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電気機器の絶縁構造及びその絶縁構造を適用したスイッチギヤ - 三菱電機株式会社
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発明の名称 電気機器の絶縁構造及びその絶縁構造を適用したスイッチギヤ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−104840(P2007−104840A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−293551(P2005−293551)
出願日 平成17年10月6日(2005.10.6)
代理人 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
発明者 吉田 忠広 / 有岡 正博 / 佐藤 伸治
要約 課題
耐電圧性能を向上させる電気機器の絶縁構造及びその絶縁構造を適用したスイッチギヤを得る。

解決手段
接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体等が収納された、例えばスイッチギヤ等の電気機器の絶縁構造であって、開閉機器の電極間、又は主回路導体の相間、又は主回路導体と接地金属ケース間の対向する導体間において、局所的高電界となる導体、例えば、電極14,16の表面に絶縁層18,19を形成し、対向電極に面する側の絶縁層18,19の表面形状を概略平面に形成した。
特許請求の範囲
【請求項1】
接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納され、対向する導体間を絶縁する電気機器の絶縁構造において、
上記導体のうち局所的高電界を形成する導体の表面に絶縁物で被覆された絶縁層が設けられ、対向導体に面する側の上記絶縁層の表面形状が概略平面に形成されていることを特徴とする電気機器の絶縁構造。
【請求項2】
接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納され、対向する導体間を絶縁する電気機器の絶縁構造において、
上記導体のうち局所的高電界を形成する導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤが配置され、上記絶縁バリヤの厚さは、上記2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成されていることを特徴とする電気機器の絶縁構造。
【請求項3】
請求項2記載の電気機器の絶縁構造において、
上記絶縁バリヤは、上記局所的高電界を形成する導体の近傍に配置され、上記対向導体に面する側の上記絶縁バリヤの表面が概略平面に形成されていることを特徴とする電気機器の絶縁構造。
【請求項4】
接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納されたスイッチギヤにおいて、
上記開閉機器の電極間、上記主回路導体の相間、又は上記主回路導体と上記接地金属ケース間の対向する導体間で、局所的高電界を形成する導体の表面に絶縁層が形成され、対向導体に面する側の上記絶縁層の表面形状が概略平面に形成されていることを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項5】
接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納されたスイッチギヤにおいて、
上記開閉機器の電極間、上記主回路導体の相間、又は上記主回路導体と上記接地金属ケース間の対向する導体間で、局所的高電界を形成する導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤが配置され、上記絶縁バリヤの厚さは、上記2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成されていることを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項6】
請求項5記載のスイッチギヤにおいて、
上記絶縁バリヤは、上記局所的高電界を形成する導体の近傍に配置され、上記対向導体に面する側の上記絶縁バリヤの表面が概略平面に形成されていることを特徴とするスイッチギヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、電力の送配電および受電設備などに用いられ、開閉機器等の主回路機器が接地金属ケースに収納されて構成されるような電気機器の絶縁構造、及びその絶縁構造を適用したスイッチギヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、絶縁性のガス中で使用される電気機器で、不平等電界を生じる電極系の電界を緩和して絶縁性能を向上させる従来の技術として、図11(a)に示すように、電極41の最大電界を持つ部分に所定の耐電圧を満足する厚さの絶縁層を、この絶縁層表面の最大電界強度の90%以下の値を持つ電極部分まで、その空間における等電位線とほぼ同じ形状で絶縁層表面を形成した絶縁シールド42を設けた電界緩和装置が開示されている(特許文献1参照)。
