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電子鍵盤楽器 - ヤマハ株式会社
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発明の名称 電子鍵盤楽器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−52280(P2007−52280A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−237784(P2005−237784)
出願日 平成17年8月18日(2005.8.18)
代理人 【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
発明者 西田 賢一
要約 課題
各鍵に対応する2つの効果制御用センサの出力差が明確に生じるようにして、効果制御用センサの検出精度を向上させる。

解決手段
各白鍵21に対応する左側、右側の感圧センサ42L、42Rは、センサ押圧部24による押圧力に応じた出力sL及び出力sRを発生させる。押鍵操作により、鍵スイッチ12、13の検出信号に応じた音高の楽音が発生し、その楽音が、出力sL及び出力sRに応じて制御される。感圧センサ42L、42R間には支点部材41が設けられる。白鍵21の押下操作終了状態時における押圧位置の鍵並び方向への変化によって、センサ押圧部24が、支点部材41を支点として鍵長手方向に沿う軸を中心に回転する方向にシーソー運動しやすく、押圧位置に応じた力が、感圧センサ42L、42Rに伝わる。
特許請求の範囲
【請求項1】
先端側に設けられたセンサ押圧部を有し、各々押下操作される複数の鍵と、
前記複数の各鍵に対応し前記各鍵のセンサ押圧部に対向して設けられ、対応する鍵の押下操作終了時に、対応するセンサ押圧部によって押圧され得るように、鍵並び方向に離間して2つ配列され、各々、押圧力に応じた出力を発生させる効果制御用センサと、
前記各鍵の押下操作に基づき該各鍵に対応した楽音を発生させると共に、該各鍵に対応する効果制御用センサの出力に基づいて、前記発生させる楽音を制御する制御手段と、
平面視における前記各鍵に対応する2つの効果制御用センサの間に設けられた支点部とを有し、
前記各鍵の押下操作終了状態時における押圧位置の鍵並び方向への変化によって、前記各鍵のセンサ押圧部が、対応する支点部を支点として、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転する方向にシーソー運動し得るように構成されたことを特徴とする電子鍵盤楽器。
【請求項2】
先端側に設けられたセンサ押圧部を有し、各々押下操作される複数の鍵と、
前記複数の各鍵に対応し前記各鍵のセンサ押圧部に対向して設けられ、対応する鍵の押下操作終了時に、対応するセンサ押圧部の下面によって押圧され得るように、鍵並び方向に離間して2つ配列され、各々、押圧力に応じた出力を発生させる効果制御用センサと、
前記各鍵の押下操作に基づき該各鍵に対応した楽音を発生させると共に、該各鍵に対応する効果制御用センサの出力に基づいて、前記発生させる楽音を制御する制御手段とを有し、
前記各鍵のセンサ押圧部の下面における、対応する2つの効果制御用センサの間に対応する部分に、逃げ部が設けられたことを特徴とする電子鍵盤楽器。
【請求項3】
前記各鍵は、前記センサ押圧部が設けられた鍵本体が、鍵並び方向に長い幅広ヒンジ部を介して基端部に接続されて構成され、前記幅広ヒンジ部によって前記鍵の押鍵動作が規制されると共に、前記センサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっていることを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤楽器。
【請求項4】
前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押下操作時において該鍵の先端側の内壁に摺接することで該鍵の押鍵動作を規制する鍵動作ガイドを有し、前記鍵動作ガイドにおける、前記鍵の内壁に対して摺接する部分が正面視曲面状に形成されていることで、前記対応する鍵のセンサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっていることを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤楽器。
