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発明の名称 ワイヤハーネスの配索構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−195308(P2007−195308A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−10159(P2006−10159)
出願日 平成18年1月18日(2006.1.18)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 塚本 真史
要約 課題
ワイヤハーネスの余長を吸収し、且つワイヤハーネスを保護して信頼性の向上を図ることができると共に、その組立作業性に優れるワイヤハーネスの配索構造を提供する。

解決手段
車体と、該車体にスライド移動可能に組み付けられたスライドシート11と、に跨って配索されるワイヤハーネスWの配索構造10は、ワイヤハーネスWが、スライドシート11に設けられたハーネス収容部20に収容され、車体からスライドシート11のスライド移動方向に伸びた後に巻回されてスライドシート11のハーネス保持部30に保持されており、そして、ワイヤハーネスWの外縁には長手方向に沿って帯板状の弾性部材40が添着されており、ワイヤハーネスWの巻回部分Waがスライドシート11のスライド移動に応じて拡径あるいは縮径することで、スライドシート11のスライド移動に伴いワイヤハーネスWに生じる余長が吸収される。
特許請求の範囲
【請求項1】
固定構造体と、該固定構造体にスライド移動可能に組み付けられた可動構造体と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネスが、前記可動構造体に設けられたハーネス収容部に収容され、前記固定構造体から該可動構造体のスライド移動方向に伸びた後に巻回されて該可動構造体のハーネス保持部に保持されており、そして、該ワイヤハーネスの外縁には長手方向に沿って帯板状の弾性部材が添着されており、
前記ワイヤハーネスの巻回部分が前記可動構造体のスライド移動に応じて拡径あるいは縮径することで、該可動構造体のスライド移動に伴い該ワイヤハーネスに生じる余長が吸収されることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【請求項2】
前記弾性部材が、長手方向に垂直な断面において円弧状に湾曲しており、その凹面を前記ワイヤハーネスの外縁に接触させて添着していることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【請求項3】
前記ハーネス保持部が、前記ワイヤハーネスの巻回部分に連なる部分が該巻回部分の中心軸に平行となるように該ワイヤハーネスを屈曲させて保持するクランプと、該巻回部分の中心軸に平行とされた該ワイヤハーネスの部分を軸にして該クランプを回転可能に支持するベース部材と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【請求項4】
前記弾性部材が、その一端を前記クランプに接続していることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【請求項5】
前記弾性部材と前記クランプとが一体に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【請求項6】
前記弾性部材が、その凹面に、前記ワイヤハーネスを係止するクリップを有していることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネスの配索構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定構造体と該固定構造体にスライド移動可能に組み付けられた可動構造体とに跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造に関し、詳しくは、自動車等の車両において車体と該車体にスライド移動可能に組み付けられたスライドシートやスライドドアとに跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、スライドシートやスライドドアのスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスの余長を吸収することができるワイヤハーネスの配索構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤハーネスの余長を吸収することができる従来のワイヤハーネスの配索構造の一例として図7に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7に示すように、特許文献1に開示されたワイヤハーネスの配索構造100は、自動車のドアヒンジ部に適用されているものであり、ドアパネル内に取り付けられ、ハーネスの挿入口102と該挿入口102に対向する引出口103とが設けられた収容ケース101を備え、ワイヤハーネスWは、挿入口102から収容ケース101内に挿入され、収容ケース101内の突起104周りに1回転巻回された後、引出口103から引き出され、クランプ105により車体に係止されている。
