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発明の名称 配電部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−104812(P2007−104812A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−292122(P2005−292122)
出願日 平成17年10月5日(2005.10.5)
代理人 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
発明者 加藤 元 / 久保島 秀彦
要約 課題
バスバーの加工工数を削減し、安価にバスバーを製造できる配電部材を提供する。

解決手段
帯状バスバー10aは中央に設けた平坦部11とこの平坦部11を挟んだ長手方向両端部に設けた湾曲部12とを有する。この帯状バスバー10aを収容保持する絶縁ホルダ20内の収容溝21aは円状に沿って延在している。この収容溝21aにより帯状バスバー10aの平坦部11が湾曲に矯正された状態で収容溝21a内に収容される。
特許請求の範囲
【請求項1】
モータ回転軸を中心とした円上に配置されるステータ巻線に電源を供給する巻線端子が短手方向の一端に複数形成された帯状バスバーと、前記複数の巻線端子が前記円上に並んで配置されるように前記帯状バスバーを収容保持する収容溝が形成された帯状バスバーホルダとを備えた配電部材において、
前記帯状バスバーは、少なくとも一部に平坦部を有することを特徴とする配電部材。
【請求項2】
前記帯状バスバーは、少なくとも一部に前記モータ回転軸を中心とした円状に沿って湾曲された湾曲部を有することを特徴とする請求項1記載の配電部材。
【請求項3】
前記帯状バスバーは、前記平坦部が複数設けられると共に、互いに隣接する前記平坦部間に折曲部を有することを特徴とする請求項1記載の配電部材。
【請求項4】
前記帯状バスバーは、前記短手方向の他端から凸の突部を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の配電部材。
【請求項5】
前記収容溝は、当該収容溝開口部側から見て前記モータ回転軸を中心とした円状に延在していることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の配電部材。
【請求項6】
前記収容溝は、当該収容溝開口部側から見て多角形の外形に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の配電部材。
【請求項7】
前記バスバーホルダは、その一部を溶かして形成され、かつ前記収容溝開口部の一部を塞ぐバスバー脱落防止部を有することを特徴とする請求項1〜6何れか1項記載の配電部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電部材に係り、特に、モータ回転軸を中心とした円上に並べて配置されるステータ巻線に電源供給を行うために用いられる配電部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の低燃費化に対するニーズが大きく、その1つの例として超高燃費ハイブリッドカーの開発が進められている。特に最近では、エンジンを主動力とし加速時等にエンジンをDCブラシレスモータでアシストする補助動力機構(モータアシスト機構)を備えたハイブリッドカーが提案されている。
【0003】
このモータアシスト機構に用いられるモータは、エンジンのクランクシャフトに直結されたロータと、そのロータを包囲するリング状のステータとを備えている。また、ステータは、コアに巻線を施すことにより形成された多数の磁極、磁極を収容するステータホルダ、巻線に集中的に配電を行うための集中配電部材等によって構成されている。
【0004】
上記集中配電部材として例えば図13に示すものが従来知られている(例えば特許文献1)。同図に示すように、集中配電部材は、モータの各層に対応して設けられた3つのバスバー22a、22b、22cと、これらバスバー22a、22b、22cを互いに絶縁した状態で収容する絶縁ホルダ21とを備えている。
【0005】
上述した各バスバー22a、22b、22cは、図14に示すように、導電性金属板材91を帯状に打ち抜いたものをその厚さ方向に湾曲させて略円環状に形成すると共に、その径を各相ごとに異なるように形成している。また、各バスバー22a、22b、22cの短手方向端部のうち絶縁ホルダ21から遠い側には、バッテリに接続される端子部50v、50u、50wとステータの巻線に接続されるタブ41a、41b、41cが形成されている。また、絶縁ホルダ21には、各バスバー22a、22b、22cの径と同じ径の円環状の収容溝が形成されている。
