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発明の名称 回転機及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−53870(P2007−53870A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−238342(P2005−238342)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
代理人 【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
発明者 山川 知也 / 柴田 由之
要約 課題
全ての隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合した状態にしてロータに固定することが可能な回転機及びその製造方法を提供する。

解決手段
本発明によれば、複数のセグメント磁石21をロータ13の軸方向に略平行にして配置してから、隣り合ったセグメント磁石21の側面21C同士が接合するまで各セグメント磁石21を旋回させる。これにより、異なるロット間のセグメント磁石21の平均幅寸法のばらつきを、セグメント磁石21の旋回角度を変更することで吸収することができる。このように、本発明によれば、異なるロット間のセグメント磁石21の平均幅寸法のばらつきに拘わらず、全ての隣り合ったセグメント磁石21の側面21C同士を接合した状態にして、ロータ13に固定することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ロータの外周面に複数のセグメント磁石を備えた回転機の製造方法において、
前記複数のセグメント磁石を、前記ロータの軸方向に対して略平行にし、かつ隣り合った前記セグメント磁石の間に空間を空けて、前記ロータの外周面に均等配置する磁石配置工程と、
隣り合った前記セグメント磁石の側面同士が接合するまで前記セグメント磁石を旋回させ、前記ロータの軸方向に対して傾斜させた状態にして固定する磁石旋回工程とを行うことを特徴とする回転機の製造方法。
【請求項2】
前記複数のセグメント磁石を、前記ロータの軸方向と直交した方向から見て略平行四辺形になるように形成しておき、前記磁石旋回工程にて、前記セグメント磁石の端面同士を面一にすることを特徴とする請求項1に記載の回転機の製造方法。
【請求項3】
前記磁石旋回工程では、前記セグメント磁石のうち前記略平行四辺形の対角線の交点を中心にして前記セグメント磁石を旋回することを特徴とする請求項2に記載の回転機の製造方法。
【請求項4】
前記ロータの回転位置を位置決め制御可能なロータ回転位置決治具と、前記セグメント磁石を幅方向で把持してその幅方向の中心だしを行うことが可能な磁石把持治具とを用意し、前記セグメント磁石或いは前記ロータの少なくとも一方に接着剤を塗布しておき、
前記磁石配置工程では、前記ロータ回転位置決治具により前記ロータを間欠的に回転して、前記ロータの外周面を均等分した複数の磁石取付位置を、前記ロータ回転位置決治具に設定された基準位置に順次位置決めすると共に、それら各磁石取付位置が前記基準位置に順次位置決めされる度に、前記磁石把持治具が把持した前記セグメント磁石の幅方向の中心を前記基準位置に位置決めして、そのセグメント磁石を前記ロータに取り付けることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の回転機の製造方法。
【請求項5】
ロータの外周面に備えた複数のセグメント磁石を、前記ロータの軸方向に対して傾斜させたことを特徴とする回転機。
【請求項6】
隣り合った前記セグメント磁石の側面同士を接合したことを特徴とする請求項5に記載の回転機。
【請求項7】
