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発明の名称 油圧用ブラシレスモータの制御方法および制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97363(P2007−97363A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−286264(P2005−286264)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦
発明者 行竹 康博
要約 課題

大型化することなく、油温が高い低トルク高回転時の必要出力ポイントと油温が低い高トルク低回転時の必要出力ポイントとの両方の必要出力ポイントを満たすことができる油圧用ブラシレスモータの制御方法および制御装置を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御方法において、油温を検出して、油温が所定値以下である場合に通電開始タイミングを早めることを特徴とする油圧用ブラシレスモータの制御方法。
【請求項2】
複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御方法において、モータの電流を検出して、モータの電流が所定値以上である場合に通電開始タイミングを早めることを特徴とする油圧用ブラシレスモータの制御方法。
【請求項3】
複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御装置において、油温を検出する油温検出手段と、油温が所定値以下である場合に通電開始タイミングを早める通電開始タイミング設定手段とを備えていることを特徴とする油圧用ブラシレスモータの制御装置。
【請求項4】
複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御装置において、モータの電流を検出するモータ電流検出手段と、モータの電流が所定値以上である場合に通電開始タイミングを早める通電開始タイミング設定手段とを備えていることを特徴とする油圧用ブラシレスモータの制御装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、油圧用ブラシレスモータの制御方法および制御装置に関し、さらに詳しくは、たとえば、自動車に搭載されて油圧ポンプに使用されるブラシレスモータを制御する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載されているトランスミッション用やパワーステアリング用の油圧ポンプを駆動する電動モータとして、従来、ブラシ付きDCモータが用いられてきたが、ブラシの耐久性からくる信頼性の問題があり、ブラシレスモータを用いることが望まれている。
【0003】
ブラシレスモータの制御装置は、U相、V相、W相の3相の磁界コイルを有するモータとモータを駆動するための6つのスイッチング素子からなるスイッチング回路で構成されている。
【0004】
ブラシレスモータの動作は、3相の磁界コイルへの通電のためのスイッチング素子が順次スイッチングされて行われる。例えば、通電角度が60度とすると、各スイッチング素子の通電信号は、電気角360度のうち、120度だけ連続してオンになり、これにより、各スイッチング素子には120度の通電が行われる。同時にオンとなるのは6つのスイッチング素子のうち2つであり、60度ごとにオンになっている2つのスイッチング素子のうちいずれか一方がオフになり、他の4つのスイッチング素子のうち1つがオンとなる。以後この動作を繰り返す。このように各スイッチング素子が順次スイッチングされてモータを動作させるモータの制御方法が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平05−103454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載用油圧ポンプのモータでは、油温が低い場合には高トルク低回転が要求され、油温が高い場合には低トルク高回転が要求されている。
【0006】
車載用モータの場合、使用電圧が比較的低く消費電流や大きさなどの制約が非常に厳しいため、上記特許文献1の60度通電によるモータの制御方法を適用した場合には、特に、高トルク側で必要な出力を得ることが難しく、モータを大型化することなく、油温が高い場合と低い場合の両方の必要出力ポイントを満たすことができないという問題があった。
【0007】