【0004】
ドアの開閉に応じて、収容ケース101内で突起104周りに巻回されたワイヤハーネスWの巻回部分がその巻径を拡大あるいは縮小させ、これにより、ドアの開閉に伴って生じるワイヤハーネスWの余長が吸収され、ワイヤハーネスWがドアと車体との間で弛まないようになっている。ここで、ワイヤハーネスWは、収容ケース101の内面に添うような大径の巻き癖をつけたチューブに挿通されており、引張が解かれた際には元の形状に復元するようになっている。
【0005】
また、固定構造体と該固定構造体にスライド移動可能に組み付けられた可動構造体とに跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって可動構造体のスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスの余長を吸収することができる従来のワイヤハーネスの配索構造として、図8に示すものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
図8に示すように、特許文献2に開示されたワイヤハーネスの配索構造200は、自動車のスライドドア201のインナパネル202に適用さているものであり、カバー203と本体204とで構成され、ドア側のワイヤハーネスWを湾曲した状態に収容するプロテクタ205と、固定具207により一端をプロテクタ205に固定され、プロテクタ205内でワイヤハーネスWを付勢する板状の弾性部材206とを備えている。
【0007】
図8においてスライドドア201は閉じた状態にあり、スライドドア201が開くに伴いワイヤハーネスWに余長が生じるが、上向きに凸となるように湾曲しているワイヤハーネスWの内縁を弾性部材206が上向きに付勢してワイヤハーネスWの弛みを防止するようになっている。
【0008】
【特許文献1】特開平10−071855号公報
【特許文献2】特開2002−281650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたワイヤハーネスの配索構造100では、巻き癖をつけたチューブにワイヤハーネスWを挿通させる作業は容易ではなく、ワイヤハーネスの組立作業性に劣る。
【0010】
また、上記特許文献2に開示されたワイヤハーネスの配索構造200では、上向きに凸となるように湾曲しているワイヤハーネスWの内縁を弾性部材206が上向きに付勢してワイヤハーネスWの弛みを防止する構成であり、ワイヤハーネスWの外縁がプロテクタ205の内壁面に摺接してしまうため、ワイヤハーネスWの磨耗及びそれによる損傷が懸念される。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤハーネスの余長を吸収し、且つワイヤハーネスを保護して信頼性の向上を図ることができると共に、その組立作業性に優れるワイヤハーネスの配索構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明の下記(1)〜(7)のワイヤハーネスの配索構造により達成される。
【0013】
(1)固定構造体と、該固定構造体にスライド移動可能に組み付けられた可動構造体と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネスが、前記可動構造体に設けられたハーネス収容部に収容され、前記固定構造体から該可動構造体のスライド移動方向に伸びた後に巻回されて該可動構造体のハーネス保持部に保持されており、そして、該ワイヤハーネスの外縁には長手方向に沿って帯板状の弾性部材が添着されており、
前記ワイヤハーネスの巻回部分が前記可動構造体のスライド移動に応じて拡径あるいは縮径することで、該可動構造体のスライド移動に伴い該ワイヤハーネスに生じる余長が吸収されることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【0014】
(2)前記弾性部材が、長手方向に垂直な断面において円弧状に湾曲しており、その凹面を前記ワイヤハーネスの外縁に接触させて添着していることを特徴とする(1)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0015】
(3)前記ハーネス保持部が、前記ワイヤハーネスの巻回部分に連なる部分が該巻回部分の中心軸に平行となるように該ワイヤハーネスを屈曲させて保持するクランプと、該巻回部分の中心軸に平行とされた該ワイヤハーネスの部分を軸にして該クランプを回転可能に支持するベース部材と、を含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0016】
(4)前記弾性部材が、その一端を前記クランプに接続していることを特徴とする(3)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0017】
(5)前記弾性部材と前記クランプとが一体に形成されていることを特徴とする(4)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0018】
