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発明の名称 電気接続箱の排水構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20239(P2007−20239A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−195786(P2005−195786)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
発明者 平沢 均 / 土井 哲平 / 酒井 傑 / 高橋 洋成 / 小野寺 洋介
要約 課題
外部からの水分に対する防水性能の向上を図ることが可能な電気接続箱の排水構造を提供する。また、製造性や組み立て性の向上、さらには防水性能の維持に寄与することが可能な電気接続箱の排水構造を提供する。

解決手段
内外を連通するように電気接続箱のケース1に設けられる排水口4と、排水口4を開閉する逆止弁5とを有して構成される電気接続箱の排水構造は、逆止弁5を、排水口4の閉塞方向に略直交する受圧面16と、この受圧面16に同一平面となる空気溜まり部17とを有するものとする。
特許請求の範囲
【請求項1】
内外を連通するように電気接続箱のケースに設けられる排水口と、該排水口を開閉する逆止弁とを有して構成される電気接続箱の排水構造において、
前記逆止弁を、前記排水口の閉塞方向に略直交する受圧面と、該受圧面に同一平面となる空気溜まり部とを有するものとする
ことを特徴とする電気接続箱の排水構造。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱の排水構造において、
前記閉塞方向に延在する複数の壁によって前記空気溜まり部を複数の部屋に分割するとともに、前記複数の壁の端面によって前記受圧面を形成する
ことを特徴とする電気接続箱の排水構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱の排水構造において、
前記排水口を閉じる弁座と、該弁座に当接する前記逆止弁の弁部における当接面とを、共に重なり合う傾斜面で形成するとともに、前記弁座を複数の環状壁の端面によって複数箇所形成する
ことを特徴とする電気接続箱の排水構造。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱の排水構造において、
前記逆止弁を、前記排水口を閉じる弁座に当接する当接面と前記受圧面と前記空気溜まり部とを有する弁部、及び該弁部に連続して前記排水口を貫通する前記閉塞方向の弁軸部、を備えてなる合成樹脂製の逆止弁本体と、前記電気接続箱の前記ケースの内側から前記弁軸部に嵌合するとともに、前記排水口の開口縁部に当接するプッシュナットとを含んで構成する
ことを特徴とする電気接続箱の排水構造。
【請求項5】
請求項4に記載の電気接続箱の排水構造において、
樹脂成型金型の型割方向を前記閉塞方向に設定して前記逆止弁本体を成形する
ことを特徴とする電気接続箱の排水構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱内部に生じる水分を排水するとともに、電気接続箱外部からの水分の浸入を阻止するための電気接続箱の排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に備えられる電気接続箱は、ヒューズやリレー等の電気部品とワイヤハーネスとを接続したり、或いは電源を分配したりするためのものであって、合成樹脂製のケース等を含む複数の部品から構成されている。電気接続箱は、具体的に、車両室内或いはエンジンルーム内に設置されており、例えばエンジンルーム内に電気接続箱を設置する場合には、次のような構造上の配慮がなされている。すなわち、洗浄時や雨天走行時においてエンジンルーム内に飛散する水(以下、飛水と呼ぶ)が電気接続箱のケース内に浸入しないようにするための防水構造を設けるという配慮がなされている。
【0003】
しかしながら、防水構造を設けるために電気接続箱を全く通気性のない密閉構造としてしまうと、外気の温度や湿度の変化によって電気接続箱のケース内に結露が生じた場合には、この結露によって生じた水滴を排水することができなくなるという問題点を有している。そして、ケース内に上記水滴による水分が溜まった場合には、電気部品や導体を汚損したり、電気的な接続状態に影響を来したりする恐れがあるという問題点を有している。
【0004】
