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発明の名称 交流発電機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28762(P2007−28762A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205825(P2005−205825)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
発明者 岡 啓一郎 / 秋田 裕之 / 宮地 若木 / 柏原 利昭
要約 課題

限られたスペースで冷却ファンの効率を向上させ、かつロータ・ステータ間を軸方向に流れる冷却風を増大させることによりフィールドコイルの冷却性改善を図り、交流発電機の出力性能を向上させることを目的とする。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
ランデル型磁極片にて構成されるロータと、上記ロータの軸端に取り付けられ複数のブレードを有する冷却ファンとを備え、ロータの回転と共に回転する上記冷却ファンからの冷却風によりケーシング内の発熱部品を冷却する交流発電機において、上記ロータの回転方向を前方とするとき、上記磁極片間すきま部を軸方向に流れる冷却風の流出側に固定された冷却ファンの回転時に、ブレード面後方に生じる負圧によって上記冷却ファンのブレード面後方を軸方向に流れる冷却風の流路を確保する構成としたことを特徴とする交流発電機。
【請求項2】
上記冷却ファンは、そのブレードのうち、少なくとも1枚のブレード面について、上記磁極片の回転方向後縁に沿って配置すると共に、上記ブレード面後方に切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の交流発電機。
【請求項3】
上記冷却ファンは、そのベース部から半径方向に突出するブレードを円弧状に成形し、そのブレードのうち、片側磁極片数の半数以上のブレードについて、ブレード面前後の正圧・負圧が最大となるブレード外径端(円弧状先端部)を上記磁極片の回転方向後縁に配置したことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の交流発電機。
【請求項4】
上記冷却ファンは、その外径端が上記磁極片間すきま部上に配置されたブレードについて、そのブレード位置からロータの回転方向前方の磁極片間すきま部の一部を塞ぐ補強部を備えた形状としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の交流発電機。
【請求項5】
上記冷却ファンは、その外径端が上記磁極片間すきま部上に配置されたブレードについて、そのブレード位置から回転方向後方をブレードに沿って外径側からその一部を切り欠いた形状としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の交流発電機。
【請求項6】
上記冷却ファンは、板金によって製作され、ブレードはロータの回転方向後方から切り起こした形状としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の交流発電機。
【請求項7】
上記冷却ファンは、ブレード補強用のシュラウドプレートを設置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の交流発電機。
【請求項8】
上記冷却ファンに対して、上記磁極片間すきま部を軸方向に流れる冷却風の流入側ロータ端面に固定された冷却ファンのブレードのうち、その外径端が上記磁極片間すきま部上に配置されたブレードについて、そのブレード位置からロータの回転方向後方の磁極片までのすきま部を塞ぐ補強部を備えた形状としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の交流発電機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明はランデル型ロータに冷却ファンが固定され、ケーシング内の発熱部品を冷却する交流発電機に関するもので、特に車両用交流発電機用冷却ファンのブレード配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のランデル型ロータは、爪状磁極片を互いにかみ合わせるように対向して配置された一対の磁極片から構成され、その内部にフィールドコイルを収納するように取り付けられている。またこの磁極片の軸方向の両端面に冷却ファンがそれぞれ固着されている。このようなランデル型ロータを有する車両用交流発電機においては、車両に搭載された内燃機関によりタイミングプーリを介して回転駆動力が伝達され、ロータが回転する。上記フィールドコイルは回転軸に固定されたスリップリングと電気的に接続されており、これを介してバッテリから励磁電流が給電される。
【0003】