(6)前記弾性部材が、その凹面に、前記ワイヤハーネスを係止するクリップを有していることを特徴とする(2)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0019】
(7)前記ワイヤハーネスが、コルゲートチューブで外装されており、
前記クリップが、前記コルゲートチューブの谷部に係合していることを特徴とする(6)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【0020】
上記(1)の構成の配索構造によれば、ワイヤハーネスの外縁には長手方向に沿って帯板状の弾性部材が添着され、この弾性部材の復元力によってワイヤハーネスの巻回部分が縮径する以前の状態に復元する(拡径する)ようになっており、ワイヤハーネスの巻回部分が可動構造体のスライド移動に応じて拡径あるいは縮径を繰り返すことで可動構造体のスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスの余長が吸収される。ここで、弾性部材は、帯板状であってワイヤハーネスの外縁に添着されるものであるから、その取り付けは容易であり、且つ、ワイヤハーネスの巻回部分が拡径した際にもワイヤハーネスがハーネス収容部の内壁面に直接触れることがなく、それにより、ワイヤハーネスの磨耗を防止することができる。
【0021】
上記(2)の構成の配索構造によれば、弾性部材は、長手方向に垂直な断面において円弧状に湾曲しており、その凹面が内に向くような撓みのみ可能である。そこで、弾性部材の凹面をワイヤハーネスの外縁に接触させて添着させることで、ワイヤハーネスの座屈を防止して、ワイヤハーネスの損傷を防止することができる。
【0022】
上記(3)の構成の配索構造によれば、ワイヤハーネスの巻回部分の縮径に伴ってワイヤハーネスに引っ張られるようにしてクランプが回転し、それに伴って巻回部分の中心軸に平行とされたワイヤハーネスの部分に捻転が生じるが、この捻転によるワイヤハーネスの反力は、その巻回部分を復元させるように作用するので、弾性部材の復元力を補うことができ、それにより、可動構造体のスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスの余長を安定して吸収することができる。
【0023】
上記(4)及び(5)の構成の配索構造によれば、部品点数を削減することができる。
【0024】
上記(6)の構成の配索構造によれば、弾性部材の凹面に設けられたクリップにより、弾性部材をワイヤハーネスの外縁に容易に添着させることができる。
【0025】
上記(7)の構成の配索構造によれば、ワイヤハーネスはコルゲートチューブで外装され、弾性部材のクリップをこのコルゲートチューブの谷部に係合させることにより、ワイヤハーネスに対する弾性部材のずれを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のワイヤハーネスの配索構造によれば、ワイヤハーネスの余長を吸収し、且つワイヤハーネスを保護して信頼性の向上を図ることができると共に、その組立作業性に優れるワイヤハーネスの配索構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明のワイヤハーネスの配索構造に係る一実施形態であって、スライドシートへの適用例を示す配索構造の斜視図、図2はスライドシートが最も後退した位置にある時の配索構造の側面図、図3(a)はワイヤハーネス及びこれに添着される弾性部材の斜視図、図3(b)は同図(a)の要部拡大正面図、図3(c)は同図(b)におけるC−C矢視断面図、図4(a)はハーネス保持部の分解斜視図、図4(b)はハーネス保持部の組み付け後の斜視図、図5はスライドシートが最も前進した位置にある時の配索構造の側面図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、本実施形態のワイヤハーネスの配索構造10は、自動車の車体と該車体にスライド移動可能に組み付けられているスライドシート11とに跨って配索されるワイヤハーネスWの配索構造である。
【0030】
スライドシート11は、座部12と、座部12に対して所定角度リクライニングできるよう座部12の後端部に回動可能に連結されている背もたれ部13と、を備えている。座部12の底面には、車体の前後方向に沿って互いに平行に該車体に配設された一組のガイドレール14にそれぞれ係合する一組のスライダ15が設けられている。スライドシート11は、スライダ15を車体のガイドレール14にそれぞれ係合させ、ガイドレール14に案内されて車体の前後方向にスライド移動可能とされている。
【0031】
スライドシート11の座部12の一方の側面にはアウターシールド20が組み付けられている。このアウターシールド20は、例えば電動リクライニング機構や電動スライド機構等の電動補機の操作釦が設けられるものであるが、本実施形態では、その内部にさらにハーネス収容空間21が設けられており、つまり、アウターシールド20はハーネス収容部とされている。
【0032】
