米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 三菱電機株式会社

発明の名称 回転電機の固定子の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37313(P2007−37313A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−218106(P2005−218106)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 西村 泰和 / 原田 佳浩 / 金澤 義則 / 広田 穣
要約 課題
固定子の巻線部材である連続導体線の端末部分である端末線を、該端末線が整列する延在平面内において、該複数の端末線が互いに損傷することを防止して、整列状態で容易に曲げ成形する。

解決手段
複数の連続導体線5を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体11を、平板状の固定子鉄心3Aに形成された複数のスロット22に装着するのに先立って、単層で整列する複数の端末線13を、該端末線13が整列する延在平面内において所定の形状に成形する端末線成形工程を備える。該端末線成形工程は、該複数の各端末線13を階段状治具19を用いて上記延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させた状態で曲げ成形し、その後、階段状治具19を取り外して複数の端末線13を上記延在平面上の配置に戻す。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の帯状の導体線を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体を、平板状の固定子鉄心に形成された複数のスロットに装着し、その後上記巻線体が装着された固定子鉄心を円筒状に成形する、回転電機の固定子の製造方法において、
上記平板状の巻線体を上記スロットに装着するに先立って、上記複数の導体線の端末部分であって単層で整列する複数の端末線を、該端末線が整列する延在平面内において所定の形状に成形する端末線成形工程を備え、
該端末線成形工程は、該複数の各端末線を上記延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させた状態で曲げ成形し、その後、上記複数の端末線を上記延在平面上の配置に戻すことを特徴とする回転電機の固定子の製造方法。
【請求項2】
上記端末線成形工程は、階段状の治具を用いて上記複数の端末線を階段状の配置とした状態で曲げ成形することを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子の製造方法。
【請求項3】
複数の帯状の導体線を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体を、平板状の固定子鉄心に形成された複数のスロットに装着し、その後上記巻線体が装着された固定子鉄心を円筒状に成形する、回転電機の固定子の製造方法において、
上記平板状の巻線体を上記スロットに装着するに先立って、上記複数の導体線の端末部分であって単層で整列する複数の端末線を、該端末線が整列する延在平面内において所定の形状に成形する端末線成形工程を備え、
該端末線成形工程は、上記複数の端末線に続く複数の導体線のスロット内挿入部における所定の箇所を起点として、該複数の導体線に捻りを加えて仮の曲げ成形を行って、上記複数の端末線の互いの隣接面を所定の角度ずらせてその整列状態を変化させ、該複数の端末線を該整列状態が変化した状態で所定形状に曲げ成形し、その後、上記複数の導体線の上記仮の曲げ成形を、上記所定の箇所を起点とした捻り戻しにより元の形状に戻して、上記複数の端末線を、元の整列状態で上記延在平面上の配置に戻すことを特徴とする回転電機の固定子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機、例えば車両用交流発電機の固定子の製造方法に関し、特に、固定子巻線端部の成形に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用交流発電機などの回転電機において、小型高出力が益々求められ、特に、固定子の磁気回路内に納める電気導体の占積率の向上、固定子巻線のコイルエンド部の整列化及び高密度化が必要とされている。このため、従来の固定子においては、固定子巻線を、複数の帯状の巻線部材を同時に折り曲げて成形した複数の巻線組合体で構成することにより、小型化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のコイル成形方法では、円環配置であるステータスロットから周方向に隣接して突出するセグメントコイル先端を、捻り治具の凹部にそれぞれ挿入して複数本同時に曲げが行われるものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来の回転電機用ステータコイルの端末線処理方法には、円環配置の固定子から延びる複数のコイル端末線を、平面状や円筒状の互いに対向する2つの部材間で挟み、移動可能な押圧部材により押圧して所定の形状に変形する方法が示される(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−176752号公報
