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発明の名称 電力変換装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6584(P2007−6584A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182327(P2005−182327)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 小草 慎一
要約 課題
構造を最適化することにより、浮遊インピーダンス低減、装置の小型化およびメンテナンスを容易にすることができる電力変換装置を得る。

解決手段
第1,第2のコンデンサ群3a,3bと、その正極および負極電位部の間に直列接続の第1〜第4のスイッチング素子SDと、各スイッチング素子に並列接続のダイオードD1と、中間電位部にアノード側を、第1,第2のスイッチング素子の接続点にカソード側を接続したダイオードD2と、第3,第4のスイッチング素子の接続点にアノード側を、中間電位部にカソード側を接続したダイオードD3とを備え、第2,第3のスイッチング素子の接続点に交流端子を接続して3レベルの電圧切り換えを行い、ダイオードD2のアノードと第1のコンデンサ群の負極側を接続する第1の中間電位導体と、ダイオードD3のカソードと第2のコンデンサ群の正極側を接続する第2の中間電位導体を、D2、D3が接続された端と反対側の端で接続する。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流回路に並列接続され、正極電位、中間電位、負極電位の3つの電位部を有する第1および第2のコンデンサ群と、上記正極電位部と上記負極電位部の間に直列接続された第1,第2,第3および第4のスイッチング素子と、該第1スイッチング素子から第4のスイッチング素子に並列に接続された還流ダイオードと、上記中間電位部にアノード側を、上記第1および第2のスイッチング素子の接続点にカソード側を接続された第1のクランプダイオードと、上記第3および第4のスイッチング素子の接続点にアノード側を、上記中間電位部にカソード側を接続された第2のクランプダイオードとを備え、上記第2および第3のスイッチング素子の接続点に交流端子を接続して3レベルの電圧切り換えを行う電力変換装置において、
上記第1のクランプダイオードのアノードと上記第1のコンデンサ群の負極側を接続する第1の中間電位導体と、上記第2のクランプダイオードのカソードと上記第2のコンデンサ群の正極側を接続する第2の中間電位導体を、上記第1および第2のクランプダイオードが接続された端と反対側に位置する端で接続したことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
上記第1のコンデンサ群と上記第2のコンデンサ群の端子部を対向させ、上記第1のコンデンサ群に接続されている正極電位導体と上記第1の中間電位導体、上記第2のコンデンサ群に接続されている上記第2の中間電位導体と負極電位導体を、絶縁物を介して挟み込んだ構造としたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
正側および負側の各アームを、エミッタ端子、コレクタ端子を上面に備えスイッチング素子および該スイッチング素子と逆並列に接続されたダイオードを内蔵したパワーモジュール群で構成した電力変換装置において、
上記正側および負側の各アームを別の2枚の冷却基板上に設置し、絶縁物を介して上記パワーモジュール群の各パワーモジュールが対向するように上記2枚の冷却基板を平行に近接させて配置し、上記各パワーモジュール間の配線および上記パワーモジュール群のエミッタ端子およびコレクタ端子の接続された交流回路への配線、直流回路への配線を平行に近接した配置の構造としたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
上記パワーモジュール群を含むパワーユニットを、それぞれの冷却基板が互いに平行になるように並べて配置し、冷媒を冷却するための冷却装置とは容易に着脱可能なコネクタを用いて接続することによりコンバータとインバータを構成したことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
