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発明の名称 電機子コア及びモータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60800(P2007−60800A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−242802(P2005−242802)
出願日 平成17年8月24日(2005.8.24)
代理人 【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
発明者 柴田 由之 / 高野 寿男
要約 課題
コギングトルクを抑えることができかつ容易に製造可能な電機子コア及びモータを提供する。

解決手段
本発明の電機子コア20によれば、各ティース22における電線巻回部25が円筒体21の軸方向と平行に延び、ティース先端突部23A,23Bを含むティース22の幅広先端部24のみが、コアブロック27,27の接合部分を境界にして円筒体21の周方向において段付状にずれて、所謂、段スキューが形成される。そして、この段スキューにより、コギングトルクの低減を図ることができる。しかも、本発明の電機子コア20は、ティース22のうち先端部のみを両コアブロック27,27の間で異ならせたので、コアブロック27,27同士の間で電線巻回部25を一直線上に並べて位置合わせを行うことができ、容易に製造することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
円筒体の周面を均等分した位置から径方向に複数のティースが突出し、前記各ティースの先端部から側方にティース先端突部が張り出され、前記ティースのうち前記ティース先端突部と前記円筒体との間の電線巻回部に電線が巻回される電機子コアにおいて、
その電機子コアを軸方向で複数のコアブロックに分割し、隣り合った前記コアブロックの間で前記電線巻回部を前記円筒体の軸方向に並べると共に、隣り合った前記コアブロックの間で前記電線巻回部の側面からの前記ティース先端突部の張り出し量を異ならせたことを特徴とする電機子コア。
【請求項2】
前記ティース先端突部を、前記ティースの両側面に異なった張り出し量にして設けると共に、一と他の前記コアブロックとの間で前記各ティースにおける大小の前記ティース先端突部の配置を逆にしたことを特徴とする請求項1に記載の電機子コア。
【請求項3】
突出量が比較的大きな一方の前記ティース先端突部は、前記円筒体の周方向で隣り合ったティース間の中心を超えて突出したことを特徴とする請求項2に記載の電機子コア。
【請求項4】
前記各コアブロックは、複数の鋼板を積層してなることを特徴とする請求項2又は3に記載の電機子コア。
【請求項5】
一の前記コアブロックを構成する鋼板と同一形状の鋼板を、表裏逆に積層して他の前記コアブロックを構成したことを特徴とする請求項4に記載の電機子コア。
【請求項6】
前記鋼板の一部を積層方向の一方側に突出させて係止突起を形成し、その係止突起の裏側に形成された係止凹所に、他の鋼板の前記係止突起を押し込むことにより前記複数の鋼板を積層された状態に保持し、
前記一と他の両コアブロックの間に中継用鋼板を挟み、それら両コアブロックの端部における前記係止突起を、前記中継用鋼板に形成した位置決貫通孔に共通して凹凸係合させたことを特徴とする請求項5に記載の電機子コア。
【請求項7】
前記電機子コアを、周方向で前記ティース毎の複数のコアピースに縦割り分割したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電機子コア。
【請求項8】
円筒体の周面を均等分した位置から径方向に複数のティースが突出し、前記各ティースの先端部から側方にティース先端突部が張り出され、前記ティースのうち前記ティース先端突部と前記円筒体との間の電線巻回部に電線が巻回される電機子コアにおいて、
その電機子コアを周方向で前記ティース毎の複数のコアピースに縦割り分割し、
前記コアピースを、前記電機子コアの軸方向で複数のコア構成体に分割しかつその分割位置を前記コアピース同士の間で異ならせ、
