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発明の名称 ケーブル保持装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28815(P2007−28815A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208141(P2005−208141)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
発明者 栗原 史好 / 荘田 隆博
要約 課題
外径の異なる複数のケーブルを好適に保持するケーブル保持装置を提供する。

解決手段
第1の保持部材1Aと、第2の保持部材2Aと、遊動部材3Aとを備えて複数のケーブルを保持するケーブル保持装置100Aであって、第1及び第2の保持部材1A、2Aを対向して固定することで遊動部材3Aを摺動自在に挟持し、第1の保持部材1Aと遊動部材3Aとの間に第1のケーブル10を屈曲させて保持する第1の保持間隔5aと、第2の保持部材2Aと遊動部材3Aとの間に第2のケーブル11を屈曲させて保持する第2の保持間隔5bとを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の保持部材と、第2の保持部材と、遊動部材とを備えて複数のケーブルを保持するケーブル保持装置であって、
前記第1及び第2の保持部材を対向して固定することで前記遊動部材を摺動自在に挟持し、
前記第1の保持部材と前記遊動部材との間にケーブルを屈曲させて保持する第1の保持間隔と、
前記第2の保持部材と前記遊動部材との間にケーブルを屈曲させて保持する第2の保持間隔と
を有することを特徴とするケーブル保持装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の保持間隔とが異なることを特徴とする請求項1記載のケーブル保持装置。
【請求項3】
前記遊動部材の前記第1の保持部材に対向する面の形状と、前記遊動部材の前記第2の保持部材に対向する面の形状とが異なることを特徴とする請求項2記載のケーブル保持装置。
【請求項4】
前記第1の保持部材の前記遊動部材に対向する面の形状と、前記第2の保持部材の前記遊動部材に対向する面の形状とが異なることを特徴とする請求項2または3記載のケーブル保持装置。
【請求項5】
前記遊動部材は、ケーブルを配列する方向に複数の異なる前記第1の保持部材に対向する面の形状、または前記第2の保持部材に対向する面の形状を有することを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載のケーブル保持装置。
【請求項6】
前記遊動部材の前記第1の保持部材に対向する面の形状、または前記遊動部材の前記第2の保持部材に対向する面の形状がケーブルを配列する方向で切り替わる部位に、前記第1の保持部材、または前記第2の保持部材側へ延伸した仕切り部を備えることを特徴とする請求項5記載のケーブル保持装置。
【請求項7】
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間にケーブル出入口を、前記第1または第2の保持間隔で保持するケーブルのうち最も外径の大きいケーブルに基づいて、前記第1及び第2の保持間隔で保持するケーブルで共通となるように形成することを特徴とする請求項2または6記載のケーブル保持装置。
【請求項8】
前記第1または第2の保持部材または前記遊動部材が、前記第1の保持間隔または前記第2の保持間隔を形成する面に、柔軟性または摩擦性を有する補助固定部材を備えることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のケーブル保持装置。
【請求項9】
前記第1または第2の保持部材または前記遊動部材が、前記第1の保持間隔または前記第2の保持間隔を形成する面を、ケーブルが前記第1及び第2の保持間隔で延伸する方向へ曲面として形成した場合に、