請求項4記載のパワーユニット群と、請求項2記載のコンデンサ群を、上記コンデンサ群に含まれるコンデンサの端子面が上記パワーユニット群に含まれるパワーユニットの冷却基板に平行になるよう隣接配置し、隣接面以外の面で上記インバータ、コンバータおよびコンデンサの電気的接続を行うことを特徴とする電力変換装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力変換装置に関し、特に、自己消弧型半導体素子とそれに逆並列接続されたダイオードを内蔵したパワーモジュールを用いて構成した電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置として、3レベルインバータを用いた回路構造のものがあり、この3レベルインバータは、直流電源が3つの異なる電位を持ち、4つのスイッチング素子と2つのダイオードの導通状態を制御することによって出力端子に直流電源の各電位を選択的に出力するようにしている。また、この3レベルインバータは、IGBTとそれに逆並列に接続されたダイオードを内蔵するパワーモジュールおよびダイオードモジュールで構成されたアームを冷却基板の両面に搭載しており、さらに、各パワーモジュールの電極端子を適宜貫通穴が設けられた導電体ブスバーにて接続し、スナバ回路の構成部品を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−201249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の電力変換装置では、インバータの直流電源として電力を供給している装置は明示されていないが、直流電源にはコンバータを使用する例が多く、また、インバータ、コンバータ間には直流電圧の変動を抑制するためにコンデンサが直流回路に並列に入れられている。このような構成の場合、コンバータ、コンデンサ、インバータ間の浮遊インピーダンスを極力小さくするような構成をとらなければ、サージ電圧を吸収するためのスナバ回路が必要となる。また、サージ電圧はスナバ回路のコンデンサにより吸収され、吸収されたエネルギーはスナバ回路の抵抗によって消費され、損失となる。従って、従来の電力変換装置の場合には、パワーモジュールがスイッチングするたびに損失が発生するので、スイッチング回数に比例して電力変換装置の損失が増大するという問題点があった。
【0005】
また、電力変換装置の小型化のためには、実装密度を上げる必要があり、従来の電力変換装置のようにインバータ、コンデンサだけでなく、コンバータを含めて浮遊インダクタンスが小さく、装置サイズがコンパクトで、メンテナンスが容易な構造が必要である。また、電力変換装置が大容量化するとコンデンサにも容量が求められるため、複数のコンデンサを並列接続することで大容量に対応することが多い。
【0006】
また、単相の交流電力系統から単相コンバータを用いて交流電力を直流電力に変換を行い、3相インバータを用いて3相交流電動機を駆動している場合は、単相の交流系統からは得られる電力は基本波周波数の2倍の周波数で脈動した電力となるため、電力変換装置の直流電圧の脈動が生じ、それを抑制するために、3相コンバータより大きなコンデンサ容量が必要であり、コンデンサの並列数が多くなる。従って、コンデンサを並列接続して用いると、インバータやコンバータに近くに配置されたコンデンサは配線のインピーダンスが小さく電流が集中しやすいので、コンデンサに流れる電流に差がある場合、電流が集中するコンデンサが早く劣化するので、メンテナンスコストの増加に繋がるという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、構造を最適化することにより、浮遊インピーダンス低減、装置の小型化およびメンテナンスを容易にすることができる電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電力変換装置は、3レベル電力変換装置で正側のアームと第一のコンデンサ群を正極電位導体および第一の中間電位導体で配線し、負側のアームと第二のコンデンサ群を第二の中間電位導体と負極電位導体で配線し、第一の中間電位導体と第二の中間電位導体は第1および第2のクランプダイオードが接続された端と反対側に位置する端で接続したものである。
この発明に係る電力変換装置は、正と負のアームを構成するパワーモジュールをそれぞれ別個の冷却基板に取り付け、絶縁された平板導体によりパワーモジュールの配線を行い、冷却基板上のパワーモジュールを対向させて配置し、平板導体を近接させて配置したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、並列に接続された各コンデンサの電流経路のインピーダンスを平均化でき、特定のコンデンサに電流が集中することによる寿命の短命化を防ぐことができるという効果がある。
