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発明の名称 鍵盤装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−52402(P2007−52402A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2006−156174(P2006−156174)
出願日 平成18年6月5日(2006.6.5)
代理人 【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
発明者 西田 賢一
要約 課題
白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、奥行き方向をコンパクトにする。

解決手段
白鍵20、黒鍵40に対応する質量体50W、50Bの下側係合片53W、53B、及び後端部52W、52Bは、それぞれ、前後方向における位置が同一で、質量体50Bの回動軸14Bは、質量体50Wの回動軸14Wよりも後方に位置する。下側係合片53Bと回動軸14Bとの距離は、下側係合片53Wと回動軸14Wとの距離よりも長い。質量体50W、50Bの回動範囲は、上限ストッパ83及び下限ストッパ84によって規制され、各後端部52W、52Bの移動ストロークstW3、stB3は同一で、白鍵20、黒鍵40間で押鍵ストロークstW1、stB1も同一である。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持部材と、
駆動部を有し、基端部において各々回動自在に前記支持部材に配設された、複数の白鍵及び複数の黒鍵から成る複数の鍵と、
前記支持部材に固定的に設けられた複数の回動支点部と、
前記複数の各回動支点部に対応して設けられ、被駆動部を有すると共に、対応する回動支点部を中心に各々回動自在に配設された、前記各白鍵に対応する白鍵対応質量体及び前記各黒鍵に対応する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体とを有し、
前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵の駆動部により対応する質量体の被駆動部が駆動されて、該対応する質量体が対応する回動支点部を中心に回動するように構成された鍵盤装置であって、
前記白鍵対応質量体の被駆動部と前記黒鍵対応質量体の被駆動部とは前後方向の位置が同一であり、且つ、前記黒鍵対応質量体における前記被駆動部と前記回動支点部との距離が、前記白鍵対応質量体における前記被駆動部と前記回動支点部との距離よりも長いことを特徴とする鍵盤装置。
【請求項2】
前記複数の質量体の回動範囲を規制する回動範囲規制手段を有し、回動による各質量体の自由端部の移動距離を、前記白鍵対応質量体と前記黒鍵対応質量体との間で略同一としたことを特徴とする請求項1記載の鍵盤装置。
【請求項3】
支持部材と、
駆動部を有し、基端部において各々回動自在に前記支持部材に配設された、複数の白鍵及び複数の黒鍵から成る複数の鍵と、
前記支持部材に固定的に設けられた複数の回動支点部と、
前記複数の各回動支点部に対応して設けられ、被駆動部を有すると共に、対応する回動支点部を中心に各々回動自在に配設された、前記各白鍵に対応する白鍵対応質量体及び前記各黒鍵に対応する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体とを有し、
前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵の駆動部により対応する質量体の被駆動部が駆動されて、該対応する質量体が対応する回動支点部を中心に回動するように構成された鍵盤装置であって、
前記複数の各質量体において、前記回動支点部は、前記被駆動部に対して前後方向一側に位置し、
互いに隣接する白鍵対応質量体と黒鍵対応質量体とでは、黒鍵対応質量体に対応する回動支点部の方が、より前記前後方向一側寄りに位置すると共に、
前記複数の白鍵対応質量体及び前記複数の黒鍵対応質量体のそれぞれについて、前記鍵のタッチ感触が、低音側から高音側にいくにつれて徐々に軽くなるように、各質量体における回動支点部の位置が、高音側の質量体ほど、より前記前後方向一側寄りに位置することを特徴とする鍵盤装置。
【請求項4】
前記複数の質量体の回動範囲を規制する回動範囲規制手段を有し、該回動範囲規制手段により、前記複数の白鍵対応質量体及び前記複数の黒鍵対応質量体のそれぞれについて、回動による各質量体の自由端部の移動距離が、高音側の質量体ほど小さくなるようにされたことを特徴とする請求項3記載の鍵盤装置。
【請求項5】
樹脂製の支持部材と、
前記支持部材に一体に形成され、前後方向及び上下方向に沿って延びるリブ状の複数の支点部配設部と、
前記複数の各支点部配設部に対応し、対応する支点部配設部に各々固定的に配設された複数の回動支点部と、
前記複数の各回動支点部に対応して配設され、押鍵のための操作に応じて、対応する回動支点部を中心に各々回動する複数の回動部材とを有し、
前記各回動部材に対応する支点部配設部と、該回動部材に対して左右少なくとも一側に隣接する回動部材に対応する支点部配設部との、前後方向の位置が異なっていることを特徴とする鍵盤装置。
【請求項6】
