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永久磁石式回転電機および円筒型リニアモータ - 三菱電機株式会社
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発明の名称 永久磁石式回転電機および円筒型リニアモータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−116850(P2007−116850A)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
出願番号 特願2005−307142(P2005−307142)
出願日 平成17年10月21日(2005.10.21)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 仲 興起 / 守田 正夫 / 有田 秀哲 / 伊藤 一将 / 井上 正哉
要約 課題
回転子コアの外周に円筒磁石を配置した回転子と固定子とを備えた永久磁石式モータにおいて、円筒磁石の径方向厚さを増大して空隙磁束密度を向上してモータの効率向上を図る。

解決手段
回転子2の円筒磁石6を、個別に異方性に着磁された円筒状永久磁石6a〜6cを径方向に3段に組み合わせて構成することにより、各円筒状永久磁石6a〜6cの内外径比を基準範囲内に保って良好な着磁状態とし、円筒磁石6全体では内外径比(内径/外径)を低減して径方向厚さを増大する。
特許請求の範囲
【請求項1】
永久磁石を回転子コアの外周に配置した回転子と、固定子とを備えた永久磁石式回転電機において、
各々所定の内外径比を有し異方性に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、上記回転子の上記永久磁石を構成したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
【請求項2】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石に、周方向に着磁された円筒状永久磁石を含むことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電機。
【請求項3】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最内側の円筒状永久磁石が、周方向に着磁されたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石式回転電機。
【請求項4】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最外側の円筒状永久磁石が、径方向に着磁されたことを特徴とする請求項2または3記載の永久磁石式回転電機。
【請求項5】
複数の上記円筒状永久磁石の各円筒状永久磁石間に、磁化されていない強磁性体を配置し、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が上記強磁性体を介して密着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
【請求項6】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最外周に磁石飛散防止用リングを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
【請求項7】
上記固定子が、スロットレス型あるいはコアレス型であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
【請求項8】
N極とS極とが軸方向に交互に並ぶように永久磁石を可動子コアの外周に配置した可動子と、固定子とを備えた円筒型リニアモータにおいて、
各々所定の内外径比を有し所定の方向に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、上記可動子の上記永久磁石を構成したことを特徴とする円筒型リニアモータ。
【請求項9】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の内、比較的外側に位置する円筒状永久磁石が径方向に着磁され、比較的内側に位置する円筒状永久磁石が軸方向に着時されたことを特徴とする請求項8記載の円筒型リニアモータ。
【請求項10】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最外側の円筒状永久磁石が、径方向に着磁されたことを特徴とする請求項9記載の円筒型リニアモータ。
【請求項11】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最内側の円筒状永久磁石が、軸方向に着磁されたことを特徴とする請求項9または10記載の円筒型リニアモータ。
【請求項12】
上記永久磁石は、それぞれ複数の上記円筒状永久磁石を径方向に組み合わせたN型永久磁石とS型永久磁石とを軸方向に交互に配して構成し、各N型永久磁石および各S型永久磁石は、最内側の上記円筒状永久磁石の軸方向の位置を、他の外側の円筒状永久磁石に対してずらせて配置することを特徴とする請求項11記載の円筒型リニアモータ。
【請求項13】
複数の上記円筒状永久磁石の各円筒状永久磁石間に、磁化されていない強磁性体を配置し、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が上記強磁性体を介して密着することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の円筒型リニアモータ。
【請求項14】
