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発明の名称 安定化電源装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−124761(P2007−124761A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−311347(P2005−311347)
出願日 平成17年10月26日(2005.10.26)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
発明者 豊嶋 亮蔵
要約 課題
入力電圧の変動に対しても、高効率且つ高いリップル除去効果を維持すると共に、簡単な構成で安定した一定の出力電圧を得られる安定化電源装置を提供する。

解決手段
入力電圧Viを制御パルスSPによって一次変換電圧Vaに変換するスイッチング電圧変換部1と、制御パルスSPのパルス幅を制御するパルス制御部2と、制御パルスSPを生成するための基準となる三角波状の発振信号Xを生成する発振部3と、を有するスイッチング電源回路10と、一次変換電圧Vaを出力電圧Voに変換するリニア電源回路20と、が接続された安定化電源装置であって、発振部3は、発振信号Xの振幅を入力電圧Viに比例して変動させると共に、周波数を一定に保ち、パルス制御部2は、入力電圧Vi及び一次変換電圧Vaに対して独立して、制御パルスSPのパルス幅を制御し、一次変換電圧Vaと出力電圧Voとの電位差が一定に保たれる。
特許請求の範囲
【請求項1】
入力電圧を制御パルスによってスイッチングし、平滑化して一次変換電圧に変換するスイッチング電圧変換部と、前記制御パルスのパルス幅を制御するパルス制御部と、前記制御パルスを生成するための基準となる三角波状の発振信号を生成する発振部と、を有するスイッチング電源回路と、
前記一次変換電圧を出力電圧に変換するリニア電源回路と、が接続された安定化電源装置であって、
前記発振部は、前記発振信号の振幅を前記入力電圧に比例して変動させると共に、前記発振信号の周波数を前記入力電圧に拘わらず一定に保ち、
前記パルス制御部は、前記入力電圧及び前記一次変換電圧に対して独立して定められたしきい値によって前記発振信号をパルス化することにより、前記制御パルスのパルス幅を制御して、
前記入力電圧の変動に拘わらず前記一次変換電圧と前記出力電圧との電位差が一定に保たれる安定化電源装置。
【請求項2】
前記リニア電源回路は、前記出力電圧を分圧した電圧と所定の基準電圧とを比較することによって、前記出力電圧の誤差を検出する誤差検出部を有し、
前記発振部は、前記発振信号の下限値をグラウンドとし、上限値を前記入力電圧に比例して変動させることによって前記振幅を変動させるものであって、
前記上限値は、前記誤差検出部と同一の分圧比によって前記入力電圧を分圧した値に設定され、
前記パルス制御部の前記しきい値は、前記出力電圧の前記誤差に応じて変動される請求項1に記載の安定化電源装置。
【請求項3】
前記発振部は、コンデンサに対して定電流を充放電することにより、三角波状の前記発振信号を生成するものであり、前記定電流は、前記入力電圧に比例して変動される請求項1又は2に記載の安定化電源装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源回路の後段にリニア電源回路を接続した安定化電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流安定化電源を構成する方法として、スイッチング電源回路とリニア電源回路(シリーズ電源回路)とを組み合わせる方法が知られている。スイッチング電源回路は、入力電圧範囲が広く、変換効率が良い方式である。その反面、変換後の電圧にリップルが残り易い。一方、リニア電源回路は、変換後の電圧にリップルなどのノイズが少ない方式である。しかし、入出力の電位差を主に熱として消費するため、発熱が大きく、スイッチング電源回路に比べて変換効率が劣る。
【0003】
