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発明の名称 単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置及びエアギャップ偏心検査方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37323(P2007−37323A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−218469(P2005−218469)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
発明者 國分 忍 / 岩崎 俊明 / 浮岡 元一
要約 課題

ロータ回転中のエアギャップ偏心量及び偏心方向を測定することにより、正確にエアギャップの良否判定をすることができるようにする。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
主軸と共に回転するロータと、主巻線と補助巻線とを備え前記ロータとの間でエアギャップを有するように配置されたステータとからなる単相誘導機において、交流電源を印加した際に、上記主巻線及び補助巻線のうち一方の巻線によりエアギャップに誘起される磁束が他方の巻線によりエアギャップに誘起される磁束より大きい状態で、その磁束の周期より小さい回転周期にてロータを回転させる駆動回路と、上記磁束の大きい巻線の磁束と垂直方向における振動を計測する振動計測手段と、上記振動計測手段により計測された振動波形の振幅あるいは形状を分析して上記ロータの位相により変化する上記エアギャップ偏心量とエアギャップ偏心方向を計算する計算手段とを備えたことを特徴とする単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、前記主巻線または補助巻線に流れる交流電流をそのいずれか一方が大となるように変化させる電流変化手段と、前記主巻線と補助巻線に流れる交流電流に位相差を発生させ、磁束の周期の2/3以下の回転周期にてロータを回転させる電圧調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記主巻線または補助巻線に流れる交流電流の周波数を変更できる周波数変換器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置。
【請求項4】
前記駆動回路は、前記主巻線または補助巻線に流れる交流電流のノイズを抑制するノイズフィルタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置。
【請求項5】
主軸と共に回転するロータと、主巻線と補助巻線とを備え前記ロータとの間でエアギャップを有するように配置されたステータとからなる単相誘導機のエアギャップ偏心検査方法において、
上記主巻線または補助巻線に流れる交流電流を調整し、主巻線によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束より大きい回転磁界か、補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線によりエアギャップに誘起される磁束より大きい回転磁界で、ロータを回転させ、回転駆動中にエアギャップに誘起される磁束が一方に比べて大なる巻線の巻線方向と垂直方向における振動波形の振幅あるいは形状を計測することにより、ロータの位相により変化する上記エアギャップ偏心量とエアギャップ偏心方向を計算できるようにしたことを特徴とするエアギャップ偏心検査方法。
【請求項6】
前記主巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを前記補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きく設定する工程、
前記主巻線と補助巻線に流れる交流電流に位相差を発生させるように設定し、交流電流を流し、交流電流の周期の2/3以下の回転周期にて前記ロータを回転する工程、
前記主巻線の巻線方向と垂直な半径方向より振動を計測する工程、
得られた振動の大きさ及び方向から、前記主巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップ偏心量と偏心方向を計算する工程、
前記補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを前記主巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きく設定する工程、
前記補助巻線の巻線方向と垂直な半径方向より振動を計測する工程、
得られた振動の大きさ及び方向から、前記補助巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップ偏心量と偏心方向を計算する工程、
上記で得られたエアギャップ偏心量及び偏心方向の結果から、エアギャップの良否を判定する工程、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載のエアギャップ偏心検査方法。
【請求項7】
前記主巻線と補助巻線に流れる交流電流に位相差を発生させ、交流電流を流し、交流電流の周期の2/3以下の回転周期にて前記ロータを回転する工程において、前記主巻線または補助巻線に流れる交流電流の周波数を変化させる工程を備えたことを特徴とする請求項6に記載のエアギャップ偏心検査方法。
【請求項8】
エアギャップ偏心方向の計算工程において、振動の正成分と負成分のそれぞれの振幅の平均値を比較して求めることを特徴とする請求項6に記載のエアギャップ偏心検査方法。
【請求項9】
