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発明の名称 フラットケーブル用クランプ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28842(P2007−28842A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−209939(P2005−209939)
出願日 平成17年7月20日(2005.7.20)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 鈴木 薫
要約 課題
挟み込んだフラットケーブルのバタツキ(即ち、不安定な固定)を防止しつつも該フラットケーブルを挟み込む部材同士の係合操作を容易に行なえるフラットケーブル用クランプを提供すること。

解決手段
フラットケーブル用クランプ10のクランプ本体11と第1、第2カバー12,13とが係合した際に、ケーブル押さえ付け突起35,42は、フラットケーブル60のブリッジ部62がクランプ本体11の内面に向けて撓むように当該ブリッジ部62をその厚さ方向に押圧する。それによりフラットケーブル60がクランプ本体11の内面に押さえ付けられる。
特許請求の範囲
【請求項1】
導体部と該導体部の外周面を被覆する絶縁外皮とを有する電線部を少なくとも2つ備え且つそれら電線部を平行にそれらの絶縁外皮間を繋ぐように当該絶縁外皮に一体的に形成されたブリッジ部を更に備えたフラットケーブルを、被取付体に、固定するためのフラットケーブル用クランプであって、
前記被取付体に嵌着可能な係止部を有するクランプ本体と、
前記クランプ本体との間に前記フラットケーブルを挟み込むように前記クランプ本体と係合可能なカバーと、
前記クランプ本体と前記カバーとの係合状態を維持するために前記クランプ本体と前記カバーとの間に設けられた係止機構と、
前記クランプ本体および前記カバーのうち一方の内面上に形成された、前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面上に前記フラットケーブルを押さえ付けるための、少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起と、
を備え、
前記少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起は、前記クランプ本体と前記カバーとが係合した際に、前記フラットケーブルのブリッジ部が前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面に向けて撓むように当該ブリッジ部をその厚さ方向に押圧することを特徴とするフラットケーブル用クランプ。
【請求項2】
前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面と前記ブリッジ部との間に当該ブリッジ部の撓みを許容するための退避空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載したフラットケーブル用クランプ。
【請求項3】
前記係止機構が、前記クランプ本体および前記カバーのうち一方に形成された引掛面とその引掛面と、前記クランプ本体と前記カバーとの係合状態を維持するために引っ掛かる前記クランプ本体および前記カバーのうち他方に形成された引掛面とを有し、
前記引掛面が互いに引っ掛っている状態で更に前記クランプ本体と前記カバーとが前記フラットケーブルを挟み込む方向に押圧された際に、前記引掛面間のオーバーストロークが、前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面に向かって前記少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起の先端面が移動する距離と等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載したフラットケーブル用クランプ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、FFC{即ち、Flexible Flat Cable(フレキシブルフラットケーブル)}、リボン電線、等といった可撓性を有するフラットケーブルを車体パネル等といった被取付体に固定するのに用いるフラットケーブル用クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフラットケーブル用クランプの一例として、2枚のクランプ本体によってフラットケーブルを挟み込んでプリント基板に固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このフラットケーブル用クランプは開孔部および凸部が形成された2枚のクランプ本体を備えている。該フラットケーブル用クランプによると、2枚のクランプ本体の互いに開孔部および凸部が設けられた面の間にリボン電線およびプリント基板を挟み込み、固定孔に締結部材を通してプリント基板にリボン電線を固定するようにしている。