このように励磁されたロータが回転することでステータコイルに交流誘導電流が生じ、それを整流することにより直流電流が得られる。こうした発電の過程で、車両用交流発電機のステータコイル、フィールドコイルをはじめとする各部ではその発熱のために温度が上昇し、部品寿命の劣化や破損の原因となるため、ファンを用いた強制冷却は必須となる。ロータにはその軸方向両端面に冷却ファンが取り付けられており、ロータの回転に伴って冷却ファンが回転し、通風を促して各部を冷却する構造を採用している。これら冷却ファンによる通風路としては、大別して、整流子やレギュレータ等の発熱源後方よりの吸い込み流れ、冷却ファンの遠心方向に配置されたステータコイルエンドおよびステータより受熱したブラケットリブへの吹き付け流れ、ロータ・ステータ間を軸方向に流れる通過流れがある。
【0004】
また交流発電機の出力はロータの起磁力に依存するため、ロータ内に巻かれたフィールドコイルを流れる励磁電流を増大させることが出力性能の向上につながる。しかしながら、単に励磁電流を増大させるだけでは発熱量が大きくなってしまうため、出力性能を向上させるためには、フィールドコイルにおける温度上昇を耐熱限界以下に抑えるべく、また温度上昇に伴い増大するコイルの通電抵抗を小さく抑えて損失を低減させるべく、ロータの軸方向に冷却風を流して直接的にフィールドコイルを冷却することが有効な手段となる。このような観点から、ロータ・ステータ間を流れる冷却風を増大させてフィールドコイルの冷却性を向上させる試みは従来から行われている。
【0005】
上述したロータの軸方向に冷却風を流すことを意図した交流発電機の例として、特開平6−284638号公報に示されたものがある(特許文献1参照)。これによると、ロータの軸方向両端面に取り付けられた軸流円板をロータの磁極片に沿って傾斜させることにより、軸方向に流れる冷却風がスムーズに流入出するためのガイド機構をなしている。これにより、ロータ回転時に軸方向に流れる冷却風の流入側において、軸流円盤の傾斜部に衝突した冷却風が、軸流円盤から磁極片の回転方向前面に沿ってロータの軸方向へと流れ込む仕組みになっている。
【0006】
更には流出側において、流入部と同様にロータの軸方向端面へ取り付けられた軸流円盤により、磁極片の回転方向前縁における流路の急拡大によって生じる剥離流れを抑制する効果を有している。しかしながら流出側における軸流円盤傾斜部は、回転方向前方の表面近傍に、つまり磁極片間すきま部上に、正圧すなわち圧力が高くなる領域を生成することで冷却風の流れを阻害してしまい、軸流円盤によって軸方向へ流れる冷却風量を増大させる効果の一部を抑制してしまう傾向があった。
【0007】
また、特開平9−154256号公報(特許文献2参照)に示すように、ロータの軸方向駆動源側(流入側)端面に取り付けられた冷却ファンのブレードを、ロータの磁極片に沿って略連続した面を構成し、軸方向に流れる冷却風がスムーズに流入するためのガイドを形成したものがある。しかしながら実際には駆動源側より流入した冷却風は冷却ファン通過後においてその大半が遠心方向を向いており、ロータ・ステータ間を軸方向へスムーズに流れてはおらず、またその流れもステータ内径側面に沿っているため、ロータに巻きつけられたフィールドコイルを効果的に冷却することができない問題点があった。
【0008】
【特許文献1】特開平6−284638号公報
【特許文献2】特開平9−154256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、特許文献1、2に示される手法では、ロータの軸方向に流れる冷却風を増大させるのに寄与しているが、フィールドコイルを冷却する観点からは未だ改善の余地を残していた。本件出願の発明者等は、これらの問題の原因の一つに従来の流出側冷却ファンのブレード構造があることに注目した。すなわち、流出側冷却ファンのブレードはロータの回転方向前縁に設置されているのが通常であり、このため前述したようにブレードの回転方向側に生じる正圧が冷却風の軸流方向の流れを減殺するよう作用していることを発見した。本発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、限られたスペースで冷却ファンの効率を向上させ、かつロータ・ステータ間を軸方向に流れる冷却風を増大させることによりフィールドコイルの冷却性改善を図り、交流発電機の出力性能を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、ランデル型磁極片にて構成されるロータと、上記ロータの軸端に取り付けられた冷却ファンとを備え、ロータの回転と共に回転する上記冷却ファンからの冷却風によりケーシング内の発熱部品を冷却する交流発電機において、ロータの回転方向を前方とするとき、上記冷却風の流出側に位置する冷却ファンのブレード面を、上記磁極片の回転方向後縁に沿って配置したものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、上記のように形成されたブレードによりブレード面後方に発生する負圧によって、爪状磁極片を互いにかみ合わせるように対向して配置された一対の磁極片間に存在するすきま部を通じてロータ・ステータ間を軸方向に流れる冷却風の流れを増大させることができる。