前記曲面の曲率を所定の曲率以下とすることを特徴とする請求項1から8記載のケーブル保持装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットや機械設備は、制御手段と制御手段によって制御されるモータなどのアクチュエータを備え、またアクチュエータやアクチュエータによって移動される可動部の動作状態を認識するためにセンサなどの検出手段を備えている。制御手段とこれらアクチュエータ、検出手段とはケーブルによって電気的に接続されている。ケーブルは見栄え性向上やアクチュエータ動作による断線防止やメンテナンス性などを考慮して配線する必要がある。ところが、ロボットや機械設備の機能、性能向上や動作の高精度化を図ることなどにより可動部、アクチュエータ、検出手段の数は増大し、その結果ケーブル数も増大する。また、ケーブル数が増大すると使用されるケーブル径も様々なサイズに及び、ロボットなどにおいて整然と配線することが困難になる。
【0003】
そこで、特許文献1では外径の異なるケーブルを同時に保持できる保持具を提案している。この保持具は、挟持部材同士の対向する面に弾性部材を取り付け、挟持部材同士を締結することによって弾性部材を介して間にケーブルを挟持する。特許文献1の保持具によれば、弾性部材の外径の大きいケーブルの当接する部位は大きく変形し、外径の小さいケーブルの当接する部位は小さく変形するので、これによって外径の異なるケーブルを挟持可能である。
【0004】
また、特許文献2ではケーブルを挟持するためのケーブル押さえ片を案内板に連続的に取り付け、さらにケーブル押さえ片をケーブル側へねじで締め込むことによってケーブルを両側から圧接して保持するケーブル保持装置を提案している。特許文献2のケーブル保持装置によれば、ケーブルの種類及びその外径と本数に依存されずにケーブルを容易に固定することが可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2000−175336号公報
【特許文献2】特開平11−168287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の保持具は、弾性部材の変形を利用して径の異なるケーブルを保持する。しかしながら、特許文献1の保持具では、保持するケーブル同士の径が著しく異なる場合には弾性部材の変形によってケーブル同士の径の差を吸収できない結果、径の小さいケーブルを十分に保持できない虞がある。また、特許文献2のケーブル保持装置では、保持するケーブル毎に対応するケーブル押さえ片を備える構造上、ケーブルを密に並べることができずその分ケーブル保持装置が大型化する。また、ケーブルを1本づつねじで締め込み圧接する必要があるため手間を要するほか、締め込んだねじが緩んでケーブル保持力が低下するといった虞もある。その他、構造が複雑なため部品点数が多く製品の高コスト化を招く虞もあり、また、ケーブルに引っ張り力が発生した場合には、ケーブルを圧接した部位に過大な負荷がかかってケーブルが断線する虞がある。また、特許文献1及び特許文献2の保持具及び保持装置のようにケーブルを挟み込み固定する機構では、フッ粗樹脂のような摩擦係数が低い材質で覆われたケーブルの場合、ケーブルの軸心方向に力が加わると滑りが生じ易く、適切に固定することが難しい。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外径の異なる複数のケーブルを好適に保持するケーブル保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、遊動部材とを備えて複数のケーブルを保持するケーブル保持装置であって、前記第1及び第2の保持部材を対向して固定することで前記遊動部材を摺動自在に挟持し、前記第1の保持部材と前記遊動部材との間にケーブルを屈曲させて保持する第1の保持間隔と、前記第2の保持部材と前記遊動部材との間にケーブルを屈曲させて保持する第2の保持間隔とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明のケーブル保持装置では、ケーブルの柔軟性を利用してケーブルを屈曲させて第1または第2の保持間隔に設置することで、ケーブル自身から発生する屈曲に対する反発力でケーブルを保持することが可能である。また、本発明のケーブル保持装置では、第1及び第2の保持間隔それぞれに2本のケーブル(第1のケーブル及び第2のケーブル)を設置でき、設置した2本のケーブル間には摺動自在な遊動部材が介在するので、2本のケーブル同士が遊動部材を介して反発し合い、互いを保持するといった相乗効果を得ることが可能である。