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発明の名称 回転電機の固定子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−82287(P2007−82287A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263727(P2005−263727)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照
発明者 西谷 昌一郎 / 宮地 若木
要約 課題
この発明は、手間とコストをかけることなく、リード部の耐振性を高め、かつ、リード部およびコイルエンド群の冷却風に曝される面積の低減を抑えた回転電機の固定子を得る。

解決手段
a相巻線、b相巻線およびc相巻線の第1および第2リード部16a,16b,16c,16a,16b,16cが、それぞれ、リヤ側コイルエンド群16rから引き出され、その後リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離間して、かつ、該頂部に沿って周方向に引き回されている。さらに、第1リード部16a,16b,16cと第2リード部16b,16c,16aが、互いに密接するように軸方向に曲げられ接合される。そして、第1リード部16cが第1リード部16aの接合部に至る曲げ部近傍に紐25で締着され、第2リード部16aが第1リード部16bのリヤ側コイルエンド群からの引き出し部近傍に紐25で締着されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
スロットが内周側に開口するように周方向に所定のピッチで多数配列されてなる円筒状の固定子鉄心と、上記スロット内に巻装された複数の相巻線を有し、当該複数の相巻線が上記固定子鉄心の軸方向両端部にコイルエンド群を形成している固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子において、
上記相巻線のリード部が、それぞれ、上記コイルエンド群から引き出され、その後上記コイルエンド群の頂部に離間して、かつ、該頂部に沿って周方向に引き回されて、接合対象の相巻線のリード部に接合されて上記固定子巻線を構成しており、
上記相巻線のリード部の少なくとも1本が、上記コイルエンド群の頂部に沿って周方向に並行する非接合対象の上記相巻線のリード部に締着部材により締着固定されていることを特徴とする回転電機の固定子。
【請求項2】
接合される上記リード部の対は、上記コイルエンド群の頂部に沿って周方向に引き回された後、互いに密接するように軸方向に曲げられて接合されており、締着される上記リード部の一方は、上記軸方向に曲げられる曲げ部近傍で、締着される上記リード部の他方に上記締着部材により締着固定されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
【請求項3】
締着される上記リード部の一方は、上記コイルエンド群からの引き出し部近傍で、締着される上記リード部の他方に上記締着部材により締着固定されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用交流発電機などの回転電機の固定子に関し、特に固定子巻線のコイルエンド群から引き出されるリード部の固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の回転電機の固定子では、複数の相巻線の一部であって、コイルエンド群の表面に沿って周方向に敷設されたリード部を、コイルエンド群に接着剤により固定している(例えば、特許文献1参照)。さらに、リード部とコイルエンド群との結合強度を高めるために、リード部形状に対応する規制凹部をコイルエンド群の頂部に設け、リード部を規制凹部内に位置させて接着剤により固定している(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−103697号公報
【特許文献2】特開2004−23916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1による従来の回転電機の固定子では、リード部とコイルエンド群との間の接合強度がコイルエンド群に対するリード部の配置状態に左右されるので、両者間の安定した接合強度が得られにくくなる。そこで、回転電機を搭載した車両が駆動された際に、エンジンの振動により、リード部がコイルエンド群から外れてしまう恐れがある。そして、コイルエンド群から外れたリード部は揺れ動き、リード部の断線、さらにはコイルエンド群と擦れてコイルエンド群の損傷を発生してしまうので、回転電機の信頼性が低下してしまうという課題があった。
