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発明の名称 モータ用制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−215306(P2007−215306A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−31551(P2006−31551)
出願日 平成18年2月8日(2006.2.8)
代理人 【識別番号】100095429
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 進
発明者 上田 武史
要約 課題
一相のコイルにおける相電流を検出すれば足りるのでコスト低減、小型化を図ることができるモータ用制御装置を提供する。

解決手段
三相ブラシレスモータ1の出力を、そのモータ1の電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流に応じてフィードバック制御する。三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、および速度起電力の間の予め定めた関係を記憶する。三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める。三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める。三相の中の一相のコイルにおける相電流を検出し、残りの二相のコイルそれぞれにおける相電流を、記憶された関係、求めた端子電圧、求めた速度起電力、および検出した相電流から演算により求める。
特許請求の範囲
【請求項1】
三相ブラシレスモータの出力を、そのモータの電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流に応じてフィードバック制御するモータ用制御装置において、
三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、および速度起電力の間の予め定めた関係を記憶する記憶部と、
三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部と、
三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、
一相のコイルにおける相電流を検出する電流検出部と、
相電流が検出されない残りの二相のコイルそれぞれにおける相電流を、前記記憶部に記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、および検出された相電流から演算により求める相電流演算部とを備えるモータ用制御装置。
【請求項2】
前記記憶部において以下の式(1)〜(3)で表される関係が記憶され、
Vu=(R+PL)・Iu−PM・(Iv+Iw)/2+Eu…(1)
Vv=(R+PL)・Iv−PM・(Iw+Iu)/2+Ev…(2)
Vw=(R+PL)・Iw−PM・(Iu+Iv)/2+Ew…(3)
ここで、Iu、Iv、Iwは三相の前記コイルそれぞれにおける相電流、Vu、Vv、Vwは三相の前記コイルそれぞれにおける端子電圧、Eu、Ev、Ewは三相の前記コイルそれぞれにおける速度起電力、Rは三相の前記コイルそれぞれの捲線抵抗、Lは三相の前記コイルそれぞれの自己インダクタンス、Mは三相の前記コイル間の相互インダクタンス、Pは時間微分演算子である請求項1に記載のモータ用制御装置。
【請求項3】
前記電流検出部として、前記記憶部において以下の式(1)〜(3)の中の少なくとも2つの式と以下の式(4)で表される関係が記憶され、
Vu=(R+PL)・Iu−PM・(Iv+Iw)/2+Eu…(1)
Vv=(R+PL)・Iv−PM・(Iw+Iu)/2+Ev…(2)
Vw=(R+PL)・Iw−PM・(Iu+Iv)/2+Ew…(3)
Iu+Iv+Iw=0…(4)
ここで、Iu、Iv、Iwは三相の前記コイルそれぞれにおける相電流、Vu、Vv、Vwは三相の前記コイルそれぞれにおける端子電圧、Eu、Ev、Ewは三相の前記コイルそれぞれにおける速度起電力、Rは三相の前記コイルそれぞれの捲線抵抗、Lは三相の前記コイルそれぞれの自己インダクタンス、Mは三相の前記コイル間の相互インダクタンス、Pは時間微分演算子である請求項1に記載のモータ用制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電動パワーステアリング装置において操舵トルクを発生するために用いられる、三相ブラシレスモータを制御するためのモータ用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三相ブラシレスモータの出力をフィードバック制御する場合、そのモータの電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流を個別に求める必要がある。
【0003】
