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回転電機の固定子および回転電機 - 三菱電機株式会社
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発明の名称 回転電機の固定子および回転電機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−104830(P2007−104830A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−293098(P2005−293098)
出願日 平成17年10月6日(2005.10.6)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 庄野 一弘 / 木村 康樹 / 村田 明生 / 石垣 隆士 / 吉野 勇人
要約 課題
積層型の固定子鉄心を外部構造体に固定する際に、焼きばめ又は圧入等を採用しながらも、固定子鉄心の磁気特性の劣化を最小限に抑え、かつ組立性および組立精度も良好なものを得ることを目的とする。

解決手段
複数個のコア部材を積層することにより構成され、積層されたコア部材が外部構造体4の内周に嵌合される回転電機の固定子鉄心において、外部構造体4への固定に寄与するコア部材の積層部1Aと、外部構造体4への固定に寄与しないコア部材の積層部1Bからなる。特に、外部構造体4への固定に寄与しないコア部材の積層部1Bでは、コア部材の外周形状が、全周に渡って外部構造体4との間に空隙1gが設けられている形状であることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数個のコア部材を積層することにより構成され、積層された上記コア部材が外部構造体の内周に嵌合される回転電機の固定子鉄心であって、
上記固定子鉄心は、上記外部構造体への固定に寄与する上記コア部材の積層部と、上記外部構造体への固定に寄与しない上記コア部材の積層部からなることを特徴とする回転電機の固定子鉄心。
【請求項2】
上記外部構造体への固定に寄与しない上記コア部材は、その外周形状が、全周に渡って上記外部構造体との間に空隙が設けられている形状であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子鉄心。
【請求項3】
ヨーク部と、上記ヨーク部から内周方向に延びるティース部を有する複数個のコア部材を、それらのヨーク部が円環状に組み合わせることにより構成されるコア部材を備え、上記コア部材を複数個積層することにより構成されると共に、積層された上記コア部材が外部構造体の内周に嵌合される回転電機の固定子鉄心であって、
上記固定子鉄心は、上記ヨーク部を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部が当接部で当接するコア部材片から成る第1のコア部材と、上記ヨーク部を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部の間に空隙を有するコア部材片から成る第2のコア部材により構成されていることを特徴とする回転電機の固定子鉄心。
【請求項4】
上記第1のコア部材は、隣り合うコア部材片同士の当接部の位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている2種類の形状のコア部材から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機の固定子鉄心。
【請求項5】
上記第2のコア部材は、隣り合うコア部材片の間の空隙の位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている2種類の形状のコア部材から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機の固定子鉄心。
【請求項6】
上記第1のコア部材の隣り合うコア部材片同士の当接部の位置と、上記第2のコア部材の隣り合うコア部材片の間の空隙の位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機の固定子鉄心。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固定子鉄心と、上記固定子鉄心に巻回される巻線と、上記固定子鉄心に対向して配置され回転軸に装着された回転子と、上記固定子鉄心をその内周部に装着する外部構造体とを備えた回転電機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機の固定子鉄心の構造に関し、特に積層型の固定子鉄心を焼きばめや圧入等により外部構造体に固定する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示すように、円環の周方向を分割する分割面で区画された分割ヨーク部100を備え、分割ヨーク部100が相互に連結されることにより環状ヨーク部を構成する分割ステータコアにおいて、分割ヨーク部100の連結部は、円環内径方向に向かって分割面から後退した端面を有する切り欠き部100gと、円環外径方向に向かって分割面を端面とする突起部100cを備えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来の技術によれば、分割ヨーク部100の連結部のうち切り欠き部100gを含んで構成される主磁束領域にギャップが形成され、ギャップには圧縮応力がかからない。これにより、主磁束領域での圧縮応力による鉄損を減少させることができるとしている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−51941号公報(段落[0005]、[0006]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、隣り合う分割ヨーク部100の突起部100cが当接する当接部100aの面積が小さいために、分割ヨーク部100を円環状に組み立てる際、当接部100aがずれないよう組み合わせるのに手間がかかる。また、うまく組み合わせても、外周から不均等な力が働くと、当接部100aがずれやすいため、歯部先端の位置がずれてしまう恐れがあった。歯部先端の位置にばらつきが出ると、コギングが増えるなどモータ特性に悪影響を及ぼす。
