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発明の名称 回転機の積層巻きコア
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68310(P2007−68310A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−249989(P2005−249989)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人 【識別番号】100089738
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 武尚
発明者 佐久間 昌史 / 鳥居 厚志 / 星野 彰教 / 山本 博之
要約 課題
積層作業工程に要する時間を短くすることが可能で、かつ、機械的強度の高いこと。

解決手段
ユニットコア31相互間は外周の一部が連結されているので、連続して回転機の積層巻きコア30を形成することができる。このとき、巻取りのための切欠凹部35は、ユニットコア31の連続引出し及び積層を可能とし、また、ユニットコア31を積層巻きしたとき嵌合する半抜き突き出し36でユニットコア31相互間の正確な位置決めを行い、しかも、積層状態を維持するためのカシメを行うことができる。同時にユニットコア31の当接面位置が積層毎にずれてチドリ積層ロータコアが構成される。よって、積層作業工程に要する時間を短くすることが可能であり、機械的強度の高い回転機の積層巻きコアとすることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転機の極数がn極(n:2の倍数)からなり、磁極数をm極(m:nの約数以外の自然数)とした円弧状のユニットコアをスパイラル状に所定枚数積層巻きし、前記円弧状のユニットコアの積層巻き軸方向積層量XをX=θ*t/360(θ:巻き角度、t:ユニットコアの板厚)とした回転機の積層巻きコアにおいて、
前記円弧状のユニットコア相互間は外周の一部で連結されていることを特徴とする回転機の積層巻きコア。
【請求項2】
前記積層巻きコアの巻き始めまたは巻き終わり付近の円弧状のユニットコアの磁極数をM極(M:磁極数mより小さい自然数)としたことを特撒とする請求項1記載の回転機の積層巻きコア。
【請求項3】
前記外周の一部で連結されている円弧状のユニットコアは、前記円弧状のユニットコアを積層巻きしたとき嵌合する凹凸が前記円弧状のユニットコアの端部に形成されており、また、前記円弧状のユニットコアにはスリーブを取付けるための貫通孔を有し、巻取りのための切欠凹部及び前記切欠凹部付近に積層状態を維持するための半抜き突き出しを有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転機の積層巻きコア。
【請求項4】
前記巻取りのための切欠凹部は、前記スリーブを取付けるための貫通孔相互間の略中心位置に形成したことを特徴とする請求項3に記載の回転機の積層巻きコア。
【請求項5】
前記スリーブを取付けるための貫通孔は、磁極に永久磁石を使用し、永久磁石トルクを主とする場合には、その略中心軸上に配置したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回転機の積層巻きコア。
【請求項6】
前記スリーブを取付けるための貫通孔は、磁極にコイルを使用する場合には、そのコイル相互間の略中心軸上に配置したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回転機の積層巻きコア。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機、電動機等の回転機の積層巻きコアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の積層コアとしては、特許文献1及び特許文献2に掲載の技術がある。
即ち、特許文献1には円弧状の薄板部材をチドリ積層して構成したモータステータコアが開示されており、詳しくは、薄板部材が接し合って並べられ、互いに成層鉄心へと結合され、その際、打ち抜きによって、基本的に、円弧状の薄板セグメントが、角度α=360°/n(但し、nは2より大きい整数)に相当する周囲長さによって形成され、これら薄板部材セグメントのn個が、1つの面内に配設され、これら接し合って並べられた薄板部材が少なくとも1つの結合要素を用いて結合または溶接されるものである。
【0003】
