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発明の名称 楽器用励振装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65200(P2007−65200A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−250018(P2005−250018)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人 【識別番号】100098084
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 研二
発明者 増田 英之 / 藤井 順治 / 東儀 温
要約 課題
楽器を励振するタイプの演奏装置であっても、テンポやピッチを自由に変えることができる楽器用励振装置を提供する。

解決手段
楽器用励振装置1のテンポ/ピッチ変更部14は、記憶部11から駆動波形自動演奏データD1を読み出す。このとき、テンポ指定部12またはピッチ指定部13によりテンポまたはピッチが指定された場合には、テンポ/ピッチ変更部14は指定された内容に応じて、波形に対して時間方向への伸縮演算(圧縮、伸長等)やタイムストレッチを行うことによって、テンポまたはピッチを変更し、変更した波形データを振動アクチュエータ駆動部16に供給する。一方、テンポ/ピッチ変更部17は、記憶部11から運指自動演奏データD2を読み出し、テンポ/ピッチ変更部17は指定された内容に応じてテンポまたはピッチを変更して、運指アクチュエータ駆動部18に変更したデータを供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】
楽器の特定部位に取り付けられ、供給される波形データに応じた励振を行う励振手段と、
演奏が行われている楽器の特定部位にて収録された波形データを前記演奏について記憶した演奏波形データ記憶手段と、
前記演奏波形データ記憶手段から前記波形データを読み出す波形データ読出手段と、
前記波形データ読出手段が読み出した波形データを、供給されるパラメータに応じて圧縮、伸張およびタイムストレッチの少なくともいずれか一つを行って加工し、加工後の波形データを前記励振手段に供給する波形変更手段と
を具備することを特徴とする楽器用励振装置。
【請求項2】
楽器の特定部位に取り付けられて励振を行う励振手段と、
楽曲の演奏に対応する各音符を示すデータを有する演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、
前記演奏データ記憶手段から前記演奏データを読み出す演奏データ読出手段と、
前記演奏データ読出手段が読み出す前記演奏データのテンポおよびピッチをパラメータに応じたものにする演奏データ修正手段と、
前記楽器の単音の発音に対応する励振波形を1もしくは複数の音階について記憶した波形記憶手段と、
前記演奏データ修正手段によって修正された自動演奏データが示す各音符の音高、音長に応じた励振波形になるように前記波形記憶手段から前記励振波形を読み出して加工する励振波形読出手段と
を具備することを特徴とする楽器用励振装置。
【請求項3】
楽器の特定部位に取り付けられて励振を行う励振手段と、
前記楽器の発音に関する物理モデルを信号処理によって実現して前記励振手段に与える励振波形を生成する物理モデル音源手段と、
前記物理音源モデル手段に発音指示を与えるデータを楽曲の演奏に対応して記憶した自動演奏データ記憶手段と、
前記自動演奏データ記憶手段から前記自動演奏データを読み出す自動演奏データ読出手段と、
前記自動演奏データ読出手段が読み出す前記自動演奏データのテンポおよびピッチを、パラメータに対応したものにする演奏データ修正手段と
を具備し、前記物理モデル音源手段は前記演奏データ修正手段によって修正された演奏データに応じて前記励振波形を生成することを特徴とする楽器用励振装置。
【請求項4】
前記励振手段が取り付けられる前記楽器を演奏を示す演奏操作情報であって、前記演奏波形データ記憶手段内に記憶されている演奏波形データに対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段と、
前記パラメータによって決定されるピッチまたはテンポに対応して前記操作情報記憶手段から前記操作情報を読み出す操作情報読出手段と、
前記楽器に取り付けられ前記楽器の操作子を操作するアクチュエータを有する演奏操作手段とを有し、
前記アクチュエータは、前記操作情報読出手段によって読み出された前記操作情報に応じて動作することを特徴とする請求項1記載の楽器用励振装置。
【請求項5】