これによって、ケーブルに引っ張り力が発生しても屈曲に対する反発力でケーブルを保持できるのでずれを抑制できる。また、ケーブルに屈曲を与えてその反発力によって保持する構造上、過大な引っ張り力に対してはケーブルのずれを許容して断線を抑制することができる。また、本発明のケーブル保持装置では、第1のケーブルと第2のケーブルとの外径が例えば製品のばらつきなどで目論見に対して多少異なっても2本のケーブル間に介在する遊動部材が摺動してケーブルの外径差を吸収するので、2本のケーブルを好適に保持可能である。なお、第1及び第2のケーブルは複数本であってもよい。
【0010】
また、本発明は、前記第1及び第2の保持間隔とが異なってもよい。本発明によれば、第1のケーブルと第2のケーブルとの外径差が著しい場合であっても、それぞれのケーブル外径に基づいた第1及び第2の保持間隔を形成することによって、第1のケーブルと第2のケーブルとを好適に保持可能である。
【0011】
また、本発明は、前記遊動部材の前記第1の保持部材に対向する面の形状と、前記遊動部材の前記第2の保持部材に対向する面の形状とが異なってもよい。より具体的には、例えば遊動部材として円柱状の部材を想定した場合に、遊動部材の第1の保持部材に対向する円柱面の外径を、第2の保持部材に対向する円柱面の外径よりも大きく形成することで、上述した間隔の異なる第1及び第2の保持間隔とを形成することが可能である。また、例えば第1のケーブルが摩擦係数の低いコーティング材などで被覆されている場合には、遊動部材の第2の保持部材に対向する面の形状は円柱状のままとし、第1の保持部材に対向する面の形状を、ケーブルが第1及び第2の保持間隔で延伸する方向において屈曲部位を増大させた形状に形成することでケーブルの反発力を高められるので、より好適に第1のケーブルを保持可能である。なお、上述したケーブルが第1及び第2の保持間隔で延伸する方向とは、言い換えれば本発明のケーブル保持装置において理想的にケーブルを保持しようとする方向である。
【0012】
また、本発明は、前記第1の保持部材の前記遊動部材に対向する面の形状と、前記第2の保持部材の前記遊動部材に対向する面の形状とが異なってもよい。本発明によれば、上述したように遊動部材の面形状を異なるように形成するだけでなく、第1の保持部材の遊動部材に対向する面の形状と、第2の保持部材の遊動部材に対向する面の形状とを異なるように形成することによっても間隔の異なる第1及び第2の保持間隔を形成することが可能である。
【0013】
また、本発明は、前記遊動部材は、ケーブルを配列する方向に複数の異なる前記第1の保持部材に対向する面の形状、または前記第2の保持部材に対向する面の形状を有してもよい。本発明によれば、第1の保持間隔を複数の異なる保持間隔に形成できる。これによって、複数の異なる保持間隔に対応させて複数の異なる外径のケーブルを第1の保持間隔に保持することが可能である。また、同様にして第2の保持間隔についても異なる外径のケーブルを複数保持可能である。
【0014】
また、本発明は、前記遊動部材の前記第1の保持部材に対向する面の形状、または前記遊動部材の前記第2の保持部材に対向する面の形状がケーブルを配列する方向で切り替わる部位に、前記第1の保持部材、または前記第2の保持部材側へ延伸した仕切り部を備えてもよい。本発明によれば、第1の保持間隔に複数の外径の異なるケーブルを保持した場合に、過大な引っ張り力によってケーブルがずれたときでも、より広く形成された保持間隔にケーブルが脱落することを防止できる。第2の保持間隔についても同様にケーブルの脱落を防止可能である。
【0015】
また、本発明は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間にケーブル出入口を、前記第1または第2の保持間隔で保持するケーブルのうち最も外径の大きいケーブルに基づいて、前記第1及び第2の保持間隔で保持するケーブルで共通となるように形成してもよい。本発明のケーブル保持装置ではケーブルは第1及び第2の保持間隔で保持されているので、ケーブル出入口の開口がケーブルの外径に対してルーズに形成されても問題はない。本発明によれば、ケーブル出入口を最も外径が大きいケーブルに基づいて、この外径のケーブルを挿通可能に形成することによってケーブル出入口を保持する各ケーブルで共通とすることが可能であり、共通とすることによって簡素な構造のケーブル出入口を形成できる。
