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発明の名称 演奏装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−58150(P2007−58150A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−293370(P2005−293370)
出願日 平成17年10月6日(2005.10.6)
代理人 【識別番号】100084548
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 久夫
発明者 西堀 佑 / 岩井 俊雄
要約 課題
指定点毎に異なる発音間隔や発光状態として自由度の高い楽曲および発光パターンを形成する。

解決手段
マトリクス表示入力部9のキースイッチ100が押下されると、サブCPU12はこの押下位置の座標を検出してメインCPU2に与える。メインCPU2の演奏処理部201は、該当するキースイッチ100に対応する発音データを取得する。移動ルート算出部202は、検出座標とマトリクス表示入力部9の一端との間を往復動する座標を算出し、所定時間間隔で座標を移動させて、演奏処理部201および表示処理部203に与える。演奏処理部201は、キースイッチ100に対応する座標と、前記一端に対応する座標とで発音制御する。表示処理部203は、取得した座標毎に発光表示部110を発光制御する。この処理を各キースイッチに対して行うことで、キースイッチ100毎に異なる時間間隔で発音処理がされる。
特許請求の範囲
【請求項1】
X,Y座標が(1,1)〜(m,n)の範囲に二次元配列され、内部に発光素子を有する複数のキースイッチと、
同じX座標でY方向に配列された一列のキースイッチ群(X,1)〜(X,n)であるキースイッチ列毎に1つのキースイッチ(x,y)の選択を受け付ける選択手段と、
選択手段でキースイッチが選択されると、キースイッチ列において、選択されたキースイッチ(x,y)と一端のキースイッチ(x,0)との間を往復させてキースイッチの点滅制御を行う点滅制御手段と、
各キースイッチ列において、一端のキースイッチ(x,0)が点灯するのと同期して、そのキースイッチ列に割り当てられた音質および音高で楽音を発音する発音手段と、
を備えたことを特徴とする演奏装置。
【請求項2】
前記発音手段は、前記選択されたキースイッチ(x,y)が点灯するのと同期して、そのキースイッチ列に割り当てられた音質および音高で楽音を発音する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項3】
各キースイッチ列において、一端のキースイッチが押下された時、そのキースイッチ列における前記選択手段によるキースイッチの選択を解除し、そのキースイッチ列についての前記点灯制御手段および発音手段の動作を停止する選択解除手段を備えた請求項1または請求項2に記載の演奏装置。
【請求項4】
X,Y座標が(1,1)〜(m,n)の範囲に二次元配列され、内部に発光素子を有する複数のキースイッチと、
選択されたキースイッチの選択時間を計時する計時手段と、
計時手段により計時された選択時間が所定時間以上である場合に前記キースイッチを含む所定領域内の発光素子の発光パターンを制御する発光パターン制御手段と、
計時手段により計時された選択時間が所定時間以上である場合に前記キースイッチに割り当てられた発音データをエフェクトして出力する発音手段と、
を備えたことを特徴とする演奏装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のキースイッチに対するユーザの演奏操作を受け付けて、この演奏操作に応じた演奏を行う演奏装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テノリオンと呼称されるアプリケーションが知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。このアプリケーションを実行する携帯電話機やゲーム機等の演奏装置では、横軸でタイミング、縦軸で音高を表すようにマトリクス上に配列された16×16のグリッドにおいて、ユーザから点の指定入力を受け付ける。そして、この演奏装置は、所定のタイミングで、左側の列から順に、指定点に対応する音高を発音する。これによって、ユーザはこの演奏装置を用いて趣向性高く簡単な楽曲を作曲したり演奏したりすることができる。