このような変換方式の特質に着目して、スイッチング電源回路の後段にリニア電源回路を直列接続した直流安定化電源が構成される。即ち、大きな入力電圧を高効率のスイッチング電源回路で所定の出力電圧よりも少し高い電圧に変換する。そして、リニア電源回路で所定の出力電圧に電圧変換する。リニア電源回路の入力電圧は、リニア電源回路が安定動作するために必要とされる程度の電圧であると最も効率がよい。つまり、リニア電源回路の発熱を抑制し、高効率で入力電圧を出力電圧に変換できる。また、スイッチング電源回路で発生するリップルなどのノイズ成分を抑制して、低ノイズの安定した出力電圧を出力できる。
【0004】
図6は、このような直流安定化電源装置の従来の構成例を模式的に示すブロック図である。直流安定化電源装置は、スイッチング電源回路10Bと、リニア電源回路20Bとを有している。スイッチング電源回路10Bは、スイッチング電圧変換部1Bと、パルス制御部2Bと、発振部3Bと、第一誤差検出部6とを有している。リニア電源回路20Bは、リニア電圧変換部4Bと、第二誤差検出部5Bとを有している。上述したように、リニア電源回路20Bの入力電圧V2と出力電圧V3の電圧差が大きいと効率が悪くなり、小さすぎると電圧変換が不安定となる。従って、リニア電源回路20Bの入力電圧V2は適正な値に制御される。図6に示した従来の構成例では、第一誤差検出部6を設けて、スイッチング電源回路10Bへの入力電圧V1が変動しても、出力電圧V2が変動しないようにしている。
【0005】
下記に出典を示す特許文献1には、図6に示したものと同様の基本的な構成を有する直流安定化電源が開示されている。一般に、低損失且つリップル除去効果を維持して、この電源装置の出力電圧を変更するためには、第一誤差検出部6及び第二誤差検出部5B双方の定数の再調整が必要となる。尚、第一誤差検出部6は、特許文献1第4図符号2、3に相当する。第二誤差検出部5Bは、同第1及び4図符号5、6に相当する。
そこで、特許文献1の発明では、第一誤差検出部6の検出結果に、第二誤差検出部5Bの検出結果を加味して、第二誤差検出部5Bの定数の調整のみで電源装置の出力電圧を変更可能としている。尚、第一誤差検出部6は、特許文献1第1図符号2、8、9に相当する。
【0006】
【特許文献1】特開2004−201466号公報(第2〜21段落、第1図、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された電源装置は、低損失且つリップル除去効果を維持して、この電源装置の出力電圧を変更することが可能である。従って、スイッチング電源回路の後段にリニア電源回路を接続した電源装置として優れたものである。しかし、スイッチング電源経路と、リニア電源回路との双方に誤差検出部を要している。つまり、スイッチング電源回路の出力電圧(リニア電源回路の入力電圧)を監視するための誤差検出回路を要する構成となっている。
近年、安定化電源装置は、車両や電気製品に組み込まれて使用されることも増加しており、省エネルギー化(高効率化)と共に、益々の小型化も望まれている。従って、上述した従来の構成よりもさらに小型化が可能な構成を提案することが必要とされている。
【0008】
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、簡単な構成で、高効率且つ高いリップル除去効果を有する安定化電源装置を提供することを目的とする。特に、入力電圧の変動に対しても、高効率且つ高いリップル除去効果を維持すると共に、簡単な構成で安定した一定の出力電圧を得られる安定化電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る安定化電源装置は、以下のように構成される。
即ち、入力電圧を制御パルスによってスイッチングし、平滑化して一次変換電圧に変換するスイッチング電圧変換部と、前記制御パルスのパルス幅を制御するパルス制御部と、前記制御パルスを生成するための基準となる三角波状の発振信号を生成する発振部と、を有するスイッチング電源回路と、前記一次変換電圧を出力電圧に変換するリニア電源回路と、が接続された安定化電源装置であって、以下の特徴構成を備える。
前記発振部は、前記発振信号の振幅を前記入力電圧に比例して変動させると共に、前記発振信号の周波数を前記入力電圧に拘わらず一定に保ち、前記パルス制御部は、前記入力電圧及び前記一次変換電圧に対して独立して定められたしきい値によって前記発振信号をパルス化することにより、前記制御パルスのパルス幅を制御して、前記入力電圧の変動に拘わらず前記一次変換電圧と前記出力電圧との電位差が一定に保たれることを特徴とする。
【0010】