【0016】
また、本発明は、前記第1または第2の保持部材または前記遊動部材が、前記第1の保持間隔または前記第2の保持間隔を形成する面に、柔軟性または摩擦性を有する補助固定部材を備えてもよい。本発明によれば、例えばケーブルが摩擦係数の低い材料でコーティングされている場合であっても、保持力を向上させてより好適にケーブルのずれを抑制することが可能である。
【0017】
また、本発明は、前記第1または第2の保持部材または前記遊動部材が、前記第1の保持間隔または前記第2の保持間隔を形成する面を、ケーブルが前記第1及び第2の保持間隔で延伸する方向へ曲面として形成した場合に、前記曲面の曲率を所定の曲率以下としてもよい。本発明によれば、上述の第1または第2の保持部材または遊動部材の面形状を保持するケーブルの最低曲径よりも大きい曲面に形成することで、ケーブルに対して過大な屈曲を与えてケーブルが断線しやすくなることを抑制可能である。すなわち、所定の曲率とは保持するケーブルの最低曲径の曲率であり、所定の曲率以下とは、言い換えればケーブルの最低曲径以上である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外径の異なる複数のケーブルを好適に保持するケーブル保持装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本実施例に係るケーブル保持装置100Aの構成を示す図である。また、図1はケーブル保持装置100Aの正面図であり、説明の便宜のため各構成要素を分解した状態で示している。図2は図1に示すケーブル保持装置100AのA−A断面図であり、第1及び第2の保持部材1、2を固定した状態で示している。図3はケーブル保持装置の斜視図であり、図1と同様に各構成要素を分解した状態で示している。図1に示すように、第1及び第2の保持部材1、2は、ケーブル保持装置100Aの筐体としての役割を果たす構成である。第1及び第2の保持部材1A、2Aの材質としては重量やコストや加工容易性などの観点からアルミニウムが好適であるが、その他に材質として樹脂などを用いてもよい。なお、重量を重視するのは、本実施例に係るケーブル保持装置100Aをロボットや機械設備の可動部に配設することもあり、その場合に可動部の可搬重量を増させるためである。但し、これに限らず適宜の材質を用いてよい。
【0021】
図1に示すように、第1及び第2の保持部材1A、2Aは、第1及び第2のケーブル10、11を理想的に保持した場合にケーブル保持装置100A内でケーブルが延伸する方向と略直交する方向に延伸している。第1及び第2の保持部材1A、2Aの対向する両端部は両部材1、2の合わせ面1Aa及び2Aaとして平滑に形成される。また、図3に示すように、合わせ面1Aaには雌ねじ1Abを形成する。雌ねじ1Abは第1の保持部材1Aの両端部の合わせ面1Aaそれぞれに1つずつ、対角をなす位置に形成されるのが好ましい。但しこれに限らず、例えば雌ねじ1Abを合わせ面1Aaそれぞれに2つずつ形成してもよい。また、第2の保持部材2の両端部に形成した合わせ面2Aaには、第1の保持部材1Aに形成した雌ねじ1Abに対応する位置に貫通孔2Abを形成する。また、図2に示すように、中間部Bで第1及び第2の保持部材1A、2Aが対向する面は、両端部がケーブル出入口4として形成され、中央部が略円弧状のケーブル保持部1Ac、2Acに形成されている。
【0022】
図3に示すように、第1の保持部材1Aの中間部B両端の側面1Adには、凹状の回転防止部1Aeが形成されている。また、凹状の回転防止部1Aeは、側面1Adにおいて第1及び第2のケーブル10、11が延伸する方向の略中央に形成されている。同様にして図示しない凹状の回転防止部2eが保持部材2の中間部B両端の図示しない側面2dに形成されている。
【0023】
図3に示すように、本実施例に係る遊動部材3Aは略円柱状の延伸部材である。遊動部材3Aの両端部には、上述した凹状の回転防止部1Ae及び2Aeに対応する凸状の回転防止部3Aaが形成されている。凹状の回転防止部1Aeと2Aeとを合わせた長さは、凸状の回転防止部3Aaの長さよりも第1及び第2の保持部材1A、2Aが対向する方向へ長く形成されている。