三相のコイル全てにおける相電流を検出する場合、電流検出部の数が多くなるために制御装置のコスト低減や小型化が妨げられる。そこで、二相のコイルにおける相電流を検出し、残りの相のコイルにおける相電流を演算により求めることが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2557457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、二相のコイルにおける相電流を検出するために2つの電流検出部が必要であるので、十分にコスト低減や小型化を図ることができない。本発明は、上記問題を解決することのできるモータ用制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、三相ブラシレスモータの出力を、そのモータの電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流に応じてフィードバック制御するモータ用制御装置において、三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、および速度起電力の間の予め定めた関係を記憶する記憶部と、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部と、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、一相のコイルにおける相電流を検出する電流検出部と、相電流が検出されない残りの二相のコイルそれぞれにおける相電流を、前記記憶部に記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、および検出された相電流から演算により求める相電流演算部とを備えている。
本発明によれば、一相のコイルにおける相電流を検出するだけで、残りの二相のコイルにおける相電流を演算により求めることができる。
【0006】
前記記憶部において以下の式(1)〜(3)で表される関係が記憶され、
Vu=(R+PL)・Iu−PM・(Iv+Iw)/2+Eu…(1)
Vv=(R+PL)・Iv−PM・(Iw+Iu)/2+Ev…(2)
Vw=(R+PL)・Iw−PM・(Iu+Iv)/2+Ew…(3)
ここで、Iu、Iv、Iwは三相の前記コイルそれぞれにおける相電流、Vu、Vv、Vwは三相の前記コイルそれぞれにおける端子電圧、Eu、Ev、Ewは三相の前記コイルそれぞれにおける速度起電力、Rは三相の前記コイルそれぞれの捲線抵抗、Lは三相の前記コイルそれぞれの自己インダクタンス、Mは三相の前記コイル間の相互インダクタンス、Pは時間微分演算子であるのが好ましい。
これにより、相電流Iuを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Iuと式(1)と式(2)から相電流Ivを演算により求め、検出した相電流Iuと式(1)と式(3)から相電流Iwを演算により求めることができる。相電流Ivを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Ivと式(1)と式(2)から相電流Iuを演算により求め、検出した相電流Ivと式(2)と式(3)から相電流Iwを演算により求めることができる。相電流Iwを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Iwと式(1)と式(3)から相電流Iuを演算により求め、検出した相電流Iwと式(2)と式(3)から相電流Ivを演算により求めることができる。
なお、式(1)〜(3)の関係は、以下の式(5)で示す三相ブラシレスモータについての公知の回路方程式を展開することで求められる。
【0007】
【数5】


【0008】
前記記憶部において上記の式(1)〜(3)の中の少なくとも2つの式と以下の式(4)で表される関係が記憶されるのが好ましい。
Iu+Iv+Iw=0…(4)
式(4)は三相ブラシレスモータにおいて成立する。
これにより、相電流Iuを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Iuと式(1)と式(4)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、求めたモータインピーダンスと式(2)および式(4)から相電流Ivを演算により求め、検出した相電流Iuと演算により求めた相電流Ivと式(4)から相電流Iwを演算により求めることができる。
相電流Ivを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Ivと式(2)と式(4)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、求めたモータインピーダンスと式(1)および式(4)から相電流Iuを演算により求め、検出した相電流Ivと演算により求めた相電流Iuと式(4)から相電流Iwを演算により求めることができる。