前記励振手段が取り付けられる前記楽器の演奏を示す演奏操作情報であって、前記演奏データ記憶手段内に記憶されている演奏データに対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段と、
前記パラメータによって決定されるピッチまたはテンポに対応して前記操作情報記憶手段から前記操作情報を読み出す操作情報読出手段と、
前記楽器に取り付けられ前記楽器の操作子を操作するアクチュエータを有する演奏操作手段とを有し、
前記アクチュエータは、前記操作情報読出手段によって読み出された前記操作情報に応じて動作することを特徴とする請求項2または3記載の楽器用励振装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽器の所定部位を励振して音を出すことができる楽器用励振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械によって自動的に楽器を演奏する技術は広く知られており、例えば、自動的に演奏を行う自動オルガンや自動ピアノなどはかなり以前から生産されている。近年においては、鍵盤楽器だけでなく、吹奏楽器を自動的に演奏する機械も開発されており、特許文献1〜3には金管楽器を自動的に演奏する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−258443号公報
【特許文献2】特開2004−177828号公報
【特許文献3】特開2004−314187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の自動オルガン、自動ピアノなどは演奏データを加工したり、読み出し速度を変えたりすることで、テンポやピッチを変更することができるが、特許文献1〜3に示すような管楽器の管路を励振させる装置の場合、演奏音をそのまま録音したオーディオ信号を再生して励振素子に与えているので、テンポやピッチを自由に変えることができないという問題があった。
【0004】
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、楽器を励振するタイプの演奏装置であっても、テンポやピッチを自由に変えることができる楽器用励振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、楽器の特定部位に取り付けられ、供給される波形データに応じた励振を行う励振手段と、演奏が行われている楽器の特定部位にて収録された波形データを前記演奏について記憶した演奏波形データ記憶手段と、前記演奏波形データ記憶手段から前記波形データを読み出す波形データ読出手段と、前記波形データ読出手段が読み出した波形データを、供給されるパラメータに応じて圧縮、伸張およびタイムストレッチの少なくともいずれか一つを行って加工し、加工後の波形データを前記励振手段に供給する波形変更手段とを具備することを特徴とする楽器用励振装置を提供する。
【0006】
また、本発明は、楽器の特定部位に取り付けられて励振を行う励振手段と、楽曲の演奏に対応する各音符を示すデータを有する演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、前記演奏データ記憶手段から前記演奏データを読み出す演奏データ読出手段と、前記演奏データ読出手段が読み出す前記演奏データのテンポおよびピッチをパラメータに応じたものにする演奏データ修正手段と、前記楽器の単音の発音に対応する励振波形を1もしくは複数の音階について記憶した波形記憶手段と、前記演奏データ修正手段によって修正された自動演奏データが示す各音符の音高、音長に応じた励振波形になるように前記波形記憶手段から前記励振波形を読み出して加工する励振波形読出手段とを具備することを特徴とする楽器用励振装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、楽器の特定部位に取り付けられて励振を行う励振手段と、前記楽器の発音に関する物理モデルを信号処理によって実現して前記励振手段に与える励振波形を生成する物理モデル音源手段と、前記物理音源モデル手段に発音指示を与えるデータを楽曲の演奏に対応して記憶した自動演奏データ記憶手段と、前記自動演奏データ記憶手段から前記自動演奏データを読み出す自動演奏データ読出手段と、前記自動演奏データ読出手段が読み出す前記自動演奏データのテンポおよびピッチを、パラメータに対応したものにする演奏データ修正手段とを具備し、前記物理モデル音源手段は前記演奏データ修正手段によって修正された演奏データに応じて前記励振波形を生成することを特徴とする楽器用励振装置を提供する。
【0008】