【特許文献2】特開2004−135438号公報
【特許文献3】特開平8−205487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で示すような、複数の帯状の巻線部材が整列して巻線成形されている場合、複数の巻線部材である導体線の終端部で、各々を所定の他の導体との結線の為に成形して結線部を成形する。このような導体線の終端部での成形の際、導体線同士が近接した整列状態はそのままであり、一度に曲げ成形しようとすると、曲げの方向によっては互いが損傷し合う。特に、複数の導体線の整列によって形成される平面に対して角度を持たない、即ち該平面内での曲げ成形では損傷を防止するのは困難であった。また多数の導体線であるので、個々を曲げ成形するのは時間を要し効率的でない等の問題点があった。
また、上記特許文献2に示されるコイルの曲げ成形では、セグメントコイル本体が既に回転子のスロット内にあり、コイルの曲げ捻りはスロット突出直後の端部を固定端として捻る。ここでは、並列コイル相互間に別途カフスを介して周方向多数のコイルを一括で捻るものであり、狭巾で多数のカフスの挿入等、カフスに関する工程が必要で、また、隣接コイルに対応する狭巾で多数の位置決め部を備えた複雑な捻り治具を用いる作業となり、煩雑であった。
さらに、上記特許文献3に示される、互いに対向する部材で端末線を移動可能に挟んで成形する手法では、複数の端末線を成形して集合させるものであり、互いの擦れは避けられないものであった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、複数の巻線部材である導体線の端末部分である端末線を、該端末線が整列する延在平面内において、該複数の端末線が互いに損傷することを防止して、整列状態で容易に曲げ成形することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1に係る回転電機の固定子の製造方法は、複数の帯状の導体線を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体を、平板状の固定子鉄心に形成された複数のスロットに装着し、その後上記巻線体が装着された固定子鉄心を円筒状に成形する。そして、上記平板状の巻線体を上記スロットに装着するに先立って、上記複数の導体線の端末部分であって単層で整列する複数の端末線を、該端末線が整列する延在平面内において所定の形状に成形する端末線成形工程を備える。該端末線成形工程は、該複数の各端末線を上記延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させた状態で曲げ成形し、その後、上記複数の端末線を上記延在平面上の配置に戻すことを特徴とするものである。
【0007】
またこの発明の請求項3に係る回転電機の固定子の製造方法は、複数の帯状の導体線を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体を、平板状の固定子鉄心に形成された複数のスロットに装着し、その後上記巻線体が装着された固定子鉄心を円筒状に成形する。そして、上記平板状の巻線体を上記スロットに装着するに先立って、上記複数の導体線の端末部分であって単層で整列する複数の端末線を、該端末線が整列する延在平面内において所定の形状に成形する端末線成形工程を備える。該端末線成形工程は、上記複数の端末線に続く複数の導体線のスロット内挿入部における所定の箇所を起点として、該複数の導体線に捻りを加えて仮の曲げ成形を行って、上記複数の端末線の互いの隣接面を所定の角度ずらせてその整列状態を変化させ、該複数の端末線を該整列状態が変化した状態で所定形状に曲げ成形し、その後、上記複数の導体線の上記仮の曲げ成形を、上記所定の箇所を起点とした捻り戻しにより元の形状に戻し、上記複数の端末線を、元の整列状態で上記延在平面上の配置に戻すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1に係る回転電機の固定子の製造方法では、平板状の巻線体を固定子のスロットに装着するに先立って端末線成形行程を行うため、端末線成形の作業スペースが確保でき、作業性、信頼性が良好になる。また、端末線成形工程は、複数の端末線を、延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させた状態で曲げ成形し、その後、上記複数の端末線を上記延在平面上の配置に戻すため、曲げ成形時に複数の端末線が互いに損傷することなく容易に曲げ成形できる。このため複数の端末線を一括して信頼性よく容易に曲げ成形することが可能になる。このように複数の整列した端末線の延在平面内での成形を、容易に短時間に、高い信頼性で実施することができる。
