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発明の名称 オーディオ再生装置、オーディオ配信システム、オーディオ再生プログラムおよびオーサリングプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−79413(P2007−79413A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−269971(P2005−269971)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 川嶋 隆宏 / 鳥羽 伸和
要約 課題
歌唱音付きのオーディオデータを用いてカラオケ機能を実現することが可能なオーディオ再生装置を提供する。

解決手段
プレイヤー22は、歌唱音付きのオーディオデータとテキストデータとグラフィックデータとテキスト・グラフィックの描画のためのシーケンス情報を持つマルチメディアファイル21をデータディスク5から読み取る。マルチメディアファイル21内のオーディオデータはデコード後に歌唱音キャンセルモジュール24で歌唱音がキャンセルされ、D/A部7を介してスピーカ8から再生される。一方、マルチメディアファイル21内のテキストデータおよびグラフィックデータは共に、デコード後に描画モジュール9へと出力される。描画モジュール9は、マルチメディアファイル21内のシーケンス情報に従い、オーディオの再生に合わせてテキストおよびグラフィックをディスプレイに表示する。
特許請求の範囲
【請求項1】
オーディオデータと一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを記憶するデータ記憶手段と、
前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、
前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、
前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記シーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段と
を具備することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項2】
前記データ記憶手段は、一または複数の画像データと前記画像データ表示用のシーケンス情報を示す第2のシーケンスデータとをさらに記憶し、
前記描画制御手段は、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時にさらに前記第2のシーケンスデータに基づいて前記画像データの表示を制御することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ再生装置。
【請求項3】
前記データ記憶手段は、MIDI形式の楽曲データをさらに記憶し、
前記オーディオ再生手段は、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータの再生と同期して前記楽曲データを再生することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーディオ再生装置。
【請求項4】
前記データ記憶手段は、歌唱音をキャンセルする期間を指定するキャンセル期間情報をさらに記憶し、
前記歌唱音キャンセル手段は、前記キャンセル期間情報に基づいて前記オーディオデータの歌唱音をキャンセルすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。
【請求項5】
前記オーディオデータ再生手段でのオーディオデータ再生時に、ユーザの指示により前記歌唱音キャンセル手段の歌唱音キャンセル処理を実行または停止させることが可能な請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。
【請求項6】
オーディオデータとテキストデータを記憶する記憶手段と、前記オーディオデータに対して一または複数の前記テキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加したマルチメディアファイルを制作するマルチメディアファイル制作手段と、前記制作したマルチメディアファイルを配信する配信手段を具備する配信サーバと、
前記配信されたマルチメディアファイルを受信し記憶するデータ記憶手段と、前記マルチメディアファイルに含まれるオーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記マルチメディアファイルに含まれるシーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段とを具備するオーディオ再生装置と
から構成されることを特徴とするオーディオ配信システム。
【請求項7】
オーディオデータとテキストデータとを記憶する記憶手段と、前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータに対して一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータを付加したマルチメディアファイルを制作するマルチメディアファイル制作手段と、前記制作したマルチメディアファイルを配信する配信手段を具備する配信サーバと、
前記配信されたマルチメディアファイルを受信し記憶するデータ記憶手段と、前記マルチメディアファイル内のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記マルチメディアファイルに含まれるシーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段とを具備するオーディオ再生装置と