【請求項5】
前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押下操作時において該鍵の先端側の内壁に摺接することで該鍵の押鍵動作を規制する鍵動作ガイドを有し、前記鍵動作ガイドが軟質材で構成されていることで、前記対応する鍵のセンサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっていることを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤楽器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、押鍵終了時における鍵操作によって楽音の効果制御を行う電子鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押下操作される複数の鍵の各々に対応して、感圧センサ等の効果制御用センサを左右方向(鍵並び方向)に2個設け、各効果制御用センサの出力を別々に取り出して楽音の制御に用いるようにした電子鍵盤楽器が知られている(下記特許文献1、2)。
【0003】
これらの特許文献1、2の電子鍵盤楽器では、各鍵のセンサ押圧部に押圧される左右の効果制御用センサが、それぞれ、押圧力に応じた出力を発生させる。例えば、押下終了状態において、鍵の押鍵面をさらに押圧し、その押圧位置を鍵並び方向に移動させると、左右の効果制御用センサの出力が増減する。例えば、押鍵面における押圧位置が右側に変位したとき、右側の効果制御用センサ出力が大きくなり、左側の効果制御用センサの出力が小さくなる。そして、左右の効果制御用センサの出力の差に基づいて、例えば、ビブラート等の効果制御が行われる。
【特許文献1】特許3183091号公報
【特許文献2】特許3536331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、両効果制御用センサは、略鍵幅内に配置され、両者の距離が近いため、押鍵面の左右一側(例えば、右側)を押圧した場合でも、鍵のセンサ押圧部の押圧力は、左右一側の効果制御用センサだけでなく、左右他側(例えば、左側)の効果制御用センサにも少なからず加わってしまう。
【0005】
そのため、押圧位置の微妙な変位による両効果制御用センサの出力差が明確に生じにくく、感度としては十分に良好なものではなかった。従って、効果制御用センサの検出精度を向上させる余地があった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、各鍵に対応する2つの効果制御用センサの出力差が明確に生じるようにして、効果制御用センサの検出精度を向上させることができる電子鍵盤楽器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子鍵盤楽器は、先端側に設けられたセンサ押圧部(24、34、124、224)を有し、各々押下操作される複数の鍵(21、31、321)と、前記複数の各鍵に対応し前記各鍵のセンサ押圧部に対向して設けられ、対応する鍵の押下操作終了時に、対応するセンサ押圧部によって押圧され得るように、鍵並び方向に離間して2つ配列され、各々、押圧力に応じた出力を発生させる効果制御用センサ(42、52)と、前記各鍵の押下操作に基づき該各鍵に対応した楽音を発生させると共に、該各鍵に対応する効果制御用センサの出力に基づいて、前記発生させる楽音を制御する制御手段(1)と、平面視における前記各鍵に対応する2つの効果制御用センサの間に設けられた支点部(41、53、124a)とを有し、前記各鍵の押下操作終了状態時における押圧位置の鍵並び方向への変化によって、前記各鍵のセンサ押圧部が、対応する支点部を支点として、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転する方向にシーソー運動し得るように構成されたことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