相電流Iwを検出する電流検出部を設ける場合は、検出した相電流Iwと式(3)と式(4)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、求めたモータインピーダンスと式(1)および式(4)から相電流Iuを演算により求め、検出した相電流Iwと演算により求めた相電流Iuと式(4)から相電流Ivを演算により求めることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のモータ用制御装置によれば、電流検出部は一相のコイルにおける相電流を検出すれば足りるのでコスト低減、小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示す第1実施形態の車両用ラックピニオン式電動パワーステアリング装置101は、操舵により回転するステアリングシャフト103と、ステアリングシャフト103に設けられるピニオン103aと、ピニオン103aに噛み合うラック104と、操舵補助力発生用の三相ブラシレスモータ1と、モータ1の出力をラック104に伝達するネジ機構110とを備える。ラック104の両端は操舵用車輪(図示省略)に連結される。操舵によるピニオン103aの回転により、ラック104が車両幅方向に沿い移動し、このラック104の移動により舵角が変化する。
【0011】
モータ1は、ラック104を覆うハウジング108に固定されるステータ1aと、ハウジング108にベアリング108a、108bを介して回転可能に支持される筒状ロータ1bと、ロータ1bに取り付けられるマグネット1cとを有する。ステータ1aは、モータ1の電機子捲線を構成する三相のコイルを含む。本実施形態においては、三相のコイルとしてU相コイル、V相コイル、およびW相コイルを有する。ロータ1bはラック104を囲む。ロータ1bの回転位置を検出する回転位置検出部がレゾルバ2により構成されている。
【0012】
ネジ機構110は、ラック104の外周に一体的に形成されたボールスクリューシャフト110aと、ボールスクリューシャフト110aにボールを介してねじ合わされるボールナット110bとを有する。ボールナット110bはロータ1bに連結されている。これにより、モータ1がボールナット110bを回転させることによりラック104の長手方向に沿う操舵補助力が付与される。モータ1はモータ用制御装置10に接続される。
【0013】
図2は、制御装置10の機能ブロックを示す。制御装置10は、電流検出部11、信号処理部12、および駆動部13を有する。制御装置10に、レゾルバ2、ステアリングシャフト103により伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ7、車速を検出する車速センサ8が接続される。
【0014】
電流検出部11は、一相のコイルにおける相電流を検出するもので、本実施形態においてはU相コイルに流れる相電流を検出する。電流検出部11としては公知のものを用いることができ、電流検出器11aと、電流検出器11aによる電流検出信号をAD変換するAD変換器11bを有する。
【0015】
信号処理部12は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、目標電流演算部15、三相目標電流演算部16、三相のコイルそれぞれに対応するPI(比例積分)演算部17u、17v、17w、三相のコイルそれぞれに対応するPWM(パルス幅変調)制御部18u、18v、18w、三相のコイルそれぞれに対応する偏差演算部19u、19v、19w、及び相電流演算部20を有する。
【0016】
目標電流演算部15は、トルクセンサ7により検知される操舵トルクと、車速センサ8により検出される車速に基づいて、モータ1の目標電流I* を演算する。目標電流I* の演算は公知の方法で行うことができ、例えば、操舵トルクの大きさが大きく、車速が小さい程に目標電流I* は大きくされる。
【0017】
三相目標電流演算部16は、目標電流I* とレゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置とに基づき、三相のコイルそれぞれにおける目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* を演算する。三相目標電流演算部16における演算は公知の方法で行うことができる。
【0018】
偏差演算部19u、19v、19wはそれぞれ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と電流検出部11による検出相電流Iuとの偏差δIu、V相コイルにおける目標相電流Iv* と相電流演算部20により演算された相電流Ivとの偏差δIv、およびW相コイルにおける目標相電流Iw* と相電流演算部20により演算された相電流Iwとの偏差δIwを演算する。
【0019】
PI演算部17u、17v、17wはそれぞれ、偏差演算部19u、19v、19wにおいて演算された偏差δIu、δIv、δIwのPI演算を行うことで、U相コイルへの目標印加電圧Vu* 、V相コイルへの目標印加電圧Vv* 、及びW相コイルへの目標印加電圧Vw* を演算する。
【0020】
PWM制御部18u、18v、18wはそれぞれ、PI演算部17u、17v、17wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* に対応するデューティ比を有するパルス信号であるPWM制御信号を形成する。
【0021】
