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発明の名称 防音パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17759(P2007−17759A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200097(P2005−200097)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100095566
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友雄
発明者 石井 淳
要約 課題
パネル自体の強度を確保できるとともに、比較的単純な構成で、遮音性能を向上させることができる防音パネルを提供する。

解決手段
互いに間隔を隔てて対向した状態で延びる一対の縦枠材5、5、ならびに一対の縦枠材5、5の一端部間および他端部間にそれぞれ連結された一対の横枠材6、6から成る枠体2と、この枠体2の表裏方向に互いに積層された芯材7および緩衝材8を有し、一対の縦枠材5、5間に連結された芯体3と、枠体2にその表面および裏面をそれぞれ覆うように設けられるとともに、芯体3の表面および裏面にそれぞれ固定された一対の板材4、4と、を備え、芯体3は、芯体3によって分割された板材4の2つの部分4A、4Bが芯体3を中心として互いに非対称になるように配置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに間隔を隔てて対向した状態で延びる一対の第1枠材、ならびに当該一対の第1枠材の一端部間および他端部間にそれぞれ連結された一対の第2枠材から成る枠体と、
この枠体の表裏方向に互いに積層された芯材および緩衝材を有し、前記一対の第1枠材間に連結された芯体と、
前記枠体にその表面および裏面をそれぞれ覆うように設けられるとともに、前記芯体の表面および裏面にそれぞれ固定された一対の板材と、を備え、
前記芯体は、当該芯体によって分割された前記板材の2つの部分が当該芯体を中心として互いに非対称になるように配置されていることを特徴とする防音パネル。
【請求項2】
前記芯体は、前記一対の第2枠材と平行に延びており、当該芯体と当該一対の第2枠材との距離をそれぞれAおよびBとしたときに、A:Bが倍数比以外の比になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の防音パネル。
【請求項3】
前記芯材は、前記一対の板材にそれぞれ固定された2つの芯材で構成され、
前記緩衝材は、当該2つの芯材の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防音パネル。
【請求項4】
前記第1枠材および前記第2枠材の少なくとも一方は、前記枠体の表裏方向に互いに積層された枠材本体および緩衝材を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の防音パネル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば防音室の壁や天井などを構成するための防音パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の防音パネルとして、特許文献1に開示されたものが知られている。この防音パネルは、左右一対の縦枠材、ならびに両縦枠材の上端部間および下端部間にそれぞれ連結された上下一対の横枠材によって、縦長の矩形枠状に形成された枠体と、上下の横枠材の中央部間に連結された芯体と、枠体および芯体を表裏から挟持した状態で、それらに接着された縦長矩形状の一対の板材とを備えている。芯体は、両板材の内面にそれぞれ固定された2つの芯材と、両芯材間に設けられた緩衝材とによって構成されている。この防音パネルでは、上記の芯体をパネル内部に設けることにより、パネル自体の中央部分の強度を確保し、また、芯体の両芯材間に緩衝材を設けることにより、両板材を振動的にほぼ分離し、両板材の間に芯体を介してサウンドブリッジが生じるのを抑制することによって、それに起因する遮音性能の低下を防止している。
【0003】