から構成されることを特徴とするオーディオ配信システム。
【請求項8】
コンピュータに、
オーディオデータと一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを記憶させるデータ記憶手順と、
前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手順と、
前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手順と、
前記オーディオ再生手順でのオーディオデータ再生時に前記シーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手順と
を実行させるためのオーディオ再生プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
オーディオデータに対して、一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加する手順を実行させるためのオーサリングプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手順と、
前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータに対して、一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加する手順と
を実行させるためのオーサリングプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオデータを再生可能なオーディオ再生装置、オーディオ配信システム、オーディオ再生プログラムおよびオーディオデータを編集するオーサリングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽曲データを再生可能な携帯電話機等の楽曲再生装置においては、歌唱音のないMIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式の楽曲データを用いたカラオケ機能を有するものが開発されている。このような携帯電話機におけるカラオケ機能は、MIDI音源を使用して再生する音楽と同期してグラフィックデータやテキストデータを表示することによって実現されている。
【0003】
一方、通信回線の大容量化に伴い、オリジナルの歌唱音付きの楽曲をCD(Compact Disc)のクオリティに匹敵するオーディオデータとして携帯電話機に配信するサービスが開始されている。
なお、本出願に関する従来技術の参考文献として、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2001−197168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の携帯電話機においては、カラオケ機能でMIDI形式の楽曲データを用いるため、再生される演奏はCDのクオリティと比較してリアル感に欠けるものとなる。また、カラオケ機能を利用する際には、携帯電話機内に歌唱音付きのオリジナルの楽曲を保持していたとしても、新たにMIDI形式の楽曲データを取得する必要があった。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、歌唱音付きのオーディオデータを用いてカラオケ機能を実現することが可能なオーディオ再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、オーディオデータと一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを記憶するデータ記憶手段と、前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記シーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段とを具備することを特徴とするオーディオ再生装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記データ記憶手段は、一または複数の画像データと前記画像データ表示用のシーケンス情報を示す第2のシーケンスデータとをさらに記憶し、前記描画制御手段は、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時にさらに前記第2のシーケンスデータに基づいて前記画像データの表示を制御することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記データ記憶手段は、MIDI形式の楽曲データをさらに記憶し、前記オーディオ再生手段は、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータの再生と同期して前記楽曲データを再生することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記データ記憶手段は、歌唱音をキャンセルする期間を指定するキャンセル期間情報をさらに記憶し、前記歌唱音キャンセル手段は、前記キャンセル期間情報に基づいて前記オーディオデータの歌唱音をキャンセルすることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記オーディオデータ再生手段でのオーディオデータ再生時に、ユーザの指示により前記歌唱音キャンセル手段の歌唱音キャンセル処理を実行または停止させることが可能であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、オーディオデータとテキストデータを記憶する記憶手段と、前記オーディオデータに対して一または複数の前記テキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加したマルチメディアファイルを制作するマルチメディアファイル制作手段と、前記制作したマルチメディアファイルを配信する配信手段を具備する配信サーバと、前記配信されたマルチメディアファイルを受信し記憶するデータ記憶手段と、前記マルチメディアファイルに含まれるオーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記マルチメディアファイルに含まれるシーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段とを具備するオーディオ再生装置とから構成されることを特徴とするオーディオ配信システムである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、オーディオデータとテキストデータとを記憶する記憶手段と、前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手段と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータに対して一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータを付加したマルチメディアファイルを制作するマルチメディアファイル制作手段と、前記制作したマルチメディアファイルを配信する配信手段を具備する配信サーバと、前記配信されたマルチメディアファイルを受信し記憶するデータ記憶手段と、前記マルチメディアファイル内のオーディオデータを再生するオーディオ再生手段と、前記オーディオ再生手段でのオーディオデータ再生時に前記マルチメディアファイルに含まれるシーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手段とを具備するオーディオ再生装置とから構成されることを特徴とするオーディオ配信システムである。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータに、オーディオデータと一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを記憶させるデータ記憶手順と、前記オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手順と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータを再生するオーディオ再生手順と、前記オーディオ再生手順でのオーディオデータ再生時に前記シーケンスデータに基づいて前記テキストデータの表示を制御する描画制御手順とを実行させるためのオーディオ再生プログラムである。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、コンピュータに、オーディオデータに対して、一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加する手順を実行させるためのオーサリングプログラムである。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、コンピュータに、オーディオデータから歌唱音をキャンセルする歌唱音キャンセル手順と、前記歌唱音をキャンセル後のオーディオデータに対して、一または複数のテキストデータと前記テキストデータ表示用のシーケンス情報を示すシーケンスデータとを付加する手順を実行させるためのオーサリングプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オリジナルの歌唱曲のオーディオデータに対して歌唱音をキャンセルする処理を行った上で再生可能であるため、ユーザはオリジナルの歌唱曲の伴奏に合わせてカラオケを楽しむことができる。また、一つの歌唱音付きのオーディオデータを、そのまま再生して音楽鑑賞に用いることも歌唱音をキャンセルしてカラオケに用いることもできる。さらにまた、オーディオデータから歌唱音をキャンセルする期間を指定することで、歌唱音キャンセル処理による伴奏部分の音質の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機(オーディオ再生装置)の構成を示す構成図である。図1において、CPU1は携帯電話機内の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)である。
【0018】
ROM2は、CPU1が実行するプログラム等を保持するROM(Read Only Memory)である。RAM3は、CPU1が使用するメモリ領域を提供するRAM(Random Access Memory)である。
【0019】
インタフェース4は、シリアル通信またはパラレル通信によりデータディスク5と接続するためのインタフェースである。データディスク5(データ記憶手段)は、マルチメディアファイルを格納するディスクであり、CPU1はインタフェース4を介してデータディスク5内のマルチメディアファイルを読み取る。ここで、マルチメディアファイルとは、オーディオデータにグラフィックデータ(画像データ)、テキストデータ、MIDIデータ等を合わせたファイルを指す。
【0020】