また、特許文献2による従来の回転電機の固定子では、各リード部に対応するように規制凹部を設ける必要があり、コイルエンドの構成が複雑となるので、コイルエンドの形成に手間とコストがかかってしまうという課題があった。また、リード部が規制凹部内に納められ、さらに接着剤により埋設されてしまうので、リード部およびコイルエンド群の冷却風に曝される面積が縮小し、熱的に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、手間とコストをかけることなく、リード部の耐振性を高め、かつ、リード部およびコイルエンド群の冷却風に曝される面積の低減を抑えることができる回転電機の固定子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による回転電機の固定子は、スロットが内周側に開口するように周方向に所定のピッチで多数配列されてなる円筒状の固定子鉄心と、上記スロット内に巻装された複数の相巻線を有し、当該複数の相巻線が上記固定子鉄心の軸方向両端部にコイルエンド群を形成している固定子巻線と、を備えている。そして、上記相巻線のリード部が、それぞれ、上記コイルエンド群から引き出され、その後上記コイルエンド群の頂部に離間して、かつ、該頂部に沿って周方向に引き回されて、接合対象の相巻線のリード部に接合されて上記固定子巻線を構成している。さらに、上記相巻線のリード部の少なくとも1本が、上記コイルエンド群の頂部に沿って周方向に並行する非接合対象の上記相巻線のリード部に締着部材により締着固定されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、非接合対象の相巻線のリード部同士が締着部材により締着されているので、リード部の位置を規制する規制凹部などをコイルエンドに形成する必要がなくなり、手間とコストを掛けることなくリード部の耐振性を向上させることができる。
また、リード部がコイルエンド群の頂部に離間して、かつ、頂部に沿って周方向に引き回されているので、リード部とコイルエンド群との間に隙間が確保される。そこで、リード部およびコイルエンド群の冷却風に曝される面積の低減が抑えられ、固定子巻線の過度の温度上昇が抑えられる。
さらに、リード部がコイルエンド群の頂部に沿って引き回されているので、回転電機の体格の大型化の要因である固定子の径方向寸法を大きくすることなくリード部を配設することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1はこの発明の一実施の形態に係る固定子を搭載した回転電機を示す縦断面図、図2はこの発明の一実施の形態に係る固定子における固定子巻線の構成を説明する固定子鉄心のリヤ側端面図、図3はこの発明の一実施の形態に係る固定子を搭載した回転電機の回路図、図4はこの発明の一実施の形態に係る固定子の要部を示す側面図、図5はこの発明の一実施の形態に係る固定子の要部をリヤ側から見た図である。
【0009】
図1において、回転電機は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット1とリアブラケット2とからなるケース3と、このケース3に回転自在に支持されたシャフト4と、ケース3のフロント側に延出するシャフト4の端部に固着されたプーリ5と、シャフト4に固定されてケース3内に収容された回転子6と、この回転子6の軸方向の両端面に固定されたファン7と、回転子6の外周を囲繞するようにケース3の内壁面に固定された固定子8と、シャフト4のリア側に固定され、回転子6に電流を供給するスリップリング9と、このスリップリング9に摺動するようにケース3内に配設された一対のブラシ10と、このブラシ10を収納するブラシホルダ11と、固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12と、ブラシホルダ11に取り付けられたヒートシンク13と、このヒートシンク13に接着され固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ14と、を備えている。
【0010】
そして、回転子6は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線17と、この界磁巻線17を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア18,19とを備えている。一対のポールコア18、19は、鉄製で、それぞれ最外径面形状を略台形形状とする8個の爪状磁極20、21が外周縁部に周方向に等角ピッチで突設されてなり、これらの爪状磁極20、21を噛み合わせるように対向させてシャフト4に固着されている。
【0011】
固定子8は、磁性鋼板の積層体からなる円筒状の固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16とから構成されている。そして、固定子鉄心15には図2に示されるように、内径側に開口するスロット15aが周方向に等角ピッチで例えば96個形成されている。つまり、スロット15aは毎極毎相当たり2個の割合で形成されている。そして、インシュレータ(図示せず)が各スロット15a内に装着され、固定子鉄心15と固定子巻線16との電気的絶縁を確実にしている。
【0012】
つぎに、固定子巻線16の構造について説明する。
まず、固定子巻線16を構成する1相分の巻線構造について図2を参照しつつ説明する。ここで、説明の便宜上、導体線30のスロット15a内の収納位置を内径側から1番地、2番地、3番地、4番地、5番地および6番地とする。また、図2中、実線は固定子鉄心のリヤ側の結線状態を示し、点線は固定子鉄心のフロント側の結線状態を示し、黒丸は接合部を示し、1,7,13・・・,91はスロット番号を示している。
【0013】
a相巻線16aは、それぞれ絶縁被覆された矩形断面の連続銅線からなる素線としての1本の導体線30で形成された第1乃至第6巻線31〜36から構成されている。