上記永久磁石を構成する複数の上記円筒状永久磁石の最外周に円筒状の磁石飛散防止用部材を設けたことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の円筒型リニアモータ。
【請求項15】
上記固定子が、スロットレス型あるいはコアレス型であることを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の円筒型リニアモータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、永久磁石式回転電機や円筒リニアモータに用いる円筒磁石に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転子に永久磁石を用いる永久磁石式回転電機は、複数の分割磁石を回転子コアの周囲に接着させるものが広く用いられているが、小径の永久磁石式回転電機では、分割磁石を用いるスペースがないため、円筒磁石を用いることが多い。円筒磁石は単体磁石であるため部品点数が減少し、組立が容易となり、回転子組立体での外形寸法精度も良好になる。
円筒磁石の異方性においては、ラジアル異方性と極異方性の2種類がある。ラジアル異方性は着磁方向が放射状で台形波的な表面磁束密度分布となり、極異方性では磁石内の隣接する異極間を曲線で結んだ着磁方向で、1極間で正弦波的な表面磁束密度分布が得られる。また、円筒磁石の推奨内外径比は、ラジアル異方性円筒磁石では0.75〜0.95、極異方性円筒磁石では0.6〜0.8である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】日立金属株式会社「Nd−Fe−B系高性能異方性リング磁石」2003−9、HG−A18
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の永久磁石式回転電機に用いられる円筒磁石では、異方性方向に精度良く着磁するためには、内外径比が限られた範囲内であることが必要で、例えば、内外径比がラジアル異方性円筒磁石では0.75〜0.95、極異方性円筒磁石では0.6〜0.8である時に、良好な円筒磁石となる。このため円筒磁石の径方向厚さを大きくするのは限界があり、永久磁石の径方向厚さと、固定子との間の空隙長とによって決定される磁束密度を増大させるにも限界があった。
このため、このような円筒磁石を用いた永久磁石式回転電機や円筒リニアモータを、磁束密度を増大して効率向上を図るのは困難であった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、回転子に用いる円筒状の永久磁石の径方向厚さを増大して、永久磁石式回転電機の磁束密度を増大し効率向上を図ることを目的とする。また、可動子に円筒状の永久磁石を用いた円筒型リニアモータにおいて、円筒状の永久磁石の径方向厚さを増大して、円筒型リニアモータの磁束密度を増大し効率向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る永久磁石式回転電機は、永久磁石を回転子コアの外周に配置した回転子と、固定子とを備え、各々所定の内外径比を有し異方性に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、上記回転子の上記永久磁石を構成したものである。
【0007】
この発明に係る円筒型リニアモータは、N極とS極とが軸方向に交互に並ぶように永久磁石を可動子コアの外周に配置した可動子と、固定子とを備え、各々所定の内外径比を有し所定の方向に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、上記可動子の上記永久磁石を構成したものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る永久磁石式回転電機では、各々所定の内外径比を有し異方性に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、回転子の永久磁石を構成したため、各円筒状永久磁石の個々の径方向厚さを増大させることなく、複数の円筒状永久磁石で構成した永久磁石の径方向厚さを増大できる。このため、磁束密度を増大して永久磁石式回転電機の効率向上が図れる。
【0009】
またこの発明に係る円筒型リニアモータでは、各々所定の内外径比を有し異方性に着磁された複数の円筒状永久磁石を、外側の円筒状永久磁石の内周面と内側の円筒状永久磁石の外周面が密着するように径方向に組み合わせて、可動子の永久磁石を構成したため、各円筒状永久磁石の個々の径方向厚さを増大させることなく、複数の円筒状永久磁石で構成した永久磁石の径方向厚さを増大できる。このため、磁束密度を増大して円筒型リニアモータの効率向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による永久磁石式モータについて図を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による永久磁石式モータの横断面図である。図に示すように、永久磁石式モータは、内周側に複数のスロット1aが形成されコイル(図示せず)が装着された固定子1と、回転子2とを備え、回転子2と固定子1は空隙3を介して対向している。回転子2は、シャフト4、回転子コア5、および、回転子コア5の周囲に接着された円筒磁石(永久磁石)6から成り、この円筒磁石6は、複数段の(この場合3段)の円筒状永久磁石(第1〜第3の円筒状永久磁石6a、6b、6c)が径方向に組み合わされて構成される。
【0011】
図1で示した永久磁石式モータの回転子2を図2に示す。3段の円筒状永久磁石(第1〜第3の円筒状永久磁石6a、6b、6c)が径方向に、内側から外側に向かって第1の円筒状永久磁石6a、第2の円筒状永久磁石6b、第3の円筒状永久磁石6cの順に配置され、外側の円筒状永久磁石6b(6c)の内周面と内側の円筒状永久磁石6a(6b)の外周面が接着などにより密着されている。各円筒状永久磁石6a〜6cは、3段に組み合わされる前の個別の円筒状永久磁石6a〜6cの段階で異方性に着磁され、この場合、径方向(放射状)となるラジアル異方性に着磁されている。