また、特許文献2には回転機の回転子コア構造が開示されており、扇形分割コアの周方向端面に設けた凹凸部相互を嵌合させて環状の回転子コアを形成し、これを所定枚数積み重ねて円筒状の回転子コアを形成し、所定枚数積み重ねて円筒状としたブロック毎の回転子コアの積層構造を、前記凹凸嵌合部を周方向にずらしてレンガ積み状の重ね合わせ構造とするものである。
【特許文献1】特表2003−528557
【特許文献2】特開2002−262496
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1及び特許文献2は、円弧状の薄板セグメントまたは扇形分割コアを周方向にある角度だけずらして周方向に並べる必要があり、かつ、積層する層毎に角度をずらせて円弧状の薄板セグメントまたは扇形分割コアの接続部の位置を変更して、全体が分離し難い構造として一体化する必要があった。
そのため、円弧状の薄板セグメントまたは扇形分割コアの積層に手間がかかり、積層作業工程に要する時間が長くなる。その結果、モータ製造コストが上昇する。更に、特許文献2では、周方向端面に設けた凸凹を嵌合するために、軸方向の嵌合作業が必要であり、積層作業工程に要する時間が更に長くなる。
【0005】
そこで、本発明は、積層作業工程に要する時間を短くすることが可能とする回転機の積層巻きコアの提供を主なる課題とするものである。また、機械的強度の高い回転機の積層巻きコアの提供を従たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかる回転機の積層巻きコアは、回転機の極数がn極(n:2の倍数)からなり、磁極数をm極(m:nの約数以外の自然数)とした円弧状のユニットコアを所定枚数積層巻きし、前記円弧状のユニットコアの積層巻きした軸方向積層量XをX=θ*t/360(θ:巻き角度、t:積層ユニットコアの板厚、*は掛け算の[?]の意味)とした回転機の積層巻きコアにおいて、前記円弧状のユニットコア相互間は外周の一部で連結されたものである。なお、前記円弧状のユニットコアの積層巻きした軸方向積層量Xとは、前記円弧状のユニットコアを積層巻きしたときの軸方向の積層した量であり、積層中においては軸方向移動量となる。
ここで、前記円弧状のユニットコア相互間の外周の一部での連結は、通常、0.3〜0.4〔mm〕の鋼鈑を使用した場合には、0.5〜5〔mm〕程度の幅の接続となる。
【0007】
請求項2にかかる回転機の積層巻きコアは、複数の円弧状のユニットコアのうちの1つの円弧状のユニットコアの磁極数をM極 (M:磁極数mより小さい自然数)としている。請求項1の構成においては、円弧状のユニットコアの極数mが回転機の極数nと一致しないとき、積層する枚数によっては、ユニットコアの巻き始めの位置と巻き終わりの位置がずれることがある。この場合において、複数のユニットコアのうちの1つのユニットコアの磁極数のみを小さく設定しておくことで、積層巻きコアの巻き始め及び巻き終わりの位置のずれを少なくできる。なお、磁極数をM極としたユニットコアは、積層巻きコアの巻き始めまたは巻き終わり付近とすることが好ましい。また、磁極数のMの値は、積層巻きコアの巻き始め及び巻き終わりの位置を一致させる値とすることが望ましい。
【0008】
請求項3にかかる回転機の積層巻きコアの前記外周の一部で連結されている円弧状のユニットコアは、前記円弧状のユニットコアを積層巻きしたとき嵌合する凹凸が前記円弧状のユニットコアの端部に形成されており、また、前記円弧状のユニットコアにはスリーブを取付けるための貫通孔を有し、巻取りのための切欠凹部及び前記切欠凹部付近に積層状態を維持するためのカシメを行う半抜き突き出しを有している。
ここで、前記円弧状のユニットコアを巻き積みするとき嵌合する凹凸は、前記円弧状のユニットコアの端部に形成され、前記円弧状のユニットコアの端部相互が接合するとき、嵌合が簡単に行われるように凹凸にテーパが付されているのが好適である。
また、前記円弧状のユニットコアに設けられたスリーブを取付けるための貫通孔は、前記円弧状のユニットコアの磁路に影響しないような位置であればよい。また、ステータの反対側に設けた巻取りのための切欠凹部についても、同様に、前記円弧状のユニットコアの磁路に影響しないような位置であればよい。
そして、前記円弧状のユニットコアには、積層状態を維持するための半抜き突き出しを巻取りのための切欠凹部付近に形成したものである。この積層状態を維持するための半抜き突き出しについても、本発明を実施する場合には、前記円弧状のユニットコアの磁路に影響しないような位置であればよい。
【0009】
