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発明の名称 オーディオ装置及びカラオケ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−93657(P2007−93657A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−279148(P2005−279148)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100084548
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 久夫
発明者 神谷 伸悟
要約 課題
キー変更によって実際の音声の音色と異なってしまうことを効果的に抑制することができるオーディオ装置等を提供する。

解決手段
音声データを記憶する記憶部12と、音声のキー設定の変更を指示する操作を受け付ける操作部14,1Aから操作信号を入力する操作信号入力手段と、この記憶部で記憶された音声データを再生する演奏処理を行うとともに、この音声信号に対して操作部で受け付けた変更指示に従ったキーに変更するキー変更処理を施す演奏手段21を備え、この音声信号をスピーカに出力するオーディオ装置1であって、記憶部12は、キーに応じた好適な周波数特性を示す周波数特性情報を更に記憶し、キー変更処理が施された音声信号の周波数特性を周波数特性情報に基づいて演奏手段21に補正させる演奏制御手段112を更に備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
音声データを記憶する記憶部と、音声のキー設定の変更を指示する操作を受け付ける操作部から操作信号を入力する操作信号入力手段と、この記憶部で記憶された音声データを再生する演奏処理を行うとともに、この再生した音声信号に対して前記操作部で受け付けた変更指示に従ったキーに変更するキー変更処理を施す演奏手段を備え、この音声信号をスピーカに出力するオーディオ装置であって、
前記記憶部は、キーに応じた好適な周波数特性を示す周波数特性情報を更に記憶し、
前記キー変更処理が施された音声信号の周波数特性を、前記周波数特性情報に基づいて前記演奏手段に補正させる演奏制御手段を更に備えた、
ことを特徴とするオーディオ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、演奏期間及びキーに応じた好適な周波数特性を示す複数の周波数特性情報を演奏期間に対応付けて記憶し、
前記演奏制御手段は、前記演奏手段による演奏処理にともなって前記周波数特性情報を取得して、この周波数特性情報に基づいて演奏期間及び設定キーに応じた周波数特性に補正するように前記演奏手段の周波数特性の補正を制御する、
請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記演奏制御手段は、前記周波数特性情報の示す周波数特性のスペクトル波形のスペクトル形状を算出し、前記演奏手段は、前記音声信号の周波数スペクトルが前記演奏制御手段で算出したスペクトル形状になるように周波数特性の補正を行う、
請求項1又は2に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のオーディオ装置を適用したカラオケ装置であって、
前記記憶部は、前記音声データとしてカラオケ楽曲データを記憶した、
ことを特徴とするカラオケ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、演奏音声のキー変更を行うことができるオーディオ装置及びカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演奏音声のキー変更を行うことができるオーディオ装置は広く知られている(例えば特許文献1を参照)。図8は、キー変更の処理を説明するための図である。キー変更処理では、所定時間間隔毎に演奏音声信号からフレームを切り出す。同図(a)は切り出した1フレーム分のデジタル音声信号を示す図である。
【0003】