前記複数のセグメント磁石を、前記ロータの軸方向と直交した方向から見て略平行四辺形になるように形成し、それら複数のセグメント磁石の端面同士を面一にしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の回転機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータの外周面に複数のセグメント磁石を備えた回転機及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の回転機として、ロータの軸方向と平行に延びた複数のセグメント磁石をロータの周方向に間隔を空けて取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、従来は、回転機組付装置に備えたチャックによりセグメント磁石を幅方向で把持し、セグメント磁石の幅方向の中心を、ロータを周方向で均等分した位置に位置決めして、そのセグメント磁石をロータの外周面に固着していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−136886号公報(段落[0005]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の製造方法でモータを製造する場合には、セグメント磁石を幅方向で把持するチャックと、隣のセグメント磁石との干渉を避けるために、隣り合ったセグメント磁石同士の間の空間は不可欠であった。一方、モータとしての回転機の出力トルクを大きくするため、或いは、発電機としての回転機の発電効率を上げるためには、隣り合ったセグメント磁石同士を接合することが好ましい。
【0004】
そこで、例えば、チャックによるセグメント磁石の把持方向を幅方向から長手方向に変更して、隣り合ったセグメント磁石同士を接合する方法が考えられる。しかしながら、従来の回転機のセグメント磁石を単に幅広にして隣り合ったセグメント磁石同士を接合した場合には、以下の問題が生じていた。
【0005】
即ち、一般に、セグメント磁石はロット生産され、ロータ毎の複数のセグメント磁石は、同一ロットのセグメント磁石が用いられている。ここで、同一ロットのセグメント磁石の間では、それらセグメント磁石の幅寸法のばらつきは比較的小さいが、異なるロットの間では、各ロットにおけるセグメント磁石の平均幅寸法が比較的大きくばらついていた。このため、平均幅寸法が比較的大きなロットのセグメント磁石をロータに組み付けた場合には、それらセグメント磁石を接合してなる円筒体の内径がロータの外径より大きくなり、セグメント磁石がロータの外周面から浮き上がって固定できない事態が生じ得る。一方、平均幅寸法が比較的小さなロットのセグメント磁石をロータに組み付けた場合には、それらセグメント磁石を接合してなる円筒体の内径がロータの外径より小さくなり、ロータの外周面上で全てのセグメント磁石を接合することができず、その結果、隣り合ったセグメント磁石同士が接合された部分と、接合されなかった部分とが生じた。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、全ての隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合した状態にしてロータに固定することが可能な回転機及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る回転機の製造方法は、ロータの外周面に複数のセグメント磁石を備えた回転機の製造方法において、複数のセグメント磁石を、ロータの軸方向に対して略平行にしかつ隣り合ったセグメント磁石の間に空間を空けて、ロータの外周面に均等配置する磁石配置工程と、隣り合ったセグメント磁石の側面同士が接合するまでセグメント磁石を旋回させ、ロータの軸方向に対して傾斜させた状態にして固定する磁石旋回工程とを行うところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の回転機の製造方法において、複数のセグメント磁石を、ロータの軸方向と直交した方向から見て略平行四辺形になるように形成しておき、磁石旋回工程にて、セグメント磁石の端面同士を面一にするところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の回転機の製造方法において、磁石旋回工程では、セグメント磁石のうち略平行四辺形の対角線の交点を中心にしてセグメント磁石を旋回するところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の回転機の製造方法において、ロータの回転位置を位置決め制御可能なロータ回転位置決治具と、セグメント磁石を幅方向で把持してその幅方向の中心だしを行うことが可能な磁石把持治具とを用意し、