前記各回動部材に対応する回動支点部と、該回動部材に対して左右少なくとも一側に隣接する回動部材に対応する回動支点部との、前後方向の位置が異なっていることを特徴とする請求項5記載の鍵盤装置。
【請求項7】
前記複数の回動部材は、各々被駆動部を有し、白鍵の押鍵動作に応じて回動する白鍵対応質量体及び黒鍵の押鍵動作に応じて回動する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体であり、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵により、各々の被駆動部が駆動されることで回動するように構成され、前記複数の各質量体において、前記回動支点部は、前記被駆動部に対して前後方向一側に位置し、前記黒鍵対応質量体に対応する回動支点部の方が、前記白鍵対応質量体に対応する回動支点部よりも、前記前後方向一側寄りに位置することを特徴とする請求項5または6記載の鍵盤装置。
【請求項8】
前記複数の回動部材は、各々被駆動部を有し、白鍵の押鍵動作に応じて回動する白鍵対応質量体及び黒鍵の押鍵動作に応じて回動する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体であり、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵により、各々の被駆動部が駆動されることで回動するように構成され、前記白鍵対応質量体に対応する支点部配設部と、前記黒鍵対応質量体に対応する支点部配設部との、前後方向の位置が異なっていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の鍵盤装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、押鍵のための操作に応じて回動する回動部材を備えた鍵盤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鍵盤装置においては、平行鍵盤であれば、白鍵と黒鍵の押鍵ストローク及びタッチの重さを均一にすることが容易である。しかし、鍵が、鍵支点部を中心に上下方向に回動するように構成される鍵盤装置においては、主に押鍵操作される箇所と鍵支点部との距離が、白鍵よりも黒鍵の方が短いため、特に工夫をしないと、黒鍵の方が押鍵ストロークを確保しにくく、タッチも重くなる傾向にある。
【0003】
そこで、白鍵の鍵支点部よりも黒鍵の鍵支点部を後方に位置させ、白鍵と黒鍵のタッチ感触のバランスを少しでもとるようにした鍵盤装置が知られている(下記特許文献1)。
【0004】
一方、鍵盤装置においては、押鍵される鍵に対して適当な慣性力を与えるための質量体を鍵フレーム等に回動支点部を中心に回動自在に配設したものも知られている。この種の鍵盤装置では、一般に、押鍵操作されると、鍵の駆動部によって質量体の被駆動部が駆動されて、質量体が鍵に連動して回動する。
【0005】
また、この種の質量体を備えた鍵盤装置では、例えば、回動支点部の前後方向の位置を、白鍵/黒鍵に対応する全質量体において共通とする一方、被駆動部の前後方向の位置については、黒鍵用の質量体の被駆動部の方が白鍵用の質量体の被駆動部よりも前方に位置するようにしている。すなわち、テコ比の原理を利用して、黒鍵の押鍵ストロークを適切に確保すると共に白鍵とのタッチ感触のバランスを極力とるようにしている。
【特許文献1】特公昭60−52439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように、白鍵用の質量体の被駆動部よりも、黒鍵用の質量体の被駆動部の方が前方に位置することから、黒鍵用の質量体が長くなり、鍵盤装置における、質量体が配設される部分の奥行き方向のスペースが圧迫されるという問題があった。
【0007】
ところで、鍵盤装置において、押鍵のための操作に応じて回動する回動部材(鍵や質量体等)を回動自在に支持する回動支点部の構成は、各種存在するが、その中で、特に、鍵フレームから上下方向及び前後方向に沿って延設されるリブに回動支点部が設けられる場合があり、しかも、そのリブが、金型による射出成形で樹脂製の鍵フレームと一体に形成されるものがある。
【0008】
この場合、隣接する鍵に対応するリブ同士は、極めて近接していて、なおかつ薄板状であるので、金型形状における、当該リブを形成するための突設片等の肉厚を薄くせざるを得ず、そのため金型強度が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、奥行き方向をコンパクトにすることができる鍵盤装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、タッチの重さのキースケーリングを容易に実現することができる鍵盤装置を