また、この発明によれば、電力変換装置の浮遊インダクタンスを減少させ、スイッチングによるサージ電圧を低下させることができ、サージ電圧を吸収してスイッチング素子を保護するための補助回路を不要とすることができ、電力変換装置の部品数を減少させ、装置の小型化および補助回路損失をなくすことによる装置の効率化を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の一形態を、図1〜図18を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置を示す構成図であって、ここでは、単相3レベルコンバータと3相2レベルインバータを組み合わせた場合の一例を示すもので、図2はその回路図である。
図1において、第1のコンデンサ群としてのコンデンサ50a、50bが並列に接続されると共に、第2のコンデンサ群としてのコンデンサ50c、50dが並列に接続される。なお、コンデンサ50a、50bは、図2のコンデンサ3aに相当し、コンデンサ50c、50dは、図2のコンデンサ3bに相当するものである。また、コンデンサ50a〜50dの下方には、3相2レベルインバータ用パワーユニット40が配置される。なお、コンデンサ50a〜50dで見えないが、後述する単相3レベルコンバータ用パワーユニット20(図4)が2つ配置されている。
【0011】
図2において、コンデンサ3aの正側(上側)の電位をP、コンデンサ3aの負側(下側)およびコンデンサ3bの正側(上側)の電位をC、コンデンサ3bの負側(下側)の電位をNとする。
コンデンサ3aの正側とコンデンサ3bの負側の間に、パワーモジュール1a〜1dの直列回路と、パワーモジュール1g〜1jの直列回路が並列に接続され、パワーモジュール1b,1cと並列にパワーモジュール1e,1fの直列回路が接続され、パワーモジュール1h,1iと並列にパワーモジュール1k,1lの直列回路が接続される。そして、パワーモジュール1b,1cの接続点とパワーモジュール1h,1iの接続点にそれぞれコンバータ入力端子(交流入力端子)4a,4bが接続され、また、パワーモジュール1e,1fの接続点とパワーモジュール1k,1lの接続点が共に電位がCのコンデンサ3a,3bの接続点に接続される。
【0012】
そして、パワーモジュール1a〜1lは共にスイッチング素子(SD、以下同様)とこのスイッチング素子のコレクターエミッタ間に逆向きに接続されたダイオードを含み、そのスイッチング素子のコレクタ側にそれぞれ接続されたコレクタ端子6a〜6lと、エミッタ側に接続されたエミッタ端子7a〜7lを有する。なお、図2においてパワーモジュール1a〜1d,1g〜1j中のスイッチング素子SDに逆向きに接続されたダイオードD1は、所謂還流ダイオードとして機能し、パワーモジュール1e,1fとパワーモジュール1k,1l中のスイッチング素子SDに逆向きにそれぞれ接続されたダイオードD2,D3は、所謂クランプダイオードとして機能する。
【0013】
また、コンデンサ3aの正側とコンデンサ3bの負側の間に、パワーモジュール2a,2bの直列回路と、パワーモジュール2c,2dの直列回路と、パワーモジュール2e,2fの直列回路が並列に接続される。そして、パワーモジュール2a,2bの接続点、パワーモジュール2c,2dの接続点およびパワーモジュール2e,2fの接続点にそれぞれインバータ出力端子(交流出力端子)5a,5bおよび5cが接続される。そして、パワーモジュール2a〜2fは共にスイッチング素子とこのスイッチング素子のコレクターエミッタ間に逆向きに接続されたダイオードを含み、そのスイッチング素子のコレクタ側にそれぞれ接続されたコレクタ端子8a〜8fと、エミッタ側に接続されたエミッタ端子9a〜9fを有する。
【0014】
図3は、この発明の実施の形態1による電力変換装置に使用するパワーモジュールの概観図である。
図3において、パワーユニットに用いられるパワーモジュール11は、複数の電極をなす端子12、端子13を有し、端子12がエミッタ端子で、端子13がコレクタ端子であり、ここでは、パワーモジュール11は、コレクタの端子12、エミッタの端子13の各電極がそれぞれ3つずつ付いている。
ただし、本実施の形態の電力変換装置では、パワーモジュール11の上面にコレクタ端子、エミッタ端子を備えていれば、端子数が図3のパワーモジュールと異なるなど違う形状でもかまわない。
【0015】
図4は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータユニットの概観図および分解図である。
図4(a)において、単相3レベルコンバータ用のパワーユニット20は、2枚の冷却基板21a、21bを組み合わせて構成されている。また、冷却配管22a〜22dが設けられ、冷却配管22a〜22dより冷媒が出入りし、冷却基板21a、21b内部の水路を流れ、冷却基板21a、21b上のパワーモジュール1a,1b,1eおよび1c,1d,1fの冷却を行う。冷媒は図示しないポンプにより循環させ、図示しない熱交換器で冷媒の冷却を行う。またこの冷却配管22a〜22dの先端はポンプや熱交換器への配管と着脱が可能なコネクタとする。