そこで、特にエンジンルーム内に設置される電気接続箱にあっては、電気接続箱のケース内への飛水の浸入を防止しつつ、ケース内に生じた結露による水滴も速やかに排水することが可能な排水構造を設けることが従来より重要な課題とされている。
【0005】
尚、電気接続箱のケースに排水口を設けるとともに、他の部分を密閉してケース内の空気の逃げ場をなくし、これによって外部からの水分の浸入を阻止する構造が上記課題の解決策の1つとして考えられるが、仮に上記密閉構造を電気接続箱に設けるに当たっては、電気接続箱のケースから引き出されるワイヤハーネスにゴム製のグロメットを取り付け、グロメットとワイヤハーネスとの間隙を充填材で封止した後、グロメットをケースに水密に取り付けるような処置が必要になることから、組み立てにかかる工数や、コストに影響を来してしまうという問題点を有している。
【0006】
ケース内への飛水の浸入を防止しつつ、ケース内に生じた結露による水滴も速やかに排水することが可能な排水構造を設けた電気接続箱としては、下記特許文献1に開示された本願出願人の提案技術が知られている。以下、図4ないし図7を参照しながら本願出願人提案の下記特許文献1の排水構造について簡単に説明する。
【0007】
図4において、電気接続箱は、図示しない電気接続箱本体と、この本体を覆うケース51とを備えて構成されている。ケース51の底壁52には、外側に突出するスカート部53が一体に形成されている。このスカート部53の中央には、ケース51の内外を貫通する排水口54が形成されている。排水口54には、この排水口54を開閉する逆止弁55が取り付けられている。逆止弁55は、通常、図4及び図6に示すように自重で降下しており、この降下位置では排水口54が開かれ、ケース51内の水分が排水口54を通過して外部へ排水されるようになっている。また、逆止弁55が外力Pを受けて図7に示すように押し上げられると、排水口54が逆止弁55によって閉じられて外部からの水分が内部へ浸入してしまうことが防止されるようになっている。
【0008】
図4及び図5中の引用符号56は、排水口54に対して一体に形成される4つの支持部材を示している。4つの支持部材56は、逆止弁55の弁軸57を上下動自在に支持するために形成されている。排水口54は、各支持部材56の間に形成される導水路58によってケース51内の水分が排水されるように形成されている。逆止弁55は、上記の弁軸57の他に、弁体59を有している。弁体59は、スカート部53の下端側に形成された大径穴60内に上下動自在に収容されている。弁体59の上部は、図示のような傾斜面61を有しており、この傾斜面61が弁座62に当接することによって、排水口54が閉じられるようになっている。弁体59の下部は、平坦な面として形成されており、外力Pを直交して受けることができるようになっている。
【0009】
以上説明した排水構造は、ケース51内への飛水の浸入を防止しつつ、ケース51内に生じた結露による水滴も速やかに排水することができるものとなっている。また、この排水構造によって電気接続箱を密閉構造にする必要性もないことから、組み立てにかかる工数やコストに影響を来すことがないようになっている。
【特許文献1】特開平9−163547号公報 (第2−3頁、第1−5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記従来技術にあっては、上下動する逆止弁55の応答性に関して改善の余地があると本願発明者は考えている。すなわち、逆止弁55は、衝撃力のような瞬時に掛かる圧力に対して良好に応答する構造になっているものの、例えばゆっくりと水面が上昇してくるような場合には、排水口54を閉じるまでに多少の時間がかかり、水分の浸入を許してしまう可能性があるという構造になっている。つまり、従来の排水構造にあっては、逆止弁55の自重が大きい場合、外部から受ける圧力に勢いがなければ水分の浸入があり得るという構造上の問題点を有している。
【0011】
その他の問題点としては、逆止弁55を取り付ける際に、弁軸57を4つの支持部材56の間に圧入状態で差し込んで、その後、先端の係止ヘッド63を支持部材56の端面に引っ掛ける構造になっていることから、組み立てが容易でないという問題点を有している。また、係止ヘッド63がちょうど支持部材56の端面に引掛かる圧入状態解除時に、誤って傾斜面61を弁座62にぶつけて傷を付けてしまう恐れがあり、この場合、防水性能が低下するという問題点を有している。
【0012】