【非特許文献1】“ケータイニュース”、[online]、2002年1月16日、アスキー、[平成16年4月1日検索]、インターネット〈URL:http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2002/01/16/632762-000.html?geta〉
【非特許文献2】“デジスタ・キュレータの世界”、[online]、デジタル・スタジアム、岩井俊雄、出品作品=テノリオン、[平成16年4月1日検索]、インターネット〈URL:http://www.nhk.or.jp/digista/lab/digista_ten/curator.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、前述の従来の演奏装置では、予め指定点毎に発音データが設定されており、この設定に基づいて各指定点で繰り返し発音が行われることで、楽曲が形成される。このため、所定間隔で同じ楽曲が繰り返されるので、作曲の自由度に制限が生じる。また、発光パターンの場合も同様に、所定間隔で同じ発光パターンの繰り返しになるので、発光パターンの自由度が制限され、ユーザが飽きる可能性がある。
【0004】
このため、本発明の目的は、指定点毎に異なる発音間隔や発光状態としてより自由度の高い楽曲および発光パターンを形成することができる演奏装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の演奏装置は、X,Y座標が(1,1)〜(m,n)の範囲に二次元配列され、内部に発光素子を有する複数のキースイッチと、同じX座標でY方向に配列された一列のキースイッチ群(X,1)〜(X,n)であるキースイッチ列毎に1つのキースイッチ(x,y)の選択を受け付ける選択手段と、選択手段でキースイッチが選択されると、キースイッチ列において、選択されたキースイッチ(x,y)と一端のキースイッチ(x,0)との間を往復させてキースイッチの点滅制御を行う点滅制御手段と、 各キースイッチ列において、一端のキースイッチ(x,0)が点灯するのと同期して、そのキースイッチ列に割り当てられた音質および音高で楽音を発音する発音手段と、を備えたことを特徴とする演奏装置。
【0006】
このような構成では、選択されたキースイッチの座標と二次元配列領域の一端の座標との間のキースイッチが順に点滅して、光が往復動するように見える。そして、この光が二次元配列領域の一端に達した時点で、選択したキースイッチに割り当てられた発音データによる発音制御が行われる。したがって、複数列のキースイッチを選択すると、各キースイッチと前記一端との座標距離に応じた時間間隔でそれぞれ音が発生して、楽音が出力される。これにより、多様性に富んだ光の動きと楽音とが実現される。なお、ここでいうX座標、Y座標は、横方向をX軸として縦方向をY軸とし、向かって左から右へX座標が増加して下から上へY座標が増加する、座標系に限るものではない。
【0007】
また、この発明の演奏装置は、発音手段が選択されたキースイッチ(x,y)が点灯するのと同期して、そのキースイッチ列に割り当てられた音質および音高で楽音を発音することを特徴としている。
【0008】
この構成では、前述のように一端に光が達した時とともに、選択したキースイッチに光が達しても発音制御が行われる。これにより、さらに多様性に富んだ光の動きと楽音とが実現される。
【0009】
また、この発明の演奏装置は、各キースイッチ列において、一端のキースイッチが押下された時、そのキースイッチ列における選択手段によるキースイッチの選択を解除し、そのキースイッチ列についての点灯制御手段および発音手段の動作を停止する選択解除手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成では、一端のキースイッチを押下することで、発光制御および発音制御対象にあるキースイッチの選択解除が行われる。これにより、複数のキースイッチを選択していた場合に、選択の組み合わせを簡単に変更することができ、さらに多様性に富んだ光の動きと楽音とが簡単に実現される。
【0011】