明の請求項2の電子鍵盤楽器は、先端側に設けられたセンサ押圧部(224)を有し、各々押下操作される複数の鍵と、前記複数の各鍵に対応し前記各鍵のセンサ押圧部に対向して設けられ、対応する鍵の押下操作終了時に、対応するセンサ押圧部の下面(224a)によって押圧され得るように、鍵並び方向に離間して2つ配列され、各々、押圧力に応じた出力を発生させる効果制御用センサ(42、52)と、前記各鍵の押下操作に基づき該各鍵に対応した楽音を発生させると共に、該各鍵に対応する効果制御用センサの出力に基づいて、前記発生させる楽音を制御する制御手段とを有し、前記各鍵のセンサ押圧部の下面における、対応する2つの効果制御用センサの間に対応する部分に、逃げ部(224b)が設けられたことを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記各鍵は、前記センサ押圧部が設けられた鍵本体(23、33)が、鍵並び方向に長い幅広ヒンジ部(22、32)を介して基端部(20、30)に接続されて構成され、前記幅広ヒンジ部によって前記鍵の押鍵動作が規制されると共に、前記センサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっている(請求項3)。
【0010】
あるいは、前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押下操作時において該鍵の先端側の内壁(321a、321b)に摺接することで該鍵の押鍵動作を規制する鍵動作ガイド(60)を有し、前記鍵動作ガイドにおける、前記鍵の内壁に対して摺接する部分(60a、60b)が正面視曲面状に形成されていることで、前記対応する鍵のセンサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっている(請求項4)。
【0011】
あるいは、前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押下操作時において該鍵の先端側の内壁に摺接することで該鍵の押鍵動作を規制する鍵動作ガイド(70)を有し、前記鍵動作ガイドが軟質材で構成されていることで、前記対応する鍵のセンサ押圧部が、鍵長手方向に沿う軸を中心に回転しやすくなっている(請求項5)。
【0012】
なお、上記括弧内の符号は例示である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各鍵に対応する2つの効果制御用センサの出力差が明確に生じるようにして、効果制御用センサの検出精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子鍵盤楽器の1つの鍵ユニットの平面図である。本電子鍵盤楽器は、複数の鍵ユニットKUの各共通基端部10が、不図示の鍵フレームに固定的に保持されて構成される。以降、鍵ユニットKUの奏者側(同図下方)を前方と呼称する。
【0016】
鍵ユニットKUは、例えば、1オクターブ単位で構成され、音名「D、F、A」の白鍵21を有する白鍵ユニットと、音名「C、E、G、B」の白鍵21を有する白鍵ユニットと、音名「C#、D#、F#、G#、A#」の黒鍵31を有する黒鍵ユニットの、3層構造で構成される。この鍵ユニットKUでは、特開平10−240228号公報等で開示されているのと同様に、いわゆる幅広ヒンジを採用することで、鍵動作ガイド無しで、白鍵21の自由端部の押離鍵方向の動作が円滑になされるようにされている。
【0017】
図2(a)は、1つの白鍵21の平面図、同図(b)は白鍵21の側面図、同図(c)は、1つの黒鍵31の平面図である。
【0018】
図2(a)、(b)に示すように、白鍵ユニットにおいて、白鍵21は、白鍵共通基端部20に、薄板状の水平ヒンジ22を介して白鍵本体23が連結されて構成される。図2(c)に示すように、黒鍵ユニットにおいて、黒鍵31は、黒鍵共通基端部30に、薄板状の水平ヒンジ32を介して黒鍵本体33が連結されて構成される。2つの白鍵ユニットの白鍵共通基端部20と黒鍵ユニットの黒鍵共通基端部30とが積層されて、共通基端部10となる。なお、鍵ユニットKUは3層構造に限られるものではない。
【0019】
