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発明の名称 電機子コア及びモータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37317(P2007−37317A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−218301(P2005−218301)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
発明者 小野▲崎▼ 徹
要約 課題
モータの出力トルクの低下を抑えつつ、コギングトルクを従来よりも低減することが可能な電機子コア及びモータの提供を目的とする。

解決手段
本発明によれば、円筒形ヨーク11のうち隣り合ったティース12,12の間を連絡するティース間連絡部11Tの全てに、円筒形ヨーク11の周方向と交差した空隙部40を形成し、モータMのセグメント磁石35による磁束はそれら空隙部40を貫通しないので、これら空隙部40によってセグメント磁石35とティース12との間の吸引力が小さくなり、コギングトルクが低減される。そして、モータMの振動、騒音等の低減が図られる。一方、電磁コイル50の励磁による磁束は、それら空隙部40を貫通するのでモータMの出力トルクの低下は抑えられる。
特許請求の範囲
【請求項1】
円筒ヨークから複数のティースを径方向に起立した構造をなし、前記ティースに電磁コイルが巻回されてモータにおける電機子の一部を構成する電機子コアであって、
前記円筒形ヨークのうち隣り合った前記ティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに、前記円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、
前記空隙部は、前記電磁コイルの励磁による磁束が貫通可能でありかつ前記モータの界磁による磁束が貫通不可能な大きさに設定されたことを特徴とする電機子コア。
【請求項2】
円筒ヨークから複数のティースを径方向に起立した構造をなし、前記ティースに電磁コイルが巻回されてモータにおける電機子の一部を構成する電機子コアであって、
前記円筒形ヨークのうち隣り合った前記ティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに前記円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、前記空隙部の幅を0.05〜0.3[mm]としたことを特徴とする電機子コア。
【請求項3】
前記ティース間連絡部のうち前記空隙部を含む縦割り断面の面積における前記空隙部の占有率を0.67〜0.74としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電機子コア。
【請求項4】
前記空隙部は、前記円筒形ヨークの周面に開放しかつ前記円筒形ヨークの径方向の途中部分まで延びた形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コア。
【請求項5】
前記空隙部は、前記円筒形ヨークの周面に開放した開放端から奥部に向かうに従って徐々に幅狭となったV字形状をなし、前記開放端における幅が0.05〜0.3[mm]であることを特徴とする請求項4に記載の電機子コア。
【請求項6】
前記空隙部は、前記ティース間連絡部を軸方向に貫通した縦孔であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コア。
【請求項7】
前記電機子コアは、複数の鋼板を積層してなり、
前記空隙部は、前記鋼板の表裏の一方の面に陥没形成されて溝形構造をなしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コア。
【請求項8】
前記電機子コアは、周方向で前記ティースと同数の複数のコア構成体に分割可能とされ、その分割面に前記空隙部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電機子コア。
【請求項9】
前記請求項1乃至8の何れかに記載の電機子コアを備えたことを特徴とするモータ。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒ヨークから複数のティースを径方向に起立して備えた電機子コア及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