従来のオーディオ装置は、切り出したフレームを所定の長さで分割する処理(分割処理)を行う。同図(a)では点線の位置でフレームが分割される。次に、分割フレーム毎にリサンプリングする処理(リサンプリング処理)を行う。このサンプリング間隔は、高いキーに変更する場合には元の音声信号のサンプリング間隔よりも短い間隔にされ、低いキーに変更する場合には逆に元のサンプリング間隔よりも長い間隔とされる。
【0004】
同図(b)は、(a)で示す音声信号に対してリサンプリング処理を行った後の音声信号を示す。ここでは、元のサンプリング間隔x1よりも長いx2をサンプリング間隔としてリサンプリングされており、元のキーよりも低いキーに変更する場合が示されている。この様にリサンプリングされた後の音声信号は元の音声信号と長さが変わってしまう。例えば、同図(b)で示すリサンプリング後の音声信号は、同図(a)で示す元の音声信号に比較して長さが長くなっている。
【0005】
この様に変化したリサンプリング後の音声信号の長さを元の長さにするために、高いキーに変更する場合には長さが短くなった分だけフレーム中の所定部分の音声信号を繰り返し用いる等の処理をオーディオ装置は行う。また、低いキーに変更する場合には、時間が長くなった分だけ同図(c)で示すように分割フレームを重ね合わせて加算合成する処理(重ね合わせ処理)を行う。このようにして、リサンプリング後の音声信号の長さを元の長さに戻すことができる。
【0006】
上述の様な、分割処理、リサンプリング処理及び重ね合わせ処理によって、演奏音声のキー変更を行うことができる。
【特許文献1】特開2000−172278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のオーディオ装置では、リサンプリング処理を行うため、リサンプリング前の音声信号と周波数特性が変わってしまう。例えば、図9の波形a1は元の音声信号の周波数スペクトル、波形a2は元の音声信号に対して低音方向にキーを変更した場合の周波数スペクトルを示す。波形a1,a2で示すように、低音方向にキーを変更する場合には、周波数成分のピークPが低音域方向に移動してしまう。一方、高音方向にキーを変更する場合には、周波数成分のピークが高音域方向に移動してしまう。
【0008】
実際の楽器演奏音等の音声では、キーが変更されても周波数スペクトルのピーク位置が大きく変更することはない。すなわち、楽器等の音源には固有の共振周波数があり、この共振周波数の音声成分が大きくなるため、実際の音声では周波数スペクトルのピーク位置がキーによって大きく変更することはない。
【0009】
上記から、キー変更処理が施された音声は実際の音声の音色と異なってしまい、このことはリスナに違和感を与えることになる。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、キー変更によって実際の音声の音色と異なってしまうことを効果的に抑制することができるオーディオ装置及びカラオケ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では以下の手段を採用している。
【0012】
(1)本発明は、音声データを記憶する記憶部と、音声のキー設定の変更を指示する操作を受け付ける操作部から操作信号を入力する操作信号入力手段と、この記憶部で記憶された音声データを再生する演奏処理を行うとともに、この再生した音声信号に対して前記操作部で受け付けた変更指示に従ったキーに変更するキー変更処理を施す演奏手段を備え、この音声信号をスピーカに出力するオーディオ装置であって、前記記憶部は、キーに応じた好適な周波数特性を示す周波数特性情報を更に記憶し、前記キー変更処理が施された音声信号の周波数特性を、前記周波数特性情報に基づいて前記演奏手段に補正させる演奏制御手段を更に備えた、ことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、音声データが記憶部から読み出されて、演奏手段によって音声データが再生される。ここで、操作部によって音声のキー設定の変更が指示されていない場合には、この音声信号はキー変更の処理が施されることなくスピーカに入力される。一方、操作部によって音声のキー設定の変更が指示された場合には、この音声信号は演奏手段によって操作部で受け付けた変更指示に従ったキーに変更される。このキー変更処理によって、周波数特性が元の音声信号とは異なってしまい、実際の音声信号の音色とは異なってしまう。
【0014】