逆止弁55は、弁軸57の先端に係止ヘッド63を有する図示のような形状のものであることから、この逆止弁55を例えば合成樹脂製とする場合には、成形金型の型割方向が弁軸57の延在方向に対し直交方向、言い換えれば排水口54を閉塞する方向に対して直交方向になり(弁軸57の延在方向に型割りするのでは係止ヘッド63がアンダーカットになる)、結果、傾斜面61にパーティングラインが存在してしまうことになる。弁座62に当接する傾斜面61にパーティングラインが存在してしまうと、防水性能の低下につながるという問題点を有している。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、外部からの水分に対する防水性能の向上を図ることが可能な電気接続箱の排水構造を提供することを課題とする。また、製造性や組み立て性の向上、さらには防水性能の維持に寄与することが可能な電気接続箱の排水構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の電気接続箱の排水構造は、内外を連通するように電気接続箱のケースに設けられる排水口と、該排水口を開閉する逆止弁とを有して構成される電気接続箱の排水構造において、前記逆止弁を、前記排水口の閉塞方向に略直交する受圧面と、該受圧面に同一平面となる空気溜まり部とを有するものとすることを特徴としている。
【0015】
このような特徴を有する本発明によれば、逆止弁は通常、自重によって降下した位置に存在する。これにより、電気接続箱のケース内に発生した水分が排水口を通過して外部へ排水される。逆止弁が降下した状態で例えば飛水があると、この飛水の勢いで逆止弁の受圧面に押し上げの力が加わり逆止弁が上昇する。逆止弁が上昇するとこれにより排水口が閉じられ、外部からの水分の浸入が阻止される。一方、逆止弁が降下した状態で例えばゆっくりと外部からの水分が上昇してくる場合には、逆止弁に作用する浮力によってこの逆止弁が上昇する。これにより上記同様に排水口が閉じられ、外部からの水分の浸入が阻止される。逆止弁は、この逆止弁の材質により生じる浮力の他に、空気溜まり部を形成して得られる浮力も作用することから、浮き上がり易い逆止弁になる。また、逆止弁は、空気溜まり部を有することから、この空気溜まり部の分だけ軽くなって、浮き上がり易い逆止弁になる。逆止弁は、同一平面に受圧面と空気溜まり部とを有することから、応答性のよい逆止弁になる。
【0016】
請求項2記載の本発明の電気接続箱の排水構造は、請求項1に記載の電気接続箱の排水構造において、前記閉塞方向に延在する複数の壁によって前記空気溜まり部を複数の部屋に分割するとともに、前記複数の壁の端面によって前記受圧面を形成することを特徴としている。
【0017】
このような特徴を有する本発明によれば、同一平面に受圧面と空気溜まり部とを形成する構造として、複数の壁が好適となる。各壁の肉厚を厚くしたり、壁の数を増やしたりすることにより、受圧面の面積が大きくなる。一方、空気溜まり部は、壁の数が増えることによって、小さな部屋に分割される。空気溜まり部が小さく分割されると、逆止弁が多少傾いたとしても空気溜まり部内の空気が外部の水分側に逃げる量が少なくなることから、浮力の作用が十分に維持される。
【0018】
請求項3記載の本発明の電気接続箱の排水構造は、請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱の排水構造において、前記排水口を閉じる弁座と、該弁座に当接する前記逆止弁の弁部における当接面とを、共に重なり合う傾斜面で形成するとともに、前記弁座を複数の環状壁の端面によって複数箇所形成することを特徴としている。
【0019】
このような特徴を有する本発明によれば、電気接続箱のケース内に発生した水分が排水口を通過して外部へ排水される際に、逆止弁の傾斜面が利用される。この傾斜面によって水分が流れ易くなり排水性能が向上する。また、傾斜面によって逆止弁への異物付着が起こり難くなる。逆止弁の傾斜面が当接する弁座は、複数の環状壁の端面によって形成される。逆止弁の傾斜面が複数の弁座に当接して排水口が二重、三重に閉じられると、外部からの水分の浸入がより確実に阻止される。複数の弁座は、仮に逆止弁の傾斜面に異物が付着していたとしても、弁座同士の間の空間に異物を逃がせば防水性能が維持される。また、複数の弁座は、傾斜面に仮に小さな傷があったとしても、傷のない部分がどれか1つの弁座に当接すれば防水性能が維持される。
【0020】
