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発明の名称 ロータユニット及びロータユニットの生産方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−209178(P2007−209178A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−28486(P2006−28486)
出願日 平成18年2月6日(2006.2.6)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
発明者 岩瀬 昌吾 / 石黒 幹久 / 寺山 充 / 樋口 匡
要約 課題
精度良く、且つ組み立て工数が少ないモータの回転子を提供する。

解決手段
インナーロータ型のブラシレスモータのロータユニット100であって、以下の特徴を備える。中心に回転軸が貫通する貫通孔が形成された円柱状のヨーク1、及びヨーク1の内部に貫通孔に沿って内蔵されたマグネット2を有するロータ10と、ロータ10の一端側に設けられたインペラ20と、貫通孔よりも内側に形成されてロータ10とインペラ20とを連通する回転軸挿入孔3のロータ10の他端側及びインペラ20の側において回転軸を支持する軸受け30と、が樹脂材料によって一体成形される。
特許請求の範囲
【請求項1】
インナーロータ型のブラシレスモータのロータユニットであって、
中心に回転軸が貫通する貫通孔が形成された円柱状のヨーク、及び前記ヨークの内部に前記貫通孔に沿って内蔵されたマグネットを有するロータと、
前記ロータの一端側に設けられたインペラと、
前記貫通孔よりも内側に形成されて前記ロータと前記インペラとを連通する回転軸挿入孔の前記ロータの他端側及び前記インペラ側において前記回転軸を支持する軸受けと、が樹脂材料によって一体成形されるロータユニット。
【請求項2】
前記ヨークは、前記ヨークの前記貫通孔に直交する断面において、4つのマグネット挿入孔が正方形状に配置されると共に、前記正方形状の各辺に対向し且つ平行する4つの辺と、前記正方形状の各頂点に対向する別の4つの辺とからなる八角形状に前記貫通孔が形成される請求項1に記載のロータユニット。
【請求項3】
前記回転軸は、段付きのテーパ状に形成され、前記回転軸挿入孔は、前記回転軸に対応して前記ロータの他端側の内径に対して、前記インペラ側の内径が大きくなるように段付きに形成される請求項1又は2に記載のロータユニット。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のロータユニットを生産するロータユニットの生産方法であって、
前記ヨーク及び前記マグネットを金型内に挿入すると共に、前記ヨーク及び各マグネットを、前記回転軸を中心とする同一の円周上に配置される被押し当て部において、前記金型に接触させて前記金型内の所定位置に支持する第一工程と、
前記インペラ側から前記金型内に前記樹脂材料を圧入し、前記樹脂材料の圧力に抗って前記ヨーク及び前記マグネットを所定位置に保持した状態で前記ロータと前記インペラと前記軸受けとを一体成形する第二工程と、を有するロータユニットの生産方法。
【請求項5】
前記被押し当て部の少なくとも一方において、前記金型に備えられた押し出し手段が前記インペラの方向へ突出することによって、一体成形後の前記ロータユニットを前記金型から押し出す第三工程を有する請求項4に記載のロータユニットの生産方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーロータ型のブラシレスモータのロータ、特にロータによって回転される回転体を備えたロータユニット並びにロータユニットの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転運動型の電動アクチュエータであるモータは、種々の機器に組み込まれ、数多く利用されている。車載用途においても、オイルポンプやウォーターポンプ、パワーステアリング装置、シート、ドアなどの駆動にモータが利用されている。電磁モータの一つであるブラシレスモータは、ブラシと整流子とによる機械的接触構造を持たず、駆動回路(インバータ)によって整流を行い、回転磁界を発生させる。機械的接触構造を有しないので長寿命が期待でき、駆動回路に与える信号によって比較的容易に速度制御が可能なブラシレスモータの需要は高まっている。ブラシレスモータでは、ロータ(回転子)側に鉄心やマグネットが備えられる。安定した回転を得るためにロータは回転軸心に対して精度よく作製される必要があると共に、量産性を考慮して容易に組み立てられることが望ましい。
