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発明の名称 鍵盤装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25575(P2007−25575A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−211511(P2005−211511)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
発明者 神谷 浩継
要約 課題
支持部材に対する鍵ユニットの着脱作業を容易にする。

解決手段
下から順に、第2白鍵ユニットKUW2の基端部21、第1白鍵ユニットKUW1の基端部21、黒鍵ユニットKUBの基端部41が積層嵌合されて、これら基端部21、21、41が共通基端部30を構成する。第2白鍵ユニットKUW2の基端部21には、鍵ユニットKUを把持する把持部として利用される突設片31が一体に形成されている。突設片31は、基端部21の前部21aから前方に延びる水平延設部32と、延設部32の前端部から略上方に延びる鉛直延設部33とから構成され、鉛直延設部33は、透孔46A、46Bを貫通して、水平ヒンジ42よりも上方に突出している。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のユニットから成り、それらの基端部を積層して成る共通基端部を有する複数の鍵ユニットと、前記複数の鍵ユニットの共通基端部を保持する支持部材とを有し、前記複数の鍵ユニットを前記支持部材に対して鍵並び方向に配設して構成される鍵盤装置において、
前記複数の各ユニットは、複数の鍵が当該ユニットの基端部で一体に接続されて成り、
前記複数の鍵は、前記基端部と、鍵本体部と、該鍵本体部を前記基端部に対して押離鍵方向に揺動自在に連結する連結部とを有して構成され、
前記支持部材に配設された各鍵ユニットにおける、前記支持部材に最も近い側のユニットの基端部には、把持部が固定的に設けられ、該把持部は、前記支持部材に最も遠い側のユニットの方向に突設されていることを特徴とする鍵盤装置。
【請求項2】
前記各ユニットの連結部に形成された透孔及び/又は前記各ユニット中の互いに隣接する鍵の連結部同士の間に形成された間隙によって、前記支持部材に最も近い側のユニット以外のユニットにおいて上下方向に貫通している領域が生じており、前記把持部は、平面視における前記貫通している領域内において、前記支持部材に最も遠い側のユニットの方向に延設されていることを特徴とする請求項1記載の鍵盤装置。
【請求項3】
複数のユニットから成り、それらの基端部を積層して成る共通基端部を有する複数の鍵ユニットと、前記複数の鍵ユニットの共通基端部を保持する支持部材とを有し、前記複数の鍵ユニットを前記支持部材に対して鍵並び方向に配設して構成される鍵盤装置において、
前記複数の各ユニットは、複数の鍵が当該ユニットの基端部で一体に接続されて成り、
前記複数の鍵は、前記基端部と、鍵本体部と、該鍵本体部を前記基端部に対して押離鍵方向に揺動自在に連結する連結部とを有して構成され、
前記支持部材に配設された各鍵ユニットにおける、積層配置された基端部のうち表層の基端部には、把持部が固定的に設けられ、該把持部は、前記表層の基端部から最も遠い側の基端部の方向に突設され、
前記各ユニットの連結部に形成された透孔及び/又は前記各ユニット中の互いに隣接する鍵の連結部同士の間に形成された間隙によって、前記把持部が設けられたユニット以外のユニットにおいて上下方向に貫通している領域が生じており、
前記把持部は、平面視における前記貫通している領域内において、前記表層の基端部から最も遠い側の基端部の方向に延設されていることを特徴とする鍵盤装置。
【請求項4】
前記把持部は、前記支持部材に最も遠い側のユニットの連結部よりも突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍵盤装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の鍵ユニットが支持部材に配設された鍵盤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の鍵ユニットが支持部材に配設された鍵盤装置が知られている。例えば、下記特許文献1の鍵盤装置では、鍵ユニットの共通基端部を鍵フレーム等の支持部材に固着することで、各鍵ユニットが支持部材に装着される。鍵ユニットは、2つの白鍵ユニットの基端部の上に黒鍵ユニットの基端部が積層されて成り、それら積層された基端部同士が軽く嵌合されたものが共通基端部となっている。
