米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 三菱電機株式会社

発明の名称 力率調整装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20365(P2007−20365A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201658(P2005−201658)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100113077
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 省吾
発明者 篠原 慎二 / 藤原 央登
要約 課題
電力会社から供給される有効電力値Pが小さい一方、無効電力値Qは大きくなる場合に、無効電力値Qに応じて小容量の副コンデンサを使用する制御とすることで、最適な力率に調整することができる力率調整装置を提供する。

解決手段
有効電力値Pが第一の基準値T1以上の場合に大容量の主コンデンサが無効電力値Qに応じて開閉制御され、有効電力値Pが第二の基準値T2未満の場合に小容量の副コンデンサがQに応じて開閉制御される。またT2≦P<T1の場合は、無効電力値Qが第三の基準値T3未満であれば副コンデンサが無効電力値Qに応じて開閉制御され、一方、T3≦Qであれば主コンデンサが無効電力値Qに応じて開閉制御されることで力率が改善される。
特許請求の範囲
【請求項1】
電力系統における電圧値及び電流値に基づき有効電力値及び無効電力値を演算する電力演算手段と、
前記有効電力値が所定の第一の基準値以上のとき又は前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ所定の第二の基準値以上かつ前記無効電力値が所定の第三の基準値以上のときに第一の制御信号を出力し、
前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ前記第二の基準値以上かつ前記無効電力値が前記第三の基準値未満のときに第二の制御信号を出力する制御信号作成手段と、
前記第一の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第一の開閉手段を介して接続される二以上の第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して開成する第一の開閉信号を出力する第一の制御手段と、
前記第二の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第二の開閉手段を介して接続され前記第一のコンデンサよりも容量が小さい少なくとも一個の第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して開成する第二の開閉信号を出力する第二の制御手段とを備えたことを特徴とする力率調整装置。
【請求項2】
前記第三の基準値は、前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ前記第二の基準値以上の場合における前記無効電力値の最大値と最小値の中間値であることを特徴とする、請求項1に記載の力率調整装置。
【請求項3】
前記第一の開閉手段及び前記第二の開閉手段を開成するとともに前記第三の基準値を設定する基準値設定信号を出力する基準値設定信号出力手段と、
前記基準値設定信号に基づいて無効電力値の最大値と最小値を判定する最大最小無効電力記憶制御手段と、
前記無効電力値の最大値を記憶する最大無効電力記憶手段と、
前記無効電力値の最小値を記憶する最小無効電力記憶手段と、
前記最大無効電力記憶手段に記憶された無効電力値の最大値と前記最小無効電力記憶手段に記憶された無効電力値の最小値との中間値を演算して前記第三の基準値に設定する基準値演算手段とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の力率調整装置。
【請求項4】
前記第一のコンデンサの容量を記憶する第一の記憶手段と、前記第二のコンデンサの容量を記憶する第二の記憶手段と、
前記第一の記憶手段に記憶された前記第一のコンデンサのうち最小の容量と前記第二の記憶手段に記憶された前記第二のコンデンサの容量の合計との中間値を演算して、前記第三の基準値に設定する基準値演算手段とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の力率調整装置。
【請求項5】
前記第一の制御手段は、力率が所定の値以上となるような第一の開閉信号を出力することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の力率調整装置。
【請求項6】
前記第一の制御手段は、力率が所定の値に最も近くなるような第一の開閉信号を出力することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の力率調整装置。