エアギャップ偏心量及び偏心方向の結果から、エアギャップの良否を判定する工程において、前記主軸一回転中のエアギャップ偏心量のばらつきを計算することにより、エアギャップの良否を判定することを特徴とする請求項6に記載のエアギャップ偏心検査方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置及びエアギャップ偏心検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単相誘導機のエアギャップ偏心状態を計測するために、誘導電動機の主巻線または補助巻線のどちらか一方に低電圧を加え、電動機を回転させず拘束状態(単相ロック状態とも呼ぶ)とし、拘束状態において生じる振動をステータの半径方向より計測し、得られた振動波形と印加した電圧波形からエアギャップ偏心状態を計算する方法が例えば特許文献1(特開昭60−152262)あるいは特許文献2(特開平6−284655)により既に知られている。
【0003】
一般に単相誘導電動機は、図23のように構成されており、ステータ6に主巻線10(実線)と補助巻線11(点線)が設けられている。例えば、主巻線10のみに100V仕様であれば30−40Vの電圧を印加すると、ロータ5は回転することなく停止した状態で、主巻線10の電流により磁束ができ、ロータ5に磁気吸引力が作用し、電磁振動を発生させる。上述の特許文献のものは、上記電磁振動に着目して電動機のステータの半径方向の振動を検出し、その振動波形と主巻線10に印加した電圧波形との関係により、エアギャップの偏心方向および大きさを検出するようにしたものである。
【0004】
図24はその検査方法の概略図を示しており、弾性体(図示されていない)上に置かれた電動機のフレーム(図示されていない)に加速度ピックアップ13を取り付け、この出力を図示されていない増幅器を経てブラウン管オシロスコープに入力し、これに振動波形が描かれるようになっている。一方、電動機には、30−40Vの低電圧が印加され、この電圧も前記ブラウン管オシロスコープの他方のチャンネルに入力され電圧波形も同時に描き出されるようになっている。
【0005】
例えば、図24に示す如くエアギャップ3がδ1とδ2のように大きさが異なった場合、印加された電圧により電流が流れて磁束が発生し、磁束が最大の時磁気吸引力も最大となるので、磁束が最大の時にロータがエアギャップの小さいδ1側に移動する動きを生じる(矢印参照)。図25は上記とは逆にエアギャップ3のδ2側が小さい場合を示しており、同じく磁束が最大の時にエアギャップの小さいδ2側に動きを生ずる(矢印参照)ものである。図26はその動作波形の一例を示すもので、図26(a)は図24の状態の時であり、図26(b)は図25の状態に対応している。それぞれのイの実線は電圧波形、破線は磁束の波形を示し、電圧の波形よりπ/2遅れている。また、ロは磁束により吸引力が生じそれによって発生する振動波形を示している。
【0006】
図26(a)は磁束が最大の時(○印)に振動も最大となっており(●印)、このときの電圧波形は下りのスロープ(□印)の位置である。一方、図26(b)は、磁束が最大の時(○印)に振動は最小となっている(●印)。上記のように磁束の最大点=電圧はπ/2進み、下りのスロープの時の振動波形が最大か最小かによってエアギャップの大きさの状態を判別することができる。また振幅Dが小さければ振動が小さいことにより、エアギャップの偏心の小さいことを現している。したがって、上記のことより、エアギャップの偏心方向およびその大きさの検出が可能となるものである。
【0007】
【特許文献1】特開昭60−152262
【特許文献2】特開平6−284655
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述のような検査方法を用いて計測を行う場合、下記のような問題がある。
実際の製品では、部品の加工精度や組立精度により、回転中心である主軸104に対してロータ103が偏心していたり、湾曲していたりするため、主軸104が回転した際、ロータ103とステータ105の間の最小エアギャップ位相が変化する。図27はロータ103が主軸104の回転中心に対して偏心して組み付けられている場合のエアギャップ偏心の模式図であり、(a)は主軸104の位相(ロータ位相)が0度の時のE-E断面図であり、(b)は主軸104が回転し、主軸104の位相が180度の時のF-F断面図をそれぞれ示している。
【0009】
すなわち、図27(a)の(ロ)では左側にエアギャップ最小位相があるが、図27(b)の(ロ)では右側にエアギャップ最小位相が存在する。また上記の他にも、ステータ105が主軸104の回転中心に対して偏心して位置決めされていたり、かつ主軸104がロータ103に対して偏心している場合では、主軸104の位相によりエアギャップ偏心量がロータ103の回転位相により様々に変化する場合が存在する。
【0010】
図28は、ステータ105が主軸104の回転中心に対して偏心して位置決めされており、かつロータ103が主軸104に対して偏心している場合の模式図であり、(a)は主軸104に対するロータ103の偏心方向とステータ105の偏心方向が同一である場合(0度位相)を、(b)は主軸104が回転し、主軸104に対するロータ103の偏心方向とステータ105の偏心方向が逆になる場合(180度位相)をそれぞれ示している。すなわち、図28(a)の(ロ)ではエアギャップ偏心量が小さいが、図28(b)の(ロ)では、エアギャップ偏心量が大きい。
なお、図29は、主軸104に対してロータが湾曲している場合のエアギャップ偏心の模式図を示している。
【0011】
このように、実際の製品のエアギャップ偏心状態は、部品の加工精度や、組立精度により、主軸104に固定されたロータ103の回転位相により様々に変化する。
その結果、従来技術のように低電圧を印加し、ロータが回転することのない停止状態で、振動を計測することで、エアギャップ偏心状態を計測する方法では、ロータの位相を考慮していないため、エアギャップの良否判定に誤りが発生する。