【0016】
冷却基板21aと21bの内側を、図4(b)(c)(d)に示す。冷却基板21aと21bは内側にパワーモジュール1a〜1fを図示した順番に取り付けてある。このパワーモジュール1a〜1fは、図2のパワーモジュール1a〜1fにそれぞれ対応する。
図4(b)において、パワーモジュール1e、1f、1k、1lは、通常の3レベル回路ではダイオードが用いられる。本実施の形態では、各モジュールの外形を揃えるため、一例としてIGBTを含んだパワーモジュールを用いているが、ダイオードモジュールを使用してもかまわない。ここで、パワーモジュール1e、1f、1k、1lにIGBTを含むパワーモジュールを使用する場合は、そのゲート・エミッタ間に負の電圧をかけるか短絡して、ダイオードとして使用する。
【0017】
図4(b)(c)(d)において、ラミネートブスバー23a、23b、24〜29が設けられ、これらのラミネートブスバー23a、23b、24〜29は、いずれも平板導体を絶縁フィルムでラミネートしたものである。ラミネートブスバー23aは、パワーモジュール1bのエミッタ端子7bに接続されている。ラミネートブスバー23bは、パワーモジュール1cのコレクタ端子6cに接続されている。
冷却基板21a、21bを合わせて図4(a)の状態にした場合は、ラミネートブスバー23a、23bの水平部が接触した状態で重なるようになっており、この接触部分には絶縁フィルムでラミネートされていない部分を設けて、ラミネートブスバー23aと23bは通電できる構造とする。この部分は、図2ではコンバータ入力端子4aに相当する。
【0018】
ラミネートブスバー25は、パワーモジュール1bのコレクタ端子6bとパワーモジュール1aのエミッタ端子7a、パワーモジュール1eのコレクタ端子6eを接続するラミネートブスバーであり、ラミネートブスバー24は、パワーモジュール1eのエミッタ端子7eに接続されたラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Cとなる部分に相当する。また、ラミネートブスバー28は、パワーモジュール1aのコレクタ端子6aに接続されたラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Pとなる部分に相当する。
【0019】
また、ラミネートブスバー26は、パワーモジュール1cのエミッタ端子7cとパワーモジュール1dのコレクタ端子6d、パワーモジュール1fのエミッタ端子7fを接続するラミネートブスバーであり、ラミネートブスバー27は、パワーモジュール1fのコレクタ端子6fに接続されたラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Cとなる部分に相当する。また、ラミネートブスバー29は、パワーモジュール1dのエミッタ端子7dに接続されたラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Nとなる部分に相当する。
【0020】
ラミネートブスバーとパワーモジュールの端子はボルトを使って結合されており、ラミネートブスバーのボルト止めを行う部分は、ボルト頭が隠れるように窪んだ形状とする。これは、ラミネートブスバー同士をなるべく近接させるためである。また、上記のようなボルト頭部分が窪んだブスバー形状としても対向するパワーモジュール端子のボルト頭同士の絶縁が確保できないため、図4(b)の絶縁板30を図のように両方または片方の基板に取り付ける必要がある。
【0021】
パワーユニットを組み立てるときは、まず、冷却基板21a〜21bにパワーモジュール1a〜1fを取り付ける。これに、図4(d)のようにラミネートブスバー23aをパワーモジュール1bにボルトで取り付け、ラミネートブスバー23bをパワーモジュール1cに取り付け、ラミネートブスバー25はパワーモジュール1a、1b、1eに取り付ける。また、ラミネートブスバー28はパワーモジュール1aに取り付け、ラミネートブスバー29はパワーモジュール1dに取り付け、さらに、この上から、図4(c)のようにラミネートブスバー24、26、27を取り付ける。
【0022】
また、ラミネートブスバー24は、パワーモジュール1eに取り付ける。ラミネートブスバー24とパワーモジュール1eの間には、先に取り付けたラミネートブスバー25があるが、ラミネートブスバー25には十分なサイズの貫通穴を設け、この貫通穴にラミネートブスバー24のボルト頭を隠すためのくぼみを通し、ボルトでパワーモジュール1eにラミネートブスバー24を固定する。ラミネートブスバー26はパワーモジュール1c、1d、1fに取り付ける。