【0024】
上述した構成で、図1に示すように保持部材1Aと遊動部材3Aとの間に第1のケーブル10を、保持部材2Aと遊動部材3Aとの間に第2のケーブル11を挿通する。さらに、第1及び第2のケーブル10、11とを挿通した状態で、第1及び第2の固定部材1A、2Aとの合わせ面1Aa、2Aaを当接し、固定ねじ7を貫通孔2Abに挿入し雌ねじ1Abに締め込むことによって両部材1A、2Aを固定する。また、両部材1A、2Aを固定する際に、遊動部材3Aの凸状の回転防止部3Aaを第1及び第2の保持部材1A、2Aの凹状の回転防止部1Ae及び2Aeに係合する。これにより、遊動部材3Aは第1及び第2の保持部材1A、2Aが対向する方向へ第1及び第2の保持部材1A、2Aによって摺動可能に保持される。また、この回転防止部3Aaによって遊動部材3Aの組付け容易化が図られ、組付け時に遊動部材3Aが脱落することを抑制可能である。
【0025】
両部材1A、2Aを固定すると、図2に示すように第1の固定部材1Aと遊動部材3Aとの間には第1の保持間隔5aが形成される。同様に、第2の固定部材2Aと遊動部材3Aとの間には第2の保持間隔5bが形成される。第1の保持間隔5aは第1のケーブル10の外径に基づいて形成されている。同様に、第2の保持間隔5bは第2のケーブル11の外径に基づいて形成されている。また、ケーブル保持部1Acの略円弧状の曲面は、第1のケーブル10が過大に屈曲しないように第1のケーブル10の最低曲径よりも大きく形成されている。同様に、ケーブル保持部2Acの略円弧状の曲面は、第2のケーブル11が過大に屈曲しないように第2のケーブル11の最低曲径よりも大きく形成されている。また、遊動部材3Aの略円柱面は、第1及び第2のケーブル10、11が過大に屈曲しないよう、第1及び第2のケーブル10、11の最低曲径よりも大きく形成されている。
【0026】
第1の保持間隔5aに保持された第1のケーブル10は、第1の保持部材1Aと遊動部材3Aとで挟まれて屈曲する。屈曲された第1のケーブル10は反発力を発生させるため、自らを第1の保持間隔5aに保持する。ただし、第1の保持間隔5aを第1のケーブル10の外径よりも若干狭く形成して、第1のケーブル10に押し付け力を与えてもよい。この場合、第1の保持間隔5aの間隔によって第1のケーブル10に与える押し付け力は決定され、固定ねじ7の締め込み具合によっては与える押し付け力は変化しない。これは、合わせ面1Aa、2Aaが固定ねじ7の締め込みによって当接し、固定ねじ7の締込み具合によってケーブルに過度の負荷がかかることを抑制できる構造としているからである。
【0027】
また、第1の保持間隔5aで第1のケーブル10を保持するような保持態様によれば、第1のケーブル10と第1の保持部材1A及び遊動部材3Aとの接触面積を広く取れる。そのため、第1のケーブル10に引っ張り力が発生しても接触面積の大きさによって引っ張り力が分散されるので、ケーブルの一部に過度の負荷がかかって断線することを好適に抑制できる。また、接触面積が広いため、上述した押し付け力が小さくても強固なケーブル保持を実現できる。
【0028】
また、小さな押し付け力でケーブルを保持することによって、例えば製品のばらつきにより他の第1のケーブル10よりも太い第1のケーブル10を同時に保持する場合にも、ケーブルに過度の負担がかかることを抑制可能である。また、他の第1のケーブル10よりも細い第1のケーブル10を同時に保持する場合にも、屈曲によってケーブルの保持状態を維持できる。すなわち、本実施例に係るケーブル保持装置100Aでは、製品のばらつきによってケーブル外径が異なっても、異なる外径を有するケーブルそれぞれに対してケーブル保持のための特別な調整機構を備えることなく、ケーブル外径のばらつきに対応することが可能である。また、ケーブル保持のための特別な調整機構を備える必要がないことから、そのような調整機構によってケーブルの配置や間隔が一義的に決定されることもない。すなわち、第1のケーブル10を密に並べることが可能であり、ケーブル保持装置100Aを小型化することが可能である。
【0029】
