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発明の名称 鍵盤装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25506(P2007−25506A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−210701(P2005−210701)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100104798
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 智典
発明者 西田 賢一
要約 課題
電子鍵盤楽器の質量体と、該質量体を回動自在に支持する回転軸とを樹脂成型する際、金型の接合部に当接する箇所(パーティション部)にバリが生じたり、「ひけ」による歪が生じたりする。そこで、これらの悪影響を防止する。

解決手段
回転軸24に軸支される質量体のパーティション部に対向する位置に中心部溝24d,24dを形成した。回転軸24と軸支持板22,22とは一体成型されるものであり、その接合部分である回転軸24の端部に端部溝24c,…,24cを形成した。また、回転軸の摺動面上に軸方向に沿って軸方向溝24bを形成した。
特許請求の範囲
【請求項1】
回動支点部を有する軸支持部材と、前記回動支点部を中心に回動自在に軸支される回動部材とを有する鍵盤装置において、
前記回動部材は複数の金型を衝合させ、前記各金型の間に樹脂を充填して成型されるものであり、前記金型の衝合部に当接していた位置であるパーティション部に、前記回動支点部の中心に向かって突出する小突起を有し、
前記回動支点部は柱状の回転軸であり、前記軸支持部材は該回転軸を支持する軸支持体と該回転軸とから成り、前記回転軸と前記軸支持体とは一体に成型され、前記軸支持体は平行な二枚の軸支持板から成り、これら二枚の軸支持板の対向面において前記回動部材と摺動することにより前記回動部材の動きを回動方向にガイドするガイド部材として機能するものであり、
前記回転軸は、該回転軸の端部以外の位置に形成され前記小突起が接触しないように周囲よりも軸径が小となる小径部と、前記軸支持体に接する前記回転軸の端部に周回方向に沿って形成された端部溝と、前記回転軸の摺動面上に軸方向に沿って形成された軸方向溝とを有するものである
ことを特徴とする鍵盤装置。
【請求項2】
回動支点部を有する軸支持部材と、前記回動支点部を中心に回動自在に軸支される回動部材とを有する鍵盤装置において、
前記回動部材は、前記回動支点部の中心に向かって突出する小突起を有し、
前記回動支点部は柱状の回転軸であり、前記小突起が接触しないように周囲よりも軸径が小となる小径部を形成した
ことを特徴とする鍵盤装置。
【請求項3】
回動支点部を有する軸支持部材と、前記回動支点部を中心に回動自在に軸支される回動部材とを有する鍵盤装置において、
前記回動支点部は柱状の回転軸であり、前記軸支持部材は該回転軸を支持する軸支持体と該回転軸とから成り、前記軸支持体に接する前記回転軸の端部に周回方向に沿って端部溝を形成した
ことを特徴とする鍵盤装置。
【請求項4】
前記回転軸と前記軸支持体とは一体に成型され、前記軸支持体は平行な二枚の軸支持板から成り、該軸支持板の対向面において前記回動部材と摺動することにより前記回動部材の動きを回動方向にガイドするガイド部材として機能することを特徴とする請求項3記載の鍵盤装置。
【請求項5】
回動支点部を有する軸支持部材と、前記回動支点部を中心に回動自在に軸支される回動部材とを有する鍵盤装置において、
前記回動部材は複数の金型を衝合させ、前記各金型の間に樹脂を充填して成型され、前記金型の衝合部に当接していた位置であるパーティション部を有するものであり、
前記回動支点部は柱状の回転軸であり、前記回動部材の前記パーティション部に対向する位置に、周囲よりも軸径が小となる小径部を形成した
ことを特徴とする鍵盤装置。
【請求項6】
前記パーティション部は、前記回転軸の端部以外の部分に対向する位置に設けられ、前記小径部は前記回転軸の端部以外の位置に形成されたことを特徴とする請求項5記載の鍵盤装置。
【請求項7】
回動支点部を有する軸支持部材と、前記回動支点部を中心に回動自在に軸支される回動部材とを有する鍵盤装置において、
前記回動支点部は柱状の回転軸であり、該回転軸の摺動面上に軸方向に沿って軸方向溝を形成した