また、図11(b)に示すように、低圧力の絶縁ガス中で、不平等電界を形成する電極構成の、電界強度が大きい側の電極43近傍に、その電極43より十分大きい曲率を持つ椀状の絶縁性バリヤ44を、凹部を電極43に対向させて挿入した電界緩和装置が開示されている(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平2−151215号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開平2−164209号公報(第1頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス絶縁開閉装置等の電気機器では、設置場所の地価の高騰や激しい価格競争等に対処するため、コンパクト化や軽量化、低コスト化のニーズは、近年さらに強くなっている。そのため、電気機器の絶縁技術にも更なる高度化が求められてきた。特にガス絶縁開閉装置の分野では、従来の絶縁媒体であるSF6ガスに代わって、地球温暖化を引き起こさない乾燥空気や窒素ガスが用いられるようになってきたが、これらのガスの絶縁耐力はSF6ガスの約3分の1と低い。このため絶縁被覆や絶縁バリヤを用いたガス・固体複合絶縁の高性能化が求められており、例えば上記の特許文献のような絶縁被覆や絶縁バリヤを用いた電界緩和技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示す従来の絶縁構造では、絶縁物表面の有効面積(詳細は後述する)が必ずしも最小化されないことがある。また、絶縁物表面に発生する最大電界が最小化されない場合がある。すなわち、後述する面積効果特性を勘案すると、従来技術では、耐電圧上昇が期待するほどではない場合があるという問題があった。このため、特に、SF6ガスに替わって耐電圧性能の低い空気・窒素を用いる近年のガス絶縁電気機器に適用する場合は、電気機器のコンパクト化や経済性の改善に十分につながらないという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、電気機器の導体間に挿入される絶縁層又は絶縁バリヤの形状を工夫することにより、耐電圧性能を高めることができる電気機器の絶縁構造及びその絶縁構造を用いたスイッチギヤを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係わる電気機器の絶縁構造は、接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納され、対向する導体間を絶縁する電気機器の絶縁構造において、導体のうち局所的高電界を形成する導体の表面に絶縁物で被覆された絶縁層が設けられ、対向導体に面する側の絶縁層の表面形状が概略平面に形成されているものである。
【0008】
また、局所的高電界を形成する導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤが配置され、絶縁バリヤの厚さは、2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成されているものである。
【0009】
また、この発明に係わるスイッチギヤは、接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体等が収納されたスイッチギヤにおいて、開閉機器の電極間、主回路導体の相間、又は主回路導体と接地金属ケース間の対向する導体間で、局所的高電界となる導体の表面に絶縁層が形成され、対向導体に面する側の絶縁層の表面形状が概略平面に形成されているものである。
【0010】
更にまた、スイッチギヤを構成する開閉機器の電極間、主回路導体の相間、又は主回路導体と接地金属ケース間の対向する導体間で、局所的高電界となる導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤが配置され、絶縁バリヤの厚さは、2導体間の最短部に位置する部位よりもその周辺の方が厚くなるように形成されているものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の電気機器の絶縁構造によれば、電気機器の内部で対向する導体間において、局所的高電界を形成する導体の表面に絶縁層を設け、対向導体に面する側の絶縁層の表面形状を概略平面としたので、絶縁層表面の有効面積が小さくなり、絶縁層表面の破壊電界値が上昇するため、絶縁耐力を向上させることができる。従って、電気機器の小型化を図ることができる。
また、この絶縁構造を適用したスイッチギヤでは、絶縁層表面の破壊電界値が上昇し、絶縁層を被覆した導体部の絶縁耐力が向上するので、耐電圧性能が向上したスイッチギヤを提供することができる。
【0012】
