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発明の名称 電力品質維持制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−129845(P2007−129845A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2005−320711(P2005−320711)
出願日 平成17年11月4日(2005.11.4)
代理人 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照
発明者 片岡 道雄 / 下村 勝
要約 課題
発電機にフライホイールの取付けなどを行わずに、マイクログリッドにおける系統周波数の安定性向上、電圧の安定性向上を可能とする電力品質維持制御装置を得る。

解決手段
系統内の電力需給に応じて中央制御装置5から与えられる有効電力指令値および無効電力指令値に基づいて有効電力・無効電力を発生あるいは吸収させるインバータ装置10を有するマイクログリッドに適用される電力品質維持制御装置100であって、インバータ装置10が中央制御装置5から与えられる有効電力指令値あるいは無効電力指令値を補正するために、系統の電圧および周波数の少なくとも1つをフィードバック値として読み込み、フィードバック値が所定値となるように有効電力補正指令値あるいは無効電力補正指令値の少なくとも1つを算出してインバータ装置10に対して出力する電力補正制御回路110、120を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
発電機と、
自然エネルギーを利用した分散電源と、
系統内の有効・無効電力を平滑化するための直流電力貯蔵用のエネルギー蓄積要素を有し、系統内の電力需給に応じて中央制御装置から与えられる有効電力指令値および無効電力指令値に基づいて有効電力・無効電力を発生あるいは吸収させるインバータ装置と
を有するマイクログリッドに適用される電力品質維持制御装置であって、
前記インバータ装置が前記中央制御装置から与えられる前記有効電力指令値あるいは前記無効電力指令値を補正するために、系統の電圧および周波数の少なくとも1つをフィードバック値として読み込み、前記フィードバック値が所定値となるように有効電力補正指令値あるいは無効電力補正指令値の少なくとも1つを算出して前記インバータ装置に対して出力する電力補正制御回路を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力品質維持制御装置において、
前記電力補正制御回路は、前記インバータ装置が前記中央制御装置から与えられる前記有効電力指令値を補正するために、系統の周波数を周波数フィードバック値として読み込み、前記周波数フィードバック値が所定の周波数指令値となるように有効電力補正指令値を算出する有効電力補正制御回路を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電力品質維持制御装置において、
前記電力補正制御回路は、前記インバータ装置が前記中央制御装置から与えられる前記無効電力指令値を補正するために、系統の電圧を電圧フィードバック値として読み込み、前記電圧フィードバック値が所定の電圧指令値となるように無効電力補正指令値を算出する無効電力補正制御回路を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の電力品質維持制御装置において、
前記有効電力補正制御回路は、前記周波数指令値と前記周波数フィードバック値との差分である周波数差分に基づいて、前記周波数差分の定常値がゼロとなるように第1の有効電力補正指令値を算出する周波数差分定常補正制御部を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項5】
請求項2または4に記載の電力品質維持制御装置において、
前記有効電力補正制御回路は、前記周波数指令値と前記周波数フィードバック値との差分である周波数差分に基づいて、前記周波数差分の瞬時値がゼロとなるように第2の有効電力補正指令値を算出する周波数差分瞬時補正制御部を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電力品質維持制御装置において、
前記有効電力補正制御回路は、系統の電圧を電圧フィードバック値としてさらに読み込み、前記電圧フィードバック値が所定の電圧指令値となるように、前記電圧指令値と前記電圧フィードバック値との差分である電圧差分に基づいて、前記電圧差分の瞬時値がゼロとなるように第3の有効電力補正指令値を算出する追加補正制御部をさらに備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項7】
請求項3に記載の電力品質維持制御装置において、