【0004】
このフラットケーブル用クランプでは、別体に形成された2枚のクランプ本体のフラットケーブルを挟み込んだ状態をリベット等といった別部材である締結部材を用いて維持せねばならず、フラットケーブル用クランプを構成する部品点数が多い。そのため、例えば係止突起と該係止突起と係合可能な係止孔との組み合わせ等で構成される係止機構をクランプ本体間に設けて、締結部材を用いずに、フラットケーブルが2枚のクランプ本体によって挟み込まれている状態を維持する構造が考えられる。
【0005】
但し、このように構成されたクランプ本体を採用した場合であっても、クランプ本体の平らな押圧面と平らなプリント基板との間に配置された(即ち、平面と平面とに介在する)フラットケーブルが、例えば自動車等といった車両にフラットケーブル用クランプが搭載された場合に、過度の振動によりバタついて騒音を発生しないように、フラットケーブルと平面との隙間を小さくする必要がある。ところが、そのように構成することで、2枚のクランプ本体を係合する際の、係止機構のオーバーストロークを小さくせざるをえず、2枚のクランプ本体の係合が困難になってしまう。よって、改良の余地がある。
【0006】
尚、係止機構のオーバーストロークとは、係止突起と該係止突起と係合可能な係止孔とで係止機構を構成した場合を例に挙げて説明すると、係止孔を形成する内周面のうち係止突起と引っ掛かる引掛面と、その引掛面と引っ掛かる係止突起の引掛面との間に形成されるべき所定のクリアランスの大きさ(即ち、引掛面間の距離)のことである。
【0007】
【特許文献1】特開平06−275966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、挟み込んだフラットケーブルのバタツキ(即ち、不安定な固定)を防止しつつも該フラットケーブルを挟み込む部材同士の係合操作を容易に行なえるフラットケーブル用クランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明のフラットケーブル用クランプは、次の(1)〜(3)を特徴とする。
(1) 導体部と該導体部の外周面を被覆する絶縁外皮とを有する電線部を少なくとも2つ備え且つそれら電線部を平行にそれらの絶縁外皮間を繋ぐように当該絶縁外皮に一体的に形成されたブリッジ部を更に備えたフラットケーブルを、被取付体に、固定するためのフラットケーブル用クランプであって、
前記被取付体に嵌着可能な係止部を有するクランプ本体と、
前記クランプ本体との間に前記フラットケーブルを挟み込むように前記クランプ本体と係合可能なカバーと、
前記クランプ本体と前記カバーとの係合状態を維持するために前記クランプ本体と前記カバーとの間に設けられた係止機構と、
前記クランプ本体および前記カバーのうち一方の内面上に形成された、前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面上に前記フラットケーブルを押さえ付けるための、少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起と、
を備え、
前記少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起は、前記クランプ本体と前記カバーとが係合した際に、前記フラットケーブルのブリッジ部が前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面に向けて撓むように当該ブリッジ部をその厚さ方向に押圧すること。
(2) 上記(1)の構成のフラットケーブル用クランプにおいて、
前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面と前記ブリッジ部との間に当該ブリッジ部の撓みを許容するための退避空間が形成されること。
(3) 上記(1)または(2)の構成のフラットケーブル用クランプにおいて、
前記係止機構が、前記クランプ本体および前記カバーのうち一方に形成された引掛面とその引掛面と、前記クランプ本体と前記カバーとの係合状態を維持するために引っ掛かる前記クランプ本体および前記カバーのうち他方に形成された引掛面とを有し、