セグメント磁石或いはロータの少なくとも一方に接着剤を塗布しておき、磁石配置工程では、ロータ回転位置決治具によりロータを間欠的に回転して、ロータの外周面を均等分した複数の磁石取付位置を、ロータ回転位置決治具に設定された基準位置に順次位置決めすると共に、それら各磁石取付位置が基準位置に順次位置決めされる度に、磁石把持治具が把持したセグメント磁石の幅方向の中心を基準位置に位置決めして、そのセグメント磁石をロータに取り付けるところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明に係る回転機は、ロータの外周面に備えた複数のセグメント磁石を、ロータの軸方向に対して傾斜させたところに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明に係る回転機は、請求項5に記載の回転機において、隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合したところに特徴を有する。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の回転機において、複数のセグメント磁石を、ロータの軸方向と直交した方向から見て略平行四辺形になるように形成し、それら複数のセグメント磁石の端面同士を面一にしたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る回転機の製造方法では、磁石配置工程において、複数のセグメント磁石を、ロータの軸方向に対して略平行にしてロータの外周面に均等配置する。このとき、隣り合ったセグメント磁石の間に空間を空けるので、平均幅寸法が比較的大きなロットのセグメント磁石を使用している場合にも、それら各セグメント磁石同士の干渉を避けることができる。また、磁石旋回工程において、隣り合ったセグメント磁石の側面同士が接合するまで、各セグメント磁石を旋回させる。ここで、平均幅寸法が比較的小さなロットのセグメント磁石を使用している場合には、各セグメント磁石を比較的大きく旋回させて、全ての隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合することができる。一方、平均幅寸法が比較的大きなロットのセグメント磁石を使用している場合には、各セグメント磁石を比較的小さく旋回させて、全ての隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合することができる。
【0015】
即ち、本発明によれば、異なるロット間のセグメント磁石の平均幅寸法のばらつきを、セグメント磁石の旋回角度を変更することで吸収することができ、全ての隣り合ったセグメント磁石の側面同士を接合した状態にしてロータに固定することが可能になる。また、同一ロットのセグメント磁石同士がロータの外周面上で全て接合されることで、セグメント磁石同士が互いに位置決めし合い、複数のセグメント磁石をロータを周方向で均等配分した位置に固定することができる。
【0016】
ここで、複数のセグメント磁石を略平行四辺形に形成しておけば、セグメント磁石を旋回させてから、それらセグメント磁石の端面同士を面一にすることができる(請求項2の発明)。また、セグメント磁石の端面同士を面一にすれば、それらセグメント磁石からなる円筒体が両端部まで有効に利用され、回転機の出力トルク、電力生成効率等が向上する(請求項7の発明)。さらに、請求項3に係る回転機の製造方法では、磁石旋回工程において、セグメント磁石のうち略平行四辺形の対角線の交点を中心にしてセグメント磁石を旋回するので、セグメント磁石がロータの外周面に均等配置された状態を確実に保持して、セグメント磁石の側面同士を接合することができる。
【0017】
また、本発明に係る回転機の製造方法では、磁石配置工程において、隣り合ったセグメント磁石の間に空間を空けてロータの外周面に配置するので、その磁石配置工程を行うために、セグメント磁石を幅方向で把持してその幅方向の中心だしを行うことが可能な磁石把持治具を利用することができる。そして、請求項4の回転機の製造方法では、その磁石把持治具と、ロータの回転位置を位置決め制御可能なロータ回転位置決治具とを用意しておき、ロータ回転位置決治具によりロータを間欠的に回転して、ロータの外周面を均等分した複数の磁石取付位置に、磁石把持治具が把持したセグメント磁石の幅方向の中心を位置決めして取り付けることができる。これにより、磁石配置工程を手作業で行う場合に比べて、正確にセグメント磁石をロータの外周面に均等配置することができる。