相電流演算部20は、V相コイルにおける相電流IvとW相コイルにおける相電流Iwを演算するため、三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、および速度起電力の間の予め定めた関係を記憶する記憶部としても機能し、上記の式(1)〜(3)で表される関係を記憶する。なお、本実施形態においては、IuはU相コイルを流れる相電流、IvはV相コイルを流れる相電流、IwはW相コイルを流れる相電流、VuはU相コイルにおける端子電圧、VvはV相コイルにおける端子電圧、VwはW相コイルにおける端子電圧、EuはU相コイルに誘起される速度起電力、EvはV相コイルに誘起される速度起電力、EwはW相コイルに誘起される速度起電力、MはU相コイルとV相コイルとの間、U相コイルとW相コイルとの間、およびV相コイルとW相コイルとの間それぞれの相互インダクタンスとされる。
【0022】
相電流演算部20は、V相コイルにおける相電流IvとW相コイルにおける相電流Iwを、記憶した式(1)〜(3)の関係、電流検出部11により検出されたU相コイルに流れる相電流Iu、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧Vu、Vv、Vw、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力Eu、Ev、Ewから演算する。
すなわち、式(1)と式(2)からIwを消去すると以下の式(6)となる。
Iv=〔(Vv−Ev)−(Vu−Eu)〕/〔R+P(L+M/2)〕+Iu…(6)
また、式(1)と式(3)からIvを消去すると以下の式(7)となる。
Iw=〔(Vw−Ew)−(Vu−Eu)〕/〔R+P(L+M/2)〕+Iu…(7)
式(6)を用いて相電流Ivを演算により求め、式(7)を用いて相電流Iwを演算により求めることができる。
【0023】
相電流Iv、Iwの演算に用いられる端子電圧Vu、Vv、Vwそれぞれは、相電流演算部20において、PI演算部17u、17v、17wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* に対応するPWM制御用デューティ比Du、Dv、Dwに、バッテリーEの電圧Veを乗じた値Du・Ve、Dv・Ve、Dw・Veとして求められる。これにより本実施形態においては、相電流演算部20は三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部としても機能する。なお、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部として、各端子電圧を直接に検出する電圧センサを設けてもよい。
【0024】
相電流Iv、Iwの演算に用いられる各速度起電力Eu、Ev、Ewは、相電流演算部20において、レゾルバ2から時系列に入力されるロータ1bの回転位置の変化からロータ1bの回転速度ωを求め、求めた回転速度ωにモータ1に固有の逆起電力定数Keを乗じた値Ke・ωとして求められる。これにより本実施形態においては、相電流演算部20は三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める速度起電力決定部としても機能する。
【0025】
駆動部13は、電力供給用スイッチング素子として、インバータ回路を構成する一対のU相用FET13u1、FET13u2、一対のV相用FET13v1、FET13v2、および一対のW相用FET13w1、FET13w2を有する。バッテリーEにより各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、駆動部13の、各FET13u1、13u2、13v1、13v2、13w1、13w2がPWM制御信号により開閉される。すなわち、インバータ回路におけるU相の上アームFET13u1のゲートに入力されるPWM制御信号と下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号は、一方がハイパルスである時は他方がローパルスとされ、一方の立ち下がり時と他方の立ち上がり時との間にデッドタイムが設定される。V相、W相においても同様である。各相における上アームFET13u1、13v1、13w1のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比は、デッドタイムを無視すれば、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が0である時は0.5、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* がモータ1を回転させるための最大値である時は1、最小値である時は0とされる。これにより、モータ1への電力供給ラインに配置される電力供給用スイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、モータ1の出力が三相のコイルそれぞれにおける相電流Iu、Iv、Iwに応じてフィードバック制御される。
【0026】
図3に示すフローチャートは制御装置10による制御手順を示す。