【請求項7】
電力系統における電圧値及び電流値に基づき有効電力値及び無効電力値を演算する電力演算手段と、
前記有効電力値が所定の第一の基準値以上のときに第一の制御信号を出力し、
前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ所定の第二の基準値以上かつ前記無効電力値が所定の第三の基準値以上のときに第二の制御信号を出力し、
前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ前記第二の基準値以上かつ前記無効電力値が前記第三の基準値未満のときに第三の制御信号を出力する制御信号作成手段と、
前記第一の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第一の開閉手段を介して接続される二以上の第一のコンデンサを、力率が所定の値以上となるように前記第一の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して開成する第一の開閉信号を出力する第一の制御手段と、
前記第二の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記第一のコンデンサを、力率が所定の値に最も近くなるように前記第一の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して開成する第二の開閉信号を出力する第二の制御手段と、
前記第三の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第二の開閉手段を介して接続され前記第一のコンデンサよりも容量が小さい少なくとも一個の第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して開成する第三の開閉信号を出力する第三の制御手段とを備えたことを特徴とする力率調整装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、受変電システム等の受変電用変圧器の負荷側母線に接続された、力率改善用の複数のコンデンサの開閉を制御して、力率を改善する力率調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の力率調整装置においては、有効電力の負荷を判断するための第一及び第二の基準値と有効電力値との大小関係に基づき、力率改善用のコンデンサの開閉を制御する。(例えば、特許文献1参照)。すなわち、有効電力値が比較的小さい場合(有効電力値が第一の基準値と第二の基準値との間の場合)には大容量のコンデンサの投入を禁止し、小容量のコンデンサの閉成によって力率の調整を行っていた。
【0003】
【特許文献1】特開平8−336234号公報(第2頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、従来の力率調整装置では、受変電用変圧器の負荷側母線に大容量のコンデンサと小容量のコンデンサを取り付け、有効電力値が小さい場合(有効電力値が第一の基準値と第二の基準値との間の場合)に大容量のコンデンサの投入を禁止し、小容量のコンデンサの閉成によって、力率の調整を行っている。これは、有効電力値が小さいときは、無効電力値も小さいという前提条件での制御である。しかし、例えば受変電用の変圧器の負荷側母線に自家発電システムを設置し、自家発電システムによる電力と電力会社から供給される電力とを併用した場合では、電力会社からの供給電力は有効電力値が小さくなる一方、無効電力値は大きくなる場合がある。このような条件下で従来の力率調整装置を適用すると、力率が大きく遅れて送電損失が増加し、改善効果を得られないという問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、有効電力値及び無効電力値の大小に関わらず、最適な力率に調整することができる力率調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る力率調整装置は、電力系統における電圧値及び電流値に基づき有効電力値及び無効電力値を演算する電力演算手段と、前記有効電力値が所定の第一の基準値以上のとき又は前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ所定の第二の基準値以上かつ前記無効電力値が所定の第三の基準値以上のときに第一の制御信号を出力し、前記有効電力値が前記第一の基準値未満かつ前記第二の基準値以上かつ前記無効電力値が前記第三の基準値未満のときに第二の制御信号を出力する制御信号作成手段と、前記第一の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第一の開閉手段を介して接続される二以上の第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第一のコンデンサを、前記第一の開閉手段を選択的に制御して開成する