また、局所的高電界を形成する導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤが配置され、絶縁バリヤの厚さは、2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚く形成したので、絶縁バリヤ表面の有効面積が小さくなり、絶縁バリヤ表面の破壊電界値が上昇するため、絶縁耐力を向上させることができる。従って、電気機器の小型化を図ることができる。
更に、この構造を適用したスイッチギヤでは、絶縁バリヤ表面の破壊電界値が上昇し、絶縁バリヤを用いた導体部の絶縁耐力が向上するので、耐電圧性能が向上したスイッチギヤを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電気機器の絶縁構造を図に基づいて説明する。先ず、本発明の絶縁構造が用いられる電気機器の例として、電力の送配電および受電設備などに用いられるスイッチギヤを例にあげ、その全体構成から説明する。
【0014】
図1は、スイッチギヤの構成例を示す要部の側面断面図である。図に示すように、全体を覆う金属外被1の中に、モジュール化した開閉機器の主回路部を収納するために密閉された接地金属ケース2a〜2cが配置されており、それらの接地金属ケース2a〜2c内は、SF6ガス,ドライエア,窒素ガス又は空気などの絶縁性ガスが充填されて絶縁ガス雰囲気となっている。金属外被1の下段に配置した接地金属ケース2aには、側壁にケーブルヘッド3が取付けられ、内部には真空遮断器4と接地開閉器5が収納されている。その上段に配置した接地金属ケース2bには、接地開閉器部6aと断路器部6bからなる3位置断路器6とそれに繋がる三相の母線7が収納され、また、接地金属ケース2c内にも3相の母線8が収納されている。そして、金属ケース2a,2b間は絶縁スペーサ9によってガス区画されて接続されている。また、前面側には接地金属ケース2a,2b内に収納した開閉機器の操作機構部10a〜10cが配置されている。
【0015】
なお、上記では主回路機器が絶縁性ガス雰囲気中に収納されている密閉型のスイッチギヤを示したが、主回路部を大気中に配置した気中スイッチギヤでも良く、また、主回路機器の構成は図1に限定するものではない。
【0016】
この発明の電気機器の絶縁構造が、上記のようなスイッチギヤに適用される場合、対象となるのは、三相の主回路導体間(相間)、又は、主回路導体と接地金属ケース間(対地間)、あるいは、接地開閉器等の開閉機器の接点間(極間)の部分であり、それらの具体的な構造については後述する。
【0017】
図2は実施の形態1における電気機器の絶縁構造を示す図であり、例えば、電気機器の主回路導体と接地金属ケースのように、高圧導体と、これに対向する接地導体とをモデル化したもので、その間の絶縁構造を示す部分断面図である。棒状をした導体11は、先端部11aが半球状に形成されており、この先端部11a側が対向導体である接地導体12と対向している。従って、電気的にはこの導体先端部に局所的高電界が形成されるので、この部分を覆うように、絶縁層13が設けられている。そして、接地導体12に面する絶縁層13の対向面13aの表面形状は、概略平面となるように形成されている。図中の点線は等電位面の断面を示すものである。
【0018】
上記のような絶縁構造の作用を説明する前に、高圧導体に被覆された絶縁層が絶縁破壊に至るメカニズムについて説明する。
高圧導体に絶縁層が被覆されている場合、絶縁層表面の最大電界発生部の電界がある値に達すると、その表面からストリーマと呼ばれる先行放電が発生し、絶縁層のない高圧導体露出部に向かって進展を始める。その露出部までストリーマが伸びると、ストリーマは非常に細い導電路であるため、見かけ上、絶縁物表面の最大電界発生部に先端を持つ非常に細い高圧導体が現れたことになる。この結果、絶縁物表面の最大電界発生部で非常に強い電界が形成され、この電界によりガス空間部分を進展する放電が始まる。ガス空間部分の放電が完成すると、ギャップ全体が短絡された状態になる。このようなメカニズムで高圧導体に絶縁層が被覆されているギャップの絶縁破壊は生じる。
【0019】
したがって、これらのギャップでの絶縁破壊防止には、その端緒となるストリーマの発生を防止することが重要になる。このためには、(1)絶縁物表面の最大電界の低減、(2)絶縁物表面で高電界が形成されている部分の表面積の縮小、が効果的であることがわかった。(1)はストリーマ発生に必要な電界を発生させないという対策である。(2)は、ストリーマ発生に必要な絶縁物表面の最大電界が、絶縁物表面の面積に依存するという、いわゆる面積効果に関係している。これは、例えば最大電界の値を100%とした場合に90%以上の電界が発生している面積(90%有効面積、以下、有効面積S90と略す)と絶縁層表面における破壊電界値の関係として具体的に表すことができる。ストリーマ発生に必要な電界は有効面積S90が小さいほど高く、逆に有効面積S90が大きいと徐々に低下する(最終的には飽和してある電界に収束する)。
なお、以下の説明で、有効面積を一般的に述べるときは、単に有効面積と表記する。
【0020】