アウターシールド20は、スライドシート11の座部12の側面との間にワイヤハーネスを収容するための隙間、即ちハーネス収容空間21をおいて該側面を覆うように形成されており、車体のフロアに面する下部周壁には、フロアから伸びるワイヤハーネスWをハーネス収容空間21に引き込むための開口部22が設けられている。
【0033】
ワイヤハーネスWは、一方のガイドレール14の脇にあってアウターシールド20の開口部22を上方に臨む位置に設けられたフロア側コネクタ16にその一端を接続し、上方に伸びて、開口部22を経てアウターシールド20内部のハーネス収容空間21に引き込まれている。
【0034】
アウターシールド20内部のハーネス収容空間21に引き込まれたワイヤハーネスWは、スライドシート11の座部12の側面に添ってスライドシート11のスライド移動方向にハーネス収容空間21の前端側まで伸び、その後に略3/4回転巻回され、座部12の側面に設けられたハーネス保持部30に保持されてスライドシート11内に引き込まれ、スライドシート11に内蔵された電動補機に他端を接続している。
【0035】
スライドシート11が図2に示す最も後退した位置にある時に、ハーネス保持部30はフロア側コネクタ16よりも前方にあって且つハーネス保持部30とフロア側コネクタ16とは最も接近しており、よって、ワイヤハーネスWの巻回部分Waは最も拡径されている状態にある。そして、アウターシールド20の前端部内壁面23は、この最も拡径した巻回部分Waの外形に添うような滑らかな曲面とされている。
【0036】
上記のようにアウターシールド20内部のハーネス収容空間21に収容されているワイヤハーネスWの外縁には、略全長にわたって帯板状の弾性部材40が添着されている。
【0037】
図3(a)及び図3(c)に示すように、弾性部材40は、長手方向に垂直な断面において略円弧状に湾曲しており、その凹面40aにおける一方の側縁部には、長手方向に適宜な間隔をおきながらクリップ41が複数設けられている。各クリップ41は、凹面40aとの間に隙間をいて対向する腕部を有し、また、その内面には断面三角形の突条42が形成されている。
【0038】
図3(b)に示すように、ワイヤハーネスWは、波形状をしたコルゲートチューブCTで外装されており、弾性部材40は、各クリップ41の突条42をコルゲートチューブCTの谷部に係合させ、そして、その凹面40aと各クリップ41の腕部とでワイヤハーネスWを挟持して、その凹面40aをワイヤハーネスWの外縁に接触させて添着している。尚、この弾性部材40の一端は、後述のハーネス保持部30のクランプ31に接続している。
【0039】
図4(a)及び図4(b)に示すように、ハーネス保持部材30は、クランプ31とベース部材32とで大略構成されている。クランプ31は、断面円弧状の軸部33と、この軸部33の一端に連設され該軸部33の中心軸O1から僅かに偏倚した位置で該中心軸O1に直交する方向に伸びる断面略コ字状の枠部34とからなり、ワイヤハーネスWの巻回部分Waに連なる部分Wbを枠部34及び軸部33内に収容して該ワイヤハーネスWを屈曲させて保持している。弾性部材40は、枠部34の端縁から連設されており、つまりは弾性部材40とクランプ31とは一体に形成されている。
【0040】
ハーネス保持部材30のベース部材32は、ヒンジ等で連結されて開閉可能とされた2つの部材35a,35bで構成されており、両部材が閉じられた際の互いの接合面には、クランプ31の軸部33を回転可能に支持する軸孔36を画成する凹溝36a,36bがそれぞれ設けられている。そして、ベース部材32は、軸孔36内にクランプ31の軸部33を収容し、この軸部33の中心軸O1、つまりは軸部33内に収容されたワイヤハーネスWの部分Wbの軸を、ワイヤハーネスWの巻回部分Waの中心軸O2と平行に配して、スライドシート11の座部12の側面に固定されている。
【0041】
次に、図2〜5を参照して、上述のように構成された配索構造10の動作を説明する。尚、スライドシート11が最も後退した位置(図2参照)にある時を初期状態として説明する。
【0042】
図2に示す初期状態において、ハーネス保持部30はフロア側コネクタ16よりも前方にあって且つハーネス保持部30とフロア側コネクタ16とは最も接近しており、ワイヤハーネスWの巻回部分Waは最も拡径されている状態にある。この初期状態からスライドシート11が前方へスライド移動すると、ハーネス保持部30とフロア側コネクタ16とは次第に離間し、それに伴い、ワイヤハーネスWは引っ張られる。
【0043】
ワイヤハーネスWは、引っ張られることにより、巻回部分Waの外縁に添着された弾性部材40を撓ませ、ハーネス保持部材30のクランプ31を中心軸O1回りに図4(b)に示す矢印B方向に回転させながら、巻回部分Waを縮径させる。スライドシート11が最も前進した図5に示す位置にある時に、クランプ31が回転することでワイヤハーネスWの巻回部分Waは略1/2回転巻回された状態となっている。
【0044】
図5に示す状態において、弾性部材40は初期状態から撓んでおり、その復元力がワイヤハーネスWの巻回部分Waを拡径させるように作用している。さらに、クランプ31が回転することで、クランプ31の軸部33内に収容されたワイヤハーネスWの部分Wbには捻転が生じており、その捻転による反力がクランプ31を中心軸O1周りに図4(b)に示す矢印B方向とは反対方向に回転させるように、つまりはワイヤハーネスWの巻回部分Waを拡径させるように作用している。