第一の開閉信号を出力する第一の制御手段と、前記第二の制御信号と前記無効電力値とに基づき、前記電力系統に第二の開閉手段を介して接続され前記第一のコンデンサよりも容量が小さい少なくとも一個の第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して閉成し、閉成されない前記第二のコンデンサを、前記第二の開閉手段を選択的に制御して開成する第二の開閉信号を出力する第二の制御手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、有効電力値が第一の基準値以上の場合又は有効電力値が第一の基準値未満かつ第二の基準値以上かつ無効電力値が第三のしきい値以上の場合に大容量のコンデンサが無効電力値に応じて開閉制御される一方、有効電力値が第一の基準値未満かつ第二の基準以上かつ無効電力値が第三のしきい値未満の場合に小容量のコンデンサが無効電力値に応じて開閉制御されるので、有効電力が小さくなる一方で無効電力は大きくなる場合であっても、有効電力値及び無効電力値の大小に関わらず、最適な力率に調整することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下この発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお実施の形態では、この発明に係る力率調整装置を受変電システムに適用して、受変電用変圧器の負荷側母線に接続された力率改善用の複数のコンデンサの開閉を制御する場合を例にとり説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における力率調整装置1を適用した受変電システムの構成を示すブロック図である。図1において、変圧器2の負荷側母線3には変流器4が設けられ、負荷側母線3の各相の線電流値を計測する。また、負荷側母線3には計器用変圧器5が接続され、負荷側母線3の各相の電圧値を計測する。計測された各相の線電流値及び電圧値は力率調整装置1の電力演算手段である電力演算部6に渡され、有効電力値P及び無効電力値Qが演算される。有効電力値Pは制御信号作成手段である制御部選択回路7に渡され、無効電力値Qは制御部選択回路7、第一の制御手段である主制御部8及び第二の制御手段である副制御部9にそれぞれ渡される。制御部選択回路7では、有効電力値P及び無効電力値Qと、所定の第一ないし第三の基準値とに基づき、第一の制御信号である第一の判定値7a及び第二の制御信号である第二の判定値7bを、それぞれ主制御部8及び副制御部9に渡す。
【0009】
主制御部8は、電力演算部6から渡された無効電力値Qと、制御部選択回路7から渡された第一の判定値7aとに基づき、第一のコンデンサであるN個の主コンデンサ(Cm)10を閉成するための第一の開閉信号であるB信号及び開成するための第一の開閉信号であるb信号を、第一の開閉手段である主開閉部11に渡す。実施の形態1では、主コンデンサ10の容量は全て等しいものとする。副制御部9は、電力演算部6から渡された無効電力値Qと、制御部選択回路7から渡された第二の判定値7bとに基づき、第二のコンデンサであるM個の副コンデンサ(Cs)12を閉成するための第二の開閉信号であるA信号及び開成するための第二の開閉信号であるa信号を、第二の開閉手段である副開閉部13に渡す。実施の形態1では、副コンデンサ12の容量は全て等しく、また副コンデンサ12の容量の合計は、1個の主コンデンサ10の容量よりも小さいものとする。主開閉部11は入力されたB信号に対応する主コンデンサ10を閉成し、b信号に対応する主コンデンサ10を開成する。副開閉部13は入力されたA信号に対応する副コンデンサ12を閉成し、a信号に対応する副コンデンサ12を開成する。また負荷側母線3は、変圧器14を介して負荷15に電力を供給する。なお、自家発電システム16が負荷側母線3に並列に接続され、変圧器14を介して負荷15に電力を供給する。
【0010】
次に、図1に示した受変電システムの動作について説明する。変圧器2の負荷側母線3に設けられた変流器4及び計器用変圧器5は、それぞれ各相の線電流及び各相の電圧を計測して、線電流値4a及び電圧値5aを電力演算部6に渡す。電力演算部6の構成を図2に示す。図2において電圧移相器61は電圧の位相を時間的にπ/2だけ遅らせる。無効電力ユニット62は無効電力を算出し、有効電力ユニット63は有効電力を算出する。乗算ブロック64及び65は入力を乗算する。また加算ブロック66及び67は、それぞれ乗算ブロック64及び65の出力を加算する。
【0011】
電力演算部6の動作を説明する。電力演算部6に渡された各相の電圧値5aは電圧移相器61に渡されて、π/2だけ位相が遅延される。位相が遅延された各相の電圧値は、無効電力ユニット62の乗算ブロック64に渡される。乗算ブロック64は、位相が遅延された各相の電圧値と各相の線電流値4aとを乗算する。乗算ブロック64で乗算した結果は加算ブロック66へ渡され、加算されて三相一括の無効電力の実効値、すなわち無効電力値Qが出力される。一方、電力演算部6に渡された各相の電圧値5aは、電圧移相器61を経由せず有効電力ユニット63の乗算ブロック65に直接渡される。乗算ブロック65は、各相の電圧値5aと各相の線電流値4aとを乗算する。乗算ブロック65で乗算した結果は加算ブロック67へ渡され、加算されて三相一括の有効電力の実効値、すなわち有効電力値Pが出力される。