前記引掛面が互いに引っ掛っている状態で更に前記クランプ本体と前記カバーとが前記フラットケーブルを挟み込む方向に押圧された際に、前記引掛面間のオーバーストロークが、前記クランプ本体および前記カバーのうち他方の内面に向かって前記少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起の先端面が移動する距離と等しいこと。
【0010】
上記(1)の構成のフラットケーブル用クランプによれば、少なくとも1つのケーブル押さえ付け突起が、クランプ本体とカバーとが係合した際に、フラットケーブルのブリッジ部がクランプ本体およびカバーのうち他方の内面に向けて撓むように当該ブリッジ部をその厚さ方向に押圧し、それによりフラットケーブルがクランプ本体およびカバーのうち他方の内面上で押さえ付けられるので、クランプ本体とカバーとに挟み込まれたフラットケーブルのバタツキ(即ち、不安定な固定)が防止され且つ、その上、係止機構のオーバーストロークを小さくする必要がないため、フラットケーブルのバタツキを抑制しつつも係止機構に必要なオーバーストロークを確保することができ、よってフラットケーブルを挟み込みながらのクランプ本体とカバーとの係合操作も容易に行なえる。
上記(2)の構成のフラットケーブル用クランプによれば、クランプ本体およびカバーのうち他方の内面とブリッジ部との間に当該ブリッジ部の撓みを許容するための退避空間が形成されており、係止機構に十分なオーバーストロークを確保できるので、フラットケーブルを挟み込みながらのクランプ本体とカバーとの係合操作も容易に行なえる。
上記(3)の構成のフラットケーブル用クランプによれば、クランプ本体の引掛面とカバーの引掛面とが互いに引っ掛っている状態で更にクランプ本体とカバーとがフラットケーブルを挟み込む方向に押圧された際に、それら引掛面間のオーバーストロークが、クランプ本体およびカバーのうち他方の内面に向かってケーブル押さえ付け突起の先端面が移動する距離と等しいので、ケーブル押さえ付け突起の高さを適宜設定することにより、引掛面間に所望のオーバーストロークを設けることができる。
また更に、上記(3)の構成のフラットケーブル用クランプでは、上記(2)の構成のようなブリッジ部からクランプ本体およびカバーのうち他方の内面への奥行き(即ち、退避空間の深さ)を適宜設定することにより、引掛面間に余裕を持った所望のオーバーストロークを設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、挟み込んだフラットケーブルのバタツキ(即ち、不安定な固定)を防止しつつも該フラットケーブルを挟み込む部材同士の係合操作を容易に行なえるフラットケーブル用クランプを提供することができる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る好適な実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係るフラットケーブル用クランプの一実施形態を、そのクランプ本体およびカバーを展開した状態で示す外観斜視図、図2は図1のフラットケーブル用クランプにより挟持されるフラットケーブルの外観斜視図、図3は図1のフラットケーブル用クランプにより図2のフラットケーブルが挟み込まれた状態を示す外観斜視図、図4は図3のIV−IV矢視断面図(模式的断面図)、そして図5は図3のV−V矢視断面図(模式的断面図)である。
【0015】
図1〜図5に示されるように、本発明の一実施形態であるフラットケーブル用クランプ10は、複数の導線からなる導体部61aと該導体部61aの外周面を被覆する絶縁外皮61bとを有する電線部61を4つ備え且つそれら電線部61を平行にそれらの絶縁外皮61b間を繋ぐように当該絶縁外皮61bにそれぞれ一体的に形成された可撓性を有するブリッジ部62を更に備えたフラットケーブル60(図2〜図5参照。)を、例えば車体パネル80等といった被取付体(図1参照。)に沿って、固定するためのフラットケーブル用クランプである。尚、フラットケーブル60は、電線部61を少なくとも2つ備えていればよく、よって、ブリッジ部62を少なくとも1つ備えていればよい。
【0016】
このフラットケーブル用クランプ10は、車体パネル80に嵌着可能な係止部44を有するクランプ本体11と、クランプ本体11との間にフラットケーブル60を挟み込むようにクランプ本体11と係合可能な第1、第2カバー12,13と、クランプ本体11と第1、第2カバー12,13とを相対的に揺動自在に連結するようにクランプ本体11および第1、第2カバー12,13に一体的に形成された可撓性を有する第1、第2薄肉ヒンジ14,15(図1、図4および図5参照。)と、クランプ本体11と第1、第2カバー12,13との係合状態を維持するためにクランプ本体11と第1、第2カバー12,13との間に設けられた係止機構(具体的には、図1、図3および図4に示されるような係止突起24,25および係止孔33,40の組み合わせ)と、第1、第2カバー12,13の第1、第2押圧面30,37(即ち、内面)上に形成された、クランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)上にフラットケーブル60を押さえ付けるためのケーブル押さえ付け突起35,42と、を備える。第1カバー12およびそれと係合するクランプ本体11の一部分と、第2カバー13およびそれと係合するクランプ本体11の他の一部分は、本実施形態では、位置決め突起(28,29)の数および位置と突起先端収容部(34,41)の数および位置とが異なるだけで、その他は同様な構成を備える。