水平ヒンジ22、32は、いずれも鍵並び方向に幅広に形成され、鍵ユニットKUにおいて隣接する白鍵21と黒鍵31の、水平ヒンジ22、32は、互いにオーバーラップしている(図1参照)。
【0020】
水平ヒンジ22、32は、白鍵本体23、黒鍵本体33の先端(自由端)を上下方向に揺動自在にする一方、水平ヒンジ22、32が幅広であることで、白鍵本体23、黒鍵本体33の先端の鍵並び方向への動きを規制する。これにより、押離鍵操作時において、専用の鍵動作ガイドを設けることなく、白鍵本体23、黒鍵本体33の先端の押離鍵方向(上下方向)の動作が規制されるようになっている。その一方、白鍵本体23、黒鍵本体33の先端は、白鍵本体23、黒鍵本体33の長手方向を軸として回転する方向に回転しやすくなっており、少なくとも、ホリゾンタルセンサでの検出に適した量だけの変位は可能になっている。
【0021】
また、図1、図2(b)に示すように、上記不図示の鍵フレーム上には、センサシート体40が配設され、さらに、センサシート体40の後方において、白鍵21用の鍵スイッチ12及び黒鍵31用の鍵スイッチ13が各鍵21、31に対応して配設される。白鍵21の下面には、センサシート体40に対向するセンサ押圧部24が突設形成されると共に、鍵スイッチ12に対向するキーアクチュエータ25が形成されている(図2(a)、(b)参照)。センサ押圧部24は、白鍵本体23のうち先端側の幅広部分に形成されている。黒鍵31についても、同様に、センサ押圧部34及びキーアクチュエータ35が形成される。センサ押圧部24、34の下面は平坦である。
【0022】
センサシート体40は複数鍵分に対応し、例えば、複数オクターブ毎に構成される。センサシート体40には、それぞれ1つの白鍵21、黒鍵31のセンサ押圧部24、34に対応して、それぞれ2つの感圧センサ42(42L、42R)、52(52L、52R)が設けられている(図1参照)。他の白鍵21、黒鍵31、及びそれらに対応する感圧センサ42、52等の要素も同様に構成される。
【0023】
鍵スイッチ12、13は、接点型のスイッチであり、押鍵操作に応じて、対応するキーアクチュエータ25、35によって押下されてメイクする。鍵スイッチ12、13の検出結果によって押鍵操作が検出され、各鍵に対応した音高の楽音が発生する。一方、感圧センサ42、52は、いわゆるアフタセンサであり、押下操作終了時におけるさらなる押鍵操作(アフタタッチ)に応じて楽音を制御するのに用いられる。本実施の形態では特に、ホリゾンタルセンサとして用いられる。
【0024】
図3(a)は、センサ押圧部24、34及びセンサシート体40の側面図、同図(b)は、センサ押圧部24及びセンサシート体40の正面図、同図(c)は、アフタタッチ時のセンサ押圧部24及びセンサシート体40の正面図である。図3(a)〜(c)では、センサシート体40の構成をわかりやすくするために、厚さ方向を拡大して示している。
【0025】
図1に示すように、感圧センサ42L、42R、感圧センサ52L、52Rは、それぞれ鍵並び方向(左右方向)に離間して配列され、左側の感圧センサ42Lと右側の感圧センサ42Rとの中間には支点部材41が設けられる。同様に、感圧センサ52Lと感圧センサ52Rとの中間には支点部材51が設けられる。
【0026】
図3(a)に示すように、感圧センサ42L及び感圧センサ42Rは、カーボン等の感圧インク層42La、42Ra及び電極パターン42Lb、42Rbの対で構成される。感圧センサ52L及び感圧センサ52Rは、同様に、感圧インク層52La、52Ra及び電極パターン52Lb、52Rbの対で構成される。
【0027】
1つのセンサシート体40は、1枚のシート基材50を2つに折り畳んで構成される。シート基材50は、弾性を有する絶縁性のフィルム状部材で構成され、折り畳んだときの総厚は約0.5〜1.0mm程度である。折り畳み状態にあるシート基材50の上側となる部分を上層部50a、下側となる部分を下層部50bとすると、感圧インク層42La、42Ra、52La、52Raは、上層部50aの内側面(下面)に印刷され、電極パターン42Lb、42Rb、52Lb、52Rbは、下層部50bの内側面(上面)に印刷される。
【0028】