図2は、マルチメディアファイルのフォーマット構造の一例を示した図である。図2において、フォーマット構造内のデータはChunk単位で管理される。Contents Info Chunkには、コンテンツの種別やコンテンツ複製許可等の、ファイル管理用のデータが格納される。Optional Data Chunkには、楽曲データの固有情報が含まれる。
【0021】
MIDI Track Chunkには、音源11によって再生されるシーケンスデータ等が格納される。Setup Data Chunkには、MIDI Track Chunk全体における設定パラメータや音色パラメータ、エフェクトデータ等が格納される。Sequence Data Chunkには、音源11によって再生されるシーケンスデータが格納される。
【0022】
ここで、シーケンスデータとは、時間情報を持つMIDIイベントの集合体である。MIDIイベントは、例えば、発音イベント(ノートオン/オフ)や音色イベント(プログラムチェンジ)、音量変更やパンポット変更のためのイベント(コントロールチェンジ)、ピッチ変更イベント(ピッチチェンジ)等である。
【0023】
Audio Track Chunkには、サンプリングされたオーディオデータと実際の発音を行うためのシーケンスデータが格納される。Setup Data Chunkには、Audio Track Chunk全体における設定パラメータが格納される。Sequence Data Chunkには、オーディオデータを発音するためのシーケンスデータが格納される。
【0024】
ここで、シーケンスデータは、時間に同期して発音、消音するためにオーディオデータと結び付けられたイベントと、タイミングを指定するためのDurationからなる。また、音量変更やパンポット変更のためのイベント等もシーケンスデータに含まれる。
【0025】
Wave Data Chunkには、実際のオーディオデータが特定の圧縮オーディオフォーマットで圧縮されて格納される。Wave Data Chunkのヘッダーには、オーディオデータの種類やサンプリング周波数、ビット等の情報が格納される。なお、一つのWave Data Chunkが一つのオーディオデータに対応しており、Audio Track Chunk内に複数のWave Data Chunk(すなわち、複数のオーディオデータ)を格納することも可能である。
【0026】
Audio Track Chunk内では、各Wave Data Chunkに対してIDを割り当てることで管理され、このIDによってSequence Data Chunkの発音イベントと関連付けられる。なお、本実施形態は、一つのオーディオデータに同期して一つまたは複数のグラフィック(画像)やテキストを表示するものであるため、Audio Track Chunk内には一つのWave Data Chunkが格納される。
【0027】
Graphics Track Chunkには、ディスプレイ10に表示を行うための描画シーケンスデータ、グラフィックデータ(画像データ)、テキストデータ等が格納される。Setup Data Chunkには、Graphics Track Chunk全体における設定パラメータが格納される。Sequence Data Chunkには、ディスプレイ10に描画するためのシーケンスデータが格納される。
【0028】
ここで、シーケンスデータは、座標を指定するための数値表現(Coordinates)と表示タイミングや表示時間長等を指定するための数値表現(Duration)で表され、テキストや画像を時間に同期して表示、消去するためのシーケンスが記述される。
【0029】
Graphics Track Chunkは複数の仮想プレーンを持つ表示デバイスを想定しており、Graphics Track Chunkには各仮想プレーンに対応したSequence Data Chunkを複数格納することができる。この場合、実際の表示デバイス(ディスプレイ10)には仮想プレーンを合成した結果が表示される。
【0030】
図1に戻って、DSP6は、図2のAudio Track Chunk内に格納されたオーディオデータのファイル形式に対してリアルタイムでデコード処理を行うDSP(Digital Signal Processor)である。D/A部7は、DSP6でデコードされたオーディオデータまたは、音源11で生成されたデジタル楽音データをアナログ音声信号に変換するDAC(Digital-to-Analog Converter)である。スピーカ8(オーディオ再生手段)は、D/A部7で変換されたアナログ音声信号を発音するスピーカである。
【0031】
描画モジュール9(描画制御手段)は、マルチメディアファイル内のグラフィックデータおよびテキストデータに基づいて、ディスプレイ10への表示を制御するものである。ディスプレイ10は、描画モジュール9の出力を表示する表示器である。音源11は、図2のMIDI Track Chunk内に格納されたMIDI形式のメロディデータを解釈し、FM(Frequency Modulation)方式やWT(Wave Table)方式によってデジタル楽音データを生成する音源である。バスライン12は、携帯電話機内の各部を相互に接続するバスラインである。入力部13は、ユーザの指示を入力する操作キー等を有する入力部である。
【0032】
なお、本発明の携帯電話機は図1に示した機能以外に電話機能を備えているほか、電子メールによるファイルを送受信する機能およびインターネットによりファイルを取得する機能を備えている。また、LED(Light Emitting Diode)等の発光機能やバイブレータ等の振動機能を備えている。
【0033】
次に、上述した実施形態の動作を、図3から図5を参照して説明する。図3は、図1の携帯電話機で実行される機能を示す機能構成図であり、図4は図1の携帯電話機で歌唱曲を再生する手順を示す図である。
【0034】