請求項4にかかる回転機の積層巻きコアの前記巻取りのための切欠凹部は、前記スリーブを取付けるための貫通孔相互間の略中心位置に形成したものである。この切欠凹部についても、前記円弧状のユニットコアの磁路に影響しないような位置であればよい。
【0010】
請求項5にかかる回転機の積層巻きコアの前記スリーブを取付けるための貫通孔は、磁極に永久磁石を使用する場合には、その略中心軸上に配置したものである。この貫通孔は、永久磁石が形成する磁路が、左右に分かれるから中心部は磁束の少ない位置となる。
【0011】
請求項6にかかる回転機の積層巻きコアの前記スリーブを取付けるための貫通孔は、磁極にコイルを使用する場合には、そのコイル相互間の略中心軸上に配置したものである。この貫通孔は、コイルが形成する磁路が、左右に分かれるからその中心部は磁束の少ない位置となる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の回転機の積層巻きコアは、回転機の極数がn極(n:2の倍数)からなり、磁極数をm極(m:nの約数以外の自然数)とした円弧状のユニットコアを所定枚数積層巻きし、前記円弧状のユニットコアの積層巻き軸方向積層量XをX=θ*t/360(θ:巻き角度、t:ユニットコアの板厚)とした回転機の積層巻きコアにおいて、前記円弧状のユニットコア相互間は外周の一部で連結されている。
したがって、ユニットコア相互間は外周の一部が連結されているので、連続して回転機の積層巻きコアを形成することができる。よって、積層作業工程に要する時間を短くすることが可能である。
【0013】
請求項2の回転機の積層巻きコアにおいては、積層巻きコアの巻き始め及び巻き終わ
りの位置のずれを少なくできるので、積層巻きコアのバランスのずれを抑えることができる。なお、円弧状のユニットコアの磁極数のMの値を、積層巻きコアの巻き始め及び巻き終わりの位置を一致させる値とすることにより、積層巻きコアの巻き始め及び巻き終わりの位置のずれがなくなり、バランスのずれはなくなる。
【0014】
請求項3の回転機の積層巻きコアにおいては、前記円弧状のユニットコアを積層巻きしたとき嵌合する凹凸が前記円弧状のユニットコアの端部に形成されており、また、前記円弧状のユニットコアにはスリーブを取付けるための貫通孔を有し、ステータの反対側には巻取りのための切欠凹部を有しているものである。また、前記切欠凹部付近に積層状態を維持するための半抜き突き出しを有しているから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、巻取りのための切欠凹部は、ユニットコアの連続引出し及び積層を可能とし、また、ユニットコアを積層巻きしたとき嵌合する凹凸がユニットコア相互間の正確な位置決めを行い、しかも、前記切欠凹部付近には半抜き突き出しを有し、積層状態を維持するためのカシメを行うことができる。よって、積層作業工程に要する時間を短くすることが可能であり、機械的強度の高い回転機の積層巻きコアとすることができる。
【0015】
請求項4の回転機の積層巻きコアにおいては、前記巻取りのための切欠凹部が前記スリーブを取付けるための貫通孔相互間の略中心位置に形成したものであるから、請求項3の効果に加えて、磁路に影響するものでないから、電動機のコアとして磁気特性を低下させることがない。
【0016】
請求項5の回転機の積層巻きコアにおいては、前記スリーブを取付けるための貫通孔が、磁極に永久磁石を使用する場合、その略中心軸上に配置したものであるから、請求項3または請求項4の効果に加えて、磁路に影響するものでないから、電動機のコアとして磁気特性を低下させることがない。
【0017】
請求項6の回転機の積層巻きコアにおいては、前記スリーブを取付けるための貫通孔を、磁極にコイルを使用する場合、そのコイル相互間の略中心軸上に配置したものであるから、請求項3または請求項4の効果に加えて、磁路に影響するものでないから、電動機のコアとして磁気特性を低下させることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアについて、図を用いて説明する。なお、本実施の形態2以降において、実施の形態1と同一記号または同一符号は、上記実施の形態1と同一または相当する構成部分を示すものであるから、その詳細な説明を省略し、主に相違点のみ説明する。
[実施の形態1]
【0019】
図1は本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアを用いた電動機の断面図であり、図2は図1のロータの断面図であり、図3は図2で使用している積層ロータコアの正面図である。図4は本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアの打ち抜き製造された円弧状のユニットコアの正面図、図5は図4の円弧状のユニットコアの拡大正面図である。
【0020】
図において、本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアにおける回転機は、電動機1としたものであるが、本発明を実施する場合には、発電機とすることもできる。電動機1は、外側に配設されたステータ10とその内側に配設されたロータ20によって構成されている。
ステータ10は、ステータ取付枠11に対してステータコア12及びステータコイル13が配設されている。また、電動機1を回転制御する制御回路14をステータ取付枠11に取付けている。なお、本実施の形態においては、ステータ10はステータ取付枠11に複数本の取付ボルト15によって取付けられている。これらの構造は公知の電動機1のステータ10の構造である。
【0021】
ロータ20は、ロータ保持枠21に取付けられた積層巻きコア30と、積層巻きコア30を両端で保持し、各円弧状のユニットコア31(順序に意味がある場合のみ31a、31b、・・・、31gと説明する)相互間を密着させるエンドプレート23a及び23bと、エンドプレート23bをロータ保持枠21に固着する複数本の取付ボルト24によって積層巻きコア30をロータ保持枠21に一体に固定している。なお、各円弧状のユニットコア31は、相互間を密着させるエンドプレート23a及び23bで挟む前に、積層しながら全周に設けた半抜き突き出し36にてカシメ処理し、一体化される。
【0022】
積層した後、永久磁石取付孔32には、永久磁石28が挿入される。円弧状のユニットコア31相互間を密着させるエンドプレート23a及び23bは、貫通孔33にスリーブ22を挿入し、端部をカシメることによって、ロータ回転に伴い作用する遠心力に耐えるロータを構成する。ロータ保持枠21の中心には、芯出しを行うセンター孔21bが穿設され、その周囲には複数個の取付孔21aが穿設されている。複数個の取付孔21aは、取付ボルト26によって軸25に固着している。
【0023】
次に、積層巻きコア30について、更に、詳述する。
本実施の形態の回転機の積層巻きコアは、電動機1としてのロータ20の全周に形成された回転機としての極数がn極(n:2の倍数)を形成するように設定されている。図3は回転機としての極数が20極の事例である。本実施の形態では、円弧状のユニットコア31は磁極数を3極としたもので、一般には、ユニットコア31は磁極数をm極(m:nの約数以外の自然数)としている。この円弧状のユニットコア31は珪素鋼板等の鋼板帯から打ち抜きで連続形成される。したがって、鋼板帯の幅Wを狭くするには、ユニットコア31の磁極数は少ない方が好ましい。
【0024】
円弧状のユニットコア31の相互間は、0.5〜5〔mm〕程度の幅の接続部分を持つ。接続部分の幅0.5〜5〔mm〕は、円弧状のユニットコア31の板厚t〔mm〕、磁極数のm、回転機の直径等によって決定され、その多くは1〜3〔mm〕程度に設定される。
また、円弧状のユニットコア31の端部は、一端が凸34a、対応する他端が凹34bを形成している。本実施の形態では、半円形の凸34a及び凹34bとしているが、本発明を実施する場合には、円弧状のユニットコア31の相互間の接続部分によって折曲されるときに自然に一体になる構造が望ましく、半円形の他に三角形等のようにテーパを持った形状が好ましい。何れにせよ、隣接するユニットコア31や永久磁石28との間で形成する磁路の磁気抵抗を低くする形状が望ましい。
【0025】
円弧状のユニットコア31は、その磁極数をm極に対応してm個の永久磁石取付孔32を形成する。
円弧状のユニットコア31の永久磁石取付孔32に対応して、ユニットコア31の円弧状の中心から永久磁石取付孔32の放射方向の略中心線上の図5のφ1の位置で、できるだけ永久磁石取付孔32から離れ、かつ、機械的強度が得られる位置にスリーブ22を取付けるための貫通孔33を形成する。
【0026】
そして、円弧状のユニットコア31には、ステータ10の反対側には巻取りのための切欠凹部35が形成されている。この切欠凹部35は、円弧状のユニットコア31を積層巻きするときに、帯状になっているユニットコア31列を引き込み、順次組み付けるのに使用される。この円弧状のユニットコア31に設けられたステータ10の反対側に設けた巻取りのための切欠凹部35は、円弧状のユニットコア31に作用する回転に伴う遠心力を受ける貫通孔33まわりの強度に影響しないような位置、例えば、円弧状のユニットコア31の貫通孔33相互間と、ユニットコア31の円弧状の中心とを結ぶ放射方向の図5のφ2の位置であればよい。