また、支点部材41、51は、それぞれ感圧センサ42L、42R間、感圧センサ52L、52R間において、下層部50bの内側面に固着される(支点部材41については図3(b)も参照)。支点部材41、51は、シート基材50よりも硬いシリコンゴム等の部材で断面蒲鉾状等に構成され、上層部50aの内側面にほぼ当接している。本実施の形態では、支点部材41、51は、押鍵終了位置を規制する押鍵ストッパを兼ねる。
【0029】
展開状態にあるシート基材50に対して上記各感圧インク層及び電極パターンをすべて印刷し、さらに、支点部材41、51を固着した後に、それぞれ対となる感圧インク層と電極パターンとが対向するように、シート基材50を2つに折り畳むことで、複数鍵用の感圧センサを備えたセンサシート体40を簡単に製造することができる。完成されたセンサシート体40において、自然状態(非押鍵状態)では、対となっている感圧インク層と電極パターンとは、当接していないが近接している。なお、支点部材41、51は、上層部50aの内側面に固着してもよい。
【0030】
アフタタッチの検出においては、感圧センサ42、52には、所定電圧が印加される。そして、感圧センサ42、52において、対となっている感圧インク層42La、42Ra、52La、52Raと電極パターン42Lb、42Rb、52Lb、52Rbとの、それぞれの当接面積に応じて導電の抵抗値が減少し、それに応じた出力が発生する。
【0031】
白鍵21が押下操作されると、まず、鍵スイッチ12(図1参照)がメイクし、次に、センサ押圧部24がシート基材50の上層部50aと当接する。すると、センサ押圧部24が、上層部50aを介して支点部材41と当接状態になって、白鍵21の押鍵終了位置が規制される(図3(b)参照)。この押鍵終了状態において、白鍵21の押鍵面に対して、鍵並び方向に指を左右に動かす等によって、押圧位置を鍵並び方向に変位させると、センサ押圧部24が、支点部材41を支点として、白鍵21の長手方向に沿う軸を中心に回転する方向にシーソー運動する。
【0032】
例えば、左側を押圧すると、図3(c)に示すように、センサ押圧部24が、正面視で左側に傾く。その結果、左側の感圧センサ42Lには押圧力が大きく作用する一方、右側の感圧センサ42Rには小さく作用する。従って、感圧インク層と電極パターンとの当接面積は、感圧センサ42Lの方が感圧センサ42Rよりも大きくなることから、感圧センサ42Lの方が感圧センサ42Rよりも大きな出力を発生させる。
【0033】
なお、同図(c)では、感圧センサ42Rにおいては感圧インク層42Laと電極パターン42Lbとが接触していないように図示されているが、これは誇張して描いたものであり、アフタタッチにおいて、感圧センサ42L、42Rの双方とも、感圧インク層42La、42Raと電極パターン42Lb、42Rbとが同時に接触状態になることはあり得る。しかし、受ける押圧力の違いによって、接触面積が相違し、それに応じて出力の大きさが異なることになる。
【0034】
このように、支点部材41が存在することで、押圧位置の変位が感圧センサ42L、42Rの出力差に顕著に表れやすくなることから、操作に対する検出の感度は高くなっている。なお、図3(c)では、白鍵21について図示したが、黒鍵31、センサ押圧部34、感圧センサ52、支点部材51の作用もこれと同様である。
【0035】
本実施の形態では、アフタセンサとして、抵抗値変化型の感圧センサ42、52を例示したが、アフタセンサとしては、これに限られない。例えば、光入射量変化検出、光反射量変化検出等の光制御型センサのほか、静電容量変化検出型センサ、あるいは磁気変化検出型の非接触型センサ等を採用してもよい。
【0036】
図4は、上記詳述した抵抗値変化型の感圧センサのスキャン回路の配線接続を示す模式図である。本電子鍵盤楽器が、例えば、88鍵を有するとして、各鍵21、31毎に2つ設けられた感圧センサ42、52の個々に対して配線接続すると実装が複雑になる。そこで、本実施の形態では、同図に示すように、全鍵分の左側の感圧センサ42L、52L同士、及び全鍵分の右側の感圧センサ42R、52R同士を、それぞれまとめて接続することで、配線を減らし、実装を簡単にしている。
【0037】