本発明では、演奏制御手段によって、演奏手段は記憶部に記憶された周波数特性情報に基づいて周波数特性を補正させられる。このため、周波数特性情報を実際の音声の周波数特性を示す情報とすることで、実際の音声と同様の周波数特性となるように補正することができる。これによって、キー変更処理によって、実際の音色と音色が異なってしまうことを好適に防止することが可能となる。
【0015】
(2)本発明は、上記オーディオ装置において、前記記憶部は、演奏期間及びキーに応じた好適な周波数特性を示す複数の周波数特性情報を演奏期間に対応付けて記憶し、前記演奏制御手段は、前記演奏手段による演奏処理にともなって前記周波数特性情報を取得して、この周波数特性情報に基づいて演奏期間及び設定キーに応じた周波数特性に補正するように前記演奏手段の周波数特性の補正を制御する。
【0016】
上記構成によれば、音声データは、演奏期間及びキーに応じた好適な周波数特性を示す周波数特性情報をその演奏位置の部分に含む。そして、演奏手段によって、この音声データの読み出しにともなって周波数特性情報が取得される。そして、周波数特性情報に基づいて演奏期間及び設定キーに応じた周波数特性に補正するように、演奏制御手段によって演奏手段の周波数特性の補正が制御される。
【0017】
これによって、キー設定に応じた周波数特性に補正されるとともに、演奏期間に応じた周波数特性に補正することが可能となる。このため、演奏経過に応じて細かく周波数特性を補正することが可能となり、演奏経過に応じて音色が異なるような演奏曲であってもより実際の演奏音に近い音色で音声を提供することが可能となる。
【0018】
(3)本発明は、上記オーディオ装置において、前記演奏制御手段は、前記周波数特性情報の示す周波数特性のスペクトル波形のスペクトル形状を算出し、前記演奏手段は、前記音声信号の周波数スペクトルが前記演奏制御手段で算出したスペクトル形状になるように周波数特性の補正を行う。これによって、比較的簡易な処理で比較的正確に周波数特性情報に従った周波数特性の補正をすることが可能となる。
【0019】
(4)本発明は、上述したオーディオ装置を適用したカラオケ装置であって、
前記記憶部は、前記音声データとしてカラオケ楽曲データを記憶した、ことを特徴とするカラオケ装置である。これによって、キー変更の操作がユーザからなされても、実際のカラオケ演奏に近い音色で音声を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、周波数特性情報を実際の音声の周波数特性を示す情報とすることで、実際の音声と同様の周波数特性となるように補正することができる。これによって、キー変更処理によって、実際の音色と音色が異なってしまうことを好適に防止することができ、リスナに違和感を与えることなくキー変更後の音声を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図1〜図6を用いて、本発明をカラオケ装置1に適用した一実施形態を説明する。カラオケ装置1では、カラオケ楽曲の演奏を行うとともに、ユーザからキー設定の変更を指示するための操作があった場合に、演奏するカラオケ楽曲のキーを変更することができる。このカラオケ楽曲のキーの変更は、図8を用いて上述したキー変更処理によって行う。
【0022】
カラオケ装置1は、このキー変更処理によって音声信号は実際のカラオケ楽曲とは周波数特性が大きく異なってしまうが、本実施形態では、変更後のキーで演奏された実際のカラオケ楽曲の周波数特性(好適な周波数特性)と同様になるようにキー変更処理後の音声信号に対して周波数特性を補正する処理(周波数特性補正処理)を行う。これによって、キー変更後の音声信号の音色を実際のカラオケ楽曲と同様に補正することができる。
【0023】
図1は、本発明の周波数特性補正処理を説明するための図である。波形a2は、図9で示したキー変更後の音声信号の周波数スペクトルを示す。そして、カラオケ装置1は、実際のカラオケ楽曲の周波数スペクトルを示す周波数特性情報を記憶し、この周波数特性情報から実際のカラオケ楽曲のスペクトル波形形状である周波数カーブを算出する。波形a3は、この周波数カーブを示す。カラオケ装置1は、キー変更後の音声信号の周波数スペクトルが実際のカラオケ楽曲の周波数スペクトルと同じになるように補正する。
【0024】