【特許文献1】特開2003−134724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の集中配電部材では、バスバー22a、22b、22cは、長手方向全長に亘って湾曲形状に加工している。このため、特許文献1では、導電性金属板状を帯状に打ち抜いた後、ベンディング装置を使って長手方向全長を湾曲に加工していた。また、プレス金型にて湾曲加工する場合にはバスバー22a、22b、22cの長手方向を複数に分割してプレスする必要があり、加工工数が上がり、コスト的に問題となっていた。さらに、湾曲径の異なるバスバー22a、22b、22c間に互いを繋ぐキャリアを設けた状態で長手方向全長を湾曲加工することができず、導電性金属板材91の短手方向Y1にバスバー22a、22b、22cを2つ以上並べて順送工程で形成することができないことも、加工工数が上がり、コスト高となる原因となっていた。
【0007】
しかも、湾曲加工する場合、その加工精度を高くする必要がある。バスバー22a、22b、22cの湾曲径と絶縁ホルダ21に形成した収容溝の径とが異なると、バスバー22a、22b、22cを絶縁ホルダ21の収容溝に収容するとき嵌めにくく、作業性が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、バスバーの加工工数を削減し、安価にバスバーを製造できる配電部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、モータ回転軸を中心とした円上に配置されるステータ巻線に電源を供給する巻線端子が短手方向の一端に複数形成された帯状バスバーと、前記複数の巻線端子が前記円上に並んで配置されるように前記帯状バスバーを収容保持する収容溝が形成された帯状バスバーホルダとを備えた配電部材において、前記帯状バスバーは、少なくとも一部に平坦部を有することを特徴とする配電部材に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、帯状バスバーは少なくとも一部に平坦部を有する。バスバーホルダは帯状バスバーに形成された複数の巻線端子が円上に配置されるように帯状バスバーを収容保持する。従って、帯状バスバーが少なくとも一部に平坦部を有することにより、湾曲加工する箇所が少なくなる、または湾曲加工する必要がなくなる。また、導電性金属板の短手方向に並べて打ち抜かれる帯状バスバー同士を繋ぐキャリアを平坦部に作って導電性金属板の長手方向を順送方向とする順送工程で帯状バスバーを形成することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記帯状バスバーは、少なくとも一部に前記モータ回転軸を中心とした円状に沿って湾曲された湾曲部を有することを特徴とする請求項1記載の配電部材に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、帯状バスバーは、少なくとも一部にモータ回転軸を中心とした円状に沿って湾曲された湾曲部を有する。従って、帯状バスバーが少なくとも一部に湾曲部を有することにより、帯状バスバーが少なくとも一部に湾曲部を有することにより、巻線端子を円上に配置するように収容保持する収容溝に帯状バスバーを嵌め込む作業が容易となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記帯状バスバーは、前記平坦部が複数設けられると共に、互いに隣接する前記平坦部間に折曲部を有することを特徴とする請求項1記載の配電部材に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、帯状バスバーは平坦部が複数設けられると共に、互いに隣接する平坦部間に折曲部を有する。従って、帯状バスバーに湾曲部を設けない構成であっても、巻線端子を円上に配置するように収容保持する収容溝に帯状バスバーを嵌め込む作業が容易となる。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記帯状バスバーは、前記短手方向の他端から凸の突部を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の配電部材に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、帯状バスバーは短手方向の他端から凸の突部を有する。従って、帯状バスバーに設けた突部をまず収容溝に挿入してから帯状バスバー全体を収容溝に収容することができ、収容溝に嵌め込む作業が容易となる。
【0017】
