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発明の名称 セグメント磁石ロータ固定構造及び回転機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−209169(P2007−209169A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−27565(P2006−27565)
出願日 平成18年2月3日(2006.2.3)
代理人 【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
発明者 穂永 進 / 深江 彰
要約 課題
複数のセグメント磁石が均等配置されるように位置決めしかつ取り付け後の位置ズレを防止することが可能なセグメント磁石ロータ固定構造及び回転機の提供を目的とする。

解決手段
本発明のセグメント磁石ロータ固定構造によれば、セグメント磁石20が、シャフト装着リング40に形成されて隣り合った磁石位置決突部41,41の間に嵌合しているので、複数のセグメント磁石20が均等配置されるように位置決めすることができ、取り付け後のセグメント磁石20の位置ズレを防止できる。また、シャフト装着リング40を縦割りに2分割可能としたので、ローターシャフト16の周面を溝状に陥没させた構造のリング嵌合部31にも、容易に取り付けることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転機に備えたローターシャフトに複数のセグメント磁石を均等配置して固定するためのセグメント磁石ロータ固定構造において、
前記ローターシャフトを周方向で等分する位置に複数の磁石位置決突部を設け、それら隣り合った磁石位置決突部の間に前記セグメント磁石を嵌合したことを特徴とするセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項2】
前記複数の磁石位置決突部を一体に備えかつ前記ローターシャフトの外側に回転不能に嵌合固定されたシャフト装着リングを設けたことを特徴とする請求項1に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項3】
前記ローターシャフトに、前記シャフト装着リングが嵌合されたリング嵌合部に隣接して、そのリング嵌合部より外径が大きなリング隣接大径部を形成し、
前記シャフト装着リングは、前記リング嵌合部に側方から嵌合されて互いに合体した1対の半円体で構成され、
前記各半円体うち相手側の前記半円体に突き合わされる両端部には、前記リング隣接大径部に向かって突出したリング固定突部がそれぞれ形成され、
前記リング隣接大径部には、前記リング固定突部が前記ローターシャフトの軸方向からそれぞれ挿入されたリング固定溝が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項4】
前記リング隣接大径部は、前記リング嵌合部を挟んで対をなして設けられ、
前記セグメント磁石は、少なくとも一方の前記リング隣接大径部及び前記リング嵌合部の外周面を覆うように配置され、
前記リング嵌合部の幅を前記リング固定突部を含む前記シャフト装着リングの軸方向の全長より大きくし、
前記シャフト装着リングを前記リング嵌合部のうち一方の前記リング隣接大径部寄りに配置すると共に、その一方のリング隣接大径部に形成した前記リング固定溝に前記リング固定突部を挿入し、
前記磁石位置決突部を、前記シャフト装着リングの外周面から径方向に突出形成したことを特徴とする請求項3に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項5】
前記シャフト装着リングのうち隣り合った前記磁石位置決突部同士に挟まれた部分の外径を、前記リング隣接大径部の外径より小さくしたことを特徴とする請求項4に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項6】
前記リング嵌合部は、前記ローターシャフトのうち前記セグメント磁石が装着される磁石固定部の端部に配置されて前記磁石固定部と同一径をなし、
前記リング隣接大径部は、前記リング嵌合部を挟んで前記磁石固定部と反対側に配置され、
前記磁石位置決突部は、前記シャフト装着リングの端面から前記リング固定突部と反対側に突出したことを特徴とする請求項3に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項7】