具体的には、カラオケ装置1は、キー変更後の音声信号の周波数スペクトルが、周波数カーブの形状になるように補正する。例えば、波形a4で示す周波数特性を有するデジタルフィルタでキー変更後の音声信号を処理することで、この音声信号の周波数スペクトルは波形a3のように補正される。この様に補正した音声信号を用いることで、実際のカラオケ楽曲の演奏音に近い音色でリスナに音声を提供することができる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態にかかるカラオケ装置1の構成を示すブロック図である。図3は、操作部14及びリモコン1Aのキー変更の指示を入力する部分の外観構成を示す図である。図4は、図2で示した演奏処理部21の構成をより詳細に示すブロック図である。カラオケ装置1は、マイクロフォン2、スピーカ3及びモニタ4が接続されている。また、カラオケ装置1は、装置全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、図略のバスやコネクタを介してこれに接続された各種機器で構成されている。
【0026】
CPU11には、ハードディスク(以下、「HDD」と記載する)12、RAM(Random Access Memory)13が接続されるとともに、操作部14、赤外線受光部15、演奏処理部21、A/D(analog/digital)コンバータ22、ミキサ23、D/A(digital/analog)コンバータ24及びアンプ25が接続されている。これらの機器によってカラオケ曲の演奏やこの演奏曲のキー変更及び演奏曲への歌唱音声のミキシングが行われる。
【0027】
HDD12は、カラオケ曲の演奏を行うための演奏プログラム等のプログラムを記憶するとともに、このプログラムの実行に必要なデータを記憶する。HDD12は、曲データ記憶部121及び映像データ記憶部122を機能的に備える。曲データ記憶部121は、カラオケ曲を演奏するためのカラオケ楽曲データD1を記憶する領域である。
【0028】
図5は、カラオケ楽曲データD1を示す図である。カラオケ楽曲データD1は、MP3(MPEGaudio layer 3)の形式で圧縮されたデジタルオーディオデータであり、複数のトラックから構成されている。同図(a)で示すように、この複数のトラックは、楽曲データD10を記憶する楽曲トラックT1、楽曲データD10に対応する歌詞データD11を記憶する歌詞トラックT2及び周波数特性データD12を記憶する周波数情報トラックT3である。
【0029】
楽曲データD10は、例えば1/75secの時間長のフレーム(セクタ)に分割された1曲分のオーディオデータであり、各フレームの先頭にはタイムコードを含むヘッダを含む。歌詞データD11は、歌詞の表示、色換え、消去を示すイベントデータとともに、このイベントデータを処理するタイミングを規定するタイミングデータを含む。
【0030】
この歌詞データD12のタイミングデータは、カラオケ楽曲の演奏が行われた場合に、この演奏に同期して歌詞が表示されるように設定されているとともに、演奏後の部分の歌詞が色変えされるようになっている。これによって、歌詞をカラオケ楽曲の演奏に同期させてモニタ4に表示させることができるとともに、この演奏に同期させて歌詞パターンの色変えを行うことができる。
【0031】
また、周波数特性データD12は、複数の周波数特性情報及びこの周波数特性情報を処理するタイミングを規定するタイミングデータを含む。タイミングデータは、カラオケ楽曲の演奏が行われた場合に、演奏経過に対応した周波数特性を示す周波数特性情報を処理することができるように設定されている。周波数特性情報は、タイミングデータで規定された、対応する演奏期間における好適な周波数特性を示す。なお、同図(a)では、歌詞データD11のイベントデータ及び周波数特性情報は、楽曲データD10における処理タイミングの同じデータに並列するように模式的に記載する。
【0032】
例えば、周波数特性情報d1は、演奏期間t1のデータにおける好適な周波数特性を示す。また、周波数特性情報d2は、演奏期間t2のデータにおける好適な周波数特性を示す。これによって、カラオケ楽曲の演奏経過に応じて好適な周波数特性を示すことができる。
【0033】
同図(b)で示すように、周波数特性情報は、複数のキー設定に応じた好適な周波数特性を示すデータを含む。具体的には、オリジナルキーに応じて好適な周波数特性を示すデータとともに、これより高音及び低音の幾つかのキーに応じた好適な周波数特性を示すデータを含む。これによって、周波数特性情報は、演奏期間(演奏位置)及びキー設定に応じた好適な周波数特性を示すことになる。