第1の保持間隔5aで第1のケーブル10を保持することによって発揮される上述したような効果は、第2の保持間隔5bで第2のケーブル11を保持する場合にも同様に発揮される。なお、本実施例に係るケーブル保持装置100Aによれば、例えば主要な条件としてケーブル外周をポリテトラフルオロエチレンなどの摩擦係数が低い材料でコーティングし、第1及び第2の保持部材1、2をアルミニウムで形成した場合に、実験結果として第1のケーブル10の外径が1.1mmから1.3mmの間でばらつきを有し、第2のケーブル11の外径が1.8mmから2.0mmの間でばらつきを有していてもケーブルを好適に保持した例がある。
【0030】
さらに、本実施例に係るケーブル保持装置100Aでは、第1及び第2の保持間隔5a、5bそれぞれに第1及び第2のケーブル10、11を保持することによって以下に示す効果が得られる。ケーブル保持装置100Aでは、第1及び第2のケーブル10、11間に摺動自在な遊動部材3Aが介在するので、第1及び第2のケーブル10、11同士が遊動部材3Aを介して反発し合い、互いを保持する相乗効果を得ることが可能である。また、ケーブル保持装置100Aでは、遊動部材3Aが摺動可能であることに加えて過度な押し付け力を与えることなく第1及び第2のケーブル10、11を保持しているので、過大な引っ張り力に対しては第1及び第2のケーブル10、11のずれを許容することができる。これによって、断線という最悪の事態を好適に抑制することが可能である。また、遊動部材3Aが摺動してケーブル外径の差を吸収する役割をも果たすので、第1のケーブル10同士または第2のケーブル11同士だけでなく、第1及び第2のケーブル10、11外径の目論見外のばらつきにも対応して好適に第1及び第2のケーブル10、11を保持可能である。
【0031】
図2に示すケーブル出入口4は、より外径の大きい第2のケーブル11に基づいて、第1及び第2の保持部材1A、2Aとで形成されている。より具体的には、ケーブル出入口4は、第2のケーブル11が挟まれて圧迫されないよう、図1に示すように中間部Bが両端部よりも両部材1A、2Aが対向する方向へ削り込まれるようにして形成された第1及び第2の保持部材1A、2Aを固定ねじ7で固定することによって形成される。このようにケーブル出入口4を第2のケーブル11の外径に基づいて形成することによって、第1のケーブル10は当然にしてケーブル出入口4に圧迫されないので、図2に示すように、ケーブル出入口4を第1及び第2のケーブル10、11で共通とすることが可能である。また、共通とすることによって簡素な構造のケーブル出入口4を形成できる。すなわち、図1に示すように、ケーブル出入口4を第2のケーブル11の外径に基づいた開口形状として中間部Bに略均一に形成することができ、保持しようとするケーブルそれぞれの外径に合わせた形状として形成する必要がない。なお、第1のケーブル10は第1の保持間隔5aで保持されているため当然にして抜けることがなく、同様に第2のケーブル11についても抜けることはない。
【0032】
さらに、ケーブル出入口4を以下のように形成することによってより好適にケーブルを保持することが可能である。図4は図1に示すケーブル保持装置100AのA−A断面図に相当する断面図であり、ケーブル出入口4の他の形状を示す図である。ケーブル保持装置100Aで保持した第1または第2のケーブル10、11は、図示しないロボットや機械設備の制御部やアクチュエータや検出手段に向かって配索される。したがって、第1または第2のケーブル10、11はケーブル保持装置100Aからケーブル出入口4の開口方向へ向かって配索されるだけでなく、図4に示すように第1または第2の保持装置1A、2Aの方向へ向かって屈曲して配索されることもある。図4に示すように第1のケーブル10が屈曲して配索された場合に、ケーブル出入口4の角部がエッジになっていると第1のケーブル10が過大に屈曲し断線する虞がある。本実施例では、ケーブル出入口4の角部がエッジにならないよう、第1の保持部材1Aに曲面1f及び2fを形成しているので、ケーブルが過大に屈曲することを抑制可能である。なお、第1のケーブル10を過大な屈曲から保護するという観点から、曲面1Af及び2Afは第1のケーブル10の最低曲径よりも大きく形成する。以上により、外径の異なる第1及び第2のケーブル10、11を好適に保持するケーブル保持装置100Aを実現できる。
