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調律器及びプログラム - ヤマハ株式会社
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発明の名称 調律器及びプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10780(P2007−10780A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188669(P2005−188669)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
発明者 奥山福太郎
要約 課題
調律器において、ピアノ音等の入力波形の周波数と調律対象の周波数との異同を明示できるようにする。

解決手段
調律器は、入力波形の周波数と調律対象周波数に一致するか否かを示す表示パターンを所定の表示更新周期毎に更新して表示する表示器を有する。入力波形から、表示更新周期よりも細かい分解能からなる調律対象周波数に応じた周期毎に、W値に応じた時間範囲にわたる波形区間を抽出し、抽出された各区間毎の波形の周期性を示す2値の表示情報を作成する。そして、表示更新周期の1周期内で作成された各波形区間毎の表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態の表示パターンを表示器に表示する。W値の変更により、波形区間として抽出する時間範囲を変更して、表示パターンの表示サイズを変更できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
外部から入力される音響波形の周波数と所定の調律対象周波数のずれを示す表示物を所定の表示更新周期毎に更新して表示する表示器を有する調律器であって、
外部からの音響波形を入力する入力手段と、
前記入力された音響波形から、前記表示更新周期よりも細かい分解能からなる前記調律対象周波数に応じた周期毎に、所定の時間範囲にわたる波形区間を、それぞれ抽出する抽出手段と、
前記抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する表示情報作成手段と、
前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態で前記表示器に表示させる表示制御手段と、
前記波形区間として抽出すべき時間範囲を変更するための変更手段と
を具えることを特徴とする調律器。
【請求項2】
前記変更手段において、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報と、前回の表示更新周期の1周期内で作成された各波形区間毎の表示情報とを比較する比較手段と、前記比較手段の結果両者が同じであった場合に前記時間範囲を変更する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の調律器。
【請求項3】
外部から入力される音響波形の周波数と所定の調律対象周波数のずれを示す表示物を所定の表示更新周期毎に更新して表示する機能を含む調律処理をコンピュータに実行させるソフトウェアプログラムであって、
外部からの音響波形を入力する手順と、
前記入力された音響波形から、前記表示更新周期よりも細かい分解能からなる前記調律対象周波数に応じた周期毎に、所定の時間範囲にわたる波形区間を、それぞれ抽出する手順と、
前記抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する手順と、
前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態で前記表示器に表示させる手順と、
前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報と、前回の表示更新周期の1周期内で作成された各波形区間毎の表示情報とを比較する手順と、
前記比較の結果両者が同じであった場合に前記時間範囲を変更する手順と
を具えることを特徴とするプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、調律器及びプログラムであって、特に、外部から入力される音響波形の周波数と調律対象周波数のずれを示す表示物を表示するタイプのものに関する。
【背景技術】
【0002】
ピアノ等の自然楽器の調律に利用される調律器として従来から知られるものには、楽器から発せられた楽音(楽器演奏音)の音高が、調律の目標となる音高(調律対象周波数)に合致しているか/該音高からどれだけずれているかを表示する機能を有するものがある。作業者は、調律器の表示を見ながら、当該楽器の調律を行うことができる。この種の調律器において、楽器から発せられた楽音の音高(ピッチ)を測定する方法としては、次のような方法が知られる。すなわち、入力波形をそのゼロクロス点毎に「1」又は「0」に反転してなる矩形パルス波に整形することで2値化した参照波形を作成し、該作成した参照波形を所定時間ずつ遅延させた遅延波形を作成し、参照波形と遅延波形の相関を求めて、相関が高い遅延量を入力波形の周期とすることで、入力波形の音高を測定する方法が知られる。このように音高を測定することで、調律対象周波数と該測定された音高(入力波形の周波数)のずれ量を計器等の表示により作業者に提示することができた(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