この特徴構成によれば、本発明に係る安定化電源装置は、変動する入力電圧に比例して発振信号の振幅を変動させる。そして、振幅が変動された発振信号から、一次変換電圧とは無関係に制御パルスを生成する。その結果、入力電圧が大きくなると、三角波状の発振信号の振幅が大きくなり、相対的にパルス化のしきい値は発振信号に対して低くなる。そのため、制御パルスのデューティー比は、入力電圧の変動に伴って変動する。つまり、入力電圧が大きくなると、制御パルスによってカットされる比率も大きくなる。従って、入力電圧が変動しても、一次変換電圧は、ほぼ一定の値に電圧変換される。その結果、リニア電源回路の入力である一次変換電圧と、出力電圧との電位差もほぼ一定の値に保たれる。
本特徴構成においては、一次変換電圧の電圧値や誤差を検出することなく、一次変換電圧と出力電圧との電位差をほぼ一定に保つことができる。従って、入力電圧の変動に対しても、高効率且つ高いリップル除去効果を維持すると共に、簡単な構成で安定した一定の出力電圧を得られる安定化電源装置を提供することが可能となる。
【0011】
本発明に係る安定化電源装置は、上記特徴に加え、さらに下記特徴を備えることができる。
即ち、前記リニア電源回路は、前記出力電圧を分圧した電圧と所定の基準電圧とを比較することによって、前記出力電圧の誤差を検出する誤差検出部を有し、前記発振部は、前記発振信号の下限値をグラウンドとし、上限値を前記入力電圧に比例して変動させることによって前記振幅を変動させるものであって、
前記上限値は、前記誤差検出部と同一の分圧比によって前記入力電圧を分圧した値に設定され、前記パルス制御部の前記しきい値は、前記出力電圧の前記誤差に応じて変動される点を特徴とする。
【0012】
安定化電源装置の出力電圧、つまり、リニア電源回路の出力電圧は、負荷の消費電力によって変動する場合がある。リニア電源回路は、出力電圧の分圧値と、電圧変換の目標となる所定の基準電圧とを比較することによってこの変動(誤差)を検出する誤差検出部を有して、この変動を補正する。
一方、スイッチング電源回路では、発振部において、上限値を入力電圧に比例して変動させることによって、発振信号の振幅を変動させる。この上限値は入力電圧を分圧することによって定められる。発振部で生成した発振信号は、パルス制御部で制御パルスにパルス化され、制御パルスによって入力電圧は一次変換電圧に変換される。
本特徴構成においては、パルス制御部のしきい値は、リニア電源回路で検出した誤差を加味して、変動(修正)される。つまり、一次変換電圧は、出力電圧の変動に追従して修正される。本特徴構成のように、誤差検出部の分圧比と、上限電圧を規定する分圧比とを同一にすると、追従性がよい。その結果、リニア電源回路の前後の電位差を一定に保つことができ、リニア電源回路における効率の低下を抑制することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る安定化電源装置は、前記発振部が、コンデンサに対して定電流を充放電することにより、三角波状の前記発振信号を生成するものであり、前記定電流が、前記入力電圧に比例して変動される点を特徴とすることができる。
【0014】
入力電圧が大きくなると、それに比例して三角波状の発振信号の振幅が大きくなる。発振信号をコンデンサに対する充放電で生成する場合、充放電電流が入力電圧に拘わらず一定であると、充放電に要する時間が変動する。例えば、入力電圧が高くなると、発振信号の振幅が大きくなるため、コンデンサを充電して得られる電圧も高くなる。同じ電流でより高い電圧までコンデンサを充電するには、充電時間を多く要する。充電時間(及び放電時間)が長くなると、発振信号の周波数が遅くなる。入力電圧が低くなる場合は逆に作用し、周波数が速くなる。
そこで、本特徴構成のように、入力電圧に比例して充放電のための定電流が変動されるようにすると、入力電圧が高い場合には定電流も大きくなり、入力電圧が低い場合には定電流も小さくなる。従って、入力電圧に拘わらず、コンデンサはほぼ同じ時間で、入力電圧に対応する電圧まで充電される。その結果、発振信号の周波数を前記入力電圧に拘わらず一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る安定化電源装置の構成例を模式的に示すブロック図である。図に示すように、安定化電源装置は、スイッチング電源回路10の後段にリニア電源回路20を接続して構成される。安定化電源装置に入力される入力電圧Viは、スイッチング電源回路10で一次変換電圧Vaに電圧変換され、続いて、リニア電源回路20で一次変換電圧Vaが出力電圧Voに電圧変換される。