【0018】
なお、上記した請求項1〜4の回転機の製造方法を行った結果、請求項5の回転機のように、ロータの外周面に備えた複数のセグメント磁石が、ロータの軸方向に対して傾斜した構成になり、スキューの効果を得ることができる。また、上記した請求項1〜4の回転機の製造方法を行った結果、請求項6の回転機のように、隣り合ったセグメント磁石の側面同士が接合し、回転機の出力トルクが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態のモータ10(本発明の「回転機」に相当する)は、例えばブラシレスモータであって、円筒ケース11の内部にステータ12を備え、そのステータ12の内側にロータ13を回転可能に備えている。ステータ12は、ステータコア14と複数のコイル15とから構成されている。ステータコア14の内面からは、複数のティース16が内側に向かって突出しており、それら各ティース16の先端部は、鳩尾状に広がっている。そして、各ティース16に電線を巻回してコイル15が構成され、各コイル15の一部が隣り合ったティース16,16の間のスロット17に収容されている。
【0020】
図2に示すようにロータ13は、円筒状をなして、外周面13Aに複数のセグメント磁石21を固着して備えている。これら複数のセグメント磁石21は、ロータ13の軸方向CL1と直交する方向から見ると略平行四辺形になっており、設計上、全てのセグメント磁石21が同一形状かつ同一寸法になっている。そして、全ての隣り合ったセグメント磁石21,21の側面21C,21C同士が面当接して接合されると共に、セグメント磁石21の端面21D同士が面一になって、これら複数のセグメント磁石21全体で円筒体22が構成されている。そして、その円筒体22は、設計上は、ロータ13の外側を囲みかつそのロータ13の外周面13Aとの間に接着剤用のクリアランスを介在させた大きさになっている。
【0021】
本実施形態に係るモータ10の構成は以上である。次に、モータ10の製造方法について説明する。まず、セグメント磁石21をロット生産する。具体的には、磁性粉体を複数のセグメント磁石21分の成形部を有した成形型に充填し、加圧した状態で加熱して焼結させる。この焼結の際に、その成形型全体に磁束を貫通させて磁性粉体を焼結する。これにより、肉厚方向に配向されたセグメント磁石21が焼結される。そして、これらセグメント磁石21を成形型から取りだして治具に固定して、それらセグメント磁石21の側面21Cを、例えばNC研削装置(又は、NC切削装置)で研削(又は切削)して、設計上の寸法公差に収まるようにする。そして、ロットが切り替わると上記した作業を繰り返す。
【0022】
ここで、ロットが異なると、例えば焼結時の加圧及び加熱温度等が相違して、セグメント磁石21の材料特性(例えば、硬度等)が変化する。また、NC研削装置(又は、NC切削装置)におけるツール部分の摩耗度合が変わり得る。これらにより、セグメント磁石21の幅寸法の寸法公差において、セグメント磁石21の平均幅寸法が上限寄りの値になったロットと、下限寄りの値になったロットとが生じ得る。これに対し、同一ロットの間では、セグメント磁石21の材料特性やNC研削装置におけるツール部分の摩耗度合が略同一であるから、同一ロットのセグメント磁石21同士の幅寸法のばらつきは小さい値に抑えられる。そこで、1つのロータ13に対して同一ロットの複数のセグメント磁石21を揃えて用意する。そして、それらセグメント磁石21の内面21Bに熱硬化性の接着剤を塗布し、次述する磁石配置工程を行う。
【0023】
磁石配置工程では、図3に示した磁石自動配置システム39を用いる。磁石自動配置システム39は、ロータ回転位置決治具40、磁石把持治具51、ワークフィーダー(図示せず)及び制御装置(図示せず)とからなる。ロータ回転位置決治具40は、例えば支持ボディ41に減速機42を固定し、その減速機42の出力回転軸にロータ支持軸43を連結する一方、減速機42の入力軸にサーボモータ44を連結した構造になっている。そして、セグメント磁石21を取り付ける前の状態のロータ13が、ロータ支持軸43の外側に嵌合固定される。また、ロータ回転位置決治具40においては、ロータ支持軸43に固定されたロータ13のうち鉛直方向の最上部の位置が本発明に係る基準位置Pになっている。換言すれば、ロータ支持軸43の回転軸を含む架空の鉛直面とロータ13の外周面13Aにおける上部の交線の位置が本発明に係る基準位置Pになっている。