ユーザが入力部13を使用して歌唱曲の選択指示を行うと(ステップS101)、CPU1の一機能として実現されるプレイヤー22は、データディスク5から該当するマルチメディアファイル21を読み出す(ステップS102)。ここで、マルチメディアファイル21は図2に示すフォーマット形式であり、一つのファイルの中に歌唱付きオリジナルのオーディオデータ(Audio Track Chunk内に格納される)と、一つまたは複数のテキストデータと一つまたは複数のグラフィックデータ(Graphics Track Chunk内に格納される)を含み、各データを時間軸上で同期することが可能である。
【0035】
続いて、ユーザが入力部13を使用して選択した歌唱曲の再生指示を行うと(ステップS103)、プレイヤー22はステップS102で読み出したマルチメディアファイル21の再生処理を開始する(ステップS104)。この後、プレイヤー22は、マルチメディアファイル21の各Chunk内に格納されたシーケンスデータに従って各時刻に行う処理を判断し、処理の対象となるデータの種類に応じて、当該データの出力先を振り分ける(ステップS105)。
【0036】
Audio Track Chunk内のオーディオデータを処理する場合は、プレイヤー22はDSP6の一機能であるオーディオデコーダ23へオーディオデータを出力する。オーディオデコーダ23は、入力したオーディオデータをリニアなオーディオデータフォーマットにリアルタイムでデコードする(ステップS106)。ここで、マルチメディアファイル21内に格納されるオーディオデータはMP3形式やAAC形式等のフォーマットで圧縮されている。
【0037】
オーディオデコーダ23でデコードされたオーディオデータは、続いてDSP6の一機能である歌唱音キャンセルモジュール24(歌唱音キャンセル手段)へ出力される。歌唱音キャンセルモジュール24は、入力したオーディオデータから歌唱音を検出し、検出した歌唱音をキャンセルする処理を行い、歌唱なしオーディオデータ25を生成する(ステップS107)。
【0038】
ここで、図2のマルチメディアファイルに歌唱音をキャンセルする期間(例えば、歌唱曲の開始からの時間)を指定するデータを加え、歌唱音キャンセルモジュール24は、指定された期間内のオーディオデータに対してのみ歌唱音キャンセルの処理を行うようにすることも可能である。
【0039】
また、ディスプレイ10の画面に歌唱音キャンセルのオン/オフを選択するためのボタンを表示し、歌唱曲の再生中にユーザが入力部13を操作して歌唱音キャンセルのオン/オフを可能である。ユーザの指示により歌唱音キャンセルモジュール24は歌唱音キャンセル処理を実行または停止する。
【0040】
歌唱音をキャンセルする方法に関しては、例えば、左右のステレオ音声信号からセンターに定位する成分を除去したり、中域の成分を除去するなどの方法が知られており、この歌唱音キャンセルの過程で行う帯域制限等の処理により歌唱音だけでなく演奏音の音質にも影響を与えるが、上述のように歌唱音をキャンセルする区間を指定することにより、演奏音のみの部分に関しては音質を維持することができる。
【0041】
歌唱音キャンセルモジュール24により生成された歌唱なしオーディオデータ25は、D/A部7でアナログオーディオ信号に変換され、アンプ(図示せず)で増幅された後にスピーカ8から発音される(ステップS108)。
【0042】
一方、ステップS105においてGraphic Track Chunk内のグラフィックデータを処理する場合には、プレイヤー22はCPU1の一機能であるグラフィックデコーダ26へグラフィックデータを出力する。グラフィックデコーダ26は、プレイヤー22から入力したグラフィックデータ(例えば、JPEG形式やPNG形式で圧縮されている)をディスプレイ10に表示するための実データにデコードする(ステップS109)。
【0043】
ステップS105においてGraphic Track Chunk内のテキストデータを処理する場合には、プレイヤー22はCPU1の一機能であるテキストデコーダ27へテキストデータを出力する。テキストデコーダ27は、プレイヤー22から入力したテキストデータをフォントに置き換え、ディスプレイ10に表示するための実データにデコードする(ステップS110)。
【0044】
ステップS109、ステップS110でデコードされたグラフィックデータおよびテキストデータは描画モジュール9へと出力される。描画モジュール9は、入力したグラフィックデータおよびテキストデータを元に、描画の時刻シーケンスに従って、歌詞(テキスト)のワイプやグラフィックの移動、表示切り替え等の処理を施し(ステップS111)、ディスプレイ10に表示する(ステップS112)。
【0045】
ステップS105においてMIDI Track Chunk内のMIDIデータを処理する場合には、プレイヤー22は音源11へMIDIデータを出力する。音源11は、入力したMIDIDデータに基づいてデジタル楽音データを生成する。生成されたデジタル楽音データは、D/A部7でアナログ楽音信号に変換され、アンプ(図示せず)で増幅された後にスピーカ8からメロディとして再生される(ステップS113)。
【0046】
その他、図2のマルチメディアファイルのフォーマット形式には記載していないが、歌唱曲の再生と同期してLEDを駆動すること(ステップS114)や、バイブレータを駆動すること(ステップS115)も可能である。
【0047】
一つのデータに関する処理が終了すると、歌唱曲の再生が終了していなければ(ステップS116:No)、ステップS105に戻り、プレイヤー22は次の時刻に行う処理を判断し、処理の対象となるデータの種類に応じて、当該データの出力先を振り分ける。以降、歌唱曲の再生中はステップS105〜ステップS116の処理を繰り返し実行する。
【0048】