全鍵分の感圧センサ42L、52L、及び全鍵分の感圧センサ42R、52Rは、それぞれ同時にスキャンされ、感圧センサ42L、52Lの出力sLと感圧センサ42R、52Rの出力sRとが、制御部1に送られる。各鍵スイッチ12、13の検出信号も制御部1に送られる。制御部1の制御によって、楽音発生部2が、鍵スイッチ12、13の検出信号に応じた音高の楽音を発生させると共に、発生する楽音が、出力sL及び出力sRに応じて制御される。
【0038】
出力sL及び出力sRを用いた楽音制御は、両者の差分を用いたもの、あるいは両者の和分(合計)を用いたもののいずれでもよいが、本実施の形態では、例えば、両者の差分に基づいてピッチベンド、ポルタメント等の楽音制御を行うことで、感圧センサ42、52をホリゾンタルセンサとして用いる。あるいは、両者の和分に基づいて、楽音の音量を制御することで、感圧センサ42、52を一般的なアフタセンサとして使用してもよい。また、両者の差分及び和分の双方に基づいて楽音制御してもよい。
【0039】
なお、全鍵分の感圧センサ42L、52Lをまとめて接続することに限られず、複数の鍵域(例えば、左手鍵域と右手鍵域)毎に感圧センサ42L、52L、感圧センサ42R、52Rをそれぞれまとめて接続してもよい。その場合、出力sL及び出力sRは、それぞれ鍵域の数だけ出力されることになり、それぞれの鍵域で、出力sL及び出力sRに応じた別々の楽音制御(別々のホリゾンタルタッチ)を実現することも可能である。
【0040】
本実施の形態によれば、押鍵終了時に、白鍵21のセンサ押圧部24が、支点部材41を中心に鍵長手方向を軸としてシーソー運動しやすく、押鍵面の左右一側での押圧が左右他側の感圧センサに影響しにくくなる。従って、押圧力が、鍵並び方向における押圧位置に応じた大きさで、左側の感圧センサ42Lと右側の感圧センサ42Rとに正確に伝わりやすくなる。黒鍵31についても同様である。これにより、押圧位置の微妙な変位による左右の感圧センサの出力差が明確に生じやすくなり、感度が良好になる。よって、感圧センサの検出精度を向上させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態において、支点部材41、51は、センサシート体40に内装された。しかし、鍵長手方向を軸としてセンサ押圧部24、34がシーソー運動する支点として機能する観点からは、支点部材は、図5(a)、(b)に例示するように、平面視において、感圧センサ42L、42R間、感圧センサ52L、52R間に配置されればよく、必ずしも、センサシート体40の内部に設ける必要はない。
【0042】
図5(a)、(b)は、本実施の形態における支点部材の変形例を示す図である。例えば、同図(a)に示すように、支点部材41に相当する支点部材53を、シート基材50の上層部50aの表側面(上面)に固着してもよい。この場合は、押鍵終了時には、センサ押圧部24の下面が支点部材53に直接当接し、押圧位置に応じて、支点部材53を支点としてセンサ押圧部24がシーソー運動可能となる。
【0043】
あるいは、同図(b)に示すように、支点部材41をセンサシート体40に設けるのではなく、支点部材41に相当する突部124aを、センサ押圧部24に相当するセンサ押圧部124の下面に一体に突出形成してもよい。この場合は、押鍵終了時には、突部124aが、シート基材50の上層部50aの表側面に直接当接し、押圧位置に応じて、突部124aを支点としてセンサ押圧部124がシーソー運動可能となる。
【0044】
いずれの例においても、上記図3の構成と同様の効果を奏することができる。黒鍵31に関しても、これらを同様に適用することができる。
【0045】
なお、図3、図5(a)の例では、支点部材41、53の固着の態様は問わない。あるいは、支点部材41、53は、シート基材50と一体に形成してもよい。また、図5(b)の例では、突部124aをセンサ押圧部124とは別体で構成し、センサ押圧部124に固着してもよい。
【0046】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態及びその変形例では、鍵長手方向を軸としたセンサ押圧部24、34等のシーソー支点として支点部材41、51等を設けた。しかし、押鍵面の左右一側での押圧が左右他側の感圧センサに極力影響しないようにする観点からは、これらの構成に限られない。
【0047】