【0024】
磁石把持治具51は、例えば図示しない産業用ロボットの先端部に組み付けられている。磁石把持治具51は、互いに対向した1対の把持爪52,52を鉛直下方に垂下して備えている。そして、例えば圧縮エアー、ソレノイド、コイルバネ等の何れかを動力源として、これら把持爪52,52を開閉駆動し、セグメント磁石21を把持爪52,52の間に把持することができる。また、磁石把持治具51においては、両把持爪52,52の内面52A,52Aと平行かつそれら内面52A,52Aから同じ距離の鉛直面とセグメント磁石21の内面21Bとの交線の位置が、ツール基準位置Tになっている。
【0025】
図示しないワークフィーダーは、セグメント磁石21を間欠的に搬送して、セグメント磁石21を所定のワーク供給位置に搬送する。ワーク供給位置においては、セグメント磁石21は、その内面21Bが鉛直下方に向けられかつ、一方の端面21Dが図示しない当接基準壁(図示せず)に当接されて長手方向で位置決めされた状態になる。
【0026】
図示しない制御装置には、磁石配置工程用プログラムが記憶されている。磁石配置工程用プログラムが実行されると、ロータ回転位置決治具40が、ロータ支持軸43と共にロータ13を所定角度ずつ間欠的に回転駆動する。その所定角度は、ロータ支持軸43の1回転をセグメント磁石21の数(例えば、14)で均等分した角度に設定されている。これにより、ロータ13の外周面13Aを均等分(14等分)した複数の磁石取付位置が前記した基準位置Pに順次位置決めされる。
【0027】
また、ロータ支持軸43が所定角度だけ回転駆動する間に磁石把持治具51は以下の動作を行う。即ち、磁石把持治具51の産業用ロボットが磁石把持治具51をワークフィーダーのワーク供給位置に移動して、そこで磁石把持治具51によりセグメント磁石21を幅方向で把持する。これにより、セグメント磁石21の幅方向の中心だしが行われる。即ち、磁石把持治具51のうち把持爪52,52の間の中心であるツール基準位置Tにセグメント磁石21の幅方向の中心が位置決めされる。また、ワーク供給位置においては、当接基準壁(図示せず)がセグメント磁石21を長手方向で位置決めしているので、磁石把持治具51は常にセグメント磁石21の長手方向における一定の位置を把持する。
【0028】
磁石把持治具51がセグメント磁石21を把持すると、産業用ロボットが作動してロータ回転位置決治具40における基準位置Pの鉛直上方に磁石把持治具51におけるツール基準位置Tを一致させる。そして、磁石把持治具51を鉛直下方に移動して、セグメント磁石21をロータ13の外周面13Aに固着させる。磁石把持治具51は、この一連の動作を、ロータ13の各磁石取付位置が基準位置Pに順次位置決めされる度に繰り返して行い、全てのセグメント磁石21を、ロータ13の外周面13Aに均等配置する。
【0029】
このように、本実施形態では、磁石配置工程において、隣り合ったセグメント磁石21の間に空間を空けるので、セグメント磁石21を幅方向から把持する磁石把持治具51の使用が可能になると共に、平均幅寸法が比較的大きなロットのセグメント磁石21を使用している場合にも、それら各セグメント磁石21同士の干渉を避けることができる。
【0030】
次いで、前記した磁石自動配置システム39からロータ13を取り外し、本発明に係る磁石旋回工程を行う。この磁石旋回工程では、図4に示した磁石自動旋回システム80を用いる。磁石自動旋回システム80は、磁石締め付けベルト81、1対の押圧リング82A,82B、それら押圧リング82A,82Bを直動するための直動アクチュエータ(図示せず)及びその直動アクチュエータを駆動制御する制御装置(図示せず)とからなる。
【0031】
締め付けベルト81は、例えば可撓性を有する板金で構成され、ロータ13における軸方向の略中央部分において、セグメント磁石21全体を外側から囲むように巻き付けられている。これにより、全てのセグメント磁石21がロータ13の外周面13Aに密着した状態に保持される。
【0032】
