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発明の名称 ハーネス配索構造とそれを備えた給電装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143238(P2007−143238A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−331041(P2005−331041)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
代理人 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
発明者 木須 直己 / 西島 正隆
要約 課題
ワイヤハーネスの耐久性を高め、また、ハーネス配索構造のスライド構造体開閉方向の短縮化を図る。

解決手段
スライド構造体2の閉じ方向にワイヤハーネス12を略U字状に屈曲させ、屈曲部13に続くハーネス部分17をスライダ11に真直に保持させ、スライダをスライド構造体開閉方向のガイドレール10にスライド自在に係合させ、スライダから導出されたハーネス部分30を固定構造体側に配索した。スライド構造体2の閉じ方向とは交差する方向に屈曲部13を当接させつつ誘導する収容壁部35’,35を設けた。ワイヤハーネス12を収容するケース3,3’を備える給電装置1,1’を採用した。
特許請求の範囲
【請求項1】
スライド構造体の閉じ方向にワイヤハーネスを略U字状に屈曲させ、屈曲部に続くハーネス部分をスライダに真直に保持させ、該スライダをスライド構造体開閉方向のガイドレールにスライド自在に係合させ、該スライダから導出されたハーネス部分を固定構造体側に配索したことを特徴とするハーネス配索構造。
【請求項2】
前記スライド構造体の閉じ方向とは交差する方向に前記屈曲部を当接させつつ誘導する収容壁部を設けたことを特徴とする請求項1記載のハーネス配索構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載のハーネス配索構造を備える給電装置であって、前記ワイヤハーネスを収容するケースを備えることを特徴とする給電装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のスライドドアにワイヤハーネスを略U字状等に屈曲させて配索し、スライドドアの開閉時のハーネス余長を吸収させるハーネス配索構造とそれを備えた給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6〜図7は従来のハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
【0003】
この給電装置61は自動車のスライドドア用のものであり、スライドドア62に設けられた横長のケース63と、ケース63のガイドレール(図示せず)にスライド自在に係合したスライダ64と、スライダ64に垂直な軸部で水平方向に揺動自在に支持された首振り部材65(図7)と、ケース63の内側に略U字状に屈曲して配索され、首振り部材65から車両ボディ(図示せず)にかけて屈曲自在に配索された合成樹脂製のキャタピラ状のハーネス外装部材66とを備えるものである。
【0004】
スライドドア62と車両ボディとの間(渡り部)において外装部材66はチューブ67で覆われている。外装部材66とスライダ64の内側に複数本の電線(ワイヤハーネス)68(図7)が挿通されている。
【0005】
図6の状態からスライドドア62を矢印A方向(車両後方)に開くことで、スライダ64がケース63に沿って前方に相対移動しつつ、ワイヤハーネス68が外装部材66と共にケース63内で略J字状に伸長する。スライドドア62の開閉に伴ってワイヤハーネス68が外装部材66と共に伸縮することで、ハーネス余長が吸収される。
【特許文献1】特開2003−25850号公報(図2,図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のハーネス配索構造とそれを備えた給電装置61にあっては、図7の如く、スライダ64においてワイヤハーネス68が上下の段差をもって略V字状等に小さな半径で屈曲するために、ワイヤハーネス68に大きな曲げ力や捩れ力が作用して、ワイヤハーネス68の耐久性が低下し兼ねないという懸念があった。
【0007】