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る電子鍵盤楽器におけるセンサ押圧部及びセンサシート体の正面図、同図(b)は、アフタタッチ時のセンサ押圧部及びセンサシート体の正面図である。
【0048】
同図(a)に示すように、本実施の形態においては、支点部材41をセンサシート体40に設ける代わりに、白鍵21において、センサ押圧部24に相当するセンサ押圧部224の下面224aに、凹状の逃げ部224bを設ける。逃げ部224bは、感圧センサ42Lと感圧センサ42Rと間に対応する部分に設けられる。逃げ部224bは、白鍵21の先端側の幅広部分の全長に亘って形成される。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0049】
かかる構成において、押鍵終了状態において、例えば、図6(b)に示すように、押鍵面の左側領域を押圧したとき、左側の感圧センサ42Lの方が大きい押圧力を受けるので、出力も大きくなる。なお、図6(b)も、図3(c)と同様に誇張して示されている。
【0050】
ここで、仮に、センサ押圧部224の下面224aが、逃げ部224bを有しない平坦な面であったとすると、下面224aにおける逃げ部224bに対応する領域(ここでは下面224aの中央領域と呼称する)も、シート基材50の上層部50aを押圧することになる。そのため、押鍵面の左側領域を押圧したときでも、下面224aの中央領域を介して、右側の感圧センサ42Rにも影響が大きく及び、感圧センサ42L、42Rの出力差が、押圧位置の偏りほどには明確に表れない。
【0051】
ところが、逃げ部224bを設けたことで、上記と同じような押圧態様で押圧したときでも、逃げ部224bは上層部50aを押圧しない。そのため、左側の感圧センサ42Lは主として下面224aの左側領域、右側の感圧センサ42Rは主として下面224aの右側領域から、それぞれほぼ独立して押圧力を受けることになる。従って、押圧位置を変化させると、それが、感圧センサ42L、42Rの出力差に明確に反映されるので、感度が良くなる。
【0052】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。なお、本実施の形態の構成は、鍵幅が狭い黒鍵31には特に好適である。
【0053】
なお、上記第1、第2の実施の形態において、鍵21の先端側が鍵長手方向を軸としてシーソー運動しやすくなるようにするために、幅広ヒンジを採用したが、これに限るものではなく、通常のヒンジ部(幅広でない)乃至鍵支点機構を採用すると共に鍵動作ガイドを設けた構成も採用可能である。
【0054】
図7(a)、(b)は、鍵動作ガイドを設けた構成における鍵及び鍵動作ガイドの正面視の模式図である。
【0055】
例えば、図7(a)に示すように、白鍵321の先端側に対応して、不図示の鍵フレームに鍵動作ガイド60を設ける。鍵動作ガイド60の上部の左右両側は、正面視曲面状に形成されている。押離鍵操作時には、鍵動作ガイド60の左右の曲面部60a、60bに、それぞれ白鍵321の左右両内壁321a、321bが摺接して、白鍵321の先端側の動作がガイドされる。
【0056】
また、押鍵終了状態におけるアフタタッチ時において、白鍵321の押圧位置を鍵並び方向に変位させると、センサ押圧部24に相当する部分を含む白鍵321の先端側は、左右両内壁321a、321bと曲面部60a、60bとの当接を維持しながらも、鍵長手方向を軸としてシーソー運動可能となる。
【0057】
あるいは、図7(b)に示すように、正面視直方体の鍵動作ガイド70を、通常より軟質の弾性部材で構成してもよい。この構成では、通常の押離鍵操作時には、鍵動作ガイド70の左右側面に、それぞれ白鍵321の左右両内壁321a、321bが摺接して、白鍵321の先端側の動作がガイドされる。また、押鍵終了状態におけるアフタタッチ時において、白鍵321の押圧位置を鍵並び方向に変位させると、鍵動作ガイド70が、自身の弾性によって鍵並び方向に曲がり、それにより、センサ押圧部24に相当する部分を含む白鍵321の先端側は、左右両内壁321a、321bと鍵動作ガイド70の当接を維持しながらも、鍵長手方向を軸としてシーソー運動可能となる。
【0058】
(第3の実施の形態)