この発明の目的は、大型化することなく、油温が高い低トルク高回転時の必要出力ポイントと油温が低い高トルク低回転時の必要出力ポイントとの両方の必要出力ポイントを満たすことができる油圧用ブラシレスモータの制御方法および制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1による油圧用ブラシレスモータの制御方法は、複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御方法において、油温を検出して、油温が所定値以下である場合に通電開始タイミングを早めることを特徴とするものである。
【0009】
油圧用ブラシレスモータは、たとえば、トランスミッションに作動油を供給するポンプに使用される。トランスミッション用油圧ポンプは、低温から高温までの広い温度範囲に対応する必要があり、本発明を適用するのに適している。本発明は、トランスミッション用油圧ポンプ以外の種々のポンプに適用することもできる。
【0010】
スイッチング素子は、トランジスタとダイオードとを備える。
【0011】
通電開始タイミングを早めるステップは、通電開始タイミングを、0度〜30度の間で早くすればよく、例えば、15度早くすればよい。しかし、通電を打ち切るタイミングは変更しない。
【0012】
請求項1の油圧用ブラシレスモータの制御方法によると、油温が所定値よりも高い場合の通電開始タイミング(標準の通電開始タイミング)を基準にして、油温が所定値以下の場合には、通電開始タイミングが早められ、これにより、標準の通電開始タイミングのものに比べて、高いトルクを得ることができる。油温が所定値よりも高い場合に、通電開始タイミングが早められたままにすると、標準の通電開始タイミングのものに比べて、低トルク側で低回転数となってしまうので、油温が所定値より高くなった場合には、標準の通電開始タイミングに戻される。こうして、常に標準の通電開始タイミングとした制御方法に比べて、油温が所定値より高い時には同等の出力を、油温が所定値以下の時には高い出力を得ることができる。
【0013】
請求項2による油圧用ブラシレスモータの制御方法は、複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御方法において、モータの電流を検出して、モータの電流が所定値以上である場合に通電開始タイミングを早めることを特徴とするものである。
【0014】
通電開始タイミングの変化は、トルク値によってもよいので、トルクに対応しているモータの電流が所定値になったときに切り換えてもよい。
【0015】
したがって、モータの電流検出手段は設けられているが、油圧ポンプ作動油の油温検出手段が設けられていない場合、油温に代えてモータの電流を使用することにより、油温検出手段を別途設けることなく請求項1の発明と同等の作用効果を得ることができる。
【0016】
請求項2の油圧用ブラシレスモータの制御方法によると、モータの電流が所定値よりも低い場合の通電開始タイミング(標準の通電開始タイミング)を基準にして、モータの電流が所定値以上の場合には、通電開始タイミングが早められ、これにより、標準の通電開始タイミングのものに比べて、高いトルクを得ることができる。モータの電流が所定値よりも低い場合に、通電開始タイミングが早められたままにすると、標準の通電開始タイミングのものに比べて、低トルク側で低回転数となってしまうので、モータの電流が所定値より低くなった場合には、標準の通電開始タイミングに戻される。こうして、常に標準の通電開始タイミングとした制御方法に比べて、モータの電流が所定値より低い時には同等の出力を、モータの電流が所定値以上の時には高い出力を得ることができる。
【0017】
請求項3による油圧用ブラシレスモータの制御装置は、複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御装置において、油温を検出する油温検出手段と、油温が所定値以下である場合に通電開始タイミングを早める通電開始タイミング設定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3の油圧用ブラシレスモータの制御装置によると、油温が所定値よりも高い場合の通電開始タイミング(標準の通電開始タイミング)を基準にして、油温が所定値以下の場合には、通電開始タイミングが早められ、これにより、標準の通電開始タイミングのものに比べて、高いトルクを得ることができる。油温が所定値よりも高い場合に、通電開始タイミングが早められたままにすると、標準の通電開始タイミングのものに比べて、低トルク側で低回転数となってしまうので、油温が所定値より高くなった場合には、標準の通電開始タイミングに戻される。こうして、常に標準の通電開始タイミングとした制御方法に比べて、油温が所定値より高い時には同等の出力を、油温が所定値以下の時には高い出力を得ることができる。
【0019】