前記無効電力補正制御回路は、前記電圧指令値と前記電圧フィードバック値との差分である電圧差分に基づいて、前記電圧差分の定常値がゼロとなるように第1の無効電力補正指令値を算出する電圧差分定常補正制御部を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
【請求項8】
請求項3または7に記載の電力品質維持制御装置において、
前記無効電力補正制御回路は、前記電圧指令値と前記電圧フィードバック値との差分である電圧差分に基づいて、前記電圧差分の瞬時値がゼロとなるように第2の無効電力補正指令値を算出する電圧差分瞬時補正制御部を備えることを特徴とする電力品質維持制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統内の電力品質を維持するために用いられる電力品質維持制御装置に関し、特に、マイクログリッドにおける電力品質を維持するために用いられる電力品質維持制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクログリッドは、需要地内に配置した発電機と、例えば、太陽光発電あるいは風力発電といった自然エネルギーを利用した発電設備に相当する複数の分散型電源とをネットワーク化させて、電力供給を行う小規模の電力網のことである。さらに、マイクログリッドは、通信を利用して、これら分散型電源の発電量を、需要状況に合わせて制御するものである。
【0003】
マイクログリッドは、商用系統と連系される場合、あるいは切り離されて単独で運転される場合がある。特に、単独運転では、電源そのものが小さく、小規模な負荷変動に対しても電力の需要供給バランスが崩れることになり、電圧や周波数といった電力品質が大きく影響されることになる。
【0004】
ここで、マイクログリッドの構成例を示したものがある(例えば、非特許文献1参照)。エネルギークラスタとは、マイクログリッドと同義語であり、分散電源として自然エネルギーを利用した発電、例えば、太陽光発電あるいは風力発電が存在している。これらの分散電源は、自然エネルギーを利用していることから、天候、気温に左右され、系統内の電力品質を維持するためには、電力を一定に保つ必要がある。
【0005】
このため、二次電池インバータと呼ばれる蓄電池等のエネルギー蓄積要素を有するインバータ装置が電力の平準化の目的で設けられている。この構成において、中央制御装置は、ネットワーク内の需要供給を常時監視して、その関係に基づき、通信を利用して各分散電源に電力指令値を与える構成になっている。
【0006】
【非特許文献1】「エネルギークラスタの構築と地域社会への適用」平成17年度電気学会全国大会シンポジウム1-S1-4(2005年3月)長崎大学 山下氏、東芝 篠原氏
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
中央制御装置からの電力指令値は、その指令間隔が約1秒以上と長い。しかしながら、エレベータや空調では、このような長い指令間隔以下の急峻な負荷の変動に対する制御が必要であり、中央制御装置からの電力指令が追いつかないこととなる。このため、商用と連系している場合には、マイクログリッドでの変動を商用系統が補償するが、商用から切り離された単独運転系統の場合には、負荷変動による周波数、電圧の変動が発生し、最悪は、負荷が停止することがある。
【0008】
マイクログリッド系統内において、主電源となる発電機は、次の面で急峻な変化に対応できない。
(1)負荷の回転数を一定にするガバナ応答速度が遅い。
(2)発電機を駆動するエンジンの種類によっては、100%容量の急峻な負荷増に耐えることはできず、エンストを起こす可能性がある。
【0009】
以上のことから、従来技術の課題として、以下のような欠点があった。
(1)マイクログリット系統内の需給バランスは、中央制御装置からの指令値に基づいており、負荷が急変した瞬間には、中央制御装置からの電力指令信号が追いつかず、有効電力・無効電力それぞれにおいてバランスがくずれた状態になる。
【0010】
(2)発電機は、周波数の変動に対してはガバナ機能を有し、電圧の変動に対してはAVR(Automatic Voltage Regulator:自動電圧調整)機能を有している。しかしながら、エンジンの応答、AVRの応答が遅く、急峻な負荷変動に対して追いつくことができず、結果として周波数・電圧の変動が秒単位で発生する。
【0011】
これらの課題に対して、以下のような対策を考慮する必要があった。すなわち、負荷変動に対する周波数変動を抑えるためには、発電機の慣性を大きくする目的で、フライホイールを発電機に取付けしていた。ところが、逆に慣性を大きくすると、加速減速が遅くなり、電力指令値に対して応答が遅くなり、中央からの電力指令値に対して応答が遅いという問題があった。
【0012】
また、フライホイールを発電機に取付けすると、体格が大きくなりコストが高くなり、設置スペースが大きくなる問題があった