【0017】
尚、本実施形態では係止機構として、係止突起24,25がクランプ本体11に、そして係止孔33,40が第1、第2カバー12,13に設けられているが、係止突起24,25が第1、第2カバー12,13に、そして係止孔33,40がクランプ本体11に設けられた形態でも勿論よい。これに関連して、例えば、係止突起24をクランプ本体11に設け且つ係止突起25を第2カバー13に設けるか、または係止突起25をクランプ本体11に設け且つ係止突起24を第1カバー12に設けて、それらに対応して、係止孔33,40をクランプ本体11、第1カバー12、および第2カバー13のいずれかに設けてもよい。また、本実施形態では、ケーブル押さえ付け突起35,42が第1、第2カバー12,13の第1、第2押圧面30,37(即ち、内面)上に設けられているが、ケーブル押さえ付け突起35,42がクランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)上に設けられた形態でも勿論よい。ケーブル押さえ付け突起35,42をクランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)上に設ける場合、位置決め突起28,29を第1、第2カバー12,13に設け、そして突起先端収容部34,41をクランプ本体11に設けて、フラットケーブル用クランプ10に対するフラットケーブル60の位置決めを容易にすることが好ましい。尚、フラットケーブル用クランプ10は第1、第2カバー12,13がいずれか一方だけ設けられたものであってもよい。また更に、ケーブル押さえ付け突起35,42の数は少なくとも1つあればよい。
【0018】
図5には代表として第2カバー13およびクランプ本体11により図2のフラットケーブル60が挟み込まれた状態が示されるが、複数のケーブル押さえ付け突起42(第1カバー12の場合、ケーブル押さえ付け突起35)は、図3、図4および図5に示されるようにクランプ本体11と第2カバー13(あるいは第1カバー12)とが係合した際に、フラットケーブル60のブリッジ部62がそれぞれクランプ本体11の第2固定面19(第1カバー12とクランプ本体11との係合の場合、第1固定面18)に向けて撓むように当該ブリッジ部62をそれらの厚さ方向に押圧する。フラットケーブル60のブリッジ部62と、クランプ本体11の第2固定面19(第1カバー12とクランプ本体11との係合の場合、第1固定面18)との間には、図4に示されるような、ブリッジ部62の撓みを許容するための退避空間RSが形成されている。
【0019】
図4には代表として第1カバー12およびクランプ本体11により図2のフラットケーブル60が挟み込まれた状態が示される。本実施形態における係止機構には、第1カバー12およびそれと係合するクランプ本体11の一部分に関して言えば、係止孔33を形成する第1カバー12の内周面のうち係止突起24と引っ掛かる引掛面33aと、その引掛面33aと引っ掛かる係止突起24の引掛面24aとが設けられる。第1カバー12の引掛面33aと係止突起24の引掛面24aが互いに引っ掛っている状態で更にクランプ本体11と第1カバー12とがフラットケーブル60を挟み込む方向に押圧された際に、引掛面33a,24a間のオーバーストロークは、クランプ本体11の第1固定面18に向かってケーブル押さえ付け突起35の先端面が移動する距離と等しい。尚、本実施形態では、第1カバー12とクランプ本体11とが係合している状態でのクランプ本体11の一対のガイド板20,21の上面と第1押圧面30との間の距離(図4参照。)も、引掛面33a,24a間のオーバーストロークと等しくなっている。
【0020】
同様に、第2カバー13およびそれと係合するクランプ本体11の他の一部分に関して言えば、本実施形態における係止機構には、係止孔40を形成する第2カバー13の内周面のうち係止突起25と引っ掛かる引掛面(参照符号無し。)と、その引掛面と引っ掛かる係止突起25の引掛面(参照符号無し。)とが設けられる。図4に示されるように第2カバー13の引掛面と係止突起25の引掛面が互いに引っ掛っている状態で更にクランプ本体11と第2カバー13とがフラットケーブル60を挟み込む方向に押圧された際に、当該引掛面間のオーバーストロークが、クランプ本体11の第2固定面19に向かってケーブル押さえ付け突起42の先端面が移動する距離と等しい。尚、本実施形態では、第2カバー13とクランプ本体11とが係合している状態でのクランプ本体11の一対のガイド板22,23の上面と第2押圧面37との間の距離(図5参照。)も、第2カバー13の引掛面と係止突起25の引掛面との間のオーバーストロークと等しくなっている。