また、特にスライドドア62の全開時においてスライドドア62と車両ボディとの間(渡り部)におけるワイヤハーネス部分(符号67で示す部分)の長さを短く設定してワイヤハーネス部分(67)の垂れ下がりを小さく抑えるためには、スライドドア側のケース63すなわちケース内のワイヤハーネス68をスライドドア62の前端近くまで延長してワイヤハーネスの余長を吸収する必要があるが、車種によってはスライドドア側の他の搭載部品や構成部品等に干渉させずにケース63を延長することは困難であるという問題があった。
【0008】
なお、上記した各懸念点は自動車のスライドドア(62)に限らず、例えば自動車以外の車両等のスライドドアや加工機械等のスライドドア等といったスライド構造体に上記給電装置を適用した場合にも生じ得るものである。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、ワイヤハーネスに大きな応力を作用させず、ワイヤハーネスの耐久性を高めることができ、また、それに加えて、スライド構造体の閉じ方向にワイヤハーネスを延長して配索しなくともワイヤハーネスの余長を確実に吸収することができるハーネス配索構造とそれを備えた給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るハーネス配索構造は、スライド構造体の閉じ方向にワイヤハーネスを略U字状に屈曲させ、屈曲部に続くハーネス部分をスライダに真直に保持させ、該スライダをスライド構造体開閉方向のガイドレールにスライド自在に係合させ、該スライダから導出されたハーネス部分を固定構造体側に配索したことを特徴とする。
【0011】
上記構成により、スライド構造体においてワイヤハーネスがスライド構造体の開き方向から閉じ方向に向けて配索されつつ略U字状の折り返されてスライダに固定され、且つスライダ内を真直(直線的)に挿通して、固定構造体側に導出される。スライド構造体の閉じ時に、スライダはガイドレールのスライド構造体開き方向の端部に位置し、固定構造体に向かうハーネス部分は屈曲することなくスライダとほぼ同じ高さでほぼ直線的に伸びる。スライド構造体の開き時に、スライダはガイドレールのスライド構造体閉じ方向の端部に位置し、固定構造体に向かうハーネス部分は屈曲するが、開き時の時間は閉じ時の時間よりも遙かに短いので、ハーネス部分にかかる負担は僅かである。
【0012】
請求項2に係るハーネス配索構造は、請求項1記載のハーネス配索構造において、前記スライド構造体の閉じ方向とは交差する方向に前記屈曲部を当接させつつ誘導する収容壁部を設けたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、スライド構造体の開き時に、スライダがガイドレールのスライド構造体閉じ方向の端部側に移動しつつ、ワイヤハーネスの屈曲部側の部分が収容壁部に当接(摺接)しつつ交差方向に向きを変えて収容壁部の内側の収容空間に進入することで、ワイヤハーネスの余長が確実に吸収される。スライド構造体の閉じ時には、スライダがガイドレールのスライド構造体開き方向の端部側に移動しつつ、ワイヤハーネスの屈曲部側の部分が収容壁部内から脱出してスライド構造体閉じ方向に屈曲して位置する。収容壁部は、ワイヤハーネスを収容するケースやスライド構造体自体に設けることができる。収容壁部の方向はガイドレールの位置に応じて上向きでも下向きでも可能である(例えば水平なガイドレールが下にある場合は上向き、ガイドレールが上にある場合は下向きとなる)。
【0014】
請求項3に係る給電装置は、請求項1又は2記載のハーネス配索構造を備える給電装置であって、前記ワイヤハーネスを収容するケースを備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成により、ケースの一部として収容壁部が形成され、ケース内にガイドレールが設けられ、ガイドレールに沿ってスライダが移動する。ケースとガイドレールとスライダとワイヤハーネスとが一体構造化(ユニット化)されて給電装置が構成される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、スライダにおいてワイヤハーネスが屈曲することなく真直に配索されたことで、ワイヤハーネスに曲げ応力が作用せず、ワイヤハーネスの耐久性が向上する。また、スライド構造体の閉じ時にスライダから固定構造体にかけてのハーネス部分が曲がりなくほぼ真直に伸ばされることで、開き時よりも遙かに長時間に渡る閉じ時のワイヤハーネスの曲がりが規制され、ワイヤハーネスの耐久性が向上する。