請求項4による油圧用ブラシレスモータの制御装置は、複数のスイッチング素子への通電タイミングを切り換えることにより油圧用ブラシレスモータを動作させるブラシレスモータの制御装置において、モータの電流を検出するモータ電流検出手段と、モータの電流が所定値以上である場合に通電開始タイミングを早める通電開始タイミング設定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項4の油圧用ブラシレスモータの制御装置によると、モータの電流が所定値よりも低い場合の通電開始タイミング(標準の通電開始タイミング)を基準にして、モータの電流が所定値以上の場合には、通電開始タイミングが早められ、これにより、標準の通電開始タイミングのものに比べて、高いトルクを得ることができる。モータの電流が所定値よりも低い場合に、通電開始タイミングが早められたままにすると、標準の通電開始タイミングのものに比べて、低トルク側で低回転数となってしまうので、モータの電流が所定値より低くなった場合には、標準の通電開始タイミングに戻される。こうして、常に標準の通電開始タイミングとした制御方法に比べて、モータの電流が所定値より低い時には同等の出力を、モータの電流が所定値以上の時には高い出力を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の油圧用ブラシレスモータの制御方法によると、常に標準の通電開始タイミングとした場合に比べて、油温が所定値より高いときには同等の出力を、油温が所定値以下の時に高い出力を得ることができるので、モータを大型化することなく、油温が高い場合の低トルク高回転時の出力ポイントと、油温が低い場合の高トルク低回転時の出力ポイントとを満たすことができる。
【0022】
請求項2の油圧用ブラシレスモータの制御方法によると、油温を検出しなくても、電流を検出することで、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0023】
請求項3の油圧用ブラシレスモータの制御装置によると、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0024】
請求項4の油圧用ブラシレスモータの制御装置によると、油温を検出しなくても、電流を検出することで、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下図面を参照して、この発明を車載用のブラシレスDCモータの制御に応用した実施形態について説明する。
【0026】
図1は、ブラシレスDCモータ(1)の制御装置の構成の1例を示している。
【0027】
この制御装置は、自動車に搭載されて油圧ポンプを駆動するブラシレスDCモータ(1)を自動車に搭載されたバッテリよりなる直流電源(2)を用いて片側PWM方式で駆動するものであり、回転位置信号HU、Hv、Hwに基づいて片側PWM方式で電源(2)からU相、V相、W相の3相への通電を制御する通電制御手段である通電制御装置(3)を備えている。回転位置信号はHU、Hv、Hwとし、Hで総称する。
【0028】
片側PWM方式とは、各相の上アームと下アームのいずれか一方のスイッチング素子(16U+)(16v+)(16w+)だけを通電区間中PWM駆動し、他方のスイッチング素子(16U-)(16v-)(16w-)を通電区間中オンに固定するものである。たとえば、通電区間中の上アームのスイッチング素子はオンに固定し、通電区間中の下アームのスイッチング素子はPWM駆動信号に基づいてオン・オフ駆動する。あるいは、通電区間中の下アームのスイッチング素子はオンに固定し、通電区間中の上アームのスイッチング素子はPWM駆動信号に基づいてオン・オフ駆動する。
【0029】
通電制御装置(3)は、標準通電信号生成手段(4)と、通電開始タイミング設定手段(5)と、油温検出手段(6)と、PWM手段(7)と、ゲートドライブ回路(8)と、スイッチング回路(9)とから構成されている。
【0030】
標準通電信号生成手段(4)は、後述するように回転位置信号Hに基づいて、各素子(16)の通電をそれぞれ制御するための標準通電信号を生成するものである。標準通電信号は、Cで総称する。標準通電信号生成手段(4)は、MPUにより構成されてもよいし、専用のディジタル回路により構成されてもよい。
【0031】
通電開始タイミング設定手段(5)は、油温が所定値以下か所定値より大きいかに応じて通電開始タイミングが通常の標準通電信号Cまたは、標準通電信号Cより通電開始タイミングが早い低油温時通電信号CU+、CU-、Cv+、Cv-、Cw+、Cw-を出力する。低油温時通電信号は、Cで総称する。
【0032】
油温検出手段(6)は、トランスミッションの油温を検出しており、油の温度のデータ信号を通電開始タイミング設定手段(5)へ出力する。
【0033】