図12に示した従来のモータは、円筒ヨーク2の内周面から複数のティース3を起立して備えた電機子コア1を有している。電機子コア1の内側には界磁4が備えられ、各ティース3に巻回された図示しない電磁コイルを励磁すると界磁4が回転する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−61273号公報(段落[0012][0013][図1])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したモータは、界磁4を構成する永久磁石とティース3との間の吸引力が原因になってコギングトルクが発生する。このコギングトルクは、振動、騒音の原因になるので小さな値にすることが好ましい。そして、従来は、コギングトルクを低減させるために、例えば界磁4とティース3との間のエアギャップ5を大きくすることがあった。しかしながら、エアギャップ5を大きくすると、これに伴ってモータの出力トルクが小さくなるという問題が生じていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、モータの出力トルクの低下を抑えつつ、コギングトルクを従来より低減することが可能な電機子コア及びモータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る電機子コアは、円筒ヨークから複数のティースを径方向に起立した構造をなし、ティースに電磁コイルが巻回されてモータにおける電機子の一部を構成する電機子コアであって、円筒形ヨークのうち隣り合ったティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに、円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、空隙部は、電磁コイルの励磁による磁束が貫通可能でありかつモータの界磁による磁束が貫通不可能な大きさに設定されたところに特徴を有する。
【0006】
なお、本発明に係る電機子コアは、モータのステータ側に配置されて円筒形ヨークの内周面から複数のティースが突出した構造であってもよいし、モータのロータ側に配置されて円筒形ヨークの外周面から複数のティースが突出した構造であってもよい。
【0007】
請求項2の発明に係る電機子コアは、円筒ヨークから複数のティースを径方向に起立した構造をなし、ティースに電磁コイルが巻回されてモータにおける電機子の一部を構成する電機子コアであって、円筒形ヨークのうち隣り合ったティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに、円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、空隙部の幅を0.05〜0.3[mm]としたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の電機子コアにおいて、ティース間連絡部のうち空隙部を含む縦割り断面の面積における空隙部の占有率を0.67〜0.74としたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コアにおいて、空隙部は、円筒形ヨークの周面に開放しかつ円筒形ヨークの径方向の途中部分まで延びた形状であるところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電機子コアにおいて、空隙部は、円筒形ヨークの周面に開放した開放端から奥部に向かうに従って徐々に幅狭となったV字形状をなし、開放端における幅が0.05〜0.3[mm]であるところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コアにおいて、空隙部は、ティース間連絡部を軸方向に貫通した縦孔であるところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の電機子コアにおいて、電機子コアは、複数の鋼板を積層してなり、空隙部は、鋼板の表裏の一方の面に陥没形成されて溝形構造をなしたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の電機子コアにおいて、電機子コアは、周方向でティースと同数の複数のコア構成体に分割可能とされ、その分割面に空隙部が形成されたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明に係るモータは、請求項1乃至8の何れかに記載の電機子コアを備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1の発明]