請求項5記載の発明は、前記収容溝は、当該収容溝開口部側から見て前記モータ回転軸を中心とした円状に延在していることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の配電部材に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、収容溝が収容溝開口部側から見てモータ回転軸を中心とした円状に延在している。従って、収容溝が帯状バスバーの平坦部を円状に沿って湾曲矯正して収容するため、帯状バスバーを収容溝内に強固に収容することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記収容溝は、当該収容溝開口部側から見て多角形の外形に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の配電部材に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、収容溝は収容溝開口部側から見て多角形の外形に沿って延在している。従って、収容溝を多角形の外形に沿って延在していることにより、巻線端子が円上に配置するように帯状バスバーを収容保持することができる。特に、請求項2にかかる発明では帯状バスバーの湾曲部を平坦に矯正して収容するため、帯状バスバーを収容溝内に強固に収容することができる。また、請求項3にかかる発明では平坦部の長手方向長さを多角形の一辺の長さに等しくしたり、折曲部の折曲角を多角形の内角と等しくすることは比較的精度高く行えるため寸法精度の向上を図ることができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、前記バスバーホルダは、その一部を溶かして形成され、かつ前記収容溝開口部の一部を塞ぐバスバー脱落防止部を有することを特徴とする請求項1〜6何れか1項記載の配電部材に存する。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、バスバーホルダーが、その一部を溶かして形成され、かつ収容溝開口部の一部を塞ぐバスバー脱落防止部を有する。従って、バスバーを収容溝に嵌め込んだ後に収容溝開口部を塞ぐ部材を成形する必要がなく、バスバーの組み付け工程内で作業ができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、帯状バスバーが少なくとも一部に平坦部を有することにより、湾曲加工する箇所が少なくなる、または湾曲加工する必要がなくなる。また、導電性金属板の短手方向に並べて打ち抜かれる帯状バスバー同士を繋ぐキャリアを平坦部に作って導電性金属板の長手方向を順送方向とする順送工程で帯状バスバーを形成することが可能となるので、バスバーの加工工数を削減し、安価にバスバーを製造できる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、帯状バスバーが少なくとも一部に湾曲部を有することにより、巻線端子を円上に配置するように収容保持する収容溝に帯状バスバーを嵌め込む作業が容易となるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、帯状バスバーに湾曲部を設けない構成であっても、巻線端子を円上に配置するように収容保持する収容溝に帯状バスバーを嵌め込む作業が容易となるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、帯状バスバーに設けた突部をまず収容溝に挿入してから帯状バスバー全体を収容溝に収容することができ、収容溝に嵌め込む作業が容易となるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、収容溝が帯状バスバーの平坦部を円状に沿って湾曲矯正して収容するため、帯状バスバーを収容溝内に強固に収容することができるので、帯状バスバーを収容溝に嵌め込んだ後、簡単に抜け落ちることがない。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、収容溝を多角形の外形に沿って延在していることにより、巻線端子が円上に配置するように帯状バスバーを収容保持することができる。特に、請求項2にかかる発明では帯状バスバーの湾曲部を平坦に矯正して収容するため、帯状バスバーを収容溝内に強固に収容することができるので、帯状バスバーを収容溝に嵌め込んだ後、簡単に抜け落ちることがない。また、請求項3にかかる発明では平坦部の長手方向長さを多角形の一辺の長さに等しくしたり、折曲部の折曲角を多角形の内角と等しくすることは比較的精度高く行えるため寸法精度の向上を図ることができるので、帯状バスバーの収容溝に対する嵌め込み作業が容易となりコストダウンを図ることができる。