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発明の名称 回転電機のステータ、回転電機、及び回転電機のステータの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14088(P2007−14088A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189867(P2005−189867)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 三宅 展明 / 中原 裕治 / 根岸 弥士 / 木枝 鋼希 / 鈴木 眞一郎
要約 課題
渡り線形成や組立の容易性を確保しながら、巻線順序に関わらず高密度なコイルを備える回転電機のステータを提供する。

解決手段
磁極ティース部2a〜2dが装着され、湾曲自在な絶縁フィルム7a〜7eによって連結されているコイルボビン10を、磁極ティース部2a〜2dの先端部を外側に向けるように逆反りされた状態で配置する工程と、逆反りされた状態で配置されたコイルボビン10に対してコイル4を巻回する工程と、絶縁フィルム7a〜7eを内側に湾曲させて、コイルボビン10をそれぞれの磁極ティース2a〜2d先端が回転電機の内周側を向くように環状の配置へと並べる工程と、磁極ティース部2a〜2dの外周側にアウターコア部3を配設する工程からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
アウターコア部と、上記アウターコア部から内周側に配設される複数の上記磁極ティース部とに分割構成されたステータコア、
上記複数の磁極ティース部のそれぞれに装着され、それぞれにコイルが巻回されたコイルボビン、
上記回転電機の周方向に隣り合う上記コイルボビンの外周側同士を連結している湾曲自在な絶縁フィルムから構成されている回転電機のステータ。
【請求項2】
上記コイルボビンの外周側には、少なくとも上記絶縁フィルムを固定するための周長を有する外周側つばを備え、上記回転電機の周方向に隣り合う上記コイルボビンの外周側つば同士が、上記絶縁フィルムで連結されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項3】
上記コイルボビンの内周側には内周側つばが設けられ、上記内周側つばの根元付近から回転電機の周方向に延びる絶縁フィルムを備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項4】
上記コイルボビンの外周側同士を連結する上記絶縁フィルムは、当該コイルボビン間のスロットの内周側に延びる絶縁フィルムと一体となり、上記スロットを覆う1枚の連続したシートで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項5】
上記コイルボビンの外周側同士を連結する上記絶縁フィルムは、回転電機の周方向に渡って1枚の連続したシートで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項6】
上記磁極ティース部とアウターコア部の分割面は、上記磁極ティースの稜線を径方向外側に延長した付近のアウターコア部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転電動機のステータ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項記載の回転電機のステータの内周側に、ロータを備えたことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
複数の磁極ティース部が装着され、外周側が湾曲自在な絶縁フィルムによって連結されている複数のコイルボビンを、上記磁極ティース部がそれらの先端部を外側に向けるように逆反りされた状態で配置する工程と、
上記逆反りされた状態で配置された上記コイルボビンに対してコイルを巻回する工程と、
上記絶縁フィルムを内側に湾曲させて、上記複数のコイルボビンをそれぞれの上記磁極ティース先端が回転電機の内周側を向くように環状の配置へと並べる工程と、