請求項1によれば、円筒形ヨークのうち隣り合ったティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに、円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、モータの界磁による磁束はそれら空隙部を貫通しないので、これら空隙部によって界磁とティースとの間の吸引力が小さくなり、コギングトルクが低減される。一方、電磁コイルの励磁による磁束は、それら空隙部を貫通するのでモータの出力トルクの低下は抑えられる。
【0016】
[請求項2の発明]
請求項2の構成のように、円筒形ヨークのうち隣り合ったティースの間を連絡するティース間連絡部の全てに、円筒形ヨークの周方向と交差した空隙部を形成し、空隙部の幅を0.05〜0.3[mm]とすると、界磁とティースとの間の吸引力が小さくなってコギングトルクが低減される。その一方で、モータの出力トルクの低下は抑えられる。
【0017】
[請求項3の発明]
モータの出力トルクの低下率を小さく抑え、コギングトルクの低下率を大きくするには、請求項3の構成のように、ティース間連絡部のうち空隙部を含む縦割り断面の面積における空隙部の占有率を0.67〜0.74とすることが好ましい。
【0018】
[請求項4〜7の発明]
空隙部の形状としては、請求項4の構成のように、円筒ヨークの周面に開放しかつ円筒ヨークの径方向の途中部分まで延びた形状としてもよい。この場合、空隙部を、円筒ヨークの外周面或いは内周面に形成された開放端から奥部に向かうに従って徐々に幅狭となったV字形状とし、開放端における幅を0.05〜0.3[mm]とすることが好ましい(請求項5の発明)。請求項6の構成のように、空隙部は、ティース間連絡部を軸方向に貫通した縦孔にしてもよいし、請求項7の構成のように、電機子コアを複数の鋼板を積層して構成し、空隙部を、鋼板の表裏の一方の面に陥没形成した溝形にしてもよい。
【0019】
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、複数のコア構成体を合体させて電機子コアが形成されると、周方向で隣り合った2つのコア構成体の互いの分割面の間に空隙部が形成される。
【0020】
[請求項9]
請求項9に係るモータは、コギングトルクが低減されて、振動、騒音等の低減が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。本実施形態は、例えば、ブラシレスモータM(以下、「モータ」という)に備えたステータコア10(本発明の「電機子コア」に相当する)に本発明を適用したものである。図1に示すように、ステータコア10は、円筒ヨーク11の内周面から径方向内側に向けて複数(例えば、12個)のティース12を起立させた構造をなしている。
【0022】
図2に示すように、各ティース12には、ステータコア10の径方向に沿って同じ幅をなして延びた脚部13と、その脚部13よりティース12の先端側に形成されかつ脚部13より幅広になった先端幅広部14とが備えられている。具体的には、先端幅広部14は脚部13の先端からステータコア10の中心に向かうに従って徐々に幅が広がった鳩尾形状をなしている。そして、図1に示すように、各ティース12の主として脚部13に電磁コイル50が巻かれ、これによりティース12がモータMにおける磁極を構成するようになっている。
【0023】
ステータコア10は、軸方向に複数の鋼板(具体的には、珪素鋼板)を積層してなる。そして、図3に示すように、円筒ヨーク11がティース12毎の略円弧部15に縦割り分割にされ、これにより鋼板も複数の鋼板ピース31に分割されている。図4には、単体の鋼板ピース31が示されている。同図に示すように、鋼板ピース31は、ティース12を中心にして左右対称に略円弧部15が突出した構造をなしている。即ち、鋼板ピース31は全体として、略円弧部15の両先端部と、その略円弧部15から張り出したティース12との計3つの突片部分を備えた構造になっている。なお、これら各突片部分には、それぞれ1つずつ係止突起20が形成されている。係止突起20は、鋼板ピース31における積層方向の一方の面から突出して、その係止突起20の裏側には、係止凹所22が陥没形成されている。さらに、略円弧部15のうちティース12との交差部分には、ステータコア10に組み付けられる部品を位置決めするためのピン孔23が貫通形成されている。