【0009】
この発明の請求項3に係る回転電機の固定子の製造方法では、平板状の巻線体を固定子のスロットに装着するに先立って端末線成形行程を行うため、端末線成形の作業スペースが確保でき、作業性、信頼性が良好になる。また、端末線成形工程は、複数の端末線に続く上記所定の箇所を起点として、該複数の導体線に捻りを加えて仮の曲げ成形を行ない、続いて該複数の端末線を所定形状に曲げ成形し、その後、上記仮の曲げ成形を元の形状に戻して、上記複数の端末線を上記延在平面上の配置に戻すため、曲げ成形時に複数の端末線が互いに損傷することなく容易に曲げ成形できる。このため複数の端末線を一括して信頼性よく容易に曲げ成形することが可能になる。このように複数の整列した端末線の延在平面内での成形を、容易に短時間に、高い信頼性で実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による固定子の製造方法により製造される車両用交流発電機の固定子の斜視図である。固定子1は、回転電機としての車両用交流発電機に搭載されるもので、図に示すように、軸方向に延びるスロット2が周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心3と、固定子鉄心3に巻装された固定子巻線4とを備えている。この固定子巻線4は、複数の帯状の導体線である連続導体線5を螺旋状に、かつ整列させて巻回し、固定子鉄心3のスロット2に装着したもので、複数の連続導体線5の端末部分は、所定の他の導体との結線の為に成形され端末線成形部6、7を構成する。
なお、ここで固定子巻線4は各相巻線を3相結線してなる2つの3相交流巻線で構成され、各相巻線の口出し線用引出線8および中性点結線用引出線9は、コイルエンド頂部で軸方向外側に延びるように曲げられている。
【0011】
以上のように構成される固定子1の製造方法を、図2〜図5に基づいて以下に説明する。固定子1は、複数の連続導体線5を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体11を、平板状の固定子鉄心3Aに形成された複数のスロット2に装着し、その後上記巻線体11が装着された固定子鉄心3Aを円筒状に成形することで製造する。
平板状の巻線体11は、例えば図2に示すような巻線組合体10を複数個成形して組み合わせることで形成する。この巻線組合体10は、スロット2内に挿入される直線部とコイルエンド部を構成するターン部とを有する2つの連続導体線5A、5Bを、互いの直線部が、内層側と外層側とを交互に入れ替えて重なるように成形して、螺旋状に巻回することにより形成する。
【0012】
このように形成される平板状の巻線体11を図3に示す。ここでは、6つの巻線組合体10A〜10Fから成る巻線組立12により平板状の巻線体11が形成されている。
ここで、各連続導体線5の端部である端末線13は、スロット2に対し一端側に整列されて配置されている。次いで、この端末線13を、端末線成形工程において、所定の形状に成形し、図に示す端末線成形部13Aを形成する。端末線成形工程の詳細については、後述する。
なお、図1で示したように、スロット2の一端側と他端側との双方に端末線成形部6、7を有する場合は、平板状の巻線体11は図4に示す構成となる。ここでは、各連続導体線5の端部である端末線13は、スロット2に対し一端側と他端側とに振り分けて整列配置される。この場合も、端末線13を端末線成形工程において、所定の形状に成形し、図に示す端末線成形部13Aを形成するが、端末線13が分散配置されているため、成形、およびその後の結線作業が容易になる。
なお、図3、図4では、各相巻線の口出し線用引出部および中性点結線用引出部の図示は便宜上省略する。
【0013】
図5は、固定子1完成後に図1で示した固定子鉄心3となる、平板状固定子鉄心13Aの構成を示す図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は正面図である。平板状固定子鉄心13Aの一面には、複数のスロット2が所定のピッチで形成されている。
このような平板状固定子鉄心13Aのスロット2に、端末線成形工程が完了した平板状の巻線体11を装着する。その後、巻線体11がスロット2に装着された平板状固定子鉄心13Aを円筒状に成形して、図1のような固定子1を完成する。
【0014】
次に、平板状の巻線体11が形成された状態で、端末線13を成形する端末線成形工程について、以下に詳細に説明する。
図6は、6つの巻線組合体10A〜10Fから成る巻線組立12により形成された平板状の巻線体11を示す図であり、巻線体11の下側に突出した端末線13を成形する場合について、以下に示す。