上記磁極ティース部の外周側にアウターコア部を配設する工程とからなる回転電機のステータの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機のステータ、回転電機およびその製造方法に係り、たとえば換気扇用コンデンサ誘導電動機等に使用されるステータの構造及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、少ないスロット数(4スロットや6スロット)のステータを有する回転電機では、スロットの外周の弧長が長いので、通常、その内側のスペースへコイルを高速・高密度に巻線するのは困難である。そこで、従来の回転電機のステータでは、ステータコアの鉄心を歯部と継鉄部とに接合可能に分割し、絶縁材料からなるコイルボビンにワイヤを巻装し、コイルボビンに歯部を嵌入にして継鉄部と接合し、コイル間およびコイルと引出しリード線間を接続して絶縁固定することにより、高密度化を図る手法が考えられている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
しかしながら、分割鉄心の磁極ティースをバラバラに置いて巻線すると、ステータコアの組立や渡り線処理が面倒になるため、歯部と継鉄部が一体の分割鉄芯体を正規の寸法で環状に保持し、外周側から順に巻線するという方法が取られている。(例えば、特許文献2参照)そのため、最初に巻かれるコイルは、後から巻かれるコイルの巻線作業に影響しないよう、コイル形状に配慮する必要がある。図10は、その例を示す断面図であり、ステータコアは、4個の磁極ティース部102a、102b、102c、102dと、円環状のバックヨーク部103に分割され、磁極ティース部102a、102b、102c、102dには樹脂製のコイルボビン106が装着されている。そして、同相の最初に巻かれるコイル104a、104cは磁極ティース部102a、102cのコイルボビン106に対して、回転するフライヤーノズル105によりマグネットワイヤ101を連続的に巻線する。その後、別相のほぼ同量のコイル104b、104dを磁極ティース部102b、102dのコイルボビン106に巻線する。
【0004】
【特許文献1】特開平5−191943号公報(段落[0004]、[0007]、図3)
【特許文献2】特開2004−147380号公報(段落[0014]、[0018]、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のステータに対する巻線には以下のような問題点があった。すなわち、図10において、最初のコイル104aの巻線において、仮に外周側の隅部スペース107にまでコイルを巻線した場合、フライヤーノズル105により後のコイル104bの巻線をコイル104aの巻線と同様の巻線量で行うことができない。また、後のコイル104bの巻線において、内周側の隅部スペース108にまで巻線しようと思っても、最初のコイル104aの巻線がフライヤノズル105からのマグネットワイヤ101の通過スペースにとって障害となり、巻線できない。その結果、最初のコイル104a及び後のコイル104bの巻線において、相互に障害物となる外周側の隅部スペース107や内周側の隅部スペース108に巻線が及ばないよう、あらかじめ巻線量を制限する必要がある。このように、限られた回転電機の大きさ(モータサイズ)の中で、高密度なコイル巻線を必要とする高性能回転電機(モータ)を得ることが困難であった。なお、障害物があっても滑らかな型に沿ってワイヤを送り込むフォーマ式という方法があるが、上記のようにフライヤノズル105で直接コイルボビンに巻線する直巻き式に比べれば、巻線密度や回転速度、ワイヤの加工劣化具合に限界があるので、0.1mm以下の細いワイヤを何千ターンも巻線するような小型のファンモータには適さない。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、渡り線形成や組立の容易性を確保しながら、巻線順序に関わらず高密度なコイルを備える回転電機のステータを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る回転電機のステータは、ステータコアの磁極ティースにコイルボビンを装着しコイルボビンにコイルを巻回してなるものにおいて、アウターコア部と、アウターコア部から内周側に配設される複数の磁極ティース部とに分割構成されたステータコアと、複数の磁極ティース部のそれぞれに装着され、それぞれにコイルが巻回されたコイルボビンと、回転電機の周方向に隣り合うコイルボビンの外周側同士を連結している湾曲自在な絶縁フィルムとで構成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る回転電機のステータの製造方法は、複数の磁極ティース部が装着され、外周側が湾曲自在な絶縁フィルムによって連結されている複数のコイルボビンを、磁極ティース部がそれらの先端部を外側に向けるように逆反りされた状態で配置する工程と、逆反りされた状態で配置されたコイルボビンに対してコイルを巻回する工程と、絶縁フィルムを内側に湾曲させて、複数のコイルボビンをそれぞれの磁極ティース先端が回転電機の内周側を向くように環状の配置へと並べる工程と、磁極ティース部の外周側にアウターコア部を配設する工程とからなる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、コイル巻回時に、ステータコアの磁極ティース部をアウターコア部から分割し、コイルボビンを連結する絶縁フィルムを磁極ティース先端が外側を向くように逆反り状態にさせれば、コイルボビンの周囲は完全なオープンスペースとなって巻線順序に関わらず高速・高密度な巻線が可能となる。