【0012】
電力演算部6から出力される有効電力値P及び無効電力値Qは、図1に示すように共に制御部選択回路7に渡される。制御部選択回路7の構成を図3に示す。図3において、第一の基準値設定部71は有効電力の軽負荷検出の第一の基準値T1を所定の値に設定し、比較器74に渡す。第二の基準値設定部72は有効電力の軽負荷検出の第二の基準値T2を所定の値に設定し、比較器75に渡す。第三の基準値設定部73は無効電力の軽負荷検出の第三の基準値T3を所定の値に設定し、比較器76に渡す。比較器74ないし76は入力を比較して論理信号1または0を出力する。論理回路77及び78は入力に基づき所定の論理式に従って論理信号1または0を、それぞれ第一の判定値7a及び第二の判定値7bとして出力する。
【0013】
制御部選択回路7の動作を説明する。比較器74は第一の基準値T1と有効電力値Pとの大小を比較判定して、有効電力値Pが第一の基準値T1以上のときに論理信号1を、有効電力値Pが第一の基準値T1未満の時に論理信号0を、それぞれ出力する。比較器75は第二の基準値T2と有効電力値Pとの大小を比較判定して、有効電力値Pが第二の基準値T2以上のときに論理信号1を、有効電力値Pが第二の基準値T2未満の時に論理信号0を、それぞれ出力する。比較器76は第三の基準値T3と無効電力値Qとの大小を比較判定して、無効電力値Qが第三の基準値T3以上の時に論理信号1を、無効電力値Qが第三の基準値T3未満の時に論理信号0を、それぞれ出力する。論理回路77は、比較器74の出力信号が0かつ比較器75の出力信号が1かつ比較器76の出力信号が1のとき、または比較器74の出力信号が1のときに論理信号1を第一の判定値7aとして出力し、それ以外の条件のときに論理信号0を第一の判定値7aとして出力する。論理回路78は、比較器74の出力信号が0かつ比較器75の出力信号が1かつ比較器76の出力信号が0のときに論理信号1を第二の判定値7bとして出力し、それ以外の条件のときに論理信号0を第二の判定値7bとして出力する。
【0014】
図1において主制御部8は、制御部選択回路7から渡される第一の判定値7aが1のときに、電力演算部6から渡される無効電力値Qの値と、あらかじめ既知であるN個の主コンデンサ10の電力容量とに基づき、目標とする力率以上、すなわち力率が1もしくは、進み力率となるよう、負荷側母線3に接続されたN個の主コンデンサ10のうちn個を閉成するB信号を主開閉部11へ出力する。一方、残りの(N−n)個の主コンデンサ10については、これらを開成するb信号を主開閉部11へ出力する。また、第一の判定値7aが0のときは、N個の主コンデンサ10の全てに対してb信号を主開閉部11へ出力し、全ての主コンデンサ10を開成する。副制御部9は、制御部選択回路7から渡される第二の判定値7bが1のときに、電力演算部6から渡される無効電力値Qの値と、あらかじめ既知であるM個の副コンデンサ12の電力容量とに基づき、目標とする力率以上、すなわち力率が1以上となるよう、負荷側母線3に接続されたM個の副コンデンサ12のうちm個を閉成するA信号を副開閉部13へ出力する。一方、残りの(M−m)個の副コンデンサ12については、これらを開成するa信号を副開閉部13へ出力する。また、第二の判定値7bが0のときは、M個の副コンデンサ12の全てに対してa信号を副開閉部13へ出力し、全ての副コンデンサ12を開成する。
【0015】
主開閉部11は、入力されたB信号に対応する主コンデンサ10に設けられたスイッチをオンすることで、所望のn個の主コンデンサ10を閉成し、入力されたb信号に対応する主コンデンサ10に設けられたスイッチをオフすることで、所望の(N−n)個の主コンデンサ10を開成する。また、副開閉部13は、入力されたA信号に対応する副コンデンサ12に設けられたスイッチをオンすることで、所望のm個の副コンデンサ12を閉成し、入力されたa信号に対応する副コンデンサ12に設けられたスイッチをオフすることで、所望の(M−m)個の副コンデンサ12を開成する。
【0016】
実施の形態1では、上述した第一ないし第三の基準値設定部において設定されるT1ないしT3を、電力計等を用いた事前の計測によって定めるものとする。例えば、T1は昼間、自家発電システム16が稼動している状態での有効電力値Pd及び夜間に自家発電システム16が停止している状態での有効電力値Pnをそれぞれ計測して設定し、具体的にはPn<T1<Pdとする。またT2は、休日の有効電力値Phを計測して設定し、具体的にはPh<T2<Pnとする。さらにT3は、昼間、自家発電システム16が稼動している状態での無効電力値Qd及び夜間に自家発電システム16が停止している状態での無効電力値Qnをそれぞれ計測して設定し、具体的にはQn<T3<Qdとする。
