーカーとを備えた電子楽器において、請求項1に記載のスピーカグリルが前記スピーカーに取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
このような電子楽器の構成とすることにより、安全規格の検査において、調整用検査プローブ等がスピーカグリルの格子開口を通過することは不可能となるため、安全規格の条件を満たすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面と共に説明する。
図1は電子楽器の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、電子楽器2は、少なくとも配線用差込接続器から直接供給される交流電源を入力する交流電源装置(図示せず)を筐体3に内蔵している。また、筐体3の演奏者と向かい合う面には、音質や音の大きさなどを調整する各種スイッチの操作部6と音を出力するためのスピーカー4が設置されている。なお、スピーカー4は、操作部6の左右両端の2箇所に設置されており、スピーカー4の音を出力する面の上面には、スピーカグリル1が取り付けられている。
【0020】
次に、スピーカグリル1の本体5を図示する。図3は斜視図、図4は4面図((a)正面図、(b)右側面図、(c)背面図、(d)上面図)である。
スピーカグリル1は、プラスチック等の合成樹脂により製造され、長方形の薄板状に形成された本体5と本体5に張られる織物(ジャージネットなど)から構成される被覆部(図示せず、図1でも同様)から構成される。
【0021】
一方、被覆部は、長方形形状の本体5の辺に沿った方向に張力を加えた状態で、本体5の片方の面(以下、被覆面とする)を覆うように配置され、被覆面とは反対の面である本体5の背面の端において被覆部と本体5は固着される。つまり、織物からなる被覆部は、張力を加えた状態で本体5の片面に取り付けられる。
【0022】
本実施形態において、本体5の背面は、スピーカー4に容易に本体5自身を取り付けるための突起物7が成形されている。
また、本体5にはスピーカー4から出力される音を通過させるための開口部が形成されている。この開口部は、一方の組の辺の長さを、他方の辺の組の長さより長くした(すなわち、平行となる二組の辺の長さが互いに異なる)平行四辺形の格子8で覆うように構成される。
【0023】
さらに、平行四辺形の格子8を形成する枠体9は、被覆部に加えられる張力の方向に対し斜めの方向、すなわち、長方形形状の本体5の辺に沿った方向(被覆部に加えられる張力の方向)とは異なる方向に成形されている。
【0024】
つぎに、図6から明らかなように、枠体9により形成される平行四辺形の格子8において、長辺の長さをa、短辺の長さをb(<a)、格子角の角度をΘ、調整用検査プローブの直径をDとすると、これらb、Θ、Dが関係式(1)を満たせば、安全規格の条件を満たす。したがって、短辺bは、関係式(1)により導出できる範囲内に設定し、長辺aは確保すべき格子開口の面積に応じて変化させればよい。
【0025】
【数1】


【0026】
図4に示した本実施形態のスピーカグリルでは、長辺a=7.1mm、短辺b=2.8mm、格子角Θ=60°、枠体9の幅c=1.5mm、調整用検査プローブの直径D=3.2mmとする。本実施形態におけるΘ、Dの値を関係式(1)に適用すると、導出されるbは、b<約3.7mmとなるため、本実施形態におけるb=2.8mmであれば安全規格の条件を確実に満たすことができる。
【0027】
このように、関係式(1)に基づき平行四辺形の格子8における短辺bを設定し、長辺aを設定することにより、安全規格の条件を満たした上で、十分な格子開口の面積を確保することができる。
【0028】
また、このような範囲内に設定した平行四辺形の格子8であれば、格子角を鋭角としすぎることなく十分な開口面積を確保でき、さらには、格子8を形成する枠体9の成形が容易である。
【0029】
さらに、本実施形態のスピーカグリル1を取り付けた電子楽器2は、安全規格の条件を満たすことができる。
つまり、本実施形態のスピーカグリル1は、音質を劣化させることなく、安全規格の条件を満たし、しかも枠体9の成形が容易なスピーカグリル1である。
【0030】
なお、通常の設計に用いられるパラメータの範囲内は、長辺aは6mm〜30mm、短辺bは2mm〜3.2mmの範囲であることが望ましい。また、枠体9の成形が容易となるように、格子角Θは30°以上であることが望ましい。
【0031】
この範囲内に設定された平行四辺形の格子開口であれば、格子角を鋭角としすぎることなく、安全規格の条件を満たすことと、開口面積を十分に確保することを両立することができる。
【0032】
さらに、広い開口面積を確保するため枠体9の幅cは、できるだけ細いことが望ましい。しかし、細すぎると、枠体9の十分な強度を維持できないため、開口面積と格子の強度のバランスをとった幅とすることが重要となる。このため、cは1mm〜2mmの範囲内であることが望ましい。また、枠体9の厚さは、強度の点から1.5mm〜3mmであることが望ましい。
【0033】
平行四辺形の格子8における格子開口の大きさを決定するためには、上述した関係式(1)に基づいて決定することが望ましい。しかし、図7(A)に示すような従来のひし形の格子形状(図2に示した、従来のスピーカグリル10におけるひし形格子では、e=1.5mm、f=6mm、g=6mm、h=60°とする)を用いて、簡易的に平行四辺形の格子形状を形成する方法もある。例えば、図7(B)に示すように、ひし形における一組の辺の中点を通るように枠体9を増設すると、ひし形を分割した平行四辺形の新たな格子開口が形成される。次に、図7(C)に示すように、新たな格子開口に隣接する一つの枠体9を取り除くことにより、開口面積の広い平行四辺形の格子開口が形成される。
【0034】
このような方法により形成される格子開口は、格子開口の面積が従来のひし形形状の面積と同じ程度であり、調整用検査プローブを挿入できない格子開口の大きさとなるため、スピーカー4から出力される音を劣化させることなく、安全規格の条件を満たすことができる。このため、格子形成の簡易的な手法として、この格子開口の形成方法を用いてもよい。
【0035】
本実施形態のように、被覆部により本体5を覆うと、スピーカグリル1の美感を向上させることができ、電子楽器2のスピーカー4に取り付けた際には、電子楽器内部にほこり(塵)などの異物の侵入を防止できる。
【0036】
また、被覆部に加えられる張力は、枠体9により形成される平行四辺形の格子8とは異なる方向であるため、被覆部が格子8に沿って窪むことがなく、スピーカグリル1は美感に優れたものとなる。
【0037】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
【0038】
本実施形態において、本体5は、表面が平面である合成樹脂の長方形平板を用いたが、
被覆部により被覆される面に、曲率半径の大きな凸(R2000程度)の曲面を持った合成樹脂素材であってもよい。
【0039】
例えば、本実施形態では、合成樹脂製の長方形平板を本体5として用いたが、通電などによって安全面に問題が生じなければ、金属材料を用いてスピーカグリルの本体5を成形してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】電子楽器の斜視図。
【図2】従来の電子楽器に用いられるスピーカグリルの3面図。
【図3】スピーカグリルの斜視図。
【図4】スピーカグリルの4面図。
【図5】ひし形格子の説明図。
【図6】格子形状の参考図。
【図7】格子開口の簡易作成手段の参考図。
【符号の説明】
【0041】
1・・・スピーカグリル
2・・・電子楽器
3・・・筐体
4・・・スピーカー
5・・・本体
6・・・操作部
7・・・突起物
8・・・格子
9・・・枠体




 

 


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