これにより、軸方向に流れる冷却風を負圧によって促すことができるため、ステータおよびフィールドコイルを効果的に冷却することができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の車両用交流発電機の要部断面図、図2(a)は図1の車両用交流発電機のロータ部軸方向側面図、図2(b)はその斜視図を示している。図において、ランデル型のロータ7がアルミニウム製のフロントブラケット1およびリアブラケット2から構成されたケーシング本体3内に回転軸6を介して回転自在に装着され、ステータ8がロータ7の外周側を覆うようにケーシング本体3の内壁面に固着されて構成されている。回転軸6は、一対の軸受14a、14bを介してフロントブラケット1およびリアブラケット2に回転可能に支持されている。この回転軸6の一端にはプーリ4が固着され、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)を介して回転軸6に伝達できるようになっている。
【0013】
また、ロータ7内のフィールドコイル13に電流を供給するスリップリング9が回転軸6のリア側端部に固着され、一対のブラシ10がこのスリップリング9に摺接するようにケーシング本体3内に配設されたブラシホルダ11に収納されている。ステータ8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ17がブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク18に接着されている。ステータ8に電気的に接続され、ステータ8で生じた交流電流を直流電流に整流する整流装置12がケーシング本体3内に装着されている。
【0014】
ロータ7は、電流を流して磁束を発生するフィールドコイル13と、上記フィールドコイル13を覆うように設けられ、当該フィールドコイル13で発生した磁束によって磁極が形成される一対のランデル型磁極片20、21とから構成される。一対の磁極片20、21は鉄製で、それぞれ爪状磁極片22a、22bが外周縁に周方向に等間隔で複数突設され、爪状磁極片22a、22b をかみ合わせるように対向して回転軸6に固定されている。そして、冷却手段としての冷却ファン5は磁極片20、21の軸方向の両端面にそれぞれ固着されており、それぞれ円周方向に複数枚のブレード5a、5bとこれらのブレード5a、5bを支持するベース5cよりなっている。
【0015】
一方、ステータ8は、ステータコア15と、このステータコア15に巻回してなり、ロータ7の回転に伴いロータ7からの磁束の変化で交流電流が生じるステータコイル16とから構成されている。そして、ステータコア15に巻回された導線の一部がステータコア15の軸方向に延在し、フロント側コイルエンド16aおよびリア側コイルエンド16bを構成している。ステータコイル16は三つのコイルをY字形に結線して構成されるY形三相巻線である。なお、互いに対向して配置された爪状磁極片22a、22bの間には磁極片間すきま部23が形成されている。
【0016】
実施の形態1のものは、ロータの回転方向を前方とするとき、軸方向に流れる冷却風の流出側(リアブラケット2側)のロータ端面に固定された冷却ファン5のブレード5bが、磁極片22bの回転方向後縁22b1側に沿うように配置されており、上記ブレード面後方に切り欠き部5dを設けた構造となっている。これにより、ロータ回転時にはブレード5b面後方に発生する負圧が磁極片間すきま部23上において冷却風の吸引力を発生し、図2(b)の矢印Cに示すように冷却風がこの負圧部に流れ込む流路を確保する効果を生じる。図1に冷却ファン5により発生する冷却風の主たる流れを白抜き矢印で示しており、先ず、ロータの軸方向駆動源側(流入側)端面に取り付けられた冷却ファン5のブレード5aにより生成される遠心方向へのブラケットリブへの吹き付け流れB及びロータ・ステータ間を軸方向に流れる通過流れCがあり、更に整流子やレギュレータ等の発熱源後方よりの吸い込み流れAがある。
【0017】
一方、ブレード5b面前方には正圧が発生するが、この部分は冷却ファン5のベース5cで上記流路が塞がれているので、この部分が開放している従来のように上記正圧により冷却風の流通を相殺してしまうことがなくなり、他の流路を採用することにより所定の通風を行うものである。このように流出側ロータ端面に固定された冷却ファン5に上記ファン形状を適用することにより、上述したように磁極片間すきま部23を軸方向に流れる冷却風Cを増大させ、フィールドコイル13の冷却性を向上させることができる。
【0018】