この発明の演奏装置は、X,Y座標が(1,1)〜(m,n)の範囲に二次元配列され、内部に発光素子を有する複数のキースイッチと、選択されたキースイッチの選択時間を計時する計時手段と、計時手段により計時された選択時間が所定時間以上である場合にキースイッチを含む二次元的広がりの所定領域内の発光素子の発光パターンを制御する発光パターン制御手段と、計時手段により計時された選択時間が所定時間以上である場合にキースイッチに割り当てられた発音データをエフェクトして出力する発音手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
この構成では、キースイッチが選択されると、該キースイッチに割り当てられた音質、音長および音高で楽音が発音される。これと同時にキースイッチに備えられた発光素子が発光する。そして、このキースイッチの選択時間が所定時間長以上になると、割り当てられた音質、音長、および音高がエフェクトされた状態で楽音が発音される。これと同時にキースイッチに備えられた発光素子を含む所定領域内の発光素子の発光パターンが変化する。これにより、キースイッチの選択時間により、多様な楽音および発光パターンが得られる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、選択されたキースイッチの属するライン毎で発音パターンが異なるので、比較的短い周期での繰り返しパターンの発生しない楽音を実現することができる。さらに、発光パターンも異なることで、比較的短い周期での繰り返しパターンの発生しない発光パターンを実現することができる。この際、ユーザはキースイッチの選択のみの操作しか行わなくてもよく、これにより、さらに趣向性高く自由度の高い楽曲および発光パターンを簡単に演奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係る演奏装置について図を参照して説明する。この演奏装置は、略直方体平板形状の筐体へマトリクス状に配置された複数のキースイッチを備え、キースイッチを所望数選択することで楽曲を演奏するものである。また、この演奏装置は、選択したキースイッチ群とマトリクス表示領域の所定端との距離に応じて異なる発音パターンの発音データおよび発光パターンが得られる。これにより、本実施形態の演奏装置は、従来の演奏装置よりも趣向性高く自由度の高い楽曲を簡単に演奏することができるとともに、複雑な発光パターンを簡単に実現することができる。
【0015】
図1は本実施形態の演奏装置1の正面図である。
図2は図1の演奏装置1を手前側(ユーザ側)から見た場合のスイッチ群10および発光表示部110の構成を示す図である。
【0016】
演奏装置1は略直方体平板形状の筐体500を有し、スタンド400により支持されている。筐体500は、その上面に2次元マトリクス状に配置されたキースイッチ100からなるキースイッチ群10を備える。キースイッチ群10は、縦方向および横方向にそれぞれ16個のキースイッチ100が配列されており、全体として合計256個のキースイッチ100が2次元配列されてなる。
【0017】
このキースイッチ100は、例えばプッシュ式スイッチであり、内部にLED等を備えた発光表示部110が配置されている。この全ての発光表示部110が発光表示部群11を構成する。発光表示部110は、キースイッチ100がユーザにより押下されること等により発光する。また、発光表示部群11は、後述する制御スイッチ22とキースイッチ100との押下の組み合わせに応じて所定パターンで発光する。
【0018】
このキースイッチ群10の各キースイッチ100および発光表示部群11の各発光表示部110の位置は、縦方向をY座標とし、横方向をX座標とする2次元座標系で示される。ここで、以下の説明では、図2における向かって左端で且つ下端のキースイッチ100の座標をmtSW(1,1)とし、向かって右端で且つ上端のキースイッチ100の座標をmtSW(16,16)とする。また、この配列に応じて、図2における向かって左端で且つ下端の発光表示部110の座標をmtLED(1,1)とし、向かって右端で且つ上端の発光表示部110の座標をmtLED(16,16)とする。
【0019】
筐体500におけるキースイッチ群10および発光表示部群11のユーザ側から向かって左額縁部には制御ボタン22A〜22Dが配置され、右額縁部には制御ボタン22E〜22Hが配置される。また、筐体500における上額縁部には制御ボタン22Iとステレオスピーカ80とが配置されており、下額縁部には、制御ボタン22J,22Kと液晶表示部21が配置されている。また、筐体500の上額縁側の側面には、接続ケーブル300の一端が接続される入力端子23が配設されている。接続ケーブル300の他端は、通信相手となる他の演奏装置に接続され、演奏装置1はこの接続ケーブル300を介して他の演奏装置と通信を行う。