前記シャフト装着リングを、前記セグメント磁石と前記リング隣接大径部とで挟んで軸方向で固定したことを特徴とする請求項6に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項8】
前記ローターシャフトの外周面を均等分する位置に複数のピン孔を形成すると共に、前記ピン孔に圧入されかつ前記ローターシャフトの外周面より前記ピン孔の内側に配置された複数の圧入ピンを設け、
前記磁石位置決突部は、前記圧入ピンの一端同軸上に一体形成されて前記ローターシャフトの外周面から径方向に突出したことを特徴とする請求項1に記載のセグメント磁石ロータ固定構造。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載のセグメント磁石ロータ固定構造を有することを特徴とする回転機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機に備えたローターシャフトに複数のセグメント磁石を均等配置して固定するためのセグメント磁石ロータ固定構造及び回転機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セグメント磁石はローターシャフトに、例えば、接着剤により固定されていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−328818号公報(段落[0029]−[0030]、[図1])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の固定構造では、複数のセグメント磁石が均等配置されるように取り付けることが困難であり、また、取り付け後にセグメント磁石が位置ズレを起こし易いという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数のセグメント磁石が均等配置されるように位置決めしかつ取り付け後の位置ズレを防止することが可能なセグメント磁石ロータ固定構造及び回転機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るセグメント磁石ロータ固定構造は、回転機(10)に備えたローターシャフト(16,16’,60)に複数のセグメント磁石(20)を均等配置して固定するためのセグメント磁石ロータ固定構造において、ローターシャフト(16,16’,60)を周方向で等分する位置に複数の磁石位置決突部(41,51,61)を設け、それら隣り合った磁石位置決突部(41,51,61)の間にセグメント磁石(20)を嵌合したところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、複数の磁石位置決突部(41,51)を一体に備えかつローターシャフト(16,16’)の外側に回転不能に嵌合固定されたシャフト装着リング(40,50)を設けたところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、ローターシャフト(16,16’)に、シャフト装着リング(40,50)が嵌合されたリング嵌合部(31,31’)に隣接して、そのリング嵌合部(31,31’)より外径が大きなリング隣接大径部(30,32)を形成し、シャフト装着リング(40,50)は、リング嵌合部(31,31’)に側方から嵌合されて互いに合体した1対の半円体(42,52)で構成され、各半円体(42,52)のうち相手側の半円体(42,52)に突き合わされる両端部(42A,52A)には、リング隣接大径部(30,32)に向かって突出したリング固定突部(43)がそれぞれ形成され、リング隣接大径部(30,32)には、リング固定突部(43)がローターシャフト(16,16’)の軸方向からそれぞれ挿入されたリング固定溝(33)が形成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、リング隣接大径部(30,32)は、リング嵌合部(31)を挟んで対をなして設けられ、セグメント磁石(20)は、少なくとも一方のリング隣接大径部(30,32)及びリング嵌合部(31)の外周面を覆うように配置され、リング嵌合部(31)の幅をリング固定突部(43)を含むシャフト装着リング(40)の軸方向の全長より大きくし、シャフト装着リング(40)をリング嵌合部(31)のうち一方のリング隣接大径部(30,32)寄りに配置すると共に、その一方のリング隣接大径部(30,32)に形成したリング固定溝(33)にリング固定突部(43)を挿入し、磁石位置決突部(41)を、シャフト装着リング(40)の外周面から径方向に突出形成したところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、シャフト装着リング(40)のうち隣り合った磁石位置決突部(41)同士に挟まれた部分の外径を、リング隣接大径部(30,32)の外径より小さくしたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項3に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、リング嵌合部(31’)は、ローターシャフト(16’)のうちセグメント磁石(20)が装着される磁石固定部(30’)の端部に配置されて磁石固定部(30’)と同一径をなし、リング隣接大径部(32)は、リング嵌合部(31’)を挟んで磁石固定部(30’)と反対側に配置され、磁石位置決突部(51)は、シャフト装着リング(50)の端面からリング固定突部(43)と反対側に突出したところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、シャフト装着リング(50)を、セグメント磁石(20)とリング隣接大径部(32)とで挟んで軸方向で固定したところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1に記載のセグメント磁石ロータ固定構造において、ローターシャフト(60)の外周面を均等分する位置に複数のピン孔(62)を形成すると共に、ピン孔(62)に圧入されかつローターシャフト(60)の外周面よりピン孔(62)の内側に配置された複数の圧入ピン(63)を設け、磁石位置決突部(61)は、圧入ピン(63)の一端同軸上に一体形成されてローターシャフト(60)の外周面から径方向に突出したところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明に係る回転機(10)は、請求項1乃至8の何れかに記載のセグメント磁石ロータ固定構造を有するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1,8及び9の発明]
請求項1及び9の発明によれば、セグメント磁石は、隣り合った磁石位置決突部の間に嵌合した状態でローターシャフトに固定されるので、複数のセグメント磁石が均等配置されるように位置決めすることができる。また、セグメント磁石をローターシャフトに取り付けた後も、セグメント磁石の位置ズレを防止できる。
【0015】
ここで、請求項8の発明のように、ローターシャフトの外周面を均等分する位置に複数のピン孔を形成し、磁石位置決突部は、それらピン孔に圧入された圧入ピンに一体形成されて、ローターシャフトの外周面から径方向に突出した構成としてもよい。なお、ローターシャフトは、断面円形でもよいし断面多角形(具体的には、セグメント磁石の数と同数の平面を有する断面正多角形)であってもよい。
【0016】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、磁石位置決突部をシャフト装着リングに一体に備えたので、磁石位置決突部を形成するためにローターシャフトに追加加工を施す必要がない。
【0017】
[請求項3の発明]
ローターシャフトにシャフト装着リングを嵌合固定するには、シャフト装着リングを1対の半円体に分割し、それら各半円体をリング嵌合部に側方から嵌めて、リング隣接大径部側に移動させる。すると、各半円体の両端部に形成されたリング固定突部が、リング隣接大径部に形成されたリング固定溝に軸方向から挿入されて係合する。これにより、1対の半円体が分離不能に合体して、シャフト装着リングがローターシャフトのリング嵌合部に回転不能に嵌合固定される。
【0018】
[請求項4の発明]
シャフト装着リングをリング嵌合部に嵌合固定するには、1対の半円体を、リング嵌合部のうち一方のリング隣接大径部から離れた位置に嵌めてから、一方のリング隣接大径部に近づけるように移動させる。すると、リング固定突部がリング固定溝に挿入されて係合し、シャフト装着リングがリング嵌合部に回転不能かつ離脱不能に嵌合固定される。次いで、セグメント磁石を固定するには、例えば、セグメント磁石の内面及び/又はリング隣接大径部の外面に接着剤を塗布しておき、セグメント磁石をリング隣接大径部に側方から接着する。このとき、シャフト装着リングの外周面から径方向に突出した磁石位置決突部の間にセグメント磁石が嵌合する。これにより、複数のセグメント磁石が均等配置されるように位置決めされかつ、接着後の位置ズレが防止される。ここで、セグメント磁石がリング隣接大径部に固定されると、シャフト装着リングのうち隣り合った磁石位置決突部に挟まれた部分の外周面がセグメント磁石で覆われるので、ローターシャフトからのシャフト装着リングの脱落を防止できる。