図3は、乾燥空気中での上記の有効面積S90と、絶縁層表面が絶縁破壊に至る破壊電界値の関係を示す図であり、実験により求めたものである。図において、高圧導体と接地導体間にある電圧を印加したとき、絶縁層表面に現れる最大電界値とその有効面積S90をこのグラフ上にプロットし、それがグラフの実線より上側にプロットされる場合は絶縁破壊が発生し、下側にプロットされる場合は絶縁が維持される。図中に白丸と黒丸で示したように、最大電界値が小さくても有効面積が大きくて実線より上にある場合は絶縁破壊が発生するが、最大電界値が大きくても有効面積が小さくて実線より下となる場合は絶縁破壊には至らない。すなわち、有効面積S90が小さくなるほど破壊電界値が上昇し、絶縁破壊が起りにくいことがわかる。従って、絶縁性能を向上させるには、有効面積が小さくなるような絶縁構造にすることが非常に有効である。
【0021】
次に、図2に示す絶縁構造の作用について説明する。
図中に破線で示した等電位面のように、図のような形状の導体では、導体の中心軸の先端部の絶縁層表面が最大電界部となる。上述の有効面積S90は、その点を中心に円形状に存在する。
絶縁層の外形形状を、例えば従来技術で説明した特許文献1の図11(a)ような、等電位線に沿う形状とした場合と、本実施の形態のように、絶縁層の対向面側の表面形状を略平面とした場合とを比較すると、本実施の形態では、図2のように、表面部では等電位の部分が少なくなり、有効面積は小さくなっている。
【0022】
絶縁層の被覆形状を、導体表面にほぼ同じ厚さに形成したものと図2のような形状のものとで電解解析を行い、有効面積特性を比較した実験結果からも、図2のような形状の方が耐電圧性能の向上に効果があることを検証した。
図4は、従来のような等電位線に沿う形状の絶縁構造と、この発明の絶縁構造の形状とで有効面積特性を比較した図である。有効面積S90に対する絶縁物表面電界(相対値)の関係を表している。図の曲線が示すように、本発明の構造の方がより低い位置にあり、このことはより高い電圧印加に対しても絶縁を維持できるように改善されたことを示している。
【0023】
なお、図2では高圧導体と接地導体が対向する場合について説明したが、例えば、開閉器の接点間のように同一形状の導体が対向する場合の絶縁構造においても同様の効果が確認できた。
【0024】
次に、上記の絶縁構造を具体的に製品に適用した例について説明する。
図5は先に説明した図1のスイッチギヤの中に一点鎖線で示したV部の部分断面図であり、接地開閉器5の局所的高電界となる電極部分である。高圧側の電極14は、先端部に所定の曲率を有する棒状導体の中心に貫通孔が設けられ、その内周面に通電接触子15が設けられている。対向する低圧側(接地側)の電極16もほぼ同形状で、中心の貫通孔には、可動棒電極17が軸方向に往復動できるようになっている。そして、両電極14,16の対向部の表面部にはそれぞれ絶縁層18,19が被覆されており、対向電極に面する側の絶縁層18,19の表面形状は略平面に形成されている。
なお、接地側の電極16にも絶縁層19が設けられているのは、電極16にも高電圧が印加され局所的高電界となる場合があるからである。
【0025】
この電極の絶縁構造の作用について説明する。等電位面は図中に点線で示すようになり、このような電極と絶縁層の形状の組み合わせの場合、最大電界が発生するのは絶縁層18表面の対向面の外周端近傍となり、有効面積S90は図中に太線で示した部分となる。比較のために、同様の電極14,16に先行文献1に記載されている形状と類似の絶縁層20,21を被覆した絶縁構造を参考例として図6に示す。図6の場合は、絶縁層20,21の表面に等電位面が沿うような絶縁形状であるが、実験検証した結果では、有効面積S90の領域は図中に太線で示したようになり、図5に比べて広くなっているのを確認した。
すなわち、本実施の形態のように、絶縁層18,19の対向電極に面する側の表面形状を概略平面にすれば、有効面積S90は従来のような形状の絶縁層に比べて小さくなり、その分、破壊電界値が上昇することになる。
【0026】
なお、図5は往復動形の接地開閉器5の電極部分として説明したが、スイッチギヤの中では断路器や3位置断路器等の電極も類似の形状であり、同様に適用できる。また、相間や対地間の絶縁構造にも適用できる。
【0027】
以上のように、本実施の形態の発明によれば、接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納され、対向する導体間を絶縁する電気機器の絶縁構造において、局所的高電界を形成する導体の表面に絶縁層を設け、対向導体に面する側の絶縁層の表面形状を概略平面に形成したので、絶縁層表面の有効面積が小さくなり、従って、絶縁層表面の破壊電界値が上昇するため、電気機器の絶縁耐力を向上させることができる。従って、電気機器の小型化を図ることができる。
【0028】
また、スイッチギヤを構成する開閉機器の電極間、主回路導体の相間、又は主回路導体と接地金属ケース間の、対向する導体間で、局所的高電界となる導体の表面に絶縁層を形成し、対向導体に面する側の絶縁層の表面形状を概略平面に形成したので、絶縁層表面の有効面積が小さくなり、絶縁層表面の破壊電界値が上昇するため、絶縁耐力を向上させることができ、従って、絶縁性能の優れたスイッチギヤを提供できる。
【0029】
実施の形態2.