前記同じコアピースに含まれる複数の前記コア構成体の間で前記電線巻回部を同一形状にして前記円筒体の軸方向と平行に並べると共に、隣り合った前記コア構成体の間で前記電線巻回部の側面からの前記ティース先端突部の張り出し量を異ならせたことを特徴とする電機子コア。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の電機子コアをステータに備えると共に、回転軸と平行に延びた複数のセグメント磁石をロータに備えたことを特徴とするモータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒体の周面を均等分した位置から径方向に複数のティースを突出して備えた電機子コア及びその電機子コアを備えたモータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電機子コアは、同一形状の複数の鋼板を積層して構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来のモータとして、例えばこの電機子コアをステータ側に備える一方、ロータ側に複数のセグメント磁石を備えたものが知られている。
【特許文献1】特開2004−40871号公報(段落[0002]、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、モータのコギングトルクを低減させるためには、電機子コア又はセグメント磁石の何れかにスキューを設けることが好ましい。しかしながら、セグメント磁石は、一般に磁性粉体を焼結してなり、スキューを備えた煩雑な形状にすることが困難である。これに対し、電機子コアでは、同一形状の鋼板を僅かずつ位相をずらしながら積層していくことでティースにスキューを設けることができる(即ち、ティースを捻れた構造にすることができる)。ところが、この場合、鋼板同士の位置合わせが困難であり、鋼板の積層に手間がかかる。また、各ティースへの電線の巻回作業を容易にするために、電機子コアをティース毎に縦割り分割する場合が多い。このような場合、縦割りの分割面もティースに対応して捻れた形状になり、分割面同士の接合が困難になる。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コギングトルクを抑えることができかつ容易に製造可能な電機子コア及びモータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る電機子コアは、円筒体の周面を均等分した位置から径方向に複数のティースが突出し、各ティースの先端部から側方にティース先端突部が張り出され、ティースのうちティース先端突部と円筒体との間の電線巻回部に電線が巻回される電機子コアにおいて、その電機子コアを軸方向で複数のコアブロックに分割し、隣り合ったコアブロックの間で電線巻回部を円筒体の軸方向に並べると共に、隣り合ったコアブロックの間で電線巻回部の側面からのティース先端突部の張り出し量を異ならせたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電機子コアにおいて、ティース先端突部を、ティースの両側面に異なった張り出し量にして設けると共に、一と他のコアブロックとの間で各ティースにおける大小のティース先端突部の配置を逆にしたところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電機子コアにおいて、突出量が比較的大きな一方のティース先端突部は、円筒体の周方向で隣り合ったティース間の中心を超えて突出したところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の電機子コアにおいて、各コアブロックは、複数の鋼板を積層してなるところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電機子コアにおいて、一のコアブロックを構成する鋼板と同一形状の鋼板を、表裏逆に積層して他のコアブロックを構成したところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の電機子コアにおいて、鋼板の一部を積層方向の一方側に突出させて係止突起を形成し、その係止突起の裏側に形成された係止凹所に、他の鋼板の係止突起を押し込むことにより複数の鋼板を積層された状態に保持し、一と他の両コアブロックの間に中継用鋼板を挟み、それら両コアブロックの端部における係止突起を、中継用鋼板に形成した位置決貫通孔に共通して凹凸係合させたところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の電機子コアにおいて、電機子コアを、周方向でティース毎の複数のコアピースに縦割