PWM手段(7)は、通電開始タイミング設定手段(5)からの標準通電信号Cおよび低油温時通電信号Cに基づいて、各素子に対するスイッチング素子制御信号DU+、DU-、Dv+、Dv-、Dw+、Dw-を出力する。スイッチング素子制御信号はDで総称する。
【0034】
ゲートドライブ回路(8)は、スイッチング素子制御信号Dに基づいて、各素子をオン・オフ駆動するものである。
スイッチング回路(9)は、電源(2)からモータ(1)のU相への通電を制御する上アームスイッチング素子(16U+)および下アームスイッチング素子(16U-)と、V相への通電を制御する上アームスイッチング素子(16v+)および下アームスイッチング素子(16v-)と、W相への通電を制御する上アームスイッチング素子(16w+)および下アームスイッチング素子(16w-)とを備えている。スイッチング素子は、符号(16)で総称する。スイッチング素子(16)は、トランジスタとダイオードとからなり、トランジスタのエミッタを負、コレクタを正としてダイオードが接続されており、オンとオフで表し、それを相互に動作させて、モータ(1)を駆動する。
【0035】
図2に示すように、回転位置信号Hは、1と0で表され、電気角180度ごとに極性が反転する。V相の回転位置信号Hvは、U相の回転位置信号HUに対して120度遅れており、W相の回転位置信号Hwは、さらにV相の回転位置信号Hvに対して120度遅れている。
【0036】
標準通電信号Cは、電気角360度のうち、所定の120度だけ連続してオンになり、これによりいわゆる120度通電(モータの通電角度は60度)が行われる。
【0037】
U相の上アームの通電信号CU+は、U相の回転位置信号HUの立ち上がりから電気角120度の間だけオンになる。U相の下アームの通電信号CU-は、U相の回転位置信号HUの立ち下がりから120度の間だけオンになる。V相の上アームの通電信号Cv+は、V相の回転位置信号Hvの立ち上がりから120度の間だけオンになる。V相の下アームの通電信号Cv-は、V相の回転位置信号Hvの立ち下がりから120度だけオンになる。W相の上アームの通電信号Cw+は、W相の回転位置信号Hwの立ち上がりから120度の間だけオンになる。W相の下アームの通電信号Cw-は、W相の回転位置信号Hwの立ち下がりから120度の間だけオンになる。
【0038】
図3に示すように、低油温時通電信号Cは、標準通電信号Cの通電信号タイミングを15度早くすることにより生成される。
【0039】
U相の上アームの通電信号CU+は、U相の回転位置信号HUの立ち上がり15度前から電気角135度の間だけオンになる。U相の下アームの通電信号CU-は、U相の回転位置信号HUの立ち下がり15度前から135度の間だけオンになる。V相の上アームの通電信号Cv+は、V相の回転位置信号Hvの立ち上がり15度前から135度の間だけオンになる。V相の下アームの通電信号Cv-は、V相の回転位置信号Hvの立ち下がり15度前から135度だけオンになる。W相の上アームの通電信号Cw+は、W相の回転位置信号Hwの立ち上がり15度前から135度の間だけオンになる。W相の下アームの通電信号Cw-は、W相の回転位置信号Hwの立ち下がり15度前から135度の間だけオンになる。
【0040】
上記のような制御信号を用いてスイッチング素子(16)を駆動することにより、片側PWD駆動が行われる。
【0041】
この結果、図3に斜線で表示されている部分が標準通電信号Cに追加され、電気角360度のうち、所定の135度だけ連続してオンになり、これにより135度通電が行われる(モータの通電信号は75度)。
【0042】
この発明によるモータ(1)の制御方法は、図3に示すように、各スイッチング素子(16)には、標準通電信号Cで入力された場合が、実線で表示されており、この標準通電信号Cでは油温が高い場合の出力ポイントを満たすことができるが、油温が低い場合の出力ポイントを満たすことができない。
【0043】
そして、標準通電信号Cを15度早めた場合が、斜線で表示されており、この斜線で表示された低油温時通電信号Cでは、油温が低い場合の出力ポイントを満たすことができるが、油温が高い場合の出力ポイントを満たすことができない。
【0044】
図4のグラフは、通電開始タイミングをパラメータとする回転数とトルクとの関係を示している。この図を参照して、通電タイミング設定手段(5)から出力される標準通電信号Cおよび低油温時通電信号Cによってモータ(1)がどのように制御されているかを説明する。
【0045】
図4において標準通電信号C(モータの通電角度が60度)によって制御された場合は実線で、低油温時通電信号C(モータの通電角度が75度)によって制御された場合は点線で表示されている。標準通電信号Cによって制御された場合の実線と低油温時通電信号Cによって制御された場合の点線とは、交差しており、交差地点から左側を低トルク域とし、右側を高トルク域とする。油温が高い場合の必要出力ポイントがP1で、油温が低い場合の必要出力ポイントがP2で示されており、モータ(1)の単体特性は、標準通電信号Cによって制御された場合に、低トルク域における特性S1が油温が高い場合の必要出力ポイントP1を満たすように設計される。