【0020】
図3は、図1に示す演奏装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
演奏装置1は、メインCPU2、ROM3、記憶部4、RAM5、音源6、マトリクス表示入力部9、表示部21、制御スイッチ22、タイマ13、入出力部14、他機通信I/F24、および通信I/F25がバスライン15を介して接続される構造を備える。
【0022】
ROM3は、演奏装置1を起動させるための起動プログラムを記憶している。記憶部4は例えば、フラッシュメモリ等やハードディスク等の書き換え可能で且つデータ保存が可能な記憶手段である。記憶部4は、演奏装置1に演奏を実行させるための演奏処理プログラム等の所定のプログラムを記憶するとともに、このプログラムの実行に必要な所定データを記憶している。この所定データには、例えば発音設定データがあり、発音設定データは、各キースイッチ100とこれらキースイッチ100毎に割り当てられる音高との対応関係や、音源6へのデフォルトで設定する基準音色を示すデータである。この発音設定データは、例えばMIDI規格に基づいて設定されている。
【0023】
RAM5は、メインCPU2の作業領域として機能し、記憶部4から読み出されたプログラムやデータを一時的に記憶する。また、RAM5は、図1で示したキースイッチ群10の座標を示す座標記憶部51、対応関係記憶部52を備える。
【0024】
座標記憶部51は、各キースイッチ100のオン状態を記憶する記憶部である。座標記憶部51は、図2で示すキースイッチ群10の配列と同じ形状の16×16のテーブルで構成され、各キースイッチ100に対応するエリアは1ビットのフラグで構成される。そして、キースイッチ100が所定時間長に亘り押下され続けた場合には、押下キースイッチ100に対応するエリアがセット「1」にされる。このセット「1」にされた状態がオン状態であり、キースイッチ100に対応するエリアがリセット「0」に設定されている状態がオフ状態である。
【0025】
また、対応関係記憶部52は、各スイッチ100に割り当てるノートナンバのリストを登録するノートナンバテーブルTを記憶する。この実施形態では、ノートナンバテーブルTには、初期設定ではY座標=1〜16に対して16個のノートナンバが割り当てられ、X座標=1〜16に対して同じ音高になるように設定される。ここで、ノートナンバとは、後述の演奏処理部201から音源6に対して音高等を指示する数値であり、「60」が中心の「音階ド(C4)」となる。本実施形態では、「60」〜「75」のノートナンバをY座標に割り当てるものとし、起動時のデフォルト設定は、Y座標=1に対して「60」、Y座標=2に対して「61」とY座標について順番にノートナンバが割り当てられ、Y座標=16に対して「75」までが割り当てられる。なお、16×16=256の各スイッチ100の全てに独立してノートナンバを割り当てるようにしてもよい。また、割り当てるノートナンバの範囲は「60」〜「75」に限定されない。
【0026】
音源6は、例えばMIDI音源であり、所定の音色でデジタル音声信号を生成し、D/Aコンバータ7に出力するものである。ここでは、音源6は複数種類の内蔵音色(ピアノ、ギター等)とともに、外部から入力された外部音色でデジタル音声信号を生成することができる。ノートナンバは上述のノートナンバテーブルTによって各スイッチ100と対応付けられており、このため複数種類の楽音データはノートナンバが付されることで各スイッチ100に対応付けられている。音源6は、メインCPU2から音色の指定(音色指定)を受けるとともに、ノートナンバの通知を受けることで、指定された音色で通知されたノートナンバに基づいたデジタル音声信号を所定音長(例えば、200msec)で発音させるように生成する。
【0027】
D/Aコンバータ7は、音源6から入力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してサウンドシステム8へ出力する。サウンドシステム8は入力された音声信号を音声に変換してスピーカ80から放音する。
【0028】
マトリクス表示入力部9は、図1を用いて上述したキースイッチ群10、発光表示部群11及びサブCPU12を備える。