【0003】
例えば、下記に出典を示す特許文献1には、インナー・パーマネント・マグネット型(インナーロータ型)のブラシレスモータの回転子に関する技術が記載されている。例えば電動工具や産業機器などにおいて、モータ自身を冷却するために冷却ファン及び回転検出用のセンサマグネットが設けられた回転子(ロータユニット)を容易に組立てる技術が提案されている。
【0004】
このモータの回転子は、電動工具のフレームに固定された一対の軸受け(ベアリング)によって回転自在に支持されている。
断面が円形状の回転子鉄心の中央部には回転軸が貫通する回転軸貫通孔が設けられている。回転子鉄心の外周側には、4枚の平板状のメインマグネットが挿入される矩形のマグネット挿入孔が正方形状に並んで設けられている。回転軸挿入孔とマグネット挿入孔との間、つまり上記正方形状の頂点部の内側には、4個の回り止め用孔が開口している。
マグネット挿入孔にマグネットを挿入された回転子鉄心の端部には、冷却ファンが形成されたファンホルダーが取り付けられる。ファンホルダーの回転子鉄心と接する面は平らに構成されているが、メインマグネットに対応する位置には逃げ用の凹部が設けられている。また、4個の上記回り止め用孔に対応する止め用突起が突出されている。これらによって、回転子鉄心に対してファンホルダーが回転せず、メインマグネットが少なくともファンホルダー側から抜け出ないように保持される。
【0005】
回転子鉄心を挟んでファンホルダーとは反対側には、円盤状のセンサホルダーが取り付けられる。上記と同様にセンサホルダーには4個の上記回り止め用孔に対応する止め用突起が突出されている。これらによって、回転子鉄心に対してセンサホルダーが回転せず、メインマグネットがセンサホルダー側から抜け出ないように保持される。センサホルダーには同様の方法でセンサマグネットなどが回り止め機構を備えて取り付けられ、熱溶着によって固定される。
必要に応じて、センサマグネットやメインマグネットを着磁した後、回転軸挿入孔を貫通している回転軸の両端に軸受けを取り付ける。
このようにして組立てられた回転子を予めフレームに取り付けられた固定子に内周部に挿入し、軸受けをフレームに固定する。
【0006】
【特許文献1】特開2004−48827号公報(第25段落〜57段落、第1〜5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された回転子は、ファンホルダーやセンサホルダーの回り止めや、位置決め、固定を良好に行うことができ、接着などの工程も削減されている点で優れたものである。しかし、逆に各部品が独立しているために、各部品ごとの位置決めや固定を必要としている。また、回り止めのために開口部や突起を要し、開口部と突起との位置決めも要する。一般に、部品点数が多ければ、寸法公差の積み上がりによって、全体としての公差が大きくなる。例えば、回転子と軸受けとの軸心がずれれば、回転ムラや振動などの原因となり好ましくない。
【0008】
本願は、上記課題に鑑みてなされたもので、精度良く、且つ組み立て工数が少ないモータのロータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るインナーロータ型のブラシレスモータのロータユニットは下記特徴構成を備える。
中心に回転軸が貫通する貫通孔が形成された円柱状のヨーク、及び前記ヨークの内部に前記貫通孔に沿って内蔵されたマグネットを有するロータと、前記ロータの一端側に設けられたインペラと、前記貫通孔よりも内側に形成されて前記ロータと前記インペラとを連通する回転軸挿入孔の前記ロータの他端側及び前記インペラ側において前記回転軸を支持する軸受けと、が樹脂材料によって一体成形される点を特徴とする。
【0010】