【0034】
なお、上記周波数特性情報は、例えば対応する演奏期間において、主として用いられている楽器の種類やカラオケ楽曲の倍音成分等に基づいて生成されている。
【0035】
図2に戻って、映像データ記憶部122は、モニタ4に表示するための背景画像の映像データ(背景映像データ)D2などを記憶する領域である。RAM13は、CPU11の作業領域であり、HDD12からプログラムやカラオケ楽曲データD1及び背景映像データD2を読み出すエリアが設定されている。
【0036】
操作部14は、例えば、パネルスイッチ群等からなり、利用者からの操作を受け付けて操作内容を示す操作信号をCPU11(後述の操作入力処理部111)に入力する。また、赤外線受光部15は、本カラオケ装置1の付属のリモートコントローラ(リモコン)1Aの出力した操作内容を示す赤外光を操作信号として受信する。赤外線受光部15は、受信した操作信号をCPU11(後述の操作入力処理部111)に入力する。
【0037】
上述した操作部14やリモコン1Aを用いての操作には、例えばカラオケ楽曲を識別する曲番号を入力して演奏予約するカラオケ楽曲を選択する操作や、演奏されるカラオケ楽曲のキー変更の指示を入力するためのキーコン操作等がある。
【0038】
図3を参照して、操作部14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるキー表示部201と、キーアップボタン202及びキーダウンボタン203を備える。上述したキー変更の指示は、キーアップボタン202やキーダウンボタン203を用いて入力される。具体的には、キーアップボタン202をユーザが指等で押下した回数に応じてオリジナルキーから高音方向にキーが変更される。また、キーダウンボタン203をユーザが指等で押下した回数に応じてオリジナルキーから低音方向にキーが変更される。
【0039】
例えば、キーアップボタン202を1回押下すると「+1」となり、キーダウンボタン203を一回押下すると「−1」となる。「+1」でオリジナルキーより半音分キーが高くなり、「−1」でオリジナルキーよりも半音分キーが低くなる。また、キーアップボタン202及びキーダウンボタン203を同時に押下すると、キー設定はオリジナルキーに復帰される。そして、オリジナルキーからのキーの変更量(例えば、「−1」や「+1」等)はキー表示部201に表示される。
【0040】
図2に戻って、演奏処理部21は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等で実現される。演奏処理部21は、CPU11(後述の演奏制御部112)からカラオケ楽曲データD1が順次入力される。演奏処理部21は、入力したカラオケ楽曲データD1をデコードする処理を行う。そして、演奏処理部21は、入力したカラオケ楽曲データD1を再生して音声信号に変換する演奏処理を行う。
【0041】
図4は、図2で示した演奏処理部21の構成をより詳細に示すブロック図である。演奏処理部21は、プログラムを実行することによって、デコード処理部211、キー変更処理部212及び周波数特性補正部213を備える。
【0042】
デコード処理部211は、入力したカラオケ楽曲データD1をデコードして音声信号とする処理を行う。デコード処理部211は、伸長した音声信号をキー変更処理部212に入力する。
【0043】
キー変更処理部212は操作入力処理部111からキーの変更量(例えば、+1や−1等)が設定される。この後、キー変更処理部212は、キーの変更量が設定されているときには、入力した音声信号に対して設定されたキーの変更量だけキーを変更する処理を行う。キーの変更量が設定されていないときには、キー変更処理部212は、入力した音声信号に対してキー変更処理を行わずそのまま通過させる。このキー変更後の音声信号は、周波数特性が元の音声信号とは異なってしまい、周波数スペクトルのピーク値が高音方向にキー変更を行った場合には高音方向にずれ、低音方向にキー変更を行った場合には低音方向にずれる。
【0044】
そして、キー変更処理部212は、キー変更処理を施した音声信号を周波数特性補正部213に入力する。周波数特性補正部213は、入力した音声信号に対して、図1を用いて上述したような周波数特性補正処理を施す。
【0045】