【0024】
複数の鋼板ピース31は積層されると、一の鋼板ピース31の係止突起20が、他の鋼板ピース31の係止凹所22に押し込まれ、これにより複数の鋼板ピース31が積層された状態に保持される。そして、所定複数の鋼板ピース31が積層されてコアピース25(図3を参照、本発明の「コア構成体」に相当する)が形成され、それらコアピース25のティース12に電線を巻回して電磁コイル50を構成してからコアピース25を合体して本発明に係る「電機子」とし、その電機子(ステータコア10と電磁コイル50)を筒形ハウジング16(図1を参照)内に、例えば焼嵌することで、モータMのステータが構成される。
【0025】
図1に示すように、ステータコア10の内部には、ロータ17が配されている。ロータ17は、例えば複数の珪素鋼板を積層してなる回転円柱体18の中心にロータシャフト19を貫通した構造になっている。図2に示すように、回転円柱体18の外周面を周方向で均等分した位置には、複数(具体的には、例えば14個)の界磁用のセグメント磁石35が例えば接着剤にて固定されている。
【0026】
各セグメント磁石35は、焼結部材で構成された永久磁石であり、図2に示すように瓦状をなしている。具体的には、例えば、回転円柱体18の外側に嵌合可能な筒体を複数に縦割り分割した構造をなしている。また、セグメント磁石35は、モータMの軸方向から見た形状が、モータMの径方向より周方向に長い扁平形状をなしている。
【0027】
そして、上記ロータ17をステータコア10の内部に配して筒形ハウジング16の両端部を閉塞することで、モータMが完成される。
【0028】
ところで、図2に示すように隣り合ったコアピース25,25同士の接合部分の全てには、空隙部40が形成されている。各空隙部40は、円筒ヨーク11の内側に開放し、円筒ヨーク11の径方向の途中部分まで延びたV字形状になっている。そのために、前記した各コアピース25における略円弧部15の両端面には、その外側寄りに円筒ヨーク11の中心軸を通過する面に含まれる当接面15A(図4参照)が形成され、内側寄りには、当接面15Aよりティース12側に傾斜した傾斜面15B(図4参照)が形成されている。そして、図5(A)に示すように隣り合ったコアピース25,25の間で当接面15A,15A同士が接合されて、傾斜面15B,15Bの間に空隙部40が形成されている。
【0029】
ここで、ティース間連絡部11Tのうち空隙部40を含む縦割り断面の面積における空隙部40の占有率R1は0.67〜0.74になっている。なお、この空隙部40の占有率R1は、図5の(B)に示すように、開放端から奥部までの奥行き寸法をLBとし、空隙部40の開放端から円筒ヨーク11の外周面までの径方向の長さをLCとした場合に、寸法LCに対する奥行き寸法LBの比率(=LB/LC)として求められる。また、空隙部40のうち開放端における幅寸法LAは、0.05〜0.3[mm]になっている。
【0030】
本実施形態のステータコア10及びモータMの構成は以上であり、この構成のように円筒形ヨーク11のうち隣り合ったティース12の間を連絡するティース間連絡部11Tの全てに所定の形状及び大きさの空隙部40を形成すれば、セグメント磁石35とティース12との間の吸引力が小さくなってコギングトルクが低減される。一方、モータMの出力トルクの低下は抑えられる。
【0031】
より詳細には、電磁コイル50の励磁による磁束も、セグメント磁石35による磁束も、共に少なくとも1対のティース12,12とそれらティース12,12の間のティース間連絡部11Tとセグメント磁石35とを繋ぐ磁気回路を通り、その結果、ティース12とセグメント磁石35との間で吸引力が生じて、出力トルク又はコギングトルクが発生する。このとき、モータMのセグメント磁石35による磁束はティース間連絡部11Tに形成された空隙部40を貫通しないので、これら空隙部40によってセグメント磁石35とティース12との間の吸引力が小さくなり、コギングトルクが低減されると考えられる。そして、モータMの振動、騒音等の低減が図られる。一方、電磁コイル50の励磁による磁束は、ティース間連絡部11Tの空隙部40を貫通するのでモータMの出力トルクの低下は抑えられると考えられる。
【0032】
なお、磁束は、一般に磁気抵抗のより小さい部分を貫通しようとするため、ステータコア10では、円筒ヨーク11のうち空隙部40の外側部分で磁束密度が増大する。ここで、ステータコア10を構成する珪素鋼板における磁界強度Hと磁束密度Brとの関係は、図8のグラフGのように表される。このグラフGの傾きは、珪素鋼板の透磁率μであり、磁束密度Brの上昇に伴い透磁率μは低下する。つまり、ステータコア10のうち、空隙部40が形成された部分で透磁率μが局所的に低下し、モータMの出力トルクは若干低下することになるが、これに伴ってトルクリップルも低下するものと考えられる。