また、この防音パネルのような二重壁のパネルでは、2枚の板材とそれらの間の空気層との共振現象により、低音域における音響透過損失が極めて小さくなる、いわゆる低音域共鳴透過が生じ、その結果、低音域における遮音性能が極めて低くなる。これを回避するために、上記の防音パネルでは、両板材のそれぞれの内面に、細長い複数の補強板が取り付けられている。具体的には、各板材の内面に、4枚の補強板が左右対称に取り付けられ、これらの補強板は、互いに間隔を隔てて、かつ枠体および芯体のいずれからも間隔を隔てて配置されている。また、一方の板材に設けられた補強板はいずれも、他方の板材の補強板に対し、非対面状態、すなわち正対しないように左右方向にずれた状態で配置されている。これらの補強板により、上記の防音パネルでは、板材の共振を生じにくくし、それにより、低音域における遮音性能の低下を防止している。
【0004】
上述したように、この防音パネルでは、パネル自体の強度を確保するとともに遮音性能を向上させるために、芯体がパネル内部に設けられるとともに、計8枚の補強板が両板材の内面に取り付けられている。そのため、この防音パネルでは、部品点数が多く、内部の構成が複雑になり、しかも、多くの補強板を上述した所定のレイアウトで両板材に取り付けなければならないため、製造コストが上昇してしまう。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、パネル自体の強度を確保できるとともに、比較的単純な構成で、遮音性能を向上させることができる防音パネルを提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開2000−250562号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いに間隔を隔てて対向した状態で延びる一対の第1枠材、ならびに一対の第1枠材の一端部間および他端部間にそれぞれ連結された一対の第2枠材から成る枠体と、この枠体の表裏方向に互いに積層された芯材および緩衝材を有し、一対の第1枠材間に連結された芯体と、枠体にその表面および裏面をそれぞれ覆うように設けられるとともに、芯体の表面および裏面にそれぞれ固定された一対の板材と、を備え、芯体は、芯体によって分割された板材の2つの部分が芯体を中心として互いに非対称になるように配置されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、それぞれ一対の第1および第2枠材から成る枠体に、その表面および裏面を覆うように、一対の板材がそれぞれ設けられている。また、芯体は、両第1枠材間に連結されるとともに、表面および裏面が両板材にそれぞれ固定されている。これらの枠体および芯体により、防音パネルの強度を確保でき、特に、芯体によってパネル自体の内側部分の強度を十分に確保することができる。また、芯体は、枠体の表裏方向に互いに積層された芯材および緩衝材を有しており、その緩衝材によって両板材が振動的にほぼ分離されるので、両板材の間に芯体を介してサウンドブリッジが生じるのを抑制でき、それに起因する遮音性能の低下を防止することができる。さらに、芯体は、これによって分割された板材の2つの部分(以下、本明細書において「分割部」という)が、芯体を中心として互いに非対称になるように配置されている。このように芯体を配置することにより、この防音パネルでは、低音域における共鳴が生じにくくなる。これは次の理由による。すなわち、両分割部が互いに対称である場合には、防音パネルの共鳴周波数が、複数の比較的狭い範囲の周波数帯域に偏在する傾向にある。そのため、防音パネルの一方の板材側で発生した音の周波数が、防音パネルの共鳴周波数に一致しやすくなり、特に、低音域において大きな共鳴が生じやすくなる。これに対し、両分割部が互いに非対称である場合には、防音パネルの共鳴周波数が広範囲の周波数帯域に分散する傾向にあり、それにより、防音パネルの一方の板材側で発生した音の周波数が、防音パネルの共鳴周波数に一致しにくくなる。その結果、防音パネルでは、低音域における共鳴が生じにくくなる。
【0009】
以上のように、上記構成の防音パネルによれば、芯体を、両分割部が非対称になるように配置することにより、パネル自体の強度を確保できるとともに、遮音性能を向上させることができ、特に、低音域の遮音性能を向上させることができる。しかも、従来と異なり、両板材への補強板などの取り付けが不要となり、その分、防音パネルを低コストで製造することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の防音パネルにおいて、芯体は、一対の第2枠材と平行に延びており、芯体と一対の第2枠材との距離をそれぞれAおよびBとしたときに、A:Bが倍数比以外の比になるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