スイッチング電源回路10は、スイッチング電圧変換部1と、パルス制御部2と、発振部3とを有している。リニア電源回路20は、リニア電圧変換部4と、誤差検出部5とを有している。
【0016】
スイッチング電圧変換部1は、入力電圧Viを制御パルスSPによってスイッチングし、平滑化して一次変換電圧Vaに変換する。パルス制御部2は、制御パルスSPのパルス幅(デューティー比)を制御する。発振部3は、制御パルスSPを生成するための基準となる三角波状の発振信号Xを生成する。
【0017】
図2は、図1のパルス制御部2によるパルス幅制御の原理を説明する波形図である。発振部3は、発振信号Xの振幅を入力電圧Viに比例して変動させる。このとき、発振信号Xの周波数は、入力電圧Viの変動に拘わらず、一定に保たれる(周期Tが一定。)。パルス制御部2は、入力電圧Vi及び一次変換電圧Vaに対して独立して定められるしきい値E3によって発振信号Xをパルス化することにより、制御パルスSPのパルス幅を制御する。
【0018】
図2には、振幅の異なる2つの発振信号Xが示されている。これらは、下限値E5と上限値E4との間で示されるピーク−ピーク(peek-to-peek:以下、PPと称す。)が、グラウンド(GND)基準で、E4aとE4bである。E4bは、E4aの2倍の値であり、図中右側の波形は左側の波形に対して2倍の振幅(又はPP)を有する。周期は、共にTであるので、周波数は同一である。これらは、共通のしきい値E3によって、パルス化され、それぞれ、Ta1:Ta2、Tb1:Tb2のデューティー比を有する制御パルスSPとなる。詳細は後述するが、概ね、制御パルスSPの周期Tの中のH(High)状態の割合(H/T)を入力電圧Viに乗じた値が一次変換電圧Vaとなる。
【0019】
図2から明らかなように、より大きな入力電圧Viが入力され、発振信号XのPPがGND−E4bとなる場合には、制御パルスSPのH状態の割合が小さくなる。発振信号Xの振幅を入力電圧Viの変動に比例して変動させると、入力電圧Viの変動に拘わらず、一定の一次変換電圧Vaが得られる。その結果、入力電圧Viが大きくなっても、一次変換電圧Vaと出力電圧Voとの電位差が一定に保たれ、リニア電源回路20での損失が増大することを抑制することができる。
尚、三角波状の発振信号Xは、図2に示すような二等辺三角形型の波形に限らず、のこぎり波などであっても、同様の効果が得られる。
【0020】
以下、図3〜5を利用して、上記説明した本発明の原理を具体的に実施する実施形態の一例について説明する。
図3は、図1の安定化電源装置の概略回路構成を示す回路図である。スイッチング電圧変換部1は、スイッチング素子としてのnチャネルパワーMOSFET(F1)と、スイッチング後の波形を平滑化する平滑回路とを備えている。平滑回路は、インダクタL1、コンデンサC1、ダイオードD1などから構成される。
【0021】
パルス制御部2は、比較器A1を備えている。比較器A1は、発振回路3A(発振部3)から入力される三角波状の発振信号Xを、しきい値E3でパルス化する。詳細は後述するが、しきい値E3は、定電圧回路によって定められる電圧E2に、リニア電源回路20で検出される誤差を加味して定められる。発振回路3Aについては、後述する。
【0022】
リニア電圧変換部4は、パワートランジスタなどを用いた半導体素子や、安定化用のコンデンサなどを有して構成される。誤差検出部5は、出力電圧Voを分圧抵抗器R1とR2とで分圧し、この分圧値を所定の基準電圧E1と比較することにより、誤差を検出する。例えば、負荷9による電力消費が大きい場合、リニア電源回路20からの電力供給が追いつかず、出力電圧Voが電圧降下する場合がある。出力電圧Voが電圧降下すると、抵抗器R1とR2とによる分圧値も降下する。誤差検出回路A2は、分圧値と基準電圧E1との差を検出し、リニア電圧変換部4に検出結果を伝達する。リニア電源変換部4は、検出結果に応じて出力電圧Voを制御する。
【0023】