【0023】
ラミネートブスバー26とパワーモジュール1fの間には先に取り付けたラミネートブスバー29があるが、ラミネートブスバー29には十分なサイズの貫通穴を設け、この貫通穴にラミネートブスバー26のボルト頭を隠すためのくぼみを通し、ボルトでパワーモジュール1fにラミネートブスバー26を固定する。ラミネートブスバー27はパワーモジュール1fに取り付ける。ラミネートブスバー27とパワーモジュール1f間にはラミネートブスバー29があるが、ラミネートブスバー29の貫通穴にラミネートブスバー27のボルト頭隠すためのくぼみを通して、ボルトでパワーモジュール1fにラミネートブスバー27を取り付ける。さらに、図4(b)にあるように、絶縁板30を挟み込むように冷却基板21a、21bを合わせて、1つの3レベルコンバータ用パワーユニット20を組み立てる。
【0024】
このようにして、図2の単相3レベルコンバータの1レグ分を構成する。図2のように単相フルブリッジ構成にするには、パワーユニット20が2セット必要になる。このラミネートブスバー群はパワーモジュールに固定する前に、ラミネートブスバー同士を接着し、一体の部品として着脱する構造としてもよい。
【0025】
図5は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータユニットの電流経路を説明するためのもので、3レベルコンバータの上面図を簡略化したものである。
以下に、この図5を参照して、負荷電流の転流経路と相互結合関係を説明する。図中の太線はいずれも初期状態の電流を表す。
図5(a)において、負荷電流が電位C点→エミッタ端子7e→コレクタ端子6e→コレクタ端子6b→エミッタ端子7b→コンバータ入力端子4aの経路に流れている状態を初期状態とする。この状態からパワーモジュール1aのIGBTがターンオンすると、パワーモジュール1eのダイオードに生じる逆回復電流は、電位P点→コレクタ端子6a→エミッタ端子7a→コレクタ端子6e→エミッタ端子7e→電位C点の経路で流れる。
【0026】
また、負荷電流は、電位P点→コレクタ端子6a→エミッタ端子7a→コレクタ端子6e→コレクタ端子6b→エミッタ端子7b→コンバータ入力端子4aの経路に転流する。従って、コレクタ端子6eからコンバータ入力端子4aの経路に流れる電流は変化がなく、また、電位P点からコレクタ端子6eの経路へ向かう電流とコレクタ端子6eから電位C点の経路へ戻る電流とは、方向が反対かつ同じ電流変化率を伴うことになる。
【0027】
次に、図5(b)において、負荷電流は、電位N点→エミッタ端子7d→コレクタ端子6d→エミッタ端子7c→コレクタ端子6c→コンバータ入力端子4aの経路に流れている状態を初期状態とする。この状態からパワーモジュール1bのIGBTがターンオンすると、パワーモジュール1dのダイオードに生じる逆回復電流は、電位C点→エミッタ端子7e→コレクタ端子6e→コレクタ端子6b→エミッタ端子7b→コレクタ端子6c→エミッタ端子7c→コレクタ端子6d→エミッタ端子7d→電位N点の経路で流れる。また、負荷電流は電位C点→エミッタ端子7e→コレクタ端子6e→コレクタ端子6b→エミッタ端子7b→コンバータ入力端子4aの経路に転流する。
【0028】
従って、電位C点からエミッタ端子7bの経路へ向かう電流とコレクタ端子6cから電位N点の経路へ戻る電流とは、方向が反対かつ同じ電流変化率を伴うことになる。このように、本実施の形態によれば、電流の出入りがあるパワーモジュールが必ず対向する関係をもつようなパワーモジュールの配置となっており、電流の変動による磁束の変化が互いにうち消されるようになっている。
【0029】
図6は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の3相2レベルインバータユニットの概観図および分解図である。
図6(a)において、3相2レベルインバータ用のパワーユニット40は、2枚の冷却基板41a,41bを組み合わせて構成されている。また、冷却配管42a〜42dが設けられ、この冷却配管42a〜42dから冷媒が出入りし冷却基板41a,41b内部の水路を流れ、冷却基板41a,41b上のパワーモジュールの冷却を行う。冷媒は、図示しないポンプにより循環させ、図示しない熱交換器で冷媒の冷却を行う。また、この冷却配管42a〜42dの先端はポンプや熱交換器につながる配管と着脱が可能なコネクタとする。
【0030】