最内側の第1の円筒状永久磁石6aの内周半径をR1、中間に位置する第2の円筒状永久磁石6bの内周半径をR2、最外側の第3の円筒状永久磁石6cの内周半径、外周半径をそれぞれR3、R4とし、それぞれの円筒状永久磁石6a、6b、6cの内外径比R1/R2、R2/R3、R3/R4を、例えば約0.8とする。このとき、これら3段の円筒状永久磁石6a〜6cで構成される円筒磁石6の内外径比R1/R4は、約0.51となる。
【0012】
上述したように、円筒磁石の異方性においては、ラジアル異方性と極異方性の2種類があるが、異方性方向に精度良く着磁するためには、内外径比が限られた範囲内であることが必要である。一般に、径方向に着磁されたラジアル異方性円筒磁石では内外径比が0.75〜0.95、周方向に着磁された極異方性円筒磁石では内外径比が0.6〜0.8である時に、良好な円筒磁石となる。
この実施の形態では、内外径比が約0.8でラジアル異方性に良好に着磁された各円筒状永久磁石6a〜6cを径方向に3段に組み合わせて、回転子2の円筒磁石6を構成した。このため、回転子2の円筒磁石6は、内外径比R1/R4が約0.51であるが、良好に着磁された信頼性の高い円筒磁石6となる。
このように、回転子の円筒磁石6を、円筒状永久磁石6a〜6cを径方向に3段に組み合わせて構成したため、円筒磁石6は内外径比R1/R4を0.75未満にでき、即ち径方向厚さを大きくできる。そして、この径方向厚さと、固定子1との間の空隙3の幅(空隙長)とによって決定される磁束密度を増大させる。磁束密度が向上すると、同じトルクを発生させる際に、固定子1のコイル電流が少なくて済み、銅損が低減され、効率が向上する。
【0013】
なお、上記実施の形態では、各円筒状永久磁石6a〜6cの着磁方向を径方向異方性としたが、各円筒状永久磁石6a〜6cの内外径比を0.6〜0.8として、着磁方向を周方向異方性にしても良い。その場合、例えば、回転子外径をφ100mm、各円筒状永久磁石6a〜6cの内外径比を最小値の0.6とすると、円筒磁石6の内径はφ21.6mmとなる。これに対して、図3に示す従来例のように、回転子7の円筒磁石10を1個の円筒状永久磁石で構成すると、内外径比R6/R5が0.6のとき、内径はφ60mmとなる。なお図3において、9は回転子7のシャフト、10は回転子コアである。
また、各円筒状永久磁石6a〜6cの内外径比は、良好な着磁ができる範囲であれば、互いに異なるものであっても良い。
【0014】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、回転子の円筒磁石6を構成する3段の円筒状永久磁石6a〜6cを、全て同じ着磁方向としたが、この実施の形態2では、図4に示すように、着磁方向が異なる複数(この場合3段)の円筒状永久磁石(第1〜第3の円筒状永久磁石11a、11b、11c)を用いて回転子2の円筒磁石(永久磁石)11を構成する。最内側に位置する第1の円筒状永久磁石11aは、周方向異方性に着磁され、最外側に位置する第3の円筒状永久磁石11cは、径方向異方性に着磁されている。そして、中間に位置する第2の円筒状永久磁石11bは、両側の円筒状永久磁石11a、11cの着磁方向(周方向と径方向)の中間の着磁方向とする。
【0015】
ところで、回転子の円筒磁石を構成する複数の円筒状永久磁石が、全て径方向異方性に着磁されていると、回転子コア5を鎖交する磁束量が多くなり、磁気飽和が発生し易い。磁気飽和が発生すると磁束量は増加せず、回転子の永久磁石の量を増加させても空隙磁束密度が大きくならない。
この実施の形態では、複数段組み合わせて配置された第1〜第3の円筒状永久磁石11a、11b、11cの各着磁方向を変え、回転子コア5を鎖交する磁束量を低減して磁気飽和の発生を抑制する。これにより、回転子2の永久磁石(円筒磁石11)の使用量を増加させると空隙磁束密度が向上するため、永久磁石を有効に利用することが可能である。
また、上記実施の形態1と同様に、回転子の円筒磁石11を、複数の円筒状永久磁石11a〜11cを径方向に組み合わせて構成したため、円筒磁石11全体としては、良好な着磁状態で径方向厚さを大きくできる。このため、永久磁石式モータの磁束密度を増大させ効率を向上できる。
【0016】
また、この実施の形態では、回転子コア5に近い最内側の円筒状永久磁石11aを周方向異方性に着磁することにより、回転子コア5を鎖交する磁束量を効果的に低減でき、しかも、空隙3に近い最外側の円筒状永久磁石11cを径方向異方性に着磁することにより、空隙磁束密度が効果的に向上できる。
【0017】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、各円筒状永久磁石11a〜11cの着磁方向をそれぞれ異なるものとしたが、図5に示すように、最内側に位置する第1の円筒状永久磁石11aのみ周方向異方性に着磁し、他の円筒状永久磁石11b、11cは、径方向異方性に着磁しても良い。
この実施の形態においても、回転子コア5に近い最内側の円筒状永久磁石11aを周方向異方性に着磁することによって、回転子コア5を鎖交する磁束量を効果的に低減でき、磁気飽和の発生を抑制できる。これにより、回転子2の永久磁石(円筒磁石11)の使用量を増加させると空隙磁束密度が向上するため、永久磁石を有効に利用することが可能である。
【0018】
なお、上述したように、回転子の円筒磁石を構成する複数の円筒状永久磁石が全て径方向異方性に着磁されていると磁気飽和が発生し易いが、1つでも着磁方向が周方向異方性の円筒状永久磁石を含むと、回転子コア5を鎖交する磁束量を低減でき、磁気飽和の発生抑制効果がある。
【0019】
実施の形態4.