調律対象周波数と入力波形の周波数のずれを表示する方法には種々のタイプが知られる。例えば、複数のLEDを所定の時間範囲(位相範囲)に対応付けて列状に並べた表示器を有し、該時間範囲(位相範囲)にわたる入力波形の矩形パルス整形波と比較基準用の矩形パルス波との比較に基づき各LEDを点灯/不点灯制御することで、該点灯/不点灯のパターンによって両者の位相関係つまり周波数もしくは周期関係をアナログ的に表示し、この比較及び表示を所定の表示更新周期ごとに更新するようにしたものがある(下記特許文献2参照)。これによれば、調律対象周波数(比較基準用の矩形パルス波)と入力波形の周波数がずれている場合には、点灯状態にあるLEDの位置が順次変更されることで、見かけ上はLEDの点灯パターンが表示器上を流れるように点灯制御され、一方、調律対象周波数と入力波形の周波数が一致している場合には、見かけ上、該点灯パターンが一定位置で停止しているように点灯する。
【特許文献1】特開平9−257558号公報
【特許文献2】特開平5−313657号公報
【0004】
特許文献2に開示されたタイプのピッチずれ表示は、調律対象周波数と入力波形(ピアノ音)の周波数がずれてるか否かが、表示器上のLED点灯パターンの動きで判断できるため、その見極めがやりよい、という点で有利であった。
しかしながら、上記特許文献2に開示された調律器では、表示器を構成する複数LEDと、該複数のLEDに対応づけられた時間範囲(位相範囲)の関係が固定的であったため、該表示器における入力波形の矩形パルス整形波と比較基準用の矩形パルス波との周期関係の表示分解能が限られていた。このため、前記表示分解能よりも細かい周期のズレを表示することができなかった。すなわち、従来の技術では、入力波形と調律対象周波数のズレ量に応じた表示ができなかったため、調律作業の精度や作業性に不都合があった。
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので調律作業の精度や作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、外部から入力される音響波形の周波数と所定の調律対象周波数のずれを示す表示物を所定の表示更新周期毎に更新して表示する表示器を有する調律器であって、外部からの音響波形を入力する入力手段と、前記入力された音響波形から、前記表示更新周期よりも細かい分解能からなる前記調律対象周波数に応じた周期毎に、所定の時間範囲にわたる波形区間を、それぞれ抽出する抽出手段と、前記抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する表示情報作成手段と、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態で前記表示器に表示させる表示制御手段と、前記波形区間として抽出すべき時間範囲を変更するための変更手段とを具えることを特徴とする調律器調律器である。
【0008】
また、この発明は、外部から入力される音響波形の周波数と所定の調律対象周波数のずれを示す表示物を所定の表示更新周期毎に更新して表示する機能を含む調律処理をコンピュータに実行させるソフトウェアプログラムであって、外部からの音響波形を入力する手順と、前記入力された音響波形から、前記表示更新周期よりも細かい分解能からなる前記調律対象周波数に応じた周期毎に、所定の時間範囲にわたる波形区間を、それぞれ抽出する手順と、前記抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する手順と、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態で前記表示器に表示させる手順と、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報と、前回の表示更新周期の1周期内で作成された各波形区間毎の表示情報とを比較する手順と、前記比較の結果両者が同じであった場合に前記時間範囲を変更する手順とを具えることを特徴とするプログラムとして構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
この発明の調律器によれば、外部から音響波形が入力されると、抽出手段により、該入力された音響波形から、前記表示更新周期よりも細かい分解能からなる前記調律対象周波数に応じた周期毎に、所定の時間範囲にわたる波形区間が、それぞれ抽出される。表示情報作成手段により、前記抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報が作成される。表示制御手段は、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態で表示器に表示させる。そして、変更手段により、前記波形区間として抽出すべき時間範囲を変更することで、前記表示器に表示される多値の情報の時間範囲を変更することができる。前記波形区間として抽出すべき時間範囲を変更することで、前記表示物の表示サイズを変更することができる。例えば、時間範囲を小さくして、外部から入力される音響波形の周波数と所定の調律対象周波数のずれを示す表示物は相対的に拡大すれば、より微小な周波数のずれを表示できるようになるので、ユーザはより細かい調律作業、周波数の調整が行えるようなる。このように、表示器に表示する時間範囲を可変とすることで、表示物の表示サイズを周波数のズレ量に応じて変更できるようになり、調律作業の精度や作業性が向上するという優れた効果を奏する。