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、バスバーを収容溝に嵌め込んだ後に収容溝開口部を塞ぐ部材を成形する必要がなく、バスバーの組み付け工程内で作業ができるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1実施形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2はそれぞれ、本発明の配電部材の第1実施形態を示す斜示図及び正面図である。図3は、図1に示す配電部材の部分分解斜示図である。図4(a)及び(b)は各々、図3に示す配電部材を構成する帯状バスバー10a〜10dの正面図及び側面図である。図5は、図1に示す配電部材を構成する絶縁ホルダ20の正面図である。図6(a)は配電部材の誤嵌合防止突起17部分の断面図の一例であり、図6(b)は絶縁ホルダ20の誤嵌合防止溝23部分の斜示図である。図7は、図1に示す帯状バスバー10dの製造工程を示し、導電性金属材92を打ち抜いてプレス加工前の帯状バスバー10dを得るときの図である。図8は、図1に示す配電部材によって電源供給を受けるブラシレスモータを構成するステータ巻線Lの結線図である。図9は(a)は図1に示す配電部材のI−I線断面図であり、(b)は(a)に示すバスバー脱落防止部22の形成手順を示す図である。
【0031】
ブラシレスモータ(図示せず)は、一般に、モータ回転軸に直結されるロータと、そのロータを包囲するリング状のステータとを備えている。このステータには、各コアに3相のステータ巻線が巻かれている。このステータ巻線は、モータ回転軸を中心とした円上に並べて配置されている。本実施形態では、例えば、12本のステータ巻線がコアに巻かれた状態でモータ回転軸を中心とした円上に等間隔に配置されている例について説明する。本発明の配電部材は、上述したステータ巻線Lを図8に示すように結線して電源を供給するためのものである。
【0032】
図1及び図2に示すように、配電部材は、上述したステータ巻線Lに電源を供給する巻線端子T1が短手方向Y1の一端に複数形成される帯状バスバー10a〜10d(図2参照)と、この帯状バスバー10a〜10dを互いに絶縁した状態で収容保持する収容溝21a〜21d(図5参照)が形成された絶縁ホルダ20(バスバーホルダ)とを備えている。
【0033】
図8に示すように、上述した帯状バスバー10aはステータ巻線LをU相に、帯状バスバー10bはステータ巻線LをV相に、帯状バスバー10cはステータ巻線LをW相にそれぞれ接続するためのものである。帯状バスバー10a〜10cはそれぞれ3つづつ設けられ、各3つとも長手方向Y2両端部に一対の巻線端子T1が設けられ、3つのうち1つにはさらに各相に接続するための電源端子T2が設けられている。
【0034】
また、帯状バスバー10dは、各相のステータ巻線LをY接続するためのものである。帯状バスバー10dは2つ設けられ、長手方向Y2両端部と長手方向Y2略中央部とに3つの巻線端子T1が設けられている。各巻線端子T1及び電源端子T2は帯状バスバー10a〜10dを成形するときの素材である導電性金属板材92(図7)をプレスで打ち抜くとき、それと同時に打ち抜かれるものである。
【0035】
また、図4に示すように、各帯状バスバー10a〜10cは、略中央に設けた平坦部11と該平坦部11を挟んで両端に設けた湾曲部12とから構成されている。湾曲部12は、モータ回転軸を中心とした円状に沿って湾曲されている。各帯状バスバー10a〜10cには、その長手方向Y2両端部に短手方向Y1の他端から凸の一対の突部13が設けられている。この一対の突部13は、長手方向Y2両端から離れるに従って高さが低くなる傾斜13aが設けられている。なお、図4は一対の巻線端子T1のみが形成された帯状バスバー10a〜10cを図示しているが、一対の巻線端子T1に加え電源端子T2が形成された帯状バスバー10a〜10cや3つの巻線端子T1が設けられている帯状バスバー10dも同様に平坦部11及び湾曲部12から構成され、一対の突部13を設けている。
【0036】
また、絶縁ホルダ20内の収容溝21a〜21d(図5)には、それぞれ帯状バスバー10a〜10dが嵌め込まれている。上述した絶縁ホルダ20は、例えば合成樹脂により正面視リング状に形成されている。絶縁ホルダ20の形成材料としては、例えば、SPS、PBT、PPSなどを用いることが可能である。本実施形態では、絶縁ホルダ20の形成材料にガラス繊維が約30%添加されたSPSが採用されている。この材料を採用した理由としては、電気的特性(絶縁耐性)に優れており、機械強度にも優れている。また、各収容溝21a〜21dを上記材料で形成された隔壁で仕切ることにより、各帯状バスバー10a〜10dの絶縁が図られている。