本発明の好ましい態様において、前記励振手段が取り付けられる前記楽器を演奏を示す演奏操作情報であって、前記演奏波形データ記憶手段内に記憶されている演奏波形データに対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段と、前記パラメータによって決定されるピッチまたはテンポに対応して前記操作情報記憶手段から前記操作情報を読み出す操作情報読出手段と、前記楽器に取り付けられ前記楽器の操作子を操作するアクチュエータを有する演奏操作手段とを有し、前記アクチュエータは、前記操作情報読出手段によって読み出された前記操作情報に応じて動作するようにしてもよい。
本発明の好ましい態様において、前記励振手段が取り付けられる前記楽器の演奏を示す演奏操作情報であって、前記演奏データ記憶手段内に記憶されている演奏データに対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段と、前記パラメータによって決定されるピッチまたはテンポに対応して前記操作情報記憶手段から前記操作情報を読み出す操作情報読出手段と、前記楽器に取り付けられ前記楽器の操作子を操作するアクチュエータを有する演奏操作手段とを有し、前記アクチュエータは、前記操作情報読出手段によって読み出された前記操作情報に応じて動作するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、波形変更手段によって波形データが圧縮、伸張、あるいはタイムストレッチされ、加工された波形データに応じて励振手段が楽器を励振するので、演奏される楽曲のピッチやテンポを任意に変更することができる。
また、本発明によれば、演奏データのテンポやピッチを変更した後に、この演奏データに基づいて励振波形が生成されるので、演奏される楽曲のテンポやピッチを任意に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1実施形態]
図1はこの発明の第1の実施形態である楽器用励振装置1の構成を示す図である。楽器用励振装置1は、一点鎖線で囲まれている部分であり、2はトランペットである。21はマウスピースであり、20a,20b,20cはピストンバルブである。ピストンバルブ20a,20b,20cの各上部には、それぞれピストン用ソレノイド22a,22b,22cが配置されており、プランジャの軸線がそれぞれ対応するピストンバルブの軸線と同一になるように配設されている。これにより、ピストン用ソレノイド22a,22b,22cは、それぞれ対応するピストンバルブを押下可能となっている。なお、このトランペット2は、一般的なトランペットであるため、その他の各部構成について、説明は省略する。
【0011】
図において、11はROM(Read Only Memory)やハードディスク等の記憶装置を備える記憶部である。記憶部11には、図示のように、駆動波形自動演奏データD1と、運指自動演奏データD2とが記憶されている。駆動波形自動演奏データD1は、演奏が行われているトランペットのマウスピースの所定部位の振動を収録したオーディオ波形データである。したがって、駆動波形自動演奏データD1を楽曲の進行に従って順次読み出せば、マウスピースの所定部位における振動波形が再現される。運指自動演奏データD2は、トランペットのピストンバルブ20a,20b,20cの操作内容を示す演奏操作情報であって、駆動波形自動演奏データD1に対応した操作情報である。より詳細に言えば、駆動波形自動演奏データの音高に対応し、演奏の進行に沿って記憶されたデータである。運指自動演奏データD2は、例えば、トランペットのピストンバルブの動きを検出するセンサを設け、実際の演奏におけるセンサの検出信号に基づいて生成する。すなわち、運指自動演奏データD2は、ピストンバルブ20a,20b,20cの状態を示す情報(ピストン状態情報)と、この状態が変化するまでの時間間隔(以下、ゲートタイムという)を示すデータの対によって構成される。これらは、ちょうどMIDI信号のイベントとその間隔を示すデュレーションデータの関係と類似している。
【0012】
12はテンポを指定するテンポ指定部であり、13はピッチを指定するピッチ指定部である。14は、テンポ指定部12とピッチ指定部13から指定されるテンポとピッチに応じて波形データを修正するテンポ/ピッチ変更部である。テンポ/ピッチ変更部14は、記憶部11に記憶されている駆動波形自動演奏データD1を読み出し、読み出した波形データを、指定されたテンポとピッチに応じたものに修正する。
【0013】
なお、テンポやピッチの指定は、楽曲の再生(演奏)中にリアルタイムで適宜行ってもよく、または、楽曲のどの部分のテンポやピッチを変更するかを指定する指定情報を予め記憶部11に記憶させておくようにしてもよい。リアルタイムでテンポやピッチを変更する場合は、楽器用励振装置1にテンポ情報やピッチ情報を入力するための操作部等を設けて、ユーザが操作部を介してテンポ情報をピッチ情報を適宜入力できるようにしてもよい。テンポやピッチを指定する指定情報を予め記憶部11に記憶させておく場合は、テンポ指定部12およびピッチ指定部13は、記憶された指定情報に応じてテンポ/ピッチ変更部14,17に対してテンポやピッチを指定するようにすればよい。