【0017】
上述のように構成された力率調整装置1においては、平日の昼間に自家発電システム16が停止した状態では、有効電力値P、無効電力値Qともに大きくなる。すなわち有効電力値PはT1≦Pとなるため比較器74の出力が1となり、従って、論理回路77の出力が1かつ論理回路78の出力が0となる。この場合、主制御部8においては無効電力値Qに応じて、主開閉部11によって電力容量が大きな主コンデンサ10を開閉制御するので、遅れ力率となるのを避けることができる。
【0018】
また、平日の昼間に自家発電システム16を動作させた状態では、自家発電システム16より供給される有効電力を考慮すると、有効電力値Pは小さくなる一方、発電機の特性により無効電力値Qは大きくなる。すなわち有効電力値P及び無効電力値Qに対してT2≦P<T1かつT3≦Qが成立して、比較器74の出力が0かつ比較器75の出力が1かつ比較器76の出力が1となり、従って、論理回路77の出力が1かつ論理回路78の出力が0となる。この場合、主制御部8においては無効電力値Qに応じて、主開閉部11によって電力容量が大きな主コンデンサ10を開閉制御する。すなわちこの場合は副コンデンサ12を使用せず、主コンデンサ10を使用する。これにより、大きな無効電力値Qに対して容量の大きな主コンデンサ10を使用するので、遅れ力率となるのを避けることができる。
【0019】
また、平日の夜間は有効電力値P、無効電力値Q共に小さくなる。すなわち有効電力値P及び無効電力値Qに対してT2≦P<T1かつQ<T3が成立して、比較器74の出力が0かつ比較器75の出力が1かつ比較器76の出力が0となり、従って、論理回路77の出力が0かつ論理回路78の出力が1となる。この場合、副制御部9においては無効電力値Qに応じて、副開閉部13によって電力容量が小さな副コンデンサ12を開閉制御するので、遅れ力率となるのを避けることができる。さらにこの場合は、容量の小さな副コンデンサ12を使用するので、力率が大きく進むのを避けることができる。
【0020】
さらに最も消費電力の低い休日では、有効電力値P、無効電力値Q共にさらに小さくなってコンデンサの投入が不要となる。この場合、有効電力Pに対してP<T2が成立して、比較器74の出力が0かつ比較器75の出力が0かつ比較器76の出力が0となり、従って、論理回路77の出力が0かつ論理回路78の出力が0となる。この場合、上述のように主制御部8及び副制御部9は共に主開閉部11と副開閉部13に対してb信号及びa信号を出力して、全ての主コンデンサ10及び副コンデンサ12を開成する。すなわち、不要なコンデンサの閉成をしないため、力率が大きく進むのを避けることができる。
【0021】
以上説明したように、実施の形態1によれば有効電力値Pの大小、無効電力値Qの大小に関わらず遅れ力率となるのを避けることができ、力率を最適に調整することができる。
【0022】
なお、上記の説明では主コンデンサ10及び副コンデンサ12の電力容量を全て等しいものとして説明したが、これは必ずしも全て等しくする必要はない。すなわち、主コンデンサ10及び副コンデンサ12の電力容量はそれぞれ異なっていても良い。また、上記の説明では副コンデンサ12の容量の合計値よりも1個の主コンデンサ10の容量が大きいものとして説明したが、これは必ずしも大きくなくても良い。
【0023】
なお、上記の説明では目標力率が1であるとして説明したが、目標力率は必ずしも1である必要はなく、1に近い値であれば力率が遅れ力率でも、又は、進み力率でも良い。
【0024】
実施の形態2.
実施の形態1では、第三の基準値T3は電力計等を用いてあらかじめ計測した無効電力値Qに基づき定まるものとして説明した。これに対して実施の形態2では、あらかじめ無効電力値を計測することなく、所定の基準値設定信号が入力されている時点の無効電力値Qに基づき第三の基準値T3を設定する。実施の形態2における力率調整装置1を適用した受変電システムの構成は、実施の形態1における図1と同様であるため省略する。実施の形態2では、図1の制御部選択回路7の代わりに制御部選択回路70を適用する。
【0025】
図4は実施の形態2における制御部選択回路70を示すブロック図であり、実施の形態1の図3に相当する。なお図3と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図4において、基準値設定信号出力手段である第三の基準値設定信号部701は論理信号1または0を出力する。最大最小無効電力記憶制御手段である最大最小無効電力記憶制御部702は、電力演算部6から渡される有効電力値Pならびに無効電力値Q、及び第一の基準値T1ならびに第二の基準値T2に基づき、記憶すべき最大無効電力Qmax及び最小無効電力Qminを決定する。最大無効電力記憶手段である最大無効電力記憶部703は最大無効電力Qmaxを記憶し、最小無効電力記憶手段である最小無効電力記憶部704は最小無効電力Qminを記憶する。基準値演算手段である第三の基準値演算部705は、最大無効電力Qmax及び最小無効電力Qminに基づき演算して第三の基準値T3を算出する。
【0026】