図7は実施の形態2による電気機器の絶縁構造を示す部分断面図であり、例えば、電気機器の主回路導体と接地金属ケースのように、高圧導体と、これに対向する接地導体とをモデル化したもので、その間の絶縁構造を示す部分断面図である。実施の形態1との相違点は導体に絶縁層を被覆したのではなく、導体から隙間を空けて絶縁バリヤを設けた点である。
【0030】
図のように、先端部を半球状に形成した棒状の導体22に接地導体23が対向して配置されており、導体22の先端部22aが局所的高電界を形成する部分となっている。そこで、導体22とその対向導体である接地導体23間で、導体22に近い側に絶縁バリヤ24を設けたものである。そして、絶縁バリヤ24の厚さは、導体22と接地導体23の2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成されている。すなわち、導体中心軸上に位置する絶縁バリヤ24の部位を最も薄くし、中心軸から遠ざかるほど厚さを厚くしている。更に、対向導体である接地導体23側に面する絶縁バリヤ24の表面を概略平面に形成している。
【0031】
上記のような、高圧導体と低圧導体の間に絶縁バリヤが挿入され、その絶縁バリヤが高圧導体表面を覆うように配置されている場合の、絶縁破壊に至る過程について説明する。絶縁バリヤを挿入したギャップ間での全路破壊の端緒として、まず高圧導体表面の高電界部で部分放電が始まる。この部分放電で発生した高圧導体と同極性の空間電荷は絶縁バリヤと高圧導体との隙間に広がり、この結果、高圧導体が見かけ上大きくなって絶縁バリヤ内面に接触している状況とほとんど同じになる。こうなるとその後の全路破壊過程は、実施の形態1の絶縁層の場合と同様の挙動となる。従って、実施の形態1で説明したように、絶縁性能を向上させるには、有効面積が小さくなるような絶縁構造にすることが好ましい。
【0032】
図7において、等電位面は図中に点線で示したようになる。図のように、接地導体23と対向する側の絶縁バリヤ24の外側角部が最大電界の発生する部位となるが、太線で示す部分は、その周囲において最大電界の90%以上の電界が発生する面積、すなわち有効面積S90の領域である。これを、従来技術の特許文献2で説明した図11(b)と類似形状の絶縁バリヤ構造(従来構造と略す)と比較すると、従来構造では、絶縁バリヤの外側先端部のかなり広い領域が有効面積S90となるが、それに比較すると図7の有効面積S90は小さくなっていることを検証した。
なお、最大電界が発生する部位は、図のように必ず外側角部に発生するとは限らず、導体22先端の形状や絶縁バリヤ24の大きさ、又は、近傍に存在する導体等によって、発生部は変る。
【0033】
上記までの説明では、絶縁バリヤ24の接地導体23に対向する面は平面としたが、対向面は必ずしも平面でなくても良い。中心部より周辺部を厚く形成するだけでも効果があることを確認した。
但し、通常は、導体22の先端部の形状は、ある曲率を持って丸め処理をされているので、絶縁バリヤ24を周辺部ほど厚くし、かつ、対向面を平面にすることは、空間スペースを有効利用することになり、絶縁バリヤと接地導体との距離を大きく取ることが可能となる利点がある。
【0034】
次に、上記の絶縁構造を具体的製品に適用した場合について説明する。
図8は、実施の形態1で説明した図1のスイッチギヤの中に一点鎖線示したV部の部分断面図であり、接地開閉器5の局所的高電界となる電極部分である。高圧側の電極25は、先端部に所定の曲率を有する棒状導体の中心に貫通孔が設けられ、内周面には通電接触子(図示せず)が設けられている。対向する低圧側(接地側)の電極26もほぼ同形状で、中心の貫通孔には可動棒電極(図示せず)が軸方向に往復動できるようになっている。そして、両電極25,26の対向部側で両電極25,26の近傍に、それぞれ絶縁バリヤ27,28が設けられ、絶縁バリヤ27,28の厚さは、両電極25,26の最短部に位置する部分よりもその周辺の方が厚くなるように形成されている。また、各絶縁バリヤ27,28の対向電極に面する側は、表面が概略平面となるように形成されている。
【0035】
このスイッチギヤの絶縁構造の作用について説明する。図中に等電位面で示すように、最大電界が発生するのは絶縁バリヤ27,28の対向面の外周端近傍となり、有効面積S90は図中に太線で示した部分となる。この有効面積S90の領域は、例えば、従来構造に類似の絶縁構造と比較すると、面積が小さくなることを実験により検証した。
【0036】
次に、別の適用例を説明する。図9はスイッチギヤの別の部位に適用した例であり、図1の矢印IX−IXから見た図である。すなわち、往復動型の3位置断路器6の接地開閉器部6aの電極部の断面図であり、3相のうちのA相,B相の2相分を示している。この絶縁バリヤ29a,29bは、コの字状の断面を有して電極部30a,30bの周囲を囲むように配置されており、各電極部の相間及び電極部と接地金属ケース2b間を絶縁するものである。絶縁バリヤ29a,29bの厚さは、電極部30a,30bの相間、及び電極30aと接地金属ケース2b間の最短部に位置する部位が最も薄く、そこから離れるに従い厚くなるように形成している。更に、対向導体側に面する絶縁バリヤ表面を概略平面に形成している。つまり、A相の絶縁バリヤ29aであればB相に対向する側の面と接地金属ケース2bに対向する面である。