【0013】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、発電機にフライホイールの取付けなどを行わずに、マイクログリッドにおける系統周波数の安定性向上、電圧の安定性向上を可能とする電力品質維持制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る電力品質維持制御装置は、発電機と、自然エネルギーを利用した分散電源と、系統内の有効・無効電力を平滑化するための直流電力貯蔵用のエネルギー蓄積要素を有し、系統内の電力需給に応じて中央制御装置から与えられる有効電力指令値および無効電力指令値に基づいて有効電力・無効電力を発生あるいは吸収させるインバータ装置とを有するマイクログリッドに適用される電力品質維持制御装置であって、インバータ装置が中央制御装置から与えられる有効電力指令値あるいは無効電力指令値を補正するために、系統の電圧および周波数の少なくとも1つをフィードバック値として読み込み、フィードバック値が所定値となるように有効電力補正指令値あるいは無効電力補正指令値の少なくとも1つを算出してインバータ装置に対して出力する電力補正制御回路を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電圧あるいは周波数の少なくともいずれか1つの検出結果に基づいて求めた電力補正指令値を用いて、中央制御装置からの電力指令値を補正することにより、急峻な負荷変動を補償することができ、発電機にフライホイールの取付けなどを行わずに、マイクログリッドにおける系統周波数の安定性向上、電圧の安定性向上を可能とする電力品質維持制御装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の電力品質維持制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
本発明の電力品質維持制御装置は、フライホイールの取付けなどを行わずマイクログリッドに設置されるインバータ装置に対して、電源系統母線の周波数あるいは電圧の検出に基づいて生成した電力補正指令値を出力することにより、マイクログリッドにおける母線の電圧、周波数といった電力品質を維持できる点を特徴としている。
【0017】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。このマイクログリッドは、エンジン1に直結された発電機2、複数の分散電源3、負荷4、中央制御装置5、およびインバータ装置10が母線6を介して互いに接続されている。さらに、インバータ装置10には、蓄電池7および本発明の電力品質維持制御装置100が接続されている。
【0018】
ここで、インバータ装置10は、インバータ回路11、交流電流センサ12、交流電圧センサ13、有効電力と無効電力を演算する演算回路14、有効電力制御回路15、および無効電力制御回路16で構成される。また、電力品質維持制御装置100は、有効電力補正制御回路110および無効電力補正制御回路120を備えている。
【0019】
また、インバータ装置10の直流側には、蓄電池7あるいはスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)が接続されており、無効電力のみでなく、直流側のエネルギー量に応じた有効電力を吸収(充電)または発生(放電)することができる。
【0020】
図1の構成に基づいて、マイクログリッドの基本的な動作を説明する。
発電機2は、負荷4に対して電力を供給している。また、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーを利用した分散電源3は、発生する電力の変動が激しく、インバータ装置10により有効電力、無効電力を吸収・発生させることで、マイクログリッド系統内の需給関係を一定に保つことができる。
【0021】
このように、インバータ装置10の働きにより、系統内の電圧、周波数を一定に維持することができる。ここで、マイクログリッド系統の母線6は、商用の電源系統に接続されていてもよく、また、切り離されていてもよい。
【0022】
商用の電源系統に接続されている場合には、このバックパワーが大きいため、分散電源3が多少変動しても商用に対する影響度は小さく、電圧、周波数変動は僅かになる。中央制御装置5は、マイクログリッド内で発電した電力と消費電力が定時間内で一致するようにネットワーク内の需要供給を常時監視し、通信等を利用して、発電機2、インバータ装置10に対して電力指令値を与える。
【0023】
これに対して、インバータ装置10内の有効電力制御回路15は、中央制御装置5からの有効電力指令値と、演算回路14で算出された有効電力のフィードバック値(図1においてはPFBと記載)との差分を用いて、インバータ回路11を制御することにより、有効電力制御を行う。同様に、インバータ装置10内の無効電力制御回路16は、中央制御装置5からの無効電力指令値と、演算回路14で算出された無効電力のフィードバック値(図1においてはQFBと記載)との差分を用いて、インバータ回路11を制御することにより、無効電力制御を行う。
【0024】