【0029】
サブCPU12は、押下されたキースイッチ100(図2)の座標を検出して押下キースイッチ位置情報としてメインCPU2へ出力する。
【0030】
タイマ13は計時を行ってメインCPU2に通知するものである。入出力部14は、各種の記憶媒体400と本演奏装置1(メインCPU2)との間でデータの入出力を行うためのインターフェース回路である。制御スイッチ22は各種の制御命令を受け付けるスイッチである。
【0031】
メインCPU2は、接続されている各構成の動作を制御する。メインCPU2は、演奏プログラムを実行することにより演奏処理部201、移動ルート算出部202、及び表示処理部203として機能する。
【0032】
演奏処理部201は、記憶部4で記憶される発音設定データを用いて、ユーザが演奏操作をしたキースイッチ100に対応した発音をするよう音源6の音声信号の生成を制御する。具体的には、演奏処理部201は、初期化処理として、所定の初期音色で音源6に音色指定を行うとともに、上述した初期設定でノートナンバテーブルTに各スイッチのY座標に対応するノートナンバを登録する。
【0033】
演奏処理部201は、サブCPU12から押下キースイッチ位置情報を取得することで、ユーザの押下したキースイッチ100の座標を検出する。
【0034】
演奏処理部201は、ノートナンバテーブルTを参照することで、この通知された座標に応じたノートナンバを特定して音源6に通知する発音処理を実行する。これによって、音源6で、設定されている音色で、かつユーザの押下したキースイッチ100に対応した音声信号が生成される。
【0035】
移動ルート算出部202は、取得したキースイッチ100の座標から、予め設定されているマトリクス表示入力部9の一辺に向かって垂直な座標の移動ルートmtを算出する。
【0036】
図4は取得したキースイッチ100の座標と、以下に示すいわゆる「バウンズモード」の移動ルートとの関係を示す図である。
【0037】
図4の例に示すように、移動ルートmtは、キースイッチ100により選択された座標からマトリクス表示入力部9の下端に向かって垂直下方に(Y軸方向に沿って)座標が所定時間間隔で徐々に移動し、下端の座標に達した時点で、いわゆる「跳ね返り」、垂直上方に(Y軸方向に沿って)移動してキースイッチ100の選択座標に達するルートである。そして、さらに、移動ルートmtは、キースイッチ100の選択座標で再度「跳ね返り」、垂直下方に移動する。すなわち、移動ルートmtはキースイッチ100の選択座標を始点として、該選択座標とX軸の座標が同じマトリクス表示入力部9の下端の座標とを往復動する座標移動航跡である。
【0038】
移動ルート算出部202は、算出した移動ルートmtと予め設定された座標の移動速度から、キースイッチ100の選択タイミングを開始タイミングとして、選択キースイッチ100の座標とマトリクス表示入力部9の下端の座標との間における各キースイッチ100の座標を、順に表示処理部203に与える。また、移動ルート算出部202は、算出した移動ルートmtによる座標がマトリクス表示入力部9の下端の座標に達するタイミングと、選択されたキースイッチ100の座標に達するタイミングを、演奏処理部201に与える。
【0039】
演奏処理部201は、ノートナンバテーブルTを参照することで、この通知されたタイミングで音源6に通知する発音処理を実行する。これによって、音源6で、設定されている音色で、かつユーザの押下したキースイッチ100に対応した音声信号が生成される。すなわち、この「バウンズモード」では、移動ルートmt上の座標が選択キースイッチ100の座標とマトリクス表示入力部9の下端の座標に一致したタイミングで、音源6から選択キースイッチ100に対応する発音処理が実行される。
【0040】
このような移動ルートmtの算出処理および発音処理は、選択されたキースイッチ100毎に平行して行われる。すなわち、各選択キースイッチ100に対して個別に移動ルートmtの算出と、所定タイミングでの発音処理とが行われる。この際、各移動ルートの座標移動速度を同一に設定しても、異ならせて設定してもよい。
【0041】
このため、音源6から出力される楽音は、それぞれに選択キースイッチ100とマトリクス表示入力部9の下端との距離に準じた発音周期で発音される各選択キースイッチ100にそれぞれ割り当てられた音の重ね合わせになるので、非常にランダムな相関性の低い音同士の組み合わせにより形成される。これにより、音源6から出力される楽音は、ユーザからのキースイッチ入力タイミングに従って、非常に趣向性の高く、自由度の高いものとなる。