上記第1、第2の実施の形態では、感圧センサ42L、52L同士、感圧センサ42R、52R同士を、それぞれまとめて接続したが、本発明の第3の実施の形態では、各感圧センサをマトリクス化し、各鍵毎に左右の感圧センサの出力が独立して得られるようにする。
【0059】
図8(a)は、第3の実施の形態に係る電子鍵盤楽器における感圧センサのスキャン回路の配線接続を示す模式図である。図8(b)は、同スキャン回路の模式図である。
【0060】
同図(a)に示すように、6鍵(4つの白鍵21及び2つの黒鍵31、または3つの白鍵21及び3つの黒鍵31)毎に、1つのブロック(block)として、複数のブロックに分けて配線し、感圧センサ42、52の各々を、ダイオード81を用いて、同図(b)に示すマトリクス回路部80のようにマトリクス化する。1つのブロックからは12の信号が出力される。本電子鍵盤楽器が、例えば、88鍵を有するとして、ブロック数は16個とする。
【0061】
図8(b)に示すマトリクス回路部80は、従来、各鍵に1つの鍵スイッチについてマトリクス化された一般的なマトリクス回路に対して、鍵スイッチの数を各鍵に対して2つにしたものに相当する。マトリクス回路部80において、12×16(=192)のマトリクスが構成される。マトリクス交点の数は192個であるが、そのうち、88鍵に対応して使用するのは、88×2(L/R)=176個であり、残りは例えば不使用とされる。制御部1から、デマルチプレクサ82、83を介してマトリクス回路部80にスキャン信号が供給され、マルチプレクサ84から制御部1に出力が供給される。
【0062】
かかる構成において、制御部1は、各鍵毎に2つの出力、全鍵で196の出力に基づいて、各鍵毎に個別にアフタタッチによる楽音制御を行う。
【0063】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。それだけでなく、各鍵毎に、左側と右側の感圧センサの出力を独立して取り出して、楽音制御を行うので、複数の音高に対して、アフタタッチによる異なる効果を付与することも可能であり、いわゆるポリホリゾンタルセンサ化が実現され、演奏表現力が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子鍵盤楽器の1つの鍵ユニットの平面図である。
【図2】1つの白鍵の平面図(図(a))、側面図(図(b))、1つの黒鍵の平面図(図(c))である。
【図3】センサ押圧部及びセンサシート体の側面図(図(a))、センサ押圧部及びセンサシート体の正面図(図(b))、及び、アフタタッチ時のセンサ押圧部及びセンサシート体の正面図(図(c))である。
【図4】抵抗値変化型の感圧センサのスキャン回路の配線接続を示す模式図である。
【図5】本実施の形態における支点部材の変形例を示す図である(図(a)、(b))。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電子鍵盤楽器におけるセンサ押圧部及びセンサシート体の正面図(図(a))、及びアフタタッチ時のセンサ押圧部及びセンサシート体の正面図(図(b))である。
【図7】鍵動作ガイドを設けた構成における鍵及び鍵動作ガイドの正面視の模式図である(図(a)、(b))。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る電子鍵盤楽器における感圧センサのスキャン回路の配線接続を示す模式図(図(a))、及び同スキャン回路の模式図(図(b))である。
【符号の説明】
【0065】
1 制御部(制御手段)、 20 白鍵共通基端部(基端部)、 21、321 白鍵、 22、32 水平ヒンジ(幅広ヒンジ部)、 23 白鍵本体、 24、34、124、224 センサ押圧部、 30 黒鍵共通基端部(基端部)、 31 黒鍵、 33 黒鍵本体、 41、53 支点部材(支点部)、 42、52 感圧センサ(効果制御用センサ)、 60、70 鍵動作ガイド、 60a、60b 曲面部、 124a 突部(支点部)、 224a 下面、 224b 逃げ部、 321a、321b 内壁




 

 


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