このように、本実施形態に係る携帯電話機を用いることで、ユーザは歌唱付きのオーディオデータから歌唱音がキャンセルされた曲を聴き、携帯電話機のディスプレイ11に表示されるテキストやグラフィックを見ながらカラオケを楽しむことができる。
【0049】
また、カラオケで用いるオーディオデータは、従来使用されていたMIDIデータではなく、オリジナルの歌唱曲のデータであるため、ユーザはオリジナルの伴奏で歌唱することができる。さらにまた、音楽鑑賞用とカラオケ用とで複数のオーディオデータを用意する必要がなくなり、一つのオーディオデータを音楽鑑賞とカラオケの双方に用いることができる。
【0050】
続いて、歌唱付きのオーディオデータに歌詞(テキスト)データやグラフィックデータを組み合わせたマルチメディアファイルを制作する方法に関して説明する。マルチメディアファイルの制作方法は大きく分けて、ユーザが制作する方法と、歌唱曲を配信する配信サーバで行う方法の二通りが考えられる。
【0051】
ユーザがマルチメディアファイルを制作する場合には、既存の歌唱付きのオーディオデータと歌詞となるテキストデータやグラフィックデータを用意する。ユーザはパソコン上で専用のオーサリングツールを用いてテキストデータやグラフィックデータの表示タイミング等を示すシーケンスデータを作成し、オーディオデータに付加してマルチメディアファイルを制作する。マルチメディアファイルの制作後は、何らかの通信手段により、パソコンから携帯電話機へとマルチメディアファイルを転送する。
【0052】
次に、配信サーバでマルチメディアファイルを作成する場合に関しては、図5を参照して説明する。図5は、配信サーバから携帯電話機へオーディオをマルチメディアファイルの形式で配信するオーディオ配信システムの構成を示す構成図である。
【0053】
図5において、携帯電話機51(オーディオ再生装置)は、図1に示す構造の携帯電話機である。公衆回線網52は、携帯電話機51と配信サーバ53とを接続するネットワークである。配信サーバ53は、マルチメディアファイルを作成し、携帯電話機51へ配信するサーバである。データベース54(記憶手段)は、配信サーバ53と接続されたデータベースであり、歌唱曲のオーディオデータ、歌詞データ、グラフィックデータ等を保持する。
【0054】
続いて、図5のオーディオ配信ネットワークでマルチメディアファイルを携帯電話機51に配信するまでの手順を説明する。まず、ユーザは携帯電話機51のWEB画面上で配信を希望する歌唱曲を配信サーバ53に対して指定する。配信サーバ53は、指定された歌唱曲のオーディオデータと、対応する歌詞データおよびグラフィックデータとをデータベース54から読み出す。
【0055】
続いて、配信サーバ53は、読み出したオーディオデータ、歌詞データおよびグラフィックデータから図2のフォーマット形式のマルチメディアファイルを制作する(マルチメディアファイル制作手段)。最後に、配信サーバ53は、作成したマルチメディアファイルを携帯電話機51へと配信する(配信手段)。
【0056】
なお、一つのオーディオデータに対応する歌詞データおよびグラフィックデータをデータベース54に複数用意し、ユーザが携帯電話機51のWEB画面上で複数の歌詞データ・グラフィックデータの中から一つを選択し、配信サーバ53は選択された歌詞データ・グラフィックデータとオーディオデータとからマルチメディアファイルを制作することも可能である。
【0057】
また、ユーザがすでに歌唱付きのオーディオデータを所持している場合には、そのオーディオデータを携帯電話機51から配信サーバ53へと送信し、配信サーバ53からマルチメディアファイルの配信を受ける方法も考えられる。このとき、配信サーバ53は受信した歌唱付きオーディオデータに対応する歌詞データ・グラフィックデータをデータベース54から読み出し、マルチメディアファイルを作成した上で、オーディオデータの送信元である携帯電話機51へ当該マルチメディアファイルを配信する。
【0058】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態では、歌唱音をキャンセルする処理をオーディオの再生時に携帯電話機がリアルタイムに行っているが、パソコン上でオーサリングツール等を用いて行ってもよいし、図5の配信サーバ53でマルチメディアファイルの配信前に行ってもよい。また、オーディオデータは特定の形式で圧縮されている必要はなく、圧縮されていないオーディオデータに対しても本発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、カラオケ機能を有し、オーディオデータを再生可能なオーディオ再生装置に用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の構成を示す構成図である。
【図2】マルチメディアファイルのフォーマット構造の一例を示した図である。
【図3】図1の携帯電話機で実行される機能を示した機能構成図である。
【図4】図1の携帯電話機で歌唱曲を再生する手順を示す図である。
【図5】配信サーバから携帯電話機へオーディオをマルチメディアファイルの形式で配信するオーディオ配信システムの構成を示す構成図である
【符号の説明】
【0061】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…インタフェース、5…データディスク(データ記憶手段)、6…DSP、7…D/A部、8…スピーカ(オーディオ再生手段)、9…描画モジュール(描画制御手段)、10…ディスプレイ、11…音源、12…バスライン、13…入力部、24…歌唱音キャンセルモジュール(歌唱音キャンセル手段)、51…携帯電話機(オーディオ再生装置)、52…公衆回線網、53…配信サーバ、54…データベース(記憶手段)




 

 


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