【0042】
表示処理部203は、発光表示部群11の発光表示を制御する処理(表示処理)を実行する。
【0043】
図5はバウンズモードにおけるマトリクス表示入力部9の発光状態を示す概念図であり、(A)は所定のキースイッチ100が選択された時点、(B)は選択キースイッチ100からマトリクス表示入力部9の下端へ移動ルートmt上を移動座標が移動する時点、(C)はマトリクス表示入力部9の下端に移動座標が達する時点、(D)はマトリクス表示入力部9の下端から選択キースイッチ100へ移動ルートmt上を移動座標が移動する時点、を示す。
【0044】
この表示処理では、表示処理部203は、移動ルート算出部202から与えられるタイミングと座標とに基づき移動ルートmt上の各キースイッチ100に対応する発光表示部110を、順次、強発光させる。例えば、図5の例であれば、ユーザがmtSW(13,8)のキースイッチ100を選択すると、選択時点でmtLED(13,8)を強発光させ(図5(A))、順次、前述のタイミングで移動ルートmt上の移動座標を下方に移動しながらmtLED(13,Y1)を強発光させる(図5(B))。そして、移動座標がマトリクス表示入力部9の下端に達すると、この位置のキースイッチ100に対応するmtLED(13,1)を強発光させる(図5(C))。そして、順次、前述のタイミングで移動ルートmt上の移動座標を上方に移動しながらmtLED(13,Y2)を強発光させる(図5(D))。そして、表示処理部203は、移動座標を移動ルートmt上で往復移動させながら、移動ルートmt上の発光表示部110を順次発光させる。これにより、ユーザには、発音に連動して、光が選択キースイッチ100とマトリクス表示入力部9の下端との間を跳ね返りながら移動し続けるように見える。
【0045】
このような表示処理も、選択したキースイッチ毎に対して平行で行われ、往復動の周期は、各キースイッチと下端との間隔に依存するので、図6に示すように、互いの殆ど相関を持たない複数の光がバウンドする表示を得ることができる。図6は、バウンズモードにおいて複数のキースイッチを選択した状態でのマトリクス表示入力部9を示した図である。
【0046】
次に、本実施形態の演奏装置の動作処理について説明する。
【0047】
図7は本実施形態の演奏装置のバウンズモード処理のフローチャートである。
【0048】
ユーザにより、前述のように所定のキースイッチ100が押下され続けると、マトリクス表示入力部9のサブCPU12は該当するキースイッチ100は選択状態とし、この選択されたキースイッチ100に対応する座標情報をメインCPU2に与える(S1)。
【0049】
メインCPU2は、取得した座標から、移動ルート算出部202で、該当するキースイッチ100とX座標が同じである、マトリクス表示入力部9の下端の座標を算出して、移動ルートmtを算出する(S2)。また、メインCPU2の演奏処理部201は、選択キースイッチ100に対応する発音データを音源6に与えて所定の発音を実行し(S3)、表示処理部203は、選択キースイッチ100に対応する発光表示部110の発光消光処理を実行する(S4)。
【0050】
メインCPU2の移動ルート算出部202は、算出した移動ルートmtに沿って、マトリクス表示部9の下方へ向かうように座標を順次与えて(S5)、前記下端の座標が与えられるまで、表示処理部203は与えられた移動座標毎に発光表示部110の発光消光処理を実行する(S6→S4)。
【0051】
移動ルートmt上の下端の座標が与えられると、メインCPU2の演奏処理部201は、選択キースイッチ100に対応する発音データを音源6に与えて所定の発音を実行し(S6→S7)、表示処理部203は、下端座標の発光表示部110の発光消光処理を実行する(S8)。
【0052】
マトリクス表示入力部9の下端まで座標が達すると、メインCPU2の移動ルート算出部202は、算出した移動ルートmtに沿って、マトリクス表示部9の上方へ向かうように座標を順次与えて(S9)、前記選択キースイッチ100の座標が与えられるまで、表示処理部203は与えられた移動座標毎に発光表示部110の発光消光処理を実行する(S10→S8)。
【0053】