例えば、図28(a)の0 deg位相にて偏心量を測定すれば、偏心量が小さいため良品と判断されたとしても、図28(b)の180deg位相にて偏心量を測定すれば、比較的に偏心量が大きいため、良品と判定されないというようにロータ103の位相により異なった判定結果となる問題が発生していた。
【0012】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ロータ103の位相により変化するエアギャップ偏心状態(偏心量及び方向)を精度よく測定するとともに、得られた偏心計測結果より、エアギャップの良否判定を確実に行うことができる検査方法および検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に基づく単相誘導機のエアギャップ偏心検出装置においては、上記課題を解決するために、主巻線または補助巻線に流れる交流電流を調整し、主巻線によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束より大きい回転磁界か、補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線によりエアギャップに誘起される磁束より大きい回転磁界で、その交流電流の周期より小さい回転周期にてロータの回転が可能な駆動回路を構成し、エアギャップに誘起される磁束が一方に比べて大なる巻線の巻線方向と垂直方向に振動計測手段(振動検出センサ)を装着し、回転駆動中に得られた振動の振動波形の振幅あるいは形状を計測することにより、ロータの位相により変化する上記エアギャップ偏心量とエアギャップ偏心方向を計算できるようにしている。
【0014】
また、本発明に基づく単相誘導機エアギャップ偏心検査方法においては、上記課題を解決するために、主巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを、補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくし、ロータを磁束の周期より小さい回転周期にて回転し、生じた振動を主巻線の巻線方向と垂直な方向より計測し、得られた振動波形の振幅あるいは形状より、ロータの位相により変化する主巻線の巻線方向のエアギャップ偏心状態の変化を計算するようにしたものである。
【0015】
また、同様に補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを、主巻線によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくし、ロータを磁束の周期より小さい回転周期にて回転し、生じた振動を補助巻線と垂直な方向より計測し、得られた振動波形の振幅あるいは形状より、ロータの位相により変化する補助巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップ偏心状態の変化を計算するようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記のように構成したので、次のような優れた効果を有する。すなわち、
(1)補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線によりエアギャップに誘起される磁束に比べて小さい条件にて、磁束の周期より小さい回転周期にてロータが回転される際に生じる主巻線の巻線方向と垂直な方向の振動の大きさは、主巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップの偏心量に応じて変化する。よって、ロータの位相により変化する振動の大きさを介して、主巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップ偏心量及び偏心方向を計算することができる。
【0017】
(2)主巻線によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線によりエアギャップに誘起される磁束に比べて小さい条件にて、磁束の周期より小さい回転周期にてロータが回転される際に生じる補助巻線の巻線方向と垂直な方向の振動の大きさは、補助巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップの偏心量に応じて変化する。よって、ロータの位相により変化する振動の大きさを介して、補助巻線の巻線方向と垂直な方向のエアギャップ偏心量及び偏心方向を計算することができる。
(3)上記にて得られたエアギャップ偏心計算結果より、ロータの位相により変化するエアギャップ偏心状態を精度よく計算できるので、エアギャップ偏心状態の良否を確実に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
本発明に基づく単相誘導機のエアギャップ偏心検査方法及びエアギャップ偏心検出装置について図を参照して詳細に説明する。
図1に本発明を適用する製品例として、単相誘導機を内在する冷凍・空調機用の圧縮機の縦方向断面図を示している。図2は図1の矢視Bから見た横方向断面図である。
【0019】
図中、103、105は単相誘導機の主要部品であるロータ及びステータであり、ロータ103とステータ105の間の円筒状の空間には、エアギャップ100が存在する。ステータ105は圧力容器であるシェル102に焼嵌め固定され、ロータ103は主軸104と焼嵌めにより一体に固定されている。主軸104はフレーム106、シリンダヘッド109内に内在するすべり軸受(図示されていない)によって支持されている。フレーム106、シリンダヘッド109はシリンダ107にボルト(図示されていない)にて固定されており、シリンダ107はシェル102に3点ある溶接点108(図3にて1点のみ図示している)にて溶接固定されている。
【0020】