提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、支持部材を射出成形するための金型の薄肉形状部分を削減して、金型強度を向上させることができる鍵盤装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、支持部材(10)と、駆動部(31)を有し、基端部(30)において各々回動自在に前記支持部材に配設された、複数の白鍵(20)及び複数の黒鍵(40)から成る複数の鍵と、前記支持部材に固定的に設けられた複数の回動支点部(14)と、前記複数の各回動支点部に対応して設けられ、被駆動部(53)を有すると共に、対応する回動支点部を中心に各々回動自在に配設された、前記各白鍵に対応する白鍵対応質量体(50W)及び前記各黒鍵に対応する黒鍵対応質量体(50B)から成る複数の質量体とを有し、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵の駆動部により対応する質量体の被駆動部が駆動されて、該対応する質量体が対応する回動支点部を中心に回動するように構成された鍵盤装置であって、前記白鍵対応質量体の被駆動部と前記黒鍵対応質量体の被駆動部とは前後方向の位置が同一であり、且つ、前記黒鍵対応質量体における前記被駆動部と前記回動支点部との距離が、前記白鍵対応質量体における前記被駆動部と前記回動支点部との距離よりも長いことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記複数の質量体の回動範囲を規制する回動範囲規制手段(83、84)を有し、回動による各質量体の自由端部の移動距離を、前記白鍵対応質量体と前記黒鍵対応質量体との間で略同一とする(請求項2)。
【0014】
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項3の鍵盤装置は、支持部材(110)と、駆動部を有し、基端部において各々回動自在に前記支持部材に配設された、複数の白鍵及び複数の黒鍵から成る複数の鍵と、前記支持部材に固定的に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の各回動支点部に対応して設けられ、被駆動部を有すると共に、対応する回動支点部を中心に各々回動自在に配設された、前記各白鍵に対応する白鍵対応質量体及び前記各黒鍵に対応する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体とを有し、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵の駆動部により対応する質量体の被駆動部が駆動されて、該対応する質量体が対応する回動支点部を中心に回動するように構成された鍵盤装置であって、前記複数の各質量体において、前記回動支点部は、前記被駆動部に対して前後方向一側に位置し、互いに隣接する白鍵対応質量体と黒鍵対応質量体とでは、黒鍵対応質量体に対応する回動支点部の方が、より前記前後方向一側寄りに位置すると共に、前記複数の白鍵対応質量体及び前記複数の黒鍵対応質量体のそれぞれについて、前記鍵のタッチ感触が、低音側から高音側にいくにつれて徐々に軽くなるように、各質量体における回動支点部の位置が、高音側の質量体ほど、より前記前後方向一側寄りに位置することを特徴とする。
【0015】
ここで、全質量体における被駆動部の前後方向の位置を同一とし、且つ、被駆動部と回動支点部との距離を高音側ほど長くしてもよい。これにより、鍵盤装置の奥行き方向をコンパクトにすることができる。
【0016】
好ましくは、前記複数の質量体の回動範囲を規制する回動範囲規制手段(183、184)を有し、該回動範囲規制手段により、前記複数の白鍵対応質量体及び前記複数の黒鍵対応質量体のそれぞれについて、回動による各質量体の自由端部の移動距離が、高音側の質量体ほど小さくなるようにされる(請求項4)。
【0017】
上記第3の目的を達成するために本発明の請求項5の鍵盤装置は、樹脂製の支持部材と、前記支持部材に一体に形成され、前後方向及び上下方向に沿って延びるリブ状の複数の支点部配設部(13)と、前記複数の各支点部配設部に対応し、対応する支点部配設部に
各々固定的に配設された複数の回動支点部(14)と、前記複数の各回動支点部に対応して配設され、押鍵のための操作に応じて、対応する回動支点部を中心に各々回動する複数の回動部材(50)とを有し、前記各回動部材に対応する支点部配設部と、該回動部材に対して左右少なくとも一側に隣接する回動部材に対応する支点部配設部との、前後方向の位置が異なっていることを特徴とする。
【0018】
好ましくは、前記各回動部材に対応する回動支点部と、該回動部材に対して左右少なくとも一側に隣接する回動部材に対応する回動支点部との、前後方向の位置が異なっている(請求項6)。
【0019】
さらに好ましくは、前記複数の回動部材は、各々被駆動部を有し、白鍵の押鍵動作に応じて回動する白鍵対応質量体及び黒鍵の押鍵動作に応じて回動する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体であり、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵により、各々の被駆動部が駆動されることで回動するように構成され、前記複数の各質量体において、前記回動支点部は、前記被駆動部に対して前後方向一側に位置し、前記黒鍵対応質量体に対応する回動支点部(14B)の方が、前記白鍵対応質量体に対応する回動支点部(14W)よりも、前記前後方向一側寄りに位置する(請求項7)。
【0020】
さらに好ましくは、前記複数の回動部材は、各々被駆動部を有し、白鍵の押鍵動作に応じて回動する白鍵対応質量体及び黒鍵の押鍵動作に応じて回動する黒鍵対応質量体から成る複数の質量体であり、前記各鍵の回動に応じて、前記各鍵により、各々の被駆動部が駆動されることで回動するように構成され、前記白鍵対応質量体に対応する支点部配設部と、前記黒鍵対応質量体に対応する支点部配設部との、前後方向の位置が異なっている(請求項8)。