【0006】
さらに、磁路にギャップが存在するため、磁気抵抗の増大は避け難く、鉄損低減の効果が相殺されて十分な効果が得られるとは言い難い。
【0007】
この発明は上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、積層型の固定子鉄心を外部構造体に固定する際に、焼きばめ又は圧入等を採用しながらも、固定子鉄心の磁気特性の劣化を最小限に抑え、かつ組立性および組立精度も良好なものを得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明による回転電機の固定子鉄心は、複数個のコア部材を積層することにより構成され、積層されたコア部材が外部構造体の内周に嵌合される回転電機の固定子鉄心であって、固定子鉄心は、外部構造体への固定に寄与するコア部材の積層部と、外部構造体への固定に寄与しないコア部材の積層部からなることを特徴とする。
【0009】
第2の発明による回転電機の固定子鉄心は、ヨーク部と、ヨーク部から内周方向に延びるティース部を有する複数個のコア部材を、それらのヨーク部が円環状に組み合わせることにより構成されるコア部材を備え、コア部材を複数個積層することにより構成されると共に、積層されたコア部材が外部構造体の内周に嵌合される回転電機の固定子鉄心であって、固定子鉄心は、ヨーク部を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部が当接部で当接するコア部材片から成る第1のコア部材と、ヨーク部を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部の間に空隙を有するコア部材片から成る第2のコア部材により構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、外部構造体への固定に寄与するコア部材の積層部と、外部構造体への固定に寄与しないコア部材の積層部により積層型の固定子鉄心を構成したので、固定に寄与しないコア部材の積層部では、外部構造体への固定のための圧縮応力が生じず、鉄損の増加を抑制することが可能となる。
【0011】
第2の発明によれば、隣り合うヨーク部が当接部で当接するコア部材片から成る第1のコア部材と、隣り合うヨーク部の間に空隙を有するコア部材片から成る第2のコア部材により積層型の固定子鉄心を構成したので、第2のコア部材において外部構造体への固定のための圧縮応力が周方向に伝達されず、主磁束領域での鉄損の増加を抑制することができる。一方、第1のコア部材により外部構造体への固定が安定して行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機を示す軸方向の断面図である。図1において、回転電機10は、固定子鉄心1と、固定子鉄心1のスロットに巻回された三相集中巻線2と、固定子鉄心1に対向して配設されると共に回転軸9に装着された回転子3と、固定子鉄心1を装着する略円筒状の外部構造体4を備えている。なお、回転子3に装着される磁石は図示していない。
【0014】
本実施の形態における固定子鉄心1は、電磁鋼板等から成るコア部材を回転電機の軸方向に積層して構成したものであり、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aと、外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bからなる。外部構造体4の内周と外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aのコア部材の外周は、焼きばめや圧入により密接に当接している。外部構造体4の内周と外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bのコア部材の外周の間には、空隙1gが存在する。図1の例では、固定子鉄心1を、積層方向に上部(積層部1A)、中央部(積層部1B)、下部(積層部1A)に3分割し、上下の積層部1Aのコア部材の外周は外部構造体4の内周に当接するが、中央の鉄心積層部1Bのコア部材の外周が、外部構造体4の内周に当接しないように構成している。
【0015】
図2は図1のII−II線の断面図、図3は図1のIII−III線の断面図を示す。なお、回転子及び三相巻線は図示していない。図2には、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aのコア部材1aが示されている。このコア部材1aは、円環状のヨーク部1a−1と、当該ヨーク部1a−1から内周方向に延びる複数のティース部1a−2を備えており、ヨーク部1a−1の外周と外部構造体4の内周とは隙間無く密接に嵌り合っている。図3には、外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bのコア部材1bが示されている。このコア部材1bは、円環状のヨーク部1b−1と、当該ヨーク部1b−1から内周方向に延びる複数のティース部1b−2を備えており、ヨーク部1b−1の外周と外部構造体4の内周には空隙1gが設けられている。