110はステータ105に設けられた図2に示す主巻線114および補助巻線113へ電流を供給する端子であり、シェル102に対して溶接固定されている。シェル102には圧縮前の気体の吸入口であるマフラ112及び圧縮した気体を外部へ排出する吐出パイプ111がロウ付けにより固定されており、圧縮前の気体はマフラ112より吸入されたあとシリンダ107内にて圧縮されフレーム106からシェル102内に吐出された後、吐出パイプ111を通ってシェル102の外に吐出される。なお、115は主軸104の一部に軸方向に設けられた切欠きを示す。
【0021】
図3は上記した単相誘導機を内在する冷凍空調機用圧縮機を被計測体としたエアギャップ偏心検出装置の概略断面図である。図4は、図3の矢視Aから見た横方向断面図である。 図中、117は、端子110を介して圧縮機内の単相誘導機に通電するための接続端子である。118は、通電した際に生じる振動を計測する振動計測手段となる加速度ピックアップであり、図4に示すように主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束と垂直方向に設けられた第1の加速度ピックアップ118aと、また補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束と垂直方向に設けられた第2の加速度ピックアップ118bから構成され、互いに90°ずらせて配置されている。
【0022】
この加速度ピックアップ118a、118bは、加速度ピックアップ前進シリンダ120により、半径方向に移動可能であり、振動計測時にはピックアップ除振材119を介してシェル102に押し付けられ、通電した際に生じる振動を測定する。122は圧縮機が加速度ピックアップシリンダ120の半径方向の力により計測ユニットベース板125に対して横転することを防止するためのクランプ爪であり、クランプ除振材121を介してクランプシリンダ123の推力により、シェル102を横方向から把持することができる。シェル102の下にはワーク除振材124が配置されている。計測ユニットベース板125の下には防振材126が配置されており、計測部に外部からの振動が伝播することを防止している。
【0023】
128は、通電した際に生じた振動波形からエアギャップ偏心量及び偏心方向を計算する計算手段となるコンピュータ、116は計算結果を表示するコンピュータの表示器、130は加速度ピックアップ118の電気信号を増幅処理する加速度ピックアップアンプ、129は加速度ピックアップアンプ130により増幅された信号をコンピュータに取り込むためのA/Dボードである。127は主巻線114及び補助巻線113に通電する交流電圧の電圧調整手段となる電圧調整器、131、132は通電した際に生じる、主巻線114あるいは補助巻線113に流れる交流電流の大きさを調整するための電流変化手段の一部を構成する抵抗器及びコンデンサである。133は電気機器類を固定するための架台である。
【0024】
図5は本装置を用いたエアギャップ偏心検査方法を示すフローチャート図である。また図6は主巻線磁束大設定時の単相誘導電動機の駆動回路の模式図、図7は補助巻線磁束大設定時の単相誘導電動機の駆動回路の模式図を示している。
以下、本フローチャートに従って本実施の形態による単相誘導機のエアギャップ偏心検査方法の詳細について図1から図4を参照しながら説明する。
ステップ1(以下ST1と記す)で先ず被計測体をワーク除振材124の上に載置し、ST2でクランプシリンダ123を用いて左右のクランプ爪122を前進させ、シェル102を横方向からクランプし、ワークを把持する。
【0025】
続いて、ST3で加速度ピックアップシリンダ120を用いて加速度ピックアップ118を前進させ、主巻線114の巻線方向と垂直方向(図4では118a)及び補助巻線113の巻線方向と垂直方向(図4では118b)から、加速度ピックアップ118a、118bをシェル102に対して押し付ける。ST4で接続端子117と端子110を接続し、同時に図6に示す単相誘導機の駆動回路において、主巻線スイッチ138の接続先を接点B:137側とする。
【0026】
次にST5において、上記駆動回路において、補助巻線スイッチ140の接続先を接点C:141側とし、補助巻線113に直列に補助巻線抵抗器142及び補助巻線コンデンサ143を接続する。これにより主巻線114に流れる電流を大、補助巻線113に流れる電流を小となるように個々の巻線に流れる電流を調整して、通電時に生じる主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくする。図8はこのときの個々の巻線の磁束波形を示す図である。図中(a)は主巻線磁束の大きさ、(b)は補助巻線磁束の大きさを表している。
【0027】
ST6では、交流電源139の電圧を電圧調整器127により特定の電圧に調整する。
続いてST7では、この状態で一定時間通電し、加速度ピックアップ118aにて主巻線114の巻線方向と垂直な方向より、振動を計測する。振動データは、加速度ピックアップアンプ130により増幅され、A/Dボード129を介してコンピュータ128に取込まれ、コンピュータ128に保存される。ST8ではST7で計測された振動波形の形状からコンピュータ128により、主巻線114の巻線方向と垂直方向のエアギャップ偏心方向及びエアギャップ偏心量を求める。
【0028】
以上は主巻線磁束大設定時の検査フローを説明したが、次に補助巻線大設定時の検査フローを説明する。すなわちST9では、図7に示す駆動回路において、主巻線スイッチ138の接続先を接点A:136側とし、主巻線114に直列に主巻線抵抗器135及び主巻線コンデンサ134を接続し、続いてST10において補助巻線スイッチ140の接続先を接点D:144側とする。このように個々の巻線に流れる電流を調整し、通電時に生じる補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくする。図9はこのときの個々の巻線の磁束波形を示す図である。図中(a)は主巻線磁束の大きさ、(b)は補助巻線磁束の大きさを表している。なお、上記主巻線スイッチ138、主巻線抵抗器135及び主巻線コンデンサ134からなる主巻線用切替え回路、及び補助巻線スイッチ140、補助巻線抵抗器142及び補助巻線コンデンサ143からなる補助巻線用切替え回路は電流変化手段の一例を構成するものである。