この導体線30は、6スロットピットで配列された直線状のスロット収納部30aと、隣接するスロット収納部30aの端部同士をフロント側およびリヤ側で交互に連結するターン部30bとから構成されている。そして、導体線30が、スロット収納部30aを6スロット毎のスロット15aに収納されて固定子鉄心15に波巻きに巻装されている。
【0014】
第1巻線31は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、2番地と1番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第2巻線32は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、1番地と2番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第3巻線33は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、4番地と3番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第4巻線34は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、3番地と4番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第5巻線35は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、6番地と5番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。また、第6巻線36は、1本の導体線30をスロット番号1番から91番まで6スロット毎のスロット15aに、5番地と6番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。そして、各スロット15a内には、導体線30のスロット収納部30aがインシュレータに囲繞されて矩形断面の長手方向を径方向に揃えて径方向に1列に6本並んで配列されている。
【0015】
そして、固定子鉄心15のリヤ側において、91番のスロット15aから延出する第1巻線31の端部31aと1番のスロット15aから延出する第3巻線33の端部33bとをTIG(Tungsten Inert Gas)溶接により接合し、91番のスロット15aから延出する第3巻線33の端部33aと1番のスロット15aから延出する第5巻線35の端部35bとをTIG溶接により接合し、さらに91番のスロット15aから延出する第5巻線35の端部35aと1番のスロット15aから延出する第1巻線31の端部31bとをTIG溶接により接合する。これにより、第1巻線31、第3巻線33および第5巻線35が直列に接続されて3ターンの波巻き巻線となる。
【0016】
また、固定子鉄心15のフロント側において、91番のスロット15aから延出する第4巻線34の端部34aと1番のスロット15aから延出する第2巻線32の端部32bとをTIG溶接により接合し、91番のスロット15aから延出する第6巻線36の端部36aと1番のスロット15aから延出する第4巻線34の端部34bとをTIG溶接により接合し、さらに91番のスロット15aから延出する第2巻線32の端部32aと1番のスロット15aから延出する第6巻線36の端部36bとをTIG溶接により接合する。これにより、第2巻線32、第4巻線34および第6巻線36が直列に接続されて3ターンの波巻き巻線となる。
【0017】
ついで、49番と55番とのスロット15aからリヤ側に延出する第1巻線31の導体線30の部位を切断し、55番と61番とのスロット15aから延出する第2巻線32の導体線30の部位を切断する。そして、55番のスロット15aの1番地から延出する第1巻線31の切断端31cと、55番のスロット15aの2番地から延出する第2巻線32の切断端32cとをTIG溶接により接合する。これにより、第1乃至第6巻線31〜36が直列に接続された6ターンの波巻き巻線(a相巻線16a)が形成される。そして、49番のスロット15aの2番地から延出する第1巻線31の切断端31dと、61番のスロット15aの1番地から延出する第2巻線32の切断端32dとが、このa相巻線16aの両端部、即ちリード部となる。
【0018】
図示していないが、同様にして、導体線30が巻装されるスロット15aを1スロットずつずらしてd相巻線16d、c相巻線16c、f相巻線16f、b相巻線16bおよびe相巻線16eが形成される。そして、a相巻線16aが1番、7番・・・91番のスロット群に巻装され、d相巻線16dが2番、8番・・・92番のスロット群に巻装され、c相巻線16cが3番、9番・・・93番のスロット群に巻装され、f相巻線16fが4番、10番・・・94番のスロット群に巻装され、b相巻線16bが5番、11番・・・95番のスロット群に巻装され、e相巻線16eが6番、12番・・・96番のスロット群に巻装されている。
【0019】
ついで、a相巻線16a、b相巻線16bおよびc相巻線16cの端部同士を接続(Δ結線)して、三相交流巻線16Aを構成している。また、d相巻線16d、e相巻線16eおよびf相巻線16fの端部同士を接続(Δ結線)して、三相交流巻線16Bを構成している。このように、図3に示されるように、2組の三相交流巻線16A,16Bからなる固定子巻線16が構成される。そして、三相交流巻線16A,16Bの各相巻線の端部同士の接続部が整流器12に電気的に接続され、2つの三相交流巻線16A,16Bの交流電圧がそれぞれ整流器12により直流に整流されて出力される。