ことを特徴とする鍵盤装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子鍵盤楽器に用いて好適な鍵盤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より電子鍵盤楽器には、鍵や質量体などの回動部品が設けられており、これらの軸受け構造についても種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている鍵の軸受け構造においては、略円柱状の軸に周回方向に沿って突条を形成し、この軸に回動自在に軸支される軸受け部において該突条に嵌合する凹部を形成し、両者によって軸受け部の横ぶれが防止される。
【0003】
【特許文献1】特公平7−21707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、軸および軸受け部は、二枚の金型を接合し、その間にプラスチック等の樹脂を流し込むことによって形成される。樹脂のうち、これら金型の接合部に当接する部分(パーティション部)にはバリや段差が生じる場合がある。さらに、プラスチック等の樹脂は固化する際に若干縮小するため、「ひけ」と呼ばれる歪が軸および軸受け部に生じる場合がある。これらの要因により、軸に軸受け部を装着した際、回動動作に様々な不具合が生じる場合がある。一方、軸および軸受け部を形成した後に研磨すると、余分な工数が発生するため装置が高価になるという問題を生じる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、回動部品をスムーズに回動させることのできる鍵盤装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の鍵盤装置にあっては、回動支点部(24)を有する軸支持部材(20)と、前記回動支点部(24)を中心に回動自在に軸支される回動部材(30)とを有する鍵盤装置において、前記回動部材(30)は複数の金型を衝合させ、前記各金型の間に樹脂を充填して成型されるものであり、前記金型の衝合部に当接していた位置であるパーティション部(36)に、前記回動支点部(24)の中心に向かって突出する小突起(変形例1のバリ50)を有し、前記回動支点部(24)は柱状の回転軸であり、前記軸支持部材(20)は該回転軸を支持する軸支持体(22)と該回転軸とから成り、前記回転軸と前記軸支持体(22)とは一体に成型され、前記軸支持体(22)は平行な二枚の軸支持板から成り、これら二枚の軸支持板の対向面において前記回動部材(30)と摺動することにより前記回動部材(30)の動きを回動方向にガイドするガイド部材として機能するものであり、前記回転軸は、該回転軸の端部以外の位置に形成され前記小突起が接触しないように周囲よりも軸径が小となる小径部(24d)と、前記軸支持体(22)に接する前記回転軸の端部に周回方向に沿って形成された端部溝(24c)と、前記回転軸の摺動面上に軸方向に沿って形成された軸方向溝(24b)とを有するものであることを特徴とする。
また、請求項2記載の鍵盤装置にあっては、回動支点部(24)を有する軸支持部材(20)と、前記回動支点部(24)を中心に回動自在に軸支される回動部材(30)とを有する鍵盤装置において、前記回動部材(30)は、前記回動支点部(24)の中心に向かって突出する小突起(変形例1のバリ50)を有し、前記回動支点部(24)は柱状の回転軸であり、前記小突起が接触しないように周囲よりも軸径が小となる小径部(24d)を形成したことを特徴とする。
また、請求項3記載の鍵盤装置にあっては、回動支点部(24)を有する軸支持部材(20)と、前記回動支点部(24)を中心に回動自在に軸支される回動部材(30)とを有する鍵盤装置において、前記回動支点部(24)は柱状の回転軸であり、前記軸支持部材(20)は該回転軸を支持する軸支持体(22)と該回転軸とから成り、前記軸支持体(22)に接する前記回転軸の端部に周回方向に沿って端部溝(24c)を形成したことを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項3記載の鍵盤装置において、前記回転軸と前記軸支持体(22)とは一体に成型され、前記軸支持体(22)は平行な二枚の軸支持板から成り、該軸支持板の対向面において前記回動部材(30)と摺動することにより前記回動部材(30)の動きを回動方向にガイドするガイド部材として機能することを特徴とする。
また、請求項5記載の鍵盤装置にあっては、回動支点部(24)を有する軸支持部材(20)と、前記回動支点部(24)を中心に回動自在に軸支される回動部材(30)とを有する鍵盤装置において、前記回動部材(30)は複数の金型を衝合させ、前記各金型の間に樹脂を充填して成型され、前記金型の衝合部に当接していた位置であるパーティション部(36)を有するものであり、前記回動支点部(24)は柱状の回転軸であり、前記回動部材(30)の前記パーティション部(36)に対向する位置に、周囲よりも軸径が小となる小径部(24d)を形成したことを特徴とする。