り分割したところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明に係る電機子コアは、円筒体の周面を均等分した位置から径方向に複数のティースが突出し、各ティースの先端部から側方にティース先端突部が張り出され、ティースのうちティース先端突部と円筒体との間の電線巻回部に電線が巻回される電機子コアにおいて、その電機子コアを周方向でティース毎の複数のコアピースに縦割り分割し、コアピースを、電機子コアの軸方向で複数のコア構成体に分割しかつその分割位置をコアピース同士の間で異ならせ、同じコアピースに含まれる複数のコア構成体の間で電線巻回部を同一形状にして円筒体の軸方向と平行に並べると共に、隣り合ったコア構成体の間で電線巻回部の側面からのティース先端突部の張り出し量を異ならせたところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明に係るモータは、請求項1乃至8の何れかに記載の電機子コアをステータに備えると共に、回転軸と平行に延びた複数のセグメント磁石をロータに備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、各ティースにおける電線巻回部が円筒体の軸方向と平行に延び、ティースのうちティース先端突部を含む先端部のみが、コアブロックの接合部分を境界にして円筒体の周方向において段付状にずれて、所謂、段スキューが形成される。そして、この段スキューにより、コギングトルクの低減を図ることができる。即ち、この電機子コアを備えたモータを駆動した際に、界磁の各磁極が、各ティースのうち一のコアブロック側を横切るタイミングと、他方のコアブロック側を横切るタイミングとがずれ、界磁の各磁極と各ティースとの間に作用する磁力の変動が緩和され、コギングトルクが抑えられる。しかも、本発明の電機子コアは、ティースの先端部のみを一と他のコアブロックの間で異ならせたので、コアブロック同士の間で電線巻回部を一直線上に並べるようにして容易に位置合わせ作業を行うことができ、従来に比べて容易に製造することができる。また、電線巻回部が円筒体の軸方向と平行に真っ直ぐ延びているので、電線巻回部にスキュー又は段スキューを設けたものに比べて電線を容易に巻回することができる。
【0015】
具体的には、請求項2の電機子コアのように、ティース先端突部を、ティースの両側面に異なった張り出し量にして設けると共に、一と他のコアブロックの間で、各ティースにおける大小のティース先端突部の配置を逆にして段スキューを形成すればよい。この場合、請求項3の構成のように、張り出し量が比較的大きな一方のティース先端突部が、円筒体の周方向で隣り合ったティース間の中心を超えて突出した構造にすることが好ましい。
【0016】
また、各コアブロックを1枚の鋼板で構成してもよいし、請求項4のように、複数の鋼板を積層して各コアブロックを構成してもよい。複数の鋼板で電機子コアのコアブロックを構成すれば、電機子コア全体で、鋼板の形状の種類を少なくすることができる。さらに、請求項5のように、一のコアブロックを構成する鋼板と同一形状の鋼板を、表裏逆に積層して他のコアブロックを構成すれば、鋼板の形状の種類をより一層少なくすることができる。
【0017】
請求項6の構成によれば、各コアブロックを構成する鋼板同士を位置決めするための係止突起が各コアブロックの一端から突出した状態になる。そして、一と他の両コアブロックの間に中継用鋼板を挟み、それら両コアブロックの係止突起を中継用鋼板の位置決貫通孔に共通して凹凸係合させることで、コアブロック同士を正確に位置決めすることができる。
【0018】
請求項7の構成のように、電機子コアを周方向でティース毎の複数のコアピースに縦割り分割すれば、各ティースの電線巻回部に電線を容易に巻回することが可能になる。
【0019】
また、請求項8の電機子コアのように、各コアピースを複数のコア構成体に分割しかつコアピース同士の間で複数のコア構成体への分割位置を異ならせて、コアピース毎に段スキューにおける段差部分の配置を異ならせてもよい。
【0020】
なお、本発明に係る電機子コアを、請求項9のモータのようにステータ側に設けてもよいし、本発明に係る電機子コアをロータ側に設けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る電機子コア20をモータのステータ側に備えた一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の電機子コア20は、円筒体21の内周面から径方向内側に向けて複数のティース22を張り出した構造になっている。図2に示すようにティース22の先端部からは、両側方に向けて1対のティース先端突部23A,23Bが張り出され、それらティース先端突部23A,23Bを含む幅広先端部24と円筒体21との間が電線巻回部25になっている。