【実施例2】
【0033】
本実施例に係るケーブル保持装置100B、100Cは、第1の保持部材1、第2の保持部材2及び遊動部材3の形状が異なる以外、実施例1に係るケーブル保持装置100Aと同様である。図5は、実施例2に係るケーブル保持装置100B、100Cの中間部Bの図2に示すA−A断面に相当する断面を示す図である。図5(a)に示すように、ケーブル保持装置100Bでは遊動部材3Bは中間部Bの断面形状が略長方形状の延伸部材である。また、略長方形状の断面の角部は第1及び第2のケーブル10、11に過大な屈曲が生じないような曲面で形成されている。また、遊動部材3Bに対向する第1及び第2の保持部材1B及び2Bのケーブル保持部1Bc、2Bcは、遊動部材3Bの略長方形状面にならって第1及び第2のケーブル10、11の外径に基づいて形成される。第1及び第2の保持部材1B及び2B及び遊動部材3Bを本実施例のように形成することによって、第1及び第2のケーブル10、11は略長方形状の断面で示される角部それぞれで、すなわち2ケ所で屈曲するので、実施例1のケーブル保持装置100Aと比較してよりケーブル保持力を向上させることが可能である。
【0034】
また、さらに保持間隔5a、5bにおいてケーブルの屈曲数を増やすことによってケーブル保持力を向上させることも可能である。図5(b)に示すように、ケーブル保持装置100Cでは遊動部材3Cは、中間部Bの断面形状が略長方形状の断面が2つ連なった断面形状となっている延伸部材である。また、遊動部材3Cに対応する第1及び第2の保持部材1C及び2Cのケーブル保持部1Cc、2Ccは、遊動部材3Cの中間部Bの面形状にならって第1及び第2のケーブル10、11の外径に基づいて形成される。第1及び第2の保持部材1C及び2C及び遊動部材3Cを本実施例のように形成することによって、第1及び第2のケーブル10、11は遊動部材3Cの図5(b)に示す断面の角部それぞれと中央部とで、すなわち5ケ所で屈曲するので、実施例1のケーブル保持装置100Aやケーブル保持装置100Bと比較してよりケーブル保持力を向上させることが可能である。このようにしてケーブル保持装置100の保持力を向上させれば、ケーブルの外径のばらつきが大きい場合でもより好適にケーブルを保持することが可能である。また、ケーブルがポリテトラフルオロエチレンなどの摩擦係数が低い材料でコーティングされている場合には、そのようなケーブルを保持するために本実施例に係るケーブル保持装置100Cは特に有効である。
【実施例3】
【0035】
本実施例に係るケーブル保持装置100Dは、保持間隔5a、5bにケーブルの保持力を向上させるための柔軟部材6を配設している以外、実施例1に係るケーブル保持装置100Aと同様である。図6は、ケーブル保持装置100Dの中間部Bの図2に示すA−A断面に相当する断面を示す図である。また、図6(a)は柔軟部材6を遊動部材3Aの中間部Bの外周面に配設した例を示す図であり、図6(b)は柔軟部材6をケーブル保持部1Ac、2Acに配設した例を示す図である。ただし、図6(a)に示す例と図6(b)に示す例とを組み合わせて柔軟部材6を配設することも可能である。柔軟部材6としては、例えばゴムとプラスチックの中間の性質を有する熱可塑性エラストマーなどを使用可能である。本実施例のように保持間隔5a、5bに柔軟部材6を配設することによってケーブル保持力が向上するので、より好適に第1及び第2のケーブル10、11を保持することが可能である。また、同様にして柔軟部材6の代わりに高摩擦係数を有する摩擦部材を配設することでも、ケーブルの被覆材質によってはより好適に第1及び第2のケーブル10、11を保持することが可能である。なお、ケーブルがポリテトラフルオロエチレンなどの摩擦係数が低い材料でコーティングされている場合には、柔軟部材6を配設することによってより効果的にケーブルを保持でき、ケーブルがポリ塩化ビニルなどによって被覆されている場合には、摩擦部材を配設することによってもより効果的にケーブルを保持可能である。
【実施例4】
【0036】