さらに、請求項6記載の構成にあっては、請求項5記載の鍵盤装置において、前記パーティション部(36)は、前記回転軸の端部以外の部分に対向する位置に設けられ、前記小径部(24d)は前記回転軸の端部以外の位置に形成されたことを特徴とする。
また、請求項7記載の鍵盤装置にあっては、回動支点部(24)を有する軸支持部材(20)と、前記回動支点部(24)を中心に回動自在に軸支される回動部材(30)とを有する鍵盤装置において、前記回動支点部(24)は柱状の回転軸であり、該回転軸の摺動面上に軸方向に沿って軸方向溝(24b)を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このように、柱状の回転軸に小径部を形成した構成によれば、小突起やパーティション部に生ずるバリ等が回転軸に接することを防止できる。また、回転軸の端部に周回方向に沿って端部溝を形成した構成によれば「ひけ」によって生じる軸部の変形の回避が可能であり、または、金型上の段差部(軸支持板から軸部への連接部を成型する金型上の部位)に生じてしまう微小R部(直角段部に丸み付けしてなだらかに変化する部分)の逃げ部に対応させることができ、スムーズな回転構造を得ることができる。また、二枚の軸支持板と回転軸とを一体に成型した構成によれば回動部材の横揺れを防止することができ、回転軸と軸支持体とを一体成型した構成によれば、回動部材の動きを回動方向にガイドすることができる。また、回転軸の摺動面上に軸方向に沿って軸方向溝を形成した構成にれば、異物等が挟まった場合の悪影響を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1.実施例の全体構成
次に、本発明の一実施例の電子鍵盤楽器の質量体取付け構造を図1を参照し説明する。この質量体取付け構造は、主として電子鍵盤楽器においてアコースティックピアノに類似した鍵タッチを与えるために設けられるものである。
図1において10は鍵であり、図示せぬ鍵軸受け部を中心に揺動自在に構成されている。鍵10のうち、その先端部10aは少なくとも中空になっている。16は電子鍵盤楽器のフレームであり、その一部を成す略直方体状の鍵ガイド14が鍵先端部10aに挿入される。これにより、鍵10の横ぶれが防止される。また、鍵先端部10aのやや後方においては、略直方体状の杵部12が、鍵10から下方に突出するように形成されている。この杵部12には、前後方向に向かって貫通孔12aが形成されている。
【0008】
20は軸受け部であり、フレーム16から上方向に突出した、略長方形板状の一対の(図1では1枚のみ表示する)軸支持板22,22と、両軸支持板22,22のほぼ中心にその両端が接合され左右方向に延設された略円柱状の回転軸24とから構成され、回転軸24にて軸支持板22,22を橋渡ししている。30は質量体であり、金属製の質量集中部32と、質量体樹脂部34とから構成されている。質量集中部32は長尺円柱状の金属棒の一端(図上の後方端)を長方形状に折り曲げて成るものである。また、質量体樹脂部34は、二枚の金型の間に質量集中部32の他端を挿入し、これら金型と質量集中部32との間に樹脂を充填するアウトサート成型によって構成されている。
【0009】
質量体樹脂部34から図上前方方向には突出部34d,34eが突出しており、突出部34dは杵部12の貫通孔12aに遊挿され、突出部34eは杵部12の底面に当接している。また、質量体樹脂部34の後方側においては、質量集中部32の下方から後方に向かって下顎部34cが突出している。また、質量体樹脂部34のうち質量集中部32に固着されつつ質量集中部32を囲む上顎部34bと下顎部34cとの間には、質量体樹脂部34を略V字状に切り欠いたような軸挿入部34aが形成されている。軸挿入部34aの最奥部は、ほぼ240°の周回角の範囲で回転軸24に当接しつつ該回転軸24を包囲するように、一部切欠円筒の内面状の周接部が形成されている。
【0010】
上顎部34bおよび下顎部34cの根元部の横幅は、質量体30の横ぶれを防止するため、軸支持板22,22の間隔に正確に一致するように形成される。これにより、軸支持板22,22は、質量体30の動きを回動方向にガイドするガイド部材になる。また、質量体樹脂部34の側面の随所には凹部が形成される。これらの凹部はグリス溜りになり、質量体樹脂部34と軸支持板22,22との接触面に絶えずグリスを供給するから、質量体樹脂部34は軸支持板22,22に対してスムーズに摺動する。なお、質量体30の横ぶれを防止するためには、上顎部34bまたは下顎部34cのうち一方の幅を軸支持板22,22の間隔に正確に一致させればよく、他方の幅をやや狭くしてもよい。