【0033】
[解析1]
モータ解析ソフトを使ってシミュレーションを行い、本発明に係る「空隙部40」の効果を解析した。解析方法は、以下の通りである。
【0034】
(1)空隙部40の幅寸法LAを一定値としかつ、上記した寸法LCに対する寸法LBの比率(空隙部40の占有率R1)のみを種々の値に変化させて、本発明のモータMにおけるコギングトルク、平均出力トルク及びトルクリップルの各シミュレーション値を算出した。
【0035】
(2)空隙部40を有していない従来のステータコアを備えた従来のモータにおける、コギングトルク、平均出力トルク及びトルクリップルの各シミュレーション値を算出した。
【0036】
(3)本発明のモータMにおける各シミュレーション値を、従来のモータにおける各シミュレーション値で除算して、コギングトルク比率、平均出力トルク比率及びトルクリップル比率として求めた。
【0037】
(4)コギングトルク比率、平均出力トルク比率及びトルクリップル比率と、空隙部40の占有率R1を1から引いて求めた接触面積比率R2(=1−R1)との関係を、図6に示すようにグラフ化した。なお、従来のステータコアは空隙部40を備えていないため空隙部40の占有率R1は「0」であり、接触面積比率は「1」である。
【0038】
[解析結果]
図6のグラフに基づき本発明のステータコア10を備えたモータMと従来のステータコアを備えたモータとを比較すると、同図(a)に示すように、コギングトルクは、接触面積比率R2が0.26〜0.33(空隙部40の占有率R1が0.67〜0.74)の範囲内において、従来のモータより小さくなった。特に、接触面積比率R2を「0.3」及び「0.325」(空隙部40の占有率R1を「0.7」及び「0.675」)とした場合には、従来のモータの約45%及び約65%まで低減した。
【0039】
図6の(b)に示すように、平均出力トルクは、設定した何れの接触面積比率R2(空隙部40の占有率R1)においても、従来のモータより若干小さくなり、接触面積比率R2が小さくなるに従って小さくなる傾向となった。しかしながら、従来のモータに対する平均出力トルクの比率は、最も小さくても約0.97(接触面積比率R2が0.25のとき)であり、平均出力トルクの低下は全体として抑えられていた。
【0040】
図6の(c)に示すように、トルクリップルは、設定した何れの接触面積比率R2(空隙部40の占有率R1)においても、従来のモータより小さくなった。特に、接触面積比率R2を0.45以下(空隙部40の占有率R1を0.55以上)とすると、従来のモータの約70%まで低減した。
【0041】
[解析2]
モータ解析ソフトを使ってシミュレーションを行い、空隙部40の開放端における幅寸法LAと、コギングトルク、出力トルク及びトルクリップルとの関係について解析した。解析方法は、以下の通りである。
【0042】
(1)接触面積比率R2(空隙部40の占有率R1)を一定値としかつ、空隙部40の開放端の幅寸法LAのみを種々の値に変化させて、本発明のモータMにおけるコギングトルク、平均出力トルク及びトルクリップルの各シミュレーション値を算出した。
【0043】
(2)従来のモータの各シミュレーション値に対する本発明のモータMの各シミュレーション値の比率と、空隙部40の幅寸法LAとの関係を、図7に示すようにグラフ化した。なお、従来のステータコアは空隙部40を備えていないため幅寸法LAは「0」である。
【0044】
[解析結果]
図7のグラフに基づき本発明のステータコア10を備えたモータMと従来のステータコアを備えたモータとを比較すると、同図(a)に示すように、設定した何れの幅寸法LAにおいても、コギングトルクは従来のモータより小さくなり、特に、幅寸法LAを0.1[mm]とした場合には、従来のモータの約25%まで低減した。
【0045】
図7の(b)に示すように、平均出力トルクは、設定した何れの幅寸法LAにおいても従来のモータより若干小さくなり、幅寸法LAが大きくなるに従って小さくなる傾向となった。しかしながら、従来のモータに対する平均出力トルクの比率は、最も小さくても約0.96(幅寸法LAが0.3[mm]のとき)であり、全体として平均出力トルクの低下は抑えられていた。
【0046】
図7の(c)に示すように、トルクリップルは、設定した何れの幅寸法LAにおいても従来のモータより小さくなり、幅寸法LAが大きくなるに従って小さくなる傾向であった。そして、幅寸法LAを0.3[mm]とした場合には、従来のモータの約70%まで低減した。