【0019】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、セグメント磁石の内面をリング隣接大径部に密着させることができる。
【0020】
[請求項6の発明]
シャフト装着リングをリング嵌合部に嵌合固定するには、1対の半円体をリング隣接大径部から離れた位置に嵌めてから、リング隣接大径部に近づけるように移動させる。すると、リング固定突部がリング固定溝に挿入されて係合し、シャフト装着リングがローターシャフトのリング嵌合部に回転不能かつ離脱不能に嵌合固定される。次いで、セグメント磁石を固定するには、例えば、セグメント磁石の内面及び/又は磁石固定部の外面に接着剤を塗布しておき、セグメント磁石を磁石固定部に側方から接着する。このとき、シャフト装着リングからローターシャフトの軸方向に突出形成された磁石位置決突部の間にセグメント磁石が嵌合する。これにより、複数のセグメント磁石が均等配置されるよう位置決めされかつ、接着後の位置ズレが防止される。
【0021】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、セグメント磁石が磁石固定部に固定されると、シャフト装着リングがセグメント磁石とリング隣接大径部との間で挟まれて軸方向で固定されるから、ローターシャフトからのシャフト装着リングの脱落を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態のモータ10(本発明の「回転機」に相当する)は、例えばブラシレスモータであって、筒形ハウジング11の内部にステータ12を備え、そのステータ12の内側にローター17を回転可能に備えている。ステータ12は、ステータコア14と複数のコイル25とから構成されている。ステータコア14の内面からは、複数のティース15が内側に向かって突出しており、それら各ティース15の先端部は、鳩尾状に広がっている。そして、各ティース15に電線を巻回してコイル25が構成され、各コイル25の一部が隣り合ったティース15,15の間のスロット13に収容されている。なお、本実施形態のステータ12に備えたティース15及びスロット13は、共に例えば12個になっている。
【0023】
図2に示すようにローター17は、ローターシャフト16の外周面に複数(具体的には、例えば14個)の界磁用のセグメント磁石20を均等配置してなる。詳細には、ローターシャフト16は、例えば複数の珪素鋼板を積層してなる回転円筒体18の中心にシャフト19を貫通した構造になっている。そして、回転円筒体18の外周面を周方向で等配した位置にセグメント磁石20が、例えば、接着剤にて固着されている。
【0024】
各セグメント磁石20は、焼結部材で構成された永久磁石であり、図2及び図3に示すようにローターシャフト16の軸方向に延びた瓦状をなしている。具体的には、例えば、回転円筒体18の外側に嵌合可能な筒体を複数に縦割り分割した構造をなしている。セグメント磁石20は、ローターシャフト16を中心とした同心の円弧面を内面20A及び外面20Bとして備えている。また、セグメント磁石20の両側面20C,20Cは、それら両側面20C,20Cを含む面同士がローターシャフト16の中心で交差するように構成されている。これらセグメント磁石20は、本発明の「セグメント磁石ロータ固定構造」によってローターシャフト16に対する固定位置が位置決めされている。
【0025】
以下、本発明の「セグメント磁石ロータ固定構造」について説明する。図3に示すように、ローターシャフト16(回転円筒体18)の軸方向の中央部分は、セグメント磁石20が固着される断面円形の磁石固定部30となっており、その両側には、それぞれリング嵌合部31,31が形成されている。リング嵌合部31,31は、ローターシャフト16の外周面を全周に亘って溝状に陥没させた構造をなしている。即ち、リング嵌合部31,31は、磁石固定部30から段付き状に縮径して、例えば断面円形をなしている。
【0026】
リング嵌合部31,31よりもローターシャフト16の端部側には、リング嵌合部31,31に対して外径が段付き状に拡径した端部大径部32,32が形成されている。端部大径部32,32は、例えば、断面円形であって磁石固定部30と同じ外径となっている。ここで、磁石固定部30と端部大径部32,32は本発明の「リング隣接大径部」に相当し、リング嵌合部31,31を挟んで対をなしている。
【0027】