【0003】
そして、作業者が、鍵ユニットを装着/取り外しするには、例えば、共通基端部がばらけないように、好ましくは共通基端部を把持して支持部材の適所に共通基端部を載置し、ネジ等で固着する。特に、装着されている鍵ユニットを支持部材から取り外す際には、共通基端部の側方に突出形成された鉤部等に指等を引っかけて上方に外す操作をすることができる。
【特許文献1】特開2002−62876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、手による鍵ユニットの把持の仕方によっては、共通基端部がばらけやすく、また、熟練していない作業者にとっては、鍵ユニットのどこを把持すれば適切なのかがわからず、着脱の作業性が悪い。
【0005】
特に、支持部材から取り外そうとする鍵ユニットの両側に、他の鍵ユニットが隣接して装着されている場合は、取り外し対象となる鍵ユニットと隣接する鍵ユニットとの間には間隙がほとんどない。そのため、取り外し対象の鍵ユニットの共通基端部の上記鉤部に指を掛けることができない。それだけでなく、指を共通基端部に掛けるためのスペースも無いことから、共通基端部自体を把持することが困難である。そのため、鍵ユニットを、共通基端部でばらけないように支持部材に対して着脱することが容易でないという問題があった。
【0006】
また、一般に、鍵ユニットは、樹脂製で金型により成形されるが、成形後は、金型から白鍵、黒鍵ユニットを取り出し積層して1つの鍵ユニットとして梱包し、それを組み立て場に運んで、鍵盤装置に組み付けるという作業がなされる。しかし、この作業においても、鍵ユニットを、共通基端部でばらけないように把持するのは容易でなく、成形後から組み付けまでの作業性も良くないものであった。例えば、鍵本体部を把持すると、各ユニットが鍵並び方向において不揃いとなり、あるいはストレスがかかり、組み付け後に鍵間が開いてしまうようなことも想定される。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、支持部材に対する鍵ユニットの着脱作業を容易にすることができる鍵盤装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、複数のユニットから成り、それらの基端部を積層して成る共通基端部(30、130)を有する複数の鍵ユニット(KU、KUx)と、前記複数の鍵ユニットの共通基端部を保持する支持部材(10、110)とを有し、前記複数の鍵ユニットを前記支持部材に対して鍵並び方向に配設して構成される鍵盤装置において、前記複数の各ユニットは、複数の鍵が当該ユニットの基端部(21、41、141)で一体に接続されて成り、前記複数の鍵は、前記基端部と、鍵本体部(23、43)と、該鍵本体部を前記基端部に対して押離鍵方向に揺動自在に連結する連結部(22、42)とを有して構成され、前記支持部材に配設された各鍵ユニットにおける、前記支持部材に最も近い側のユニット(KUW2、KUBx)の基端部には、把持部(31、35、36、131)が固定的に設けられ、該把持部は、前記支持部材に最も遠い側のユニット(KUB、KUW2x)の方向に突設されていることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記各ユニットの連結部に形成された透孔(46)及び/又は前記各ユニット中の互いに隣接する鍵の連結部同士の間に形成された間隙(C1、C2)によって、前記支持部材に最も近い側のユニット以外のユニットにおいて上下方向に貫通している領域が生じており、前記把持部は、平面視における前記貫通している領域内において、前記支持部材に最も遠い側のユニットの方向に延設されている(請求項2)。
【0010】