【0021】
なお、上記括弧内の符号は例示である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1によれば、白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、奥行き方向をコンパクトにすることができる。
【0023】
請求項2によれば、白鍵と黒鍵との間でタッチの重さのバランスもとることができ、白鍵と黒鍵との間でタッチ感触を一致させることができる。
【0024】
本発明の請求項3によれば、白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、タッチの重さのキースケーリングを容易に実現することができる。
【0025】
請求項4によれば、各白鍵間の押鍵ストローク及び各黒鍵間の押鍵ストロークをそれぞれ均一にして、タッチ感触のキースケーリングをより良好なものにすることができる。
【0026】
本発明の請求項5によれば、支持部材を射出成形するための金型の薄肉形状部分を削減して、金型強度を向上させることができる。
【0027】
請求項6によれば、左右方向における回動支点部同士の干渉を回避しやすくして、回動支点部の設計の自由度を向上させることができる。
【0028】
請求項7によれば、白鍵と黒鍵との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、奥行き方向をコンパクトにすることができる。
【0029】
請求項8によれば、質量体に対応する支点部配設部を有する支持部材を射出成形するための金型の薄肉形状部分を削減して、金型強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。この鍵盤装置1は、電子鍵盤楽器として構成される。以降、鍵盤装置1の奏者側(同図左方)を前方と呼称する。
【0031】
図1に示すように、鍵盤装置1において、上ケース60と下ケース70とで構成される筐体内に、鍵フレーム10が配設される。鍵フレーム10には、複数の白鍵20及び複数の黒鍵40から成る鍵ユニットKUが複数配設される。各鍵ユニットKUの共通基端部30が鍵フレーム10に固定的に保持され、白鍵20、黒鍵40の各々の自由端部が上下方向に回動(乃至揺動)自在にされている。
【0032】
鍵フレーム10は、下ケース70に対して、複数のネジ72、73、74で結合される。また、下ケース70、上ケース60及び鍵フレーム10が、各々の前部において、複数のネジ71で共締めにより結合される。さらに、下ケース70と上ケース60とが、各々の後部の適所において複数のネジで結合される(図示せず)。下ケース70の下部には、電池収容等のための凹部18が形成されている。
【0033】
以降、鍵盤装置1の構成要素のうち、白鍵20、黒鍵40に対応し、且つ同種のものについて、同じ符号を用いる場合があるが、白鍵20に対応するものと黒鍵40に対応するものとを区別する必要があるときは、その符号の後に、それぞれ「W」、「B」を付して区別する。
【0034】
鍵フレーム10には、白鍵20、黒鍵40の各々に対応して、質量体50(50W、50B)が設けられる。各質量体50W、50Bは、各々の軸受け部51で、鍵フレーム10に形成された質量体支持リブ13(13W、13B;図4、図5で後述)に設けられた回動軸14(14W、14B;図4、図5で後述)を中心に上下方向に回動自在に支持される。質量体50W、50Bの後端部52(52W、52B)は、各質量体50W、50Bの質量のほとんどが集中している。質量体50は、対応する鍵と連動して回動し、回動することで、対応する鍵に対して適当な慣性力を付与し、アコースティックピアノのようなタッチ感触を実現している。
【0035】
鍵フレーム10の後部において、上側に上限ストッパ83、下側に下限ストッパ84が設けられる。これら上限ストッパ83、下限ストッパ84は、各鍵に対応して設けてもよいが、本実施の形態では、複数鍵(例えば、全鍵あるいは1つの鍵ユニットKU中の全鍵)に共通に設けられる。質量体50の後端部52が下限ストッパ84に当接することで、質量体50及びそれに対応する鍵の非押鍵位置(初期位置)が規制される。一方、質量体50の後端部52が上限ストッパ83に当接することで、質量体50及びそれに対応する鍵の押鍵終了位置(回動終了位置)が規制される。
【0036】
また、鍵フレーム10に設けられた基板80上に、押鍵スイッチ81が白鍵20、黒鍵40の各々に対応して設けられ、これらの押鍵スイッチ81が、対応する鍵の押下操作を検出する。押鍵スイッチ81による検出結果に基づき、不図示の楽音発生部により楽音が発生する。
【0037】
また、鍵フレーム10の前部には押鍵動作の案内をするキーガイド部12が各白鍵20に対応して設けられる。白鍵20の前端部20aには、キーガイド部12に係合する被キーガイド部33(図2参照)が形成され、両者の係合により、白鍵20の前端部20aは、その左右方向の移動が規制されて、上下方向に適切に動作するようになっている。
【0038】
1つの鍵ユニットKUは、詳細は図示しないが、2つの白鍵ユニットと1つの黒鍵ユニットとがそれらの基端部で積層されて成る。1つの鍵ユニットKUは、例えば、1オクターブを単位として構成されるが、これに限られない。鍵ユニットKUにおいて、各白鍵20は、共通基端部30に、いずれも薄板状の垂直ヒンジ部24及び水平ヒンジ22を介して白鍵本体が連結されて構成される。黒鍵40は、共通基端部30に、薄板状の水平ヒンジ42を介して黒鍵本体が連結されて構成される。共通基端部30は、ネジ82で、鍵フ