一次変換電圧Vaと出力電圧Voとの電位差を入力電圧Viの変動に拘わらず一定とするために、一次変換電圧Vaが一定値となるように制御することを図2に基づいて説明した。しかし、上述したように、負荷9の電力消費によって出力電圧Voが変動する場合があり、一次変換電圧Vaが一定のままでは出力電圧Voとの電圧差が変動することがある。そこで、誤差検出部4の検出結果をパルス制御部2にも伝達し、出力電圧Voの変動を一次変換電圧Vaに反映するようにしている。つまり、パルス制御部2のしきい値E3が、出力電圧Voの誤差に応じて変動されるようにしている。しきい値E3は、定電圧回路によって定められる電圧E2に、出力電圧Voの分圧値を加算して定められる。出力電圧Voの分圧値には、リニア電源回路20で検出される誤差が含まれるので、パルス制御部2のしきい値E3は、出力電圧Voの誤差に応じて変動される。
【0024】
図4は、図3の発振回路3Aの概略回路構成を示す回路図である。図中、符号31は上下限値設定部、符号32は三角波生成部、符号33は充放電電流設定部である。
【0025】
上下限値設定部31は、発振信号XのPPを定める上限値E4と下限値E5とを設定する。上限値E4は、入力電圧Viとグラウンド(GND)との間を、抵抗器R3とR4とによって、分圧することによって定められる。分圧された電圧は、発振信号Xの上限値E4となる(図2参照)。発振信号Xの下限値E5はGNDである(図2参照)。比較器A3は、上昇する発振信号Xが上限値E4に達したか否かを判定する。比較器A4は、下降する発振信号Xが下限値E5に達したか否かを判定する。比較器A3及びA4の出力は、RSフリップフロップFFに入力される。RSフリップフロップFFは、後述するコンデンサCxを充放電するための制御信号を出力する。
【0026】
抵抗器R3とR4との分圧比は、図3で示した誤差検出部5の抵抗器R1とR2とによる分圧比と同一である。分圧比を同一とすることで、リニア電源回路20で生じる誤差をスイッチング電源回路10のパルス制御部2に加味し、出力電圧Voの変動を一次変換電圧Vaに追従させることができる。
上述したように、リニア電源回路20の出力は、負荷9の消費電力によって、変動する場合がある。しかし、リニア電源回路20で生じる誤差をパルス制御部2に加味することにより、リニア電源回路20の前後の電位差を一定に保つことができる。その結果、リニア電源回路20で生じる損失が増大することを抑制することができる。
【0027】
図5は、図3の発振回路3Aにより三角波状の発振信号Xを生成する原理を説明する波形図である。図に示すように、下降する発振信号Xが下限値E5に達すると、比較器A4の出力がHからL(low)となる。この出力は、RSフリップフロップFFのセット端子(_S)に入力され、出力端子(Q)がHとなる。この出力信号は、充放電スイッチF2(本例ではFET。)に入力され、コンデンサCxの充電が開始される。出力端子(Q)がHの間、コンデンサCxへの充電が継続される。
【0028】
コンデンサCxへの充電が開始されると、コンデンサCxの両端電圧が上昇する。つまり、発振信号Xが上昇する。比較器A4の出力はLからHとなり、発振信号Xが上限値E4に達すると、比較器A3の出力がHからLとなる。この出力は、RSフリップフロップFFのリセット端子(_R)に入力され、出力端子(Q)は、Lとなる。これにより、コンデンサCxからの放電が開始される。出力端子(Q)がLの間、コンデンサCxからの放電が継続される。以降、このように充放電を繰り返し、三角波状の発振信号Xが生成される。
【0029】
コンデンサCxの充放電電流は、充放電電流設定部33(図4参照)によって定められる。具体的には、抵抗器Riを流れる電流値によって定められる。抵抗器Riの両端電圧は、GNDと、定電圧回路(エミッタフォロワ)として機能するトランジスタTr8のエミッタ電圧によって定められる。従って、コンデンサCxの充放電電流は、定電圧回路の出力と抵抗器Riとから定まる定電流回路によって定められる。
【0030】
上記定電圧回路の電圧値は、入力電圧Viを抵抗器R5とR6とで分圧した値により定められる。この分圧値は、トランジスタTr7を用いた定電圧回路(エミッタフォロワ)を介して、トランジスタTr8を用いた定電圧回路に伝達される。抵抗器R5とR6とによる分圧値は、入力電圧Viの変動に伴って、つまり入力電圧Viに比例して変動する。従って、抵抗器Riを有する定電流回路で規定される電流値も、入力電圧Viに比例して変動する。
【0031】