【0047】
このように、本実施形態によれば、円筒ヨーク11に空隙部40を形成することで、モータMの平均出力トルクの低下を抑えつつ、コギングトルク及びトルクリップルを従来より低減できることが分かった。特に、空隙部40の開放端における幅寸法LAを0.05〜0.3[mm]とした場合又は、接触面積比率R2を、0.26〜0.33(空隙部40の占有率R1を0.67〜0.74)の範囲内としたときには、効果的にコギングトルクを低減できることが分かった。なお、より好ましくは、空隙部40の開放端における幅寸法LAを0.1[mm]或いは、接触面積比率R2を0.3〜0.325(空隙部40の占有率R1を0.675〜0.7)の範囲内にするとよい。
【0048】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ブラシレスモータMに本発明を適用したものを例示したが、他の種類のモータに本発明を適用してもよい。
【0049】
(2)前記実施形態では、モータMのステータコア10に本発明を適用したものを例示したが、ロータに巻線を備えたモータにおいて、そのロータコアに本発明を適用してもよい
【0050】
(3)前記実施形態では、円筒ヨーク11に空隙部40を形成していたが、空隙部40に代えて、図9に示すように、鋼板ピース31の表裏の一方の面に円筒ヨーク11の径方向に延びた溝形凹所41を陥没形成してもよい。即ち、鋼板ピース31を積層したときに溝形凹所41と鋼板ピース31(詳細には、溝形凹所41の底壁)とが、積層方向で交互に配置されるように構成してもよい。また、図10に示すように、円筒ヨーク11のうちティース間連絡部11Tに鋼板ピース31の積層方向(ステータコア10の軸方向)に貫通した縦孔42を形成してもよい。
【0051】
(4)前記実施形態では、筒形をなしたステータコア10の内側にセグメント磁石35を備えたロータ17を配していたが、その逆でもよい。即ち、例えば図11に示すように、筒形構造をなしたロータ17Aの内側にステータコア10Aを配してもよい。詳細には、ロータ17Aは、円筒ハウジング60の内周面に複数のセグメント磁石35Aを固定した構造とする一方、ステータコア10Aは、円筒ヨーク11Aの外周面から径方向外側に向かって複数のティース12Aが張り出した構造とし、円筒ヨーク11Aのティース間連絡部11ATに、空隙部40Aを形成してもよい。ここで、空隙部40Aは、例えば、円筒ヨーク11Aの外周面側に開放して径方向内側に向かって延びた形状とすればよい。
【0052】
(5)前記実施形態では、空隙部40は、円筒ヨーク11の内周面に開放して径方向外側に延びた構造であったが、円筒ヨーク11の外周面に開放して径方向内側に延びた構造でもよい。
【0053】
(6)前記実施形態では、ステータコア10は、鋼板ピース31を積層してなる複数のコアピース25を合体した構造であったが、ステータコア10は一体成形品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るモータの分解斜視図
【図2】モータの平断面図
【図3】ステータコアの斜視図
【図4】鋼板ピースの平断面図
【図5】(A)ステータコアの平面図(B)ステータコアの分割部分における平面図
【図6】(a)接触面積比率とコギングトルク比率との関係を示すグラフ(b)接触面積比率と平均出力トルク比率との関係を示すグラフ(c)接触面積比率とトルクリップル比率との関係を示すグラフ
【図7】(a)空隙部の幅寸法とコギングトルク比率との関係を示すグラフ(b)空隙部の幅寸法と平均出力トルク比率との関係を示すグラフ(c)空隙部の幅寸法とトルクリップル比率との関係を示すグラフ
【図8】鋼板における磁界強度と磁束密度との関係を示すグラフ
【図9】他の実施形態(3)に係るステータコアの側断面図
【図10】他の実施形態(4)に係るステータコアの平面図
【図11】他の実施形態(5)に係るモータの平断面図
【図12】従来のモータの平断面図
【符号の説明】
【0055】
10,10A ステータコア
11,11A 円筒ヨーク
11T,11AT ティース間連絡部
12,12A ティース
25 コアピース(コア構成体)
35,35A セグメント磁石(界磁)
40,40A 空隙部
41 溝形凹所
42 縦孔
50 電磁コイル
M ブラシレスモータ




 

 


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