【0029】
ST11では電圧調整器127により特定の電源電圧に調整する。
ST12では、この状態で一定時間通電し、加速度ピックアップ118bにて補助巻線113の巻線方向と垂直な方向より、振動を計測する。振動データは、加速度ピックアップアンプ130により増幅され、A/Dボード129を介してコンピュータ128に取込まれ、コンピュータ128に保存される。ST13ではST12で計測された振動波形の形状からコンピュータ128により、補助巻線113の巻線方向と垂直方向のエアギャップ偏心方向及びエアギャップ偏心量を求める。
【0030】
上記検査フローの後、ST14ではST8、ST13で計測されたエアギャップ(AG)偏心量より、エアギャップの良否を判定し、表示機116に結果を表示する。
続いてST15で、加速度ピックアップシリンダ120を用いて加速度ピックアップ118を後退させ、ST16でクランプシリンダ123を用いてクランプ爪122を後退させる。最後にST17でワークを装置より取り除く。
【0031】
ここで、ST4、ST5において接続される補助巻線抵抗器142の大きさ及び補助巻線コンデンサ143の容量、ST6において調整される電圧の大きさ、ST9、ST10において接続される主巻線抵抗器135の大きさ及び補助巻線コンデンサ134の容量、ST11において調整される電圧の大きさは、各巻線に流れる交流電流の周期の2/3以下の回転周期にてロータ103が回転するように調整された抵抗の大きさ、コンデンサ容量、電圧の大きさであり、様々な値の組み合わせが存在する。また、ここでそれぞれの巻線によりエアギャップに誘起される磁束を調整する手段として、電圧調整器、コンデンサ、抵抗器を用いたが、巻線の電流を調整する電流調整器を用いてもよい。
【0032】
一般に磁束と直行する方向のギャップに不平衡がある場合、ギャップの狭い方向にロータ103が移動する。磁束を生じさせる巻線電流の電源が交流の場合、例えば単相2極誘導機であれば、巻線電流の周期と振動電流の周期との関係は、図10のようになる。図10において、(a)は振動電流の波形を、(b)は巻線電流の波形をそれぞれ示しており、これから振動電流は交流電源の周波数の倍の振動が発生する。
図11は主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大きい場合の磁界の様子を表した模式図であり、図では主巻線114の巻線方向と直行するギャップA〜ギャップB方向にて不平衡が生じているため、ギャップの狭いギャップA方向に不平衡磁気吸引力(矢印)が作用し、ギャップA方向にロータ103が移動する。逆にギャップBがギャップAに比べて狭い場合は、ギャップB方向に不平衡磁気吸引力が作用し、ギャップB方向にロータ103が移動する(図示せず)。
【0033】
図12は補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大きい場合の磁束の様子を表した模式図であり、図では補助巻線113の巻線方向と直行するギャップC〜ギャップD方向にて不平衡が生じているため、ギャップの狭いギャップD方向に不平衡磁気吸引力(矢印)が作用し、ギャップD方向にロータ103が移動する。逆にギャップCがギャップDに比べて狭い場合は、ギャップC方向に不平衡磁気吸引力が作用し、ギャップC方向にロータ103が移動する(図示せず)。
【0034】
図13及び図14は、振動波形の形状よりエアギャップ偏心方向を計算する方法を説明するもので、エアギャップ偏心方向と加速度ピックアップ押し付け方向(振動計測方向)及び計測波形を示すものである。図13は加速度ピックアップの押付け方向と逆方向にエアギャップ小位相が存在する場合のエアギャップ偏心の概略図(a)及び振動波形の模式図(b)であり、図14は加速度ピックアップの押付け方向と同方向にエアギャップ小位相が存在する場合のエアギャップ偏心の概略図(a)及び振動波形の模式図(b)である。
図13のように加速度ピックアップ118の押し付け方向とエアギャップ偏心方向が逆である場合には、振動波形は正方向に大きく振れる波形となる。ゆえに振動の1周期において、正方向の絶対値と負方向の絶対値の大きさを比較すると、正方向の絶対値の方が大きい。
【0035】
逆に図14のように加速度ピックアップ118の押し付け方向とエアギャップ偏心方向が同じである場合には、振動波形は負方向に大きく振れる波形となる。ゆえに振動の1周期において、正方向の絶対値と負方向の絶対値の大きさを比較すると、負方向の絶対値の方が大きい。従って、前述のST8あるいはST13において、得られた振動の1周期において、正方向の振動の強さの絶対値と負方向の振動の強さの絶対値を比較し、絶対値の大きい方向の符号が、エアギャップ偏心方向(エアギャップ狭方向)である性質を用いて、エアギャップ偏心方向を計算する。
【0036】
エアギャップ偏心量は、主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大きい場合の駆動回路(図6)、及び補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大きい場合の駆動回路(図7)のそれぞれにおいて、前もってそれぞれの巻線方向と直行する方向のエアギャップ偏心量と振動の強さの絶対値の関係を調査しておくことにより、振動の強さの絶対値からエアギャップ偏心量を計算することができる。
【0037】
図15は本発明により計測される振動波形を示した概略図である。図16は振動の強さと巻線(磁束)と直行する方向のエアギャップ偏心量(ロータ103のステータ105に対する芯ずれ量)の関係を示した模式図である。
ここで、振動の強さの絶対値は、正方向の振動、負方向の振動のうち、振動の絶対値の大きい方向の振動の絶対値の平均値(図15ではFavg+)でも、正方向の振動の強さの絶対値の平均値(図15ではFavg+)と負方向の振動の強さの絶対値の平均値(図13ではFavg-)の平均値、あるいは振動の実効値でもよい。