【0014】
ここで、テンポ/ピッチ変更部14が行うテンポとピッチの変更方法について説明する。図2はテンポ/ピッチ変更部14が行うピッチの変更方法を概略的に示す図である。図において、A1は駆動波形自動演奏データの波形の一例を示すものである。テンポ/ピッチ変更部14は、波形A1に対して時間方向への伸縮演算(圧縮、伸長等)を行うことによって、波形A1を波形A2に加工する。この伸縮演算を行う場合は、テンポも変更されてしまうが、ピッチの変更量が小さい場合はテンポの変更量も小さいので、ピッチの変更方法として用いることができる。
【0015】
図3はテンポ/ピッチ変更部14が行うテンポの変更方法を概略的に示す図である。図において、A3は駆動波形自動演奏データの波形の一例を示すものである。テンポ/ピッチ変更部14は、波形A3に対してピッチを変化させずに波形の時間方向の圧縮を行うタイムストレッチ処理を行って、波形A3を波形A4に加工する。具体的には、波形の繰り返し部を順次付加してゆき、波形のタイムストレッチを行う。この場合、タイムストレッチを行った分だけ、テンポが遅くなる。
【0016】
次に、テンポとピッチを両方変更する場合について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、説明の便宜上、テンポ/ピッチ変更部14をテンポ変更部14Aとピッチ変更部14Bとに分けて図示している。テンポとピッチを変更する場合には、まず、ピッチを変更する。この変更は、図2に示したものと同様の方法で行う。このとき、ピッチをf1[Hz]からf2[Hz]に変更する場合は、波形のサイズが(f1/f2)倍になる。図4においては、ピッチを2倍にした場合の加工前の波形A5と加工後の波形A6を図示している。次に、テンポをT1[拍/分]からT2[拍/分]に変更する場合は、波形のサイズを(T1/T2)倍とする必要があるが、ピッチ変更によるサイズ変更を補正するため、波形サイズは、(T1/T2)×(f2/f1)倍として調整する。図4においては、ピッチを2倍、テンポを2倍に加工した場合を示しており、波形A6が波形A7へと変更される。ここでは、上述したような波形サイズの調整を行うことにより、図4に示すように、波形A5と波形A7の波形サイズは同じになる。
【0017】
図1の説明に戻る。15はトランペット2のマウスピース21の内側に取り付けられ、供給される波形データに応じた励振を行う振動アクチュエータである。16はテンポ/ピッチ変更部14から供給される波形データに応じて振動アクチュエータ15を振動させる振動アクチュエータ駆動部である。
【0018】
17はテンポ指定部12とピッチ指定部13から指定されるテンポとピッチに応じて演奏操作情報を変更するテンポ/ピッチ変更部である。テンポ/ピッチ変更部17は、記憶部11に記憶されている運指自動演奏データD2を読み出し、読み出した演奏操作情報を、指定されたテンポとピッチに応じたものに修正する。より詳細に説明すると、テンポ/ピッチ変更部17は、運指自動演奏データD2のピストン状態情報を、変更されたピッチに対応するように書き換え、また、変更されたテンポに応じてゲートタイムを書き換える。この場合、ピストン状態情報の書き換えは、予め用意された書き換えテーブルによって、変更後の音高に応じたピストン状態情報を直ちに読み出せるようになっている。
18はテンポ/ピッチ変更部17から供給される演奏操作情報に応じてピストン用ソレノイド22a,22b,22cに対して駆動制御を行う運指アクチュエータ駆動部である。運指アクチュエータ駆動部18は、運指自動演奏データD2に従って、トランペット2のピストンバルブ20a,20b,20cのうち押下すべきピストンバルブや押下量を決定する。そして、決定したピストンバルブに対応するピストン用ソレノイド22a〜22cに駆動電流を流し、当該ピストンバルブを押下させる。
【0019】
上述した構成によるこの実施形態の動作は以下のとおりである。楽器用励振装置1のテンポ/ピッチ変更部14は、記憶部11から駆動波形自動演奏データD1を読み出す。このとき、テンポ指定部12またはピッチ指定部13によりテンポまたはピッチが指定された場合には、テンポ/ピッチ変更部14は指定された内容に応じてテンポまたはピッチを変更し、変更した波形データを振動アクチュエータ駆動部16に供給する。テンポまたはピッチが指定されなかった場合は、読み出した波形データをそのまま振動アクチュエータ駆動部16に供給する。一方、テンポ/ピッチ変更部17は、記憶部11から運指自動演奏データD2を読み出す。このとき、テンポ指定部12またはピッチ指定部13によりテンポまたはピッチが指定された場合には、テンポ/ピッチ変更部17は指定された内容に応じてテンポまたはピッチを変更して、運指アクチュエータ駆動部18に変更したデータを供給する。テンポまたはピッチが指定されなかった場合は、読み出した運指データをそのまま運指アクチュエータ駆動部18に供給する。
