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発明の名称 音楽素材編集方法、素材編集方法及び音楽素材編集システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−47300(P2007−47300A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−229735(P2005−229735)
出願日 平成17年8月8日(2005.8.8)
代理人 【識別番号】100098084
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 研二
発明者 畑 紀行
要約 課題
複数の楽器パートのオーディオ信号の合成を行った後でも、各楽器パートのオーディオ信号の内容を遡って個別に改変できるようにすること。

解決手段
創作者の創作する合奏曲の各楽器パートにて繰り返し登場するであろう比較的短いフレーズの楽音のオーディオ信号を収録してデータファイル化しておく。そして、データファイル化しておいた音楽素材を多段に合成していくことによって複数の楽器パートからなる合奏曲を創作させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
音楽素材の素材識別子とその音楽素材のオーディオ信号を表す音楽素材データとを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の音楽素材をミキシングすることにより得られる音楽素材であるミキシング音楽素材の素材識別子とそのミキシング音楽素材を得るべくミキシングされる複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子とを備えるシステムを用いた音楽素材編集方法であって、
ミキシングの対象とする複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択工程と、
前記ミキシング対象選択工程にて選択した複数の音楽素材をミキシングすることによって得られるミキシング音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング音楽素材蓄積工程と、
再生の対象とするミキシング音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング音楽素材再生指示工程と、
前記ミキシング音楽素材再生指示工程にて選択したミキシング音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、
前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号をミキシングし、ミキシングにより得られたオーディオ信号を出力するミキシング信号出力工程と
を有する音楽素材編集方法。
【請求項2】
請求項1に記載の音楽素材編集方法において、
前記ミキシング音楽素材蓄積工程にて生成されたミキシング音楽素材に固有の素材識別子と前記ミキシング信号出力工程にて得られたオーディオ信号を表す音楽素材データとを含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程
を更に有する音楽素材編集方法。
【請求項3】
請求項2記載の音楽素材編集方法において、
前記記憶手段は、
複数の音楽素材を時間軸に沿って連結することにより得られる音楽素材である連結音楽素材の素材識別子とその連結音楽素材を得るべく連結される複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを含んだピースファイルを記憶するものであり、
連結の対象となる複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択する連結対象選択工程と、
前記連結対象選択工程にて選択した複数の音楽素材を連結することによって得られる連結音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶する連結音楽素材蓄積工程と、
再生の対象とする連結音楽素材を前記操作子の操作に従って選択する連結音楽素材再生指示工程と、
前記連結音楽素材再生指示工程にて選択した連結音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、
前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号を連結し、連結により得られたオーディオ信号を出力する連結信号出力工程と
を更に有する音楽素材編集方法。
【請求項4】
請求項3に記載の音楽素材編集方法において、
前記連結音楽素材蓄積工程にて生成された連結音楽素材に固有の素材識別子と前記連結信号出力工程にて得られたオーディオ信号を表す音楽素材データとを含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程
を更に有する音楽素材編集方法。
【請求項5】
請求項4に記載の音楽素材編集方法において、
前記コネクトファイルに含まれる素材合成管理データは、
連結、ミキシング、又はその両方の対象となる複数の音楽素材の素材識別子を複数のトラックに分けて配列したシーケンスデータである
音楽素材編集方法。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の音楽素材編集方法において、
前記読出工程は、
前記読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の中に前記記憶手段にてピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるか否か判断し、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるとき、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子を含んだコネクトファイルを前記記憶手段から特定する一方でその素材識別子を除いた残りの素材識別子と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す工程と、
前記特定したコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の中に前記記憶手段にてピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるか否か更に判断し、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子があると判断するたびに、その素材識別子を含んだコネクトファイルを前記記憶手段から再帰的に特定していく工程と
を有する音楽素材編集方法。
【請求項7】
請求項1乃至5に記載の音楽素材編集方法において、
所定の信号入力デバイスを介して音楽素材のオーディオ信号を入力する工程と、
前記入力したオーディオ信号を表す音楽素材データと固有の素材識別子とを生成し、生成した音楽素材データと素材識別子とを含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程と
を更に有する音楽素材編集方法。
【請求項8】
素材の素材識別子とその素材の素材データとを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の素材をミキシングすることにより得られる素材であるミキシング素材の素材識別子とそのミキシング素材を得るべくミキシングされる複数の素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子とを備えるシステムを用いた素材編集方法であって、
ミキシングの対象とする複数の素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択工程と、
前記ミキシング対象選択工程にて選択した複数の素材をミキシングすることによって得られるミキシング素材に固有の素材識別子と当該複数の素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング素材蓄積工程と、