芯体と一対の第2枠材とのそれぞれの距離AおよびBの比が、倍数比(1:N、Nは整数)であるときには、上述した両分割部が互いに対称である場合と同様に、防音パネルの共鳴周波数が、複数の比較的狭い範囲の周波数帯域に偏在するのに対し、A:Bが倍数比以外の比になるように、芯体を配置することにより、防音パネルの共鳴周波数が、広範囲の周波数帯域に分散する。したがって、上記構成のように、A:Bが倍数比以外の比になるように、芯体を配置することにより、防音パネルにおける低音域の遮音性能を確実に向上させることができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の防音パネルにおいて、芯材は、一対の板材にそれぞれ固定された2つの芯材で構成され、緩衝材は、2つの芯材の間に配置されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、芯材が両板材にそれぞれ固定されるので、緩衝材が板材に固定される場合に比べて、両板材の剛性をいずれも高めることができ、それにより、防音パネルの強度を全体としてより高めることができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3に記載の防音パネルにおいて、第1枠材および第2枠材の少なくとも一方は、枠体の表裏方向に互いに積層された枠材本体および緩衝材を有していることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1枠材および第2枠材の少なくとも一方が、枠体の表裏方向に互いに積層された枠材本体および緩衝材を有しているので、上記芯体の緩衝材に加えて、枠体の緩衝材によっても、両板材を振動的にほぼ分離し、両板材間のサウンドブリッジの発生をより一層抑制でき、それにより、防音パネルの遮音性能をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による防音パネルを示している。この防音パネル1は、例えば防音室の壁や天井などを構成するためのものである。同図に示すように、防音パネル1は、正面形状が縦長矩形状の枠体2と、この枠体2の内側に、左右方向に延びるように配置された芯体3と、これらの枠体2および芯体3を表裏から挟持した状態で、これらに貼り付けられた表裏一対の板材4、4とを備えている。
【0017】
枠体2は、互いに左右方向に間隔を隔てて対向するとともに、互いに上下方向に平行に延びる左右一対の縦枠材5、5(第1枠材)と、互いに左右方向に平行に延びるとともに、両縦枠材5、5の上端部間および下端部間にそれぞれ連結された上下一対の横枠材6、6(第2枠材)とで構成されている。各縦枠材5および各横枠材6は、集成材から成る角材(厚さ40mm、幅50mm)で構成されている。なお、これらの縦枠材5や横枠材6については、集成材の他、無垢の木などの角材や、アルミあるいは鋼などの金属製の角材などで構成していもよい。
【0018】
図1および2に示すように、芯体3は、左右方向に延びるとともに、左右の縦枠材5、5間に連結されており、表裏の板材4、4の内面にそれぞれ固定された表裏一対の芯材7、7と、これらの芯材7、7間に設けられた緩衝材8とで構成されている。各芯材7は、上記の縦枠材5や横枠材6と同様の集成材から成る板材(幅50mm、厚さ14mm)で構成され、一方、緩衝材8は、グラスウール(幅50mm、厚さ12mm)で構成されている。なお、芯材7については、集成材の他、無垢の木などの板材や、アルミあるいは鋼などの金属製の板材などで構成してもよく、また、緩衝材8については、グラスウールの他、防振ゴムやゴムスポンジなどで構成してもよい。
【0019】
また、表裏の各板材4は、パーティクルボード(縦×横1820×910mm、厚さ9mm)から成り、枠体2の正面外形とほぼ同じ縦長矩形状に形成されている。そして、両板材4、4は、枠体2および芯体3の表裏面に接着などによってそれぞれ固定されている。なお、各板材4については、パーティクルボードの他、合板、石膏ボードまたはMDFなどで構成してもよい。
【0020】
以上のように構成された防音パネル1では、芯体3は、これによって分割された板材4の上下2つの分割部4A、4Bが、芯体3を中心として互いに非対称になるように配置されている。具体的には、例えば、図2に示すように、枠体3の中心から、上下(同図では左右)の横枠材6、6の上下端(同図では左右端)までの距離をそれぞれAおよびBとしたときに、これらの距離AおよびBが次式(1)をほぼ満たすように、枠体3が配置されている。