具体的には、周波数特性補正部213はデジタルフィルタとして機能し、演奏制御部112から図1の波形a3で示すような周波数カーブが入力されたときに、この周波数カーブ及び入力した音声信号を用いて図1の波形a4で示すような特性のフィルタ係数を算出する。そして、周波数特性補正部213は算出したフィルタ係数を自己設定する。これによって、周波数特性補正部213を通過した音声信号のスペクトル波形は波形a3で示すような形状に補正される。周波数特性補正部213は、周波数特性補正後の音声信号をミキサ23に入力する。
【0046】
図2に戻って、A/Dコンバータ22は、マイクロフォン2によって入力された、歌唱者の歌唱音声信号をデジタル信号に変換しミキサ23に出力する。
【0047】
ミキサ23は、演奏処理部21からカラオケ楽曲の音声信号を入力するとともに、マイクロフォン2−A/Dコンバータ22を介して歌唱者の歌唱音声信号を入力する。ミキサ23はこれらのカラオケ楽曲の音声信号及び歌唱音声信号に対してエコーなどの効果を付与するとともに、これらの信号を適当なバランスでミキシングする。ミキサ23は、ミキシングしたデジタルの音声信号をD/Aコンバータ24に入力する。ミキサ23が各音声信号に付与する効果およびミキシングのバランスはCPU11によって制御される。
【0048】
D/Aコンバータ24は、入力したデジタル音声信号をアナログ信号に変換してアンプ25に入力する。アンプ25は、入力した音声信号を増幅してスピーカ3に入力する。これによって、スピーカ3から歌唱音声が放音されるとともに、ユーザ所望のキーでかつ実際のカラオケ楽曲の演奏に近い音色でカラオケ楽曲が放音される。
【0049】
また、CPU11には、MPEGデコーダ31、合成回路32が接続されており、これらの機器によってモニタ4に歌詞テロップが合成された背景画像が表示される。
【0050】
MPEGデコーダ31は、入力されたMPEGデータをNTSC(National Television System Committee)の映像信号に変換して合成回路32に入力するものである。例えば、MPEGデコーダ31は、CPU11(後述の背景映像再生処理部114)から入力される、MPEG2形式にエンコードされた背景映像データD2の信号変換を行う。MPEGデコーダ31は、この変換後の信号を合成回路32に出力する。
【0051】
合成回路32は、MPEGデコーダ31から出力された背景映像の映像信号に歌詞テロップなどのOSD(On Screen Display)を合成する回路である。モニタ4は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、LCD(LiquidCrystal Display)等であり、合成回路32から出力された画像を表示する。
【0052】
CPU11には、更に通信部33が接続されている。通信部33は例えばLAN(Local AreaNetwork)やインターネット等の広域ネットワークを介して通信を行うためのインタフェース回路である。
【0053】
CPU11は、プログラムの実行によって、操作入力処理部111、演奏制御部112、歌詞シーケンサ113、背景映像再生処理部114及び通信処理部115を機能的に含んでいる。
【0054】
操作入力処理部111は、操作部14から入力された操作信号に従った処理を実行する。例えば、演奏予約曲であるカラオケ曲の曲番号を示す操作信号を入力した場合には、この曲番号を演奏制御部112に通知する。
【0055】
そして、キーの変更を示す操作信号を入力した場合には、操作入力処理部111は、変更指示に応じたキーの変更量をキー変更処理部212に設定するとともに、このキー変更指示に従ったキー設定を演奏制御部112に通知する。この通知を受けた演奏制御部112及び演奏処理部21の動作については、詳しくは後述する。
【0056】
演奏制御部112は、操作入力処理部111から通知された曲番号に応じたカラオケ楽曲データD1を読み出す。すなわち、演奏制御部112は、演奏開始前に歌詞トラックの歌詞データD11及び周波数特性データD12を読み出してRAM13に格納させる。
【0057】
演奏制御部112は、楽曲データD10をHDD12から順次読み出して、デコード処理部211に入力する。これとともに、演奏制御部112は、周波数特性データD12のタイミングデータに合わせてRAM13から周波数特性情報を順次読み出すとともに、歌詞データD11のタイミングデータに合わせてイベントデータの読み出しを歌詞シーケンサ113に指示する。