【0037】
図5に示すように、絶縁ホルダ20は、収容溝21a〜21d開口側から見て半径R1〜R4を有する同心円E1〜E4状に沿って延在する収容溝21a〜21dが凹設されている。詳しくは、円E1上には二つの収容溝21aと一つ収容溝21bが設けられ、円E2上には二つの収容溝21bと一つの収容溝21cが設けられ、円E3上には二つの収容溝21cと一つの収容溝21dが設けられ、円E4上には収容溝21a及び21dが一つづつ設けられている。また、帯状バスバー10a〜10dは、その湾曲部12の湾曲径が収容される収容溝21a〜21dの半径R1〜R4と等しくなるように形成されている。
【0038】
また、絶縁ホルダ20には図1及び図9(a)に示すように、収容溝21a〜21d開口の一部を塞ぐバスバー脱落防止部22が設けられている。このバスバー脱落防止部22は、収容溝21a〜21dに各帯状バスバー10a〜10dを嵌め込んだ後、絶縁ホルダ20の一部を溶かすことにより形成したものである。
【0039】
また、円E1及びE2状に沿って延在する収容溝21a〜21dに嵌め込まれる帯状バスバー10a〜10dの巻線端子T1は、図1に示すように、先端が円E1及びE2の外側を向くように断面L字状にそれぞれ折曲加工された折曲先端部14を有している。この折曲先端部14にステータ巻線Lが接続されるようになっている。また、円E3及びE4に沿って延在する収容溝21a〜21dに嵌め込まれる帯状バスバー10a〜10dの巻線端子T1は、先端が円E3及びE4の外側を向くように断面コ字状にそれぞれ折曲加工されている。詳しくは、円E3及びE4の中心側に向かって折曲加工された折曲部15と、この円E3及びE4の外側に向かって折り返された折返先端部16とを有している。この折返先端部16にステータ巻線Lが接続されるようになっている。
【0040】
また、折曲部15の長さは、円E4に沿って延在する収容溝21a〜21dに嵌め込まれる帯状バスバー10a〜10dの巻線端子T1の方が円E3に沿って延在する収容溝21a〜21dに嵌め込まれる帯状バスバー10a〜10dの巻線端子T1よりも長く設定されている。これにより、各巻線端子T1の先端部は、同一円周上に配置される。
【0041】
さらに、各帯状バスバー10a〜10dの短手方向Y1の一端には、図3に示すように、誤嵌合防止突起17が形成されている。一方、絶縁ホルダ20には、図6に示すように、帯状バスバー10a〜10dが正しい収容溝21a〜21d内に嵌合されたとき、誤嵌合防止突起17が嵌め込まれる誤嵌合防止溝23が形成されている。
【0042】
上述した各帯状バスバー10a〜10d毎に設けられた誤嵌合防止突起17は各々異なる長手方向Y2位置に設けられ、帯状バスバー10a〜10dが誤った収容溝21a〜21dに収容されると、誤嵌合防止突起17が誤嵌合防止溝23に嵌め込むことができないようになっている。これにより誤組付けによる不良品の流出を防ぐことができる。なお、引用符号30は電源端子T2を収容するコネクタハウジングである。
【0043】
次に、上述した構成の帯状バスバー10a〜10dの製造方法について以下説明する。図8に示すように、2つの帯状バスバー10dが1枚の長方形状の導電性金属板92より形成される。同図に示すように、導電性金属板材より打ち抜かれる2つの帯状バスバー10dは、それぞれが互いに平行になるように導電性金属板材92の短手方向Y1に並べて配置される。キャリアC1は、短手方向Y1に並んだ帯状バスバー10d同士を繋ぐ繋ぎ目であり、湾曲加工することのない互いの平坦部11に設けられている。一方、キャリアC2は、長手方向Y2に並んだ帯状バスバー10d同士を繋ぐものであり、帯状バスバー10dの長手方向Y2両端部に設けられている。
【0044】
また、短手方向Y1に並べられた2つの帯状バスバー10dは互いの巻線端子T1が対向するように配置されると共に、各巻線端子T1の先端が長手方向Y2に沿った一直線状に配置されるように切り抜く。このようにすることで、1枚の導電性金属板材92において、プレス加工前の帯状バスバー10dを密に配置することができる。この結果、各帯状バスバー10d間にできる未利用領域が少なくなる。よって、材料の無駄が減り、帯状バスバー10d採取のために必要とされる導電性金属板材92の幅が小さくて済む。
【0045】
図7に示す例では、帯状バスバー10dについてしか図示していないが、帯状バスバー10a〜10cも同様に、導電性金属板92の短手方向Y1に複数並べて配置し、短手方向Y1に並んだ帯状バスバー10a〜10c同士を繋ぐキャリアC1を互いの平坦部11に設けることも考えられる。その後、順送工程でキャリアC1及びC2によって互いに繋がれた状態で、図示しないプレス装置によって湾曲部12の湾曲加工、巻線端子T1及び電源端子T2の折曲、折返加工が行われる。