【0022】
電線巻回部25は、円筒体21の径方向に沿って均一の幅をなして延びている。そして、全ての電線巻回部25の幅方向の中心線CL1が、円筒体21の中心で交差するように配置されている。また、電機子コア20の軸方向においても、電線巻回部25は均一な幅をなして、その電機子コア20の軸方向と平行に延びている。そして、この電線巻回部25に電線が巻回されて電磁コイル11が構成される。
【0023】
図4に示すように各ティース22の1対のティース先端突部23A,23Bは、共に電線巻回部25の側面25S,25Sから立ち上がって先細りになった略三角形をなしている。そして、これらティース先端突部23A,23Bは、電線巻回部25を挟んで左右非対称に張り出している。具体的には、図3に示すように一方のティース先端突部23A(以下、適宜、「大側のティース先端突部23A」という)が電線巻回部25の側面25Sから張り出した量L1は、他方のティース先端突部23B(以下、適宜、「小側のティース先端突部23B」という)が電線巻回部25の側面25Sから張り出した量L2に対して約2倍の大きさになっている。また、大側のティース先端突部23Aの頂点は、隣り合ったティース22同士の中心線CL2に対して、例えば電磁コイル11を構成する電線の約半径分以内の距離に収まる位置まで接近している。
【0024】
両ティース先端突部23A,23Bの円筒体21側を向いた後面は、電線巻回部25の両側面25S,25Sにおける左右対称な位置(図3の点P参照)から立ち上がっている。また、両ティース先端突部23A,23Bの後面は、それらティース先端突部23A,23Bの先端に向かうに従って円筒体21から離れるように傾斜している。
【0025】
一方、両ティース先端突部23A,23Bの円筒体21と反対側を向いた面は、円筒体21と同心円上に位置しており、ティース22の全体の先端面が、円筒体21と同心の円弧面になっている。
【0026】
さて、電機子コア20は、図1に示すように軸方向に複数の鋼板30(具体的には、珪素鋼板)を積層してなる。また、電機子コア20の軸方向の中心位置には中継用鋼板40が挟まれており、その中継用鋼板40を境にして、電機子コア20が1対のコアブロック27,27に横割り分割されている。そして、図4に示すように各ティース22における大小のティース先端突部23A,23Bの配置が、中継用鋼板40を境にして(即ち、一方と他方のコアブロック27,27の間で)、逆転している。これにより、図2に示すように、円筒体21を一端側から見ると、全てのティース22の一端側においては、時計回りの進行方向を向いた電線巻回部25の一方の側面25Sから小側のティース先端突部23Bが張り出され、時計回りの進行方向と反対側を向いた電線巻回部25の他方の側面25Sから、大側のティース先端突部23Aが張り出されており、全てのティース22の奥側に位置した側(他端側)においては、逆に、時計回りの進行方向を向いた電線巻回部25の一方の側面25Sから大側のティース先端突部23Aが張り出され、時計回りの進行方向と反対側を向いた電線巻回部25の他方の側面25Sから小側のティース先端突部23Bが張り出されている。
【0027】
電機子コア20は、電線巻回部25への電線巻回作業を考慮して、前記ティース22毎に周方向で複数のコアピース28に縦割り分割されている。具体的には、隣り合ったティース22,22の中心でコアピース28が縦割り分割されている。これにより、両コアブロック27,27も周方向でそれぞれ複数のコア構成体29,29に縦割り分割されている。また、鋼板30及び中継用鋼板40もコアピース28毎に分割されている。
【0028】
図5には、コアピース28に対応して分割された状態の鋼板30が示されている。また、図6には、コアピース28に対応して分割された状態の中継用鋼板40が示されている。電機子コア20は、これら鋼板30と中継用鋼板40との2種類の鋼板部品のみからなる。鋼板30は、図5に示すように、ティース構成部33の一端から円筒体構成部34を両側方に張り出した構造をなしている。また、ティース構成部33の他端には、ティース先端突部23A,23Bに相当する先端構成部38A,38Bが形成されている。そして、ティース構成部33と円筒体構成部34とが交差した部分と、ティース構成部33の先端部とに、それぞれ係止凹所35,35が形成されている。各係止凹所35は、例えば鋼板30の一部を押圧して陥没形成されている。そして、係止凹所35の裏側で鋼板30の一部がエンボス状に突出して係止突起36が形成されている。