【0020】
このように構成された固定子8のフロント側端部では、ターン部30bが径方向に3列に並んで周方向に1スロットピッチで配列されて、フロント側コイルエンド群16fを構成している。同様に、リヤ側端部では、ターン部30bが径方向に3列に並んで周方向に1スロットピッチで配列されて、リヤ側コイルエンド群16rを構成している。
【0021】
ここで、a相巻線16a、b相巻線16bおよびc相巻線16cの端部同士をΔ結線する方法について、図4および図5を参照しつつ説明する。
まず、a相巻線16aの第1リード部16aが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向一側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向一側に引き回される。また、b相巻線16bの第2リード部16bが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向他側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向他側に引き回される。そして、a相巻線16aの第1リード部16aとb相巻線16bの第2リード部16bとの端部同士が互いに密接するように軸方向に曲げられてTIG溶接され、接合される。なお、a相巻線16aの第1リード部16aとb相巻線16bの第2リード部16bとが、接合対象の相巻線のリード部となる。
【0022】
また、b相巻線16bの第1リード部16bが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向一側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向一側に引き回される。また、c相巻線1cの第2リード部16cが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向他側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向他側に引き回される。そして、b相巻線16bの第1リード部16bとc相巻線16cの第2リード部16cとの端部同士が互いに密接するように軸方向に曲げられてTIG溶接され、接合される。なお、b相巻線16bの第1リード部16bとc相巻線16cの第2リード部16cとが、接合対象の相巻線のリード部となる。
【0023】
さらに、c相巻線16cの第1リード部16cが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向一側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向一側に、a相巻線16aの第1リード部16aの引き回し部に並行して引き回される。また、a相巻線16aの第2リード部16aが、リヤ側コイルエンド群16rから軸方向に引き出し、その後周方向他側に曲げられて、リヤ側コイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向他側に、b相巻線16bの第1リード部16bおよびc相巻線16cの第2リード部16cの引き回し部に並行して引き回される。そして、c相巻線16cの第1リード部16cとa相巻線16aの第2リード部16aとの端部同士が互いに密接するように軸方向に曲げられてTIG溶接され、接合される。なお、c相巻線16cの第1リード部16cとa相巻線16aの第2リード部16aとが、接合対象の相巻線のリード部となる。
【0024】
ついで、c相巻線の第1リード部16cが、a相巻線16aの第1リード部16aのb相巻線16bの第2リード部16bとの接合部近傍に締着部材としての紐25により締着される。また、a相巻線の第2リード部16aが、b相巻線16bの第1リード部16bのリヤ側コイルエンド群16rからの引き出し部近傍に紐25により締着される。ここで、c相巻線の第1リード部16cとa相巻線16aの第1リード部16aとが、非接合対象の相巻線のリード部となる。同様に、a相巻線の第2リード部16aとb相巻線16bの第1リード部16bとが、非接合対象の相巻線のリード部となる。
これにより、a相巻線16a、b相巻線16bおよびc相巻線16cがΔ結線されて、三相交流巻線16Aが構成される。
【0025】
なお、図示していないが、三相交流巻線16Bを構成するd相巻線16d、e相巻線16eおよびf相巻線16fも、同様に、そのリード部がコイルエンド群16rの頂部に離反して、かつ、沿って周方向に引き回され、結線されている。そして、非接合対象の相巻線のリード部同士が、同様に、紐25により締着されている。
【0026】
このように、この発明では、6つの相巻線のリード部がリヤ側コイルエンド群から引き出され、その後リヤ側コイルエンド群の頂部に離反して、かつ、頂部に沿って周方向に引き回されているので、リード部とリヤ側コイルエンド群との間に隙間が確保される。そこで、リード部およびリヤ側コイルエンド群の冷却風に曝される面積の低減が抑えられ、固定子巻線の過度の温度上昇が抑えられる。
また、車両においては、エンジンのピストン運動に起因するエンジンの振動の方向は、主に交流発電機の回転軸方向と直交する方向である。そこで、エンジン作動時に、回転電機の径方向に大きな振動が加わることになる。しかし、この固定子では、リード部がリヤ側コイルエンド群の軸方向に位置しているので、エンジンの作動時に、大きな振動がリード部に加わらず、リード部の断線等の発生が抑制される。