冷却基板41aと41bの内側を、図6(b)(c)(d)に示す。冷却基板41aと41bは、内側にパワーモジュール2a〜2fを図示したように取り付けてある。このパワーモジュール2a〜2fは、図2のパワーモジュール2a〜2fにそれぞれ対応する。図6(b)(c)(d)におけるラミネートブスバー43a〜43f、44、45は、平板導体を絶縁フィルムでラミネートしたものである。ラミネートブスバー43aと43d、ラミネートブスバー43bと43e、ラミネートブスバー43cと43fは、図2のインバータ出力端子5a,5b,5cにそれぞれ相当する。
【0031】
ラミネートブスバー43aは、パワーモジュール2aのエミッタ端子9aに接続され、ラミネートブスバー43bは、パワーモジュール2cのエミッタ端子9cに接続され、ラミネートブスバー43cは、パワーモジュール2eのエミッタ端子9eに接続され、ラミネートブスバー43dは、パワーモジュール2bのコレクタ端子8bに接続され、ラミネートブスバー43eは、パワーモジュール2dのコレクタ端子8dに接続され、ラミネートブスバー43fは、パワーモジュール2fのコレクタ端子8fに接続されている。
【0032】
冷却基板41a、41bを合わせて図6(a)の状態にした場合は、ラミネートブスバー43aと43d、ラミネートブスバー43bと43e、ラミネートブスバー43cと43fの水平部が接触した状態で重なるようになっており、この接触部分には絶縁フィルムでラミネートされない部分を設けてラミネートブスバー43aと43d、ラミネートブスバー43bと43e、ラミネートブスバー43cと43fは通電できる構造とする。
【0033】
ラミネートブスバー44は、パワーモジュール2aのコレクタ端子8aとパワーモジュール2cのコレクタ端子8c、パワーモジュール2eのコレクタ端子8eを接続するラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Pとなる部分に相当する。また、ラミネートブスバー45はパワーモジュール2bのエミッタ端子9bとパワーモジュール2dのエミッタ端子9d、パワーモジュール2fのエミッタ端子9fを接続するラミネートブスバーであり、図2の直流回路で電位Nとなる部分に相当する。
【0034】
ラミネートブスバーとパワーモジュールの端子は、ボルトを使って結合されており、ラミネートブスバーのボルト接合部分は、ボルト頭が隠れるように窪んだ形状とする。これはラミネートブスバー同士をなるべく近接させるためである。また、上記のようなボルト頭部分が窪んだブスバー形状としても対向するパワーモジュール端子のボルト頭同士の絶縁が確保できないため、図6(b)の絶縁板46を、図のように間に挟みこむ形で両方または片方の基板に取り付ける必要がある。このようにして、図2の3相2レベルインバータを構成する。
【0035】
図7は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の3相2レベルインバータユニットの電流経路を説明するためのもので、2レベルインバータの1相分のパワーモジュールが対向して配置された状態を簡略化して上から見た図である。
図7では、正側アームのパワーモジュール2aと負側アームのパワーモジュール2bを互いの電極が向かい合うような状態に配置し、かつパワーモジュール2aのコレクタ端子8a、エミッタ端子9aそれぞれをパワーモジュール2bのエミッタ端子9b、コレクタ端子8bにずれることなく面合わせした状態に配置する。
【0036】
また、図7では、上方がインバータ出力端子5aとなり、下方が直流回路の電位N,Pの部分となる。このような配置にすると、電位Pの部分からインバータ出力端子5aを介して電位Nの部分に戻る経路を完全に対向させることを可能とする。例えば、パワーモジュール2bのダイオードに負荷電流が流れているときに、パワーモジュール2aのIGBTのターンオン動作によって生じるパワーモジュール2bのダイオードの逆回復電流が、図7の太線に流れる。この電流が作る磁束の変化は、パワーモジュール2aを介してインバータ出力端子5aに流れる電流が作る磁束の変化と同じであって向きが逆となる、いわゆる相互結合の関係を持つ。従って、この経路を流れる電流によって生じる磁束を相殺する効果が最大限に発揮されるような構造になっている。つまり、浮遊インダクタンスを最大限に抑制、ひいてはサージ電圧を最大限に抑制可能となる。
【0037】
また、パワーモジュール2aのIGBTのターンオフ動作によって直流回路の電位Pの部分からインバータ出力端子5aに流れる負荷電流を遮断した場合には、その電流は電位Nの部分からパワーモジュール2bのダイオードを介してインバータ出力端子5aに流れる転流動作が生じる。この転流動作期間においては、パワーモジュール2aのIGBTを流れる電流の減少率とパワーモジュール2bのダイオードを流れる電流の増加率が同じになる。この電流の経路も前述した逆回復電流が流れる経路と同じであって相互結合の関係が成立する。つまり、この経路を流れる電流によって生じる磁束を相殺する効果が最大限に発揮されるような構造になっている。つまり、浮遊インダクタンスを最大限に抑制、ひいてはサージ電圧を最大限に抑制可能となる。