また、絶縁フィルムに渡り線を沿わせることで連続巻線が容易となる。さらに、ステータコア組立時には、絶縁フィルムを内周側に折り曲げ・湾曲させながら、連結したコイルボビンを環状に並べることにより、個々のコアを集める手間やコイルの外周側への漏れに煩わされることなく、組立性及び品質よくコイルを円環状に湾曲成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるステータの巻線方法を示す断面図、図2はステータの巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図、図3はアウターコア部圧入後、ステータの組立状態を示す断面図、図4は絶縁フィルムの原形状を示す外観図、図5はステータコアと絶縁フィルムを示す斜視図である。
【0012】
図において、ステータコアは、磁極ティース部2a、2b、2c、2dと、環状のヨーク部であるアウターコア部3に分割されており、磁極ティース部2a、2b、2c、2dの外周側にはアウターコア部3が装着される分割面17が形成されている。磁極ティース部2a、2b、2c、2dにはそれぞれコイルボビン6が装着され、各コイルボビン6にはコイル4a、4b、4c、4dが巻線される。各コイルボビン6には、外周側つば16と内周側つば50を有しており、外周側つば16の周方向端部はステータコアの分割面17付近に位置するように外周側つば16の長さは短く抑えられている。その代わりに、コイルボビン6に巻線されたコイル4a、4b、4c、4dと、アウターコア部3との間の絶縁性を確保するために、隣接する分割面17同士の間のアウターコア部3の周縁において、絶縁フィルム7a〜7eが大半の領域を占めるように、当該絶縁フィルムが外周側つば16に例えば超音波溶着(コイルボビンの樹脂の一部を溶かして)固定されている。これらの絶縁フィルム7a〜7eとしては折り曲げかつ湾曲しても強度が保たれるPETフィルム等が好適に用いられる。
【0013】
絶縁フィルム7a、7b、7cは、図4(a)に示すように、コイルが巻かれるための切り欠きを左右に2組、計4箇所備え、折り曲げられる中央部で対称な形状に簡易プレスで打ち抜かれる。絶縁フィルム7e、7dは、図4(b)に示すように、絶縁フィルム7a、7b、7cの半分の形状で中央を少し伸ばしたような形状に打ち抜かれる。絶縁フィルム7eは切り欠きの一辺が磁極ティース部2bのコイルボビン6の外周側つば16に固定される。絶縁フィルム7aは両切り欠きの二辺が磁極ティース部2b、2aのコイルボビン6の外周側つば16に固定される。絶縁フィルム7bは両切り欠きの二辺が磁極ティース部2a、2dのコイルボビン6の外周側つば16に固定される。絶縁フィルム7cは両切り欠きの一辺が磁極ティース部2d、2cのコイルボビン6の外周側つば16に固定される。絶縁フィルム7dは切り欠きの一辺が磁極ティース部2cのコイルボビン6の外周側つば16に固定される。そして、これらの絶縁フィルム7a、7b、7c、7d、7eは、4個のコイルボビン6を連結するとともに、各磁極ティース部2a、2b、2c、2dをはさんで両側において、コイルボビン6の外周側つば16、磁極ティース部の側面、内周側つば50の根元付近を経由してコの字状の空間を包含するように配置されている。
【0014】
次に、本実施の形態によるステータの巻線方法を図1に基づいて説明する。絶縁フィルム7a、7b、7cによって連結されている4個のコイルボビン6は、磁極ティース部2a、2b、2c、2dがそれらの先端部を外側に向けるよう逆反りされた状態で配置され、それぞれの分割面17をチャック8により固定する。このとき、絶縁フィルム7e、7dの端部も同時にチャック8に固定される。このように固定された状態では、磁極ティース部2a、2b、2c、2dに装着したコイルボビン6の周囲は障害物のない完全なオープンスペースとなる。そのため、回転するフライヤノズル5から繰り出されるマグネットワイヤ1は、磁極ティース部周りの所望の場所へ巻き付けられていく。
【0015】