【0046】
以上のように、帯状バスバー10a〜10dの少なくとも一部に平坦部11を設けることにより、湾曲加工する箇所が少なくなる。つまり、湾曲部12の長手方向Y2長さが短くなる。このため、湾曲部12を長手方向Y2に分割して何回もプレスする必要がなくなり、安価に帯状バスバー10a〜10dを製造することができる。また、平坦部11同士に導電性金属板92の短手方向Y1に並べて打ち抜かれる帯状バスバー10a〜10dを互いに繋ぐキャリアC1を作ることができ長手方向Y2を順送方向とする順送工程で帯状バスバー10a〜10dを形成することが可能となる。以上のことにより、加工工数を削減し安価に帯状バスバー10a〜10dを製造することができる。
【0047】
次に、上述した帯状バスバー10a〜10dを絶縁ホルダ20に収容する方法について説明する。まず、帯状バスバー10aの湾曲部12に設けた一対の突部13のうち一方を収容溝21a〜21dに挿入した状態で、突部13の他方を収容溝21a〜21dに挿入する。その後、円E1〜E4状に沿って延在する収容溝21a〜21dによって平坦部11を徐々に湾曲矯正しつつ帯状バスバー10a〜10dを収容溝21a〜21d内に嵌め込まれる。
【0048】
このように帯状バスバー10a〜10dに設けた突部13をまず収容溝21a〜21dに挿入してから帯状バスバー10a〜10d全体を収容溝21a〜21dに収容することができ、収容溝21a〜21dに嵌め込む作業が容易となる。また、帯状バスバー10a〜10dが少なくとも一部に湾曲部12を有することにより、帯状バスバー10a〜10dを円E1〜E4状に沿って延在する収容溝21a〜21dに嵌め込む作業が容易となるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【0049】
上述した配電部材によれば、平坦部11を有する帯状バスバー10a〜10dを円E1〜E4状に沿って延在する収容溝21a〜21dに収容保持している。つまり、帯状バスバー10a〜10dの平坦部11を円E1〜E4に沿って湾曲して収容する。このため、帯状バスバー10a〜10dの平坦部11には、平坦に戻ろうとする力と絶縁ホルダ20からの湾曲に矯正しようとする力とがかかる。これら力の作用によって帯状バスバー10a〜10dを収容溝21a〜21d内に強固に収容することができるので、帯状バスバー10a〜10dを収容溝21a〜21dに嵌め込んだ後、簡単に脱落することがない。
【0050】
次に、帯状バスバー10a〜10dを絶縁ホルダ20の収容溝21a〜21dへ嵌め込んだ後、絶縁ホルダ20から帯状バスバー10a〜10dが抜け出さないようにするため、図9(b)に示すように例えば熱した鉄板40を絶縁ホルダ20に押しつける。押しつけると絶縁ホルダ20が溶けて、収容溝21a〜21d開口に流れ込み、収容溝21a〜21dの開口部を塞ぐ。これにより、帯状バスバー10a〜10dを収容溝21a〜21dに嵌め込んだ後に収容溝21a〜21d開口部を塞ぐ部材を絶縁ホルダ20とは別途に成形する必要がなく、帯状バスバー10a〜10dの組み付け工程内で作業ができるので、より一層コストダウンを図ることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、収容溝21a〜21dを円E1〜E4状に沿って延在していた。しかしながら、本発明はこれに限らず、帯状バスバー10a〜10dの平坦部11を収容溝21a〜21dにより湾曲矯正しなくても巻線端子T1が円上に沿って配置できるならば、収容溝21a〜21dも帯状バスバー10a〜10dと同じ形状にして平坦部11を湾曲に矯正しないようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、帯状バスバー10a〜10dの長手方向Y2両端に湾曲部12を形成していた。しかしながら、湾曲部12は一対でなくても良いし、湾曲部12を設ける場所は長手方向Y2両端でなくてもよく、例えば、帯状バスバー10a〜10dの中央に湾曲部12を設けて長手方向Y2両端を平坦部11にしてもよい。この場合でも湾曲部12を先に収容溝21a〜21dに収容し、両端の平坦部11を湾曲に矯正しつつ挿入すれば容易に嵌め込むことができる。また、この場合中央の湾曲部12に対して1つ突部13を設けることにより、より一層簡単に帯状バスバー10a〜10dを収容溝21a〜21dに収容することができる。
【0053】