上記目的を達成するために本発明の請求項3の鍵盤装置は、複数のユニットから成り、それらの基端部を積層して成る共通基端部を有する複数の鍵ユニットと、前記複数の鍵ユニットの共通基端部を保持する支持部材とを有し、前記複数の鍵ユニットを前記支持部材に対して鍵並び方向に配設して構成される鍵盤装置において、前記複数の各ユニットは、複数の鍵が当該ユニットの基端部で一体に接続されて成り、前記複数の鍵は、前記基端部と、鍵本体部と、該鍵本体部を前記基端部に対して押離鍵方向に揺動自在に連結する連結部とを有して構成され、前記支持部材に配設された各鍵ユニットにおける、積層配置された基端部のうち表層の基端部には、把持部が固定的に設けられ、該把持部は、前記表層の基端部から最も遠い側の基端部の方向に突設され、前記各ユニットの連結部に形成された透孔及び/又は前記各ユニット中の互いに隣接する鍵の連結部同士の間に形成された間隙によって、前記把持部が設けられたユニット以外のユニットにおいて上下方向に貫通している領域が生じており、前記把持部は、平面視における前記貫通している領域内において、前記表層の基端部から最も遠い側の基端部の方向に延設されていることを特徴とする。
【0011】
なお、上記請求項3において、「表層の基端部」は、積層された複数の基端部のうち、外側のいずれかの基端部を意味する。
【0012】
好ましくは、前記把持部は、前記支持部材に最も遠い側のユニットの連結部よりも突出している(請求項4)。
【0013】
なお、上記括弧内の符号は例示である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、支持部材に対する鍵ユニットの着脱作業を容易にすることができる。
【0015】
請求項2によれば、把持部を共通基端部に近接させて、鍵ユニットを安定して保持することができる。
【0016】
本発明の請求項3によれば、支持部材に対する鍵ユニットの着脱作業を容易にすることができる。また、金型による成形後に、金型から取り出して1つの鍵ユニットとしてまとめて扱う際の作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項4によれば、把持部を素手で把持しやすくして、作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。この鍵盤装置1は、電子鍵盤楽器として構成される。以降、鍵盤装置1の奏者側(同図左方)を前方と呼称する。
【0020】
図1に示すように、鍵盤装置1において、上ケース60と下ケース70とで構成される筐体内に、鍵フレーム10が配設される。鍵フレーム10には、複数の白鍵20及び複数の黒鍵40から成る鍵ユニットKUが複数配設される。各鍵ユニットKUの共通基端部30が鍵フレーム10に固定的に保持され、白鍵20、黒鍵40の各々の自由端部が上下方向に回動(乃至揺動)自在にされている。複数の鍵ユニットKUはいずれも同様に構成されるが、その詳細な構成については後述する。
【0021】
鍵フレーム10は、下ケース70に対して、複数のネジ72、73、74で結合される。また、下ケース70、上ケース60及び鍵フレーム10が、各々の前部において、複数のネジ71で共締めにより結合される。さらに、下ケース70と上ケース60とが、各々の後部の適所において複数のネジで結合される(図示せず)。
【0022】
鍵フレーム10には、白鍵20、黒鍵40の各々に対応して、質量体50(50W、50B)が設けられる。各質量体50W、50Bは、各々の軸受け部51で、鍵フレーム10に形成された質量体支持リブ13に設けられた回動軸14を中心に上下方向に回動自在に支持される。
【0023】
白鍵20、黒鍵40の各前半部の下部には、駆動用垂下片29、45がそれぞれ垂下して一体に設けられる。駆動用垂下片29、45の下端部には、ゴム等の弾性部材が固着されており(図示せず)、駆動用垂下片29、45の下端部が、対応する質量体50W、50Bの各下側係合片53を直接駆動する駆動部として機能する。下側係合片53が駆動されると、質量体50は、対応する鍵と連動して回動し、回動することで、対応する鍵に対して適当な慣性力を付与する。
【0024】
鍵フレーム10の後部において、上側に上限ストッパ83、下側に下限ストッパ84が設けられる。質量体50の後端部52が下限ストッパ84に当接することで、質量体50及びそれに対応する鍵の非押鍵位置(初期位置)が規制される。一方、質量体50の後端部52が上限ストッパ83に当接することで、質量体50及びそれに対応する鍵の押鍵終了位置(回動終了位置)が規制される。
【0025】