しかし、この中央制御装置5からの電力指令値は、瞬時的な指令値ではなく、一般的に、秒単位で出力されるものであり、エレベータ負荷や空調機の誘導機のような起動電流に対しては、時間的な遅れが生じる。その結果として、系統内の周波数変動や電圧変動となる。ここで、電圧フィードバックや周波数フィードバックは、発電機2の出力の母線6から検出する。そこで、本発明は、負荷変動に対する追従性を改善するために、電力品質維持制御装置100を新たに備えている点を特徴としている。
【0025】
電力品質維持制御装置100は、周波数および電圧をフィードバック制御することにより有効電力補正指令値および無効電力補正指令値を算出する。そして、インバータ装置10は、中央制御装置5からの有効電力指令値を電力品質維持制御装置100からの有効電力補正指令値で補正し、中央制御装置5からの無効電力指令値を電力品質維持制御装置100からの無効電力補正指令値で補正することにより、負荷変動に対する追従性の改善を図ることが可能となる。
【0026】
そこで、本発明の電力品質維持制御装置100について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態1における電力品質維持制御装置100の構成図であり、有効電力補正制御回路110および無効電力補正制御回路120で構成される。
【0027】
有効電力補正制御回路110は、まず始めに、周波数指令値に対する周波数フィードバック値の差分を算出する。この差分は、2分岐されて、比較不感帯111およびリセット回路113に入る。比較不感帯111は、一定の不感レベルが設定してあり、差分がある一定の範囲内では差分をゼロとして出力し、一定の範囲外のときは差分値をそのまま出力する。
【0028】
そして、定常補正制御回路112は、比較不感帯111の出力に基づいて、差分を定常的にゼロとするような補償量として、第1の有効電力補正指令値ΔPp1を得る。ここで、周波数差分に基づいて第1の有効電力補正指令値ΔPp1を算出するために用いられる比較不感帯111および定常補正制御回路112は、周波数差分定常補正制御部に相当する。
【0029】
また、周波数の差分が入力されたもう一方のリセット回路113は、不完全微分回路に相当し、次式の伝達関数で表すことができ、この伝達関数により差分を変換する。
Y=K・(TS/(1+TS))・X
ここで、Yは出力、Xは差分に相当する入力、KとTは定数を含む関数回路である。
【0030】
次に、リセット回路113の出力は、比較不感帯114に入る。この比較不感帯114でも、先の比較不感帯111と同様に、一定の不感レベルが設定してあり、リセット回路113の出力がある一定の範囲内ではリセット回路113の出力をゼロとして出力し、一定の範囲外のときはリセット回路113の出力をそのまま出力する。
【0031】
そして、瞬時補正制御回路115は、比較不感帯114の出力に基づいて、リセット回路113を経由して得られた瞬時的な差分をゼロとするような補償量として、第2の有効電力補正指令値ΔPr1を得る。ここで、周波数差分に基づいて第2の有効電力補正指令値ΔPr1を算出するために用いられるリセット回路113、比較不感帯114および瞬時補正制御回路115は、周波数差分瞬時補正制御部に相当する。
【0032】
そして、最終的に、有効電力補正制御回路110は、定常補正制御回路112による第1の有効電力補正指令値ΔPp1と瞬時補正制御回路115による第2の有効電力補正指令値ΔPr1との加算から、有効電力補正指令値を得る。
【0033】
次に、無効電力補正制御回路120について説明する。無効電力補正制御回路120は、まず始めに、電圧指令値に対する電圧フィードバック値の差分を算出する。この差分は、2分岐されて、比較不感帯121およびリセット回路123に入る。比較不感帯121は、一定の不感レベルが設定してあり、差分がある一定の範囲内では差分をゼロとして出力し、一定の範囲外のときは差分値をそのまま出力する。
【0034】
そして、定常補正制御回路122は、比較不感帯121の出力に基づいて、差分を定常的にゼロとするような補償量として、第1の無効電力補正指令値ΔQp1を得る。ここで、電圧差分に基づいて第1の無効電力補正指令値ΔQp1を算出するために用いられる比較不感帯121および定常補正制御回路122は、電圧差分定常補正制御部に相当する。
【0035】
また、電圧の差分が入力されたもう一方のリセット回路123は、先のリセット回路113と同等の伝達関数を有している。そして、リセット回路123の出力は、比較不感帯124に入る。この比較不感帯124でも、先の比較不感帯121と同様に、一定の不感レベルが設定してあり、リセット回路123の出力がある一定の範囲内ではリセット回路123の出力をゼロとして出力し、一定の範囲外のときはリセット回路123の出力をそのまま出力する。
【0036】
そして、瞬時補正制御回路125は、比較不感帯124の出力に基づいて、リセット回路123を経由して得られた瞬時的な差分をゼロとするような補償量として、第2の無効電力補正指令値ΔQr1を得る。ここで、電圧差分に基づいて第2の無効電力補正指令値ΔQr1を算出するために用いられるリセット回路123、比較不感帯124および瞬時補正制御回路125は、電圧差分瞬時補正制御部に相当する。
【0037】