また、前記表示更新周期の1周期内で作成された前記各波形区間毎の前記表示情報と、前回の表示更新周期の1周期内で作成された各波形区間毎の表示情報とを比較して、両者が同じであった場合に時間範囲を狭めて表示を拡大することで、最初に比較的広い時間範囲の波形を表示を行い、調律が合ってきてたら、表示サイズを拡大する(時間範囲を狭くする)ことでより微小な周波数のずれを見ながら、精密な調律作業を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下添付図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。この実施例に係る調律器は、典型的には、アコースティックピアノの調律に利用されるものである。
図1は、この発明の一実施例に係る調律器の使用時の概要を説明するための概念図である。図1において符号1はこの実施例に係る調律器であり、符号2は調律すべき楽器の一例としてアコースティックな発音機構を具えた鍵盤楽器(アップライトピアノ)を示している。調律器1は、例えばPDA(Personal Digital Assistants:情報携帯端末)で構成され、この実施例に係る調律機能の実現するためのソフトウェアプログラムを実行可能である。また、調律器1は、周知のPDAに一般的であるのと同様に、情報の表示及び画面上からの操作入力が可能な表示器(例えば液晶スクリーン等)3を具える。調律器1には、ピアノ2において発音されたピアノ演奏音を取得するためのマイクロフォン4が接続されている。該マイクロフォン4によってピックアップした音が調律器1に対する入力波形として供給される。詳しくは後述する通り、この実施例に係る調律機能によれば、調律器1は、マイクロフォン4を介して供給される入力波形の周波数と比較基準用の周波数(調律対象周波数)の位相関係つまり周波数もしくは周期関係を示す画像(表示パターン)を表示器3に表示することができる。なお、図1においては、図示及び説明の便宜上、調律器1に対してマイク4を外部接続するように描かれているが、マイク4は調律器1に内蔵される構成であっても差し支えない。
【0011】
図2は調律器1の電気的ハードウェア構成の概略を示すブロック図である。調律器1は、CPU10、ROM11、RAM12を含むマイクロコンピュータと、マイクロフォン4から供給される入力波形を取り込むためのインターフェース13、表示制御部14及び操作検出部15とから構成され、各装置間がバス16を介して接続される。インターフェース13は、アンプ及びAD変換器を含み、マイク4を介して入力されアナログオーディオ波形信号を適宜増幅及びディジタル波形信号に変換して信号処理系に供給する。表示制御部14はCPU10からの指示に基づき表示器3の表示を制御する。PDAにおける表示器3の表示は、ソフトウェアによって概ね15〜20Hzの周期で更新されており、この周期は当該調律器1に入力されうるピアノ音の最低音の周波数よりも遅いものである。また、操作検出部15を介して表示器3上での操作入力やその他の操作子の入力に応じた指示がCPU1に与えられる。
CPU10は調律器1の全体的な動作を制御すると共に、この実施例に係る調律機能を実現するためのソフトウェアプログラムを実行する。調律機能を実現するためのソフトウェアプログラムは例えばROM11等のメモリに記憶されていてよい。RAM12は、CPU10が信号処理を実行する際に、各種パラメータや各種データを記憶するワークエリア、あるいは、マイク4を介して取り込んだ波形データを格納するメモリ領域として使用される。
【0012】
図3(a),(b)は、表示器3に読み出される表示画面の一例を示す図である。表示画面30には、調律対象周波数と入力波形の周波数とのずれ(両者の位相関係)を示す画像「表示パターン32」を表示するための波形表示部31が設けられている。図3(a)は調律対象周波数と入力波形(ピアノ音)の周波数が一致している場合の表示パターン32を示し、同図(b)は調律対象周波数と入力波形の周波数がずれている場合の表示パターン32を示している。なお、この表示パターン32の表示制御の原理や表示動作については後述する。
【0013】
また、表示画面30には、数値や音名(A〜F)等の情報を入力するためのボタン画像群からなる操作入力部33が具わる。ユーザは、画面上に表示されたボタン画像にペン等の操作ツールを当てて、操作入力することができる。ユーザは、操作入力部33から調律対象となる音高の指定や、各種パラメータの設定等を行う。表示画面30の設定値表示部34には、調律対象となる音高等の各種パラメータの設定値が表示される。
設定値表示部34に表示されるパラメータには、図に示すとおり、音名(note)、オクターブ(oct.)、キー番号(keyNo.)、セント値(cent)、及び、調律対象周波数(freq)がある。ユーザは、操作入力部33のボタン画像等を用いて音名/数値入力により音名(note)及びオクターブ(oct.)の値を指定できる。キー番号(keyNo.)は、周知の通り、ピアノ鍵盤に具わる88鍵の各鍵に対して、最低音の鍵から最高音の鍵の順に1〜88の番号を順次割り当てられた、各鍵に固有の番号であって、音名とオクターブにより音高が特定されれば、当該音高に対応するキー番号が一義に定まる。すなわち、ユーザは、音名及びオクターブの指定により、調律対象とする調律対象音高を指定することができる。調律対象周波数は、基本的には、該指定された調律対象音高に対応する周波数に相当するものである。音高に対応する正規の周波数は、各音高毎に予め設定された所定値であり、例えばテーブル参照等により設定されてよい。以下、この実施例において、該調律対象周波数の値を示すパラメータを「Hz値」と称する。また、セント値は、前記Hz値をユーザが任意に修正するためのパラメータである。従って、設定値表示部34の調律対象周波数(freq)の欄には、指定された調律対象音高の周波数をセント値で修正したHz値が表示されることになる。例えば、同図に示すとおり、指定された音高が第5オクターブのA(keyNo.=49)で、セント値が0であれば、調整対象周波数は第5オクターブのAに相当する周波数(この例では440Hz)になる。なお、セント値は、周知の通り、音高差を対数表現で表した値であって、100セントが12音階の半音に相当する。