図3はこの発明の効果を確認するために行った測定グラフで、横軸に上記ブレード5bの位置をロータの回転方向に沿って変化させた場合のロータ中心位置からの傾き角度を、縦軸は軸方向風量を任意単位で示したものである。横軸の傾き角度はロータの回転方向前縁側に配置された場合を0°とし、それから8°ずつロータの回転方向後縁側にずらして行き、最もロータの回転方向後縁側に配置された場合を24°とした場合の測定値である。これによるとロータの回転方向前縁側に配置された場合(0°)に比べ最もロータの回転方向後縁側に配置された場合(24°)は風量が10倍以上に改善されていることが確認された。
【0019】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流出側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態2では、冷却ファンのベース5cの半径方向の寸法は短く、このベース5cから半径方向外方へ突出するように複数個のブレード5bを取り付けている。騒音対策等を目的として、冷却ファン5のブレード5bを円弧状に成形し、これを不等ピッチで配置する場合の例を示している。ブレード5bのベース5cへの取り付けは例えば溶接等で行われる。この実施例においては、そのブレード面前後の正圧・負圧が最大となるブレード外径端P(円弧状先端部)をロータの回転方向後縁22b2に配置することにより、磁極片間すきま部23上において冷却風の吸引力を発生し、ブレード5bの後方部分に発生する負圧による冷却風の吸い込み作用を促し、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。上記ブレード5bの配置は少なくとも片側爪状磁極片数(図4では8個)の半数以上のブレードについて行えば十分な効果が得られるものである。
【0020】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流出側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態3では、磁極片間すきま部23上に配置された冷却ファン5のベース5cが、ブレード5b位置からその回転方向前方のすきま部23の一部を塞ぐように補強部5c1を設けた形状となっている。これにより、実施の形態2に比べてブレード5bを補強することができると共に、ブレード面前方に生じる正圧によって軸方向に流れる冷却風を相殺してしまう効果を上記補強部5c1により防ぐことができる。この実施の形態3のようなファン形状を流出側ロータ端面に固定された冷却ファン5に適用することにより、ロータ7・ステータ8間を通過してくる冷却風出口付近の昇圧を抑えながら軸方向に流れる冷却風を増大させる効果が得られる。
【0021】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流出側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態4では、磁極片間すきま23上に配置された冷却ファン5のブレード5b の回転方向後面に沿って外径側からその一部を切り欠いた形状5dとしたものである。冷却ファン5は、板金によって製作され、かつ磁極片間すきま23上に配置された冷却ファン5のブレード5bはその回転方向前方から切り起こした形状となっている。このファン形状を流出側ロータ端面に固定された冷却ファン5に適用することにより、ブレード面後方に生じる負圧によってロータ7・ステータ8間から冷却風が流れ込む作用が生じ、軸方向に流れる冷却風を増大させると共に冷却ファンの製作を簡略化する効果が得られる。
【0022】
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流出側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態5では、上記実施の形態4と同じく磁極片間すきま23上に配置された冷却ファン5のブレード5b の回転方向後面に沿って外径側からその一部を切り欠いた形状5d としたものである。しかしこの実施例では、冷却ファン5は板金によって製作され、かつ磁極片間すきま23上に配置された冷却ファン5のブレード5bはその回転方向後方から切り起こした形状となっている。このファン形状を流出側ロータ端面に固定された冷却ファン5に適用することにより、上記実施例3と実施例4の効果を同時に満たし、軸方向に流れる冷却風を大幅に増大させることができる。
【0023】
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流出側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態6では、冷却ファン5のブレード5b にブレード補強用のシュラウドプレート5eを適用したものである。これにより、ブレード5b 面前方に生じる正圧はブレード面と磁極片22とシュラウドプレート5eにより三方を囲まれることによってその昇圧効果が改善される。同時にブレード面後方に生じる負圧についても、ブレード面上方を通してブレード前方からの回り込み流れが抑制されることでその減圧効果が改善される。これにより、上述の正圧・負圧による冷却風への効果を向上させることができる。
【0024】
実施の形態7.