そして、最終的に、無効電力補正制御回路120は、定常補正制御回路122による第1の無効電力補正指令値ΔQp1と瞬時補正制御回路125による第2の無効電力補正指令値ΔQr1との加算から、無効電力補正指令値を得る。
【0038】
図1におけるインバータ装置10の極性について、ここでは、系統への出力電力(バッテリ放電)をプラス、系統からの入力(バッテリ充電)をマイナスと仮定する。マイクログリッドに接続される負荷が増加すると、系統の周波数が低下し、一定の不感帯を超えた場合には、有効電力補正指令値は、プラス信号、つまり、系統にインバータ装置10が有効電力を出力するような信号として出力される。
【0039】
また、逆に、負荷が減少すると、系統の周波数が増加し、一定の不感帯を超えた場合には、有効電力補正指令値は、マイナス信号、つまり、系統に対してインバータ装置10が有効電力を吸収するような信号として出力される。
【0040】
一方、マイクログリッドに接続される負荷が増加すると、系統の電圧が低下し、一定の不感帯を超えた場合には、無効電力補正指令値は、プラス信号、つまり、系統にインバータ装置10が無効電力を出力するような信号として出力される。
【0041】
また、逆に、負荷が減少すると、系統の電圧が増加し、一定の不感帯を超えた場合には、無効電力補正指令値は、マイナス信号、つまり、系統に対してインバータ装置10が無効電力を吸収するような信号として出力される。
【0042】
インバータ装置10の有効電力および無効電力の制御応答は、発電機2に比べて高速である。従って、インバータ装置10は、電力品質維持制御装置100からの電力補正指令値を用いることにより、マイクログリッド内の有効電力、無効電力の変動量を最小限に抑えることができ、その結果として、系統の周波数、電圧といった品質の安定を保つことができる。
【0043】
さらに、電力品質維持制御装置100からの電力補正指令値を用いることにより、発電機2に対する中央制御装置5からの電力指令値の幅を小さくできるため、エンジン1に対する燃料の値を均一化でき、その結果として、燃費を安くできる。さらに、負荷が急増したときの極端な周波数減による周波数低下保護リレーの動作、あるいは、最悪の場合であるエンジン停止を避けることができる。さらに、負荷が急減したときの極端なエンジン回転数増による加速動作を避けることができる
【0044】
以上のように、実施の形態1によれば、周波数および電圧のフィードバック値を活用して、電力補正指令値を出力する電力品質維持制御装置を備えることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、発電機に対する電力出力変動を小さくできるため、エンジンに対する燃料変動を小さくでき、過剰な燃料消費を避けることが可能となる。
【0045】
なお、上述の実施の形態1では、有効電力補正制御回路110および無効電力補正制御回路120を両方備えた電力品質維持制御装置100について説明した。しかしながら、本発明の電力品質維持制御装置100は、これに限定されず、有効電力補正制御回路110あるいは無効電力補正制御回路120のいずれか一方のみを備える構成でも、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。
【0046】
さらに、有効電力補正制御回路110は、周波数差分定常補正制御部と周波数差分瞬時補正制御部のいずれか一方のみで構成することによっても、負荷変動に対する追従性を改善する効果を得ることができる。同様に、無効電力補正制御回路120は、電圧差分定常補正制御部と電圧差分瞬時補正制御部のいずれか一方のみで構成することによっても、負荷変動に対する追従性を改善する効果を得ることができる。これらの種々のバリエーションについて、以下の実施の形態2〜7で詳細に説明する。
【0047】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2における電力品質維持制御装置100の構成図である。この電力品質維持制御装置100は、有効電力補正制御回路110のみで構成される。さらに、この有効電力補正制御回路110は、比較不感帯111および定常補正制御回路112からなる周波数差分定常補正制御部のみで構成される。
【0048】
このような構成を有する本実施の形態2の電力品質維持制御装置100は、母線周波数の定常的変動に対して有効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この有効電力補正指令値による補償量を加味して有効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の周波数を一定に保つことができる。
【0049】
以上のように、実施の形態2によれば、周波数の定常変動に対する有効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、電圧検出処理が不要となり、無効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0050】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3における電力品質維持制御装置100の構成図である。