レーム10に対して締結固着される。
【0039】
垂直ヒンジ部24によって、白鍵20の自由端部の鍵並び方向(左右方向)への揺動が許容されるが、キーガイド部12と被キーガイド部33との係合によって、白鍵20の自由端部の位置が適切に規制される。また、水平ヒンジ22が上下方向に撓むことで、白鍵20の自由端部が、押離鍵方向(上下方向)に回動自在になる。また、水平ヒンジ42が、水平ヒンジ22と同様に、上下方向に撓むことで、黒鍵40の自由端部が、押離鍵方向に回動自在になる。白鍵20、黒鍵40の各回動支点となる位置は、厳密には、それぞれ、垂直ヒンジ部24と水平ヒンジ22との接続点PW、共通基端部30と水平ヒンジ42との接続点PBである(図6参照)。また、水平ヒンジ22、水平ヒンジ部42の前後方向における各中心部が、白鍵20、黒鍵40の実質的な回動中心となる。
【0040】
図2は、白鍵20の前半部の断面図である。図3は、黒鍵40の前半部の側面図(一部断面図)である。図4は、鍵フレーム10に質量体50が組み付けられた状態を示す部分平面図である。図5は、鍵フレーム10の前半部の断面図である。
【0041】
図4、図5に示すように、鍵フレーム10には、上記質量体支持リブ13が形成される。鍵フレーム10は樹脂製であり、金型により射出成形される。質量体支持リブ13は、鍵フレーム10の上面において、鍵フレーム10と一体に形成され、前後方向及び上下方向に沿って薄板状に延設されている。質量体支持リブ13W、13Bは、白鍵20、黒鍵40に対応してそれぞれ一対設けられる。すべての質量体支持リブ13W、すべての質量体支持リブ13Bは、それぞれ、前後方向における同じ位置に設けられる。質量体支持リブ13Bは、質量体支持リブ13Wよりも後方に位置し、前後方向における質量体支持リブ13Wと質量体支持リブ13Bとのオーバーラップする部分が少なくなっている。
【0042】
また、各一対の質量体支持リブ13W間、各一対の質量体支持リブ13B間には、上記回動軸14W、上記回動軸14Bが、それぞれ懸架されている。回動軸14Bは、回動軸14Wよりも後方に位置し、両者は、前後方向においてオーバーラップしていない。
【0043】
図4、図5に示すように、鍵フレーム10の最前部には、各白鍵20に対応して、上下方向に延びる上記キーガイド部12が一体に形成されている。一方、図2に示すように、白鍵20の前端部20aには、上記被キーガイド部33が形成される。
【0044】
図1、図5に示すように、質量体50の軸受け部51(51W、51B;51Bは図示せず)は、後方が開口している。軸受け部51を、その開口した側から回動軸14に嵌合することで、図4に示すように、質量体50W、50Bが、それぞれ回動軸14W、回動軸14Bを中心に回動自在になる。質量体50は、回動軸14に回動自在に配設された自由状態(未だ鍵が配設されていない状態)では、自重により、後端部52が下限ストッパ84(図1参照)に当接し、前端部が上方に、後端部52が下方にそれぞれ位置するようになっている。
【0045】
質量体50の軸受け部51の下側からは後方に向かって舌片56(56W、56B)が延設されている。舌片56は柔らかい樹脂等で構成され可撓性を有し、軸受け部51を回動軸14に嵌合する際、舌片56が、ガイド機能を果たす。また、軸受け部51の開口部は、舌片56の根本付近の方が舌片56の先端付近よりも細くなっており、軸受け部51に嵌合された回動軸14が抜けにくくなっている。
【0046】
図2、図3、図4に示すように、質量体50W、50Bの各前端部には、白鍵20、黒鍵40によってそれぞれ駆動される被駆動部である下側係合片53W、53Bと、上側係合片54W、54Bとが設けられ、これら上側係合片54W、54B及び下側係合片53W、53Bの間に、それぞれ被嵌合凹部55W、55Bが形成される(図2、図3参照)

【0047】
ここで、前後方向及び上下方向における位置関係は、上側係合片54Wと上側係合片54Bとで同一、下側係合片53Wと下側係合片53Bとで同一となっている。回動軸14Bを回動軸14Wよりも後方にずらしたことにより、下側係合片53Bと回動軸14Bとの距離の方が、下側係合片53Wと回動軸14Wとの距離よりも長くなっている(図4参照)。これにより、後端部52の質量が同じである質量体50同士の単独回動で考えれば、テコ比の関係で、下側係合片53W、53Bが駆動されるとき、質量体50Wよりも質量体50Bの方が、より弱い駆動力で回動する。
【0048】
図2に示すように、白鍵20の前半部の下部には、駆動用垂下片29が垂下して一体に設けられる。駆動用垂下片29の下端部には、ゴム等の弾性部材31Wが固着されており、この弾性部材31W(の下端)が、対応する質量体50Wを直接駆動する駆動部として機能する。すなわち、鍵ユニットKUの鍵フレーム10への適切な組み付け後においては、弾性部材31Wは、質量体50Wの被嵌合凹部55Wにおいて、下側係合片53Wと上側係合片54Wとの間に係合し、下側係合片53Wの上面53Waと上側係合片54Wの下面54Waとに常に当接する。
【0049】