【0016】
以上のように、本実施の形態においては、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aのコア部材1aでは、当該コア部材の外周が外部構造体4の内周と当接しているが、外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bのコア部材1bでは、当該コア部材1bの外周と外部構造体4の内周の間には、周方向360度にわたって、空隙1gが形成されていることがわかる。
【0017】
これにより、固定子鉄心1を外部構造体4に焼きばめ又は圧入により嵌合する際、外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bのコア部材1bでは、焼きばめ又は圧入による圧縮応力が掛からないため、鉄損の増大が抑えられる。また、磁路にギャップを設ける必要が無いため、ギャップによる磁気抵抗の増大も生じない。一方、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aにおいて、コア部材1aの外周と外部構造体4の内周とが密接に当接するので、組立性や組立精度を損なうことがない。
【0018】
なお、外部構造体4の内周と外部構造体4への固定に寄与しない積層部1Bのコア部材1bの外周との空隙1gは、焼きばめもしくは圧入後に、わずかな量、例えば1μm以下でも空いていれば圧縮応力はかからないが、生産管理が比較的容易な50μm以下程度に設定するのが望ましい。
【0019】
また、固定子鉄心1のコア部材の積層方向の固定にカシメを用いたとき、カシメ強度が強すぎると、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aにかかる圧縮応力が一部、カシメ部分を通じて固定に寄与しない積層部1Bに伝達される恐れがあるため、カシメ強度は積層が崩れない程度に弱いものにするか、もしくは、カシメを使用せず、接着鋼板による固定やインシュレータ一体成型などの樹脂による固定が望ましい。
【0020】
上記実施の形態の説明では、固定鉄心1の積層部1Aのコア部材1a及び積層部1Bのコア部材1bは、図2及び図3に示すように、ヨーク部が円環状で分割のない形状である場合を示した。しかしながら、図4及び図5に示すように、ヨーク部1a−1及び1b−1がティース部1a−2、1b−2毎に複数に分割された形状であっても、本実施の形態を適用することができる。
【0021】
また、上記実施の形態では、外部構造体4への固定に寄与する積層部1Aと固定に寄与しない積層部1Bを積層方向の3箇所に分けて設置した例を示したが、5箇所に分割したり、さらにはコア部材1a又はコア部材1bを1枚〜数枚ごとに交互に並べるなど、その配置は自由度があり上記例に限定されるものではない。
【0022】
また、鉄損の低減効果を高めるためには、外部構造体4への固定に寄与する積層部1A高さの固定鉄心全体の高さに占める割合は50%以下、できれば10〜40%にすることが望ましい。
【0023】
実施の形態2.
図6(a)〜(d)はこの発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材を示す図であり、それぞれ回転電機の軸と垂直な断面図を示す。本実施の形態の固定子鉄心は、図6(a)〜(d)に示された複数種類のコア部材を組み合わせて積層することにより構成される。なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、図6では回転子及び三相巻線は図示省略している。
【0024】
図6(a)に示す固定子鉄心のコア部材5Aは、ヨーク部5a−1と、ヨーク部5a−1から内周方向に延びるティース部5a−2を有するコア部材片5aを複数個備え、複数個のコア部材片5aのヨーク部5a−1を円環状に組み合わせることにより構成される。ここで、5haは隣り合うヨーク部5a−1の当接部、5a−3はヨーク部又はティース部の略中央位置に設けられたカシメ部(積層方向のコア部材とのカシメ部)を表している。
【0025】
図6(b)に示す固定子鉄心のコア部材5Bは、ヨーク部5b−1と、ヨーク部5b−1から内周方向に延びるティース部5b−2を有するコア部材片5bを複数個備え、複数個のコア部材片5bのヨーク部5b−1を円環状に組み合わせることにより構成される。ここで、5gbは隣り合うヨーク部5b−1の間に設けた空隙、5b−3はヨーク部又はティース部の略中央位置に設けられたカシメ部(積層方向のコア部材とのカシメ部)を表している。
【0026】
図6(c)に示す固定子鉄心のコア部材5Cは、ヨーク部5c−1と、ヨーク部5c−1から内周方向に延びるティース部5c−2を有するコア部材片5cを複数個備え、複数個のコア部材片5cのヨーク部5c−1を円環状に組み合わせることにより構成される。ここで、5hcは隣り合うヨーク部5c−1の当接部、5c−3はヨーク部又はティース部の略中央位置に設けられたカシメ部(積層方向のコア部材とのカシメ部)を表している。
【0027】
図6(d)に示す固定子鉄心のコア部材5Dは、ヨーク部5d−1と、ヨーク部5d−1から内周方向に延びるティース部5d−2を有するコア部材片5dを複数個備え、複数個のコア部材片5dのヨーク部5d−1を円環状に組み合わせることにより構成される。ここで、5gdは隣り合うヨーク部5d−1の間に設けた空隙、5d−3はヨーク部又はティース部の略中央位置に設けられたカシメ部(積層方向のコア部材とのカシメ部)を表している。
【0028】
このように、コア部材5A及び5Cでは、外部構造体4に嵌合した際に、隣のコア部材片5a及び5c同士が当接部5ha及び5hcで密着する。そのため、外部構造体4の嵌合の際の圧縮応力が当接部5ha及び5hcに伝達され、コア部材5A及び5Cは外部構造体4に安定して固定される。なお、コア部材5A及び5Cは、請求項における第1のコア部材に相当する。