【0058】
演奏制御部112は、読み出した周波数特性データD12の周波数特性情報を用いて、演奏期間及びキー設定に応じた好適な周波数特性を取得する。具体的には、演奏制御部112は、キー設定が操作入力処理部111に通知されるが、この通知されたキー設定に応じた周波数特性を周波数特性情報から取得する。なお、周波数特性情報に、変更可能な全てのキー設定に対応するデータが含まれていない場合には、キー設定に最も近いキーの周波数特性を取得する。
【0059】
演奏制御部112は、この取得した周波数特性の周波数カーブ(図1の波形a3を参照)を算出する。なお、キー設定に最も近いキーの周波数特性を取得した場合には、この周波数特性の周波数カーブを補正することでキー設定に応じた周波数カーブを算出する。そして、演奏制御部112は、算出した周波数カーブを周波数特性補正部213に入力する。これによって、演奏制御部112は、演奏処理部21の周波数特性の補正を制御する。
【0060】
歌詞シーケンサ113は、演奏制御部112から歌詞データD11の読み出しの指示があったときに、歌詞データD11をRAM13から順次読み出す。歌詞シーケンサ113は、読み出した歌詞データD11に含まれるタイミングデータに合わせてイベントデータを処理することで歌詞パターンを生成し、合成回路32に入力する。
【0061】
背景映像再生部33は、例えば、演奏制御部112からの指示があったときに、選択されたカラオケ楽曲に対応した背景映像データD2を順次読み出して、合成回路32に出力する。通信処理部115は、通信部33を用いて通信を行う。具体的には、通信処理部115は、カラオケ楽曲データD1を配信するセンタサーバからカラオケ楽曲データD1のダウンロードを行って、HDD12に記憶させる。
【0062】
図6は、図2で示す演奏制御部112が実行するカラオケ楽曲の演奏処理を示すフローチャートである。
【0063】
まず、演奏制御部112は、曲番号が通知されたときに、この曲番号に対応するカラオケ楽曲データD1における歌詞データD11及び周波数特性データD12を曲データ記憶部121から読み出してRAM12に入力する(S1)。そして、演奏制御部112は、曲データ記憶部121から楽曲データD10を順次読み出して、デコード処理部211に入力する(S2)。これとともに、演奏制御部112はカラオケ楽曲データD1のヘッダに含まれるカラオケ映像データを選択するための情報に基づいて、カラオケ映像データD2の読み出しを背景映像再生処理部114に指示する。
【0064】
演奏制御部112は、周波数特性データD1に含まれるタイミングデータを用いて、周波数特性データD1の読み出しタイミングが到来したかどうかを判断する(S3)。周波数特性データD1の読み出しタイミングが到来したと判断した場合には(S3でYES)、演奏制御部112は、周波数特性情報に基づいて上述したように周波数カーブを算出する(S4)。そして、演奏制御部112は、算出した周波数カーブを周波数特性補正部213に入力する(S5)。この周波数カーブが入力された、周波数特性補正部213では、上述したように、周波数カーブを用いて入力した音声信号の周波数特性を補正する処理が行われる。
【0065】
この後、演奏制御部112は、全ての楽曲データD10を読み出したかを判断し(S6)、全ての楽曲データD10を読み出したと判断した場合には(S6でYES)、本処理を終了させる。一方、全ての楽曲データD10を読み出したと判断しなかった場合には(S6でNO)、演奏制御部112は本処理をステップS3に戻す。
【0066】
周波数特性データD1の読み出しタイミングが到来したと判断しなかった場合には(S3でNO)、演奏制御部112は歌詞データD11の読み出しタイミングが到来したかどうかを判断する(S7)。歌詞データD11の読み出しタイミングが到来していないと判断した場合には(S7でNO)、演奏制御部112は上述のステップS6を実行する。
【0067】
歌詞データD11の読み出しタイミングが到来したと判断した場合には(S7でYES)、演奏制御部112はRAM12から歌詞データD11の読み出しを歌詞シーケンサ113に指示する(S8)。この後、演奏制御部112は、上述のステップS6を実行する。
【0068】