【0038】
ST4からST6において通電時の主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束を補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大とするのは、ロータ103回転時に主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束により主巻線114の巻線方向と垂直方向のエアギャップ狭方向にロータ103が移動する力が、補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束により補助巻線113の巻線方向と垂直方向のエアギャップ狭方向にロータ103が移動する力に比べて大きくなり、これによって補助巻線113と垂直方向のロータ103の振動に比べて、主巻線114と垂直方向のロータ103の振動が大きくなるためである。最も好ましい状態では、補助巻線113と垂直方向のロータ103の振動する力が主巻線114と垂直方向のロータ103の振動する力と比較して無視できるほど小さい状態とすることができる。その結果、主巻線114方向と垂直方向のエアギャップ偏心量を正確に計算することができる。
【0039】
同様にST9からST11において通電時、補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束を主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束に比べて大とするのは、ロータ103回転時に補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束により補助巻線113の巻線方向と垂直方向のエアギャップ狭方向にロータ103が移動する力が主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束により主巻線114の巻線方向と垂直方向のエアギャップ狭方向にロータ103が移動する力に比べて大きくなり、これによって主巻線114と垂直方向のロータ103の振動に比べて、補助巻線113と垂直方向のロータ103の振動が大きくなるためである。最も好ましい状態では、主巻線114と垂直方向のロータ103の振動する力が補助巻線113と垂直方向のロータ103の振動すする力に比べて無視できるほど小さい状態とすることができる。その結果、補助巻線113方向と垂直方向のエアギャップ偏心量を正確に計算することができる。
【0040】
よって、上記ST4からST6、ST9からST11においては、通電時の主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束と補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束の差が大きいほど正確なエアギャップ偏心計測結果を得られる。
ST4からST6においてあるいはST9からST11において、電圧調整器127において特定の電源電圧を調整し、磁束の周期(この場合電源の周波数に等しい)の2/3以下の回転周期にてロータ103が回転するように調整するのは、図10のようにロータ103の振動は、電源周波数の2倍の周期で振動するから、ロータ103が1回転する間に少なくとも3周期の振動が生じることにより、ロータ103の1回の回転あたり3位相のエアギャップ偏心量及び偏心方向を計算することができる。したがって、磁束の周期より低速であればあるほど、正確なエアギャップ偏心状態を求めることができる。
【0041】
また、ST14にて、良否を判定する方法は、前もって良品とされるエアギャップ偏心の大きさを主巻線114の巻線方向、補助巻線113の巻線方向でそれぞれ計測しておき、計測された主巻線114の巻線方向及び補助巻線113の巻線方向の偏心の大きさがそれぞれ大きいか小さいかで良否を判定する方法、あるいは、前もって良品とされる単相誘導機の主巻線114の巻線方向の偏心ベクトルと補助巻線113の巻線方向の偏心ベクトルの絶対値が、計測された偏心ベクトルの絶対値より大きいか小さいかで良否を判定する方法がある。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、部品の加工精度や、組立精度により主軸104の回転中心に対してロータ103が偏心していたり、湾曲していたりしていたりすることにより、主軸104が回転した際、ロータ103とステータ105の間のエアギャップが変化する場合においても、エアギャップ偏心量及びエアギャップ偏心方向を精度よく計算することができるので、正確にエアギャップの良否を判定することができる。
【0043】
実施の形態2.
図17は、本発明の実施の形態2にて説明する検査方法を示すフローチャート図である。以下、本フローチャートに従って本装置を用いたエアギャップ偏心検査方法の詳細について説明する。図5において説明した実施の形態1と異なる部分は、交流電源139に周波数変換器145を追加し、電源周波数を調整できるようにした点である。図18は主巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図であり、図19は補助巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図である。以下、図17のフローチャートに従い説明する。
【0044】
ST1:被計測体をワーク除振材124の上に載置する。
ST2:クランプシリンダ123を用いて図左右のクランプ爪122を前進させ、シェル102を横方向からクランプし、ワークを把持する。
ST3:加速度ピックアップシリンダ120を用いて加速度ピックアップ118を前進させ、主巻線114の巻線方向と垂直方向(図4では118a)及び113補助巻線の巻線方向と垂直方向(図4では118b)から、加速度ピックアップ118をシェル102に対して押し付ける。
【0045】