【0038】
図8は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の分解図であって、図1のコンバータ・インバータのパワーユニットを取り外したところである。単相3レベルコンバータ用パワーユニット20が2つ、3相2レベルインバータ用パワーユニット40が1つが組み合わされており、これらのパワーユニット20,40とコンデンサ50a〜50dとの配線は、ラミネートブスバー51、52、53で行う。
【0039】
ラミネートブスバー51は、ラミネートブスバー2枚を組み合わせたものであり、それぞれのラミネートブスバーは直流回路の電位Pと電位Nの部分となる。ラミネートブスバー52は、ラミネートブスバー4枚を組み合わせたものであり、それぞれ直流回路の電位Pの部分が1枚と電位Nの部分が1枚、電位Cの部分が2枚である。ラミネートブスバー53は、ラミネートブスバー4枚を組み合わせたものであり、それぞれ直流回路の電位Pの部分が1枚と電位Nの部分が1枚、電位Cの部分が2枚である。
【0040】
ラミネートブスバー51は、3相2レベルインバータ用パワーユニット40の電位P部分のラミネートブスバー44(図5)とラミネートブスバー53の電位P部分のラミネートブスバー、パワーユニット40の電位N部分のラミネートブスバー45(図5)とラミネートブスバー53の電位N部分のラミネートブスバーを接続するものである。ラミネートブスバー52は、2つの単相3レベルコンバータ用パワーユニット20の電位P部分のラミネートブスバー28(図4)同士、電位N部分のラミネートブスバー29(図4)同士、電位C部分のラミネートブスバー24同士と27(図4)同士を接続するものである。
【0041】
ラミネートブスバー51は、3相2レベルインバータ用パワーユニット40と単相3レベルコンバータ用パワーユニット20の直流回路の同電位になるラミネートブスバーを連結する。ラミネートブスバー52は、2つの単相3レベルコンバータ用パワーユニット20における直流回路の同電位になるラミネートブスバーを連結する。ラミネートブスバー51、52は、一体として、コンバータ、インバータのパワーユニットのブスバーや、ラミネートブスバー53にコネクタを設けて、はめ込むような形状とすることもできる。
ラミネートブスバー53は、図8の3つのパワーユニットのうち中央の単相3レベルコンバータ用パワーユニット20のブスバーとラミネートブスバー52の間に取り付けられ、上方にはコンデンサ50a〜50dが取り付けられている。
【0042】
図9は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路部の分解図であって、図8のラミネートブスバー53とコンデンサ50a〜50dを分解した図である。
図9において、図8のラミネートブスバー53は、電位Pのラミネートブスバー59と、中間電位である電位Cの第1の中間電位導体としてのラミネートブスバー60と、電位Cの第2の中間電位導体としてのラミネートブスバー61と、電位Nのラミネートブスバー62を合わせたものである。コンデンサの端子とラミネートブスバーはボルトで結合してあり、ラミネートブスバーはラミネートブスバー同士を近接させるためボルト頭が隠れるようくぼみがあるが、対向するボルト頭間の絶縁のため、絶縁板56を挟み込む必要がある。
【0043】
図10は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路における3相2レベルインバータによる電流経路を示す図であって、図9におけるラミネートブスバー59〜62とコンデンサ50a〜50dを上方から見た場合の概略図である。
コンデンサ50a、50bのプラス端子を電位Pのラミネートブスバー59に接続し、コンデンサ50a、50bのマイナス端子を電位Cのラミネートブスバー60に接続する。また、コンデンサ50c、50dのプラス端子を電位Cのラミネートブスバー61に接続、コンデンサ50c、50dのマイナス端子を電位Nのラミネートブスバー62に接続する。コンデンサそれぞれの端子は、コンデンサ50aのプラス端子とコンデンサ50cのマイナス端子、コンデンサ50aのマイナス端子とコンデンサ50cのプラス端子が対向する位置になるように配置し、コンデンサ50bと50dも同様の配置とする。また、ラミネートブスバー60、61は絶縁板56(図9)より長くし、図10の上方でボルト等で結合することにより通電できる構造とする。
【0044】
図11は、図10の構成としなかった場合の電流経路の一例を示すもので、ラミネートブスバー53(図8)の電位Cのラミネートブスバー60’、61’の接続部を図の下方に持ってきた場合の概略図である。