この特徴構成によれば、各部品が独立せず一体に構成されているので、各部品ごとの位置決めや固定を成形金型に一本化することができる。一般に、部品点数が多ければ、寸法公差の積み上がりによって、全体としての公差が大きくなる。しかし、本特徴構成によれば、このような累積公差の問題を軽減することができる。例えば、ロータと軸受けとの軸心がずれて回転ムラや振動などの原因となることを抑制することができる。
このように本発明によれば、精度良く且つ組み立て工数が少ないモータのロータユニットを提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係るロータユニットは、前記ヨークが、下記のように構成されることを特徴とする。
つまり、前記ヨークの前記貫通孔に直交する断面において、4つのマグネット挿入孔が正方形状に配置されると共に、前記正方形状の各辺に対向し且つ平行する4つの辺と、前記正方形状の各頂点に対向する別の4つの辺とからなる八角形状に前記貫通孔が形成される点を特徴とする。
【0012】
上述したように、回転軸を支持する軸受けは、前記貫通孔よりも内側に形成された回転軸挿入孔において形成される。軸受けは、回転軸と摺動されるので、回転軸から伝わる回転力によって、軸受けがヨークの貫通孔内で回転することを防止する必要がある。例えば特許文献1では、この回り止めのために開口部や突起を設けていた。また、組立て時には開口部と突起との位置決めも必要であった。
しかし、本特徴構成によれば、ヨークの貫通孔は断面形状が八角形状に形成されるから、頂点が抵抗となって、貫通孔の内側に樹脂により成形された軸受け(回転軸挿入孔の壁部分)の回り止めとして作用する。つまり、特別な開口や突起などを設けたり、これらとの間で位置決めを行ったりすることなく、樹脂成形において回り止め機構を作りこむことができる。
また、ヨークの貫通孔の断面形状の八角形は、マグネットが配置される正方形状の頂点部分を切り欠いて得られる八角形が貫通孔の中心に向かって縮小されたような形状である。従って、マグネットとマグネットとの間、つまり正方形配置の頂点部分のヨークの肉厚を、貫通孔が正方形状や円形状の場合に比べて厚くすることができる。その結果、頂点部分で隣り合うマグネットを結ぶ磁束の多くがヨークを通過して、ヨークの界磁鉄心としての機能を向上させる。
以上のように本特徴構成によって、精度良く、且つ組み立て工数が少ないモータのロータユニットを提供することができる。
【0013】
また、本発明に係るロータユニットは、前記回転軸が、段付きのテーパ状に形成され、前記回転軸挿入孔が、前記回転軸に対応して前記ロータの他端側の内径に対して、前記インペラ側の内径が大きくなるように段付きに形成されることを特徴とする。
【0014】
この特徴構成によれば、回転軸の小径の先端部をインペラ側から回転軸挿入孔に挿入して、ロータ側の軸受けと係合させ、大径の後端部をインペラ側の軸受けと係合させることができる。このように簡単に精度よく回転軸を軸受けに取り付けることができる。
また、ロータ側とインペラ側との軸受け以外の回転軸挿入孔の内径は、回転軸とは接触しないので、高精度な成形を要しない。一体成形されるロータユニットにおいて比較的長尺な回転軸挿入孔は、精度を要求される軸受けが形成されるにも拘わらず高精度に保つことが難しい。しかし、本特徴構成によれば、回転軸挿入孔の両端部付近に位置する軸受け部分だけの精度を高精度にすれば、中央部分の公差を緩めても問題ない。その結果、公差の管理が容易で低コストにロータユニットを生産することができる。
また、長尺の回転軸挿入孔を形成するには、金型に抜き勾配を設ける必要が生じ、抜き勾配は軸受けの精度管理に影響を与える。しかし、本特徴構成によれば、回転軸挿入孔の両端部の軸受けを除いて、中央部分において抜き勾配を設けることもできる。
【0015】
また、本発明に係るロータユニットを生産するための本発明に係るロータユニットの生産方法は、以下の第一工程と第二工程とを備える点を特徴とする。
第一工程は、前記ヨーク及び前記マグネットを金型内に挿入すると共に、前記ヨーク及び各マグネットを、前記回転軸を中心とする同一の円周上に配置される被押し当て部において、前記金型に接触させて前記金型内の所定位置に支持する工程である。