また、鍵フレーム10に設けられた基板80上に、押鍵スイッチ81が白鍵20、黒鍵40の各々に対応して設けられ、これらの押鍵スイッチ81が、対応する鍵の押下操作を検出する。押鍵スイッチ81による検出結果に基づき、不図示の楽音発生部により楽音が発生する。
【0026】
また、鍵フレーム10の前部には押鍵動作の案内をするキーガイド部12が各白鍵20に対応して設けられる。白鍵20の前端部20aには、キーガイド部12に係合する不図示の被キーガイド部が形成され、両者の係合により、白鍵20の前端部20aは、その左右方向の移動が規制されて、上下方向に適切に動作するようになっている。
【0027】
図2は、1つの鍵ユニットKUの平面図である。鍵ユニットKUは、2つの白鍵ユニットKUW(KUW1、KUW2)と1つの黒鍵ユニットKUBから成る。同図においては、鍵ユニットKUBが仮想線で示されている。図3は、鍵ユニットKUの後半部の側面図である。
【0028】
本実施の形態では、1つの鍵ユニットKUは、1オクターブを単位として構成されるが、これに限られず、複数鍵を含む構成であればよく、2オクターブ以上の鍵が一体とされた構成であってもよい。まず、図2、図3に示すように、白鍵ユニットKUWは、音名でいう「D、F、A」の白鍵20が基端部21で一体に接続された第1白鍵ユニットKUW1と、「C、E、G、B」の白鍵20が基端部21で一体に接続された第2白鍵ユニットKUW2とで成る。黒鍵ユニットKUBは、音名でいう「C#、D#、F#、G#、A#」の黒鍵40が基端部41で一体に接続されてなる。
【0029】
第1白鍵ユニットKUW1、第2白鍵ユニットKUW2は、それぞれ、各々の基端部21に、いずれも薄板状の垂直ヒンジ部24及び水平ヒンジ22を介して白鍵本体23が連結されて構成される。基端部21に連接される垂直ヒンジ部24は、左右方向に撓みやすく、自由状態においては、白鍵本体23の自由端部の鍵並び方向(左右方向)への揺動を許容する。
【0030】
垂直ヒンジ部24の前側に連接される水平ヒンジ22は、上下方向に撓みやすく、自由状態において、基端部21及び垂直ヒンジ部24に対して白鍵本体23の自由端部を押離鍵方向(上下方向)に回動自在にする。また、白鍵本体23の後部上部には、黒鍵40が回動するときに黒鍵40との干渉を回避するための逃がし部25が形成されている(図3参照)。
【0031】
黒鍵ユニットKUBは、基端部41に、薄板状の水平ヒンジ42を介して黒鍵本体43が連結されて構成される。黒鍵本体43の後部における、水平ヒンジ42に連設される部分は、平板状部43aとなっている。平板状部43aは水平ヒンジ42よりも少し厚い平坦な板状に形成され、その上面は、白鍵20の鍵本体部23の上面のうち逃がし部25より前方部分と面一になっている(図3参照)。
【0032】
図2に示すように、水平ヒンジ42は、各黒鍵本体43に対して2つ設けられ、互いに離間した位置に形成される。これにより、各黒鍵40に対応して、基端部41と黒鍵本体43と2つの水平ヒンジ42との内側に、それぞれ上下方向に貫通した透孔が形成される。例えば、図2において一部の透孔に符号を付したように、黒鍵40のうちC#鍵に対応して透孔46Aが形成され、A#に対応して透孔46Bが形成される。
【0033】
水平ヒンジ42は、水平ヒンジ22と同様に、基端部41に対して黒鍵本体43の自由端部を押離鍵方向に回動自在にする。白鍵本体23、黒鍵本体43の各回動中心は、厳密には、それぞれ、垂直ヒンジ部24と水平ヒンジ22との接続点PW、基端部41と水平ヒンジ42との接続点PBである(図3参照)。
【0034】
図3に示すように、下から順に、第2白鍵ユニットKUW2の基端部21、第1白鍵ユニットKUW1の基端部21、黒鍵ユニットKUBの基端部41が積層嵌合されて、これら基端部21、21、41が共通基端部30を構成する。また、基端部21、21、41には、それぞれ、ネジ締結用穴26、26、44が複数穿設されている。共通基端部30の下部でもある、第2白鍵ユニットKUW2の基端部21の下部には、互いに対向する当接面27、28が形成されている。
【0035】
一方、図3に示すように、鍵フレーム10における前後方向中央よりやや後方上部には、共通基端部30が固着されるための固着部15、16が、当接面27、28に対応して形成されている。固着部15、16は、それぞれ、鍵フレーム10から上方に突出した部分の前端面、後端面で成る。鍵フレーム10における固着部15、16の前後方向中間位置には、ネジ締結用穴26、44に対応してネジ穴17が複数形成されている。