本実施例に係るケーブル保持装置100Eは、第1の保持部材1及び第2の保持部材2及び遊動部材3の形状が異なる以外、実施例1のケーブル保持装置100Aと同様である。図7は、本実施例に係るケーブル保持装置100Eの正面図を示す図であり、説明の便宜のため各構成要素を分解した状態で示している。図6に示すように、本実施例に係る遊動部材3Eは中間部Bの断面形状が第1の中間部B1と第2の中間部B2とで異なっている。また、第1及び第2の保持部材1E及び2Eの中間部B1、B2の遊動部材3Eに対向する面は、遊動部材3Eにならってそれぞれ保持するケーブルの外径に基づいて形成されている。これによって、第1の中間部B1では、第1及び第2のケーブル10、11を保持することができ、さらに第2の中間部B2では、第3及び第4のケーブル12、13を保持することができる。すなわち、1つのケーブル保持装置100Eで4つの異なる外径を有する第1、第2、第3及び第4のケーブル10、11、12及び13を同時に保持可能である。
【0037】
また、ケーブルを保持した状態で第1のケーブル10に過大な引っ張り力が加わった場合には、第1のケーブル10にずれが発生する。この際、第1のケーブル10は第2の中間部B2に形成された第1の保持間隔5aに脱落してしまう虞があるが、本実施例では遊動部材3Eの第1の中間部B1と第2の中間部B2との間に、言い換えれば遊動部材3Eの第1または第2の保持部材1Eまたは2Eに対向する面の形状が第1及び第2のケーブル10、11を配列する方向で切り替わる部位に仕切り部3Ebを備えているので第1のケーブル10の脱落を防止可能である。上述した脱落防止の効果は、第2のケーブル11についても同様である。また、遊動部材3Eを本実施例のように形成した場合に、遊動部材3Eの端部付近にケーブルが挿通されていないと遊動部材3Eに傾きが発生し遊動部材3Eの摺動性に影響が出る虞があるが、本実施例では図7に示すように、中間部B1の第2の保持間隔5bにその間隔に見合ったダミーケーブルを配設しているため、遊動部材3Eが傾くことを抑制可能である。これによって、外径の異なる複数のケーブル10、11、12及び13を保持するケーブル保持装置100Eを実現可能である。
【0038】
なお、上述した各実施例に係るケーブル保持装置100A、100B、100C、100D及び100Eは電気配線用のケーブルだけでなくその他ロボットや機械設備が備えるエア機器に配索されるエアチューブや油圧機器に配索される油圧ホースなどにも適用可能である。以上により、外径の異なる複数のケーブルを好適に保持するケーブル保持装置100を実現できる。
【0039】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施例に係るケーブル保持装置100Aの構成を示す図である。また、図1はケーブル保持装置100Aの正面図であり、説明の便宜のため各構成要素を分解した状態で示している。
【図2】図1に示すケーブル保持装置100AのA−A断面図であり、第1及び第2の保持部材1、2を固定した状態で示している。
【図3】ケーブル保持装置100Aの斜視図であり、図1と同様に各構成要素を分解した状態で示している。
【図4】図1に示すケーブル保持装置100AのA−A断面図に相当する断面図であり、ケーブル出入口4の他の形状を示す図である。
【図5】実施例2に係るケーブル保持装置100B及び100Cの中間部Bの図2に示すA−A断面に相当する断面を示す図である。
【図6】ケーブル保持装置100Dの中間部Bの図2に示すA−A断面に相当する断面を示す図である。また、図6(a)は柔軟部材6を遊動部材3Aの中間部Bの外周面に配設した例を示す図であり、図6(b)柔軟部材6をケーブル保持部1Ac、2Acに配設した例を示す図である。
【図7】本実施例に係るケーブル保持装置100Eの正面図を示す図であり、説明の便宜のため各構成要素を分解した状態で示している。
【符号の説明】
【0041】
1 第1の保持部材
2 第2の保持部材
1a、2a 合わせ面
1b 雌ねじ
2b 貫通孔
1c、2c ケーブル保持部
1d、2d 中間部Bの側面
1e、2e 凹状の回転防止部
1f、2f 曲面
3 遊動部材
3a 凸状の回転防止部
3b 仕切り部
4 ケーブル出入口
5a、5b 第1、第2の保持間隔
6 柔軟部材
7 固定ねじ
10 第1のケーブル
11 第2のケーブル
12 第3のケーブル
13 第4のケーブル




 

 


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