ところで、端部大径部32,32には、それぞれ1対のリング固定溝33,33が形成されている。これらリング固定溝33,33は、ローターシャフト16の周方向で互いに180度離れた2箇所に形成されている(なお、図3及び図5には、周方向における一方のリング固定溝33のみが示されている)。リング固定溝33,33は、リング嵌合部31,31側とローターシャフト16の径方向の外側とに開放している(図5を参照)。
【0028】
図3に示すように、ローターシャフト16のうちリング嵌合部31,31には、それぞれシャフト装着リング40が嵌合固定されている。図4に示すようにシャフト装着リング40は、軸方向に扁平な筒形構造をなしており、肉厚に比較して幅寸法(軸方向の長さ)が大きくなっている。シャフト装着リング40の外周面には、径方向の外側に向かって複数(本実施形態では、例えば14個)の磁石位置決突部41が突出形成されている。磁石位置決突部41は、シャフト装着リング40の周方向に等間隔に設けられており、シャフト装着リング40の外周面上で軸方向に延びた突条構造をなしている。なお、磁石位置決突部41の両側面は、それら両側面を含む面同士がシャフト装着リング40(換言すれば、ローターシャフト16)の中心で交差するように構成されている。
【0029】
シャフト装着リング40の内径はリング嵌合部31,31の外径とほぼ同一であり、シャフト装着リング40のうち、磁石位置決突部41が形成された部分の外径は、磁石固定部30の外径よりも大きくなっている。また、シャフト装着リング40のうち、隣り合った磁石位置決突部41,41に挟まれた部分の外径は、磁石固定部30の外径よりも若干小さくなっている。つまり、シャフト装着リング40のうち、磁石位置決突部41だけが、磁石嵌合部30の外面から外側に突出し、磁石位置決突部41,41に挟まれた部分は、磁石嵌合部30及び端部大径部32の外面に対して凹んでいる。なお、シャフト装着リング40は、非磁性体であって、材質に応じて、例えば、プレス成形や焼結成形によって製造される。
【0030】
ところで、シャフト装着リング40は、1対の半円体42,42で構成されている。半円体42,42は、シャフト装着リング40の中心軸を含みかつ隣り合った磁石位置決突部41,41の中間部分を通る平面で、シャフト装着リング40を縦割りに二分割した構造となっている。
【0031】
各半円体42,42のうち、合体してシャフト装着リング40となったときに相手側の半円体42と接合する両端部42A,42Aには、リング固定突部43,43がそれぞれ形成されている。リング固定突部43,43は、シャフト装着リング40の端面から軸方向の一方に向かって突出している。このリング固定突部43,43が、図3に示すように、ローターシャフト16の外周面に形成されたリング固定溝33,33に、ローターシャフト16の軸方向から挿入されて凹凸係合している。これにより、1対の半円体42,42がシャフト装着リング40としてローターシャフト16の外周面に嵌合固定されると共に、シャフト装着リング40がローターシャフト16に対して回り止めされている。
【0032】
そして、シャフト装着リング40に形成されて隣り合った磁石位置決突部41,41の間に、各セグメント磁石20の両端部が嵌合している(図3を参照)。
【0033】
ここで、リング嵌合部31,31の幅寸法L1(軸方向の全長)は、リング固定突部43,43を含んだシャフト装着リング40の幅寸法L2(軸方向の全長)よりも大きくなっている。これにより、各半円体42,42をリング嵌合部31,31に側方から組み付けることが可能になっている。
【0034】
本実施形態に係るモータ10の構成は以上である。次に、モータ10の製造方法について説明する。まず、2つのシャフト装着リング40,40をそれぞれローターシャフト16に組み付ける。即ち、シャフト装着リング40,40をそれぞれ1対の半円体42,42に分割して、それら半円体42,42を、リング嵌合部31,31に側方から組み付ける(図5を参照)。
【0035】
具体的には、図6(A)に示すように、まず、半円体42をリング嵌合部31のうち磁石固定部30寄り位置に嵌めておき、半円体42のリング固定突部43,43を端部大径部32に形成されたリング固定溝33,33と同軸上になるように位置合わせしてから、半円体42を、端部大径部32側(図6(A)における右側)へ移動させる。なお、半円体42は1つずつ移動させてもよいし、1対の半円体42,42の両端部を突き合わせてシャフト装着リング40の状態にしてから移動させてもよい。
【0036】
すると、図6(B)に示すように、各半円体42,42に備えたリング固定突部43,43が、それぞれリング固定溝33,33に突入して凹凸係合する。これで、1対の半円体42,42がリング嵌合部31,31の外側で分離不能に合体してシャフト装着リング40が構成され、ローターシャフト16に対して回転不能かつ離脱不能に嵌合固定される。