また、上述した実施形態では、帯状バスバー10a〜10dに誤嵌合防止突起17が形成され、絶縁ホルダ20に誤嵌合防止溝23が形成されていた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば、収容溝21a〜21dの底面に誤嵌合防止突起17を設け、帯状バスバー10a〜10dの短手方向Y1他端にこの誤嵌合防止突起17と嵌合する誤嵌合防止溝23を設けることも考えられる。
【0054】
また、上述した実施形態では、円E1〜E4の一部に沿って延在した円弧状の収容溝21a〜21dを設けていた。しかしながら、本発明はこの限りでなく、収容溝21a〜21dは円E1〜E4状に沿って延在すればよく、例えば円E1〜E4全周に沿った円環状に設けてもよい。
【0055】
第2実施形態
次に本発明の第2実施形態について説明する。図10及び図11は、本発明の配電部材の第2実施形態を示す斜示図及び正面図である。図12は、図10及び図11に示す配電部材を構成する帯状バスバー10a〜10cの正面図である。なお、同図において第1実施形態と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図10〜図12に示すように、配電部材は、上述したステータ巻線Lに電源を供給する巻線端子T1が短手方向Y1の一端に形成される帯状バスバー10a〜10d(図11参照)と、この帯状バスバー10a〜10dを互いに絶縁した状態で収容保持する収容溝21e〜21fが形成された絶縁ホルダ20とを備えている。
【0057】
各帯状バスバー10a〜10d設けた巻線端子T1及び電源端子T2については第1実施形態と同様なため詳細な説明は省略する。各帯状バスバー10a〜10dは、図12に示すように複数の平坦部11が設けらると共に、互いに隣接する平坦部間に折曲部18を有している。また、帯状バスバー10a〜10dは、その長手方向Y2両端以外の平坦部11の長手方向長L1がそれぞれ等しくなるように設けられると共に、折曲部18の折曲角度θが正12角形の内角と等しくなるように設けられている。
【0058】
さらに、帯状バスバ10a〜10dは、その長手方向Y2両端にある平坦部11の長手方向長L2が両端以外の平坦部11の長手方向長L1以下となるように設けられる。本実施形態では、長手方向長L2が長手方向L1より短くなるように設けられている。以上のことから、各帯状バスバー10a〜10dは正12角形状に沿って設けられている。また、絶縁ホルダ20内の収容溝21e〜21hには、帯状バスバー10a〜10dが嵌め込まれている。上述した絶縁ホルダ20は、例えば合成樹脂により収容溝21e〜21h開口側から見て正12角形の外形に沿って延在している。絶縁ホルダ20の形成材料としては、第1実施形態と同様なためここでは詳細な説明は省略する。
【0059】
図10及び図11に示すように、絶縁ホルダ20は、同心でかつ互いに異なる一辺長を有する4つの正12角形に各々沿った収容溝21e〜21hが凹設されている。同図に示すように、収容溝21eには二つの帯状バスバー10aと一つの帯状バスバー10bとが収容保持され、収容溝21fには二つの帯状バスバー10bと一つの帯状バスバー10cとが収容保持され、収容溝21gには二つの帯状バスバー10cと一つの帯状バスバー10dが収容保持され、収容溝21hには、帯状バスバー10a及び10dが一つづつ設けられている。また、帯状バスバー10a〜10dは、その両端以外の平坦部11の長手方向長L1が収容される収容溝21e〜21hの一辺長と等しくなるように形成されている。
【0060】
次に、上述した帯状バスバー10a〜10dの製造方法について以下説明する。第2実施形態も、図8について説明した第1実施形態と同様に、導電性金属板材92より打ち抜かれる2つの帯状バスバー10dは、それぞれが互いに平行になるように導電性金属板材92の短手方向Y1に並べて配置される。また、キャリアC1によって短手方向Y1に並んだ帯状バスバー10d同士を繋いだ状態で打ち抜かれる。このキャリアC1は、第1実施形態と同様に、互いの平坦部11に設けられている。一方、キャリアC2については第1実施形態と同様のためここでは詳細な説明を省略する。その後、順送工程でキャリアC1及びC2によって互いに繋がれた状態で、図示しないプレス装置によって正12角形に沿ったプレス加工、巻線端子T1及び電源端子T2の折曲、折返加工が行われる。
【0061】
以上のように、平坦部11と折曲部18とを有する帯状バスバー10a〜10dを設けることにより、湾曲加工する必要がなく安価に帯状バスバー10a〜10dを製造することができる。また、平坦部11同士に導電性金属板92の短手方向Y1に並べて打ち抜かれる帯状バスバー10a〜10dを互いに繋ぐキャリアC1を作ることができ長手方向Y2を順送方向とする順送工程で帯状バスバー10a〜10dを形成することが可能となり、加工工数を削減し安価に帯状バスバー10a〜10dを製造することができる。また、湾曲部12を設けない構成であっても、巻線端子T1を円上に配置するように収容保持する収容溝21e〜21hに帯状バスバー10a〜10dを嵌め込む作業が容易となる。