図6(a)は横方向から見た巻線体11の側面図、図6(b)は巻線体11の正面図の一部、図6(c)は、図6(b)の状態から端末線成形のために連続導体線5を上下方向にスライドさせた状態を示す図である。ここでは、複数の連続導体線5の端末部分である端末線13が、単層で同一平面である延在平面上で整列した状態である。この端末線成形工程は、単層で整列する複数の端末線13を、その延在平面内で所定の形状に成形するものである。即ち、延在平面に対して角度を持たない成形となる。
整列している連続導体線5同士は固着されていないので、図6(b)の状態から、図6(c)に示すように、下側に端末線13が突出する連続導体線5が下方向の露出が大きくなるようにスライドさせ、端末線13とその周辺を大きく露出させる。
【0015】
なお、上側に突出した端末線13についても同様に成形できるが、ここでは、便宜上、下側に端末線13が突出する連続導体線5のみを抽出した構成を図7に示す。
上述したように、整列している連続導体線5同士は固着されていないので、端末線部分A、それに続く直線部分B、ターン部分Cは、例えば、最も近い下側ターン部頂点14を支点とすることで、隣接する連続導体線間を若干離間させることが可能である。このため、密接状態で整列している複数の連続導体線5を下側ターン部頂点14を支点として、整列する端末線13(端末線部分A)が延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに若干離間するように変形する。そして、複数の端末線13を元の上記延在平面に対してほぼ平行な方向に所望の形状に曲げ成形する。
【0016】
このように、整列する端末線13(端末線部分A)を延在平面にほぼ垂直方向に互いに離間させて曲げ成形する例を、図8に基づいて以下に説明する。
図8(a)で示すように、所定の延在方向15Aおよび隣接方向15Bで整列する複数の端末線13を、図8(b)で示すように、階段状治具を構成する階段状下型17で各々ガイドすることにより、延在方向15Aおよび隣接方向15Bで決定される延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向17に互いに離間させる。このとき、巻線体11本体は各連続導体線5の互いの整列を保って保持されており、上述したように所定のターン部頂点14を支点とした変形によって端末線13をX方向17に互いに離間させても、支点14に続く巻線体11本体の成形を損なうことは無い。また、階段状治具17の高さ分だけ隣接端末線13同士がX方向17に離間するので、隣接方向15Bの互いの位置関係は維持され、余計な変形は加わらない。
続いて、図8(c)で示すように、ガイドされた状態の端末線13を、階段状治具を構成する上型であるパンチ治具を、図中矢印18の方向に移動させながら階段状下型17に合せこんでいくことで曲げ成形する。これにより複数の端末線13を元の延在平面に対してほぼ平行な方向に所望の形状に曲げ成形する。
【0017】
図8では、端末線13を階段状の配置にして曲げ成形する例を分かり易く説明するため、階段状治具は、便宜上、階段状下型17の概略図のみ示したが、図9に、階段状治具の構成例を示す。図9(a)は階段状治具を構成する上型19Aを示す斜視図、図9(b)は階段状下型19Bを示す斜視図、図9(c)は階段状下型19Bの上面図で、図中、20が複数の端末線13の曲げ成形位置となる。階段状治具19(19A、19B)の形状は、端末線13の所望成形形状に合せた凸凹となっている。また、曲げ部の損傷を最低限に抑えるために、階段状治具19の随所が円弧状となっている。
【0018】
以上のように、複数の端末線13を延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに若干離間させた状態で所望の形状に曲げ成形した後、階段状治具17、19を取り外すことにより、複数の端末線13を元の延在平面上の配置に戻す。複数の端末線13におけるX方向の離間はぞれぞれ僅かであり、階段状治具17、19を取り外すことにより巻線体11は、元の整列状態に容易に復元する。
【0019】
この実施の形態では、複数の連続導体線5を螺旋状に、かつ整列させて巻回して成形した平板状の巻線体11を、平板状の固定子鉄心3Aに形成された複数のスロット2に装着するに先立って、端末線13を所定の形状に成形する。このため、端末線成形の作業スペースが確保でき、成形に用いる治具の構造を簡素化できると共に、作業性、信頼性が良好となる。また、図6(c)で示したように、曲げ成形する箇所を大きく露出させてから成形するため、端末線成形の作業スペースがさらに確保できる。この端末線成形行程は、整列する端末線13を延在平面にほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させて曲げ成形した後、端末線13を元の延在平面上の配置に戻すことで、整列状態の端末線13を延在平面内において所定の形状に成形する。