このループ処理は、ユーザにより停止入力が行われるまで継続して実行される。ここで、停止入力方法としては、例えば、前記下端の座標に対応するキースイッチ100を押下する等の方法を用いればよい。そして、この停止処理は、選択キースイッチ毎に設定することができ、ユーザは容易に選択キースイッチ100の組み合わせを変更することができ、楽曲の変更を容易に行うことができる。
【0054】
なお、前述の説明では、横方向をX軸方向、縦方向をY軸方向とし、向かって左側から右側へX座標が増加し、下側から上側へY座標が増加する座標系を設定しているが、これらの方向等の定義は任意なものであり、必要に応じて適宜設定すればよい。これにより、前述のようにマトリクス表示入力部9の下端を跳ね返り端とするのではなく、右端や左端、さらには上端を跳ね返り端に設定することもできる。
【0055】
次に、第2の実施形態に係る演奏装置について図を参照して説明する。
本実施形態は、第1の実施形態と機構的、電気的構成は同じであるが、発音処理および発光消光処理が異なるものである。したがって、第1の実施形態と同じ箇所については説明を省略する。
【0056】
記憶部4は、キースイッチ100毎の発音設定データ等とは別に、以下に具体的に説明する「プッシュモード」時に、キースイッチ100が所定時間以上押下され続けた場合の発音データのエフェクト情報を記憶している。また、記憶部4は、同様に「プッシュモード」時に、キースイッチ100が所定時間以上押下され続けた場合の発光表示部110の発光パターンも記憶している。
【0057】
演奏処理部201は、記憶部4で記憶される発音設定データを用いて、ユーザが演奏操作をしたキースイッチ100に対応した発音をするよう音源6の音声信号の生成を制御する。具体的には、演奏処理部201は、初期化処理として、所定の初期音色で音源6に音色指定を行うとともに、上述した初期設定でノートナンバテーブルTに各スイッチのY座標に対応するノートナンバを登録する。
【0058】
演奏処理部201は、サブCPU12から押下キースイッチ位置情報を取得することで、ユーザの押下したキースイッチ100の座標を検出する。
【0059】
演奏処理部201は、ノートナンバテーブルTを参照することで、この通知された座標に応じたノートナンバを特定して音源6に通知する発音処理を実行する。これによって、音源6で、設定されている音色で、かつユーザの押下したキースイッチ100に対応した音声信号が生成される。
【0060】
表示処理部203は、演奏処理部201で得られた選択キースイッチ100の座標に基づき、対応する発光表示部110の発光表示を制御する処理(表示処理)を実行する。
【0061】
ここで、メインCPU2は、サブCPU12から押下情報に基づき、各キースイッチ100の連続押下時間を計測している。そして、ユーザがキースイッチ100を押下し続けて、連続押下時間が所定閾値時間を超えると、演奏処理部201および表示処理部203に、「プッシュモード」に移行する制御を行う。
【0062】
演奏処理部201は、「プッシュモード」の移行を検出すると、記憶部4からエフェクト情報を読み出し、時系列で発音データをエフェクトする。このエフェクトされた発音データは音源6に与えられる。ここで、このエフェクトとしては、例えば、徐々に音高を変化させたり、徐々に音長を変化させたり、徐々に音量を変化させる処理、すなわち、周波数変調や、繰り返し周期変化や、振幅変化を実行する処理である。
【0063】
このような処理により、ユーザの押下時間に応じて、非常に多様な連続的発音データを得ることができる。そして、複数のキースイッチを押下し続けることで、さらに多様で趣向性の高く、自由度の高い楽音データを簡単に得ることができる。この際、複数のキースイッチに押下開始時間は同じにする必要はなく、押下開始時間が異なれば、より一層多様な楽音データが得られる。また、エフェクト情報は、全てのキースイッチに対して同じであってもよいが、異ならせておくことにより、さらに楽音データの自由度が向上する。
【0064】
表示処理部203は、「プッシュモード」の移行を検出すると、記憶部4から発光パターンを読み出して、この発光パターンで該当する発光表示部110を発光制御する。
【0065】
図8は、プッシュモード時におけるマトリクス表示入力部9の発光パターンを示す図であり、(A)はプッシュモード開始時(一点押下)、(B)は押下点が2点に変化し、所定時間経過した時を示す。
【0066】