【0029】
一方、中継用鋼板40は、図5と図6とに対比して示すように、鋼板30のうち小側のティース先端突部23Bに相当する先端構成部38Bと同一形状の中継用鋼板先端構成部38Cが、ティース構成部33の先端部の両側面から張り出した形状になっている。そして、鋼板30の係止凹所35及び係止突起36に対応した部分に、係止凹所35と同じ内径を有した位置決貫通孔41が貫通形成されている。
【0030】
なお、鋼板30及び中継用鋼板40には、共に、円筒体構成部34にピン孔37が貫通形成され、このピン孔37により、電機子コア20に組み付けられる部品が位置決め可能になっている。
【0031】
図7に示すように、複数の鋼板30は積層されると、一の鋼板30の係止突起36が、他の鋼板30の係止凹所35に押し込まれ、これにより複数の鋼板30が積層された状態に保持される。そして、所定複数の鋼板30が積層されると、コア構成体29が構成される。また、このように形成したコア構成体29を対にして、それら1対のコア構成体29,29における係止突起36が突出した側の端面同士を対向させかつ間に中継用鋼板40を配置して接合するとコアピース28(図4参照)が完成する。このとき、両コア構成体29,29の係止突起36,36は、中継用鋼板40の位置決貫通孔41内に共通して凹凸係合して、コア構成体29,29同士が正確に位置決めされる。また、係止突起36,36と位置決貫通孔41との摩擦係合によってコアブロック27,27同士が接合した状態に保持される。さらに、両コア構成体29,29の端面は中継用鋼板40の表裏の両面に面当接し、鋼板30同士の間の積層部分と同様に、両コア構成体29,29の接合が安定する。
【0032】
次いで、図3に示すように各コアピース28に対し、ティース22の両側部に絶縁部材12を敷設して電線を巻回し、電磁コイル11を形成する。そして、複数のコアピース28を同一円状に並べて合体すると電機子コア20が完成する。また、電機子コア20を図示しない円筒ケース内に嵌合固定することでステータが完成する。さらに、外周面に複数のセグメント磁石51を固着して備えたロータ50を電機子コア20の内側に挿入して回転可能に軸支することでモータ10が完成する。なお、セグメント磁石51はロータ50の回転軸方向と平行に延びている。
【0033】
上記した本実施形態の電機子コア20によれば、各ティース22における電線巻回部25が円筒体21の軸方向と平行に延び、ティース先端突部23A,23Bを含むティース22の幅広先端部24のみが、コアブロック27,27の接合部分を境界にして円筒体21の周方向において段付状にずれて、所謂、段スキューが形成される。そして、この段スキューにより、コギングトルクの低減を図ることができる。即ち、モータ10を駆動した際に、各セグメント磁石51(即ち、界磁の磁極)が、各ティース22における一方のコアブロック27側を横切るタイミングと、他方のコアブロック27側を横切るタイミングとがずれて、各セグメント磁石51と各ティース22の間に作用する磁力の変動が緩和され、コギングトルクが抑えられる。
【0034】
しかも、本実施形態の電機子コア20は、ティース22のうち先端部のみを両コアブロック27,27の間で異ならせたので、コアブロック27,27同士の間で電線巻回部25を一直線上に並べるようにして容易に位置合わせ作業を行うことができ、従来に比べて容易に製造することができる。また、電線巻回部25が円筒体21の軸方向と平行に真っ直ぐ延びているので、電線巻回部25にスキュー又は段スキューを設けたものに比べて電線を容易に巻回することができる。さらに、コアピース28,28同士の間の縦割り分割面は、円筒体21の軸方向と平行に延びてスキュー構造になっていないので、コアピース28,28同士の接合も容易である。その上、本実施形態では、同一形状の鋼板30を表裏逆に積層して、ティース先端突部23A,23Bの配置が異なる2種類のコアブロック27,27を形成したので、鋼板30の形状の種類を少なくすることができる。
【0035】
[第2実施形態]