【0036】
共通基端部30の当接面27、28を固着部15、16に当接対向させて、ネジ82(図1参照)を、共通基端部30のネジ締結用穴26、44を介してネジ穴17に螺合することで、共通基端部30が鍵フレーム10に対して締結固着される。これによって、白鍵20、黒鍵40が演奏操作により回動する状態となる。なお、共通基端部30の固定の態様はこれに限定されるものではない。
【0037】
一体となった鍵ユニットKUにおいては、黒鍵40の水平ヒンジ42は、白鍵20の水平ヒンジ22よりも後方に位置する。従って、接続点PBも接続点PWより後方に位置する。これにより、黒鍵40の回動支点に相当する基端部41(厳密には接続点PB)から自由端部までの距離を極力長くして、黒鍵40の演奏操作性を向上させている。また、垂直ヒンジ部24と水平ヒンジ42との前後方向の位置が略一致しており、白鍵20の垂直ヒンジ部24は、黒鍵40の水平ヒンジ42のほぼ直下に位置している。すなわち、垂直ヒンジ部24は、水平ヒンジ42の下方のスペースを有効利用して配設されている。さらに、垂直ヒンジ部24の上端面は、前方に向かって下方にやや傾斜する傾斜面24aとなっている(図3参照)。これにより、黒鍵40の下方への回動時に、黒鍵40の水平ヒンジ42と垂直ヒンジ部24とが干渉することが回避されている。
【0038】
図2、図3に示すように、第2白鍵ユニットKUW2の基端部21には、互いに離間した突設片31(31A、31B)が一体に形成されている。図3に示すように、突設片31は、第2白鍵ユニットKUW2の基端部21の前部21aから前方に延びる水平延設部32と、延設部32の前端部から略上方に延びる鉛直延設部33とから構成される。図2に示すように、突設片31A、31Bの各鉛直延設部33は、平面視において、透孔46A、46B内に位置し、それらの鉛直延設部33は、透孔46A、46Bを貫通して、水平ヒンジ42よりも上方に突出している。各鉛直延設部33の上端部は、前方に屈曲した鉤部34となっている(図3参照)。これらの突設片31は、鍵ユニットKUの着脱時等に、鍵ユニットKUを把持する把持部として利用される。
【0039】
かかる構成において、鍵ユニットKUの鍵フレーム10に対する組み付けは、鍵フレーム10に対して全質量体50を組み付けた後になされる。作業者は、鍵ユニットKUを、前方から後方に移動させ、鍵ユニットKUのすべての駆動用垂下片29、45の下端部を、一斉に、対応する質量体50の下側係合片53に当接係合させる。その際、作業者は、鍵ユニットKUの共通基端部30を把持できる場合は共通基端部30を把持してもよいが、鍵ユニットKUの2つの突設片31A、31Bを両手で把持することもできる。
【0040】
ここで、共通基端部30が固着部15、16(図3参照)に締結固着される前は、共通基端部30は、基端部21、21、41が積層嵌合された状態に過ぎず、いわゆる仮固定状態である。従って、突設片31A、31Bを把持することで、基端部21、21、41がばらけないように、且つ鍵ユニットKUに余計なストレスをかけないようにしながら、共通基端部30を固着部15、16に係合させることができる。また、熟練していない作業者には、突設片31A、31Bを把持すべきことを指導すれば、不適切な箇所を把持するおそれが少なくて済み、装着技能が円滑に習得される。
【0041】
一方、鍵フレーム10からある鍵ユニットKUを取り外す場合において、特に、その両側に、他の鍵ユニットKUが隣接して配設されている場合は、隣接する鍵ユニットKUとの間に間隙がほとんどないことから、当該鍵ユニットKUの共通基端部30を把持しにくい。しかし、黒鍵40の水平ヒンジ42よりも上方に突出している突設片31A、31Bを把持して、当該鍵ユニットKUを上方に動かせば、固着部15、16から共通基端部30を容易に離脱させることができる。また、突設片31には鉤部34が設けられているので、突設片31を指で直接把持する代わりに、所定の係止具を用い、鉤部34に該係止具を引っ掛けて、鍵ユニットKUを取り外すようにしてもよい。
【0042】