この実施の形態4では、図6に示すように、2つの円筒状永久磁石12a、12bの間に、円筒状の鉄部材13を磁化されていない強磁性体として挿入して、回転子2の円筒磁石(永久磁石)12を構成する。そして、外側の円筒状永久磁石12bの内周面と内側の円筒状永久磁石12aの外周面が鉄部材13を介して密着するようにする。
一般に、回転子に円筒磁石を用いるような永久磁石式モータは比較的小径であり、高速運転されることが多い。円筒磁石の内周表面や外周表面は、鉄など、磁化されていない強磁性体と比べ、製造時に表面の寸法精度が良くない。このため、上記のように円筒状永久磁石間に寸法精度の良好な鉄部材13を配置することにより、組み合わせの寸法精度が向上する。これにより、円筒磁石12の偏心を抑制し、回転バランスが良好となり振動や騒音を防止できる。
【0020】
なお、この実施の形態では、円筒状永久磁石12a、12bは2つとしたが、3個以上として、各円筒状永久磁石間に、磁化されていない強磁性体を配置しても良い。
【0021】
実施の形態5.
この実施の形態8では、図7に示すように、複数個の円筒状永久磁石14a、14bの最外周に、SUSやFRPなどのリング(キャン)15を磁石飛散防止用に設けて、回転子2の円筒磁石(永久磁石)14を構成する。
これにより、円筒状永久磁石14a、14bの割れや欠けによる飛散防止を行うことができ、永久磁石式モータの保全に役立つ。特に円筒磁石を用いる永久磁石式モータの多くは小型・小径であるため、一般に高速運転が可能であるが、その際の遠心力による磁石飛散を上記リング15により防止できる。
【0022】
実施の形態6.
上記各実施の形態では、図1で示したように、複数のスロット1aを有する固定子コアにコイルが装着された固定子1を用いたが、この実施の形態では、図8に示すように、コイルヨーク(固定子コア)1bにコイル(図示せず)を、例えば貼り付けて装着したスロットレスモータとする。
スロットレスモータなど空隙付近に磁性体を用いない永久磁石式モータは、無通電時のトルク脈動(コギングトルク)や通電時のトルク脈動(トルクリップル)が本質的に小さいものであるため、精密機器などの速度変動の小さいモータが要求される用途に用いることが多い。このようなモータでは、従来、一般に円筒磁石の径方向厚さに対して空隙(回転子2とコイルヨーク1bとの距離)の長さの割りあいが大きくなるものであり、円筒磁石の動作点が低いものであった。
この実施の形態では、上記各実施の形態1〜5による円筒磁石6(11、12、14)をスロットレスモータに適用し、円筒磁石の径方向の厚さを大きくした。このため、動作点を効果的に向上でき、磁束密度が効果的に向上する。この磁束密度向上により、トルクを発生するために必要な固定子1のコイル電流が少なくて済み、銅損が低減され、効率が向上する。
【0023】
なお、上記実施の形態ではスロットレスモータを用いたが、コアレスモータを用いても同様に、効果的に磁束密度が向上できて効率向上が図れる。
【0024】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7による円筒型リニアモータについて図を用いて説明する。図9はこの発明の実施の形態7による円筒型リニアモータの横断面図である。図に示すように、円筒型リニアモータは、内周側のコイル部34にコイル(図示せず)が周方向に巻線されて装着された固定子21と、可動子22とを備え、可動子22と固定子21は空隙23を介して対向している。