第二工程は、前記インペラ側から前記金型内に前記樹脂材料を圧入し、前記樹脂材料の圧力に抗って前記ヨーク及び前記マグネットを所定位置に保持した状態で前記ロータと前記インペラと前記軸受けとを一体成形する工程である。
【0016】
この特徴によれば、被押し当て部において、ヨークとマグネットとが支持され、圧入される樹脂材料の圧力に抗って金型内の所定位置に保持される。また、この被押し当て部が円周状に配置されるので、比較的肉厚が薄くなるロータの周上に隣り合うマグネットの間においても、ヨークを金型と接触させることができる。その結果、樹脂材料の圧力によるロータの割れなどを防ぐことができる。被押し当て部以外には、マグネット挿入孔を含め樹脂材料が流入するので、ヨークとマグネットとを成形によって定位置に固定することができる。
【0017】
また、本発明に係るロータユニットの生産方法は、前記被押し当て部の少なくとも一方において、前記金型に備えられた押し出し手段が前記インペラの方向へ突出することによって、一体成形後の前記ロータユニットを前記金型から押し出す第三工程を有することを特徴とする。
【0018】
この特徴構成によれば、圧入される樹脂材料の圧力に対抗可能な被押し当て部を力点として、成形完了後のロータユニットを金型から押し出す。従って、完成したロータユニットに無理な力を掛けることなく良好に金型から取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本例では、車載のウォーターポンプに用いられるインナーロータ型のブラシレスモータのロータユニットを例として説明する。このロータユニットは、ブラシレスモータのロータにウォーターポンプのインペラが一体化されたものである。
【0020】
図1は本発明のロータユニットの一例を示す斜視図、図2は図1の断面図である。
図に示すように、本発明のロータユニット100は、ヨーク1及びマグネット2を有するロータ10と、インペラ20と、軸受け30とが樹脂材料によって一体成形されたものである。この樹脂材料には、回転軸と摺動される軸受け30が一体成形されることなどから、例えば高い耐熱性と剛性とを有する難燃性樹脂であるPPS(Polyphenylene Sulfide)などが用いられる。
インペラ20は、ロータ10の一端側にロータ10よりも小径の柄部21を介して設けられる。インペラ20は、ロータ10と一体となって回転し、羽22がウォーターポンプの水に作用する。インペラ20には、水抜き孔23も備えられている。
【0021】
ロータユニット100の中心部には、ロータ10から柄部21を介してインペラ20までを貫通する回転軸挿入孔3が形成される。回転軸挿入孔3には、後述するようにインペラ20の側から回転軸が挿入される。この回転軸は、回転軸挿入孔3の内壁に形成された2ケ所の軸受け30で支持される。つまり、回転軸はロータユニット100の両端、即ち、ロータ10のインペラ20とは反対側に形成された軸受け31と、インペラ20の側に形成された軸受け32とによって支持される。
【0022】
図3は、ロータ10におけるヨーク1とマグネット2との関係を示す説明図であり、ロータ10をヨーク1の貫通孔5に直交する面で断面視したものである。
ヨーク1は、後述する貫通孔5、マグネット挿入孔4、側面支持用のピン孔11などが形成された円板状の抜板を積層して、中心に回転軸が貫通する貫通孔5が形成された円柱状に構成される。
図3に示すように、ヨーク1の貫通孔5に直交する断面において、矩形状の4つのマグネット挿入孔4が正方形状に配置される。このマグネット挿入孔4に平板状のマグネット2が挿入され、ヨーク1の内部に貫通孔5に沿ってマグネット2が内蔵される。
【0023】
貫通孔5は、直交断面が八角形状に形成される。つまり、マグネット挿入孔4が配置される正方形状の各辺に対向し且つ平行する4つの辺と、当該正方形の各頂点に対向する別の4つの辺とからなる八角形状に形成される。この八角形は、マグネット2が配置される正方形状の頂点部分を切り欠いて得られる八角形の相似形である。従って、当該正方形の頂点部分におけるヨーク1の肉厚は、図3に示すように貫通孔5が正方形状や円形状の場合に比べて厚くなる。これにより、隣り合うマグネット間の磁束Bがヨーク1を通る際の肉厚が確保され、より多くの磁束Bがヨーク1を通ることになる。その結果、界磁鉄心としてのヨーク1の機能を向上させる。