【0014】
図4及び図5は、表示パターン32の表示制御の原理を説明するための概念図である。図4(a),(b)において、符号40a,40bで示す波形は調律器1に入力された入力波形(ピアノ音)である。この実施例に係る表示パターン32の表示制御においては、入力された入力波形から、調律対象周波数Hzの周期毎に、後述する窓幅パラメータ「W値」に基づく時間範囲(位相範囲)にわたる波形区間の波形を抽出する処理を行い、該抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する。前記表示情報は、当該波形をそのゼロクロス点毎に「1」又は「0」に反転してなる2値化情報(後述の図7を参照)であり、該区間毎の波形の周期性を2段階の濃度で画像化しうるデータである。そして、表示画面30(表示器3)の表示更新周期の1周期内で作成される前記各波形区間毎の各表示情報を重ね合わせて、該重ね合わせた多値の情報に応じた表示形態の表示パターン32を表示器3に表示させる。以上がこの実施例に係る表示パターンの表示制御の原理の大略である。
【0015】
図4(a)において、(1)は調律対象周波数Hzに一致する周波数の入力波形40aが入力された場合の波形図を示しており、(2)は該(1)の入力波形40aから調律対象周波数Hzの周期ごとに抽出される波形区間毎の波形41a〜41eであって、同図において該各波形区間毎の波形41a〜41eは、各波形のゼロクロス点毎に「1」又は「0」に反転した2値の表示情報によって各波形の周期性を2段階の濃度で画像化(周期パターン)されたものにより示されている。入力波形40aの周波数と調律対象周波数Hzが一致しているので、各波形区間の波形41a〜41eの抽出は、入力波形40aの周期に同期したタイミングで行われることになる。従って、各波形区間の波形41a〜41eとして、各々の位相関係が一致つまり同じ周期特性を持つものが抽出される。これら各波形区間の波形41a〜41eの周期パターンの画像を重ね合わせると、図5(a)に示すような表示パターン32aを得ることができる。各波形41a〜41eの周期性が一致しているので、これらを重ね合わせた表示パターン32aは、各波形41a〜41eと同じ周期性を持つ2段階の濃淡画像となることが図5(a)から見て取れる。
一方、図4(b)において、(3)は調律対象周波数Hzと異なる周波数の入力波形40bが入力された場合(Hz値と入力波形の周波数がずれている場合)の波形図を示し、(4)は該(3)の入力波形40bから調律対象周波数Hzの周期ごとに抽出される波形区間毎の波形41f〜41jを2段階の濃度で画像化した周期パターンを示している。この場合、入力波形40bと調律対象周波数Hzがずれているので、各波形区間の波形41f〜41jとして、それぞれ位相がずれた周期パターンが抽出されることになる。これら各波形区間の波形41f〜41jの周期パターンの画像を重ね合わせると、図5(b)に示すような表示パターン32bを得ることができる。各波形41f〜41jの位相関係がずれているので、これらを重ね合わせた表示パターン32bは、該各波形41f〜41jの位相関係のずれに応じた多段階(少なくとも3段階以上)の濃淡を持つ多値の濃淡画像となる。
【0016】
図5(a),(b)に示す表示パターン32a,32bは、表示更新周期の1周期内で抽出された各波形区間毎の波形41a〜41e,41f〜41jを重ね合わせたものである(図4(a),(b)参照)。すなわち、この実施例では、表示更新周期の1周期内で可能な数(図の例では5つ)だけ波形区間毎の波形の抽出を行い、該表示更新周期の1周期毎に、抽出した各波形区間毎の波形の表示情報を重ね合わせて、表示パターン32の表示態様を更新する。図5(a)のように、入力波形40aの周波数と調律対象周波数Hzが一致している場合には、各表示更新周期毎に更新される表示パターン32aは、同じ周期性を持つ2段階の濃淡画像となるので、見かけ上、表示パターン32aの表示態様で停止しているように見える。これに対して、図5(b)のように、入力波形40bの周波数と調律対象周波数Hzがずれている場合には、各表示更新周期毎に更新される表示パターン32bの周期性が一定でないため、見かけ上、表示パターン32bが波形表示部31(図3参照)上を流れるように見え、表示態様が一定状態で停止することがない。また、表示器の表示更新周期が入力波形40bの周波数の周期と調律対象周波数Hzの周期と公倍数の関係になる場合に、表示パターン32bが停止しているように見えてしまったとしても、表示パターン32bは多段階(少なくとも3段階以上)の濃淡を持つ多値の濃淡画像によって入力波形40bの周波数と調律対象周波数Hzのずれを明示することができるようになる。なお、表示パターン32の表示制御の動作の詳細については後述する。
【0017】