押圧リング82A,82Bは、ロータ13の両端部に嵌合されて、セグメント磁石21全体群の両端部に突き合わされている。また、押圧リング82A,82Bの互いの対向面には、各セグメント磁石21に対応させて複数の突起82Cがそれぞれ設けられている。そして、各セグメント磁石21の両端面21D,21Dにおいて、各押圧リング82A,82Bに向かってそれぞれ突出した角部寄りの位置に、各突起82Cが当接している。
【0033】
図示しない直動アクチュエータは、押圧リング82A,82Bを互いに接近させるように押圧する。また、直動アクチュエータは電動式になっており、制御装置は、例えば、直動アクチュエータに流れる駆動電流が所定の値以上になったか否かを判別し、その駆動電流が所定の値以上になるまで、直動アクチュエータにより押圧リング82A,82Bを押圧する。すると、各セグメント磁石21が各押圧リング82A,82Bの突起82C,82Cに押されてモーメント力を受けて旋回する。ここで、各セグメント磁石21は、長手方向に中央部分を締め付けベルト81にて締め付けられているので、その長手方向に中央部分を中心にしかつロータ13の外周面13Aに密着した状態で旋回する。そして、図5に示すように、やがて隣り合ったセグメント磁石21,21の側面21C,21C同士が接合し、複数のセグメント磁石21の端面21D同士が面一になる。
【0034】
ここで、平均幅寸法が比較的小さなロットのセグメント磁石21が使用されている場合には、各セグメント磁石21を比較的大きく旋回させて全ての隣り合ったセグメント磁石21同士を接合することができる。一方、平均幅寸法が比較的大きなロットのセグメント磁石21が使用されている場合には、各セグメント磁石21を比較的小さく旋回させて、全ての隣り合ったセグメント磁石21同士を接合することができる。即ち、本実施形態によれば、異なるロット間のセグメント磁石21の平均幅寸法のばらつきを、セグメント磁石21の旋回角度を変更することで吸収することができ、全ての隣り合ったセグメント磁石21の側面21C同士を接合することが可能になる。
【0035】
なお、仮に、同じロータ13に取り付けられる複数のセグメント磁石21の幅寸法が、異なるロットの間と同様に大きくばらついていたとしても、本実施形態の製造方法によれば、それらセグメント磁石21の側面21C同士を接合させることができる。
【0036】
上述の如く、全ての隣り合ったセグメント磁石21の側面21C同士が接合した状態になると、直動アクチュエータによる押圧抵抗が増して駆動電流が所定の値以上になり、制御装置が直動アクチュエータを停止する。次いで、この状態でロータ13全体に例えば熱風を吹き付けて熱硬化性の接着剤を硬化させ、セグメント磁石21をロータ13に固定する。
【0037】
次いで、ロータ13を磁石自動旋回システム80から取り外し、各セグメント磁石21の外面21Aに図示しない電磁コイルを宛がってロータ13の径方向を向いた磁束を付与し、一つおきにセグメント磁石21のNS極の極性が反転するように着磁させる。これにより、ロータ13が完成し、このロータ13を、予め作製しておいたステータ12の内側に回転可能に組み付けてモータ10が完成する。
【0038】
このように本実施形態に係るモータ10の製造方法によれば、異なるロット間のセグメント磁石21の平均幅寸法のばらつきに拘わらず、全ての隣り合ったセグメント磁石21の側面21C同士が接合した状態にしてロータ13に固定することができる。また、同一ロットのセグメント磁石21同士がロータ13の外周面13A上で全て接合されることで、セグメント磁石21同士が互いに位置決めし合い、複数のセグメント磁石21をロータ13を周方向で均等配分した位置に固定することができる。これらにより、モータ10の出力向上が図られると共に、コギングトルク、トルクリップルが改善される。
【0039】
また、複数のセグメント磁石21を略平行四辺形に形成しておいたので、磁石旋回工程においてセグメント磁石21を旋回させてから、それらセグメント磁石21の端面21D同士を面一にすることができる。さらに、セグメント磁石21の端面21D同士を面一にしたことで、それらセグメント磁石21からなる円筒体22が両端部まで有効に利用されて、モータ10の出力トルクが向上する。また、複数のセグメント磁石21が、ロータ13の軸方向に対して傾斜させてあるので、スキューの効果も得ることができる。
【0040】
[第2実施形態]