【0024】
軸受け31を含む回転軸挿入孔3は、貫通孔5のさらに内側に樹脂材料により形成される(図2及び3参照)。回転軸と摺動される軸受け31とヨーク1の貫通孔5とは、固定されている必要がある。つまり、回転軸から伝わる回転力によって軸受け31とヨーク1の貫通孔5とが互いに回転することを防止する必要がある。本例では、貫通孔5の断面形状である八角形の頂点が抵抗となって、貫通孔5の内側に樹脂材料により成形された軸受け31とヨーク1との回り止めとして作用する。つまり、本例では上述した特許文献1とは異なり、特別な開口や突起などの回り止め機構を別途設ける必要はない。
【0025】
軸受け30を含む回転軸挿入孔3は、段付きのテーパ状に形成される回転軸(不図示)に対応して、段付きに形成される。つまり、図2に示すように、ロータ10の側の内径が小さく、インペラ20の側の内径が大きくなるように段付きに形成される。回転軸は、小径の先端部をインペラ20の側から回転軸挿入孔3に挿入してロータ10の側の軸受けと係合させ、大径の後端部をインペラ20の側の軸受けと係合させることで、取り付けられる。このように簡単な構成で精度よく回転軸を軸受け30に取り付けることができる。
【0026】
尚、軸受け30以外の回転軸挿入孔3の内径は、回転軸とは接触しないので、高精度な成形を要しない。回転軸挿入孔3は、一体成形されるロータユニット100において長尺である。一般に、このような長尺物は、高精度に成形することが難しい。しかし、本例の構成では、回転軸挿入孔3の両端部付近に位置する軸受け30に相当する部分だけの精度を高精度にすればよい。つまり、中央部分の公差を緩めても問題なく、交差の管理が容易となる。従って、金型の費用なども低減でき、低コストにロータユニット100を生産することができる。
例えば、一般に回転軸挿入孔3のような長尺孔を形成するには、金型に抜き勾配を設ける必要がある。この時、軸受け30にも抜き勾配を設けると、回転軸との精度管理に大きな影響を与える。しかし、本例では、回転軸挿入孔3の両端部の軸受け30を除いて、中央部分において抜き勾配を設けることができるので生産性を損なわず、高精度な軸受け30を形成することができる。
【0027】
尚、回転軸挿入孔3の内壁には貫通方向に沿って、凹溝3aが設けられている。これは、回転軸と軸受け30との間に潤滑水を流通させるためのものである。また、ヨーク1の外周部には半円形状のピン孔11がマグネット2の境界部分に設けられている。このピン孔11は後述するように金型においてヨーク1を側面から支持すると共に、ロータユニット100の外側からマグネット2の位置が容易に視認可能とする役割を担っている。
マグネット2は、通常ヨーク1に挿入される際には、着磁されていない。鉄製のヨーク1や金型に吸着して組立て性を損なったり、高熱(約280℃以上)の融点を持つ樹脂材料により成形時に減磁したりする可能性が高いためである。従って、ロータユニット100として一体成形された後に着磁されるが、この際にマグネット2の位置が明確となるので生産性向上に寄与する。
【0028】
図4は、ロータユニット100をロータ10の側の端部から見た平面図、図5は 、インペラ20の側の端部から見た平面図である。また、図6は、図1のロータユニットと成形用金型40との関係を示す説明図、図7は、図6のV−V断面図である。
【0029】
金型40は、図6に示すように上下左右(符号40a〜40d)に4分割されている。ロータユニット100は、ヨーク1及びマグネット2が挿入された金型40の上部の金型40cに設けられたゲート24から樹脂材料を圧入されて一体成形される。
金型40内に挿入されたヨーク1は、ピン孔11において側面支持用のピン44によって支持される。この時、下部の金型40aがヨーク1及びマグネット2の被押し当て部7に接触して、ヨーク1及びマグネット2を下方から支持する(第一工程)。
【0030】