まず、表示処理部203は、ある特定のキースイッチ100Aでの「プッシュモード」の移行を検出すると、図8(A)に示すように、ユーザが指901で押下しているキースイッチ100Aの発光表示部110Aを発光させた状態から、周囲の発光表示部110Bを含む所定領域で発光制御を行う。この際、元々発光している押下キースイッチ100Aの発光表示部110Aは経過時間とともに、発光強度を強くする。
【0067】
次に、表示処理部203は、別のキースイッチ100Cでの「プッシュモード」の移行を検出すると、図8(B)に示すように、ユーザが指902で押下しているキースイッチ100Cの発光表示部110Cを発光させた状態から、周囲の発光表示部110Dを含む所定領域で発光制御を行う。この際、発光表示部110Aの周囲の発光表示部110Bの範囲はさらに拡大している。
【0068】
なお、発光パターンはここに述べたように、徐々に強く広くなるものに限らず、徐々に弱くなるものや、所定周期で強弱をつけたり、発光範囲を広くしたり狭くしたりすることもできる。
【0069】
このような処理により、ユーザの押下時間に応じて、多様な発光パターンを得ることができる。そして、複数のキースイッチを押下し続けることで、さらに多様で趣向性の高く、自由度の高い発光パターンを簡単に得ることができる。
【0070】
これにより、ユーザは、聴覚的に楽しいだけではなく、視覚的にも非常に楽しく演奏を行うことができる。
【0071】
次に、本実施形態の演奏装置の動作処理について説明する。
【0072】
図9は本実施形態の演奏装置のプッシュモード処理のフローチャートである。
【0073】
ユーザにより、前述のように所定のキースイッチ100が押下され続けると、マトリクス表示入力部9のサブCPU12は該当するキースイッチ100は選択状態とし、この選択されたキースイッチ100に対応する座標情報をメインCPU2に与える(S11→S12→S13)。
【0074】
演奏処理部201は該当するキースイッチ100に対応する発音データを取得して発音し、表示処理部203は該当する発光表示部110に対して通常の強発光処理を行う(S14)。
この際、メインCPU2はタイマ13を利用して押下時間をカウントする(S15)。
【0075】
そして、計測押下時間が所定閾値Tthを超えると(S16)、メインCPU2は「プッシュモード」に切り替え、演奏処理部201は発音データをエフェクトし(S17)、表示処理部203は所定の発光パターンで発光制御を行う(S18)。
【0076】
このような処理は、該当するキースイッチ100の押下が解除されるまで継続して行われる(S18→S11→S12)。
【0077】
このような構成および処理を行うことで、ユーザは趣向性が高く、自由度が高い楽音を簡単に作曲することができるとともに、視覚的にも趣向性が高く、自由度が高い表示パターンを簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態の演奏装置1の外観斜視図である。
【図2】図1の演奏装置1を手前側(ユーザ側)から見た場合のスイッチ群10および発光表示部110の構成を示す図である。
【図3】図1に示す演奏装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】取得したキースイッチ100の座標と、以下に示すいわゆる「バウンズモード」の移動ルートとの関係を示す図である。
【図5】バウンズモードにおけるマトリクス表示入力部9の発光状態を示す概念図である。
【図6】バウンズモードにおいて複数のキースイッチを選択した状態でのマトリクス表示入力部9を示した図である。
【図7】第1の実施形態の演奏装置のバウンズモード処理のフローチャート
【図8】プッシュモード時におけるマトリクス表示入力部9の発光パターンを示す図である。
【図9】第2の実施形態の演奏装置のプッシュモード処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1−演奏装置、2−メインCPU、3−ROM、4−記憶部、5−RAM、6−音源、7−D/Aコンバータ、8−サウンドシステム、9−マトリクス表示入力部、10−キースイッチ群、11−発光表示部群、12−サブCPU、13−タイマ、14−入出力部、15−バスライン、21−表示部、22,22A〜22I−制御スイッチ、24−他機通信I/F、25−通信I/F、100−キースイッチ、110−発光表示部、500−筐体




 

 


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