入力波形から各波形区間を抽出する際の時間範囲(位相範囲)すなわち入力波形に窓をかける幅(窓幅)は、窓幅パラメータ「W値」に基づき設定される。W値は、調律対象周波数Hzの波形を何周期分抽出するかによって、各波形区間毎の波形を抽出する時間範囲(位相範囲)を規定するパラメータである。例えば、図4乃至図5に示す例では、波形区間の時間範囲として、調律対象周波数Hzの波形を2.5波形分抽出するようW値が設定されている。Hz値の周期と入力波形40aの周期が一致していれば、波形41a〜41eとしてちょうど2.5周期分の波形が抽出され、これらを重ね合わせた表示パターン32aとして2.5周期分の周期パターンの画像が表示される(図4乃至図5の(a)参照)。また、Hz値の周期と入力波形40bの周期がずれている場合には、一致していなければ、図4乃至図5の(b)に示す通り、抽出される各波形41f〜41jは2.5周期分の波形にならない。
【0018】
W値の設定を変更することで、波形表示部31における表示パターン32(図3参照)の表示サイズを変更可能である。例えば、各波形区間毎の波形を抽出する時間範囲を小さくすることで、波形表示部31における表示パターン32の表示サイズは相対的に大きくなることになる。表示パターン32の表示サイズを拡大することで、ユーザはHz値の周期と入力波形40aの周期の微小なずれまで視認できるようになり、より精密な調律が行えるようになるという利点がある。
W値を変更するための方法は、どのような方法であってもよく、例えば、表示器3のGUIを用いた方法であってもよいし、調律器1の本体に専用の物理的操作子を設け、それを用いておこなってもよい。表示器3のGUIを用いる場合は、例えば、表示画面30のツールボタン35を用いて専用のW値設定メニュー或いはW値設定画面を読み出して、該専用のW値設定メニュー或いはW値設定画面からその設定値の変更操作を行いうるよう構成してよい。
W値の設定値の変更は、予め定められた複数通りのサイズ(例えば、普通、拡大、縮小の3通りのサイズ等)から選択することで、段階的に変更する構成であってもよいし、或いは、表示画面30上の操作入力部33(図3参照)のインクリメントボタン/デクリメントボタン等や、専用のダイヤル操作子(物理的操作子)等によって連続的にW値の設定値を変更する構成であってもよい。
【0019】
次に、この実施例に係る調律器1において調律作業を実行するための作業手順等について、図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
調律器1の電源投入に応じて、調律器1では図6のフローチャートに示す処理が実行される。図6のステップS1では各種パラメータの初期設定を行っている。ここで初期設定されるパラメータは、基準ピッチ、調律対象周波数(Hz値)、セント値及びW値等である。各パラメータの初期設定値は、例えば、基準ピッチ=440Hz、調律対象周波数Hz=440Hz、セント値=0cent、W値=Hz値の2.5周期分、にそれぞれ設定されるものとする。ステップS2において、作業者は、当該調律器1において音階を設定するための基準ピッチ(スタンダードピッチ)を入力する。すなわち、基準ピッチとなるピアノ中央のA音(キー番号49のA)の周波数を、440Hz、442Hz或るいは439Hz等、幾つかの候補うちからを任意に選択することができる。続いて、調律器1では、表示画面30(図3参照)上の波形表示部31において表示パターン32の表示が開始されると共に、図7に示す表示制御の動作(タスク)が開始される(ステップS3及びステップS4)。なお、図6では、図示及び説明の便宜上、ステップS3の「表示開始」及びステップS4の「タスク開始」を別々のステップとして描いているが、双方とも、実質的には、後述図7の処理の開始に照応している。
ステップS5においては、調律カーブの選択を受け付けている。調律カーブは、ピアノの88鍵の各鍵に対応する音高の周波数を定めたデータテーブルである。調律カーブとして、ピアノの種類(グランドピアノ/アップライトピアノ)や、大きさ等に応じた複数種類のデータテーブルがROM2乃至RAM3等適宜のメモリ内に記憶されおり、作業者は調律するピアノの種類に応じた調律カーブを選択できてよい。該調律カーブに記述された各音高の周波数は、ピアノの特性に鑑みて、高音側のピッチが平均率による周波数の理論値よりも高めに設定されている。上記ステップS2において基準ピッチとして設定された周波数に基づき、平均率による各音高の周波数の理論値を計算することはできる。しかし、実際のピアノの調律においては、その理論値をそのまま各音高の周波数として適用するのは不適当な場合がある。その場合には、調律カーブを使用することで、ピアノの特性や、使用するピアノの種類或いは大きさ等に適った各音高毎の周波数を得ることができる。
【0020】
上記ステップS1〜S5は、調律器1の使用に際しての初期設定に相当する処理である。すなわち、これら各ステップS1〜S5の実行順序は図示の順に限らない。ユーザは、以下に述べるステップS6〜S11により各種パラメータの設定を行う。
【0021】
ユーザの操作入力(前記図3等を参照)により、調律対象の音高が指定された場合には(ステップS6のyes)、ステップS7において、前記ステップS5で選択した調律カーブ又は平均律による理論値に基づき、指定された音高の周波数を求めて、この値を調律対象周波数のパラメータ「Hz値」に設定する。また、ユーザの操作入力により、セント値が入力された場合には(ステップS8のyes)、ステップS9において、該入力されたセント値に応じて調律対象周波数Hzを修正する。