【数1】


【0021】
この式(1)による距離AとBの分割比は、約1:1.6であり、いわゆる黄金分割比と呼ばれるものである。
【0022】
以上の構成の防音パネル1によれば、その表面側で発生した音は、まず、表面側の板材4に到達する。その際、音は、その一部が板材4の表面で反射され、それ以外の板材4に入射した音は、板材4内で減衰された後、枠体2および芯体3に到達するとともに、それ以外の音が、両板材4、4間の空気層Sを通過し、その際に減衰された後、裏面側の板材4に到達する。枠体2に入射した音は、枠体2内で減衰された後、裏面側の板材4に到達する。一方、芯体3に到達した音は、両芯材7、7を通過する際に減衰されるとともに、緩衝材8を通過する際により大きく減衰され、裏面側の板材4に到達する。そして、裏面側の板材4を通過する際にも、表面側の板材4を通過したときと同様に、その内部で減衰された後、防音パネル1の裏面側に到達する。
【0023】
また、表裏の板材4、4間に設けられた芯体3は、表裏の芯材7、7間に緩衝材8が介装されているので、両板材4、4を振動的にほぼ分離することができる。したがって、両板材4、4間に芯体3を介してサウンドブリッジが生じるのを抑制でき、それに起因する防音パネル1の遮音性能の低下を防止することができる。また、両板材4、4の内面には、芯体3の芯材7、7がそれぞれ固定されているので、両板材4、4の剛性をいずれも高めることができ、それにより、防音パネル1の強度を全体として高めることができる。
【0024】
さらに、芯体3は、防音パネル1の両分割部4A、4Bを、倍数比以外の約1:1.6に分割するように配置されているので、防音パネル1における低音域での共鳴が生じにくくなる。この理由を、図3を参照しながら説明する。図3は、防音パネル1を芯体3によって分割したときの共鳴周波数の分布の一例を示しており、(a)は、防音パネル1を倍数比(例えば1:1)に分割した例であり、一方、(b)は、防音パネル1を芯体3によって非対称に分割した例である。防音パネル1が倍数比に分割された場合には、同図(a)に示すように、防音パネル1の共鳴周波数が、複数の比較的狭い範囲の周波数帯域に偏在するため、防音パネル1の付近で発生した音の周波数が、防音パネル1の共鳴周波数に一致しやすくなり、特に、低音域において大きな共鳴が生じやすくなる。これに対し、防音パネル1が非対称に分割された場合には、同図(b)に示すように、防音パネル1の共鳴周波数が広範囲の周波数帯域に分散し、それにより、防音パネル1の付近で発生した音の周波数が、防音パネル1の共鳴周波数に一致しにくくなる。したがって、上記のように、芯体3によって、両分割部4A、4Bが倍数比以外の約1:1.6に分割された防音パネル1では、低音域での共鳴が生じにくくなる。
【0025】
以上のように、この防音パネル1によれば、芯体3を、防音パネル1の両分割部4A、4Bが非対称になるように配置するだけで、パネル自体の強度を確保できるとともに、遮音性能を向上させることができ、特に、低音域での遮音性能を向上させることができる。しかも、従来の防音パネルと異なり、両板材4、4への補強板などの取り付けが不要となり、その分、防音パネル1を低コストで製造することができる。
【0026】
図4は、防音パネル1および比較例のそれぞれについて、遮音性能を確認するために実施した試験結果の一例を示している。この試験は、上述した構成の防音パネル1と、芯体3を防音パネルの上下方向の中央部に配置し、防音パネルを上下対称に分割した比較例としての防音パネルについて、JISA1416による「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」、およびJISA1419−1による「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第1部:空気音遮断性能」に準拠して行ったものである。具体的には、図5に示すように、音源室と受音室の間に防音パネル1および比較例の防音パネルの各試験体を設置した状態で、音源室で音を発生させたときの音圧レベルを、音源室および受音室でそれぞれ測定し、両音圧レベルの差に基づいて音響透過損失Rを求める。そして、求めた音響透過損失Rの値が、全ての周波数帯域において基準曲線を上回るときに、その基準曲線の呼び方によって、遮音等級を表すものである。なお、各試験体の寸法は、縦横1820×910mm、厚さ58mmである。