【0046】
上記の単体特性を有しているモータ(1)において、従来と同様に、高トルク域においても、標準通電信号Cによって制御すると、その高トルク域における特性S2では、油温が低い場合の必要出力ポイントP2を満たすことができないものとなる。そこで、高トルク域においては、低油温時通電信号Cによって制御し、その高トルク域における特性Q2を使用する。この低油温時通電信号Cによる制御時の高トルク域における特性Q2は、通電開始タイミングが早められることによって、モータ(1)の出力のトルクアップが図られており、これにより、油温が低い場合の必要出力ポイントP2が満たされる。通電角度の増加は、モータ(1)の出力全体を増加させるものではなく、トルク‐回転数の式の傾きを変更するものであるので、低油温時通電信号Cによる制御時の低トルク域における特性Q1は、油温が高い場合の必要出力ポイントP1を満たすことができない。これを避けるために、油温が所定値より高い場合には、標準通電信号Cによる制御時の低トルク域における特性S1が使用されるように、標準通電信号Cによる制御に切り換えられる。
【0047】
こうして、油温が所定値(図4のグラフの交差地点に対応する油温)より高い場合には、標準通電信号Cのよる制御とされ、油温が所定値以下の場合には、低油温時通電信号Cによる制御とされることにより、モータ(1)の特性は、低トルク域における特性S1および高トルク域における特性Q2からなるものとなり、油温が高い場合の必要出力ポイントP1および油温が低い場合の必要出力ポイントP2の両方の出力ポイントを満たすことができる。
【0048】
上記実施形態では、油温によって通電開始タイミングを変化させているが、図4のグラフから分かるように、2つの直線が交差している付近のモータ(1)のトルク値または回転数によって通電開始タイミングを変化させることもできる。また、モータ(1)のトルクとモータ(1)の電流との間には相関があるので、2つの直線が交差しているトルク値に対応しているモータ(1)の電流が所定値になったときに切り換えてもよい。図5に、この実施形態を示す。以下の説明において、第1実施形態と同じ構成には同じ符号をし、その説明を省略する。
【0049】
図5に示すように、この制御装置の通電制御装置(3)は、標準通電信号生成手段(4)と、通電開始タイミング設定手段(5)と、モータ電流検出手段(10)と、PWM手段(7)と、ゲートドライブ回路(8)と、スイッチング回路(9)から構成されている。
【0050】
モータ電流検出手段(10)は、モータの電流を電流計で検出しており、電流のデータ信号を通電開始タイミング設定手段(5)へ出力する。
【0051】
通電開始タイミング設定手段(5)は、モータ(1)の電流が所定値以上である場合に通電開始タイミングを早めるもので、これにより、電流が所定値より小さい場合(油温が所定値より高い場合に相当)には、標準通電信号Cによる制御とされ、電流が所定値以上の場合(油温が所定値以下の場合に相当)には、低油温時通電信号Cによる制御とされることにより、モータの特性は、低トルク域における特性S1および高トルク域における特性Q2からなるものとなり、油温が高い場合の必要出力ポイントP1および油温が低い場合の必要出力ポイントP2の両方の出力ポイントを満たすことができる。
【0052】
この発明は、自動車に搭載されたブラシレスDCモータ(1)以外のブラシレスモータにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す油圧用ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図2】図2は、標準の通電開始タイミングとした場合のタイムチャートである。
【図3】図3は、図2の信号の通電開始タイミングを15度早くした場合のタイムチャートである。
【図4】図4は、回転数とトルクとの相関関係によるモータの特性を表すデータである。
【図5】図5は、この発明の実施形態を示す油圧用ブラシレスモータ制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
(1) ブラシレスDCモータ
(5) 通電開始タイミング生成手段
(6) 油温検出手段
(10) モータ電流検出手段
(16U+)(16U-)(16v+)(16v-)(16w+)(16w-) スイッチング素子






 

 


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