【0011】
軸受け部20を質量体30に装着するには、まず回転軸24および質量体樹脂部34に充分にグリスを塗布し、前方から軸挿入部34aを回転軸24に遊挿し、やや力を加えて質量体30を後方に手で押すとよい。質量体樹脂部34は樹脂によって形成されているから、軸挿入部34aが回転軸24によってやや広げられ、軸挿入部34aの最奥部が回転軸24に接するようになると軸挿入部34aが回転軸24を囲むように狭まり、質量体30は回転軸24に対して回動自在に軸支されるようになる。
【0012】
しかる後に、貫通孔12aに突出部34dを遊挿させるように鍵10を前方から後方へ移動して装着すると、図示の質量体取付け構造が完成する。上記構成においてユーザが鍵10を押鍵すると、杵部12によって質量体30の突出部34eが押下され、回転軸24を中心として質量体30が時計回りに回動する。その際、ユーザの指には、質量集中部32の重量によって鍵を上方向に回動させようとする反発力が感じられ、これによってアコースティックピアノに類似した鍵タッチがユーザに感じられることになる。
【0013】
2.軸受け部20の詳細構成
次に、質量体取付け構造の要部の構成を図2に示す。同図においては2つの軸受け部20−1,20−2が示されているが、同様の軸受け部20−kが鍵の数(例えば「88」鍵)だけフレーム16上の左右方向に直線状に配置されている。図示の状態においては、軸受け部20−2には質量体30−2および鍵10−2が装着され、軸受け部20−1は対応する質量体および鍵が未だ装着されていない。各軸受け部20−kは、左右の軸支持板22−kと、回転軸24−kとを樹脂成型によって一体に形成して成るものである。これにより、両軸支持板の間隔は回転軸によって強固に保持され、両軸支持板の対向面が質量体を挟持するから、質量体の動きを回動方向に限定させることができる。
【0014】
次に、この回転軸24の詳細構成を図3(a),(b)を参照し説明する。これらの図において回転軸24は、左右方向を軸とする略円柱状に形成されており、その正面部分および背面部分は平面状に切り欠かれ、切欠部24a,24aが形成されている。また、回転軸24の摺動面の上面は、軸方向に沿って細長く切り欠かれ、軸方向溝24bが形成されている。また、回転軸24の両端部においては、軸支持板22,22に接する箇所が、切欠部24a,24aを除いて、円周方向に沿って溝状に切り欠かれ、端部溝24c,…,24cが形成されている。また、回転軸24の軸方向の中心部においては、切欠部24a,24aを除いて、円周方向に沿って溝状に切り欠かれ、中心部溝24d,24dが形成されている。上述したように、質量体樹脂部34は、二枚の金型の間に樹脂を充填するアウトサート成型によって構成されている。成型時にこれら金型の接合部に当接していた部分を「パーティション部」という。このパーティション部は、本実施例においては質量体樹脂部34の左右方向の中心である。中心部溝24d,24dは、この質量体樹脂部34のパーティション部に対向する位置に形成されるのである。
【0015】
以上のように、回転軸24は円柱の表面に様々な切欠部や溝を形成することによって構成されているが、かかる構成を採用した理由を図4,図5に示す参考例に基づいて説明する。まず、図4は本実施例の回転軸24に代えて、円柱状の回転軸40を採用した軸受け部を示すものであり、ここには質量体30が装着されている。まず、図4の例においては、回転軸40に切欠部24a,24aが形成されていないために、回転軸40の周面にグリスを溜めることができず、質量体30をスムーズに回動させることが難しくなる。
【0016】
次に、図4におけるA部〜C部の拡大図を図5(a),(b-1),(b-2),(c)に示す。まず、図4の参考例において、軸支持板22,22と回転軸40とをプラスチック等の樹脂成型によって一体に形成することを想定する。金型を製作する際、直角出しをして金型の軸部形成部を製造すると、金型の耐久性維持や精度維持が困難になるため、金型には微小R部が設けられる。従って、A部においては、図5(a)に示すように、回転軸40の端部において端部に向かうほど直径が大となる厚肉部(軸支持板22と回転軸40とで形成される微小R部)42が生じる。かかる状態において質量体30を回転軸40に装着すると、上顎部34bまたは下顎部34cが厚肉部42に食い込み、質量体30がスムーズに回転しなくなるという問題が生ずる。これに対して本実施例においては、回転軸24の端部に予め端部溝24c,…,24cを形成したから、端部溝24c,…,24cに厚肉部が生じたとしても、かかる厚肉部と質量体樹脂部34とが接触しないため、このような不具合を未然に防止することができる。また、軸挿入部34aのコーナー部にバリが発生した場合においても、このバリが端部溝24c,…,24c内に留まり、回転軸24には接触しないから、バリによる影響を防止することができる。また、軸支持板22の板厚を厚くすると、樹脂固形時において、軸支持板22と回転軸40との境界部分に「ひけ」という歪が生じ、これによって回転軸40の端部の断面が真円にならない状態が生じる。この「ひけ」現象が生じたとしても、端部溝24c,…,24cによって、その影響を回避することができる。
