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発明の名称 回転電機の固定子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89359(P2007−89359A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−277860(P2005−277860)
出願日 平成17年9月26日(2005.9.26)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 田中 賢治 / 前田 進
要約 課題
固定子巻線の引出し線が引き出される貫通孔を形成する貫通孔形成部において生する渦電流を抑制し過熱を防止できる回転電機の固定子を得る。

解決手段
長貫通孔9を形成する孔形成部8(図1(b))を有するフレーム7(図1(a))、このフレーム7に収容され交流が流れる三相巻線6(図1(a))、この三相巻線6から上記長貫通孔9を通って引き出されるものであってそれぞれを流れる交流電流のベクトル和が零となるようにされたU〜W相引出し線11〜13,X〜Z相引出し線15〜17を設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
フレーム、このフレームに収容され交流が流れる固定子巻線、上記フレームに設けられ孔を形成する孔形成部、及び上記固定子巻線から上記孔を通って引き出されるものであってそれぞれを流れる交流電流のベクトル和が零となるようにされた複数の引出し線を備えた回転電機の固定子。
【請求項2】
上記固定子巻線は三相巻線を有するものであり、上記複数の引出し線は上記三相巻線から引き出された三相分のものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
【請求項3】
上記孔は所定方向の寸法が上記所定方向と直交する方向の寸法よりも長い長穴状の孔であり、上記複数の引出し線は上記所定方向に直線状に配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
【請求項4】
上記孔は円形の孔であり、上記複数の引出し線は所定の径の円上に位置するように配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
【請求項5】
上記孔形成部は上記孔を二つ形成するものであり、上記引出し線は上記三相巻線の各相巻線の一方の端部から引き出された引出し線の三相分及び上記相巻線の他方の端部から引き出された引出し線の三相分が上記各孔をそれぞれ通って引き出されたものであることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
【請求項6】
上記孔形成部は上記孔を三つ形成するものであり、上記引出し線は上記三相巻線の各相巻線の一方及び他方の端部からそれぞれ引き出された引出し線の対を3対有し、上記引出線の各対が上記各孔を通って引き出されたものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転電機の固定子。
【請求項7】
上記孔形成部内に、上記複数の引出し線を支持する非磁性金属材料製の支持部材を設けたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばタービン発電機などの回転電機の固定子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の交流発電機は、二組の三相巻線を有する固定子巻線において、固定子巻線の出力用の引出し線を外部へ引き出す位置においてフレームを構成する鋼板の一部に貫通孔形成部が設けられており、二組のうちの一方の3相巻線23Aから引き出される引出し線X1,Y1,Z1を1グループとし、他方の3相巻線23Bから引き出される3本の引出し線U1,V1,W1を別の1グループとして、これらのうちの2本の引出し線(例えば、X1,Y1)を組にして貫通孔形成部にて形成された貫通孔を通して外部に引き出している。この貫通孔形成部において、例えば鋼板製の貫通孔形成部と引出し線の間に絶縁部材が挿入され、引出し線の支持部材、あるいは交流発電機の機内を密閉構造に保つ封止部材として用いられるとともに、鋼板製の貫通孔形成部と引出し線との絶縁を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−228845号公報(段落番号0026、0031、図5及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように構成された従来の交流発電機における固定子巻線の引出し線が貫通する貫通孔形成部では、引出し線を流れる多相交流によって生ずる磁界が、貫通孔形成部の内部に侵入しようとする。このため、貫通孔形成部にはその磁界を打ち消すような方向に渦電流が流れ、引出し線近傍の貫通孔形成部が局部的に過熱する問題があった。従来、金属製の貫通孔形成部の過熱を抑制する方法としては、貫通孔形成部を含む鋼板全体を透磁率の小さい部材、例えば非磁性ステンレス鋼に置き換えることで渦電流の発生を抑制していた。しかし、非磁性ステンレス鋼を使用することは製造コストが増加する要因となる。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、固定子巻線の引出し線が引き出される貫通孔を形成する貫通孔形成部において発生する渦電流を抑制し過熱を防止できる回転電機の固定子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る回転電機の固定子においては、フレーム、このフレームに収容され交流が流れる固定子巻線、上記フレームに設けられ孔を形成する孔形成部、及び上記固定子巻線から上記孔を通って引き出されるものであってそれぞれを流れる交流電流のベクトル和が零となるようにされた複数の引出し線を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、フレーム、このフレームに収容され交流が流れる固定子巻線、上記フレームに設けられ孔を形成する孔形成部、及び上記固定子巻線から上記孔を通って引き出されるものであってそれぞれを流れる交流電流のベクトル和が零となるようにされた複数の引出し線を備えたものであるので、引出し線を流れる電流のベクトル和が零となるので孔形成部に発生する渦電流を抑制し過熱を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1〜図3は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1(a)はタービン発電機の構成図、図1(b)は貫通孔形成部の拡大図である。