ステップS10では、W値の変更による表示パターンの表示サイズの選択を受け付けている。この実施例では、ユーザは表示パターンの表示サイズとして通常のサイズと拡大サイズのいずれか一方を選択できるものとする。W値が変更された場合(ステップS10のyes)、ステップS11では前記変更に応じてW値を設定する。W値が変更されると、入力波形から波形区間を抽出する時間範囲が変更されるので、表示パターンの表示サイズを任意に変更できる。表示サイズ変更の使い方としては、最初に、通常サイズの表示を見ながら大まかに調律を行った後、表示サイズを拡大して微小な周波数のずれを見る場合等に使用できる。
以降、調律器1の電源がオンされている間は、ステップS6〜S11を繰り返すことで、ユーザによるHz値変更及び表示サイズ変更を受け付けることができるようになっている。
【0022】
図7は、上記図6のステップS3及びS4において起動開始する表示パターン表示制御の動作の手順を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、当該調律器1の表示器3(表示画面30)の表示更新周期に応じた起動タイミング毎に起動するタイマ処理であり、この処理の起動機会毎に、波形表示部31の表示パターン32(図3参照)が更新される。この実施例では一例として調律器1をPDAで構成する例を示している。前述の通りPDAにおける表示器3の表示は、ソフトウェアによって概ね15〜20Hzの周期で更新されている。従って、当該処理もまた15〜20Hz周期程度で起動する。
ステップS20において、マイクロフォン4を介して入力された入力波形(ピアノ音)を所定のサンプリング周期でサンプリングすることでピアノ音を調律器1に取り込む。サンプリング周波数は例えば44.1kHzとする。ステップS21では、各サンプリングタイミング毎にサンプリングされた入力波形(ディジタル波形信号)をRAM12上のメモリ領域に書き込む。ステップS22では、前記RAM12上のメモリ領域に所定サンプル数以上の波形信号のサンプルデータが読み込まれたかどうかを判断する。波形信号のサンプルデータの読み込みが該所定サンプル数に満たない場合(ステップS22のno)は、波形信号のサンプルデータが該所定サンプル数に達するまで、波形信号の取り込み(上記ステップS20及びS21)を繰り返す。一方、RAM12上のメモリ領域に読み込んだ波形信号のサンプルデータが所定サンプル数に達したら(ステップS22のyes)、次のステップS23に処理を進める。なお、前記所定サンプル数は、概ね、1024〜2048サンプル程度とする。
【0023】
ステップS23において、前記図5のステップS7又はS9において設定された調律対象周波数のパラメータHz値に基づきバンドパスフィルタのフィルタ係数(パスする帯域幅及び中心周波数)を設定し、ステップS24において、RAM24のメモリ領域に読み込んだ波形に対して、前記設定したフィルタ係数によりバンドパスフィルタ処理を施す。このフィルタ処理により、入力波形に含まれる倍音成分等を除去し、調律対象周波数の成分を抽出することができる。
ステップS25において、前記図5のステップS11で設定されたW値に基づき、波形区間毎の波形として何周期分の波形を抽出するか(窓幅)を設定する。W値が2.5周期分に設定されていれば、窓幅は調律対象周波数Hzの周期の2.5周期分に相当する時間範囲になる。
【0024】
ステップS26において、入力波形から、調律対象周波数Hz値の周期毎に、前記ステップS25で設定した窓幅の波形区間の波形を抽出する(窓をかける)。これにより、W値に応じた時間範囲の波形区間毎の波形が、表示更新周期の1周期内でHz値の周期が到来する回数に応じた複数区間分抽出される。
ステップS27では、抽出された各波形区間毎に、該区間内の波形を、そのゼロクロス点毎に値が“0”“1”で反転する2値の情報に整形することで、その周期性を2値の濃淡によって明示する表示情報(「2値化情報」)を作成する。図8(a),(b)において、抽出された各波形区間毎の波形の2値化情報の構成例を示すと共に、各2値化情報の右側に、該各2値化情報を2段階の濃淡からなる周期パターン化したものを示す。図8(a),(b)に示す通り、2値化情報は、その各アドレスが当該波形区間における位相(時間)に対応付けられたデータで構成されている。すなわち、同図の例では、2値化情報は、Hz値の周期の2.5サイクル分の時間範囲を25段階のアドレスに分割し、各アドレスの値“0”又は“1”により、当該波形区間内の波形の周期性を2段階の濃度(「0」または「1」)で表現するデータである。同図(a)は入力波形とHz値の周期が一致している場合、(b)は入力波形とHz値の周期がずれている場合を示しており、図示及び説明の便宜上、各波形区間毎の波形に対して、図4,5と同様に、符号41a〜41e(図8(a))、符号41f〜41j(図8(b))を付与している。
【0025】
ステップS28では、表示更新周期の1周期内で作成した前記各波形区間毎の2値化情報の相加平均を求めることで、該各2値化情報を重ね合わせた多値の情報(多値化情報)を作成する。そして、ステップS29では、前記ステップS28において作成された多値化情報に基づく表示形態で、波形表示部31に表示パターン32を表示させる。表示パターン32は、多値化情報に基づく濃淡画像を輝度乃至色相の違いによって示す画像である(図3(a),(b)の表示画面30を参照)。