再生の対象とするミキシング素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング素材再生指示工程と、
前記ミキシング素材再生指示工程にて選択したミキシング素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、
前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる素材データをミキシングし、ミキシングにより得られた素材データを出力するミキシング出力工程と
を有する素材編集方法。
【請求項9】
音楽素材の素材識別子とその音楽素材のオーディオ信号を表す音楽素材データを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の音楽素材をミキシングすることにより得られる音楽素材であるミキシング音楽素材の素材識別子とそのミキシング音楽素材を得るべくミキシングされる複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子と、
ミキシングの対象とする複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択手段と、
前記ミキシング対象選択手段が選択した複数の音楽素材をミキシングすることによって得られるミキシング音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング音楽素材蓄積手段と、
再生の対象とするミキシング音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング音楽素材再生指示手段と、
前記ミキシング音楽素材再生指示手段が選択したミキシング音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したピースファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号をミキシングし、ミキシングにより得られたオーディオ信号を出力するミキシング信号出力手段と
を備えた音楽素材編集システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽素材編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の楽器パートのオーディオ信号を取り扱う合奏曲の創作の場面においては、「オーバーダビング」と呼ばれるオーディオ信号の編集手法がとられることが多い。
オーバーダビングにおいては、レコーダの各トラックに1つのチャネル(楽器パート)のオーディオ信号を記録して各々の音量レベルや周波数等の特性を適宜改変した後、一方のトラックのオーディオ信号に他方のトラックのオーディオ信号をミキシングさせる。これにより、レコーダの一部のトラックが新たなオーディオ信号を記録可能な空きトラックとして確保される。ミキシングによる空きトラックの確保とオーディオ信号の記録とを繰り返していけば、レコーダの限られたトラック数を越えるチャネル数のオーディオ信号を一本のオーディオ信号へと取り纏めることができる(例えば、「特許文献1」を参照)。
【特許文献1】特開平11−327550号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、オーバーダビングを使ってオーディオ信号の編集を行うと、複数の楽器パートのオーディオ信号を一旦合成してしまった後はもはや元の各楽器パート毎のオーディオ信号の内容を個別に改変することはできなくなるため、編集の自由度が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、複数の楽器パートのオーディオ信号の合成を行った後でも、各楽器パートのオーディオ信号の内容を遡って個別に改変できるような仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好適な態様である音楽素材編集方法は、音楽素材の素材識別子とその音楽素材のオーディオ信号を表す音楽素材データとを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の音楽素材をミキシングすることにより得られる音楽素材であるミキシング音楽素材の素材識別子とそのミキシング音楽素材を得るべくミキシングされる複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子とを備えるシステムを用いた音楽素材編集方法であって、ミキシングの対象とする複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択工程と、前記ミキシング対象選択工程にて選択した複数の音楽素材をミキシングすることによって得られるミキシング音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング音楽素材蓄積工程と、再生の対象とするミキシング音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング音楽素材再生指示工程と、前記ミキシング音楽素材再生指示工程にて選択したミキシング音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号をミキシングし、ミキシングにより得られたオーディオ信号を出力するミキシング信号出力工程とを有する。
【0005】
この態様において、前記ミキシング音楽素材蓄積工程にて生成されたミキシング音楽素材に固有の素材識別子と前記ミキシング信号出力工程にて得られたオーディオ信号を表す音楽素材データとを含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程を更に有してもよい。
【0006】
また、前記記憶手段は、複数の音楽素材を時間軸に沿って連結することにより得られる音楽素材である連結音楽素材の素材識別子とその連結音楽素材を得るべく連結される複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを含んだピースファイルを記憶するものであり、連結の対象となる複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択する連結対象選択工程と、前記連結対象選択工程にて選択した複数の音楽素材を連結することによって得られる連結音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶する連結音楽素材蓄積工程と、再生の対象とする連結音楽素材を前記操作子の操作に従って選択する連結音楽素材再生指示工程と、前記連結音楽素材再生指示工程にて選択した連結音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号を連結し、連結により得られたオーディオ信号を出力する連結信号出力工程とを更に有してもよい。
【0007】
更に、前記連結音楽素材蓄積工程にて生成された連結音楽素材に固有の素材識別子と前記連結信号出力工程にて得られたオーディオ信号を表す音楽素材データとを含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程を有してもよい。
【0008】
前記コネクトファイルに含まれる素材合成管理データは、連結、ミキシング、又はその両方の対象となる複数の音楽素材の素材識別子を複数のトラックに分けて配列したシーケンスデータであってもよい。
【0009】
また、前記読出工程は、前記読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の中に前記記憶手段にてピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるか否か判断し、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるとき、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子を含んだコネクトファイルを前記記憶手段から特定する一方でその素材識別子を除いた残りの素材識別子と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す工程と、前記特定したコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の中に前記記憶手段にてピースファイルと対応付けられていない素材識別子があるか否か更に判断し、ピースファイルと対応付けられていない素材識別子があると判断するたびに、その素材識別子を含んだコネクトファイルを前記記憶手段から再帰的に特定していく工程とを有してもよい。