この電力品質維持制御装置100は、有効電力補正制御回路110のみで構成される。さらに、この有効電力補正制御回路110は、リセット回路113、比較不感帯114および瞬時補正制御回路115からなる周波数差分瞬時補正制御部のみで構成される。
【0051】
このような構成を有する本実施の形態3の電力品質維持制御装置100は、母線周波数の定常的な変動には追従せず、急峻な周波数変動に対して有効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この有効電力補正指令値による補償量を加味して有効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の周波数を一定に保つことができる。
【0052】
以上のように、実施の形態3によれば、周波数の瞬時変動に対する有効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、電圧検出処理が不要となり、無効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0053】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4における電力品質維持制御装置100の構成図である。この電力品質維持制御装置100は、有効電力補正制御回路110のみで構成される。さらに、この有効電力補正制御回路110は、比較不感帯111および定常補正制御回路112からなる周波数差分定常補正制御部と、リセット回路113、比較不感帯114および瞬時補正制御回路115からなる周波数差分瞬時補正制御部とで構成される。すなわち、本実施の形態4における電力品質維持制御装置100は、実施の形態2および3を組み合わせた構成を有している。
【0054】
このような構成を有する本実施の形態4の電力品質維持制御装置100は、母線周波数の定常的な変動および急峻な変動の両方に対して有効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この有効電力補正指令値による補償量を加味して有効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の周波数を一定に保つことができる。
【0055】
以上のように、実施の形態4によれば、周波数の定常変動および瞬時変動に対する有効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、電圧検出処理が不要となり、無効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0056】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5における電力品質維持制御装置100の構成図である。この電力品質維持制御装置100は、無効電力補正制御回路120のみで構成される。さらに、この無効電力補正制御回路120は、比較不感帯121および定常補正制御回路122からなる電圧差分定常補正制御部のみで構成される。
【0057】
このような構成を有する本実施の形態5の電力品質維持制御装置100は、母線電圧の定常的変動に対して無効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この無効電力補正指令値による補償量を加味して無効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の電圧を一定に保つことができる。
【0058】
以上のように、実施の形態5によれば、電圧の定常変動に対する無効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、周波数検出処理が不要となり、有効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0059】
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6における電力品質維持制御装置100の構成図である。
この電力品質維持制御装置100は、無効電力補正制御回路120のみで構成される。さらに、この無効電力補正制御回路120は、リセット回路123、比較不感帯124および瞬時補正制御回路125からなる電圧差分瞬時補正制御部のみで構成される。
【0060】
このような構成を有する本実施の形態6の電力品質維持制御装置100は、母線電圧の定常的な変動には追従せず、急峻な電圧変動に対して無効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この無効電力補正指令値による補償量を加味して無効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の電圧を一定に保つことができる。