可動子2は、シャフト(軸)24、可動子コア25、および、可動子コア25の周囲に接着された円筒磁石(永久磁石)26から成り、この円筒磁石26は、N極とS極とが軸方向に交互に並ぶように配置され、また、径方向にも複数段の(この場合3段)の円筒状永久磁石が径方向に組み合わされて構成される。図9で示す断面図では、それぞれ径方向外向きに着磁された第1〜第3のN型円筒状永久磁石26a、26b、26c)が組み合わされて、N型円筒磁石26Aが構成されている。コイル部34に巻線されたコイルは、軸方向に順次、相を変えて配置される。これらコイルに適切な位相で通電することで、円筒型リニアモータは直線状に移動することができる。
【0025】
図9で示した円筒型リニアモータの可動子22を図10に示す。3段のN型円筒状永久磁石(第1〜第3のN型円筒状永久磁石26a、26b、26c)が径方向に、内側から外側に向かって第1のN型円筒状永久磁石26a、第2のN型円筒状永久磁石26b、第3のN型円筒状永久磁石26cの順に配置され、外側のN型円筒状永久磁石26b(26c)の内周面と内側のN型円筒状永久磁石26a(26b)の外周面が接着などにより密着されている。各N型円筒状永久磁石26a〜26cは、3段に組み合わされる前の個別の円筒状永久磁石の段階でN型に着磁されている。
また、可動子22の断面が、S型円筒磁石26Bの場合を図11に示す。図10で示すN型円筒磁石26AとS型円筒磁石26Bとを軸方向に交互に配置することにより可動子22の円筒磁石26は構成される。図11に示すように、それぞれ径方向内向きに着磁された3段のS型円筒状永久磁石(第1〜第3のS型円筒状永久磁石26d、26e、26f)が径方向に、内側から外側に向かって第1のS型円筒状永久磁石26d、第2のS型円筒状永久磁石26e、第3のS型円筒状永久磁石26fの順に配置され、外側のS型円筒状永久磁石26e(26f)の内周面と内側のS型円筒状永久磁石26d(26e)の外周面が接着などにより密着されている。各S型円筒状永久磁石26d〜26fは、3段に組み合わされる前の個別の円筒状永久磁石の段階でS型に着磁されている。
【0026】
最内側の第1の円筒状永久磁石26a、26dの内周半径をR1、中間に位置する第2の円筒状永久磁石26b、26eの内周半径をR2、最外側の第3の円筒状永久磁石26c、26fの内周半径、外周半径をそれぞれR3、R4とし、それぞれ第1〜第3の円筒状永久磁石26a(26d)〜26c(26f)の内外径比R1/R2、R2/R3、R3/R4を、例えば約0.8とする。このとき、これら3段の円筒状永久磁石26a(26d)〜26c(26f)で構成される円筒磁石26の内外径比R1/R4は、約0.51となる。
【0027】
円筒磁石を精度良く着磁するためには、内外径比が限られた範囲内であることが必要で、内外径比(内径/外径)を小さくするのは限界があったが、この実施の形態では、良好に着磁された各円筒状永久磁石26a(26d)〜26c(26f)を径方向に3段に組み合わせて、可動子22の円筒磁石26を構成した。このため、可動子22の円筒磁石26は、内外径比R1/R4を低減でき、しかも良好に着磁された信頼性の高い円筒磁石26となる。
このように、可動子22の円筒磁石26を、円筒状永久磁石26a(26d)〜26c(26f)を径方向に3段に組み合わせて構成したため、円筒磁石26は内外径比R1/R4を低減でき、即ち径方向厚さを大きくできて空隙23の磁束密度を増大させる。磁束密度が向上すると、同じ推力を発生させる際に、固定子21のコイル電流が少なくて済み、銅損が低減され、効率が向上する。
【0028】
実施の形態8.