【0027】
図4(a)および(b)は、防音パネル1および比較例についての試験結果をそれぞれ示している。同図(b)に示すように、芯体3によって防音パネルが上下対称に分割された比較例では、音源室と受音室との音響透過損失Rは、オクターブバンド中心周波数(以下、単に「周波数」という)fが上昇するのに伴って、徐々に上昇している。この比較例の遮音等級は、Dr−20である。周波数fが150Hzおよび4kHz付近のときに、音響透過損失Rが低下しているのは、150Hz付近においては、低音域共鳴透過によるものであり、4kHz付近においては、コインシデンス効果によるものである。
【0028】
これに対し、同図(a)に示すように、防音パネル1も、比較例と同様、周波数fの上昇に伴って、音響透過損失Rが徐々に上昇する傾向を示し、この音響透過損失Rは、約300Hz以上において、比較例とほぼ合致する一方、150〜300Hzの低音域において、比較例よりも高い値を示している。このように、防音パネル1では、中〜高音域においては、比較例と同様の遮音性能を有する一方、低音域においては、比較例よりも高い遮音性能を有し、Dr−25の遮音等級が得られている。すなわち、防音パネル1では、芯体3によって防音パネル1が上下に非対称に分割されていることによって、特に、低周波数域、すなわち低音域における遮音性能が向上することが確認された。
【0029】
図6(a)および(b)は、防音パネルの変形例を示している。これらの防音パネル10および20は、上記の防音パネル1に対し、芯体の構造のみが異なり、それ以外は、防音パネル1と同様に構成されている。まず、同図(a)の防音パネル10では、芯体11が、表面側(同図では下側)の板材4に固定された芯材12と、これの裏面側(同図では上側)に設けられ、裏面側の板材4に固定された緩衝材13とで構成されている。一方、同図(b)の防音パネル20では、芯体21が、芯材22と、その表裏面にそれぞれ設けられ、表裏の板材4、4にそれぞれ固定された表裏一対の緩衝材23、23とで構成されている。これらの防音パネル10および20も、防音パネル1と同様の効果を得ることができる。また、特に、同図(a)の防音パネル10では、表面側の板材4にのみ芯材12が固定され、これを含む表面側の板材4と裏面側の板材4の質量が異なる。その結果、両板材4、4間での共鳴周波数が異なり、それにより、防音パネル全体としての共鳴を抑制でき、遮音性能を向上させることができる。
【0030】
また、図7は、防音パネルの別の変形例を示している。この防音パネル30は、上記の防音パネル1に対し、枠体の構造のみが異なり、それ以外は、防音パネル1と同様に構成されている。同図に示すように、防音パネル30では、枠体31の各横枠材32が、芯体3と同様に構成されている。すなわち、各横枠材32は、表裏の板材4、4にそれぞれ固定された一対の枠材本体33、33と、これらの間に設けられた緩衝材34とで構成されている。このように、各横枠材32に緩衝材34を設けることにより、両横枠材32、32による両板材4、4間のサウンドブリッジの発生を抑制でき、それに起因する遮音性能の低下を防止することができる。なお、図示しないが、防音パネル30の枠体31の各縦枠材を、緩衝材を有する上記横枠材32と同様に構成してもよい。この場合には、枠体31の全体において、両板材4、4間のサウンドブリッジの発生をより一層抑制できることによって、防音パネル30の遮音性能をより向上させることができる。
【0031】
また、上述した防音パネル1では、芯体3を左右の縦枠材5、5間に連結したが、図8(a)に示すように、芯体3を、上下の横枠材6、6間に連結するように配置してもよく、あるいは、同図(b)に示すように、芯体3を、縦枠材5、5間および横枠材6、6間にそれぞれ連結し、各芯体3によって分割された防音パネル50の分割部が互いに非対称になるように、両芯体3、3を枠体2の内側に十字状に配置してもよい。このような防音パネル40、50のいずれによっても、上記防音パネル1と同様の効果を得ることができ、特に、防音パネル50では、パネル自体の強度をより高めることができる。また、図9に示すように、枠体2の内側に、その対角線に沿って、芯体3を筋交いとして取り付けてもよい。この防音パネル60では、芯体3を縦枠材5、5間にのみ連結した防音パネル1や、芯体3を横枠材6、6間にのみ連結した防音パネル40に比べて、パネル自体の強度を高めることができる。
【0032】