例えば、白鍵20が押鍵されると、当該白鍵20の駆動用垂下片29の弾性部材31Wが、対応する質量体50Wの下側係合片53Wの上面53Waを駆動し、該質量体50Wが、白鍵20に連動して押鍵方向(質量体50Wの前端部が下方に移動する方向)に回動する。一方、離鍵がなされると、質量体50Wの自重と、白鍵20の水平ヒンジ22の弾性による復帰力とによって、白鍵20と共に質量体50Wが離鍵方向(質量体50Wの前端部が上方に移動する方向)に連動して回動する。従って、演奏操作においては、白鍵20と質量体50Wとが常に連動して回動する。
【0050】
質量体50Bの前端部の構成、黒鍵40と質量体50Bとの係合関係は、白鍵20乃至質量体50Wと同様である。すなわち、図3に示すように、黒鍵40の前半部の下部には、駆動用垂下片45が垂下して一体に設けられる(図1も参照)。駆動用垂下片45の下端部に固着された弾性部材31Bが、質量体50Bの被嵌合凹部55Bにおいて、下側係合片53Bと上側係合片54Bとの間に係合し、下側係合片53Bの上面53Baと上側係合片54Bの下面54Baとに常に当接する。演奏時における黒鍵40と質量体50Bとの間の作用、動作も白鍵20乃至質量体50Wと同様である。
【0051】
かかる構成において、質量体50及び鍵ユニットKUの鍵フレーム10に対する組み付けは、次のようにしてなされる。まず、鍵フレーム10に対して、前方から、質量体50の軸受け部51を対応する回動軸14に嵌合する。全質量体50について、同様にして組み付ける。
【0052】
一方、鍵ユニットKU(1オクターブ分)を、必要数分、別途構成しておく。そして、鍵ユニットKUを、前方から後方に移動させ、鍵ユニットKU中のすべての弾性部材31を、一斉に、対応する質量体50の下側係合片53(の上面53Wa、53Ba)に当接させる。そして、鍵ユニットKUをさらに後方に移動させて、すべての弾性部材31を、質量体50の下側係合片53と上側係合片54との間(被嵌合凹部55)に一斉に嵌合状態で係合させる(図2、図3参照)。
【0053】
一方、弾性部材31が被嵌合凹部55に係合するのと並行して、鍵ユニットKU中の白鍵20の被キーガイド部33が、鍵フレーム10の対応するキーガイド部12に自然に係合する。その後、鍵ユニットKUの共通基端部30を、鍵フレーム10にネジ82(図1参照)で締結する。他の鍵ユニットKUについても同様にして組み付ける。
【0054】
完成後の鍵盤装置1においては、白鍵20、黒鍵40及び質量体50W、50Bの回動範囲は次のようになっている。図6(a)は、黒鍵40及び質量体50Bの回動動作を示す模式図、同図(b)は、白鍵20及び質量体50Wの回動動作を示す模式図である。
【0055】
まず、上述したように、下側係合片53Wと下側係合片53Bの前後方向の位置は同一である。また、質量体50W、50Bの全長は同じに設定されており、質量体50W、50Bの各後端部52W、52Bの位置も同一である。しかし、上述したように、回動軸14W、14Bの位置は異なっており、回動軸14Wより回動軸14Bの方が後方にある。ちなみに、接続点PWと接続点PBとの位置も異なっており、接続点PBの方がやや後方に位置する。
【0056】
このような位置関係において、質量体50W、50Bの回動範囲が、上限ストッパ83及び下限ストッパ84によって規制されることにより、以下の各部位の上下方向の可動量であるストロークは、次のようになる。まず、後端部52W、52Bの上下方向の各移動ストロークをstW3、stB3とし、下側係合片53W、下側係合片53Bの上下方向の各移動ストロークをstW2、stB2とし、白鍵20及び黒鍵40のそれぞれ高頻度で押下操作される領域における上下方向の各移動ストローク(押鍵ストローク)をstW1、stB1とする。各ストロークの大小関係は、stW3=stB3、stW2<stB2、stW1=stB1となっている。
【0057】
ここで、stW3、stB3を論じるに際し、自由端部である後端部52W、52Bは、上限ストッパ83、下限ストッパ84との当接部位及び該当接部位より後方部分であるとする。stW3、stB3は、厳密には、後端部52W、52Bのうち所定部位(所定の点)の上下方向の各移動ストロークである。あるいは、stW3、stB3は、上限ストッパ83に対する後端部52W、52Bの当接部位と下限ストッパ84に対する後端部52W、52Bの当接部位との上下方向の距離であるとしてもよい。
【0058】
stW1=stB1であることにより、白鍵20、黒鍵40間で押鍵ストロークが同一で、バランスがとれている。しかも、stW3=stB3であることにより、押鍵時のタッチの重さもバランスがとれている。高頻度で押下操作される領域の前後方向の位置は、もともと、白鍵20、黒鍵40間で異なっているが、回動軸14Bを、回動軸14Wよりも後方に位置させ、且つ、下側係合片53と回動軸14との距離を、黒鍵40に対応するものの方が長く設定したことで、タッチ感触(ストローク及びタッチの重さ)のバランスを適切にとることが可能となっている。
【0059】
本実施の形態によれば、白鍵20と黒鍵40との間のタッチ感触の良好なバランスを確保することができ、しかも、押鍵ストロークを一致させると共に、質量体50の後端部52の移動ストロークstW3、stB3を同一としてタッチの重さのバランスもとったので、白鍵20と黒鍵40との間でタッチ感触を一致させることができる。また、質量体50W、50Bの全長は同じで、前端位置(下側係合片53W、53B)及び後端位置(後端部52W、52B)がそれぞれ一致していることから、従来のように、白鍵と黒鍵とで質量体50の全長を異ならせる等によってタッチ感触のバランスをとる構成に比し、鍵盤装置の内部における、質量体50が配設される部分の奥行き方向におけるスペースに無駄が生じにくい。従って、鍵盤装置の奥行き方向をコンパクトにすることができる。