【0027】
このように構成された円弧状のユニットコア31列は、次のように組み立てられる。
まず、切欠凹部35に嵌合する図示しない籠状の回転枠の一端に、最初の端部にくる円弧状のユニットコア31を磁石等で固定する。このとき、円弧状のユニットコア31の積層巻きの軸方向の移動量である積層巻き軸方向積層量Xは、X=θ*t/360(θ:巻き角度、t:ユニットコアの板厚)とする。
【0028】
このように任意の回数だけユニットコア31の積層巻き軸方向に積層すると、図3に示すように、本実施の形態では、切欠凹部35に嵌合する図示しない籠状の回転枠を右回転させながら円弧状のユニットコア31の積層を行ったとすると、最初の円弧状のユニットコア31aから、ユニットコア31b、ユニットコア31c、・・・と順次は位置され、1周したとき、ユニットコア31gはユニットコア31aと1/3だけ重なり合い、積層巻きコア30の積層順に位相ずれを生ずる。即ち、円弧状のユニットコア31の当接面位置が積層毎にずれてチドリ積層ロータコアが構成される。
【0029】
これは、回転機の極数がn極(n:2の倍数)からなり、円弧状のユニットコア31aの磁極数をm極とするとき、そのmをnの約数以外の自然数とした結果である。
このように円弧状のユニットコア31の積層巻き軸方向積層量Xが特定の値になるとそこで、積層巻きが終了される。この積層巻きの終了位置は、ロータ20の全体のバランスからして、最初の円弧状のユニットコア31aの先端部と当接する位置で終了するのが望ましい。
【0030】
このように構成された積層巻きコア30において、本実施の形態の積層巻きコアは、積層しながら全周に設けた半抜き突き出し36にてカシメ処理し、一体化される。
次に、積層巻きコア30をエンドプレート23aとエンドプレート23bで挟み、貫通孔33にスリーブ22を挿入し、端部をカシメることによって、ロータ回転に伴い作用する遠心力に耐えるロータを構成する。そして、エンドプレート23b側をロータ保持枠21に複数本の取付ボルト24によって一体化する。このように取り付けられた積層巻きコア30は、複数個の取付孔21aに取付ボルト26を挿入し、ステータ取付枠11に回転自在に支持された出力軸25に固着される。
【0031】
このように、本実施の形態の転機の積層巻きコア構造は、回転機の極数がn極(n:2の倍数)からなり、磁極数をm極(m:nの約数以外の自然数)とした円弧状のユニットコア31を所定枚数積層巻きし、円弧状のユニットコア31の積層巻きし軸方向移動量X=θ*t/360(θ:巻き角度、t:積層ユニットコアの板厚)とし、円弧状のユニットコア31相互間は外周の一部で連結されている。
加えて、ユニットコア31を積層巻きしたとき嵌合する凹34bと凸34aがユニットコア31の端部に形成されており、また、ユニットコア31にはスリーブ22を取付けるための貫通孔33を有し、ステータ10の反対側には巻取りのための切欠凹部35を有しているものである。
【0032】
したがって、ユニットコア31相互間は外周の一部が連結されているので、連続して回転機の積層巻きコア30を形成することができる。このとき、巻取りのための切欠凹部35は、ユニットコア31の連続引出し及び積層を可能とし、また、ユニットコア31を積層巻きしたとき嵌合する半抜き突き出し36でユニットコア31相互間の正確な位置決めを行い、しかも、積層状態を維持するためのカシメを行うことができる。よって、積層作業工程に要する時間を短くすることが可能であり、機械的強度の高い回転機の積層巻きコアとすることができる。
【0033】
また、スリーブ22を圧入等で取付け、そのスリーブ22両端をカシメ、積層コア相互間の位置保持を行うことで円弧状のユニットコア31に作用する遠心力は隣接円弧状のユニットコア31で保持することができるから、耐遠心力に優れた積層巻きコア30が実現する。また、一体の円環状のコアを製作する場合に比べ、材料歩留りがよい。更に、円弧状のユニットコア31の当接面位置が積層毎にずれてチドリ積層ロータコアが構成されるから、磁束の積層間回り込みが期待でき、コア分割による磁気抵抗増加の低減が期待できる。
【0034】
そして、円弧状のユニットコア31の積層巻きコア30の軸方向移動量Xは、全極に均等に振り分けることで、円弧状のユニットコア31を単一プレス型で製作した場合の永久磁石取付孔32、貫通孔33等の軸方向の積層によるズレを最小限とし、積層巻きコア30の、永久磁石28、スリーブ22の取付けの利便性及び目的とする機能を実現できる。また、積層巻きコア30のカシメが可能となり、生産性も向上する。
【0035】