図7は、図2で示す操作入力処理部111が実行するキー変更のための処理を示すフローチャートである。本処理は、上述したカラオケ楽曲の演奏処理と並列に実行される。まず、操作入力処理部111は、キー設定の変更指示が入力されたかを、入力されたと判断するまで所定時間間隔毎に繰り返し判断する(S11)。
【0069】
キー設定の変更指示が入力されたと判断した場合に(S11でYES)、操作入力処理部111はキー設定の変更指示に従ったキー設定を演奏制御部112に通知する(S12)。この後、演奏制御部112は、キー設定の変更指示に従った現在のキー設定からの変更量をキー変更処理部212に設定する。この後、操作入力処理部111は、本処理をステップS11に戻す。
【0070】
上述した構成によって、本実施形態では、演奏制御部112によって、演奏期間(位置)及びキー設定に応じた好適な周波数特性が周波数特性情報によって取得される。この取得された周波数特性に基づいて、この周波数特性のスペクトル波形の形状を示す周波数カーブが算出されて周波数特性補正部213に入力される。そして、周波数特性補正部213によって、音声信号のスペクトル波形が周波数カーブに合致するように、音声信号の周波数特性の補正が行われる。
【0071】
これによって、キー変更後の音声信号の周波数特性をキー設定に応じた実際のカラオケ楽曲の演奏に近い周波数特性に補正することができる。このため、キー変更のよって元の音声信号の周波数特性と異なってしまうことで、音色変化が生じ、これによって、リスナに違和感を与えることを効果的に防止することができる。更に、キー設定に応じた実際のカラオケ楽曲の演奏の音色に近い音声を提供することができる。
【0072】
これとともに、カラオケ楽曲の演奏位置に応じた実際のカラオケ楽曲の演奏に近い周波数特性に補正することができる。これによって、実際のカラオケ楽曲の演奏経過にともなった音色変化と同様の音色変化を実現することができ、より実際のカラオケ楽曲に近い音色で音声を提供することができる。
【0073】
また、周波数カーブを用いて周波数特性の補正を行うため、比較的簡易かつ正確に周波数特性の補正を行うことができる。
【0074】
本実施形態は、以下の変形例を採用することができる。
【0075】
(1)本実施形態では、音声データに周波数特性情報を含むが、音声データとは別に周波数特性情報が記憶されてもよい。また、周波数特性情報は、演奏位置及び設定キーに応じた周波数特性を示すが、これに限定されず設定キーに応じた周波数特性を示すのみであってもよい。この場合には、キー設定の変更操作が有る毎に周波数特性情報が参照されて、周波数カーブが算出され、この周波数カーブに基づいて音声信号の周波数特性が変更される。
【0076】
(2)なお、本発明はカラオケ装置に適用されるのに限定されない。本発明は、キー変更を行う機能を備えたオーディオ機器であれば適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の周波数特性補正処理を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるカラオケ装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】操作部及びリモコンのキー変更の指示を入力する部分の外観構成を示す図である。
【図4】図2で示した演奏処理部21の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図5】カラオケ楽曲データD1を示す図である。
【図6】図2で示す演奏制御部112が実行するカラオケ楽曲の演奏処理を示すフローチャートである。
【図7】図2で示す演奏制御部112が実行するキー変更のための処理を示すフローチャートである。
【図8】キ―変更処理を説明するための図である。
【図9】キー変更前及びキー変更後の音声信号の周波数スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1−カラオケ装置 1A−リモコン(操作部) 3−スピーカ 12−HDD(記憶部) 14−操作部 15−赤外線受光部 21−演奏処理部(演奏手段) 111−操作入力処理部(操作信号入力手段) 112−演奏制御部(演奏制御手段) a3−周波数カーブ(スペクトル形状) D1−カラオケ楽曲データ(音声データ) d1,d3−周波数特性情報




 

 


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