本実施の形態によれば、突設片31を把持部として利用できるので、鍵フレーム10に対する鍵ユニットKUの着脱作業を容易にすることができる。また、突設片31は、基端部21の前部21aに一体に連設され、突設片31の鉛直延設部33が、平面視における透孔46内に位置して基端部21に近接している。これにより、突設片31を把持する際の力が共通基端部30に直接的に伝わり、共通基端部30自体を把持して鍵ユニットKUを保持するのとほぼ同じような作用で、鍵ユニットKUを安定して保持することができる。しかも、突設片31が設けられる基端部21は、最下層の第2白鍵ユニットKUW2の基端部21であるので、突設片31が把持されるとき、基端部41、21、21の積層嵌合状態が崩れにくい(ばらけない)。
【0043】
また、第1、第2白鍵ユニットKUW1、KUW2、黒鍵ユニットKUBを金型により成形し、成形後に、金型から取り出して、それらの基端部同士を積層して1つの鍵ユニットKUとして梱包し、それを組み立て場に運んで、鍵盤装置に組み付ける際にも、突設片31を把持することで、鍵ユニットKUを、共通基端部30でばらけないように把持することが容易である。よって、金型による成形後に、金型から取り出して1つの鍵ユニットとしてまとめて扱う際の作業性を向上させることができる。
【0044】
なお、突設片31は、黒鍵40の水平ヒンジ42よりも上方に突出させたが、これに限るものではない。すなわち、透孔46を通じて指等で突設片31の先端を把持できるか、あるいは突設片31の鉤部34に係止具等が係止可能な程度であれば、多少短くして、突設片31の上端を水平ヒンジ42よりも低くしてもよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、突設片が設けられる位置が第1の実施の形態とは異なり、その他の構成は同様である。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の1つの鍵ユニットKUの後部の平面図である。同図に示すように、第1の実施の形態における突設片31に代えて、例えば、平面視における透孔46A、46B内に、突設片35(35A、35B)を設けてもよい。突設片35A、35Bは、白鍵20(C鍵)、白鍵20(B鍵)の、各垂直ヒンジ部24の前部上端部から上方に向かって、それぞれ一体に突設されている。詳細は図示しないが、突設片35の上端部形状は、突設片31と同様に鉤状になっている。
【0047】
あるいは、突設片31または突設片35に代えて、例えば、突設片36(36A、36B)を設けてもよい。すなわち、黒鍵40(D#鍵)に対応する2つの水平ヒンジ42のうち右側の水平ヒンジ42(1)と黒鍵40(F#鍵)に対応する2つの水平ヒンジ42のうち左側の水平ヒンジ42(2)との間には、間隙C1が生じている。また、黒鍵40(F#鍵)に対応する右側の水平ヒンジ42(3)と黒鍵40(G#鍵)に対応する左側の水平ヒンジ42(4)との間には、間隙C2が生じている。
【0048】
そして、突設片36A、36Bは、鍵ユニットKUが有する領有空間である、平面視における間隙C1、C2内にそれぞれ設けられる。突設片36A、36Bは、白鍵20(E鍵)、白鍵20(G鍵)の、各垂直ヒンジ部24の前部上端部から上方に向かって、それぞれ一体に突設されている。詳細は図示しないが、突設片36の上端部形状は、突設片31と同様に鉤状になっている。
【0049】
なお、突設片31の鉛直延設部33は、その水平断面形状が横長の長方形であるが、突設片35、36の鉛直延設部に相当する部分は丸棒としてもよい。なお、設ける突設片として、突設片31、35、36のいずれか1組のみを採用してもよいが、これらのうち任意の2組または3組を同時に採用してもよい。
【0050】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0051】
なお、第1、第2の実施の形態では、鍵フレーム10の上に鍵ユニットKUの共通基端部30が固定される構成を採用したので、突設片31、35、36の把持時に共通基端部30がばらけることがないように、突設片31、35、36は、最下層の第2白鍵ユニットKUW2の基端部21に設けられた。しかし、鍵フレームと鍵ユニットの共通基端部との上下関係が逆である場合は、突設片の配置、構成も上下逆とし、最上層の鍵ユニットの基端部に設けるのがよい。
【0052】