図2は3相巻線からの引出し線を示す結線図、図3は3相巻線を流れる電流の位相及びベクトルを示す説明図である。図1及び図2において、回転電機としてのタービン発電機1は固定子2と回転子3を有する。固定子2は、円筒状の収容部を有する固定子鉄心5と固定子鉄心5のスロット(図示せず)に巻回された固定子巻線である三相巻線6とこれらを収容するフレーム7とを有する。
【0009】
固定子鉄心5の円筒状の収容部には上記円筒状の回転子3が収容されている。なお、三相巻線6は、図2に示すように3相交流を出力する3つの相巻線6u,6v,6wを有し、巻線6uの両端部からU相及びX相用の引出し線11,15が引き出され、巻線6vの両端からV相及びU相用の引出し線12,16が引き出され、巻線6wの両端からW相及びZ相用の引出し線13,17が引き出されている。
【0010】
フレーム7は、図1(b)に示すような二つの長貫通孔9を形成する強磁性の鋼板製の貫通孔形成部8を有する。長貫通孔9は、円を二つに分割した半円を直線で結んで形成したフィールドトラック状の形状を有し、図1(b)における左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも長い長孔状となっている。そして、巻線6u,6v,6wの一方の端部から引き出される引出し線11,12,13の3本が直線状に配置された母線側線束14として、一方の長貫通孔9を通ってフレーム7の外部へ引き出されている。また、他方の端部から引き出される引出し線15,16,17の3本が直線状に配置された中性点側線束18とされ、もう一つの長貫通孔9を通ってフレーム7の外部へ引き出されている。引き出された引出し線15〜17は一緒に接続されて中性点とされ、引出し線11〜13は図示しないがU,V,W相端子に接続され、Y結線となっている。
【0011】
図3に示すように、引出し線11と15、引出し線12と16、引出し線13と17を流れる電流の位相は逆位相すなわち180度ずれている。また、引出し線11,12,13を流れる各U,V,W相の電流の位相は電気角で120度ずつずれており、図3に示されるように3相の電流のベクトル和は零となっている。引出し線15,16,17を流れる各X,Y,Z相の電流の位相は電気角で120度ずつ異なっており、図3に示されるように3相の電流のベクトル和は零となっている。
【0012】
また、引出し線11,12,13を流れる各電流の位相に対して引出し線15,16,17を流れる各電流の位相は180度遅れている。この実施の形態においては、長貫通孔9を貫通する引出し線を流れる電流のベクトル和が零となるように、引出し線を母線側電線束14の組と中性点側電線束18の組との二組に分け、各組をそれぞれ長貫通孔9を通過して引き出すようにしている。
【0013】
上記のように構成された実施の形態1において、三相巻線6の引出し線11,12,13の組が通過する長貫通孔9の近傍の貫通孔形成部8と、引出し線15,16,17の組が通過する別の長貫通孔9の近傍の貫通孔形成部8には、上記各引出し線を流れる電流による磁束が鎖交する。この鎖交磁束により鋼板製の貫通孔形成部8には渦電流が流れ、渦電流損失が発生する。しかし、長貫通孔9を貫通する引出し線を流れる電流のベクトル和が零となるようにした場合、引出し線の外側に位置する貫通孔形成部8に鎖交する磁束は互いに打ち消し合う。このため、貫通孔形成部8内を流れる渦電流が減少し、渦電流損失による過熱を防止することができる。なお、長貫通孔は矩形状であってもよい。
【0014】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。図4において、図示しないが図1のフレーム7と同様のフレームに貫通孔形成部28が設けられている。貫通孔形成部28は、鋼板で製作され、二つの円形の円形貫通孔29を形成している。円形貫通孔29をそれぞれ貫通する母線側電線束14である引出し線11,12,13の組、及び中性点側電線束18である引出し線15,16,17の組は、実施の形態1とは配置を変えて所定の径の円上に等ピッチに正三角形上に位置するように配置されている。
【0015】
一般に引出し線近傍の貫通孔形成部等の鋼板中に発生する渦電流損失は、引出し線からの距離の2乗に反比例する。このため、引出し線と鋼板製の貫通孔形成部との距離がいずれの位置からも等しくなるように引出し線を所定の径の円上に位置するように配置することにより貫通孔形成部と特定の引出し線との距離が小さくなるのを防止し、温度上昇の低減効果がさらに高められるという利点がある。
【0016】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。図5において、図示しないが図1のフレーム7と同様のフレームに鋼板製の貫通孔形成部38が設けられている。貫通孔形成部38にて形成された三つの長貫通孔39をそれぞれ引出し線11,15の対、引出し線12,16の対、引出し線13,17の対が貫通する。各長貫通孔39を通過する引出し線の対は、その流れる電流のベクトル和が零となる。これは、三相巻線6(図2参照)のある相の巻線の一方の端部から引き出される母線側の引出し線と他方の端部から引き出される中性点側の引出し線とは互いに180度の位相がずれているためである。