【0010】
また、所定の信号入力デバイスを介して音楽素材のオーディオ信号を入力する工程と、前記入力したオーディオ信号を表す音楽素材データと固有の素材識別子とを生成し、生成した音楽素材データと素材識別子と含んだ新たなピースファイルを前記記憶手段に記憶する工程とを有してもよい。
【0011】
本発明の別の好適な態様である素材編集方法は、素材の素材識別子とその素材の素材データとを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の素材をミキシングすることにより得られる素材であるミキシング素材の素材識別子とそのミキシング素材を得るべくミキシングされる複数の素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子とを備えるシステムを用いた素材編集方法であって、ミキシングの対象とする複数の素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択工程と、前記ミキシング対象選択工程にて選択した複数の素材をミキシングすることによって得られるミキシング素材に固有の素材識別子と当該複数の素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング素材蓄積工程と、再生の対象とするミキシング素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング素材再生指示工程と、前記ミキシング素材再生指示工程にて選択したミキシング素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出工程と、前記読出工程にて読み出したピースファイルに含まれる素材データをミキシングし、ミキシングにより得られた素材データを出力するミキシング出力工程とを有する。
【0012】
本発明の別の好適な態様である音楽素材編集システムは、音楽素材の素材識別子とその音楽素材のオーディオ信号を表す音楽素材データを夫々含んだ各ピースファイルを記憶すると共に、複数の音楽素材をミキシングすることにより得られる音楽素材であるミキシング音楽素材の素材識別子とそのミキシング音楽素材を得るべくミキシングされる複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データとを夫々含んだ各コネクトファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された任意のファイルの素材識別子を選択するための操作子と、ミキシングの対象とする複数の音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング対象選択手段と、前記ミキシング対象選択手段が選択した複数の音楽素材をミキシングすることによって得られるミキシング音楽素材に固有の素材識別子と当該複数の音楽素材の素材識別子の纏まりである素材合成管理データを生成し、生成した素材識別子と素材合成管理データとを含んだ新たなコネクトファイルを前記記憶手段に記憶するミキシング音楽素材蓄積手段と、再生の対象とするミキシング音楽素材を前記操作子の操作に従って選択するミキシング音楽素材再生指示手段と、前記ミキシング音楽素材再生指示手段が選択したミキシング音楽素材の素材識別子を含むコネクトファイルを前記記憶手段から読み出し、読み出したピースファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材識別子の各々と対応付けて前記記憶手段に記憶されたピースファイルを読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出したピースファイルに含まれる音楽素材データの各々が表すオーディオ信号をミキシングし、ミキシングにより得られたオーディオ信号を出力するミキシング信号出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、複数の楽器パートのオーディオ信号の合成を行った後でも、それらの各楽器パートのオーディオ信号の内容を遡って個別に編集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
本願発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、複数の楽器パートからなる合奏曲の創作を行う者(以下、単に「創作者」と呼ぶ)に対して以下の2つのサービスを提供することを特徴とする。
(1)音楽素材収録サービス
このサービスは、創作者の創作する合奏曲の各楽器パートにて頻繁に登場するであろう比較的短いフレーズの楽音(以下、この楽音を「音楽素材」と呼ぶ)のオーディオ信号を各種楽器を用いて前もって収録し、個別にデータファイル化するサービスである。
(2)音楽素材編集サービス
個別にデータファイル化しておいた音楽素材を創作者の編集操作に従って連結し及びミキシングしていくことにより合奏曲のオーディオ信号を合成するサービスである。
【0015】
図1は、本実施形態にかかる音楽素材編集システムの全体構成を示すブロック図である。本システムは、音楽素材管理サーバ装置10と端末装置20をネットワーク30を介して接続してなる。図には端末装置20を1つしか記していないが、複数の端末装置20を有してもよい。図に示すように、音楽素材管理サーバ装置10は、各種制御を行うCPU11、CPU11にワークエリアを提供するRAM12、IPL(Initial Program Loader)を記憶したROM13、通信インターフェース14、ハードディスク15などを備える。
【0016】
ハードディスク15は、音楽素材データベース15aと音楽素材管理プログラム15bを記憶する。
音楽素材データベース15aは、各々が1つの音楽素材と対応する複数のレコードの集合体である。このデータベース15aを構成する1つのレコードは、「素材識別子」、「ピースファイル」、及び「コネクトファイル」の3つのフィールドを有している。「素材識別子」のフィールドには、各音楽素材を固有に識別する識別子である素材IDが記憶される。また、「ピースファイル」のフィールドにはピースファイルが、「コネクトファイル」のフィールドにはコネクトファイルが夫々記憶される。ここで、これらの両フィールドに夫々記憶されるピースファイルとコネクトファイルについて概説しておく。
【0017】
図2(a)に示すように、ピースファイルには、音楽素材データ、再生時間長データ、素材ID、及びユーザIDが内包される。音楽素材データは、音楽素材のオーディオ信号をエンコードして得た符号列を表すデータである。再生時間長データは音楽素材の再生時間長を表すデータであり、「1小節」、「1/2小節」、「1/4小節」、「2小節」といったように、合奏曲の1小節の長さを基準とする相対値によって音楽素材の再生時間長を表す。素材IDは、音楽素材を識別する識別子であり、その内容は「素材識別子」のフィールドに記憶された同IDと一致する。ユーザIDは、音楽素材の創作者を識別する識別子である。
図2(b)に示すように、コネクトファイルには、素材合成管理データ、再生時間長データ、素材ID、及びユーザIDが内包される。再生時間長データ、素材ID、ユーザIDの内容はピースファイルと同様なので再度の説明を割愛する。素材合成管理データは、素材IDの配列を表したシーケンスデータである。
ピースファイル及びコネクトファイルは、冒頭に示した音楽素材収録サービス及び音楽素材編集サービスを利用する端末装置20からの要求に応じて生成されるが、その生成手順の詳細は後の動作説明の項で説明する。
【0018】
図1において、端末装置20は、CPU21、RAM22、ROM23、操作子であるマウス24、コンピュータディスプレイ25、通信インターフェース26、オーディオインターフェース27、スピーカ28、ハードディスク29などを備える。
ハードディスク29は、音楽素材編集プログラム29aを記憶する。このプログラムは、本実施形態に特徴的な機能をCPU21に付与するプログラムである。