更に、円弧状のユニットコア31は図4のように外周側で繋がっているので、ユニットコア31をプレス型で製作した後、巻き治具に引込み巻き上げることができるため、連続的な巻上げて積層でき、分割された円弧状のユニットコアを並べて並べるより、短時間で積層巻きコア30を形成できる。
【0036】
ここで、円弧状のユニットコア31相互間の外周の一部での連結は、通常、0.5〜5〔mm〕程度の幅の接続となる。また、ユニットコア31を巻き積みするとき嵌合する凹34bと凸34aは、ユニットコア31の端部に形成され、ユニットコア31の端部相互が接合するとき、嵌合が簡単に行われるように凹34bと凸34aにテーパが付されているのが好適である。また、ユニットコア31に設けられたスリーブ22を取付けるための貫通孔33は、ユニットコア31の磁路と耐遠心力強度に影響しないような位置であればよい。そして、ステータ10の反対側に設けた巻取りのための切欠凹部35についても、同様に、ユニットコア31の磁路と耐遠心力強度に影響しないような位置であればよい。
【0037】
そして、円弧状のユニットコア31には、積層状態を維持するためのカシメを行う半抜き突き出し36を巻取りのための切欠凹部35付近に形成したものである。この積層状態を維持するためのカシメを行う半抜き突き出し36についても、本発明を実施する場合には、円弧状のユニットコア31の磁路と耐遠心力強度に影響しないような位置であればよい。
【0038】
ところで、上記実施の形態の回転機の積層巻きコアでは、電動機1のインナロータタイプのロータ20を製造する場合について説明したが、本発明を実施する場合には、永久磁石取付孔32、貫通孔33、切欠凹部35、半抜き突き出し36の位置が内周と外周の逆になるが、電動機1のアウタロータタイプのロータまたはステータ10を製造する場合にも使用することができる。また、電動機1を発電機に使用することもできる。
【0039】
上記実施の形態の回転機の積層巻きコア構造は、円弧状のユニットコア31を巻き上げていくだけで、コア分割部位置が巻上げ毎に周方向にずれ、チドリ積層が実現する。結果、短時間でチドリ積層コアを製作でき、また、一体の円環状のコアに比べ材料歩留まりが向上するため安価なモータを実現できる。また円弧状のユニットコア31相互間での位置保持機構を盛込むことで、耐遠心力の高い積層巻きコア30を実現できる。
【0040】
また、円弧状のユニットコア31を巻き上げる際、繋がった一部を活用し、円弧状のユニットコア31を引き込むことができるので円弧状のユニットコア31が分離している場合に比べ、短時間で巻き上げることができ、安価なモータを実現できる。そして、ユニットコア31の端部相互に凹34bと凸34aを設けているから、分割面の対向面積が増え、磁気抵抗が下がり、分割の出力性能面での悪影響を低減できる。
【0041】
そして、円弧状のユニットコア31の積層巻き軸方向積層量を均等に振り分けることで、円弧状のユニットコア31を単一プレス型で製作した場合の永久磁石取付孔32、貫通孔33等の軸方向積層によるズレを最小限とし、積層巻きコア30ヘの、永久磁石28、スリーブ22の取付けの利便性及び目的とする機能を実現できる。
【0042】
更に、貫通孔33にスリーブ22を取付け、その両端をカシメにより円弧状のユニットコア31相互間で位置保持して積層巻きコア30を構成する。これにより耐遠心力の高い積層巻きコア30を実現できる。また、モータ性能への影響を最小限にとどめるために、磁束の少ない位置に穴を配置することができる。また、貫通孔33、切欠凹部35、半抜き突き出し36とが干渉せず、モータ出力性能への影響を最小限に留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアを用いた電動機の断面図である。
【図2】図2は図1のロータの断面図である。
【図3】図3は図2で使用している積層ロータコアの正面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態の回転機の積層巻きコアの打ち抜き製造された円弧状のユニットコアの正面図である。
【図5】図5は図4の円弧状のユニットコアの拡大正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 電動機
10 ステータ
20 ロータ
22 スリーブ
30 積層巻きコア
32 永久磁石取付孔
31 ユニットコア
34b 凹
34a 凸
33 貫通孔
35 切欠凹部
36 半抜き突き出し
40 逃げ部




 

 


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