【0029】
一方、コア部材5B及び5Dでは、外部構造体4に嵌合した際に、隣のコア部材5b及び5d同士の間に空隙5gb、5gdが設けられる。そのため、外部構造体4の嵌合の際の圧縮応力が、ヨーク部の周方向に伝わらないため、隣接するティース部間の主磁束領域で圧縮応力が発生しなく、鉄損を減少させることができる。なお、外部構造体4の嵌合の際の圧縮応力は、コア部材片5b及び5dのヨーク部又はティース部の略中央位置に設けられたカシメ部5b−3、5d−3に集中する。なお、コア部材5B及び5Dは、請求項における第2のコア部材に相当する。
【0030】
図7はこの発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材の積層例を示す図である。図7は、図6(a)及び(c)のコア部材5A及び5Cと、図6(b)及び(d)のコア部材5B及び5Dを積層方向に重ねた場合、隣のコア部材片との当接部5ha及び5hcもしくは空隙5gb及び5gdを外周側から見たときの概略図を示す。
【0031】
図7において、コア部材5Aとコア部材5Cが1枚ずつ(あるいは複数枚ずつでも良い)交互に積層され、図示しない外部構造体4の内周に嵌合されている。ここで、コア部材5A及び5Cを回転電機の軸方向に積層した場合、隣のコア部材片5a及び5c同士の当接部5ha及び5hcの位置は、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている。このように、2種類の形状のコア部材5A及び5Cを交互に積層している理由、すなわち、隣り合うコア部材片の当接部5ha及び5hcの位置が積層方向に見たとき周方向にずれるように構成している理由は、当接部5ha及び5hcでの圧縮応力のために同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保するためである。その結果、磁気抵抗の増大を抑制することができる。
【0032】
同様に、コア部材5Bとコア部材5Dが1枚(あるいは複数枚)ずつ交互に積層されている。ここで、コア部材5B及び5Dを回転電機の軸方向に積層した場合、隣のコア部材片5b及び5dの間の空隙5gb及び5gdの位置は、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている。このように、2種類の形状のコア部材5B及び5Dを交互に積層している理由、すなわち隣り合うコア部材片の空隙5gb及び5gdの位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成している理由は、空隙5gb及び5gdのため同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保するためである。その結果、磁気抵抗の増大を抑制することができる。
【0033】
コア部材5B及び5Dの空隙5gb及び5gdは、できるだけ小さく、例えば1μm以下に設定できればそれに越したことはないが、積層方向への迂回磁路があるため、製造管理が比較的容易な50μm以下に設定することが望ましく、場合によっては100μm程度まで拡大することも可能である。
【0034】
また、図7の例では、固定子鉄心5を積層方向に5ブロックに分け、上下端部と中央部にコア部材5A及び5Cの積層ブロックが、その中間の2箇所にコア部材5B及び5Dの積層ブロックが来るように配置している。また、前述のようにコア部材5A、5Cおよびコア部材5B、5Dの各々で、当接部5ha、5hcもしくは空隙5gb、5gdが、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成しており、コア部材の形状は4種類となる。
【0035】
以上のように、コア部材5A及び5Cの積層ブロックが3箇所に分散され、当該ブロックでは、外部構造体4の嵌合の際の圧縮応力が当接部5ha及び5hcに伝達されるので、外部構造体4と安定した固定が行われる。一方、コア部材5B及び5Dの積層ブロックが上記中間の2箇所に積層全高さの半分の高さで構成されることにより、当該ブロックでは、外部構造体4の嵌合の際の圧縮応力が空隙5gb及び5gdにより周方向に伝達されなく、鉄損の増加は従来の半分に抑えられる。
【0036】
図8はこの発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材の他の積層例を示す図である。図8は、図6(a)のコア部材5Aと、図6(b)のコア部材5Bを積層方向に重ねた場合の、隣のコア部材との当接部5haもしくは空隙5gbを外周側から見たときの概略図を示す。
【0037】
図8において、コア部材5Aとコア部材5Bが複数枚(図では3枚)ずつ交互に積層され、図示しない外部構造体4の内周に嵌合されている。ここで、コア部材5A及び5Bを回転電機の軸方向に積層した場合、隣のコア部材片5a及び5b同士の当接部5ha及び空隙5gbの位置は、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている。このように、隣り合うコア部材の当接部5ha及び空隙5gbの位置が積層方向に見たとき周方向にずれるように構成している理由は、当接部5haにおける圧縮応力のために同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保するようにするためである。また、空隙5gbのため同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保するようにするためである。その結果、磁気抵抗の増大を抑制することができる。
【0038】