例えば、図5に変形例を示すように、複数の白鍵120を有する2つの白鍵ユニットKUW1x、KUW2xと複数の黒鍵140を有する1つの黒鍵ユニットKUBxから成る鍵ユニットKUxを、それより上方に設けられた鍵フレーム110に装着する場合を考える。この場合は、鍵フレーム110の鍵保持部110aの下端部に、鍵ユニットKUxの共通基端部130が係合し、下方からネジ182で締結固定される。このような例では、突設片131が、最上層の黒鍵ユニットKUBxの基端部141に一体に形成される。そして、突設片131は、下方に向かって延設される。
【0053】
結局、突設片を把持したとき、共通基端部をばらけさせずに適切に鍵ユニットKUを保持できるようにするためには、突設片は、鍵フレームに最も近い側の白/黒鍵ユニットの基端部に設けると共に、鍵フレームに最も遠い側の白/黒鍵ユニットの方向に突設させればよい。
【0054】
また、突設片を、鍵フレームに最も遠い側の白/黒鍵ユニットの水平ヒンジより突出させるためには、上下方向に貫通している領域に突設片を配置すればよい。そのためには、黒鍵ユニット(KUB、KUBx)の水平ヒンジ42に透孔(透孔46等)を形成するか、及び/又は、白/黒鍵ユニット(KUW1、KUW1x、KUB、KUBx)中の互いに隣接する鍵の水平ヒンジ(42、22)同士の間に間隙を設けることによって、各白/黒鍵ユニットの水平ヒンジ(鍵フレームに最も近い側の鍵ユニットを除く)において上下方向に貫通している領域(透孔46、間隙C1、C2等)が生じるように構成する。そして、該領域内において、突設片を、最も遠い側の白/黒鍵ユニットの方向に延設させればよい。
【0055】
なお、共通基端部に対して、鍵フレームが上側、下側両方にあって、上下両鍵フレームに共締め等で共通基端部が固定される構成も考えられる。その場合は、共通基端部が先に当接乃至載置される側の鍵フレームを「主な鍵フレーム」とみなし、突設片は、上記主な鍵フレームに最も近い側の白/黒鍵ユニットの基端部に設けると共に、上記主な鍵フレームに最も遠い側の白/黒鍵ユニットの方向に突設させればよい。
【0056】
また、上記第1、第2の実施の形態で、突設片が基端部に設けられる場合は、突設片は基端部の前面に設けられたが、これに限るものでなく、基端部の後面から後方に延びて、その後、該基端部から遠い側の基端部の方向に延設されるように設けてもよい。
【0057】
なお、金型による成形後に、金型から取り出して1つの鍵ユニットとしてまとめて扱う際の作業性を向上させることに限って言えば、突設片は、必ずしも鍵フレームから遠い方向に向かって突設されている必要はない。例えば、表層(外側の層)の基端部に突設片を設け、該突設片を、上記表層の基端部から最も遠い側の基端部の方向に、把持しやすい態様で突設してもよい。
【0058】
なお、第1の実施の形態において、突設片31の鉤部34は、係止具を係止するのに便利ではあるが、必須ではなく、図5に例示した突設片131のように、鉤部を設けることなく真っ直ぐな形状としてもよい。
【0059】
なお、第1、第2の実施の形態において、突設片31、131は、基端部21、基端部141に一体に設けたが、固定関係にできれば、別体で設けてもよい。突設片35、36と垂直ヒンジ部24との関係についても同様である。
【0060】
なお、第1、第2の実施の形態では、鍵ユニットKUは3層構造としたが、2層構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。
【図2】1つの鍵ユニットの平面図である。
【図3】鍵ユニットの後半部の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の1つの鍵ユニットの後部の平面図である。
【図5】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 鍵盤装置、 10、110 鍵フレーム(支持部材)、 20 白鍵、 22、42 水平ヒンジ(連結部)、 23 白鍵本体(鍵本体部)、 30、130 共通基端部、 40 黒鍵、 21、41、141 基端部、 KU、KUx 鍵ユニット、 KUW1、KUW2、KUW1x、KUW2x 白鍵ユニット(ユニット)、 KUB、KUBx 黒鍵ユニット(ユニット)、 43 黒鍵本体(鍵本体部)、 31、35、36、131 突設片(把持部)




 

 


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