【0017】
次に、質量体樹脂部34のパーティション部36には、図5(b-1)に示すように、軸挿入部34aにバリ50が生じることがある。バリ50が生じると、軸挿入部34aの内径がバリ50の部分だけ小さくなり、質量体樹脂部34によって回転軸40が過度に押圧されることによって質量体30がスムーズに回転しなくなるという問題が生ずる。また、質量体樹脂部34を形成する金型に若干のずれがあると、図5(b-2)に示すように、パーティション部36に段差52が生じる場合がある。かかる場合も段差52の部分だけ軸挿入部34aの内径が小さくなり、質量体30がスムーズに回転しなくなるという問題が生ずる。これに対して、本実施例においては、質量体樹脂部34のパーティション部36に対向する位置に中心部溝24d,24dを形成したから、バリ50あるいは段差52が生じた場合であっても、これらが回転軸40に接触することを防止でき、質量体30をスムーズに回動させることが可能になる。また、バリ50が剥がれ落ちた場合など、中心部溝24d,24d内に異物が生じた場合においても、異物は中心部溝24d,24d内に留まるため、異物の散乱防止を図ることができる。
【0018】
また、軸挿入部34aにおいて回転軸40と摺動する箇所においては、図5(c)に示すように異物54が混入し、これによって質量体30がスムーズに回転しなくなる場合も生じる。これに対して本実施例の回転軸24においては、図5(c)の破線Dに対応する箇所に軸方向溝24bが形成されているから、異物54が軸方向溝24b内に落ち、これによって質量体30をスムーズに回転させることもできる。また、上述したように回転軸24においては切欠部24a,24aがグリス溜りになる旨を説明したが、この軸方向溝24bも同様にグリス溜りになる。すなわち、本実施例においては図3に示したように回転方向に沿う溝と、回転方向を横切る溝の2種類の溝が形成されるが、これらの溝は「グリス溜り部」でもある。これにより、回転軸24と軸挿入部34aとの摺動面に、一層充分なグリスを供給することができる。
【0019】
3.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
【0020】
(1)上記実施例においては、図5(b-1)に示したようなバリ50が上顎部34b,下顎部34cに生じる場合がある。このようなバリ50は生じるか否かは偶発的なものであるが、バリ50の如き小突起を故意に形成してもよい。すなわち、上顎部34b,下顎部34cのパーティション部36に軸の中心方向に突出するような小突起を形成してもよい。この小突起は回転軸24に接触することなく中心部溝24d,24dに遊嵌され、グリスを攪拌する効果を奏することができる。
【0021】
(2)上記実施例は、電子鍵盤楽器の質量体取付け構造に本発明を適用した例を説明したが、本発明は質量体取付け構造のみならず、例えば鍵10の軸受け部分にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例の電子鍵盤楽器の質量体取付け構造の側面図である。
【図2】該質量体取付け構造の要部の斜視図である。
【図3】回転軸24の正面図(a)および右側面図(b)である。
【図4】本実施例と比較する参考例の回転軸40周辺の正面図である。
【図5】該参考例の動作説明図である。
【符号の説明】
【0023】
10:鍵、10a:鍵先端部、12:杵部、12a:貫通孔、14:鍵ガイド、16:フレーム、20:軸受け部(軸支持部材)、22:軸支持板(軸支持体)、24:回転軸(回動支点部)、24a,24a:切欠部、24b:軸方向溝、24c,…,24c:端部溝、24d,24d:中心部溝(小径部)、24−k:回転軸、30:質量体(回動部材)、32:質量集中部、34:質量体樹脂部、34a:軸挿入部、34b:上顎部、34c:下顎部、34d,34e:突出部、36:パーティション部、40:回転軸、42:厚肉部、50:バリ(小突起)、52:段差、54:異物。




 

 


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