図8(a)に示す通り、入力波形の周波数と調律対象周波数Hzが一致している場合には、2値化情報41a〜41eの相加平均である多値化情報42aは、各波形41a〜41eと同じ周期性を持つ2値(図においては“0”又は“5”)のデータとなる。従って、この多値化情報42aに基づき表示される表示パターン32aは2段階の濃淡画像となる。一方、図8(b)に示す通り、調律対象周波数Hz値と入力波形の周波数が不一致の場合には、各波形区間毎の2値化情報41f〜41jの相加平均として求められる多値化情報42bは多段階(3段階以上;図においては“1”,“2”,“3”又は“4”)の値を持つ情報となる。従って、この多値化情報42bに基づき表示される表示パターン32bは、多段階(3段階以上)の濃淡変化を持つ濃淡画像となる。なお、図8においては、W値が2.5波形分の範囲に設定されている例を示しているが、上記図6のステップS10において設定されるW値に応じて、表示パターン32の表示サイズは任意に変更することができる。
【0026】
上記ステップS20〜S29の処理を表示画面30の表示更新周期に応じて実行することで、表示パターン32の表示形態が表示更新周期ごとに更新される。これにより、調律対象周波数Hzと入力波形の周波数が一致している場合(図8(a)参照)には、表示更新周期毎に、周期性の一致した2段階の濃淡を持つ表示パターン32aが繰り返し表示されるため、見かけ上、2段階の濃淡からなる表示形態の画像が一定位置で停止しているように見える。これに対して、調律対象周波数Hzと入力波形の周波数が不一致の場合(図8(b)参照)、表示パターン32は大略以下の2通りの見え方になる。すなわち、各表示更新周期毎に更新される表示パターン32bの周期性が一定しない(各各表示更新周期毎に更新される表示パターンの位相がずれる)ことから、見かけ上、表示パターン32bが波形表示部31(図3参照)上を流れているように見える。或いは、表示更新周期が入力波形の周波数の周期と調律対象周波数Hzの周期と公倍数の関係になる場合には、入力波形の周波数と調律対象周波数Hzが不一致であっても、表示パターン32bが一定位置に停止しているように見えてしまうが、この実施例によれば、表示パターン32bのように、濃淡画像の濃淡が多段階(3段階以上)で表示されることにより、入力波形の周波数と調律対象周波数Hzがずれていることを明示できる。
【0027】
図9は上記図7に示す表示制御処理の変更例を示すフローチャートであって、該表示制御の処理に、更に、表示サイズを自動的に変更するステップS30〜S32を加えたものである。なお、図7にて既述のステップについては、図示及び説明の便宜上、同じ符号を付与して、その説明を省略する。
図9において、ステップS27では前述の通り各波形区間の波形の2値化情報(図8(a),(b)の符号41a〜41e,41f〜41jを参照)を作成する。ステップS30では、該作成した各2値化情報の各アドレスの値(”0”又は”1”)を、前回の表示更新周期つまり当該表示制御処理の前回の起動タイミングにおいて作成されたものと比較する。入力波形とHz値のずれ量が大きい場合には、前述の通り抽出した各波形区間の波形の位相がずれているので、各アドレス値の値は前回のものとは違う値となる。一方、入力波形の周波数と調律対象周波数Hzのずれ量が小さくなるに従い、通常のW値(2.5波形分の時間範囲)では各波形区間毎の波形の位相がずれが表れにくくなる。言い換えれば、各波形区間の波形の位相ずれが表れる周期が長くなる。このことは、見かけ上は、波形表示部31において表示パターン32が「流れる」速度が遅くなり、該表示パターン32が一定状態で停止して見えるようになることとして表れる。このような状態では、現在の表示更新周期で作成した各2値化情報の各アドレスの値と前回の表示更新周期で作成した各2値化情報の各アドレスの値とが同じ値になる。ステップS31では、前記ステップS30の比較結果に基づき今回の各アドレスの値と前回のものとが同じだったかどうかを判断し、同じであれば(ステップS31のyes)、入力波形の周波数と調律対象周波数Hzのずれ量が小さくなっている、つまり、調律が合いつつあると見なし、ステップS32において、表示パターン32の表示サイズを拡大するようW値を変更する。すなわち、時間範囲(位相範囲)あたりの周期数を少なくする。時間範囲(位相範囲)あたりの周期数を少なくすることで、各波形区間の波形の2値化情報は波形の時間範囲に対するデータ記述分解能が細かくなる。従って、これら2値化情報を重ね合わせれば、より細かい周波数のズレも表現できるようになる。よって、拡大した2値化情報を重ね合わせて多値化した表示パターンを表示する(ステップS28、S29)ことで、より微小な入力波形の周波数と調律対象周波数Hzのずれを表示できるようになる。
【0028】
以上説明した通り、この実施例によれば、表示パターン32の表示サイズを調律対象周波数Hz値と入力波形の周波数のずれ量に応じて変更できるようになるので、調律作業の精度や作業性が向上するという優れた効果を奏する。また、前記周波数のずれ量が小さくなったときに表示サイズを拡大することで、より細かな周波数のずれを表示することができるようなり、調律の細かい調整も高精度に行えるようになるという優れた効果を奏する。
【0029】
なお、上記実施例においては、表示サイズとして「普通サイズ」と「拡大サイズ」の2通りのサイズから選択する例について説明したが、サイズ変更は縮小方向になされても良い。また、選択可能なサイズ数も適宜の複数通りであってよいし、サイズを連続値で指定できても良い。
【0030】