【0019】
次に、本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の動作は、音楽素材収録処理と音楽素材編集処理とに大別することができる。創作者が自らの端末装置20を起動すると、CPU21は、メインメニュー画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる。この画面の上段には「利用するサービスを選択してください」という内容の文字列が表示され、その下には、「音楽素材収録サービス」、「音楽素材編集サービス」と夫々記したボタンが表示される。そして、「音楽素材収録サービス」のボタンが選択されると音楽素材収録処理が、「音楽素材編集サービス」のボタンが選択されると音楽素材編集処理が夫々実行される。
【0020】
図3は、音楽素材収録処理を示すフローチャートである。
メインメニュー画面の「音楽素材収録サービス」と記したボタンが選択されると、端末装置20のCPU21は、ユーザID入力画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる(S100)。ユーザID入力画面の上段には、「ユーザIDを入力してください」という文字列が表示され、その下には、ユーザIDの入力欄が表示される。この画面を参照した創作者は、自らのユーザIDを入力欄に入力する。
ユーザIDが入力されると、端末装置20のCPU21は、そのユーザIDをRAM22に記憶した後、音楽素材収録サービスの提供を求めるメッセージを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S110)。
【0021】
メッセージを受信した音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、素材入力要求画面の表示データを端末装置20へ送信する(S120)。
表示データを受信した端末装置20のCPU21は、素材入力要求画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる(S130)。この画面の上段には、「音楽素材のオーディオ信号を入力してください」という内容の文字列が表示される。
画面を参照した演奏者は、自らが創作する合奏曲の各楽器パートのうちの1つを担当させる楽器を端末装置20のオーディオインターフェース27に接続する。そして、自らが創作する合奏曲で登場するであろう音楽素材をその楽器を用いて演奏する。
端末装置20のCPU21は、オーディオインターフェース27を介して楽器から供給されてくるオーディオ信号をRAM22に記憶する(S140)。
【0022】
オーディオ信号の供給が止まると、CPU21は、RAM22に記憶されたオーディオ信号の再生時間長を計測し、その再生時間長を表す再生時間長データを生成してRAM22に記憶する(S150)。例えば、計測した再生時間長が1小節分の長さであれば「1小節」を表す再生時間長データが生成され、1/2小節分であれば「1/2小節」を表す再生時間長データが生成されることになる。
続いてCPU21は、RAM22に記憶してあるオーディオ信号をエンコードすることによって得た音楽素材データと、ステップ150で生成した再生時間長データと、自らのユーザIDとを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S160)。
【0023】
音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、端末装置20から受信した音楽素材データ、再生時間長データ、及びユーザIDをRAM12に記憶する(S170)。
CPU11は、新たな素材IDを生成する(S180)。
CPU11は、RAM12に記憶した音楽素材データ、再生時間長データ、及びユーザIDと、ステップ180で生成した素材IDとを含んだ新たなピースファイルを生成する(S190)。
続いて、CPU11は、音楽素材データベース15aに新たなレコードを追加する(S200)。
【0024】
CPU11は、ステップ200で追加したレコードの「素材識別子」のフィールドにステップ180で生成した素材IDを記憶し、また、そのレコードの「ピースファイル」のフィールドにステップ190で生成したピースファイルを記憶する(S210)。更に、ステップ200で追加したレコードの「コネクトファイル」のフィールドに「Null」のデータを記憶する(S220)。なお、後述する音楽素材編集処理においては、新たに生成したコネクトファイルがこの「コネクトファイル」のフィールドに記憶される一方で、「ピースファイル」のフィールドに「Null」のデータが記憶されることになる。
CPU11は、ステップ180で生成した素材IDを所定の雛形に埋め込んで得た収録完了通知画面の表示データを端末装置20へ送信する(S230)。
表示データを音楽素材管理サーバ装置10から受信した端末装置20のCPU21は、収録完了通知画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる(S240)。収録完了通知画面の上段には、「新しい音楽素材の収録が完了しました。収録された音楽素材の素材IDは次の通りです。」という内容の文字列が表示され、その下には、素材IDが表示される。画面の下段には、「別の音楽素材を収録する」及び「メインメニューに戻る」と夫々記したボタンが表示される。この画面を参照することによって新たに収録された音楽素材の素材IDを了解した創作者は、いずれかのボタンを選択する。
【0025】
「メインメニューに戻る」のボタンが選択されると、CPU21は、メインメニュー画面をコンピュータディスプレイ25に再び表示させる。
「別の音楽素材を登録する」のボタンが選択されると、ステップ130に戻り、CPU21は、素材入力要求画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる。
創作者は、オーディオインターフェース27に接続する楽器を適宜切り替えながら、自らが創作する合奏曲で登場するであろう各楽器パート毎の音楽素材を素材入力要求画面の案内に従って順次収録していく。例えば、ドラム、ベース、キーボード、ギターの4つの楽器パートからなる合奏曲を創作するつもりであれば、それらの4つの楽器を切り替えながら順次収録を行う。この結果、ドラム、ベース、キーボード、ギターのオーディオ信号の音楽素材データを含んだピースファイルが音楽素材管理サーバ装置10の音楽素材データベース15aに蓄積されることになる。
【0026】
図4及び図5は、音楽素材編集処理を示すフローチャートである。
メインメニュー画面の「音楽素材編集サービス」と記したボタンが選択されると、端末装置20のCPU21は、ユーザID入力画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる(S300)。この画面を参照した創作者は、自らのユーザIDを入力欄に入力する。
ユーザIDが入力されると、端末装置20のCPU21は、そのユーザIDをRAM22に記憶した後、音楽素材編集サービスの提供を求めるメッセージを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S310)。
メッセージを受信した音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、音楽素材データベース15aの各レコードの「素材識別子」のフィールドに記憶されている全ての素材IDをRAM12に読み出す(S320)。
CPU11は、ステップ320にて読み出した素材IDを所定の雛形に埋め込んで得た編集画面の表示データを端末装置20へ送信する(S330)。
【0027】
表示データを受信した端末装置20のCPU21は、編集画面をコンピュータディスプレイ25に表示させる(S340)。
図6は、編集画面である。
編集画面の上段には音楽素材提示欄50が設けられ、画面の下段には音楽素材合成欄60が設けられている。音楽素材提示欄50には、ステップ330で読み出された全素材IDがリストとして表示される。また、この提示欄の右端には素材IDの表示範囲を上下に移動させるためのスクロールバー51が設けられている。音楽素材合成欄60は第1トラック61と第2トラック62の2つのトラックを有している。これらのトラックの各々には、創作者の操作に従って音楽素材提示欄50から選択された音楽素材の素材IDを内包するバー(以下、このバーを「素材IDバー」と呼ぶ)が入力されるようになっている。また、音楽素材合成欄60の下端には、トラックの表示範囲を左右に移動させるためのスクロールバー63が設けられている。更に、音楽素材合成欄60の右側には、「合成」及び「再生」と夫々記したボタンが表示されている。