本実施形態では、図6に示すように前記第1実施形態とは異なる磁石自動旋回システム80Xを用いてセグメント磁石21をロータ13に取りつけている。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、前記第1実施形態と同一部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0041】
本実施形態の磁石自動旋回システム80Xは、ロータ13を位置決めするためのロータ固定治具84と、各セグメント磁石21をロータ13の外周面13A上に位置決めするための複数の突き当てピン83とを備えている。ロータ固定治具84は、ロータ13の内側に嵌合され、かつ、ロータ固定治具84の外面から突出した突部84Aをロータ13の端面に当接させて、ロータ13を心出ししかつ長手方向で位置決めして保持している。突き当てピン83は、ロータ13の軸方向と直交する平面内に配置され、ロータ13を中心にして放射状に延びかつ、ロータ13側の先端部が尖っている。そして、これら突き当てピン83がロータ13の径方向で直動し、各セグメント磁石21における略平行四辺形の対角線の交点である基準点P1に突き当てられている。これにより、セグメント磁石21の各基準点P1を、ロータ13に対して位置決めしている。
【0042】
本実施形態の構成によれば、押圧リング82A,82Bを互いに接近させるように近づけたときに、各セグメント磁石21の基準点P1がロータ13に対して移動不能に保持されたまま、各セグメント磁石21を旋回することができる。即ち、複数のセグメント磁石21がロータ13に対して均等配置された状態を確実に保持して、隣り合ったセグメント磁石21,21の側面21C,21C同士を接合することができる。
【0043】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0044】
(1)前記各実施形態では、回転機の一例としてモータを例示したが、発電機としての回転機に本発明を適用してもよい。
【0045】
(2)前記各実施形態では、セグメント磁石21を、ロータ13の外周面13Aを真横から見て略平行四辺形状に形成したが、略矩形状に形成してもよい。
【0046】
(3)モータの回転特性(コギングトルク、トルクリップル)を向上させるには、セグメント磁石21のうちロータ13の周方向における中心の肉厚を最も厚くして、両側方に向かって肉厚が徐々に薄くなるようにすることが好ましい。具体的には、図7(A)に示すように、セグメント磁石21のうちロータ13の周方向において、互いに最も離れた角部同士の間(図7(A)に示したWの範囲)の中心を通りかつロータ13の軸方向を向いた線を周方向中心線CL2とすると、モータの回転特性を向上させるには、図7(B)に示すように、セグメント磁石21のうち周方向中心線CL2に沿った部分の肉厚が最も厚くなり、周方向中心線CL2からロータ13の周方向に離れるに従って、セグメント磁石21の肉厚が徐々に薄くなるように構成することが好ましい。なお、上記周方向中心線CL2は、セグメント磁石21における略平行四辺形の対角線の交点である基準点P1を通過しかつ、ロータ13の軸方向と平行な線として特定することもできる。
【0047】
(4)また、セグメント磁石21の肉厚を徐々に変更する代わりに、セグメント磁石21の磁束密度が周方向中心線CL2からロータ13の周方向に離れるに従って徐々に小さくなるように着磁してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係るモータの断面図
【図2】ロータの斜視図
【図3】ロータ回転位置決治具と磁石把持治具との一部を示した斜視図
【図4】磁石旋回工程におけるセグメント磁石及びロータの側面図
【図5】磁石旋回工程後のセグメント磁石及びロータの側面図
【図6】第2実施形態の磁石旋回工程におけるセグメント磁石及びロータの側面図
【図7】(A)変形例のセグメント磁石の側面図、(B)そのセグメント磁石の斜視図
【符号の説明】
【0049】
10 モータ(回転機)
13 ロータ
21 セグメント磁石
21C,21C 側面
39 磁石自動配置システム
40 ロータ回転位置決治具
51 磁石把持治具
82A,82B 押圧リング




 

 


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