また、従来のハーネス配索構造におけるようなスライダでのワイヤハーネスの首振り及び捩り動作がないことで、ワイヤハーネスの耐久性が向上する。これらによって、スライド構造体への常時給電の信頼性が向上する。また、従来のような首振り機構が不要であるから、スライダ構造やハーネス配索構造が簡素化・低コスト化される。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、スライド構造体の開閉に伴ってワイヤハーネスの配索方向をスライド構造体の閉じ方向とは交差する方向に変化させることができるから、ハーネス配索構造がスライド構造体の開閉方向に短縮され、スライド構造体の閉じ方向端部とその近傍におけるスペースがハーネス配索以外に使用可能となり、スライド構造体の補機等のレイアウトの自由度が向上する。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果を奏する給電装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図3は、本発明に係るハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の第一の実施形態を示すものである。本実施形態は主にワイヤハーネスの耐久性向上を目的としたものである。
【0020】
図1の如く、給電装置1は自動車のスライドドア(スライド構造体)2に装着され、給電装置1のケース3は合成樹脂を材料として長方形状(横長)の箱状に形成され、ケース3の前端3aがスライドドア2の前端2aの近くにまで達している。ケース3は金属製のドアパネル4にボルト等で固定されるベース部分(図示せず)と、ベースに係止手段で固定され、ドアトリム側に位置するカバー部分(図示せず)とで構成されている。
【0021】
ケース3の長方形状のハーネス収容空間5は前後の壁部6,7と上側の壁部8とで囲まれ、ハーネス導出用の長形スリット状の下部開口9に連通している。ケース3は全高を低く抑えられており、ケース3の上側のスペースにスライドドア側の補機や構造物等(図示せず)を配置可能である。
【0022】
ケース3内で下部開口9に沿って水平にガイドレール10が設けられ、ガイドレール10にスライダ11がスライド自在に係合している。ワイヤハーネス12はケース3の後壁7の上部から前向きに配索され、ケース3内で略U字に屈曲しつつスライダ11を経て外部(車両ボディ側すなわち電源側)に導出されている。
【0023】
ワイヤハーネス12の屈曲部13は従来(図6)のように後向きではなく前向きに略半円状に屈曲している。これは、ケース3の後方からワイヤハーネス12を導入し、スライダ11から下部開口9を経て後方にワイヤハーネス12を導出させた構造によるものである。
【0024】
ケース後壁7側のハーネス固定部を符号14で示す。ケース3の後壁7から導出されたハーネス部分(複数本の電線)15はスライドドア内の補機等(図示せず)に接続されている。ケース3内で上側のハーネス部分16はケース3の上壁8に沿ってほぼ平行に位置し、屈曲部13に続く下側のハーネス部分17はケース3の下部開口9に沿ってほぼ平行に位置する。
【0025】
図1で実線のワイヤハーネス12とスライダ11は車両左側のスライドドア2を前方にスライドさせた全閉状態、鎖線のワイヤハーネス12とスライダ11は同じくスライドドア2を後方にスライドさせた全開状態をそれぞれ示している。
【0026】
スライドドア2の全閉時にスライダ11はガイドレール10の後端寄りに位置し、ワイヤハーネス12はケース3の後半側に位置し、スライダ11から下部開口9を経て車両ボディ(固定構造体)のドア開口部下側のステップ部近傍のハーネス固定具(図示せず)にかけてほぼ真直に導出されている。
【0027】
図2,図3に示す如く、スライダ11は略矩形筒状に形成され、ワイヤハーネス12を直線的に挿通固定させるものであり、スライドドア2(図1)の開閉未操作時と全閉時にスライダ11においてワイヤハーネス12には何ら曲げや捩り等の応力が作用していない(図2でスライドドア2の全閉時のワイヤハーネス12を実線で示している)。これにより、ワイヤハーネス12の耐久性が高められている。従来(図7)のスライダ64においては、ワイヤハーネス68が略V字状等に屈曲し、ワイヤハーネス68に常時大きな曲げや捩り等の応力かかっているが、本実施形態のスライダ11においてはそのようなことが起こる心配がない。