例えば、磁極ティース部2aへ巻線されたコイル4aの形状は、図1に示すように、マグネットワイヤ1は磁極ティース部2aにほぼ垂直な向きで、かつ相互にほぼ平行に俵積みされ、断面がおよそ台形形状となる。そして、磁極ティース部2aの巻線後、フライヤノズル5に対してチャック8が回転すると、マグネットワイヤ1は、順に、絶縁フィルム7b、コイルボビン6、絶縁フィルム7cに沿いながら渡り線を形成し、引き続き同相の磁極ティース部2cへの巻線にと供される。この場合、絶縁フィルムの内周側は、極細のマグネットワイヤであれば当該フィルム単独でコイル形状を保持でき、少し太めのマグネットワイヤの場合は、フライヤの内側にフリーな状態で備えられる冶具等で保持される。磁極ティース部2cへの巻線が完了すれば、次に、別相の磁極ティース部への巻線として、同様に、磁極ティース部2bへの巻線、順に、絶縁フィルム7a、コイルボビン6、絶縁フィルム7bへの渡り線、磁極ティース部2dへの巻線が引き続いて行われる。
【0016】
次に、コイルの成形方法を図2に基づいて説明する。磁極ティース部2a、2b、2c、2dのまわりに巻線されたコイル4a、4b、4c、4dは、図2点線で示すように、磁極ティースの先端部を外周側に向けた状態で、絶縁フィルム7a、7b、7c、7d、7eで連結された状態にある。そして、図1のチャック8による固定を外した後、絶縁フィルム7a、7b、7c、7d、7eを内周側に折り曲げ、湾曲させながら、連結された4個のコイルボビン6を逆反り状態から各磁極ティース先端が内周側を向くように環状の配置へと並べる。引き続いて、コイル4a、4b、4c、4dに対して、それらの外周側に配置された成形冶具9により中心向きに移動・加圧させる。その結果、各コイル4a、4b、4c、4dの形状は、隣接するコイル同士が接しながらスロット内を占有するようになり、台形から最終形状である扇形形状に成形される。最後に、絶縁フィルム7e、7dの端部を折り重ねてテープ等で固定して、円環状のコイルと磁極ティースから構成されるステータ組立品24を得る。
【0017】
次に、ステータの組立方法を図3に基づいて説明する。円環状の組立品24において、外周側に配置された各磁極ティース部2a、2b、2c、2dの分割面17を、アウターコア部3へ圧入、嵌合することにより、アウターコア部3と一体となりステータ25が構成される。そして、ステータ25の内周側に図示しないロータを配置することにより回転電機が完成する。
【0018】
以上のように本実施の形態によれば、磁極ティース部まわりにオープンスペースができるので、スロットの巻線順序に関係なく、高速・高密度に巻線することができるとともに、巻線後、円環状に成形することによりスロット一杯に配置されるコイルに成形することができる。このとき、コイルボビン6は、絶縁フィルム7a、7b、7cを介して連結されているので、コイルの渡り線は切断されることなく形成され、連続的に巻線しやすい。また、絶縁フィルムがコイルを保護しながら成形することになるので、絶縁性を容易に確保できる。特に、線径0.1前後のような細線のコイルでは成形に要する力は小さく、思い通りのコイル形状へ容易に成形することができる。すなわち、生産性と品質を満足しながら、高密度コイルを備えた高性能回転電機(モータ)を得ることが可能となる。
【0019】
また、コイルボビンの内周側には内周側つばが設けられ、内周側つばの根元付近から回転電機の周方向に絶縁フィルムが延びているので、この構成により、成形時にコイルが内周側へ湾曲するためのスペースを予め容易に確保することができ、より高密度な巻線・成形が可能となる。
【0020】
さらに、コイルボビンの外周側同士を連結する絶縁フィルムは、当該コイルボビン間のスロットの内周側に延びる絶縁フィルムと一体となり、当該スロットを覆う1枚の連続し
たシートで構成されているので、コイルボビンを連結する機能と、成形後にスロット内側にコイルが湾曲するためのスペースを容易に確保する機能と、スロット内のコイルの外部との絶縁性を確保する機能を併せ持つことができる。
【0021】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2によるコイルボビンに絶縁フィルムを装着する様子を示す斜視図、図7は本実施の形態においてステータの巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図である。なお、図示しないその他の構成は実施の形態1と同様である。
【0022】