【0037】
このとき、シャフト装着リング40をリング嵌合部31,31の外面に接着剤で固定してもよい。また、リング嵌合部31に図示しないリング状の挟持部材を嵌合して、シャフト装着リング40,40を、その挟持部材と磁石固定部30との間及び、挟持部材と端部大径部32との間で挟むようにしてもよい。このようにすれば、シャフト装着リング40,40の軸方向、即ち、リング固定突部43,43とリング固定溝33,33との係合が解除される方向(図3における左側)への移動が禁止され、シャフト装着リング40,40の脱落を確実に防止することができる。以上で、ローターシャフト16が完成される。
【0038】
次いで、ローターシャフト16にセグメント磁石20を取り付ける。具体的には、磁石固定部30の外面及び/又はセグメント磁石20の内面20Aに、例えば熱硬化性の接着剤を塗布しておき、セグメント磁石20を磁石固定部30の外面に側方から接着する。このとき、図2及び図3に示すように、セグメント磁石20の両端部が、各シャフト装着リング40,40に形成されて隣り合った磁石位置決突部41,41の間に嵌合する。これにより、複数のセグメント磁石20がローターシャフト16の外周面に均等配置されるように位置決めされると共に、接着後のセグメント磁石20の位置ズレを防止することができる。
【0039】
ここで、セグメント磁石20が磁石固定部30に固定されると、シャフト装着リング40,40のうち、隣り合った磁石位置決突部41,41に挟まれた部分の外周面がセグメント磁石20によって覆われるので(図3を参照)、シャフト装着リング40,40の脱落を防止可能となる。また、シャフト装着リング40,40の隣り合った磁石位置決突部41,41に挟まれた部分は、磁石固定部30の外面に対して凹んでいるから、セグメント磁石20の内面20Aを磁石固定部30の外面に密着させて、確実に接着することができる。
【0040】
以下同様に、複数のセグメント磁石20を順次に磁石固定部30の外周面に接着すれば、ローターシャフト16の外周面に複数のセグメント磁石20が均等配置されたローター17が完成される。このローター17をステータ12の内部に配して筒形ハウジング11の両端部を閉塞することで、モータ10が完成される。
【0041】
このように、本実施形態によれば、セグメント磁石20が、シャフト装着リング40に形成されて隣り合った磁石位置決突部41,41の間に嵌合しているので、複数のセグメント磁石20が均等配置されるように位置決めすることができ、取り付け後のセグメント磁石20の位置ズレを防止できる。また、シャフト装着リング40を縦割りに二分割可能としたので、ローターシャフト16の周面を溝状に陥没させた構造のリング嵌合部31にも、容易に取り付けることができる。さらに、半円体42,42に形成されたリング固定突部43,43と、ローターシャフト16に形成されたシャフト固定溝33,33とが凹凸係合することで、1対の半円体42,42がリング嵌合部31,31の外側で分離不能に合体して、シャフト装着リング40をローターシャフト16に対して回転不能かつ離脱不能に嵌合固定することができる。しかも、セグメント磁石20は、軸方向の2箇所(詳細には、両端部)で磁石位置決突部41,41の間に嵌合しているから、セグメント磁石20の位置決め精度が向上し、位置ズレをより確実に防止することができる。
【0042】
[第2実施形態]
図7〜図10には本発明の第2実施形態が示されている。この第2実施形態は、シャフト装着リング及びローターシャフトの構成を上記第1実施形態とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0043】
図7に示すように、本実施形態のローターシャフト16’は、軸方向の中央部分に断面円形の磁石固定部30’を備え、その両側に、磁石固定部30’と同一径をなしたリング嵌合部31’,31’を備えている。また、リング嵌合部31’,31’よりも端部側には、外径がリング嵌合部31’,31’に対して段付き状に拡径した端部大径部32,32(本発明の「リング隣接大径部」に相当する)が形成されている。これら端部大径部32,32には、それぞれ1対のリング固定溝33,33が形成されている。リング固定溝33,33は、ローターシャフト16’の周方向で互いに180度離れた2箇所に形成されており、何れも磁石固定部30’側とローターシャフト16’の径方向の外側とに開放している。なお、本実施形態のリング固定溝33,33の内側部分はリング嵌合部31’の外周面に対して凹んでいる。