【0028】
編集画面が表示されると、創作者は、その編集画面の音楽素材提示欄50の任意の素材IDにマウスポインタを置いてマウス24の左ボタンをドラッグし、マウスポインタを音楽素材合成欄60のトラックに移動させてドロップする。
このドラッグアンドドロップ操作が行われると、端末装置20のCPU21は、ドラッグによって選択された素材IDを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S350)。
【0029】
素材IDを受信した音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、その素材IDを「素材識別子」のフィールドに記憶したレコードを音楽素材データベース15aから特定する(S360)。
CPU11は、ステップ360で特定したレコードの「コネクトファイル」のフィールドに記憶されたファイルに含まれる再生時間長データを抽出し、再生時間長データが記憶されてない場合には、更に「ピースファイル」のフィールドに記憶されたファイルに含まれる再生時間長データを抽出し、その再生時間長データを端末装置20へ送信する(S370)。
端末装置20のCPU21は、音楽素材管理サーバ装置10から受信した再生時間長データをRAM22に記憶する(S380)。そして、その再生時間長データが示す時間長に応じた横幅を有する素材IDバーを素材IDがドロップされたトラック上の位置に表示させる(S390)。
創作者がドラッグアンドドロップ操作を行うたびに、ステップ350乃至ステップ390の一連の処理が繰り返され、音楽素材合成欄60のトラックに新たな素材IDバーが順次形成されていく。
【0030】
図7は、創作者によるドラッグアンドドロップ操作とその操作に応じてトラック内に形成される素材IDバーの一例である。この図において、1回目のドラッグアンドドロップ操作では音楽素材提示欄50でドラッグした素材ID「A」が第1トラック61の先頭の位置でドロップされた結果、1/2小節の長さに相当する横幅の素材IDバー「A」が第1トラック61に形成されている。更に、2回目のドラッグアンドドロップ操作では音楽素材提示欄50でドラッグした素材ID「B」が素材IDバー「A」の右隣の位置でドロップされた結果、1/2小節の長さに相当する横幅の素材IDバー「B」が素材IDバー「A」の右隣に形成されている。また、3回目のドラッグアンドドロップ操作では、音楽素材提示欄50でドラッグした素材ID「C」が第2トラック62の先頭の位置でドロップされた結果、1小節の長さに相当する横幅の素材IDバー「C」が第2トラック62に形成されている。以降の説明では、図7における素材IDバー「A」と素材IDバー「B」の関係のように、連続して再生されるべき音楽素材の素材IDを音楽素材合成欄60の同じトラックに並べるドラッグアンドドロップ操作を「連結編集操作」と呼び、素材IDバー「A」及び「B」と素材IDバー「C」の関係のように、同時期に再生すべき音楽素材の素材IDを音楽素材合成欄60の別々のトラックに並置するドラッグアンドドロップ操作を「ミキシング編集操作」と呼ぶ。
創作者は、連結編集操作とミキシング編集操作を駆使して音楽素材合成欄60の一方又は両方のトラックに所望の時間長(例えば1小節)分の素材IDバーの配列を形成した後、同合成欄の左隣の「合成」と記したボタン又は「再生」と記したボタンを選択する。
図4において、「再生」のボタンが選択されると、後述する再生処理がサブルーチンとして実行される。
【0031】
「合成」のボタンが選択されると、端末装置20のCPU21は、音楽素材合成欄60の各トラックに形成された素材IDの配列をシーケンスデータ化して素材合成管理データを生成する(S400)。
続いて、CPU21は、音楽素材合成欄60のトラックに形成された一連の素材IDと対応する音楽素材の再生時間長の総計を表す再生時間長データを生成してRAM22に記憶する(S410)。
CPU21は、ステップ400で生成した素材合成管理データ、ステップ410で生成した再生時間長データ、及び自らのユーザIDを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S420)。
音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、端末装置20から受信した素材合成管理データ、再生時間長データ、及びユーザIDをRAM12に記憶する(S430)。
【0032】
CPU11は、新たな素材IDを生成する(S440)。
CPU11は、RAM12に記憶した素材合成管理データ、再生時間長データ、及びユーザIDを含んだ新たなコネクトファイルを生成する(S450)。
続いて、CPU11は、音楽素材データベース15aに新たなレコードを追加する(S460)。
【0033】
CPU11は、ステップ460で追加したレコードの「素材識別子」のフィールドにステップ440で生成した素材IDを記憶し、また、そのレコードの「コネクトファイル」のフィールドにステップ450で生成したコネクトファイルを記憶する(S470)。更に、ステップ460で追加したレコードの「ピースファイル」のフィールドに「Null」のデータを記憶する(S480)。
CPU11は、ステップ450で生成した素材IDを端末装置20へ送信する(S490)。
素材IDを受信した端末装置20のCPU21は、その素材IDを編集画面の音楽素材提示欄50に追加して表示させると共に、音楽素材合成欄60の両トラックに表示されている素材IDバーを消去する(S500)。
以上説明した処理について、具体例を参照して更に詳述する。
【0034】
図8は、編集画面を介した操作の一例を示す図である。
なお、ここでの説明は、ドラムの1/4小節分のオーディオ信号を収録して得た「A」と「B」の音楽素材のピースファイル、ギターの1/4小節分のオーディオ信号を収録して得た「C」、「D」、「E」の音楽素材のピースファイル、バスの1/2小節分のオーディオ信号を収録して得た「F」と「G」の音楽素材のピースファイル、及びキーボードの2小節分のオーディオ信号を収録して得た「H」の音楽素材のピースファイルが音楽素材収録処理を通じて音楽素材データベース15aに蓄積されているものとして行う。
図を参照すると、1回目の操作(連結編集操作)において、創作者は、ドラムから収録した音楽素材である「A」と「B」の素材IDバーを「A」→「A」→「A」→「B」の順番で第1トラック61に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「AAAB」と1列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「I」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
2回目の操作(連結編集操作)において、創作者は、ギターから収録した音楽素材である「C」と「D」の素材IDバーを「C」→「C」→「C」→「D」の順番で第1トラック61に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「CCCD」と1列に並べた素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「J」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
【0035】
3回目の操作(連結編集操作)において、創作者は、ギターから収録した音楽素材である「C」と「E」の素材IDバーを「C」→「C」→「C」→「E」の順番で第1トラック61に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「CCCE」と一列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「K」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