【0020】
振動アクチュエータ駆動部16は供給された波形データに応じて振動アクチュエータ15を駆動する。また、運指アクチュエータ駆動部18は、テンポ/ピッチ変更部17から供給される操作情報に基づいてピストン用ソレノイド22a,22b,22cを駆動する。このとき、振動アクチュエータ駆動部16と運指アクチュエータ駆動部18とは互いに同期が取られた状態で振動アクチュエータ15およびピストン用ソレノイド22a,22b,22cをそれぞれ駆動することになるから、振動アクチュエータ15による振動とトランペット2の管路長とが常に共鳴関係を保つことになり、トランペットらしい気柱共鳴の音が奏される。
【0021】
以上説明したようにこの実施形態においては、トランペット2のマウスピース21(特定部位)へアクチュエートする振動波形(楽音信号波形)について、トランペット2のマウスピース21での振動波形の再現に適した方式の振動アクチュエータ15に対して、テンポ、ピッチを変更した振動波形を供給することができるため、自動演奏による演奏の自由度を広げることが可能となる。また、このとき、この楽音信号波形に対するテンポ、ピッチの変更と同様に、運指アクチュエータ用のデータに関してもテンポ、ピッチの変更を適切に行うことによって、気柱共鳴を維持することができ、演奏音の品質を高めることができる。
【0022】
[第2実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図5はこの発明の第2の実施形態である楽器用励振装置200の構成を示す図である。この楽器用励振装置200の構成が第1実施形態である楽器用励振装置1と異なる点は、駆動波形自動演奏データD1に代えて波形メモリ方式音源用自動演奏データD11と波形メモリデータベースDB1とを記憶部11に記憶している点と、テンポ/ピッチ変更部14に代えてテンポ/ピッチ変更部214を備えている点と、波形メモリ方式音源部201を備えている点であり、他の構成要素は第1実施形態である楽器用励振装置1のそれと同様である。そのため、以下の説明においては、楽器用励振装置1と同様の構成要素については同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0023】
記憶部11に記憶されている波形メモリ方式音源用自動演奏データD11は、例えばMIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式の演奏データであり、楽曲の演奏に対応する各音符を示すデータを有する演奏データである。この演奏データは、一つの音符に対して、音程を示すノートコードと音符の発音間隔を示す発音間隔(ゲートタイム)と音の大きさを示すベロシティ情報を含んでいる。記憶部11に記憶されている波形メモリデータベースDB1は、トランペット2の単音の発音に対応する励振波形を複数の音階について記憶している。この波形メモリデータベースに記憶される励振波形は、マウスピース21の振動アクチュエータ15が設けられている部位で記録された励振波形である。
【0024】
テンポ/ピッチ変更部214は、記憶部11から波形メモリ方式音源用自動演奏データD11を読み出し、ピッチ指定部13またはテンポ指定部12によって指定されるテンポとピッチに応じて、読み出した波形メモリ方式音源用自動演奏データD11のテンポとピッチを修正する。すなわち、各音符について、変更されたピッチに対応してノートコードを変更するとともに、変更されたテンポに応じてゲートタイムを変更する。
【0025】
波形メモリ方式音源部201は、テンポ/ピッチ変更部214から出力される演奏データが示すノートコードに対応した音高の波形を波形メモリデータベースDB1から選択して読み出し、ゲートタイムで示される長さに応じた振動波形となるように加工する。このとき、駆動波形の振幅は演奏データが示すベロシティに応じた振幅にする。この場合、波形メモリデータベースDB1に記憶されている駆動波形が全てのノートコード分用意されていないときは、波形読み出しピッチを変えて周波数変換をして所望の波形を得るようにする。
波形メモリ方式音源部201は、上述のようにして波形メモリデータベースDB1から読み出した励振波形を加工することによって生成した波形データを、振動アクチュエータ駆動部16に供給する。
【0026】