【0044】
シャフト装着リング50は、図8に示すように、軸方向に扁平な筒形構造をなしており、肉厚に比較して幅寸法(軸方向の長さ)が大きくなっている。シャフト装着リング50は、1対の半円体52,52に二分割可能となっており、それら半円体52,52の互いに接合する両端部52A,52Aには、軸方向の一方に突出したリング固定突部43,43が形成されている。また、このシャフト装着リング50の端面からは、リング固定突部43,43と反対側に複数(本実施形態では、例えば、14個)の磁石位置決突部51が突出している。これら磁石位置決突部51は、シャフト装着リング50の周方向に等間隔に設けられかつ、シャフト装着リング50の軸方向に互いに平行に延びている。
【0045】
図7に示すように、シャフト装着リング50,50はリング嵌合部31’,31’に嵌合固定されている。詳細には、シャフト装着リング50,50は、端部大径部32,32との間の段差面に一方の端面が突き当てられており、リング固定突部43,43がリング固定溝33,33に凹凸係合している。シャフト装着リング50,50にそれぞれ形成された磁石位置決突部51,51は、ローターシャフト16’の軸方向で向かい合っており、各シャフト装着リング50,50の隣り合った磁石位置決突部51,51の間にセグメント磁石20の端部が嵌合されている。ここで、セグメント磁石20の両端面は、シャフト装着リング50,50のうち、隣り合った磁石位置決突部51,51で挟まれた部分の端面に突き当たっている。つまり、セグメント磁石20は、ローターシャフト16’の軸方向と周方向とで位置決め及びズレ止めされており、シャフト装着リング50,50は、セグメント磁石20と端部大径部32,32との間で挟まれて、軸方向で固定されている。
【0046】
本実施形態に係るモータ10の構成は以上である。次に、モータ10の製造方法について説明する。まず、2つのシャフト装着リング50,50をそれぞれローターシャフト16’に組み付ける。即ち、シャフト装着リング50,50をそれぞれ半円体52,52に二分割しておき、それら半円体52,52を、一旦、磁石固定部30’に側方から嵌めておく(図9を参照)。
【0047】
そして、磁石固定部30’にて、リング固定突部43,43がリング固定溝33,33と同軸上になるように位置合わせしてから(図10(A)を参照)、半円体52を端部大径部32側(図10(A)における右側)へ移動させる。なお、半円体52を磁石固定部30’からリング嵌合部31に移動させるときは、1つずつ移動させてもよいし、1対の半円体52,52の両端部を突き当ててシャフト装着リング50の状態にしてから移動させてもよい。
【0048】
すると、シャフト装着リング50のリング固定突部43,43が、それぞれリング固定溝33,33に突入して凹凸係合する(図10(B)の状態)。これで、半円体52,52が分離不能に合体して、シャフト装着リング50がリング嵌合部31’,31’において回転不能かつ離脱不能に嵌合固定される。以上で、ローターシャフト16’が完成される。
【0049】
次いで、ローターシャフト16’にセグメント磁石20を取り付ける。即ち、セグメント磁石20を磁石固定部30’の外面に側方から接着剤にて接着する。このとき、セグメント磁石20の両端部が、各シャフト装着リング50,50に形成されて隣り合った磁石位置決突部51,51の間に嵌合する。これにより、複数のセグメント磁石20が均等配置されるように位置決めされると共に、接着後のセグメント磁石20の位置ズレが防止される。また、セグメント磁石20の両端部と端部大径部32,32との間でシャフト装着リング50,50が挟まれて軸方向で固定されるから(図7を参照)、シャフト装着リング50,50がローターシャフト16’の軸方向の中央側、即ち、リング固定突部43,43とリング固定溝33,33との係合が解除される方向への移動が禁止され、シャフト装着リング50,50の脱落を防止できる。このように、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0050】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0051】
(1)磁石位置決突部はローターシャフト16,16’の外周面に一体形成してもよい。ここで、ローターシャフト16,16’に一体形成する場合には、ローターシャフト16,16’の外周面を切削する等、追加加工が必要であるが、上記第1及び第2実施形態のように、シャフト装着リング40,50に一体形成すれば、ローターシャフト16,16’を追加加工する必要が無く、しかも磁石位置決突部は、プレス成形や焼結成形によってシャフト装着リング40,50に一体形成できるから、比較的容易に磁石位置決突部を設けることができる。