4回目の操作(連結編集操作及びミキシング編集操作)において、創作者は、ドラムの音楽素材を合成して得た音楽素材である「I」の素材IDバーを「I」→「I」の順番で第1トラック61に形成させ、バスから収録した音楽素材である「F」と「G」の素材IDバーを「F」→「F」→「F」→「G」の順番で第2トラック62に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「II」と「FFFG」の2列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「L」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
【0036】
5回目の操作(ミキシング編集操作)において、創作者は、キーボードから収録した音楽素材である「H」の素材IDバーを第1トラック61に形成させ、ドラムとバスの音楽素材を合成して得た音楽素材である「L」の素材IDバーを第2トラック62に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「H」と「L」の2列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「M」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
6回目の操作(ミキシング編集操作)において、創作者は、キーボード、ドラム、及びバスの音楽素材を合成して得た音楽素材である「M」の素材IDバーを第1トラック61に形成させ、ギターの音楽素材を合成して得た音楽素材である「J」と「K」の素材IDバーを「J」→「K」の順番で第2トラック62に形成させてから「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「M」と「JK」の2列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「N」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
以上の6回の操作により、キーボード、ドラム、バス、ギターの4つの楽器パートを有する合奏曲の2小節分の演奏内容が1つのコネクトファイル「N」として取り纏められることになる。
【0037】
図9は、再生処理を示すフローチャートである。この処理は、音楽素材編集処理のサブルーチンとして実行されるものである。
ステップ340で表示された編集画面の「再生」のボタンが選択されると、端末装置20のCPU21は、同画面の音楽素材合成欄60に入力されている各素材IDの配列を示す素材合成管理データを生成し、生成した素材合成管理データと自身のユーザIDとを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S600)。
素材合成管理データとユーザIDを受信した音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、ユーザIDをRAM12に記憶すると共にマルチトラックシーケンス領域をRAM12の一部に確保する(S610)。このマルチトラックシーケンス領域は、第1乃至第4の4つのトラックを有するバッファである。
【0038】
CPU11は、音楽素材管理データが示す素材IDの配列をマルチトラックシーケンス領域のトラックの1つに書込む(S620)。ここで、音楽素材管理サーバ装置10から送信されてくる素材合成管理データが素材IDの1つの配列だけを表すものであるときはその配列がマルチトラックシーケンス領域の第1トラックに書込まれ、2つの配列を表すものであるときはそれらの配列が同領域の第1トラックと第2トラックに夫々書込まれる。
CPU11は、ステップ620でマルチトラックシーケンス領域に書込まれた一連の素材IDのうちの1つを処理対象として特定する(S630)。
続いて、音楽素材データベース15aに記憶されたレコードの中から「素材識別子」のフィールドがステップ630で特定した素材IDと合致するレコードを特定する(S640)。
【0039】
CPU11は、ステップ640で特定したレコードの「ピースファイル」のフィールドにピースファイルが記憶されているか判断する(S650)。「ピースファイル」のフィールドに「Null」が記憶されていなければこのステップの判断結果は「Yes」ということになり、「Null」が記憶されていればこのステップの判断結果は「No」ということになる。
ステップ650においてピースファイルが記憶されていると判断したCPU11は、そのピースファイルに含まれる音楽素材データを読み出し、ステップ630で特定した素材IDと置き換える(S660)。
ステップ660を実行したCPU11は、ステップ630に戻り、別の素材IDを処理対象として以降の処理を実行する。
【0040】
ステップ650においてピースファイルが記憶されていないと判断したCPU11は、ステップ640で特定したレコードの「コネクトファイル」のフィールドのコネクトファイルに含まれる素材合成管理データを読み出す(S670)。
CPU11は、ステップ670で読み出した素材合成管理データが素材IDの1つの配列を表すものであるかそれとも2つの配列を表すものであるか判断する(S680)。
ステップ680において素材合成管理データが素材IDの1つの配列を表すものであると判断したCPU11は、その配列をステップ630で特定した素材IDと置き換える(S690)。つまり、処理対象として特定された1つの音楽素材の素材IDから、その音楽素材を得るべく連結編集された複数の音楽素材の素材IDの配列を復元する。
【0041】
ステップ680において素材合成管理データが素材IDの2つの配列を表すものであると判断したCPU11は、その一方の配列をステップ340で特定した素材IDと置き換えると共に、他方の配列を未だ素材IDの書込みがないマルチトラックシーケンス領域のトラック(以下、「空きトラック」と呼ぶ)に書込む(S700)。つまり、処理対象とした特定された1つの音楽素材の素材IDから、その音楽素材を得るべくミキシング編集された複数の音楽素材の素材IDの配列を復元する。
ステップ690又はステップ700を実行したCPU11は、マルチトラックシーケンス領域の各トラックに書込まれた素材IDの全てが音楽素材データに置き換えられたか判断する(S710)。
【0042】
ステップ710において、素材IDの一部が音楽素材データに置き換えられていないと判断したCPU11は、ステップ630に戻り、その素材IDを処理対象として特定してから以降の処理を実行する。
ステップ710において、素材IDの全てが音楽素材データに置き換えられたと判断したCPU11は、音楽素材データが書込まれているマルチトラックシーケンス領域のトラックの1つを処理対象として特定する(S720)。
CPU11は、ステップ720で特定したトラックに書込まれている一又は複数の音楽素材データを、その音楽素材データをデコードして得たオーディオ信号と置き換える(S730)。
ステップ730を実行したCPU11は、トラックに書込まれた全ての音楽素材データがオーディオ信号と置き換えられたか判断する(S740)。
【0043】
ステップ740において、一部のトラックに書込まれた音楽素材データがオーディオ信号と置き換えられていないと判断したCPU11は、ステップ720に戻り、そのトラックを処理対象としてから以降の処理を実行する。
ステップ740において、トラックに書込まれた全ての音楽素材データがオーディオ信号に置き換えられたと判断したCPU11は、第1トラック以外のトラックに書き込まれているオーディオ信号を第1トラックへミキシングする(S750)。
CPU11は、第1トラックにミキシングされたオーディオ信号の再生時間長を計測し、その再生時間長を表す再生時間長データを生成してRAM12に記憶する(S760)。
【0044】
CPU11は、新たな素材IDを生成する(S770)。
CPU11は、第1トラックにミキシングされたオーディオ信号をエンコードして得た音楽素材データ、ステップ760で生成した再生時間長データ、ステップ770で生成した素材ID、及びステップ610でRAM12に記憶したユーザIDを含んだ新たなピースファイルを生成する(S780)。
続いて、CPU11は、音楽素材データベース15aに新たなレコードを追加する(S790)。