【0045】
そこで、図5に示す状態から図2に示す初期状態へとスライドシート11が後方へスライド移動すると、ハーネス保持部30とフロア側コネクタ16とが次第に接近し、それに伴い、ワイヤハーネスWに余長が生じるが、上記した弾性部材40の復元力及びワイヤハーネスWの部分Wbの捻転による反力によりワイヤハーネスWの巻回部分Waが拡径して余長を吸収し、ワイヤハーネスWは弛みなく配索される。
【0046】
ここで、弾性部材40は長手方向に垂直な断面において略円弧状に湾曲しており、その凹面40aが内に向くような図3(b)に示す矢印A方向の撓みのみ可能である。仮にワイヤハーネスWの外縁に弾性部材40が添着されていないと、スライドシート11が後方へスライド移動する過程で、例えば図6に示すようにワイヤハーネスWに座屈が生じ得るが、図6において点線円Dで囲まれる部分では弾性部材40は凹面40aが外に向くような撓みとなっており、弾性部材40が添着されることでその方向に撓むことはないので、ワイヤハーネスWの座屈が防止されている。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の配索構造10によれば、ワイヤハーネスWの外縁には長手方向に沿って帯板状の弾性部材40が添着され、この弾性部材40の復元力によってワイヤハーネスWの巻回部分Waが縮径する以前の状態に復元する(拡径する)ようになっており、ワイヤハーネスWの巻回部分Waがスライドシート11のスライド移動に応じて拡径あるいは縮径を繰り返すことでスライドシート11のスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスWの余長が吸収される。ここで、弾性部材40は、帯板状であってワイヤハーネスWの外縁に添着されるものであるから、その取り付けは容易であり、且つ、ワイヤハーネスWの巻回部分Waが拡径した際にもワイヤハーネスWがアウターシールド20の内壁面23に直接触れることがなく、それにより、ワイヤハーネスWの磨耗を防止することができる。
【0048】
また、本実施形態の配索構造10によれば、弾性部材40は、長手方向に垂直な断面において円弧状に湾曲しており、その凹面40aが内に向くような撓みのみ可能である。そこで、弾性部材40の凹面40aをワイヤハーネスWの外縁に接触させて添着させることで、ワイヤハーネスWの座屈を防止して、ワイヤハーネスWの損傷を防止することができる。
【0049】
また、本実施形態の配索構造10によれば、ワイヤハーネスWの巻回部分Waの縮径に伴ってワイヤハーネスWに引っ張られるようにしてクランプ31が回転し、それに伴って巻回部分Waの中心軸O2に平行とされたワイヤハーネスWの部分Wbに捻転が生じるが、この捻転による反力は、その巻回部分Waを復元させるように作用するので、弾性部材40の復元力を補うことができ、それにより、スライドシート11のスライド移動に伴って生じるワイヤハーネスWの余長を安定して吸収することができる。
【0050】
また、本実施形態の配索構造10によれば、弾性部材40が、その一端をクランプ31に接続しており、尚且つ弾性部材40とクランプ31とが一体に形成されているので部品点数を削減することができる。
【0051】
また、本実施形態の配索構造10によれば、弾性部材40の凹面40aに設けられたクリップ41により、弾性部材40をワイヤハーネスWの外縁に容易に添着させることができる。
【0052】
また、本実施形態の配索構造10によれば、ワイヤハーネスWはコルゲートチューブCTで外装され、弾性部材40のクリップ41をこのコルゲートチューブCTの谷部に係合させることにより、ワイヤハーネスWに対する弾性部材40のずれ(特に、長手方向に沿ったずれ)を確実に防止することができる。
【0053】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のワイヤハーネスの配索構造に係る一実施形態であって、スライドシートへの適用例を示す配索構造の斜視図である。
【図2】スライドシートが最も後退した位置にある時の配索構造の側面図である。
【図3】(a)はワイヤハーネス及びこれに添着される弾性部材の斜視図、(b)は同図(a)の要部拡大正面図、(c)は同図(b)におけるC−C矢視断面図である。
【図4】(a)はハーネス保持部の分解斜視図、(b)はハーネス保持部の組み付け後の斜視図である。
【図5】スライドシートが最も前進した位置にある時の配索構造の側面図である。
【図6】弾性部材を除いた場合に生じ得るワイヤハーネスの座屈の一例を示す配索構造の側面図である。
【図7】従来のワイヤハーネスの配索構造の概略図である。
【図8】従来のワイヤハーネスの配索構造の概略図である。
【符号の説明】
【0055】
10 配索構造
11 スライドシート(可動構造体)
20 アウターシールド(ハーネス収容部)
30 ハーネス保持部
40 弾性部材
41 クリップ
W ワイヤハーネス
Wa ワイヤハーネスの巻回部分
Wb 巻回部分の中心軸に平行とされたワイヤハーネスの部分
CT コルゲートチューブ




 

 


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