図4に示すように、被押し当て部7は、第一被押し当て部7aと第二被押し当て部7bと第三被押し当て部7cとからなる。第一被押し当て部7aは、マグネット2がほぼ中央部において支持されると共に、同位置径方向外周側においてヨーク1が支持される箇所である。第二被押し当て部7bは、ロータ10の周方向に隣り合うマグネット2の間においてヨーク1が支持される箇所である。第三押し当て部7cは、ヨーク1の外周側においてヨーク1が環状に支持される箇所である。第二被押し当て部7bに相当する箇所には、軸受け31から連続して、ヨーク1とマグネット2とをロータ10の端部で固定する樹脂部6が形成されている。従って、第二被押し当て部7bは、樹脂部6に設けられたピン孔8を介して貫通されるピン42(図6参照)によって支持される。
【0031】
円弧部分を有する第一被押し当て部7aの中心と、円状の第二被押し当て部7bの中心とは、同一のピッチ円Cの円周上に配置される(図4参照)。つまり、金型40aにおいて、第一被押し当て部7aに接触する支持部41と、第二被押し当て部7bに接触するピン(支持部)42とは、同一のピッチ円Cの円周上に配置される(図4、図7参照)。従って、金型40(40a)を作製する際の精度管理などが容易となると共に、樹脂材料の圧入によってヨーク1に掛かる力を分散させ、ロータ1の割れなどを防ぐことができる。尚、ヨーク1の第三被押し当て部7cは、金型40(40a)の環状の支持部43によって支持される(図7参照)。
【0032】
また、図6に示すような金型構造において、支持部41がマグネット挿入孔4に進入してマグネット2を支持しなければ、マグネット2は下部の金型40aへ向かって落下する。あるいは、注入される樹脂材料の圧力によって、下部の金型40aに接するまで押し込まれる。しかし、本例のように支持部41でマグネット2をマグネット挿入孔4の内部で支持すれば、成形によってマグネット2を適切な位置に精度良く固定することができる。
上述したような支持部41〜43によるヨーク1及びマグネット2の支持によって、ロータ10の先端部には、切り欠き部9やピン孔8を有し、マグネット2を塞ぐような蓋状の樹脂部6が形成される(図1、図4参照)。
【0033】
上部の金型40cには、図5に破線で示すゲート位置(符号24)に対応して3箇所に樹脂材料注入口であるゲート24が設けられる。つまり、インペラ20の側から金型40の中に樹脂材料が圧入され、ロータ10とインペラ20と軸受け30とが一体成形される(第二工程)。この時、ヨーク1及びマグネット2は樹脂材料の圧力に抗って支持部41〜43によって所定位置に保持された状態である。従って、位置が変動することなく、精度よくロータユニット100が一体成形される。
また、マグネット挿入孔4とマグネット2との間には、マグネット2を円滑に挿入するために多少のクリアランスが設けられているが、この隙間にも樹脂材料が充填される。これによって、ロータユニット100が回転する際にマグネット2がマグネット挿入孔4の中でがたつくことがなくなる。
【0034】
また、被押し当て部7bを支持するピン42は、出退可能な押し出しピン(押し出し手段)でもある。成形時には引退位置にあってヨーク1を支持すると共に、成形後にはインペラ20の方向へ突出することによって、一体成形後のロータユニット100を金型から押し出す(第三工程)。
【0035】
以上説明したように、本発明によって、精度良く、且つ組み立て工数が少ないモータのロータユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のロータユニットの一例を示す斜視図
【図2】図1の断面図
【図3】図1のロータにおけるヨークとマグネットとの関係を示す説明図
【図4】図1のロータユニットをロータ側端部から見た平面図
【図5】図1のロータユニットをインペラ側端部から見た平面図
【図6】図1のロータユニットと成形用金型との関係を示す説明図
【図7】図6のV−V断面図
【符号の説明】
【0037】
1:ヨーク
2:マグネット
3:回転軸挿入孔
4:マグネット挿入孔
5:貫通孔
7、7a、7b、7c:被押し当て部
10:ロータ
20:インペラ
24:ゲート
30、31、32:軸受け

42:ピン(押し出しピン、押し出し手段、支持部)C:ピッチ円




 

 


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