上述した構成によるこの実施形態の動作は以下のとおりである。楽器用励振装置1のテンポ/ピッチ変更部214は、記憶部11から波形メモリ方式音源用自動演奏データD11を読み出す。このとき、テンポ指定部12またはピッチ指定部13によりテンポまたはピッチが指定された場合にはその内容に応じてテンポまたはピッチを変更して、波形メモリ方式音源部201に供給する。波形メモリ方式音源部201は、テンポ/ピッチ変更部14から供給される演奏データが示す各音符のノートコード、ゲートタイム、ベロシティに応じた振動波形となるように、波形メモリデータベースDB1から励振波形を読み出して加工し、加工して生成した波形データを振動アクチュエータ15に供給する。一方、テンポ/ピッチ変更部17は、記憶部11から読み出した運指自動演奏データ11をテンポ指定部12またはピッチ指定部13により指定された内容でテンポとピッチを変更した操作情報を、運指アクチュエータ駆動部18に供給する。
【0027】
振動アクチュエータ駆動部16は供給された波形データに応じて振動アクチュエータ15を駆動する。また、運指アクチュエータ駆動部18は、テンポ/ピッチ変更部17から供給される操作情報に基づいてピストン用ソレノイド22a,22b,22cを駆動する。このとき、振動アクチュエータ駆動部16と運指アクチュエータ駆動部18とは互いに同期した状態で、振動アクチュエータ15およびピストン用ソレノイド22a,22b,22cをそれぞれ駆動する。これにより、振動アクチュエータ15による振動とトランペット2の管路長とが常に共鳴関係と保つことになり、トランペットらしい気柱共鳴の音が奏される。
【0028】
この実施形態においても、第1の実施形態と同様に、トランペット2のマウスピース21(特定部位)へアクチュエートする振動波形(楽音信号波形)について、トランペット2のマウスピース21での振動波形の再現に適した方式の振動アクチュエータ15に対して、テンポ、ピッチを変更した振動波形を供給することができるため、自動演奏による演奏の自由度を広げることが可能となる。
【0029】
[第3実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
図6はこの発明の第3の実施形態である楽器用励振装置300の構成を示す図である。この楽器用励振装置300の構成が第1の実施形態である楽器用励振装置1と異なる点は、駆動波形自動演奏データD1に代えて、物理モデル方式音源用自動演奏データD31と音源パラメータP1とを記憶部11に記憶している点と、物理モデル方式音源部301を備えている点と、テンポ/ピッチ変更部14に代えてテンポ/ピッチ変更部314を備えている点であり、他の構成要素は第1実施形態である楽器用励振装置1のそれと同様である。
【0030】
記憶部11に記憶されている物理モデル方式音源用自動演奏データD31は、楽曲の演奏に対応して物理モデル方式音源部301に発音指示を与えるためのデータの集合体である。例えば、金管楽器の場合は、息圧・アンブシュア・管の長さなどである。記憶部11に記憶されている音源パラメータP1は、トランペット2のマウスピース21の直下部分の振動波形を物理モデル音源に指定するためのパラメータである。物理モデル方式音源部301は、トランペット2の発音に関する物理モデルをデータ信号処理によって実現して振動アクチュエータ駆動部16に供給するものである。物理モデル方式音源部301は、テンポ/ピッチ変更部314から供給される演奏データを、音源パラメータP1に応じたものに修正して振動アクチュエータ駆動部16に供給する。
【0031】
テンポ/ピッチ変更部314は、記憶部11から物理モデル方式音源用自動演奏データD31を読出し、ピッチ指定部13またはテンポ指定部12によって指定されるテンポとピッチに応じて、読み出した物理モデル方式音源用自動演奏データD31のテンポとピッチを修正する。
【0032】
この実施形態においても、第1の実施形態と同様に、トランペット2のマウスピース21(特定部位)へアクチュエートする振動波形(楽音信号波形)について、トランペット2のマウスピース21での振動波形の再現に適した方式の振動アクチュエータ15(音源)に対して、テンポ、ピッチを変更した振動波形を供給することができるため、自動演奏による演奏の自由度を広げることが可能となる。また、このとき、運指アクチュエータ用のデータに関してもテンポ、ピッチの変更を行うが、これについて前述した第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0033】
[変形例]
以上、第1〜第3の実施形態について説明したが、この発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した第1の実施形態においては、駆動波形自動演奏データD1をそのまま記憶部11に記憶させておくようにしたが、圧縮して記憶させておくようにしてもよい。この場合、図7に示すように、駆動波形の自動演奏データを圧縮させた駆動波形自動演奏圧縮データD41を記憶部11に記憶させておき、デコード部401が記憶部から駆動波形自動演奏圧縮データD41を読み出してデコードし、テンポ/ピッチ変更部14にデコードした演奏データを供給するようにすればよい。