実施の形態2における受変電システムの動作を説明する。通常の動作については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。実施の形態2では、第三の基準値T3を設定する動作が実施の形態1と異なる。第三の基準値設定信号部701は、通常時は論理信号0を出力するが、第三の基準値T3を設定する時には基準値設定信号として論理信号1を出力する。論理信号1が出力された場合、論理回路771の中の論理積回路772及び論理回路781は論理信号0を出力する。さらにこのとき、有効電力値Pが第一の基準値T1未満かつ第二の基準値T2以上のとき、すなわちT2≦P<T1が成り立つ場合に第三の基準値T3が設定される。この場合、比較器74の出力は論理信号0となる。すると主制御部8及び副制御部9により、主コンデンサ10及び副コンデンサ12は全て開成制御される。従って、第三の基準値T3を設定する時には、全てのコンデンサの影響を除外することができる。
【0027】
最大最小無効電力記憶制御部702は、第三の基準値T3を設定する時、すなわち第三の基準値設定信号部701から論理信号1が出力された場合であって、かつ有効電力値PがT2≦P<T1の場合に動作する。そして、既に最大無効電力記憶部703に記憶されている最大無効電力Qmaxよりも無効電力値Qが大きければ、当該無効電力値Qの値を新たな最大無効電力Qmaxとして、最大無効電力記憶部703に記憶する。一方、既に最小無効電力記憶部704に記憶されている最小無効電力Qminよりも無効電力値Qが小さければ、当該無効電力値Qの値を最小無効電力Qminとして、最小無効電力記憶部704に記憶する。第三の基準値演算部705は、最大無効電力記憶部703に記憶された最大無効電力Qmaxと、最小無効電力記憶部704に記憶された最小無効電力Qminとの値の中間値Qave=(Qmax+Qmin)/2を算出し、Qaveを第三の基準値T3として、第三の基準値設定部73へ渡す。第三の基準値T3の設定が完了すると基準値設定信号の出力が停止して、設定動作が完了する。すなわち第三の基準値設定信号部701から出力される論理信号が1から0へ遷移する。
【0028】
以上のような動作により、あらかじめ無効電力値Qを計測することなく第三の基準値T3を設定することができる。なお、上述した動作において、第三の基準値設定信号部701から論理信号1が出力された場合でも、有効電力PがP<T2またはT1≦Pの場合には、最大最小無効電力記憶制御部702は動作しない。すなわち最大最小無効電力記憶制御部702は、平日の昼間に自家発電システム16が停止した状態や休日のように、第三の基準値T3の値に関わらず制御が行われる場合には動作せず、第三の基準値T3の値が制御に関係するような条件下でのみ動作する。
【0029】
実施の形態3.
実施の形態2では、基準値設定信号を用いることで、あらかじめ無効電力値Qを計測することなく第三の基準値T3を設定する場合について説明した。実施の形態3では、使用する主コンデンサ10及び副コンデンサ12の電力容量値に基づき、第三の基準値T3を設定する場合について説明する。実施の形態3における力率調整装置1を適用した受変電システムの構成は、実施の形態1における図1と同様であるため省略する。実施の形態3では、図1の制御部選択回路7の代わりに制御部選択回路700を適用する。
【0030】
図5は実施の形態3における制御部選択回路700を示すブロック図であり、実施の形態1の図3及び実施の形態2の図4に相当する。なお図3又は図4と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図5において、第一の記憶手段である主コンデンサvar値設定部7001は主コンデンサ10の電力容量値である無効電力var値をあらかじめ記憶し、第二の記憶手段である副コンデンサvar値設定部7002は副コンデンサ12の電力容量値である無効電力var値をあらかじめ記憶する。基準値演算手段である第三の基準値演算部705は、主コンデンサvar値設定部7001及び副コンデンサvar値設定部7002から渡される、主コンデンサvar値及び副コンデンサvar値に基づき演算して、第三の基準値T3を算出する。
【0031】
実施の形態3における受変電システムの動作を説明する。通常の動作については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。実施の形態3では、主コンデンサvar値設定部7001が1個の主コンデンサ10の電力容量Q1を第三の基準値演算部705に渡す。一方、副コンデンサvar値設定部7002は全ての副コンデンサ12の電力容量の和Q2を第三の基準値演算部705に渡す。第三の基準値演算部705は、Q1及びQ2に基づき、(Q1+Q2)/2を、第三の基準値T3として、第三の基準値設定部73へ渡す。
【0032】
以上のような動作により、実施の形態3によれば、実施の形態2と同様にあらかじめ無効電力値Qを計測することなく第三の基準値T3を設定することができる。
【0033】
実施の形態4.