ところで、複数の端末線13が整列する延在平面において、そのまま該延在平面内で複数の端末線13を同時に曲げ成形しようとすると、各端末線13は互いに擦れて損傷する。しかしながら、この実施の形態における曲げ成形時には、端末線13を元の延在平面にほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させているため、曲げ成形はその時点で延在する平面内での成形にはならない。さらに、端末線13はX方向に互いに離間された状態で曲げ成形されるため、各端末線13が互いに擦れて損傷するのが抑制できる。このため、複数の端末線13を一括して信頼性良く曲げ成形することが可能になる。このように複数の整列した端末線13の延在平面内での曲げ成形を、容易に短時間に、高い信頼性で実施することができる。
【0020】
また、階段状治具17、19を用いて複数の端末線13を階段状の配置にして曲げ成形するため、特に複雑な治具や、煩雑な作業を必要とせず、容易で確実に端末線13を元の延在平面にほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させて成形することができる。また曲げ成形前後に階段状治具17、19を用いることで、曲げ成形直後の端末線13の保持が確実にされ、スプリングバック等を防止する。
【0021】
なお、上記実施の形態では、階段状治具17、19を用いるとしているが、階段状治具は正確に鉛直面を有するものでなくても良い。
【0022】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、階段状治具17、19を上型と下型とをそれぞれ1個ずつ備えて構成したが、上型を複数個組み合わせて構成する場合を以下に示す。
図1で示した端末線成形部6が図10に示すように、例えば、6本の単層で整列する連続導体線5において、2本の端末線13Cが他の4本の端末線13Dと大きく離れて成形される場合、端末線成形行程で用いる階段状治具を図11に示す。なお、固定子1の製造において、端末線成形行程で用いる階段状治具以外は、全て上記実施の形態1と同様である。
【0023】
図11(a)、図11(b)は階段状治具を構成する2個の上型21A、21Bを示す斜視図、図11(c)は階段状下型21Cを示す斜視図、図11(d)は階段状下型21Cの上面図である。2個の上型21A、21Bを、上型21Aを図中奥側に、上型21Bを図中手前側に配置して組み合わせる。整列する複数の端末線13を、階段状下型21Cで各々ガイドすることにより、2本の端末線13Cを他の4本の端末線13Dと大きく離し、しかも延在平面に対してほぼ垂直方向であるX方向に互いに離間させる。
続いて、ガイドされた状態の端末線13C、13Dを、2個の上型21A、21Bを移動させながら階段状下型21Cに合せこんでいくことで曲げ成形する。この後、階段状治具21(21A、21B、21C)を取り外すことにより、複数の端末線13C、13Dを元の延在平面上の配置に戻す。
【0024】
この実施の形態においても、端末線13(13C、13D)はX方向に互いに離間された状態で曲げ成形されるため、上記実施の形態1と同様に、各端末線13が互いに擦れて損傷するのが抑制できる。このため、複数の端末線13を一括して信頼性良く曲げ成形することが可能になる。このように複数の整列した端末線13の延在平面内での曲げ成形を、容易に短時間に、高い信頼性で実施することができる。
【0025】
なお、この実施の形態では、階段状治具の上型21A、21Bを2個で構成したが、端末線13の所望成形形状が複雑である場合、複数の治具の組合せで曲げ成形を実施することにより、作業工程数は増えるが、複雑な曲げや、異なる形状の混在に対応できる。
【0026】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、複数の端末線13をX方向に互いに離間させた状態で曲げ成形する端末成形行程を示したが、他の手法による端末成形行程を図12〜図15に基づいて以下に示す。なお、固定子1の製造において、端末線成形行程以外は、全て上記実施の形態1と同様である。
図12〜図15は、平板状の巻線体11を示す図であり、図12(a)〜図15(a)は横方向から見た側面図、図12(b)〜図15(b)は正面図の一部である。
巻線体11の下側に突出した端末線13を成形する場合について、以下に示す。ここでは、便宜上、下側に端末線13が突出する連続導体線5のみを抽出した構成を図12〜図15に図示する。
複数の端末線13は、単層で同一平面である延在平面上で整列した状態である。この端末線成形工程は、単層で整列する複数の端末線13を、その延在平面内で所定の形状に成形するものである。即ち、延在平面に対して角度を持たない成形となる。
【0027】
図12で示すように、整列した連続導体線5の端末線部分Aに続く直線部分は、後工程でスロット2に装着されるスロット挿入部分であり、この直線部分の両端の曲がり部を除いた直線部分B’の範囲内で、所定の箇所を仮成形起点22として、図13に示すように、該複数の連続導体線5に捻りを加えて仮の曲げ成形を行なう。このとき、既に施された曲げ形状を維持したまま、端末線13が鉛直方向となるように捻り起こす。これにより、図13(b)で示すように、正面から見た形状は端末線13は直線部分B’に連続した形状になり、複数の端末線13は、互いの隣接面を所定の角度ずらせてその整列状態を変化させる。