【0028】
また、スライドドア2の全閉時(スライドドア2の全開時よりも遙かに全閉状態での保持時間が長い)にワイヤハーネス12は曲がりなくほぼ直線的にスライダ11から車両ボディ側に導出されるから、これによってもワイヤハーネス12の耐久性が向上している。従来(図6)の給電装置61においては、スライドドア62の全閉時にワイヤハーネス68がスライダ64から後方に屈曲して曲げ応力を受けつつ引っ張られる傾向にあるが、本実施形態においてはそのようなことがない。
【0029】
図2の例のスライダ11は一側壁(ドアトリムに面する壁部)18の後部側が切欠されてハーネス導出用の側部開口19を有し、スライドドア2の全開時に側部開口19から鎖線の如くワイヤハーネス12が前方に屈曲しつつ導出される。側部開口縁19aには湾曲状のハーネスガイド面が形成されていることが好ましい。スライダ11の他側壁21には、ケース11内のガイドレール10(図1)に対するスライド係合部(図示せず)が設けられている。
【0030】
図2において、スライドドア2の全閉時にワイヤハーネス12はスライダ11の後部開口22から後方にほぼ直線的に導出され、スライドドア2の開閉時にワイヤハーネス12はスライダ11の前部開口23から前向きに導出されつつ上向きにU字状に折り返されて(屈曲部を符号13で示す)ケース後端のハーネス固定部14(図1)に続いている。
【0031】
図3にスライダ11の縦断面を示す如く、ワイヤハーネス12は外周のコルゲートチューブ24の凹溝25が、スライダ11の内面に突設されたリブ26に係合することで固定されている。コルゲートチューブ24は合成樹脂を材料として周方向の凹溝25と凸条をチューブ長手方向に交互に配列して屈曲性を付与させた既存の保護チューブであり、図1でケース3の後部上側のハーネス固定部14から下側のスライダ11を経て車両ボディ側のハーネス固定具(図示せず)にかけて装着されている。ワイヤハーネス12は複数本の絶縁被覆電線15とそれを覆う保護チューブ24とで構成されている。
【0032】
図1においてハーネス固定部14からスライダ11にかけて断面平形のコルゲートチューブ24が縦断面横長に配置されて、U字状の屈曲部13が良好な屈曲性を発揮し、スライダ11から車両ボディ側のハーネス固定具(図示せず)にかけて同じくコルゲートチューブ24が縦断面縦長に配置されて、スライドドア2の全開時にスライダ11の近傍でのハーネス屈曲部13が良好な屈曲性を発揮する。ケース3のハーネス固定部14及び車両ボディのハーネス固定具(図示せず)から外側のハーネス部分15は複数本の電線が露出されている。
【0033】
図3において、スライダ内のリブ26から側部開口19aまでの長さL1が比較的長く設定され、それによってスライダ近傍でのワイヤハーネス12の屈曲部13,27の影響がリブ26に伝わらないようになっていると共に、スライダ内でワイヤハーネス12が直線的に保持され(直線部を符号28で示す)、スライダ内でワイヤハーネス12が曲げや捩り等の力を何ら受けることなく安全に保護されてから、ワイヤハーネス12の耐久性が向上する。
【0034】
図1において、スライドドア2の全開時に、スライダ11はガイドレール10の前端10a側に位置し、ケース内でワイヤハーネス12の屈曲部13は鎖線の如くケース3の前壁6の近くまで前進し、スライダ11から車両ボディ側へのハーネス部分30がハーネス固定具を支点に前方に引っ張られる。ケース3の後端部のハーネス固定部14の位置は不変である。スライドドア2の全閉時と全開時とでワイヤハーネス12が車両ボディとの間で図2の矢印Aの如く前後に揺動し、且つケース内3でワイヤハーネス12の屈曲部13が進退しつつワイヤハーネス12が伸縮することで、スライドドア開閉時のハーネス余長がスムーズに吸収される。
【0035】
そして、スライドドア2の全開時にワイヤハーネス12の屈曲部13がスライドドア2の前端2aの近くまで前進することで、ハーネス余長が大きく吸収され、渡り部29における(スライダ11から車両ボディのハーネス固定具にかけて)ハーネス部分30の配索長さが短くて済み、ハーネス部分30の垂れ下がりが極力抑えられ、垂れ下がりに伴うドア閉じ時のハーネス部分30噛み込みや屈曲耐久性の低下が防止される。
【0036】