CPU11は、ステップ790で追加したレコードの「素材識別子」のフィールドにステップ770で生成した素材IDを記憶し、また、そのレコードの「ピースファイル」のフィールドにステップ780で生成したピースファイルを記憶する(S800)。CPU11は、ステップ790で追加したレコードの「コネクトファイル」のフィールドに「Null」のデータを記憶する(S810)。
【0045】
CPU11は、ステップ780で生成したピースファイルを端末装置20へ送信する(S820)。
ピースファイルを受信した端末装置20のCPU21は、そのピースファイルをRAM22に記憶する(S830)。
CPU21は、RAM22のピースファイルに含まれる素材IDを編集画面の音楽素材提示欄50に追加して表示させると共に、そのピースファイルに含まれる音楽素材データをデコードして得たオーディオ信号をスピーカ28へ供給する(S840)。これにより、合奏曲の楽音がスピーカ28から放音される。
【0046】
以上説明した処理について、具体例を参照して更に詳述する。
図11及び図12は、素材合成管理データが素材管理サーバ装置へ送信されてから新たなピースファイルが得られるまでのマルチトラックシーケンス領域の状態の遷移を示す図である。
なお、ここでの説明は、図8に示す5回目の操作(ミキシング編集操作)を行った段階で「再生」のボタンが選択され、素材ID「H」と「L」を2列に配列した素材合成管理データが素材管理サーバ装置へ送信されているものとして行う。
【0047】
図11を参照すると、マルチトラックシーケンス領域がRAM12に確保された直後に到来するステップ620では、そのシーケンス領域の第1トラックに素材ID「H」が、第2トラックに素材ID「L」が夫々書込まれる(状態1)。
その後、素材ID「H」及び「L」を処理対象としてステップ630以降の処理が実行されることになるが、素材ID「H」は、対応するピースファイルを有しているので、ステップ650の判断結果は「YES」となり、ステップ660にてそのピースファイルに含まれる音楽素材データhと置き換えられることになる(状態2)。
【0048】
一方、素材ID「L」は、対応するピースファイルを有していないので、ステップ650の判断結果は「NO」となり、対応するピースファイルが見つかるまでステップ670以降のループが繰り返されることになる。各ループが実行された状態を詳述すると、まず、第2トラックの素材ID「L」が素材ID「II」に置き換えられ、空きトラックである第3トラックに素材ID「FFFG」が書込まれる(状態3)。
更に、第2トラックの素材ID「I」は、素材ID「AAAB」に夫々置き換えられる(状態4)。
【0049】
そして、最終的には、素材ID「A」に対応するコネクトファイルの音楽素材データa及び素材ID「B」に対応するコネクトファイルの音楽素材データbが第2トラックへ「aaabaaab」の順番で書込まれ、また、素材ID「F」に対応するコネクトファイルの音楽素材データf及び素材ID「G」に対応するコネクトファイルの音楽素材データgが第3トラックに「fffg」の順番で書込まれることになる(状態5)。
素材IDの全てが音楽素材データに置き換えられると、ステップ720乃至ステップ740にてそれらの音楽素材データがエンコードされたオーディオ信号と置き換えられ(状態6)、更にステップ750では、全てのトラックのオーディオ信号が第1トラックにミキシングされる(状態7)。
【0050】
そして、第1トラックにミキシングされた1チャネルのオーディオ信号がピースファイルの音楽素材データとして端末装置20へ送信され、同装置20のスピーカ28から3トラック分の楽音が同時期に放音されることになる。
以上説明した本実施形態によると、創作者は、自らの創作する合唱曲の各パートで繰り返し登場するであろう音楽素材のオーディオ信号をピースファイル化し、各ピースファイルに割り振られた素材IDを連結編集操作とミキシング編集操作とを駆使して合成していくことにより、複数の楽器パートを有する合奏曲を容易に創作することができる。
【0051】
(第2実施形態)
本実施形態においては、連結編集操作とミキシング編集操作に加えて差換え編集操作と編集履歴遡及操作を編集画面を通じて行うことができる。差換え編集操作は、音楽素材提示欄50でドラッグした任意の素材IDを音楽素材合成欄60のトラックに形成されている素材IDバーの上でドロップすることにより両者を差換える操作である。また、編集履歴遡及操作は、音楽素材合成欄60のトラックに形成されている素材IDバーの上にマウスポインタを置いてマウス24の右ボタンをダブルクリックすることにより、その素材IDバーをより小さな音楽素材の素材IDバーの纏まりに変換する操作である。
本実施形態にかかる音楽素材編集システムのハードウェア構成は第1実施形態と同様である。
【0052】
また、本実施形態では、音楽素材編集処理のサブルーチンとして図13に示す特徴的な処理が実行される。図13に示す処理は、音楽素材合成欄60のトラックに少なくとも1つ以上の素材IDバーが入力されている状態で編集履歴遡及操作が行われると開始される。
編集履歴遡及操作によってトラックの素材IDの1つがダブルクリックされると、端末装置20のCPU21は、その素材IDを音楽素材管理サーバ装置10へ送信する(S900)。
素材IDを受信した音楽素材管理サーバ装置10のCPU11は、その素材IDを「素材識別子」のフィールドに記憶したレコードを音楽素材データベース15aから特定する(S910)。
【0053】
CPU11は、ステップ910特定したレコードの「コネクトファイル」のフィールドにコネクトファイルが記憶されているか判断する(S920)。「コネクトファイル」のフィールドに「Null」が記憶されていなければこのステップの判断結果は「Yes」ということになり、「Null」が記憶されていればこのステップの判断結果は「No」ということになる。
ステップ920においてコネクトファイルが記憶されていないと判断したCPU11は、編集履歴遡及ができないことを示すメッセージを端末装置20へ送信する(S930)。このメッセージを端末装置20が受信すると、処理が終了する。
【0054】
ステップ920においてコネクトファイルが記憶されていると判断したCPU11は、そのコネクトファイルを読み出して端末装置20へ送信する(S940)。
コネクトファイルを受信した端末装置20のCPU21は、そのコネクトファイルをRAM22に記憶する(S950)。
続いて、CPU21は、RAM22に記憶したコネクトファイルに含まれる素材合成管理データが表す一連の素材IDの素材IDバーを編集履歴遡及操作によってダブルクリックされた素材IDバーと差換えて音楽素材合成欄60のトラックに表示させる(S960)。
【0055】
素材IDが差換えられた後に、編集画面の「合成」のボタンが選択されると、図4のステップ400以降の処理が実行され、差換え後の素材IDの素材合成管理データを含んだ新たなコネクトファイルが素材管理データベースに蓄積される一方、「再生」のボタンが選択されると、図9のステップ600以降の処理が実行され、差換え後の素材合成管理データが示す素材IDの配列に従ってオーディオ信号を連結及びミキシングして得た音声素材データを含む新たなピースファイルが素材管理データベースに蓄積されると共にスピーカ28から放音される。
【0056】
以上説明した処理について、具体例を参照して更に詳述する。
図14は、編集画面を介した操作の一例を示す図である。
なお、ここでの説明は、図8の4回目の操作(連結編集操作及びミキシング編集操作)によって得ていた音楽素材である素材ID「L」の素材IDバーが音楽素材合成欄60の第1トラック61に形成されているものとして行う。
図を参照すると、1回目の操作(編集履歴遡及操作)において、創作者は、音楽素材合成欄60の第1トラック61に入力されている「L」の素材IDバーの上にマウスポインタをおいて右ボタンをダブルクリックしている。これにより、音楽素材合成欄60の第1トラック61には「L」の素材バーに替えて「I」の素材IDバーが2つ形成され、第2トラック62には「F」の素材IDバー3つと「G」の素材IDバー1つが形成される。
【0057】
2回目の操作(差換え編集操作)において、創作者は、図示しない音楽素材合成欄60でドラッグした「F」の素材IDを第2トラック62の「G」の素材IDバーの上でドロップしてから、「合成」のボタンを選択している。これにより、素材IDを「II」と「FFFF」の2列に配列した素材合成管理データを含むコネクトファイルが新たに生成され、素材ID「L’」と対応付けて音楽素材データベース15aに蓄積される。