次いで、図14に示すように、複数の端末線13をその整列状態が変化した状態で所定形状に、図中、破線から実線へ曲げ成形し端末線成形部13Aを形成する。この曲げ成形は、上型、下型からなる治具を用いて行う。
その後、上記仮の曲げ成形を、仮成形起点22を起点とした捻り戻しにより元の形状に戻して、複数の端末線13を、元の整列状態で元の延在平面上の配置に戻す。
【0028】
この実施の形態では、端末線成形行程は、複数の端末線13に続く直線部分B’における所定の箇所を仮成形起点22として、複数の連続導体線5に捻りを加えて仮の曲げ成形を行ない、複数の端末線13の整列状態を変化させた状態で所定形状に曲げ成形し、その後、上記仮の曲げ成形を仮成形起点22とした捻り戻しにより元の形状に戻して、複数の端末線13を、元の整列状態で元の延在平面上の配置に戻す。これにより、整列状態の端末線13を延在平面内において所定の形状に成形する。
上述したように、複数の端末線13が整列する延在平面において、そのまま該延在平面内で複数の端末線13を同時に曲げ成形しようとすると、各端末線13は互いに擦れて損傷する。しかしながら、この実施の形態における曲げ成形時には、端末線13よりも上流部を仮成形起点22として複数の連続導体線5に捻りを加えた仮の曲げ成形が為されているため、複数の端末線13は整列状態が変化している。即ち、この状態で行う端末線13の曲げ成形は、その時点で延在する平面内での成形にはならないため、各端末線13が互いに擦れて損傷するのが抑制できる。このため、複数の端末線13を一括して信頼性良く曲げ成形することが可能になる。このように複数の整列した端末線13の延在平面内での曲げ成形を、容易に短時間に、高い信頼性で実施することができる。また、簡易な形状の段形状型の治具を用いて曲げ成形が可能になる。
【0029】
なお、上記実施の形態1〜3は、発電機の固定子1の製造について示したが、電動機の回転子に適応しても良く、同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施の形態1による固定子の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1による巻線組合体の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による平板状の巻線体を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1の別例による平板状の巻線体を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による平板状固定子鉄心を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1による端末線成形行程を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態1による端末線成形行程を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態1による、治具を用いた端末線成形行程を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態1による、階段状治具を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2による端末線成形部を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2による階段状治具を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3による端末線成形行程を説明する図である。
【図13】この発明の実施の形態3による端末線成形行程を説明する図である。
【図14】この発明の実施の形態3による端末線成形行程を説明する図である。
【図15】この発明の実施の形態3による端末線成形行程を説明する図である。
【符号の説明】
【0031】
1 固定子、2 スロット、3 固定子鉄心、3A 平板状固定子鉄心、
4 固定子巻線、5,5A,5B 帯状導体線としての連続導体線、
6,7 端末線成形部、11 平板状巻線体、13 端末線、13A 端末線成形部、
15A 延在方向、15B 隣接方向、16 X方向、
17 階段状治具としての階段状下型、19A 階段状治具としての上型、
19B 階段状治具としての階段状下型、20 曲げ成形位置、
21A,21B 階段状治具としての上型、21C 階段状治具としての階段状下型、
22 仮成形起点。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013