前記第1実施形態の電機子コア20は、図8(A)に示すように同一形状のコアピース28を複数備えた構成になっていたが、本実施形態の電機子コア20Xは、図8(B)に示すように、2種類のタイプのコアピース28A,28Bを周方向に交互に配置して備えた構成になっている。その第1タイプのコアピース28Aは、前記第1実施形態におけるコアピース28と同様に、大小のティース先端突部23A,23Bの配置が逆転した2種類のコア構成体29A,29Bを長手方向の中央で接合した構造になっている。これに対し、第2タイプのコアピース28Bは、一方の種類のコア構成体29Aを2分割し、それら2分割した一方の種類のコア構成体29Aの間に、他方の種類のコア構成体29Bを挟んだ構造になっている。これにより、交互に配置された2つのタイプのコアピース28A,28Bの間で、段スキューの段差部分が異なった配置になっている。その他の構成に関しては、第1実施形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
なお、前記した第1の実施形態では、2つのコア構成体に同一の符号「29」を付したが、本実施形態では説明の便宜上1対のコア構成体を異なる符号「29A」,「29B」を付した。
【0036】
本実施形態のように、コアピース28A,28B同士の間でコア構成体29への分割位置を異ならせて、各コアピース28A,28B毎に段スキューによる段差部分の配置を異ならせても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0038】
(1)前記第1及び第2の実施形態では、本発明に係る電機子コア(電機子コア20)がモータのステータ側に配置されていたが、本発明に係る電機子コアをロータ側に配置してもよい。
【0039】
(2)前記第1及び第2の実施形態では、各コアブロック27が複数の鋼板30で構成されていたが、1枚の鋼板を本発明に係る「コアブロック」とし、それら各1枚の鋼板毎にティース先端突部の張り出し量を異ならせてもよい。ただし、前記第1及び第2の実施形態のように、複数の鋼板30で両コアブロック27を構成すれば、電機子コア20全体で鋼板30の形状の種類を少なくすることができる。
【0040】
(3)前記第1及び第2の実施形態では、コアブロック27が鋼板を積層して構成されていたが、例えば、ボンド磁石や焼結材で各コアブロックを形成してもよい。
【0041】
(4)前記第1実施形態では、ティース22のティース先端突部23A,23Bが、隣り合ったティース22,22同士の間の中心線CL2を超えて張り出すことはなかったが(図3参照)、図9に示すように大側のティース先端突部23Aが、隣り合ったティース22,22同士の間の中心線CL2を超えて張り出した構成にしてもよい。
【0042】
(5)前記第2の実施形態では、大小のティース先端突部23A,23Bの配置が逆転した2種類のコア構成体29A,29Bで構成されていたが、コア構成体を3種類以上設けた構成にしてもよい。具体的には、図5に示した鋼板30とは先端構成部38A,38Bの張り出し量が異なる別の形状の鋼板を打ち抜き形成しかつ、その鋼板で大小のティース先端突部の配置が逆転した2種類のコア構成体29C,29Dを追加することで、図10に示すように合計4種類のコア構成体29A,29B,29C,29Dを設けてもよい。これにより、同図に示すように4段の段スキューを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電機子コアの斜視図
【図2】電機子コアの平面図
【図3】電機子コアの一部を拡大した平面図
【図4】コアピースの斜視図
【図5】(A)鋼板の平面図、(B)鋼板の側断面図
【図6】(A)中継用鋼板の平面図、(B)中継用鋼板の側断面図
【図7】鋼板及び中継用鋼板を積層した状態の側断面図
【図8】(A)第1実施形態の電機子コアの概念図、(B)第2実施形態の電機子コアの概念図
【図9】変形例の電機子コアの一部を拡大した平面図
【図10】変形例の電機子コアの概念図
【符号の説明】
【0044】
10 モータ
20,20X 電機子コア
21 円筒体
22 ティース
23A,23B ティース先端突部
25 電線巻回部
25S 側面
27 コアブロック
28,28A,28B コアピース
29,29A,29B コア構成体
30 鋼板
35 係止凹所
36 係止突起
40 中継用鋼板
41 位置決貫通孔
50 ロータ
51 セグメント磁石




 

 


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