ST4:接続端子117と端子110を接続し、図18に示す駆動回路において、主巻線スイッチ138の接続先を接点B :137側とする。
ST5:図186に示す駆動回路において、補助巻線スイッチ140の接続先を接点C :141側とし、補助巻線113に直列に補助巻線抵抗器142及び補助巻線コンデンサ143を接続し、個々の巻線に流れる電流を調整し、図8にように通電時に生じる主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくする。
【0046】
ST6−1:周波数変換器145により特定の電源電圧周波数に調整する。
ST6−2:電圧調整器127により特定の電源電圧に調整する。
ST7:通電し、加速度ピックアップ118aにて主巻線114の巻線方向と垂直方向より、振動を計測する。振動データは、加速度ピックアップアンプ130により増幅され、A/Dボード129を介してコンピュータ128に取込まれ、コンピュータ128に保存される。
【0047】
ST8:ST7で計測された振動波形の形状からコンピュータ128により、主巻線114の磁束方向と垂直方向のエアギャップ偏心方向及びエアギャップ偏心量を求める。
ST9:図19に示す駆動回路において、主巻線スイッチ138の接続先を接点A: 136側とし、主巻線に直列に主巻線抵抗器135及び主巻線コンデンサ134を接続し、個々の巻線に流れる電流を調整し、図9のように通電時に生じる補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束の大きさを主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束の大きさより大きくする。
【0048】
ST10:図17に示す駆動回路において、補助巻線スイッチ140の接続先を接点D :144側とする。
ST11−1:周波数変換器145により特定の電源電圧周波数に調整する。
ST11−2:電圧調整器127により特定の電源電圧に調整する。
ST12:通電し、加速度ピックアップ118にて補助巻線113の巻線方向と垂直方向より、振動を計測する。振動データは、加速度ピックアップアンプ130により増幅され、A/Dボード129を介してコンピュータ128に取込まれ、コンピュータ128に保存される。
【0049】
ST13:ST12で計測された振動波形の形状からコンピュータ128により、補助巻線113巻線方向と垂直方向のエアギャップ偏心方向及びエアギャップ偏心量を求める。
ST14:ST8、ST13で計測されたエアギャップ偏心量より、エアギャップの良否を判定し、表示機116に結果を表示する。
ST15:加速度ピックアップシリンダ120を用いて加速度ピックアップ118を後退させる。
ST16:クランプシリンダ123を用いてクランプ爪122を後退させる。
ST17:ワークを装置より取り除く。
【0050】
ここで、ST4、ST5において接続される補助巻線抵抗器142の大きさ及び補助巻線コンデンサ143の容量、ST6−1において調整される電源周波数、ST6−2において調整される電圧の大きさ、ST9、ST10において接続される補助巻線抵抗器135の大きさ及び補助巻線コンデンサ134の容量、ST11−1において調整される電源周波数、ST11−2において調整される電圧の大きさは、磁束の周期の2/3以下の回転周期にてロータ103が回転するように調整された抵抗器の大きさ、コンデンサ容量、電圧の大きさであり、様々な値の組み合わせが存在する。また、ここでそれぞれの巻線によりエアギャップに誘起される磁束を調整する手段として、電圧調整器、コンデンサ、抵抗器を用いたが、巻線の電流を調整する電流調整器を用いてもよい。
【0051】
この実施の形態2によれば、ロータ103の振動周波数、およびロータ103の回転周期を様々に変化させることができ、下記のような効果がある。すなわち、主軸受(図示されていない)には油が塗布されており、高速に主軸104が回転すると、上記主軸受に油膜反力が発生し、これが計測される振動に誤差を発生させる可能性がある。また、誘導機では、電源周波数によりロータ103の回転数が変化する。よって、ST6−1あるいはST11−1において、電源周波数を調整することにより、主軸104の回転速度を低速にして、上記油膜反力の影響を最小限に抑えることができる作用がある。
また、電源周波数の整数倍が単相誘導機の固有振動数に等しい場合、共振するため、計測される振動が大きくなり、振動の方向の測定が困難になる可能性がある。ST6−1あるいはST11−1において、電源周波数を調整することにより、共振周波数を避けるように構成することができる作用がある。
【0052】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3にて説明する検査方法を図20、図15を用いて説明する。図20(a)(b)は、ロータ位相を90°変化させた場合のエアギャップ偏心の概略図及び計測される振動波形の模式図を示すものである。
実施の形態1あるいは実施の形態2のST8、13においては、振動の1周期よりエアギャップ偏心方向を決定する方法を示したが、図20(b)のD断面ようにエアギャップ偏心量(ギャップHとギャップGのギャップ差)が小さく、振動波形の検出が不可能であったり、外乱により振動波形の検出精度が低下し振動波形の正負の判別が不可能であったり、図27のようにエアギャップ最小位相が変化する場合は、振動の1周期では偏心方向を計算することが困難な場合がある。
【0053】
そこで、図15のように主軸104一回転中の正方向の振動と負方向の振動を分離し、それぞれの振動の大きさの絶対値の平均を比較することにより、主軸104の1回転中の平均的なエアギャップ偏心方向を計測することができる。
また、図15の主軸104の1回転中の振動の大きさのばらつきσfは、ロータ103の偏心、ロータの部品の加工精度や組立精度によるものであるから、ばらつきσfの大小を製品の良否の判定基準として用いることができる。
【0054】
実施の形態4.