図9はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機を示すもので、(a)は流入側から見たロータ部の軸方向側面図、(b)はその斜視図を示している。この実施の形態7では、実施の形態1〜6で説明した流出側に設置される冷却ファン5に加えて流入側に設置される冷却ファン5に関するものである。すなわち、ロータの軸方向駆動源側(流入側)端面に取り付けられた冷却ファン5のブレード5aを、そのブレード位置から回転方向後方の磁極片22の一部を補強部5c1により塞いだ形状としたものである。これによりブレード面前方に生じる正圧によってその冷却風の流入を増大させ、かつブレード面後方に生じる負圧によって流入した冷却風が逆流するのを防ぐことができる。
従って、磁極片20、21の軸方向の両端面にそれぞれ固着される冷却ファン5のブレードをそれぞれ所定の形状とすることにより、両者相俟って軸方向に流れる冷却風を一層増大させることができる。
【0025】
なお、実施の形態7におけるリアブラケット2側の冷却ファン5のブレード5bとフロントブラケット1側の冷却ファン5のブレード5aとの関係を逆に設置すなわちブレード5bをフロントブラケット1側に、またブレード5aをリアブラケット2側に設置することにより、これまでのプーリ4側からレギュレータ11側への軸方向流れとは逆に、圧力損失のバランスから実用が困難であったレギュレータ11側からプーリ4側へのロータ7・ステータ8間軸方向流れを実現することができる。
【0026】
これまでのプーリ4側からレギュレータ11側へ冷却風が流れるロータ7・ステータ8間の通過流れCが、レギュレータ11周りを通過してくる吸い込み流れAと冷却風の向きが相反するため、双方の風量はトレードオフの関係になり効率が低下する問題点があった。一方、上述したようにレギュレータ11側からプーリ4側へロータ7・ステータ8間に冷却風を流すことにより、レギュレータ11周りを通過する冷却風とロータ7・ステータ8間を通過する冷却風の双方を増大させることができる。
【0027】
また、エンジンの始動時にはバッテリの電力により駆動されて上記エンジンを始動し、かつ上記エンジンの始動後はエンジンに駆動されて交流電力を発生する車両用電動発電機においては、ランデル型ロータの爪状磁極片間に永久磁石等を介在させるタイプのものがあるが、上記介在物によってロータ7・ステータ8間の圧力損失が大きくて軸方向に冷却風が微小量しか流れないことがある。このような場合、本発明を用いることで軸方向に流れる冷却風を向上させて澱んでいる高温空気を排出することで出力性能の大幅向上を図ることができる。
なお、本発明は特に車両用交流発電機に限定されるものではなく、ランデル型ロータと冷却ファンもしくは冷却ファンに準ずるリブ等を備えた回転電機に適用することができるものであり、また、各実施例で説明したブレード構造は冷却ファンの一部のブレードにのみ適用しても所定の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の要部断面図である。
【図2】図1の車両用交流発電機のロータ部拡大図であり、(a)は軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図3】この発明の効果を確認するために行った測定グラフである。上記車両用交流発電機のロータ部の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機を示し、(a)はロータ部軸方向側面図、(b)はその斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 フロントブラケット、 2 リアブラケット、3 ケーシング本体、
4 プーリ、 5 冷却ファン、 5a、5b ブレード、
5c ベース、 5c1 補強部、 5d 切り欠き部、
5e シュラウドプレート、 6 回転軸、 7 ロータ、
8 ステータ、 9 スリップリング、 13 フィールドコイル、
14a、14b 軸受、 15 ステータコア、 17 レギュレータ、
20、21 磁極片、 22a、22b 爪状磁極片、
23 磁極片間すきま部。




 

 


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