上記実施の形態7では、可動子22のN型円筒磁石26A(S型円筒磁石26B)を構成する3段のN型円筒状永久磁石26a〜26c(S型円筒状永久磁石26d〜26f)を、全て同じ径方向外向き(径方向内向き)の着磁方向とした。この実施の形態8では、図12に示すように、着磁方向が異なる複数(この場合3段)のN型円筒状永久磁石(第1〜第3のN円筒状永久磁石27a、27b、27c)を用いて可動子22のN型円筒磁石(永久磁石)27Aを構成する。なお、図示は省略するが、S型円筒磁石27Bについても同様に、3段のS型円筒状永久磁石の着磁方向を異なるものとする。
最内側に位置する第1のN型円筒状永久磁石27aは、軸方向、例えば上向きに着磁され、最外側に位置する第3のN型円筒状永久磁石27cは、径方向外向きに着磁されている。そして、中間に位置する第2のN型円筒状永久磁石27bは、両側のN型円筒状永久磁石27a、27cの着磁方向(周方向と径方向)の中間の着磁方向とする。
【0029】
ところで、可動子22のN型円筒磁石26A(S型円筒磁石26B)を構成する複数のN型円筒状永久磁石26a〜26c(S型円筒状永久磁石26d〜26f)が、全て径方向に着磁されていると、可動子コア25を鎖交する磁束量が多くなり、磁気飽和が発生し易い。磁気飽和が発生すると磁束量は増加せず、可動子22の永久磁石の量を増加させても空隙磁束密度が大きくならない。
この実施の形態では、複数段組み合わせて配置された第1〜第3の円筒状永久磁石27a〜27c(27d〜27f)の各着磁方向を変え、可動子コア25を鎖交する磁束量を低減して磁気飽和の発生を抑制する。これにより、可動子22の永久磁石(円筒磁石27)の使用量を増加させると空隙磁束密度が向上するため、永久磁石を有効に利用することが可能である。
【0030】
図13に可動子22の軸方向断面の一部を示す。上述したように、最内側に位置する第1のN型円筒状永久磁石27a(S型円筒状永久磁石27d)は、軸方向に着磁され、最外側に位置する第3のN型円筒状永久磁石27c(S型円筒状永久磁石27f)は、径方向に着磁されている。これにより、図中の矢印に示すように、固定子側から内側に向かいターンして外側に向かうU字状の磁束が形成され、可動子コア25を鎖交する磁束量が低減できることがわかる。
また、上記実施の形態7と同様に、可動子22の円筒磁石27を、複数の円筒状永久磁石27a〜27c(27d〜27f)を径方向に組み合わせて構成したため、円筒磁石27全体としては、良好な着磁状態で径方向厚さを大きくできる。このため、円筒型リニアモータの磁束密度を増大させ効率を向上できる。
【0031】
なお、図14に示すように、最内側に位置する第1のN型円筒状永久磁石27a(S型円筒状永久磁石27d)における軸方向位置を、他の外側の円筒状永久磁石に対してずらせて配置すると、固定子側から内側に向かいターンして外側に向かうU字状磁束が形成されやすくなり、可動子コア25を鎖交する磁束量の低減効果が高まる。
【0032】
実施の形態9.
上記実施の形態8では、複数のN型円筒状永久磁石27a〜27c(S型円筒状永久磁石27d〜27f)の各着磁方向をそれぞれ異なるものとしたが、図15に示すように、最内側に位置する第1の円筒状永久磁石27a(27d)は軸方向に着磁し、他の円筒状永久磁石27b(27e)、27c(27f)は、径方向に着磁しても良い。
この実施の形態においても、可動子コア25に近い最内側の円筒状永久磁石27a(27d)を軸方向に着磁することによって、可動子コア25を鎖交する磁束量を効果的に低減でき、磁気飽和の発生を抑制できる。これにより、可動子22の永久磁石(円筒磁石27)の使用量を増加させると空隙磁束密度が向上するため、永久磁石を有効に利用することが可能である。
【0033】
なお、複数段組み合わせて配置された第1〜第3の円筒状永久磁石27a〜27c(27d〜27f)の各着磁方向は、上記実施の形態8、9に限らず、比較的外側に位置する円筒状永久磁石の着磁方向を径方向とし、比較的内側に位置する円筒状永久磁石の着磁方向を軸方向としても良く、可動子コア25を鎖交する磁束量を低減できる。
【0034】
また、上記実施の形態において、軸方向の着磁としたものは径方向の傾斜を伴うものであっても良く、N型円筒磁石27Aを構成する円筒状永久磁石では径方向外向きの傾斜とし、S型円筒磁石27Bを構成する円筒状永久磁石では径方向内向きの傾斜とする。
【0035】
実施の形態10.