【0052】
(2)セグメント磁石ロータ固定構造は、以下のような構成でもよい。例えば、図11に示すように、ローターシャフト60の外周面を均等分する位置には、複数のピン孔62が形成されている。それらピン孔62には、それぞれ圧入ピン63が圧入されている。この圧入ピン63はピン孔62の内側に埋没しており、ローターシャフト60の外面に突出しないようになっている。圧入ピン63には、例えば、円柱状の磁石位置決突部61が一体形成されている。磁石位置決突部61は圧入ピン63の同軸上に形成されており、ローターシャフト60の外周面から径方向に突出している。そして、周方向で隣り合った磁石位置決突部61,61の間にセグメント磁石20が嵌合されて、それらセグメント磁石20がローターシャフト60の外周面に、例えば接着剤にて固着されている。このような構成にしても、セグメント磁石20を位置決め及びズレ止めすることができる。
【0053】
(3)第1実施形態及び第2実施形態では、ローターシャフト16,16’に、同一構造の2つのシャフト装着リング40,50を装着していたが、図12に示すように、ローターシャフトの外面形状に応じて、第1実施形態で説明した構成のシャフト装着リング40と、第2実施形態で説明した構成のシャフト装着リング50とを組み合わせて装着してもよい。即ち、セグメント磁石20の一端部を、シャフト装着リング40の外周面に突出形成された磁石位置決突部41,41の間に嵌合し、他端部を、シャフト装着リング50の端面から軸方向に突出した磁石位置決突部51,51の間に嵌合させてもよい。
【0054】
(4)シャフト装着リング40,50は、第1及び第2実施形態のように円筒形状に限るものではなく、リング嵌合部31,31’や磁石固定部30,30’の外面形状に応じて種々変更してもよい。例えば、リング嵌合部31,31’の外面が正多角形の場合には、シャフト装着リングの孔形状を、リング嵌合部31,31’の断面形状と同じ正多角形とすればよい。このようにすれば、シャフト装着リングの内面とリング嵌合部31,31’の外面との間でシャフト装着リングを回り止めできる。
【0055】
(5)上記第1及び第2実施形態では、磁石固定部30,30’が断面円形であったが、磁石固定部30,30’を断面正多角形(例えば、セグメント磁石20の数と同数の平面を持つ正多角形)としてもよい。
【0056】
(6)ローターシャフト16,16’に装着するシャフト装着リング40,50の数は、2つに限るものではなく、1つでもよいし3つ以上でもよい。また、第1実施形態では、シャフト装着リング40を磁石固定部30の両端側に配置して、セグメント磁石20の両端部が磁石位置決突部41,41の間に嵌合されるようにしていたが、シャフト装着リング40を、例えば、シャフト装着リング40を磁石固定部30の中央部分に取り付けて、セグメント磁石20の中央部が磁石位置決突部41,41の間に嵌合されるようにしてもよい。
【0057】
(7)ローターシャフトの端部からシャフト装着リングを挿入可能であれば、シャフト装着リングは二分割可能な構成にしなくてもよい。
【0058】
(8)上記第1及び第2実施形態では、本発明の「回転機」としてモータ10を例示したが、発電機に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係るモータの分解斜視図
【図2】モーターの平断面図
【図3】ローターシャフトの側面図
【図4】シャフト装着リングの斜視図
【図5】ローターシャフトの分解斜視図
【図6】シャフト装着リングを組み付ける過程のローターシャフトの側面図
【図7】第2実施形態に係るローターシャフトの側面図
【図8】シャフト装着リングの斜視図
【図9】ローターシャフトの分解斜視図
【図10】シャフト装着リングを組み付ける過程のローターシャフトの側面図
【図11】他の実施形態(2)に係るローターシャフトの部分平断面図
【図12】他の実施形態(3)に係るローターシャフトの側面図
【符号の説明】
【0060】
10 モータ(回転機)
16,16’,60 ローターシャフト
20 セグメント磁石
30 磁石固定部
31,31’ リング嵌合部
32 端部大径部(リング隣接大径部)
33 リング固定溝
40,50 シャフト装着リング
41,51,61 磁石位置決突部
42,52 半円体
43 リング固定突部
62 ピン孔
63 圧入ピン




 

 


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