【0061】
以上のように、実施の形態6によれば、電圧の瞬時変動に対する無効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、周波数検出処理が不要となり、有効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0062】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7における電力品質維持制御装置100の構成図である。この電力品質維持制御装置100は、無効電力補正制御回路120のみで構成される。さらに、この無効電力補正制御回路120は、比較不感帯121および定常補正制御回路122からなる電圧差分定常補正制御部と、リセット回路123、比較不感帯124および瞬時補正制御回路125からなる電圧差分瞬時補正制御部とで構成される。すなわち、本実施の形態7における電力品質維持制御装置100は、実施の形態5および6を組み合わせた構成を有している。
【0063】
このような構成を有する本実施の形態7の電力品質維持制御装置100は、母線電圧の定常的な変動および急峻な変動の両方に対して無効電力補正指令値を出力する。これに対して、インバータ装置10は、この無効電力補正指令値による補償量を加味して無効電力制御ができ、結果として、マイクログリッド内の電圧を一定に保つことができる。
【0064】
以上のように、実施の形態7によれば、電圧の定常変動および瞬時変動に対する無効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。さらに、電力品質維持制御装置としては、周波数検出処理が不要となり、有効電力処理が不要となるため、制御を簡略化でき、制御高速化効果とコスト低減効果を得ることができる。
【0065】
実施の形態8.
図9は、本発明の実施の形態8における電力品質維持制御装置100の構成図である。この電力品質維持制御装置100は、有効電力補正制御回路110および無効電力補正制御回路120で構成される。
【0066】
この有効電力補正制御回路110は、比較不感帯111、定常補正制御回路112、リセット回路113、比較不感帯114、瞬時補正制御回路115、リセット回路116、比較不感帯117、および瞬時補正制御回路118で構成される。一方、無効電力補正制御回路120は、比較不感帯121、定常補正制御回路122、リセット回路123、比較不感帯124および瞬時補正制御回路125で構成される。
【0067】
すなわち、本実施の形態8における電力品質維持制御装置100は、電圧の瞬時変動を有効電力補正指令値に反映させるために、リセット回路116、比較不感帯117、および瞬時補正制御回路118からなる追加補正制御部をさらに備えている点が、図2に示した実施の形態1における電力品質維持制御装置100と異なっている。
【0068】
発電機2の内部インピーダンスは、商用に比べて大きく、負荷の急増において、電圧も低下する。負荷変動による電圧の変化は、周波数より早く現象として発生する。従って、周波数変化から得た有効電力補正指令値に対して、さらに電圧変化から得た有効電力補正指令値を加味することにより、さらなる電力品質の向上を図ることができる。
【0069】
具体的には、リセット回路116、比較不感帯117、および瞬時補正制御回路118からなる追加補正制御部により、電圧差分に基づく第3の有効電力補正指令値ΔPvを算出し、電圧の低下を検出することにより有効電力補正指令値をプラス方向に追加することになる。そして、最終的に、有効電力補正制御回路110は、定常補正制御回路112による第1の有効電力補正指令値ΔPp1と瞬時補正制御回路115による第2の有効電力補正指令値ΔPr1と瞬時補正制御回路118による第3の有効電力補正指令値ΔPvとの加算から、有効電力補正指令値を得る。
【0070】
以上のように、実施の形態8によれば、周波数の定常変動および瞬時変動に対する有効電力補正指令値と、電圧の瞬時変動に対する有効電力補正指令値とを加算した新たな有効電力補正指令値を用いることにより、負荷変動に対する追従性をさらに改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。
【0071】
なお、実施の形態8においては、有効電力補正制御回路110と無効電力補正制御回路120とをともに用いた場合を説明したが、電圧の瞬時変化に対応できる有効電力補正制御回路110のみの構成を用いても、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。
【0072】
さらに、有効電力補正指令値としては、第1の有効電力補正指令値ΔPp1と第3の有効電力補正指令値ΔPvとの加算により求める、あるいは、第2の有効電力補正指令値ΔPr1と第3の有効電力補正指令値ΔPvとの加算により求めることも可能であり、この場合にも、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つことができる。
【0073】
実施の形態9.