以上説明した本実施形態によると、創作者は、差換え編集操作を行うことにより、過去に創作されたコネクトファイルに含まれる素材合成管理データの内容を一部改変して新たなコネクトファイルを作り出すことができる。また、編集履歴遡及操作を併せて行うことにより、音楽素材合成欄60に入力されている素材IDをより小さな音楽素材の素材IDの纏まりに変換してからその内容を改変することができる。
【0058】
(他の実施形態)
本実施形態は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態では、編集画面の音楽素材合成欄60が第1トラック61と第2トラック62の2つのトラックを有していたが、より多くのトラックを設けてもよい。この変形例によれば、より多くの音楽素材の素材IDの並びをミキシング編集操作によって一度に合成することができる。また、音楽素材管理サーバ装置10のRAM12に確保されるマルチトラックシーケンス領域は4つのトラックを有していたが、より多くのトラック数を有していてもよい。
【0059】
上記実施形態の音楽素材収録サービスにおいては、端末装置20のオーディオインターフェース27と接続した楽器を創作者自らが演奏することによって音楽素材のオーディオ信号を取得していたが、オーディオインターフェース27に音源を接続し、その音源を制御することによって音楽素材のオーディオ信号を取得してもよい。
【0060】
第2実施形態では、音楽素材合成欄60に入力されている素材IDがコネクトファイルを示すものである場合、合成履歴遡及操作を行うことによってその素材IDをより小さな音楽素材の素材IDの纏まりに変換することができるようになっていた。これに対し、合成履歴の遡及の可否がその創作者の意向に従って制限されるようにしてもよい。この変形例は、コネクトファイルのデータ構造を図15(a)のようにすることで実現できる。図15(a)に示すコネクトファイルは、素材合成管理データ、再生時間長データ、素材ID、ユーザIDに加えて、合成履歴の遡及の可否を示す履歴遡及制御データを内包する。履歴遡及制御データは、履歴の遡及を認めない「Primitive」又は履歴の遡及を認める「Traceable」のいずれか一方を示すものとなっている。この変形例では、編集履歴遡及操作によって右ボタンをダブルクリックされた素材IDが端末装置20から音楽素材管理サーバ装置10へ送信されてくると、音楽素材管理サーバ装置10のCPU11はその素材IDと対応付けられたコネクトファイルの履歴遡及制御データを参照し、履歴遡及制御データが「Traceable」であった場合のみ、そのコネクトファイルの音楽素材管理データを端末装置20へ提供する。
【0061】
また、音楽素材管理サーバ装置10のデータベースに記憶されたファイルの創作者の意向に従ってそのファイルの他の創作者への提供が制限されるようにしてもよい。この変形例は、各創作者の端末装置20に各々を識別するIDを割り振る一方、ピースファイル及びコネクトファイルのデータ構造を夫々図15(b)及び(c)に示すようにすることで実現できる。図15(b)に示すピースファイルは、音声素材データ、再生時間長データ、素材ID、ユーザIDに加えて、アクセス制御データを内包する。このアクセス制御データは、自ファイルの利用を許可する一又は複数の創作者のIDの纏まりを表すデータであり、その内容はファイルの創作者がその作成時に決定する。また、図15(c)に示すコネクトファイルも同様に、素材合成管理データ、再生時間長データ、素材ID、ユーザIDに加えて、アクセス制御データを内容する。
【0062】
上記実施形態では、ピースファイルに含まれる音楽素材データ自体の内容を収録後に改変することができなかった。これに対し、ピースファイルに含まれる音楽素材データの音量レベルや周波数等の特性を後から改変できるようにしてもよい。また、リバーブやディストーション等のエフェクトを改変できるようにしてもよい。この変形例によると、例えば、「A」のピースファイルの音楽素材データを改変して、その亜種である「A’」のピースファイルを新たに生み出すことができる。また、音楽素材の収録を行った創作者とは別の創作者による改変を認めるのであれば、改変の許否がオリジナルのピースファイルの創作者の意向に従って制限されるようにしてもよい。この変形例は、コネクトファイルのデータ構造を図15(d)のようにすることで実現できる。図15(d)に示すピースファイルは、音声素材データ、再生時間長データ、素材ID、ユーザIDに加えて、音楽素材データの改変の可否を示す改変制御データを内包する。改変制御データは、音楽素材データの改変を認めない「Primitive」又は改変を認める「Traceable」のいずれか一方を示すものとなっている。
【0063】
上記実施形態の再生処理では、マルチトラックシーケンス領域の各トラックに書込まれた音楽素材データをオーディオ信号に置き換えた後、それらのオーディオ信号を第1トラックにミキシングしてから端末装置20へ提供していたが、端末装置20が2つのチャネルのオーディオ信号を処理可能であれば、2つのチャネルのオーディオ信号にミキシングしてから端末装置20へ提供してもよい。或いは、マルチトラックシーケンス領域の各トラックに書き込まれている音楽素材データの楽器パートを端末装置20にまず提示し、それらのうちから創作者が選択した2つの楽器パートのオーディオ信号だけを端末装置20へ提供するようにしてもよい。
【0064】
上記実施形態は、複数の創作者による利用を想定して音楽素材管理サーバ装置10をネットワーク30上に設置し、そのサーバ装置10が創作者の端末装置20からの要求に応じて音楽素材収録サービスと音楽素材編集サービスの両サービスを提供する態様を説明したが、スタンドアロンのコンピュータ装置によってこれらの両サービスを提供してもよい。
上記実施形態は、音楽素材の合成を想定していたが、本願発明によって合成される素材は、音楽の素材である必要はなく、画像の素材であってもよい。
上記実施形態の再生処理においては、編集画面の「再生」のボタンが選択されるたびに、ステップ600乃至ステップ840の一連の処理が実行されていた。これに対し、編集画面の「再生」のボタンを選択して音楽素材合成欄60の入力内容に従ったオーディオ信号が放音された後、同じ入力内容のまま「再生」のボタンが再び選択されたときのように、音楽素材合成欄60の入力内容に従ったオーディオ信号を音声素材管理サーバ装置20が過去に生成している場合には、ステップ600乃至ステップ840の処理を繰り返すことなくそのオーディオ信号を端末装置10へ直ちに送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】音楽素材編集システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】ピースファイルのデータ構造図である。
【図3】音楽素材収録処理を示すフローチャートである。
【図4】音楽素材編集処理を示すフローチャートである(前半部分)。
【図5】音楽素材編集処理を示すフローチャートである(後半部分)。
【図6】編集画面である。
【図7】ドラッグアンドドロップ操作の操作例を示す図である。
【図8】編集画面を介した操作の一例を示す図である。
【図9】再生処理を示すフローチャートである(前半部分)。
【図10】再生処理を示すフローチャートである(後半部分)。
【図11】マルチトラックシーケンス領域の状態遷移図である(前半部分)。
【図12】マルチトラックシーケンス領域の状態遷移図である(後半部分)。
【図13】第2実施形態の特徴的な処理を示すフローチャートである。
【図14】編集画面を介した操作の一例を示す図である。
【図15】コネクトファイル及びピースファイルのデータ構造図である。
【符号の説明】
【0066】
10…音楽素材管理サーバ装置、11,21…CPU、12,22…RAM、13,33…ROM、14,26…通信インターフェース、15,29…ハードディスク、20…端末装置、24…マウス、25…コンピュータディスプレイ、27…オーディオインターフェース、28…スピーカ、30…ネットワーク、50…音楽素材提示欄、51…スクロールバー、60…音楽素材合成欄、63…スクロールバー




 

 


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