【0021】
このように構成されたフラットケーブル用クランプ10の詳細について以下に説明する。
【0022】
上述したクランプ本体11、第1、第2薄肉ヒンジ14,15、および第1、第2カバー12,13は、合成樹脂を素材として一体成形され、これによりフラットケーブル用クランプ10が形成されている。
【0023】
クランプ本体11は、T字状で比較的薄く成形されており、長尺の第1板部16と、第1板部16の中央部に結合された短尺の第2板部17と、を有する。
【0024】
第1板部16は、その一端部が断面視略コ字状をなして第1固定面18を底面として有し、そして他端部も断面視略コ字状をなして第2固定面19を底面として有する。第1、第2固定面18,19は、それらの両端部から垂直な方向に突出するガイド板20,21,22,23を有する。互いに平行に延長する一対のガイド板20,21の間隔寸法と、互いに平行に延長する一対のガイド板22,23の間隔寸法は、それぞれフラットケーブル60の幅寸法よりもわずかに大きい。第2板部17側のガイド板20の外側面上には第1カバー係止用の係止突起24が突出形成され、そして第2板部17側のガイド板22の外側面上には第2カバー係止用の係止突起25が形成されている。
【0025】
第1固定面18上には4個の位置決め突起28,28,28,28が突出形成されている。これら位置決め突起28,28,28,28は、フラットケーブル60において電線部61の間を繋ぐように、絶縁外皮61bとともにポリオレフィン、シリコンゴム、等といった絶縁材を素材として一体成形されたブリッジ部62のスリット状の位置決め切り欠き63(図2参照。)の位置にそれぞれ合わせて間隔を置いて配置されている。
【0026】
第2固定面19上には位置決め突起29が一つ突出形成されている。位置決め突起29は、フラットケーブル60のブリッジ部62のスリット状の位置決め切り欠き63(図2参照。)の位置に合わせて配置されている。
【0027】
第1カバー12は、矩形の第1押圧面30を底面として有し、そしてその両端部から垂直な方向に突出する一対のガイド板31,32を有して断面視略コ字状に形成されている。互いに平行に延長するガイド板31,32の間隔寸法は、ガイド板20,21の間隔寸法よりもわずかに大きい。
【0028】
ガイド板32の基端部(即ち、根元部分)の外側面とガイド板21の基端部(即ち、根元部分)の外側面との間には2つの第1薄肉ヒンジ14が互いに平行に一体形成されている。尚、ガイド板31には、ガイド板20の外側面に形成されている係止突起24と係合する係止孔33が形成されている。
【0029】
第1押圧面30には4つの突起先端収容部34,34,34,34が貫通形成されている。4つの突起先端収容部34,34,34,34は、第1カバー12がクランプ本体11に被さった際に、第1固定面18上の位置決め突起28,28,28,28にそれぞれ係合する。また、一対のガイド板31,32と直交する方向に延長する第1押圧面30の両端部それぞれには、フラットケーブル60のブリッジ部62の数に対応して3つのケーブル押さえ付け突起35が形成されている。
【0030】
第2カバー13は、第1カバー12と略同様な形態であり、矩形の第2押圧面37を底面として有し、そしてその両端部から垂直な方向に突出する一対のガイド板38,39を有して断面視略コ字状に形成されている。互いに平行に延長するガイド板38,39の間隔寸法は、ガイド板22,23の間隔寸法よりもわずかに大きい。
【0031】
ガイド板39の基端部(即ち、根元部分)の外側面とガイド板23の基端部(即ち、根元部分)の外側面との間には2つの第2薄肉ヒンジ15が互いに平行に一体形成されている。尚、ガイド板38には、ガイド板22の外側面に形成されている係止突起25と係合する係止孔40が形成されている。
【0032】
第2押圧面37には突起先端収容部41が一つ貫通形成されている。突起先端収容部41は、第2カバー13がクランプ本体11に被さった際に、第2固定面19上の位置決め突起29に係合する。また、一対のガイド板38,39と直交する方向に延長する第2押圧面37の両端部それぞれには、フラットケーブル60のブリッジ部62の数に対応して3つのケーブル押さえ付け突起42が形成されている。
【0033】