本実施の形態において、コイルボビン10は外周側つば18と内周側つば19を備えており、あらかじめ磁極ティース部2a、2b、2c、2dが装着されている。そして、上記コイルボビン10に対して、1枚の連続したシートからなる絶縁フィルム11が一方向から挿入される。この絶縁フィルム11の片端には4箇所の切り欠きが設けられ、当該切り欠きの周縁部が各コイルボビン10の外周側つば18に溶着固定されて、各コイルボビン10を連結している。
【0023】
コイルボビン10と絶縁フィルム11との固定が完了すると、実施の形態1と同様にして、絶縁フィルム11により連結している4個のコイルボビン10を、その磁極ティース部2a、2b、2c、2dの先端部が外側に向くように逆反りした状態になるように配置して、チャックにより固定する。そして、各磁極ティース部2a、2b、2c、2d回りにコイル4a、4b、4c、4dを巻き付けて行く。その後、チャックによる固定を外した後、図7に示すように、絶縁フィルム11を内周側に折り曲げ、湾曲させながら、連結された4個のコイルボビン10を逆反り状態から各磁極ティース先端が内周側を向くように環状の配置へと並べる。引き続いて、コイル4a、4b、4c、4dに対して、それらの外周側に配置された成形冶具9により中心向きに移動・加圧する。その結果、各コイル4a、4b、4c、4dの形状は、隣接するコイル同士が接しながらスロット内を占有するようになり、台形から最終形状である扇形形状に成形される。このようにして、円環状のコイルと磁極ティースから構成される組立品24を得る。
【0024】
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果を有するほか、絶縁フィルムが1枚のシートから構成されているので、コイルボビンへの固定が容易で、より生産性の高い、高性能回転電機(モータ)を得ることが可能となる。
【0025】
また、本実施の形態では、絶縁フィルムはスロット内周側を囲う部分が存在しないので、実施の形態1ほどのコイル保持機能はないが、コイルボビン10の内周側つば19により、コイル成形の効果が出る程度のコイル保持が可能である。
【0026】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3によるコイルボビンに絶縁フィルムを装着する様子を示す斜視図である。なお、図示しないその他の構成は実施の形態1と同様である。
【0027】
本実施の形態において、コイルボビン12は外周側つば28と内周側つば29を備えている。そして、上記コイルボビン12に対して、1枚の連続したシートからなる絶縁フィルム13が挿入される。この絶縁フィルム13には、磁極ティース部2a、2b、2c、2dが一方向から貫通できるような穴が設けられている。この場合、4個のコイルボビン12は、その外周側つば28の内周側において、あらかじめ絶縁フィルム13が穴の位置を合せるようにして溶着固定される。
【0028】
そして、絶縁フィルム13で連結されたコイルボビン12に対して、磁極ティース部2a、2b、2c、2dを径方向に挿入した後、実施の形態1と同様にして、絶縁フィルム13により連結している4個のコイルボビン12を、その磁極ティース部2a、2b、2c、2dの先端部が外側に向くように逆反りした状態になるように配置して、チャックにより固定する。そして、各磁極ティース部2a、2b、2c、2d回りにコイル4a、4b、4c、4dを巻き付けて行く。その後、チャックによる固定を外した後、絶縁フィルム13を内周側に折り曲げ、湾曲させながら、連結された4個のコイルボビン13を逆反り状態から各磁極ティース部先端が内周側を向くように環状の配置へと並べる。引き続いて、コイルに対して、それらの外周側に配置された成形冶具により中心向きに移動・加圧する。その結果、各コイルの形状は、隣接するコイル同士が接しながらスロット内を占有するようになり、台形から最終形状である扇形形状に成形される。このようにして、円環状のコイルと磁極ティース部から構成される組立品を得る。
【0029】
本実施の形態によれば、絶縁フィルムが1枚のシートからなるので、コイルボビン10への固定が容易である上、磁極ティース部を組み立てなくても複数のコイルボビンを環状に連結できるので、生産ライン内での巻線工程が簡素に構成でき、より生産性の高い、高性能回転電機(モータ)を得ることが可能となる。
【0030】
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4によるステータを示し、コイルボビンに巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図である。
【0031】
本実施の形態において、ステータコアは、それらの分割面20が磁極ティースの延長線付近に位置するように、磁極ティース部14a、14b、14c、14dと、アウターコア部15a、15b、15c、15dとに分割されている。