【0034】
(2)上述した実施形態においては、指定されたテンポとピッチに応じた制御を行ったが、これらに加えて更に音量や音色を変更するようにしてもよい。その具体例について図8を参照しつつ説明する。図8は、この発明の変形例である楽器用励振装置500の構成を示す図である。図において、501は音量を指定する音量指定部であり、502は音色を指定する音色指定部である。
【0035】
503は、音量指定部501から指定される音量に応じて、テンポ/ピッチ変更部14から供給される演奏データの音量を変更する音量変更部である。音量変更部503は、例えば係数の乗算などを行って増幅器の増幅率を変える等の処理を行って音量を変更する。504は、音色指定部502から指定される音色に応じて、音量変更部503から供給される演奏データの音色を変更する音色変更部である。音色変更部504は、供給される演奏データに対して、例えばローパスフィルタやハイパスフィルタのカットオフ周波数やイコライザの中心周波数を変更する等の処理を行って演奏データの音色を変更する。このように音量や音色を変更することによって、自動演奏による演奏の自由度を更に広げることが可能となる。
【0036】
波形メモリ方式を用いた第2の実施形態や、物理モデル方式を用いた第3の実施形態についても同様であり、図9や図10に示すように、音色変更部や音量変更部を設ければ音色や音量を変更することが可能となる。この場合は、音色に関連するパラメータや音量に関連するパラメータを変更することとなる。
【0037】
(3)上述した各実施形態においては、テンポやピッチをリアルタイムに変更するものであったが、本発明はリアルタイム処理以外でも勿論実行することができる。例えば、変えて、テンポやピッチの変更処理を行ったデータを一時記憶し、この一時記憶したデータを読み出すことで、結果的にテンポやピッチが変更された演奏を行うことができる。この場合に、テンポやピッチの変更処理に時間がかかったとしても、再生される時は一時記憶されたデータが再生されるので、処理速度が遅い装置であっても何ら支障なくテンポ、ピッチの変更処理を行うことができる。
【0038】
(4)励振手段が取り付けられる楽器の特定部位は、マウスピースの位置に限らず、管の途中のどこでもよいが、マウスピース位置かベル近辺が好ましい。また、本発明は木管楽器や弦楽器、鍵盤楽器など種々の楽器に適用可能である。例えば、木管楽器であればリードに励振手段を取り付けると好適である。また、弦楽器においては弦を励振する振動子や振動によって擦弦する機構を設けると好適であり、鍵盤楽器においては、その内部に張設されている弦を励振する振動子などを設けると好適である。鍵盤楽器においては、鍵を駆動する機構と励振手段を連動させ、鍵をある程度動かしてダンパーを弦から離した状態にして弦を励振させると好適である。この場合、各弦の共振周波数に合わせた振動子を用いれば、弦の共振を利用することができる。
また、上述した楽器に限らず、励振によって発音できる楽器であれば、本願発明は、打楽器などにも勿論適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図2】同実施形態のピッチの変更方法を概略的に示す図である。
【図3】同実施形態のテンポの変更方法を概略的に示す図である。
【図4】同実施形態のピッチとテンポの変更方法を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の変形例である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の変形例である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の変形例である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の変形例である楽器用励振装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1,200,300,400,500,600,700…楽器用励振装置、2…トランペット、11…記憶部、12…テンポ指定部、13…ピッチ指定部、14,214,314…テンポ/ピッチ変更部、15…振動アクチュエータ、16…振動アクチュエータ駆動部、17…テンポ/ピッチ変更部、18…運指アクチュエータ駆動部、20a,20b,20c…ピストンバルブ、21…マウスピース、22a,22b,22c…ピストン用ソレノイド、201…波形メモリ方式音源部、301…物理モデル方式音源部、401…デコード部、501…音量指定部、502…音色指定部、503…音量変更部、504…音色変更部。




 

 


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