なお、上記実施例において、入力波形に窓をかける処理においては、調律対象周波数Hzの周期毎に所定時間範囲にわたる波形区間の波形を抽出するものとして説明したが、波形区間の抽出の周期は、厳密にHz値の周期である必要はなく、表示画面30の表示更新周期よりも細かい分解能でさえあれば、適宜間引いた周期で抽出するようにしてもよい。また、上記実施例において、表示パターンを得るべく重ね合わせる波形区間毎の波形(41a〜41e,41f〜41j)の数は、調律対象周波数(Hz値)と表示更新周期とに応じて定まる、すなわち、表示更新周期の1周期内で可能な数だけ、これを抽出して重ね合わせるものとしたが、これに限らず、表示更新周期の1周期あたりに抽出する/又は重ね合わせる波形区間の波形の数を所定の複数個に定めても良い。
また、上記図7のステップS27において、複数の波形区間毎の波形をゼロクロス毎に値が反転する2値の情報に整形し、該区間内の波形の周期性を明示する表示情報を作成する例を述べたが、ここで作成される表示情報は、各区間毎の波形を2値化する例に限らず、各区間毎の波形の周期性(位相)を画像として表示可能な情報でさえあれば、例えば各区間毎の波形の周期性を示す多値化情報等、どのような形式の情報であってもよい。
また、上記図7のステップS28においては、抽出した複数各波形区間毎の2値化情報の相加平均を求めることで多値化情報を作成し、ステップS29において該多値化情報にに基づき表示パターン32を表示する例について説明したが、表示パターン32を表示するための多値化情報は、2値化情報の相加平均の値に限らず、例えば、2値化情報を加算合計値であってもよい。すなわち、多値化情報は、入力波形から切り出した複数の波形を重ね合わせた結果として得られる多段階の濃淡を表現できさえすれば、どのような形式の情報であってもよい。
【0031】
また、上記図7に示す表示制御は、表示器3の表示更新周期に従い起動するものとしたが、この処理は表示パターン32の表示を更新する周期毎に起動する処理であればよい。すなわち、当該処理において表示パターン32の表示更新周期の時間間隔を制御するルーチンを持つタイマ処理として構成してもよい。また、上記実施例では、表示パターン32は、多値化情報に基づく濃淡画像を輝度乃至色相の違いによって示す画像としたが、これに限らず、例えば、表示パターン32の上下幅の違いにより多段階の濃淡を表現する等、適宜の多値的表示態様を適用してよい。
また、表示パターンの表示制御の変更例としては、多段階の濃淡を持つ表示パターンの場合(つまり入力波形の周波数と調律対象周波数Hzがずれている場合)には、その表示色を変更するようにしてもよい。また、この場合には、表示パターンの表示色によって調律対象周波数Hz値と入力波形の周波数が一致しているか否かが判別できるため、各波形区間毎の各表示情報を重ね合わせて多値化した表示パターンを表示させる必要がない。すなわち、抽出した各波形区間毎の各表示情報のいずれか一つを表示パターンとして使用すると共に、多段階の濃淡を持つか否か(調律対象周波数Hz値と入力波形の周波数がずれているか否か)に応じてその表示色を異ならせれば良い。
【0032】
なお、上記実施例においては、この発明に係る調律器をPDA(携帯情報端末)によって構成する例について説明したが、これに限らず、上述した調律機能を実現するソフトウェアプログラムを実行可能な装置でさえあれば、パーソナルコンピュータ、その他適宜の装置により構成及び実施して差し支えない。また、上述した調律機能を実現する信号処理回路を備えた調律器などで構成してもよい。また、表示器は、液晶画面に限らず、複数のLEDを所定の時間範囲(位相範囲)に対応付けて列状に並べたもの等で構成してもよい。その場合、多値化情報の各アドレスは複数のLEDの配列に対応づけられる。また、この発明は、コンピュータにおいて、上述した調律機能を実現するソフトウェアプログラムとして構成及び実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の一実施例に係る調律器を使用する際の全体像を示す外観図。
【図2】同実施例に係る調律器の電気的ハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】同実施例に係る調律器の表示画面の一例を示す図であって、(a)は調律対象周波数と入力波形の周波数が一致している状態、(b)は調律対象周波数と入力波形の周波数が不一致な状態。
【図4】同実施例に係る調律器における表示パターンの表示制御原理の概要を説明するための図であって、(a)は調律対象周波数と入力波形の周波数が一致している状態、(b)は調律対象周波数と入力波形の周波数が不一致な状態。
【図5】図4に示す入力波形、抽波形区間毎に抽出、重ねたもの、仮初めに表示したとするとかようであるという図。
【図6】同実施例に係る調律器における使用手順の概要を示すフローチャート。
【図7】同実施例に係る調律器における表示制御の手順を示すフローチャート。
【図8】同実施例に係る調律器において入力波形に基づき作成される2値化情報及び該2値化情報に基づき多値化情報を説明するための概念図であって、(a)は調律対象周波数と入力波形の周波数が一致している状態、(b)は調律対象周波数と入力波形の周波数が不一致な状態。
【図9】上記図7に示す表示制御の変更例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0034】
1 調律器、2 ピアノ、3 表示器、4 マイクロフォン、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 インターフェース、14 表示制御部、15 操作検出部、30 表示画面、31 波形表示部、32 表示パターン




 

 


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