この実施の形態10では、図16に示すように、径方向に配置される2つの円筒状永久磁石28a、28bの間に、円筒状の鉄部材29を磁化されていない強磁性体として挿入して、可動子22の円筒磁石(永久磁石)28を構成する。そして、外側の円筒状永久磁石28bの内周面と内側の円筒状永久磁石28aの外周面が鉄部材29を介して密着するようにする。
このように円筒状永久磁石間に寸法精度の良好な鉄部材13を配置することにより、組み合わせの寸法精度が向上する。これにより、円筒磁石28の偏心を抑制し、バランスが良好となり振動や騒音を防止できる。
【0036】
なお、この実施の形態では、径方向に配置される円筒状永久磁石は2つとしたが、3個以上として、各円筒状永久磁石間に、磁化されていない強磁性体を配置しても良い。
【0037】
実施の形態11.
この実施の形態11では、図17に示すように、径方向に配置される複数個の円筒状永久磁石29a、29bの最外周に、SUSやFRPなどの円筒部材(キャン)30を磁石飛散防止用に設けて、可動子22の円筒磁石(永久磁石)29を構成する。
これにより、円筒状永久磁石29a、29bの割れや欠けによる飛散防止を行うことができ、円筒型リニアモータの保全に役立つ。
【0038】
実施の形態12.
この実施の形態では、上記各実施の形態7〜11による可動子22の円筒磁石をスロットレスリニアモータに適用する。
スロットレスリニアモータなど空隙付近に磁性体を用いない円筒型リニアモータは、無通電時の推力脈動(コギング力)や通電時の推力脈動(推力リップル)が本質的に小さいものであるため、精密機器などの速度変動の小さいモータが要求される用途に用いることが多い。このようなリニアモータでは、従来、一般に円筒磁石の径方向厚さに対して空隙(可動子22とコイルヨークとの距離)の長さの割りあいが大きくなるものであり、円筒磁石の動作点が低いものであった。
この実施の形態では、径方向の厚さを大きくした円筒磁石をスロットレスリニアモータに適用したため、動作点を効果的に向上でき、空隙磁束密度が効果的に向上する。この磁束密度向上により、推力を発生するために必要な固定子21のコイル電流が少なくて済み、銅損が低減され、効率が向上する。
【0039】
なお、上記実施の形態ではスロットレスリニアモータに適用したが、コアレスリニアモータを用いても同様に、効果的に磁束密度が向上できて効率向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1による永久磁石式モータの断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による回転子を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1の比較例としての回転子を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による回転子を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3による回転子を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態4による回転子を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態5による回転子を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態6による永久磁石式モータの断面図である。
【図9】この発明の実施の形態7による円筒型リニアモータを示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態7による可動子を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態7による可動子を示す断面図である。
【図12】この発明の実施の形態8による可動子を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態8による可動子の磁束を説明する図である。
【図14】この発明の実施の形態8の別例による可動子の磁束を説明する図である。
【図15】この発明の実施の形態9による可動子を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態10による可動子を示す断面図である。
【図17】この発明の実施の形態11による可動子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 固定子、1b ヨーク(固定子コア)、2 回転子、5 回転子コア、
6 円筒磁石(永久磁石)、6a 第1の円筒状永久磁石、
6b 第2の円筒状永久磁石、6c 第3の円筒状永久磁石、
11 円筒磁石(永久磁石)、11a 第1の円筒状永久磁石、
11b 第2の円筒状永久磁石、11c 第3の円筒状永久磁石、
12 円筒磁石(永久磁石)、12a,12b 円筒状永久磁石、
13 強磁性体としての鉄部材、14 円筒磁石(永久磁石)、
14a,14b 円筒状永久磁石、15 リング、21 固定子、22 可動子、
24 軸、25 可動子コア、26 円筒磁石(永久磁石)、26A N型円筒磁石、
26B S型円筒磁石、26a 第1のN型円筒状永久磁石、
26b 第2のN型円筒状永久磁石、26c 第3のN型円筒状永久磁石、
26d 第1のS型円筒状永久磁石、26e 第2のS型円筒状永久磁石、
26f 第3のS型円筒状永久磁石、27A N型円筒磁石、27B S型円筒磁石、
27a 第1のN型円筒状永久磁石、27b 第2のN型円筒状永久磁石、
27c 第3のN型円筒状永久磁石、28 円筒磁石(永久磁石)、
28a,28b 円筒状永久磁石、29 強磁性体としての鉄部材、
29 円筒磁石(永久磁石)、29a,29b 円筒状永久磁石、30 円筒部材。




 

 


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