【0060】
本実施の形態によればまた、質量体支持リブ13Bは、質量体支持リブ13Wよりも後方に位置し、前後方向における両者のオーバーラップ部分が少ない(図4、図5参照)。質量体支持リブ13を鍵フレーム10と一体に射出成形するための金型には、隣接する質量体支持リブ13W、13B間に応じた薄肉の突設片を設けなければならない。仮に、質量体支持リブ13W、13Bが多くの領域でオーバーラップする場合は、上記薄肉の突設片の範囲が多くなって、金型強度が低下する。質量体支持リブ13W、13Bは鍵配置の関係で隣接することが多いことから、上記のようにオーバーラップ部分を少なくしたことで、金型における上記薄肉の突設片の範囲が少なくて済み、金型強度を向上させることができる。ところで、各質量体支持リブ13からみれば、質量体支持リブ13Wまたは質量体支持リブ13Bが3つ以上連続しないことから、左右少なくとも一側に隣接する質量体支持リブ13との前後方向における位置が必ず異なっている。そのため、これら位置が異
なっている両質量体支持リブ13を成形する金型部分に関して、強度向上の効果は得られる。
【0061】
また、回動軸14Bは、回動軸14Wよりも後方に位置し、両者は、前後方向においてオーバーラップしていないので、左右方向における回動軸14同士の干渉を回避しやすくして、回動軸14の設計の自由度を向上させることができる。すなわち、一般に、回動軸14で例示したような、押鍵動作に応じて回動する質量体等の回動支点は、演奏操作時に作用する力のすべてを受けるといっても過言でなく、高い強度と耐久性が必要とされ、自ずと寸法が肥大する傾向にある。これに対し、本実施の形態では、各回動軸14からみれば、左右少なくとも一側に隣接する回動軸14の前後方向の位置が必ず異なっているので、少なくとも、位置が異なっている側にはスペースが生じることから、多少、その側に支点機構が突出する設計も採用可能となる。従って、設計の自由度が向上する。
【0062】
なお、白鍵20と黒鍵40との間でタッチ感触のバランスを適当に確保する観点からは、下側係合片53の前後方向位置、下側係合片53と回動軸14との距離は、白鍵20に対応するものと黒鍵40に対応するものとで、必ずしも完全同一でなくてもよく、ほぼ同じであればよい。移動ストロークstW3、stB3、押鍵ストロークstW1、stB1についても、完全同一でなくてもよい。
【0063】
なお、金型強度を向上させる観点からは、回動軸14等の回動支点部で軸支される回動部材は、質量体50に限定されない。すなわち、押鍵のための操作に応じて、回動支点部を中心に回動する回動部材であればよく、鍵自身のほか、鍵と質量体50との間に介在して回動する部材であってもよい。従って、質量体支持リブ13についても、質量体50に限らず、上記のような各種回動部材を軸支するためのリブ状の部材であって、鍵フレームと一体成型で形成されるものであれば、本発明を適用可能である。
【0064】
なお、金型強度を一層向上させる観点からは、質量体支持リブ13Wと質量体支持リブ13Bとのオーバーラップする部分は、全く無いのが好ましい。
【0065】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、回動軸14W、14Bの前後方向位置を異ならせたが、本発明の第2の実施の形態では、それに加えて、回動軸14Wの位置、及び回動軸14Bの位置を、それぞれ、音高に応じて徐々に異ならせるように構成する。
【0066】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置における、鍵フレームに質量体が組み付けられた状態を模式的に示す部分平面図である。図8(a)は、鍵フレームに質量体が組み付けられた状態を模式的に示す側面図、同図(b)は、同状態を模式的に示す背面図である。
【0067】
図7に示すように、回動軸14W、14Bの前後方向の位置は、それぞれ、高音側にいくにつれて徐々に後側寄りとなっている。従って、白鍵20、黒兼40のそれぞれについて、高音側の鍵ほどタッチが軽くなっている。それでいて、回動軸14Wと回動軸14Bとの位置関係は、基本的には、第1の実施の形態と同様であり、回動軸14Bの方が後方にある。従って、黒鍵40のタッチは軽く、白鍵20とのタッチの重さのバランスはとられている。ところで、高音側の回動軸14Wと低音側の回動軸14Bとで比較すると、前後関係が逆転する場合もある。しかし、少なくとも、互いに隣接する回動軸14Wと回動軸14Bとの位置関係でみれば、回動軸14Bの方が回動軸14Wよりも後側寄りに位置しており、音高に従って変化するタッチの重さに違和感は生じない。
【0068】
鍵フレーム110は、質量体支持リブ13W、13B(図示省略)の位置が、回動軸1
4W、14Bの位置の、上記、音高に従った徐変に応じて徐変される点が、鍵フレーム10と異なり、その他の部分の構成は同様である。また、各質量体50W、50B自体の構成は第1の実施の形態のものと同じであり、それらの前後方向の配置が、回動軸14W、14Bの位置に応じて異なるだけである。従って、下側係合片53W、53B、後端部52W、52Bの位置も、各質量体50W、50Bの配置に応じて第1の実施の形態と異なる。また、鍵ユニットKUについては、第1の実施の形態に比し、質量体50W、50Bの下側係合片53W、53Bの位置の相違に応じて、駆動用垂下片29、45及び弾性部材31の位置が異なるが(いずれも図示せず)、その他の部分の構成は同様である。