【0037】
このような絶縁バリヤとすれば、上記図7又は図8の場合と同様に、有効面積S90の領域を小さくすることができ、絶縁耐力を向上させることができる。
【0038】
対向導体側に面す絶縁バリヤの表面は必ずしも平面でなくても良い。図10は図9と同部位に設けた絶縁バリヤの別の例を示す図である。図の絶縁バリヤ31a,31bように、対向する2導体間の最短部に位置する部分よりもその周辺の方が厚くなるように形成していれば、有効面積の領域を狭くする効果は期待できる。
【0039】
なお、上記の絶縁構造は、図1のV部やIXの限定するものではなく、他の部分の断路器,接地開閉器,又は3位置断路器等にも同様に適用できる。
【0040】
以上のように、本実施の形態の発明によれば、接地金属ケースに開閉機器及びその主回路導体が収納された電気機器の、対向する導体間を絶縁する絶縁構造において、導体のうち局所的高電界を形成する導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤを配置し、絶縁バリヤの厚さを、2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成したので、絶縁バリヤ表面の有効面積が小さくなり、絶縁バリヤ表面の破壊電界値が上昇するため、絶縁耐力を向上させることができる。従って、電気機器の小型化を図ることができる。
また、上記の構成で、対向導体側に面する絶縁バリヤの表面を概略平面としたので、空間スペースを有効利用することになり、絶縁バリヤと対向導体との距離を大きく取ることができる。
【0041】
また、スイッチギヤを構成する開閉機器の電極間、主回路導体の相間、又は主回路導体と接地金属ケース間の対向する導体間で、局所的高電界となる導体とその対向導体との2導体間に絶縁バリヤを配置し、絶縁バリヤの厚さを、2導体間の最短部に位置する部位から離れるに従い厚くなるように形成したので、絶縁バリヤ表面の有効面積が小さくなり、従って、絶縁バリヤ表面の破壊電界値が上昇するため、電極部の相間、又は電極部と接地金属ケース間の絶縁耐力を向上させることができ、耐電圧性能が向上したスイッチギヤを提供することができる。
更にまた、上記の構成で、対向導体側に面する絶縁バリヤの表面を概略平面に形成したので、上記の効果に加え、空間スペースを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施の形態1による電気機器の絶縁構造を適用するスイッチギヤの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電気機器の絶縁構造を示す断面図である。
【図3】絶縁表面における破壊電界と有効面積の関係を表す図である。
【図4】この発明の絶縁構造と従来構造との有効面積特性を比較した図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるスイッチギヤの接地開閉器の電極部を示す部分断面図である。
【図6】図5との比較のための参考例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による電気機器の絶縁構造を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるスイッチギヤの接地開閉器の電極部を示す部分断面図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるスイッチギヤの接地開閉器部の絶縁バリヤを示す部分断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるスイッチギヤの絶縁バリヤの他の例を示す部分断面図である。
【図11】従来の電気機器の絶縁構造を示す電極部の部分断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 金属外被 2a〜2c 接地金属ケース
3 ケーブルヘッド 4 真空遮断器
5 接地開閉器 6 3位置断路器
6a 接地開閉器部 6b 断路器部
7,8 母線 9 絶縁スペーサ
10a〜10c 操作機構部 11,22 導体
11a,22a 先端部 12,23 接地導体
13 絶縁層 13a 対向面
14,16,25,26 電極 15 通電接触子
17 可動棒電極 18,19,20,21 絶縁層
24、27,28,29a,29b,31a,31b 絶縁バリヤ
30a,30b 電極部。




 

 


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