クランプ本体11の第2板部17の下面上に形成された係止部44は、車体パネル80に形成されたクランプ孔(不図示)と係合する。
【0034】
図2に示されるように、フラットケーブル60は、4本の電線部61をブリッジ部62で繋いだ、一般的にFFCと呼ばれる電線であるが、FFC以外にリボン電線等であってもよい。ブリッジ部62には上述したようにスリット状の位置決め切り欠き63が形成されている。尚、電線部61の本数は、適用される回路数等に応じて選ばれる。
【0035】
次に、フラットケーブル用クランプ10へのフラットケーブル60の固定方法を述べる。まず、第1板部16の第1、第2固定面18,19上にフラットケーブル60を載置する。このとき、フラットケーブル60のブリッジ部62の位置決め切り欠き63に位置決め突起28,29をそれぞれ貫通させる。これにより、フラットケーブル60が、その長手方向、およびその幅方向(電線部61の並び方向)に位置決めされる。
【0036】
その後、第1、第2固定面18,19と第1、第2押圧面30,37とでフラットケーブル60を挟み込むように、第1、第2薄肉ヒンジ14,15を介して第1、第2カバー12,13を回動させてクランプ本体11に被せる。このとき、第1カバー12の係止孔33がガイド板20の係止突起24に係合され、そして第2カバー13の係止孔40がガイド板22の係止突起25に係合される。また、このとき、位置決め突起28,29が、突起先端収容部34,41に挿入される。
【0037】
更に、このとき、第1カバー12の6つのケーブル押さえ付け突起35がフラットケーブル60のブリッジ部62を押圧してフラットケーブル60をクランプ本体11の第1固定面18に押さえ付け、そして第2カバー13の6つのケーブル押さえ付け突起42がフラットケーブル60のブリッジ部62を押圧してフラットケーブル60をクランプ本体11の第2固定面19に押さえ付け、これによりフラットケーブル60が、その厚さ方向にフラットケーブル用クランプ10内で位置決めされるとともに、フラットケーブル用クランプ10に固定される。
【0038】
そして、フラットケーブル用クランプ10の係止部44が車体パネル80のクランプ孔(不図示)に嵌着されることにより、フラットケーブル60が車体パネル80に固定される。
【0039】
以上、説明したように、フラットケーブル用クランプ10によれば、ケーブル押さえ付け突起35,42が、クランプ本体11と第1、第2カバー12,13とが係合した際に、フラットケーブル60のブリッジ部62がクランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)に向けて撓むように当該ブリッジ部62をその厚さ方向に押圧し、それによりフラットケーブル60がクランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)上で押さえ付けられるので、クランプ本体11と第1、第2カバー12,13とに挟み込まれたフラットケーブル60のバタツキ(即ち、不安定な固定)が防止され且つ、その上、係止機構のオーバーストロークを小さくする必要がないため、フラットケーブル60のバタツキを抑制しつつも係止機構に必要なオーバーストロークを確保することができ、よってフラットケーブル60を挟み込みながらのクランプ本体11と第1、第2カバー12,13との係合操作も容易に行なえる。
【0040】
また、フラットケーブル用クランプ10によれば、クランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)とブリッジ部62との間に当該ブリッジ部62の撓みを許容するための退避空間RSが形成されており、係止機構に十分なオーバーストロークを確保できるので、フラットケーブル60を挟み込みながらのクランプ本体11と第1、第2カバー12,13との係合操作も容易に行なえる。
【0041】
また、フラットケーブル用クランプ10によれば、係止突起24,25の引掛面とガイド板31,38の引掛面とが互いに引っ掛っている状態で更にクランプ本体11と第1、第2カバー12,13とがフラットケーブル60を挟み込む方向に押圧された際に、引掛面と引掛面との間のオーバーストロークが、クランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)に向かってケーブル押さえ付け突起35,42の先端面が移動する距離と等しいので、ケーブル押さえ付け突起35,42の高さを適宜設定することにより、引掛面と引掛面との間に所望のオーバーストロークを設けることができる。
【0042】
また、フラットケーブル用クランプ10では、フラットケーブル60のブリッジ部62の下面からクランプ本体11の第1、第2固定面18,19(即ち、内面)への奥行き(即ち、退避空間RSの深さ)を適宜設定することにより、係止突起24,25の引掛面とガイド板31,38の引掛面との間に余裕を持った所望のオーバーストロークを設けることができる。