図21は、実施の形態1において交流電源139にノイズフィルタ146が接続される場合の駆動回路である。 なお、図21はST4〜6の主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束より大の駆動条件の回路図を示しているが、ST9〜11の補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束より大の駆動条件の場合も同様の位置にノイズフィルタを配置する。
【0055】
電源電圧に電源以外のノイズ電圧が含まれる場合、通電した際に発生する振動の大きさとエアギャップ偏心量の関係が変化し、正確なエアギャップ偏心量の計算ができない。
そこで、図21のようにノイズフィルタ146を配置することにより、上記ノイズが含まれた場合の精度悪化を低減することができる。
図22は、実施の形態2において周波数変換器145にノイズフィルタ146が接続される場合の駆動回路である。なお、図22はST4〜6−2の主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束が補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束より大の駆動条件の回路図を示しているが、ST9〜11−2の補助巻線113によりエアギャップに誘起される磁束が主巻線114によりエアギャップに誘起される磁束より大の駆動条件の場合も同様の位置にノイズフィルタを配置する。
【0056】
周波数変換器から出力される電圧に高周波の電圧が含まれる場合、通電した際に発生する振動の大きさとエアギャップ偏心量の関係が変化し、正確なエアギャップ偏心量の計算ができない。図22のようにノイズフィルタ146を配置することにより、上記高周波電圧が含まれた場合の精度悪化を低減することができる。
【0057】
なお、上記実施の形態1または2においては、インピーダンス固定型のコンデンサ・抵抗器を駆動回路に組み込むようにしたが、可変型のコンデンサ・抵抗器を使用してもよく、その場合多機種の単相誘導機に対応する駆動回路を比較的安価に構成できる。
また、交流印加時に発生する主巻線114磁束と補助巻線113磁束の大きさの比を調整する手段にコンデンサと抵抗器を用いたが、リアクタンスを接続して各巻線のインピーダンスを調整してもよい。
【0058】
更に、図1では計測体に押し付け振動を測定するタイプのピックアップを図示したが、マグネットあるいは接着剤等にて装着するタイプを用いてもよく、その場合、シェルをクランプするクランプ機構を及びシリンダを設置する必要がないため、検出装置を安価に構成することができる。また、振動を計測するセンサとして加速度ピックアップを用いたが、加速度を計測するタイプでなく、速度、あるいは変位を測定できるものでもかまわない。
【0059】
また、通電の際発生する振動の周波数は一般に電源周波数の整数倍であるから、振動を計測する手段において、加速度ピックアップあるいはアンプには、特定周波数のみを記録する振動検出器あるいはバンドパスフィルター内蔵のタイプを用いてもよい。この場合、装置外部からの振動を遮断することができるため、高精度に通電により発生する振動を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】単相誘導機を内在する冷凍・空調機用の圧縮機の縦方向断面図、
【図2】図1矢視Bから見た横方向断面図、
【図3】本発明のエアギャップ検出装置の概略図、
【図4】図3矢視Aから見た横方向断面図、
【図5】本発明の実施の形態1に関わるエアギャップ検査方法を示したフローチャート図、
【図6】主巻線磁束大設定時の単相誘導電動機の駆動回路の模式図、
【図7】補助巻線磁束大設定時の単相誘導電動機の駆動回路の模式図、
【図8】主巻線磁束大時の磁束波形図、
【図9】補助巻線磁束大時の磁束波形図、
【図10】巻線電流の周期と振動波形の周期の関係を示した模式図、
【図11】主巻線磁束大時の不平衡磁気吸引力作用方向を示した模式図、
【図12】補助巻線磁束大時の不平衡磁気吸引力作用方向を示した模式図、
【図13】加速度ピックアップの押付け方向と同方向にエアギャップ小位相が存在する場合のエアギャップ偏心の概略図及び振動波形の模式図、
【図14】加速度ピックアップの押付け方向と逆方向にエアギャップ小位相が存在する場合のエアギャップ偏心の概略図及び振動波形の模式図、
【図15】ロータ位相を変化させた場合の振動の大きさのばらつきを説明した模式図、
【図16】振動の強さと磁束と直行する方向のエアギャップ偏心量の関係を示した模式図、
【図17】本発明実施の形態2に関わるエアギャップ検査方法を示したフローチャート図、
【図18】本発明の実施の形態2における主巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図、
【図19】本発明の実施の形態2における補助巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図、
【図20】ロータ位相を変化させた場合のエアギャップ偏心の概略図及び計測される振動波形の模式図、
【図21】本発明の実施の形態4における主巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図、
【図22】本発明の実施の形態2における補助巻線磁束大設定時の駆動回路を示す模式図、
【図23】従来例の単相誘導機の主要部概略図、
【図24】従来例の加速度ピックアップ取付方向と逆方向に偏心がある場合の模式図、
【図25】従来例の加速度ピックアップ取付方向に偏心がある場合の模式図、
【図26】(a)は図24のエアギャップ偏心状態の際の振動波形・電圧波形・磁束波形の模式図であり、(b)は図25のエアギャップ偏心状態の際の振動波形・電圧波形・磁束波形の模式図、
【図27】ロータが主軸の回転中心に対して偏心して組み付けられている場合のエアギャップ偏心の模式図、
【図28】ロータ及びステータが主軸の回転中心に対して偏心して組み付けられている場合のエアギャップ偏心の模式図、
【図29】ロータが湾曲している場合のエアギャップ偏心の模式図である。
【符号の説明】
【0061】
100 エアギャップ、 102 シェル、
103 ロータ、 104 主軸、
105 ステータ、 106 フレーム、
107 シリンダ、 109 シリンダヘッド、
110 端子、 111 吐出パイプ、
112 マフラ、 113 補助巻線、
114 主巻線、 116 表示器、
117 接続端子、 118 加速度ピックアップ、
118a 主巻線垂直方向加速度ピックアップ、
118b 補助巻線垂直方向加速度ピックアップ、
119 ピックアップ除振材、 120 加速度ピックアップ前進シリンダ、
121 クランプ除振材、 122 クランプ爪、
123 クランプシリンダ、 124 ワーク除振材、
125 計測ユニットベース板、 126 防振材、
127 電圧調整器、 128 コンピュータ、
129 A/Dボード、 130 加速度ピックアップアンプ、
131 抵抗器、 132 コンデンサ、
133 架台、 134 主巻線コンデンサ、
135 主巻線抵抗器、 138 主巻線スイッチ、
139 交流電源、 140 補助巻線スイッチ、
142 補助巻線抵抗器、 143 補助巻線コンデンサ、
145 周波数変換器、 146 ノイズフィルタ。




 

 


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