【0017】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4を示す引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。図6において、図示しないが図1のフレーム7と同様のフレームに貫通孔形成部48が設けられている。貫通孔形成部48は、鋼板で製作され、矩形の内周部を有し内周部の6箇所円に円弧状の凹設部が設けられたものであり、全体として矩形状の引出し線が引き出される変形貫通孔49を形成している。また、貫通孔形成部48内には、図6に示すような非磁性ステンレス鋼製の非磁性支持部材45(斜線のハッチングで示している)が設けられている。
【0018】
貫通孔形成部48と非磁性支持部材45により形成される6箇所の円筒状の絶縁スペーサ用貫通孔44に中空円筒状の絶縁スペーサ46を装着し、絶縁スペーサ46を介して各引出し線11〜13,15〜17を支持している。なお、同じ変形貫通孔49を通って引出し線11,12,13の3本一組の母線側電線束14と、引出し線15,16,17の3本一組の中性点側電線束18が引き出されており、これらを流れる電流のベクトル和は上述の通り零である。
【0019】
非磁性支持部材45を設けて引出し線11〜13,15〜17を個別に支持するようにすれば、変形貫通孔49の大きさが大きくなった場合でも、確実に引出し線11〜13,15〜17を支持することができる。このように、変形貫通孔49の面積が大きくなり、変形貫通孔49を絶縁部材で覆うだけでは各引出し線を支持するのに必要な強度が得られない場合でも、引出し線の支持に必要な強度を確保することができる。また、非磁性支持部材45は貫通孔形成部48を補強する補強部材としても機能する。
【0020】
以上のように、この実施の形態においては引出し線に挟まれ磁束密度が大きく渦電流が集中するおそれのある場所には、透磁率の小さい金属製の支持部材、例えば非磁性ステンレス鋼で製作された非磁性支持部材45を設けることにより、渦電流の発生を抑制するとともに貫通孔形成部を補強しかつ引出し線を強固に支持することができる。
【0021】
実施の形態5.
図7及び図8は、この発明の実施の形態5を示すものであり、図7は引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図、図8は貫通孔形成部を貫通する引出し線を流れる電流により発生する磁束の説明図である。図7において、貫通孔形成部38は図5に示したものと同様のものであり、三つの長貫通孔39を形成している。長貫通孔39内に非磁性ステンレス鋼で製作された非磁性支持部材65がそれぞれ装着されている。この非磁性支持部材65と貫通孔形成部38により6箇所円筒状の絶縁スペーサ用貫通孔64が形成され、当該絶縁スペーサ用貫通孔64に絶縁スペーサ66が装着されている。
【0022】
図7における左方の長貫通孔38内の二つの絶縁スペーサ66を貫通して引出し線11,15の対が引き出され、中央の長貫通孔38内の二つの絶縁スペーサ66を貫通して引出し線12,16の対が引き出され、右方の長貫通孔38内の二つの絶縁スペーサ66を貫通して引出し線13,17の対が引き出されている。その他の構成については、図5に示した実施の形態3と同様のものである。
【0023】
図8は、互いに180度位相が異なる引出し線11,15(図2参照)を流れる電流Jにより生じる磁束Φを示したものである。両引出し線11,15に挟まれた部分においては、互いに発生する磁束が強め合い磁束Φが発生するので、引出し線11,15の間に強磁性材料製の支持部材を設置すると、支持部材内に侵入する磁束が増え、渦電流の発生が大きくなり過熱を招く。
【0024】
この実施の形態5では、これら互いに180度位相が異なる引出し線の間に非磁性支持部材65を配置したものである。非磁性支持部材65は、透磁率の小さい材料例えばステンレス鋼を使用する。支持部材を非磁性支持部材65とすることにより、渦電流の発生を抑制して過熱を防止することができる。また、非磁性支持部材65は実施の形態4で示した非磁性支持部材45(図6)よりも小さいので、安価に製作できるという利点がある。
【0025】
なお、上記のような貫通孔を通って引き出される複数の引出し線は上記各実施の形態に示したものに限定されるわけではなく、要するに複数の引出し線を流れる電流のベクトル和が零であるようなものであればよい。さらに、回転電機はタービン発電機に限られるものではなく、また固定子巻線は上記実施の形態1〜5に示した3相巻線に限らず交流巻線であれば同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の実施の形態1であるタービン発電機を示すものであり、図(a)はタービン発電機の構成図、図(b)は貫通孔形成部の拡大図である。
【図2】タービン発電機の固定子の3相巻線からの引出し線を示す結線図である。
【図3】タービン発電機の固定子の3相巻線を流れる電流の位相及びベクトルを示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。
【図5】この発明の実施の形態3である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。
【図6】この発明の実施の形態4である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。
【図7】この発明の実施の形態5である引出し線が貫通する貫通孔形成部の拡大図である。
【図8】図7の貫通孔形成部を貫通する引出し線を流れる電流により発生する磁束の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
2 固定子、6 三相巻線、7 フレーム、8 貫通孔形成部、9 長貫通孔、
11〜13 U〜W相引出し線、14 母線側線束、15〜17 X〜Z相引出し線、
18 中性点側線束、28 貫通孔形成部、29 円形貫通孔、38 貫通孔形成部、
39 長貫通孔、45 非磁性支持部材、48 貫通孔形成部、49 変形貫通孔、
65 非磁性支持部材。




 

 


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