【0062】
また、正12角形状に沿って収容溝21e〜21hに収容することにより、平坦部11の長手方向長L1を正12角形の一辺の長さに等しくしたり、折曲部18の折曲角θを正12角形の内角と等しくすることは比較的精度高く行えるため寸法精度の向上を図ることができる。つまり、円状の収容溝に対して帯状バスバー10a〜10dを湾曲加工する場合に比べて、正12角形状の収容溝に対して12角形状に帯状バスバー10a〜10dを加工する方が一般的に寸法精度を高めることができる。これにより、より一層コストダウンを図ることができる。
【0063】
なお、上述した第2実施形態については、正12角形状としていたが、この限りでなく、3角形以上の多角形であればよい。また、第1実施形態と同様に、突部13や誤嵌合防止突起17、誤嵌合防止溝23やバスバー脱落防止部22を設けてもよい。また、第1実施形態のように円E1〜E4状に沿って延在した収容溝21e〜21hに嵌め込むようにしてもよい。
【0064】
また、上述した第2実施形態では、収容溝21e〜21dが正12角形の外形に沿って延在していた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば第1実施形態に示すように円E1〜E4状に沿って延在した収容溝21a〜21dに図12に示すような平坦部11と折曲部18とを有する帯状バスバー10a〜10dを嵌め込むことも考えられる。この場合も、円E1〜E4にほぼ沿うように折曲部18が形成されているため、平坦部11のみの帯状バスバー10a〜10dに比べて収容溝21a〜21dに嵌め込み易くなる。
【0065】
また、逆に、図11に示すような正12角形に沿った収容溝21e〜21hに図4に示すような平坦部11と湾曲部12とを有する帯状バスバー10a〜10dを嵌め込むことも考えられる。この場合も、正12角形の外周に沿うように湾曲部12が湾曲しているため、平坦部11のみの帯状バスバー10a〜10dに比べて収容溝21e〜21hに嵌め込み易くなる。
【0066】
また、上述した第2実施形態では、収容溝21e〜21hを正12角形全周に沿うように設けていた。しかしながら、本発明はこれに限らず第1実施形態と同様に、帯状バスバー10a〜10dが嵌め込まれる部分にのみ収容溝21e〜21hを形成すればよく、全周に亘って形成する必要はない。
【0067】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の配電部材の第1実施形態を示す斜示図である。
【図2】図1に示す配電部材の正面図である。
【図3】図1に示す配電部材の部分分解斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は各々、図3に示す配電部材を構成する帯状バスバー10a〜10cの正面図及び側面図である。
【図5】図1に示す配電部材を構成する絶縁ホルダ20の正面図である。
【図6】(a)は配電部材の誤嵌合防止突起17部分の断面図の一例であり、(b)は絶縁ホルダ20の誤嵌合防止溝23部分の斜示図である。
【図7】図1に示す帯状バスバー10a〜10dの製造工程を示し、導電性金属材92を打ち抜いてプレス加工前の帯状バスバー10a〜10dを得るときの図である。
【図8】図1に示す配電部材によって電源供給を受けるブラシレスモータを構成するステータ巻線Lの結線図である。
【図9】(a)は図1に示す配電部材のI−I線断面図であり、(b)は(a)に示すバスバー脱落防止部22の形成手順を示す図である。
【図10】本発明の配電部材の第2実施形態を示す斜示図である。
【図11】図1に示す配電部材の正面図である。
【図12】図10及び図11に示す配電部材を構成する帯状バスバー10a〜10dの正面図である。
【図13】従来の配電部材の一例を示す分解斜示図である。
【図14】図13に示す配電部材の製造工程を示し、導電性金属板材91を帯状に打ち抜く工程を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10a〜10d 帯状バスバー
11 平坦部
12 湾曲部
13 突部
17 誤嵌合防止突起
18 折曲部
20 絶縁ホルダ(バスバーホルダ)
21a〜21d 収容溝
22 バスバー脱落防止部
23 誤嵌合防止溝
L ステータ巻線
T1 巻線端子
Y1 短手方向




 

 


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