図10は、緩衝材8を有する芯体3を、両縦枠材5、5の長さ方向の中央部間、および両横枠材6、6の長さ方向の中央部間にそれぞれ連結し、両芯体3、3を枠体2の内側に十字状に配置した防音パネル70を示している。図11は、この防音パネル70および比較例のそれぞれについて、遮音性能を確認するために実施した試験結果の一例を示している。この試験は、上記防音パネル70と、この防音パネル70の両芯体3、3に代えて、緩衝材を有しない芯体、すなわち芯材のみで構成された芯体を備えた比較例としての防音パネルについて、前述した防音パネル1に対する試験と同様に、JISA1416およびJISA1419−1に準拠して行ったものである。
【0033】
図11(a)および(b)は、防音パネル70および比較例についての試験結果をそれぞれ示している。同図(b)に示すように、緩衝材なしの芯体を備えた比較例では、音響透過損失Rは、周波数fが上昇するのに伴って、徐々に上昇し、遮音等級は、Dr−25である。これに対し、同図(a)に示すように、防音パネル70も、比較例と同様、周波数fの上昇に伴って、音響透過損失Rが徐々に上昇する傾向を示し、この音響透過損失Rは、約200Hz付近および500Hz付近において比較例よりも若干低い値を示すものの、全体として、比較例よりも高い値が得られている。そして、この防音パネル70の遮音等級も、比較例と同じDr−25である。このように、防音パネル70では、遮音等級が比較例と同じであるものの、両芯体3、3がいずれも緩衝材8を有しているため、表裏の板材4、4間に芯体3、3を介してサウンドブリッジが生じるのを抑制できることによって、防音パネル全体として、遮音性能が向上することが確認された。
【0034】
なお、本発明は、説明した実施形態や変形例に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、芯体3の表裏の芯材7、7の厚さを同じにしたが、これらの厚さを互いに異なるようにしてもよい。この場合には、両芯材7、7の質量が異なるため、それらがそれぞれ固定された表裏の板材4、4の芯材を含めた質量が異なる。その結果、両板材4、4間での共鳴周波数が異なり、それにより、防音パネル全体としての共鳴を抑制でき、遮音性能を向上させることができる。また、互いに厚さが同じ表裏の芯材7、7を互いに異なる比重の材料で構成してもよい。この場合も、両芯材7、7の質量が異なることによって、上記の場合と同様に、防音パネルの共鳴を抑制でき、遮音性能を向上させることができる。さらに、実施形態や変形例では、表裏の板材4、4、枠体2および芯体3で囲まれた空間を空にしているが、防音パネルに要求される遮音性能に応じて、その空間に、グラスウールやロックウールなどの吸音材を収容してもよい。その場合には、防音パネルの遮音性能をより向上させることができる。また、説明した防音パネルの各構成要素の材質は、あくまで例示であり、他の適当な材質を採用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態による防音パネルを示す斜視図である。
【図2】図1の防音パネルをII−II線で切断した断面図である。
【図3】防音パネルを芯体で分割したときの共鳴周波数の分布の一例を示す図であり、(a)防音パネルが倍数比で分割された場合、(b)防音パネルが非対称に分割された場合を示す。
【図4】(a)防音パネル、(b)比較例についての遮音性能の試験結果を示す図である。
【図5】防音パネルの遮音性能の試験方法を示す模式図である。
【図6】防音パネルの変形例を示す断面図である。
【図7】防音パネルの別の変形例を示す断面図である。
【図8】(a)芯体の配置位置の変形例、(b)芯体の数の変形例を示す防音パネルの正面図である。
【図9】芯体の配置位置の他の変形例を示す防音パネルの正面図である。
【図10】芯体を十字状に配置した防音パネルを示す正面図である。
【図11】(a)図10の防音パネル、(b)比較例についての遮音性能の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1、10、20、30、40、50、60、70 防音パネル
2、31 枠体
3、11、21 芯体
4 板材
4A 分割部
4B 分割部
5 縦枠材(第1枠材)
6、32 横枠材(第2枠材)
7、12、22 芯材
8、13、23、34 緩衝材
33 枠材本体




 

 


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