図4〜図5は、本発明に係るハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の第二の実施形態を示すものである。本実施形態は、上記形態同様のワイヤハーネス12の耐久性向上と共に、給電装置1’のケース3’の長さを短縮させてもワイヤハーネス12の余長を確実に吸収することを目的としたものである。図1の実施形態と同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
図4は、車両左側のスライドドア(スライド構造体)2を前方にスライドさせた全閉状態、図5は同じくスライドドア2を後方にスライドさせた全開状態をそれぞれ示している。
【0038】
図4の如く、給電装置1’のケース3’は合成樹脂を材料として、水平なハーネス収容部(水平部)31と、水平なハーネス収容部31の前側で上向きに立ち上げられた(突出した)垂直なハーネス収容部(立ち上げ部ないし垂直部)32とで正面視略L字状に形成されている。
【0039】
ケース3’の水平部31は上側と後側の各壁部33,34で囲まれ、立ち上げ部32は前端の上向きの延長壁部35と上端の壁部36と、前端の延長壁部35とほぼ平行な中間の上向きの延長壁部37とで囲まれている。ケース3’の下端には長形スリット状の下部開口9’が形成されている。
【0040】
本例で立ち上げ部32の上向きの各壁部35,37はほぼ垂直に形成しているが、例えば上向きの各壁部35,37を前端壁35’と共に斜め前方に平行ないしほぼ平行に傾斜させて、水平部31と立ち上げ部32との交差角を鈍角に形成することも可能である。また、各壁部35〜37の交差部38の湾曲形状は必要に応じて適宜設定される。
【0041】
図1の実施形態に較べて図4の実施形態はケース3’の前端壁35,35’とスライドドア2の前端2aとの間に大きな水平距離L2が設定され、図4の実施形態によれば、スライドドア2の前部39に他の補機や構造物等を配置可能とである。ケース3’の後端壁34の位置は図1の実施形態と同様である。
【0042】
ワイヤハーネス12は後端の壁部34の上部からケース3’内に導入され、ケース内側下部のガイドレール10に係合したスライダ11を経てケース3’の下部開口9’から車両ボディ側のハーネス固定具(図示せず)に導出されている。符号14はケース側のハーネス固定部である。ワイヤハーネス12は上部のハーネス固定部14から車両ボディ側のハーネス固定具(図示せず)にかけて合成樹脂製の保護チューブであるコルゲートチューブで覆われている。ガイドレール10は下部開口9’に沿って水平に配置されている。スライダ11の構成は前例と同様である。ガイドレール10の長さは前例よりも短縮してもよい。
【0043】
図4のスライドドア2の全閉時にスライダ11はガイドレール10の後端10b側に位置し、ワイヤハーネス12はケース3’の水平部31内で略U字状に屈曲して位置する。ワイヤハーネス12の屈曲部13の前端はケース3’の立ち上げ部32の下方に位置する。
【0044】
図4の状態からスライドドア2を後方へスライドさせて図5の如く全開させることで、スライダ11がガイドレール10の前端10a側に移動しつつ、ワイヤハーネス12の屈曲部13がケース3’の前壁35’の内面に当接(摺接)しつつ、ケース3’の立ち上げ部32に沿って上昇して、立ち上げ部32内に収容される。ケース3’の前壁35’,35はスライドドア2の閉じ方向とは交差する方向にワイヤハーネス12の屈曲部13を当接させつつ誘導する収容壁部として作用する。
【0045】
図4の全閉時と較べてケース内で上側のハーネス部分16の長さは少し増加する程度であるが、図4の屈曲部13に続く下側のハーネス部分17が図5においてケース3’の前壁35’,35(収容壁部)に沿ってスライダ11から屈曲して立ち上げられ、それに伴ってワイヤハーネス12の屈曲部13がケース3’の立ち上げ部32内に上昇移動する。立ち上げ部32の前壁35’,35を真上ではなく斜め前方に少し傾斜させて立ち上げることで、立ち上げ部32内へのワイヤハーネス12の進入が一層スムーズに行われる。
【0046】
図5で鎖線は前例(図1)のケース3とワイヤハーネス12の形態を参考で示したものである。ケース3’の立ち上げ部32を垂直長さでHだけ増加させたことに伴って、ケース3’の前端壁35’の位置が水平長さでL3だけ減少して、スライドドア2の前部側のスペース39が解放されている。垂直長さHと水平長さL3はほぼ同程度である。
【0047】