【0069】
ところで、上記のように、高音側ほどタッチが軽くなったが、仮に、質量体50の後端部52の可動範囲が全質量体50で同一であるとすると、低音側の鍵ほど、押鍵ストロークが短くなってしまう。そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態における高さ均一の上限ストッパ83及び下限ストッパ84に代えて、図8(a)、(b)に示すように、各質量体50毎に高さが異なる上限ストッパ183及び下限ストッパ184を鍵フレーム110に設ける。
【0070】
図8(b)に示すように、上限ストッパ183の下面は、低音側にいくほど高く、下限ストッパ184の上面は、低音側にいくほど低くなっている。すなわち、低音側にいくほど上限ストッパ183と下限ストッパ184との間隔は広くなっており、従って、質量体50の後端部52の移動ストロークも、低音側ほど長い。このような設定により、白鍵20及び黒鍵40の、それぞれ高頻度で押下操作される領域における押鍵ストロークは、全鍵で均一となるようになっている。
【0071】
ところで、上記した、音高に応じた回動軸14W、14Bの位置の徐変を、仮に、全音域に亘って連続的に施すとすると、鍵盤装置1の前後長が長くなりすぎてしまう。そのため、本実施の形態では、鍵ユニットKUに対応する音域(1オクターブ)毎に徐変を繰り返し、且つ、各音域毎に、用いる質量体50のグレード(質量)を異ならせるように構成している。例えば、第1の音域に対して1つ高音側の第2の音域では、質量体50のグレードを1段階下げ(軽くし)、回動軸14の前後方向の位置の徐変パターンは、上記第1の音域と同じとする。従って、各音域において、最も左の回動軸14同士の位置は同じとする。なお、徐変パターンの繰り返しは、必ずしも、鍵ユニットKUに対応する音域毎でなくてもよく、数オクターブ毎でもよいし、複数鍵毎でもよい。
【0072】
本実施の形態によれば、白鍵20と黒鍵40との間のタッチ感触の良好なバランスを確保すると共に、鍵盤装置1の奥行き方向をコンパクトにすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。それだけでなく、タッチの重さのキースケーリング(音高に応じて重さが徐々に変わるようにすること)を容易に実現することができる。しかも、上限ストッパ183と下限ストッパ184との間隔を音高に応じて徐変させたことで、各白鍵20間の押鍵ストローク及び各黒鍵40間の押鍵ストロークをそれぞれ均一にしたので、押鍵タッチ感触が音高に応じた適切なものとなる。これらのことは、質量体50を各鍵毎に異ならせなくても可能であるので、少ない種類の質量体50で、全鍵キースケーリングが可能になる。
【0073】
なお、第2の実施の形態において、タッチの重さのキースケーリングを実現するという観点に限って言えば、全質量体50における下側係合片53の前後方向の位置を同一とし、且つ、下側係合片53と回動軸14との距離を、質量体50W、50Bのそれぞれについて、高音側ほど長くしてもよい。
【0074】
なお、第1、第2の実施の形態において、質量体50の下側係合片53が、回動軸14に対して前方に位置する構成を例示したが、これに限るものではない。例えば、上記各実
施の形態に対して、質量体50の向きを前後逆にし、自由端部を前方に向けた場合も、本発明を適用可能である。その場合、各質量体50における下側係合片53と回動軸14との位置関係が逆になることはもちろんのこと、質量体50W、50B間でも、回動軸14W、14Bの位置関係、下側係合片53W、53Bの位置関係も、前後逆となる。
【0075】
なお、第1、第2の実施の形態において、複数鍵が一体となった鍵ユニットKUを用いたが、これに限られず、各鍵が独立したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。
【図2】白鍵の前半部の断面図である。
【図3】黒鍵の前半部の側面図(一部断面図)である。
【図4】鍵フレームに質量体が組み付けられた状態を示す部分平面図である。
【図5】鍵フレームの前半部の断面図である。
【図6】黒鍵及び質量体の回動動作を示す模式図(図(a))、及び白鍵及び質量体の回動動作を示す模式図(図(b))である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置における、鍵フレームに質量体が組み付けられた状態を模式的に示す部分平面図である。
【図8】鍵フレームに質量体が組み付けられた状態を模式的に示す側面図(図(a))、及び同状態を模式的に示す背面図(図(b))である。
【符号の説明】
【0077】
1 鍵盤装置、 10、110 鍵フレーム(支持部材)、 13 質量体支持リブ(支点部配設部)、 14 回動軸(回動支点部)、 20 白鍵、 30 共通基端部(基端部)、 31 弾性部材(駆動部)、 40 黒鍵、 50W 質量体(白鍵対応質量体、回動部材)、 50B 質量体(黒鍵対応質量体、回動部材)、 53 下側係合片(被駆動部)、 83、183 上限ストッパ(回動範囲規制手段)、 84、184
下限ストッパ(回動範囲規制手段)




 

 


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