請求項4記載の本発明の電気接続箱の排水構造は、請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱の排水構造において、前記逆止弁を、前記排水口を閉じる弁座に当接する当接面と前記受圧面と前記空気溜まり部とを有する弁部、及び該弁部に連続して前記排水口を貫通する前記閉塞方向の弁軸部、を備えてなる合成樹脂製の逆止弁本体と、前記電気接続箱の前記ケースの内側から前記弁軸部に嵌合するとともに、前記排水口の開口縁部に当接するプッシュナットとを含んで構成することを特徴としている。
【0021】
このような特徴を有する本発明によれば、弁軸部を先にして逆止弁本体をケース外部側から排水口に差し込み、この排水口を貫通した弁軸部に対してケース内部側からプッシュナットを嵌合させると逆止弁の取り付けが完了する。逆止弁は、弁軸部を排水口に対して圧入状態で差し込む必要性のない構造になることから、組み立てが容易になるとともに、誤って傾斜面に傷を付けてしまうような不具合も避けられる。逆止弁は、プッシュナットを金属製とすれば、合成樹脂製の逆止弁本体の弁軸部に食い込むような格好でプッシュナットを強固に固定することが可能になる。合成樹脂材料は、耐候性のABS樹脂や発泡体(発泡は独立発泡とする)となる樹脂が挙げられ、成形面やコスト面では耐候性のABS樹脂が好適となる。逆止弁本体が合成樹脂製であることから、自重の低減に寄与し、浮き上がり易い逆止弁になる。
【0022】
請求項5記載の本発明の電気接続箱の排水構造は、請求項4に記載の電気接続箱の排水構造において、樹脂成型金型の型割方向を前記閉塞方向に設定して前記逆止弁本体を成形することを特徴としている。
【0023】
このような特徴を有する本発明によれば、傾斜面にパーティングラインが存在しない逆止弁が樹脂成形される。尚、パーティングラインが存在すると、弁座との間に僅かな導水路が形成され、毛細管現象等により外部からの水分が浸入する恐れがある。本発明によれば、これを防止することが可能になる。すなわち、防水性能が維持される。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載された本発明によれば、外部からの水分に対する防水性能の向上を図ることができるという効果を奏する。また、請求項2、3に記載された本発明によれば、それぞれ防水性能の維持に寄与することができるという効果を奏する。また、請求項4に記載された本発明によれば、組み立て性の向上や防水性能の維持に寄与することができるという効果を奏する。また、請求項5に記載された本発明によれば、製造性の向上に寄与することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の電気接続箱の排水構造の一実施の形態を示す分解斜視図である。また、図2は排水口が開いている状態の断面図、図3は排水口が閉じている状態の断面図である。
【0026】
図1ないし図3において、電気接続箱は、図示しない電気接続箱本体と、この電気接続箱本体を覆うケース1とを備えて構成されている。ケース1の底壁2には、ケース外部側に突出するスカート部3が一体に形成されている。このスカート部3の中央には、ケース1の内外を貫通する排水口4が形成されている。スカート部3及び排水口4には、排水口4を開閉する逆止弁5が取り付けられている。逆止弁5は、通常、図2に示すように自重で降下しており、この降下位置では排水口4が開かれ、ケース1内の水分が排水口4を通過して矢線(排水経路)で示すように外部へ排水されるようになっている。また、逆止弁5は、外力P及び/又は浮力Bを受けて図3に示すように押し上げられると、排水口4が逆止弁5によって閉じられて、外部からの水分の浸入が阻止されるようになっている。以下、排水構造に係る部分について説明する。
【0027】
ケース1は、合成樹脂製のものであって、ケース1に関連する各部分も当然に合成樹脂材料により成形されている。一方、逆止弁5は、合成樹脂製の逆止弁本体6と、金属又は樹脂製のプッシュナット7とを備えて構成されている。合成樹脂材料に関して、ケース1側は、この技術分野において通常となる材料が用いられるものとする。これに対し、逆止弁本体6側は、耐候性のABS樹脂や発泡体(発泡は独立発泡とする)となる樹脂が用いられるものとする。本形態においては、成形面やコスト面を考慮してABS樹脂が用いられるものとする。逆止弁5は、フロートとしての機能を有している。
【0028】
排水口4は、平面視円形状の貫通孔となるように形成されている。排水口4は、ケース1の底壁2に対して直交方向に貫通するように形成されている。排水口4は、電気接続箱の設置状態にもよるが、通常、電気接続箱の最下部や、結露の水滴が溜まりやすい位置等に配置形成されている。スカート部3は、円筒形状に形成されている。スカート部3は、底壁2の外面に対して直交方向に突出するように形成されている。スカート部3は、逆止弁5を内部に収納することができる大きさに形成されている。