なお、上記各実施形態においては、ハーネス外装部材である保護チューブとしてコルゲートチューブ24を用いたが、それ以外に網状チューブや他の樹脂チューブや弾性チューブ等を用いたり、あるいは保護チューブを用いずに複数本の電線15を部分的にテープやバンド等で結束した状態で用いることも可能である。コルゲートチューブ24以外の保護チューブはリブ26(図3)によらず、例えば鋭利な突起で刺したり、溶着したり、あるいは他のアダプタ等を介してスライダ11に固定することが可能である。
【0048】
また、上記各実施形態においては、ケース3,3’の下部開口9,9’からワイヤハーネス12を外部に導出させたが、下部開口9,9’に代えて、ケース3,3’においてスライダ11と同じ高さの側部開口(図示せず)からワイヤハーネス12を外部に導出させることも可能である。その場合、ケース3,3’は下端の水平な壁部(図示せず)を有することが好ましい。
【0049】
また、上記各実施形態においては、スライドドア2を前方へスライドさせて閉じ、後方へスライドさせて開く例で説明したが、例えば車両後側のスライドドアを前方へスライドさせて開き、後方へスライドさせて閉じる形態の場合には、図1,図4においてスライドドア2に給電装置1,1’を前後反転して配置し、図4のケース3’の立ち上げ部32をスライドドア2の後部側に配置し、スライドドア2の後端2bからケース3’の後端35(立ち上げ部32)までの水平距離L2を長く設定することも可能である。
【0050】
また、上記各実施形態においては、ケース3,3’を用いてワイヤハーネス12を略U字状ないし略L字状に屈曲させて収容したが、ケース3,3’を用いずに、スライドドア2の金属製等のドアインナパネル4にケース3,3’と同様の形状の凹部(図示せず)を形成し、凹部内にワイヤハーネス12を略U字状ないし略L字状に屈曲させて収容し、凹部の開口を合成樹脂製のドアトリム(図示せず)で覆って(蓋をして)給電装置を構成することも可能である。凹部とその蓋部をドアインナパネル4ではなくドアトリムに一体に形成することも可能である。これらの場合、ガイドレール10はケース3,3’ではなくドアインナパネル4又はドアトリムに設けられる。
【0051】
また、上記各実施形態においては、給電装置1,1’をスライドドア2の下部側に配置したが、例えばスライドドア2(窓ガラスのないスライドドア等)の上部に給電装置1,1’を図1,図4とは上下反転させて配置し、スライドドア2の上端側から車両ボディにワイヤハーネス12を配索することも可能である。この場合、図4のケース3’の立ち上げ部32は上下反転して立ち下げ部(垂下部)となり、垂下部に沿ってワイヤハーネス12が下向きに屈曲して収容されることになる。
【0052】
また、上記各実施形態においてはスライド構造体として自動車のスライドドア2を用いたが、自動車以外の車両のスライドドアや加工機械や検査機械等のスライドドア等といったスライド構造体に上記ハーネス配索構造とそれを用いた給電装置を適用することも可能である。車両ボディや加工機械本体や検査機械本体は固定構造体と総称される。
【0053】
また、上記各給電装置1,1’のケース3,3’をスライド構造体2ではなく固定構造体に搭載し、ハーネス固定具をスライド構造体に配置することも可能である。この場合は、固定構造体側の前部スペースの部品等のレイアウトの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の第一の実施形態を示す正面図である。
【図2】同じく給電装置のスライダとそのハーネス配索構造の一形態を示す斜視図である。
【図3】同じくスライダとそのハーネス配索構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係るハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の第二の実施形態におけるスライドドア全閉時の状態を示す正面図である。
【図5】同じくスライドドア全開時の状態を示す正面図である。
【図6】従来のハーネス配索構造とそれを備えた給電装置の一形態を示す斜視図である。
【図7】同じく従来の給電装置のスライダとそのハーネス配索構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1,1’ 給電装置
2 スライドドア(スライド構造体)
3,3’ ケース
10 ガイドレール
11 スライダ
12 ワイヤハーネス
13 屈曲部
17,30 ハーネス部分
35’,35 前壁(収容壁部)




 

 


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