【0043】
尚、フラットケーブル用クランプ10では、第1、第2カバー12,13とクランプ本体11とが係合している状態でのクランプ本体11のガイド板20,21,22,23の上面と第1、第2押圧面30,37との間の距離も適宜設定することにより、係止突起24,25の引掛面とガイド板31,38の引掛面との間に余裕を持った所望のオーバーストロークを設けることができる。
【0044】
さて、ここで、本発明の更なる優位性を説明するため、図6〜図9に参考例を示す。図6はフラットケーブル用クランプの参考例を、そのクランプ本体およびカバーを展開した状態で示す外観斜視図、図7は図6のフラットケーブル用クランプにより挟持されるフラットケーブルの外観斜視図、図8は図6のフラットケーブル用クランプの参考例により図7のフラットケーブルが挟み込まれた状態を示す外観斜視図、そして図9は図8のIX−IX矢視断面図(模式的断面図)である。
【0045】
図6に示されるように、フラットケーブル用クランプ100では、クランプ本体101に2個の薄肉ヒンジ102,102を介して2個のカバー103,103が連結されている。
【0046】
このフラットケーブル用クランプ100には、図7に示されるように、複数の電線部123の間を繋ぐように、それらの絶縁外皮とともに一体成形されたブリッジ部124のスリット状の位置決め切り欠き121を有するフラットケーブル120が固定される。これらブリッジ部124の位置決め切り欠き121にはクランプ本体101の位置決め突起が挿入される。
【0047】
図8に示されるように、フラットケーブル用クランプ100では、クランプ本体101上にフラットケーブル120を載置してから2個のカバー103,103をクランプ本体101に嵌め付けている。
【0048】
しかし、このようなフラットケーブル用クランプ100であっても、図9に示されるように、カバー103の平らな押圧面とクランプ本体101の平らな固定面との間に配置された(即ち、平面と平面とに介在する)フラットケーブル120が、例えば自動車等といった車両にフラットケーブル用クランプ100が搭載された場合に、過度の振動によりバタついて騒音を発生しないように、フラットケーブル120と平面との隙間を小さくする必要がある。ところが、そのように構成することで、クランプ本体101とカバー103,103とを係合する際の、係止機構のオーバーストロークを小さくせざるをえず、クランプ本体101とカバー103,103との係合が困難になってしまう。
【0049】
これに対して、図1〜図5に示されるような本発明のフラットケーブル用クランプ10によれば、上述したように、挟み込んだフラットケーブル60のバタツキ(即ち、不安定な固定)を防止しつつも該フラットケーブル60を挟み込む部材同士の係合操作を容易に行なえる。
【0050】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るフラットケーブル用クランプの一実施形態を、そのクランプ本体およびカバーを展開した状態で示す外観斜視図である。
【図2】図1のフラットケーブル用クランプにより挟持されるフラットケーブルの外観斜視図である。
【図3】図1のフラットケーブル用クランプにより図2のフラットケーブルが挟み込まれた状態を示す外観斜視図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図(模式的断面図)である。
【図5】図3のV−V矢視断面図(模式的断面図)である。
【図6】フラットケーブル用クランプの参考例を、そのクランプ本体およびカバーを展開した状態で示す外観斜視図である。
【図7】図6のフラットケーブル用クランプにより挟持されるフラットケーブルの外観斜視図である。
【図8】図6のフラットケーブル用クランプの参考例により図7のフラットケーブルが挟み込まれた状態を示す外観斜視図である。
【図9】図8のIX−IX矢視断面図(模式的断面図)である。
【符号の説明】
【0052】
10 フラットケーブル用クランプ
11 クランプ本体
12 第1カバー(カバー)
13 第2カバー(カバー)
18 第1固定面(内面)
19 第2固定面(内面)
24,25 係止突起(係止機構)
33,40 係止孔(係止機構)
28,29 位置決め突起
34,41 突起先端収容部
35,42 ケーブル押さえ付け突起
30 第1押圧面(内面)
37 第2押圧面(内面)
44 係止部
60 フラットケーブル
61 電線部
61a 導体部
61b 絶縁外皮
62 ブリッジ部
80 車体パネル(被取付体)




 

 


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