車両のイグニッションスイッチのオン等により制御が開始されると、初期設定が行われ(ステップS1)、各センサによる検出値が読み込まれ(ステップS2)、操舵トルクと車速に応じて目標電流I* が演算される(ステップS3)。その演算された目標電流I* とロータ1bの回転位置とに基づき目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が演算される(ステップS4)。また、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧Vu、Vv、Vwが演算され(ステップS5)、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力Eu、Ev、Ewが演算され(ステップS6)、演算された端子電圧Vu、Vv、Vwと演算された速度起電力Eu、Ev、Ew、およびU相コイルに流れる検出相電流Iuから、V相コイルにおける相電流IvとW相コイルにおける相電流Iwが演算される(ステップS7)。なお、制御開始当初においては、相電流Iv、Iwの演算に必要な目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* として初期設定値を用いればよく、その初期設定値は例えば零とされる。次に、U相コイルにおける目標相電流Iu* と検出相電流Iuとの偏差δIu、V相、W相コイルにおける目標相電流Iv* 、Iw* と演算により求められた相電流Iv、Iwとの偏差δIv、偏差δIwが演算され(ステップS8)、演算された偏差δIu、δIv、δIwに応じた目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される(ステップS9)。バッテリーEにより各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることでモータ1が駆動される(ステップS10)。次に、例えばイグニッションスイッチの開閉状態により制御が終了されるか否かが判断され、終了しない場合はステップS2に戻る(ステップS11)。
【0027】
上記実施形態によれば、三相の中のU相コイルにおける相電流Iuを検出するだけで、相電流が検出されない残りの二相のコイルにおける相電流Iv、Iwを演算により求めることができる。
【0028】
図4は本発明の第2実施形態を示す。第2実施形においては、ロータ1bの有する界磁(マグネット1c)の磁束方向に沿う軸をd軸、d軸とロータ1bの回転軸とに直交する軸をq軸として、dq座標において目標電流I* から目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を求める演算を行う。第2実施形態においては、第1実施形態における三相目標電流演算部16、各PI演算部17u、17v、17w、各偏差演算部19u、19v、19wに代えて、dq軸目標電流演算部50、相電流座標変換部51、d軸偏差演算部52d、、q軸偏差演算部52q、d軸PI演算部53d、q軸PI演算部53q、および目標電圧座標変換部54を有する。
【0029】
目標電流演算部15により演算された目標電流I* はdq軸目標電流演算部50に入力される。dq軸目標電流演算部50は、d軸方向の磁界を生成するd軸目標電流Id* と、q軸方向の磁界を生成するq軸目標電流Iq* を演算する。dq軸目標電流演算部50における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
【0030】
電流検出部11により検出された相電流Iuと相電流演算部20により演算された相電流Iv、Iwは相電流座標変換部51に入力される。相電流座標変換部51は、d軸方向の磁界を生成するd軸電流Idとq軸方向の磁界を生成するq軸電流Iqを、電流検出部11により検出された相電流Iu、相電流演算部20により演算された相電流Iv、Iw、レゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置から演算する。相電流座標変換部51における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
【0031】
偏差演算部52dは、d軸目標電流Id* とd軸電流Idの偏差δIdを求め、その偏差δIdのPI演算がd軸PI演算部53dにおいて行われることでd軸目標電圧Vd* が求められる。q軸偏差演算部52qは、q軸目標電流Iq* とq軸電流Iqの偏差δIqを求め、その偏差δIqのPI演算がq軸PI演算部53qにおいて行われることでq軸目標電圧Vq* が求められる。
【0032】
目標電圧座標変換部54は、d軸目標電圧Vd* 、q軸目標電圧Vq* 、およびレゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置から、U相コイル、V相コイル、W相コイルへの目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を演算する。目標電圧座標変換部54における演算は公知の演算式を用いて行えばよい。これにより第2実施形態においては、第1実施形態における各目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* に代えてd軸とq軸における目標電流Id* 、Iq* が演算され、各相電流Iv、Iwの演算後にdq軸電流Id、Iqが演算され、第1実施形態における各偏差δIu、δIv、δIwに代えて演算されたd軸とq軸における偏差δId、δIqに応じて、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される。他は第1実施形態と同様とされる。
【0033】
本発明は上記各実施形態に限定されない。例えば、実際のモータにおいてはU相、V相、W相の区別があることから、電流検出部によりV相コイルにおける相電流IvやW相コイルにおける相電流Iwを検出できる。