図10は、本発明の実施の形態9における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。実施の形態1における図1の全体構成図と比較すると、図10は、分散電源3を含んでいない点が異なる。
【0074】
本発明の電力品質維持制御装置100は、上述したように、母線6の周波数と電圧を検出して電力補正指令値を算出している。ここで、図10に示すような、自然エネルギーを利用した太陽光発電装置や風力発電装置等の分散電源3がないマイクログリッドにおいては、母線6の変動は、さらに小さくなる方向となる。このように、自然エネルギーを有しないマイクログリッドにおいても、電力品質維持制御装置100を用いることにより、系統電圧と周波数の安定化を図る効果が得られる。
【0075】
以上のように、実施の形態9によれば、分散電源を有しない系統に対しても、本発明の電力品質維持制御装置を適用することができ、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保つ効果が得られる。
【0076】
実施の形態10.
図11は、本発明の実施の形態10における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。実施の形態1における図1の全体構成図と比較すると、図10は、インバータ装置10内に交流電流センサ12、交流電圧センサ13、および演算回路14を含んでいない点が異なる。
【0077】
インバータ装置10の制御バリエーションとしては、有効電力および無効電力のフィードバック制御を行うものと行わないものがある。そして、フィードバック制御を行う構成のインバータ装置10が図1に示したものに相当し、フィードバック制御を行わない構成のインバータ装置10が図10に示したものに相当する。図10のインバータ装置10は、有効電力指令値と無効電力指令値に基づき有効電力と無効電力を母線6に出すものである。
【0078】
本発明の電力品質維持制御装置100は、上述したように、母線6の周波数と電圧を検出して電力補正指令値を算出している。ここで、図10に示すような、フィードバック制御を行わないインバータ装置10を有するマイクログリッドにおいても、電力品質維持制御装置100を用いることにより、系統電圧と周波数の安定化を図る効果が得られる。
【0079】
以上のように、実施の形態10によれば、有効電力および無効電力のフィードバック制御を行わない安価なインバータ装置を利用しても、系統電圧と周波数の安定化を図る効果が得られる。
【0080】
なお、上述の実施の形態においては、負荷、発電機およびエンジンが1組の場合について説明したが、2組以上の場合でも同様の効果が得られることは言うまでもない。また、インバータ装置の直流側に設けられている蓄電装置として、スーパーキャパシタあるいは蓄電池を使用した場合について説明したが、複数個のキャパシタ(ケミコン)や蓄電池を使用してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態3における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態4における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態5における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態6における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態7における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図9】本発明の実施の形態8における電力品質維持制御装置の構成図である。
【図10】本発明の実施の形態9における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態10における電力品質維持制御装置を含むマイクログリッドの全体構成図である。
【符号の説明】
【0082】
1 エンジン、2 発電機、3 分散電源、4 負荷、5 中央制御装置、6 母線、7 蓄電池、10 インバータ装置、11 インバータ回路、12 交流電流センサ、13 交流電圧センサ、14 演算回路、15 有効電力制御回路、16 無効電力制御回路、100 電力品質維持制御装置、110 有効電力補正制御回路、111 比較不感帯、112 定常補正制御回路、113 リセット回路、114 比較不感帯、115 瞬時補正制御回路、116 リセット回路、117 比較不感帯、118 瞬時補正制御回路、120 無効電力補正制御回路、121 比較不感帯、122 定常補正制御回路、123 リセット回路、124 比較不感帯、125 瞬時補正制御回路。




 

 


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