実施の形態1では、無効電力値Qに応じて主コンデンサ10又は副コンデンサ12を選択的に開閉制御することでコンデンサの容量を制御し、これにより遅れ力率とならないよう制御するものとして説明した。これに対して実施の形態4では、遅れ力率となるのを許し、力率を1に最も近い値とする制御を行って、極端な進み力率とならないよう制御する。実施の形態4では、図1の主制御部8の代わりに第一の主制御部81及び第二の主制御部82を適用する。
【0034】
図6は実施の形態4における受変電システムの構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図1に相当する。なお図1と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図6において、力率調整装置1の制御部選択回路17は、第一の判定値7aの代わりに第三の判定値7c及び第四の判定値7dを出力する。このうち第三の判定値7cは第一の主制御部81に渡される。また第四の判定値7dは第二の主制御部82に渡される。
【0035】
実施の形態4における受変電システムの動作を説明する。電力演算部6が有効電力値P及び無効電力値Qを出力するまでの動作については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。実施の形態4では制御部選択回路17が第一の判定値7aの代わりに第三の判定値7c及び第四の判定値7dを出力する。図7は実施の形態4における制御部選択回路17を示すブロック図であり、実施の形態1の図3、実施の形態2の図4、または実施の形態3の図5に相当する。なお図3ないし図5と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図7において、比較器74は第一の基準値T1と有効電力値Pとの大小を比較判定して、有効電力値Pが第一の基準値T1以上のときに論理信号1を第三の判定値7cとして出力し、また有効電力値Pが第一の基準値T1未満のときに論理信号0を第三の判定値7cとして出力する。論理回路79は、比較器74の出力信号が0かつ比較器75の出力信号が1かつ比較器76の出力信号が1のときに、論理信号1を第四の判定値7dとして出力し、それ以外の条件のときに論理信号0を第四の判定値7dとして出力する。
【0036】
第一の主制御部81は、制御部選択回路17から渡される第三の判定値7cに従って、電力演算部6から渡される無効電力値Qの値と主コンデンサ10の電力容量とに基づき、主コンデンサ10を閉成するB信号及び開成するb信号を主開閉部11へ出力する。すなわち、平日の昼間に自家発電システム16が停止した状態のようにT1≦Pが成立する場合、第一の主制御部81が実施の形態1における主制御部8と同様の動作を行って、遅れ力率となるのを回避する。
【0037】
一方、第二の主制御部82は、制御部選択回路17から渡される第四の判定値7dに従って、電力演算部6から渡される無効電力値Qの値と主コンデンサ10の電力容量とに基づき、力率が最も1に近い値となるよう、主コンデンサ10を閉成するB信号及び開成するb信号を主開閉部11へ出力する。
【0038】
具体的には、平日の昼間に自家発電システム16を動作させた状態のようにT2≦P<T1かつT3≦Qが成り立ち、さらに遅れ力率となるのが許される場合には、第二の主制御部82が第一の主制御部81に代わって動作する。すなわち第二の主制御部82は主開閉部11により主コンデンサ10を選択的に開閉制御し、遅れ力率を許容しつつ力率が1に最も近くなるような制御を行って、極端な進み力率とならないよう制御する。なお上記の場合、副制御部9も第2の主制御部82と同様に、力率1に最も近くなるような制御を行う。また以降の動作は実施の形態1におけるのと同様であるため説明を省略する。
【0039】
以上説明したように、実施の形態4によれば有効電力値Pの大小又は無効電力値Qの大小に関わらず力率を調整することができ、しかも極端な進み力率とならないように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1における力率調整装置1を用いた受変電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における電力演算部6の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1における制御部選択回路7の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2における制御部選択回路70の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態3における制御部選択回路700の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態4における力率調整装置1を用いた受変電システムの構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4における制御部選択回路17の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0041】
1 力率調整装置
2 変圧器
3 負荷側母線
4 計器用変圧器
5 変流器
6 電力演算手段である電力演算部
7 制御信号作成手段である制御部選択回路
8 第一の制御手段である主制御部
9 第二の制御手段である副制御部
10 第一のコンデンサである主コンデンサ
11 第一の開閉手段である主開閉部
12 第二のコンデンサである副コンデンサ
13 第二の開閉手段である副開閉部
14 変圧器
15 負荷
16 自家発電システム




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013