【0027】
また、相巻線のリード部が非接合対象の相巻線のリード部に紐により締着されているので、リード部全体の剛性が高められる。そこで、リード部の振動が抑制されるので、リード部の断線やリード部との擦れに起因するコイルエンド群の損傷の発生が抑えられる。
また、紐を用いてリード部同士を締着しているので、リヤ側コイルエンド群に損傷を与えることなく、リード部同士を簡易に固定できる。また、リード部の変位を規制する凹部などをコイルエンド群に形成する必要がないので、手間やコストをかけることなく、リード部同士を固定できる。さらに、接着剤などを用いる必要がないので、様々な製造国、季節、作業環境などに合わせた工程管理や部材管理が不要となる。
【0028】
また、相巻線のリード部が、並行して引き回されているリード部に紐で締着されているので、締着されるリード部同士は、径方向に関して互いに異なり位置で周方向に引き回される。そこで、締着される一方のリード部が締着される他方のリード部の接合部に干渉することがない。
また、締着される一方のリード部が、締着される他方のリード部のリヤ側コイルエンド群からの引き出し部近傍に紐で締着されているので、締着されたリード部全体の剛性が高められ、耐振性が向上される。同様に、締着される一方のリード部が、締着される他方のリード部の接合部に至る曲げ部近傍に紐で締着されているので、締着されたリード部全体の剛性が高められ、耐振性が向上される。
【0029】
なお、上記実施の形態では、リード部同士を紐で一箇所締着するものとしているが、リード部同士の締着箇所は一箇所に限定されるものではなく、複数箇所で締着するようにしてもよく、さらには3本以上のリード部を一括して紐で締着するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、紐を用いてリード部同士を締着するものとしているが、締着部材は紐に限定されるものではなく、絶縁性材料であればよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、a相巻線、b相巻線およびc相巻線をΔ結線し、また、d相巻線、e相巻線およびf相巻線をΔ結線して、2組の三相交流巻線からなる固定子巻線を構成するものとして説明しているが、a相巻線、b相巻線およびc相巻線をY結線し、また、d相巻線、e相巻線およびf相巻線をY結線して、2組の三相交流巻線からなる固定子巻線を構成してもよい。さらに、a相巻線とd相巻線とを直列に接続し、b相巻線とe相巻線とを直列に接続し、c相巻線とf相巻線とを直列に接続する。そして、直列に接続された3つの巻線をY結線して、1組の三相交流巻線からなる固定子巻線を構成してもよい。
【0031】
また、上記実施の形態では、毎極毎相当たりのスロット数が2の固定子鉄心を用いるものとしているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されるものではなく、例えば毎極毎相当たりのスロット数が1の固定子鉄心を用いてもよい。この場合、固定子巻線は3つの相巻線から構成されることになる。
また、上記実施の形態では、スロットが周方向に等角ピッチに形成されている固定子鉄心を用いている。つまり、上記実施の形態では、スロットは、スロット開口部の中心線間の間隔をα°とする等角ピッチに形成されている。しかし、スロットが、スロット開口部の中心線間の間隔をα°とα°(≠α)とを交互にとる不等ピッチに形成されている固定子鉄心を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、固定子巻線を連続線からなる導体線を用いて作製するものとしているが、固定子巻線をU字状の導体セグメントを用いて作製しても良い。
また、上記実施の形態では、断面矩形の導体線を用いるものとしているが、導体線の断面形状は矩形に限定されるものではなく、例えば円形断面でも良い。
また、上記実施の形態では、第1巻線乃至第6巻線を図2に示される結線方法に基づいて結線するものとしているが、第1巻線乃至第6巻線の結線方法のこれに限定されるものではなく、所望の回路構成に合わせて適宜設定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の一実施の形態に係る固定子を搭載した回転電機を示す縦断面図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係る固定子における固定子巻線の構成を説明する固定子鉄心のリヤ側端面図である。
【図3】この発明の一実施の形態に係る固定子を搭載した回転電機の回路図である。
【図4】この発明の一実施の形態に係る固定子の要部を示す側面図である。
【図5】この発明の一実施の形態に係る固定子の要部をリヤ側から見た図である。
【符号の説明】
【0033】
8 固定子、15 固定子鉄心、15a スロット、16 固定子巻線、16a a相巻線、16a 第1リード部、16a 第2リード部、16b b相巻線、16b 第1リード部、16b 第2リード部、16c c相巻線、16c 第1リード部、16c 第2リード部、16d d相巻線、16e e相巻線、16f f相巻線、16r リヤ側コイルエンド群、25 紐(締着部材)。




 

 


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