三角波生成部32では、このようにして定められた定電流をコンデンサCxに対して充放電することにより、三角波状の発振信号Xを生成する。上記定電流回路に直列に接続された抵抗器R11、トランジスタTr1には、定電流回路で生成した定電流が流れる。トランジスタTr1とTr2とはベース入力を共通としている。従って、抵抗器R12とトランジスタTr2との直列回路は、抵抗器R11とトランジスタTr1との直列回路に対して、ミラー構成される。つまり、カレントミラー回路を構成している。従って、抵抗器R12、トランジスタTr2と直列に接続されたコンデンサCxには、上記定電流回路で規定された定電流(充電電流I1)が供給される。つまり、コンデンサCxは、定電流である充電電流I1で充電される。
【0032】
また、抵抗器R13とトランジスタTr3との直列回路、及び、抵抗器R14とトランジスタTr4との直列回路が、共に抵抗器R11とトランジスタTr1との直列回路に対して、ミラー構成される。トランジスタTr3、及びトランジスタTr4を含む直列回路のそれぞれが、カレントミラー回路を構成し、さらにこれら2つの直列回路が並列接続される。従って、この並列回路に直列接続されるトランジスタTr6と抵抗器R16とからなる直列回路には、上記充電電流I1の2倍の電流I2が流れる。また、トランジスタTr5は、トランジスタTr6とベースが共通であり、これらもカレントミラー回路を構成している。従って、トランジスタTr5と抵抗器R15との直列回路には、充電電流I1の2倍の電流I2(放電電流)が流れる。
【0033】
トランジスタTr6と抵抗器R16との直列回路には、充放電スイッチF2が並列接続されている。FETで構成された充放電スイッチF2は、RSフリップフロップの出力(Q)がHの場合にはオンし、Lの場合にはオフする。充放電スイッチF2がオンの場合、トランジスタTr3、Tr4の並列回路を流れる電流は、トランジスタTr6を流れず、充放電スイッチF2を通ってグラウンドへと流れる。従って、カレントミラーを構成するトランジスタTr5にも電流は流れず、コンデンサCxは充電電流I1で充電される。
【0034】
充放電スイッチF2がオフの場合、トランジスタTr3、Tr4の並列回路を流れる電流は、トランジスタTr6を流れる。従って、カレントミラーを構成するトランジスタTr5には、放電電流I2が流れる。トランジスタTr5は放電電流I2を流すために、コンデンサCxを放電させる。コンデンサCxに対しては、充電電流I1が供給され続けている。従って、コンデンサCxは、I2−I1=I1で、放電されることになる。このように、コンデンサCxは、同じ電流値で充放電されるので、図5に示すような三角波が生成される。このようにして、コンデンサCxは、充放電スイッチF2がオンの場合には充電、オフの場合には放電される。
【0035】
発振回路3Aにおいては、入力電圧Viに比例して変動する定電流(充電電流I)によってコンデンサCxが充放電される。従って、発振信号Xの周波数は、入力電圧Viの変動に拘わらず、一定に保たれる。
尚、I2=I1×2としなければ、のこぎり波など他の形状の三角波を生成することもできる。
【0036】
以上、説明したように本発明によって、入力電圧の変動に対しても、高効率且つ高いリップル除去効果を維持すると共に、簡単な構成で安定した一定の出力電圧を得られる安定化電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る安定化電源装置の構成例を模式的に示すブロック図
【図2】図1のパルス制御部によるパルス幅制御の原理を説明する波形図
【図3】図1の安定化電源装置の概略回路構成を示す回路図
【図4】図3の発振回路の概略回路構成を示す回路図
【図5】図3の発振回路により三角波状の発振信号を生成する原理を説明する波形図
【図6】直流安定化電源装置の従来の構成例を模式的に示すブロック図
【符号の説明】
【0038】
1 :スイッチング電圧変換部
2 :パルス制御部
3 :発振部
4 :リニア電圧変換部
5 :誤差検出部
10:スイッチング電源回路
20:リニア電源回路
SP:制御パルス
Vi:入力電圧
Va:一次変換電圧
Vo:出力電圧
X :発振信号
E1:基準電圧
E3:しきい値
E4:上限値
E5:下限値
Cx:コンデンサ
I1:定電流




 

 


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