すなわち、第1変形例として、電流検出部によりU相コイルにおける相電流Iuに代えてV相コイルにおける相電流Ivを検出し、U相コイルとW相コイルにおける相電流Iu、Iwを演算により求める。この場合、検出した相電流Ivと式(6)から相電流Iuを演算により求め、式(2)と式(3)から求められる下記式(8)と検出した相電流Ivとから相電流Iwを演算により求めることができる。他は第1実施形態あるいは第2実施形態と同様とされる。
Iw=〔(Vw−Ew)−(Vv−Ev)〕/〔R+P(L+M/2)〕+Iv…(8)
【0034】
第2変形例として、電流検出部によりW相コイルにおける相電流を検出し、U相コイルとV相コイルにおける相電流を演算により求める。この場合、検出した相電流Iwと式(7)から相電流Iuを演算により求め、検出した相電流Iwと式(8)から相電流Ivを演算により求めることができる。他は第1実施形態あるいは第2実施形態と同様とされる。
【0035】
さらに、ブラシレスモータにおいては上記式(4)の関係が成立することから、記憶部に記憶する関係を実施形態とは異なるものとしてもよい。
すなわち変形例として、相電流演算部20に記憶される三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、および速度起電力の間の予め定めた関係を、上記実施形態の関係に代えて、式(1)〜(3)の中の少なくとも2つの式と式(4)とする。
この場合、式(1)と式(4)からIv、Iwを消去すると以下の式(9)となる。
Vu=〔R+P(L+M/2)〕・Iu+Eu…(9)
また、式(2)と式(4)からIu、Iwを消去すると以下の式(10)となる。
Vv=〔R+P(L+M/2)〕・Iv+Ev…(10)
また、式(3)と式(4)からIu、Ivを消去すると以下の式(11)となる。
Vw=〔R+P(L+M/2)〕・Iw+Ew…(11)
第3変形例として、式(1)〜(4)を記憶することで、検出した相電流Iuと式(9)を用いてモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、式(10)および式(11)を用いて相電流Iv、Iwを演算により求めることができる。
さらなる変形例として、式(1)〜(4)に代えて式(1)、(2)、(4)又は式(1)、(3)、(4)を記憶することで、検出相電流Iuと式(9)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を求め、式(10)と式(4)から、又は式(11)と式(4)から相電流Iv、Iwを求めることができる。
【0036】
第4変形例として、電流検出部によりU相コイルにおける相電流Iuに代えてV相コイルにおける相電流Ivを検出する以外は第3変形例と同様とする。この場合、式(1)〜(4)を記憶することで、検出した相電流Ivと式(10)を用いてモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、式(9)および式(11)を用いて相電流Iu、Iwを演算により求めることができる。
さらなる変形例として、式(1)〜(4)に代えて式(1)、(2)、(4)又は式(2)、(3)、(4)を記憶することで、検出相電流Ivと式(10)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を求め、式(9)と式(4)から、又は式(11)と式(4)から相電流Iu、Iwを求めることができる。
【0037】
第5変形例として、電流検出部によりU相コイルにおける相電流Iuに代えてW相コイルにおける相電流Iwを検出する以外は第3変形例と同様とする。この場合、式(1)〜(4)を記憶することで、検出した相電流Iwと式(11)を用いてモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を演算により求め、式(9)および式(10)を用いて相電流Iu、Ivを演算により求めることができる。
さらなる変形例として、式(1)〜(4)に代えて式(1)、(3)、(4)又は式(2)、(3)、(4)を記憶することで、検出相電流Iwと式(11)からモータインピーダンスとしてR+P(L+M/2)を求め、式(9)と式(4)から、又は式(10)と式(4)から相電流Iu、Ivを求めることができる。
【0038】
また、本発明の制御装置により制御されるモータの用途は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の部分破断正面図
【図2】本発明の第1実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図
【図3】本発明の第1実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート
【図4】本発明の第2実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図
【符号の説明】
【0040】
1…ブラシレスモータ、1a…ステータ、10…制御装置、11…電流検出部、20…相電流演算部(記憶部、電圧決定部、速度起電力決定部)




 

 


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