【0029】
排水口4のケース外部側の開口縁とスカート部3との間には、複数の弁座8(8a〜8d)が形成されている。この複数の弁座8は、複数の環状壁9(9a〜9d)の端面によって形成されている。複数の環状壁9は、それぞれ高さが異なり、上記開口縁からスカート部3へと向かうにつれて次第に高さが高くなるように形成されている。弁座8は、傾斜面となるように形成されている。弁座8は、これ全体を見た場合、恰も漏斗状の面となるように形成されている。
【0030】
本発明においては、複数の環状壁9を形成することにより、次のような利点を有している。すなわち、図からも分かるように各部分の肉厚に大きな差がなくなり、樹脂成形で問題点となる「ひけ」が発生し難くなるという利点を有している。これにより、弁座8の傾斜面が均一になり、防水性能が維持されるという利点を有している。また、複数の環状壁9を形成することにより、排水口4を二重、三重…に閉じて外部からの水分の浸入をより確実に阻止することができるという利点を有している。図中の環状壁9の数は一例であるものとする。
【0031】
排水口4のケース内部側の開口縁の近傍には、特許請求の範囲に記載した開口縁部を構成する複数のリブ10及びリブ間導水路11が形成されている。リブ10は、この高さが低く形成されている。リブ10の突出先端面は、プッシュナット7が当接する受け面として機能するように平坦に形成されている。リブ間導水路11は、リブ10同士の間に形成されている。リブ間導水路11は、ケース1内の水分が通過する部分として形成されている。
【0032】
上記開口縁部の外側には、この開口縁部を囲むようにして高さの高いリブ12が複数形成されている。リブ12は、底壁2の内面に対して直交方向に突出するように形成されている。リブ12は、逆止弁5のケース1内に突出する部分を保護することができるように形成されている。リブ12は、ケース1内の水分の通過の妨げにならない位置に配置形成されている。尚、特に限定するものではないが、必要に応じてリブ12が形成されるものとする。
【0033】
逆止弁5を構成する逆止弁本体6は、略円錐状の弁部13と、この弁部13の円錐頂部に連続する略砲弾状の弁軸部14とを有して、外観が図示のような略漏斗状の形状になるように形成されている。弁部13の側面には、当接面15が形成されている。また、弁部13の底面には、受圧面16と空気溜まり部17とが同一平面上に形成されてる。当接面15は、弁座8に当接する部分として形成されている。当接面15は、弁座8の傾斜面に重なるような傾斜面状に形成されている。当接面15と弁座8の各傾斜面は、面接触するように形成されている。
【0034】
弁部13の底面には、複数の壁18が形成されている。複数の壁18は、弁軸部14の方向に、言い換えれば排水口4を閉塞する方向に延在するように形成されている。複数の壁18は、この端面によって受圧面16を形成するとともに、複数の小部屋17a及び軸部分の部屋17bに分割された空気溜まり部17を形成するために設けられている。複数の壁18は、本形態において、平面視略クモの巣状に配置形成されている。図中の壁18の数は一例であるものとする。
【0035】
受圧面16は、衝撃力のような瞬時に掛かる圧力Pを受ける面として形成されている。受圧面16は、排水口4を閉塞する方向に対して略直交するように形成されている。一方、空気溜まり部17は、逆止弁5に浮力Bを積極的に生じさせる部分として形成されている。空気溜まり部17は、本形態において、複数の小部屋17a及び軸部分の部屋17bに分割されていることから、浮き上がる最中に逆止弁5が多少傾いて内部の空気が外部の水分側に仮に逃げたとしても、その逃げる量が最小になるようにレイアウトされている(例えば一番外側の小部屋17aの容積を最小とする等)。
【0036】
弁軸部14は、排水口4の直径に対してこれよりも小さくなる直径を有するように形成されている。弁軸部14と排水口4との間の間隔は、導水路を形成するようになっている。弁軸部14は、排水口4に対して上下動自在となるように形成されている。弁軸部14は、排水口4を貫通してケース内部側に突出するような長さに形成されている。弁軸部14のケース内部側に突出する部分の外周面には、段部19が形成されている。段部19は、プッシュナット7の固定位置に形成されている。引用符号20はプッシュナット7を挿入固定する際の作業性を高めるためのテーパ面を示している。
【0037】