また、図8の例では、コア部材5Aとコア部材5Bを複数枚ごと交互に積層しているので、2種類のプレス形状のコア部材5A及び5Bを用意すれば足りる。また、複数枚ずつ交互に重ねると、1枚ずつ交互に重ねたときに比べて、コア部材を円環状に組み立てるときのオーバーラップ部の挿入摩擦が減少し、容易に組立できる効果がある。
【0039】
以上のように、本実施の形態の回転電機の固定子鉄心は、ヨーク部5a−1又は5c−1を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部が当接部5ha又は5hcで当接するコア部材片5a又は5cから成る第1のコア部材5A又は5Cと、ヨーク部5b−1又は5d−1を円環状に組み合わせた場合に、隣り合うヨーク部の間に空隙5gb又は5gdを有するコア部材片5b又は5dから成る第2のコア部材5B又は5Dにより構成されている。
【0040】
さらに、第1のコア部材は、隣り合うコア部材片同士の当接部5ha及び5hcの位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている2種類の形状のコア部材5A及び5Cから構成されている。
【0041】
また、第2のコア部材、隣り合うコア部材片の間の空隙5gb及び5gdの位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている2種類の形状のコア部材5B及び5Dはから構成されている。
【0042】
また、第1のコア部材5A又は5Cの隣り合うコア部材片同士の当接部5ha又は5hcの位置と、第2のコア部材5B又は5Dの隣り合うコア部材片の間の空隙5gb又は5gdの位置が、積層方向に見たとき周方向にずれるように構成されている。
【0043】
このように構成することで、第2のコア部材5B又は5Dにおいて外部構造体4への固定のための圧縮応力が周方向に伝達されず、主磁束領域での鉄損の増加を抑制することができる。一方、第1のコア部材5A又は5Cにより外部構造体への固定が安定して行われる。
【0044】
また、第1のコア部材5A又は5Cの当接部5ha又は5hcにおける圧縮応力のために同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保することができる。さらに、第2のコア部材5B又は5Dの空隙5gb又は5gdのために同一面内における周方向の磁気抵抗が増大しても、積層方向へ迂回する磁路を確保することができる。その結果、磁気抵抗の増大を抑制することができる。
【0045】
なお、実施の形態2の説明において、積層方向に固定子鉄心5を分割するときの分割数や並べ方、また第1のコア部材5A、5Cと第2のコア部材5B、5Dの割合をほぼ半々に分けた例を示したが、これらの数字に限定されるものではなく、例えば、第1のコア部材5A、5Cの割合を全体の50%以下、例えば10〜40%に減らせば、さらなる鉄損の低減が期待できる。
【0046】
また、上記実施の形態2では、カシメによる積層固定の例を示したが、接着鋼板による積層固定や、インシュレータ一体成型による積層固定でも良い。
【0047】
また、実施の形態1と実施の形態2のコア部材を組み合わせて使用しても効果が得られる。
【0048】
また、ティース単位毎に分割されたコア部材の場合、完全にばらばらでなくても、連結部で回転自在又は屈曲自在に接合された形の分割型コア部材でも効果を発揮する。
【0049】
さらに、上記実施の形態では、固定子鉄心の外部構造体への固定方法として、焼きばめもしくは圧入を例に説明したが、それ以外にも冷やしばめ等、固定子鉄心の外周から圧縮応力が加わる固定方法に関しても、本発明が有効である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、例えば、冷凍機用圧縮機等に搭載される回転電機の固定子鉄心として利用され、特に、固定子鉄心が焼きばめや圧入等により外部構造体に固定されるものの構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の実施の形態1による回転電機を示す軸方向の断面図である。
【図2】図1のII−II線の断面図であって、実施の形態1のコア部材の形状を示す図である。
【図3】図1のIII−III線の断面図であって、実施の形態1のコア部材の形状を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるコア部材の他の形状を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるコア部材の他の形状を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材の積層例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2による固定子鉄心のコア部材の積層例を示す図である。
【図9】従来の分割ステータコアの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 固定子鉄心、1A 外部構造体への固定に寄与する積層部、
1B 外部構造体への固定に寄与しない積層部、1a,1b コア部材、
1a−1,1b−1 ヨーク部、1a−2,1b−2 ティース部、1g 空隙、
2 巻線、3 回転子、4 外部構造体、5 固定子鉄心、5A〜5D コア部材、
5a〜5d コア部材片、5a−1〜5d−1 ヨーク部、
5a−2〜5d−2 ティース部、5a−3〜5d−3 カシメ部、
5ha,5hc 当接部、5gb,5gd 空隙、9 回転軸、10 回転電機。




 

 


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