【0032】
磁極ティース部14a、14b、14c、14dに組み立てられ、外周側つば16の周方向端部が分割面20付近になるように構成されるコイルボビン6が逆反りした状態になるように絶縁フィルム7a、7b、7c、7d、7eが固定された後、フライヤノズル5により、各磁極ティース部2a、2b、2c、2d回りにコイル4a、4b、4c、4dを巻き付けて行く。そして、絶縁フィルム7a、7b、7c、7d、7eを内周側に折り曲げ、湾曲させながら、連結された4個のコイルボビン6を逆反り状態から各磁極ティース先端が内周側を向くように環状の配置へと並べる。次に、ステータコアの一部であるアウターコア部15a、15b、15c、15dにより、上記巻回されたコイルに対して、それらの外周側から中心向きに加圧して固定する。その結果、各コイルの形状は、隣接するコイル同士が接しながらスロット内を占有するようになり、台形から最終形状である扇形形状に成形される。このようにして、円環状のコイルと磁極ティース部から構成される組立品を得る。
【0033】
本実施の形態によれば、ステータコアの一部であるアウターコア部が、成形冶具の加圧機能を受け持つことが可能で、生産性よく高性能の回転電機(モータ)を得ることができる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、絶縁フィルムをコイルボビンに溶着固定した例を示したが、接着固定や両面テープ固定、一体樹脂モールドによる固定や、コイルボビンとコアへの隙間への挿入による固定でも同様の効果がある。
【0035】
また、上記実施の形態1では、円環状の端末部となる絶縁フィルムはあらかじめ分断された2枚のものを示したが、残り3箇所と同様、つながった1枚で逆反り状態を形成し、巻線後、コイル成形するときにその部分の絶縁フィルムを分断してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、1枚のシートからなる絶縁フィルムをコイルボビンに溶着固定する例を示したが、成形金型内でコイルボビンの樹脂材料とともに一体成形する方法を採ってもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、コイルボビンの組立方法について詳しく図示しなかったが、絶縁距離を確保できれば、組立性向上のために、積厚方向や径方向に分割しても上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1によるステータの巻線方法を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1においてステータの巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1においてアウターコア部圧入後、ステータの組立状態を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による絶縁フィルムの原形状を示す外観図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるステータコアと絶縁フィルムを示す斜視図である。
【図6】はこの発明の実施の形態2によるコイルボビンに絶縁フィルムを装着する様子を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2においてステータの巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態3によるコイルボビンに絶縁フィルムを装着する様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態4によるステータを示し、コイルボビンに巻線後、円環状に成形されたコイルの状態を示す断面図である。
【図10】従来のステータの巻線方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0039】
2a,2b,2c,2d 磁極ティース部、4a,4b,4c,4d コイル、
6 コイルボビン、7a,7b,7c,7d,7e 絶縁フィルム、
10 コイルボビン、11 絶縁フィルム、12 コイルボビン、13 絶縁フィルム、14a,14b,14c,14d 磁極ティース部、
15a,15b,15c,15d アウターコア部、16 外周側つば、17 分割面、18 外周側つば、19 内周側つば、20 分割面、50 内周側つば。




 

 


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