逆止弁本体6は、上記形状であることから、図示しない樹脂成型金型の型割方向が次のように設定されている。すなわち、型割方向が排水口4を閉塞する方向に一致するように設定されている。従って、逆止弁本体6は、当接面15(傾斜面)にパーティングラインが存在しないような配慮がなされて形成されている。
【0038】
プッシュナット7は、図示のような円板形状に形成されている。プッシュナット7は、弁軸部14の上記外周面に圧入状態で固定される貫通孔21を有している。プッシュナット7は、リブ10の突出先端面に当接して自重で降下しようとする逆止弁5を支持するために形成されている。プッシュナット7は、本形態において、強度を確保しつつ極力軽くなるように形成されている。
【0039】
次に、上記構成に基づく本発明の排水構造の作用を説明する。
【0040】
逆止弁5は、通常、図2に示すように自重によって降下した位置に存在している。これにより、電気接続箱のケース1内に発生した水分が排水口4を通過して外部へ排水されるようになっている(図2中の排水経路参照)。逆止弁5が降下した状態で例えば飛水(図示省略)があると、この飛水の勢いで逆止弁5の受圧面16に押し上げの力(圧力P)が加わり逆止弁5が上昇するようになっている。逆止弁5が上昇するとこれにより排水口4が閉じられ、外部からの水分の浸入が阻止されるようになっている。
【0041】
一方、逆止弁5が降下した状態で例えばゆっくりと外部からの水分が上昇(図示省略)してくるような場合には、逆止弁5に作用する浮力Bによってこの逆止弁5が上昇するようになっている(図3参照)。これにより上記同様に排水口4が閉じられ、外部からの水分の浸入が阻止されるようになっている。
【0042】
本発明の排水構造に係る逆止弁5は、この逆止弁5の材質により生じる浮力Bの他に、空気溜まり部17を形成して得られる浮力Bも作用することから、浮き上がり易いものとなっている。また、逆止弁5は、空気溜まり部17を有することから、この空気溜まり部17の容積の分だけ軽くなって、より一層浮き上がり易いものとなっている。逆止弁5は、同一平面に受圧面16と空気溜まり部17とを有することから、従来よりも応答性のよいものとなっている。
【0043】
本発明において、ケース1内に発生した水分の排水に関しては、逆止弁5の当接面15(傾斜面)が利用されるようになっている。この傾斜面の利用によって水分が流れ易くなり排水性能が向上するようになっている。また、傾斜面の利用によって逆止弁5への異物付着が起こり難くなっている。
【0044】
また、本発明において、弁軸部14を先にして逆止弁本体6をケース外部側から排水口4に差し込み、この排水口4を貫通した弁軸部14に対してケース内部側からプッシュナット7を嵌合させると、逆止弁5の取り付けが簡単に完了するような構造になっている。
【0045】
また、本発明において、逆止弁5は、弁軸部14を排水口4に対して圧入状態で差し込む必要性のない構造になっている。従って、従来よりも組み立てが容易になるとともに、誤って当接面15(傾斜面)に傷を付けてしまうような不具合も避けられるような構造になっている。
【0046】
以上、本発明の排水構造によれば、外部からの水分に対する防水性能が従来よりも向上するような構造になっている。
【0047】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の電気接続箱の排水構造の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】排水口が開いている状態の断面図である。
【図3】排水口が閉じている状態の断面図である。
【図4】従来例の電気接続箱の排水構造を示す断面図で排水口が開いている状態の図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図4の排水構造の作用説明図で、内部の水分が排水される様子を示す図である。
【図7】図4の排水構造の作用説明図で、外部からの水分により排水口が閉じている状態の図である。
【符号の説明】
【0049】
B 浮力
P 圧力
1 ケース
2 底壁
3 スカート部
4 排水口
5 逆止弁
6 逆止弁本体
7 プッシュナット
8 弁座
9 環状壁
10 リブ(開口縁部)
11 リブ間導水路
12 リブ
13 弁部
14 弁軸部
15 当接面
16 受圧面
17 空気溜まり部
18 壁
19 段部
20 テーパ面
21 貫通孔




 

 


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