3相2レベルインバータが動作してコンデンサ50a〜50dに電流が流れる場合、例えば電位Nから電位Pに電流が流れた場合は、図11の構成では矢印で示すように、電流は図9下方から電位Nのラミネートブスバー62を通り、コンデンサ50c、50dの何れかを通り、電位Cのラミネートブスバー61’に流れる。これが、図9下方でラミネートブスバー53の電位Cのラミネートブスバー60’に流れ、コンデンサ50b、50aの何れかを通り、電位Pのラミネートブスバー59に流れる。
【0045】
このとき、電流はラミネートブスバー62の下から流入し、コンデンサ50c、50dの何れかを通り、ラミネートブスバー61’を下に向かって流れる。このとき、電流がコンデンサ50cを通る場合とコンデンサ50dを通る場合で、その電流経路の長さが異なる。電流経路が長くなるコンデンサ50dを通る経路では、浮遊インダクタンスや抵抗といった電流経路のインピーダンスが相対的に大きく、流れる電流が少なくなる。なお、図10、図11では、コンデンサの並列数は二つだが、コンデンサの並列数が増えるほどこの傾向は顕著になる。ラミネートブスバー60’、59においても同様の経路となり、電流経路が相対的に長いコンデンサ50bへ流れる電流は少なくなる。
【0046】
図10において、電流が電位Nから電位Pの流れる場合の電流経路を矢印で示している。
電流は、図10の下方から電位Nのラミネートブスバー62を通り、コンデンサ50c、50dの何れかを通り電位Cのラミネートブスバー61に流れる。この電流は、ラミネートブスバー61と60の接続箇所が図10の上方にあるため、図10の上方に向かって流れる。その結果、コンデンサ50cを通る経路でもコンデンサ50dを通る経路でも、ほとんどインピーダンスは変わらす、各コンデンサに流れる電流が均等になる。
【0047】
図10のように、電位Cのラミネートブスバー60、61を図の上方で接続することにより、コンデンサ50a〜50dに流れる電流が均等になる作用がある。これは2レベルインバータがコンバータとして動作した場合には、電流の向きが逆になるが、同様の原理でコンデンサ50aから50dに流れる電流が均等になる作用がある。また、ラミネートブスバー60と61、ラミネートブスバー59と62は、往復電流が流れて磁束をうち消し合うために、インダクタンスが低減されて、スイッチング時のサージ電圧を抑制できる。
【0048】
単相3レベルコンバータにおいて、図2のコンバータ入力端子4aから4bに電流が流れる場合にコンバータが出力しているパルスは、その電位差がPN、PC、CN、CC、NC、CP、NPの7つのいずれかであり、このときの回路図上の電流経路は、図12,図13および図14に示すようになる。即ち、図12(a)および(b)には、それぞれ電位差がPNおよびPCのときの電流径路が矢印の太線で示され、図13(a)、(b)および(c)には、それぞれ電位差がCN、CCおよびNCのときの電流径路が矢印の太線で示され、図14(a)および(b)には、それぞれ電位差がCPおよびNPのときの電流径路が矢印の太線で示されている。
【0049】
また、このときのコンデンサ50a〜50dの電流経路を図15,図16および図17に示す。即ち、図15(a)および(b)には、それぞれ電位差がPNおよびPCのときの電流径路が矢印の太線で示され、図16(a)および(b)には、それぞれ電位差がCNおよびCCのときの電流径路が矢印の太線で示され、図17(a)、(b)および(c)には、それぞれ電位差がNC、CPおよびNPのときの電流径路が矢印の太線で示されている。
電位差がPN、CC、NC、CP、NPである電流経路の場合は、電流が必ずラミネートブスバー60と61の連結点を通って流れるため、どの経路でもインピーダンスがほとんど同じになり、よって、コンデンサごとの電流のばらつきをほとんど生じない。
【0050】
コンバータが出力しているパルスの電位差がPCの電流径路の場合、電流はラミネートブスバー60と61の連結点を通らないため、コンデンサ50aを通る電流経路はコンデンサ50bを通る電流経路に比べ相対的にインダクタンスが小さい。しかし、パルスが電位差PCになる前のパルスの電位差は、PNまたはCCである。パルスの電位差がPNのときは、コンデンサ50a、コンデンサ50bに均等に電流が流れており、パルスの電位差がPCに変わると、ラミネートブスバー59およびコンデンサ50a、50bのインダクタンスは、電流の変動を抑制する方向に働き、コンデンサ50aへの電流の集中は抑制される。
【0051】
パルスの電位差がCCの場合は、ラミネートブスバー61からブスバーの連結点を通り、ラミネートブスバー60へ電流が流れる。ここで電位差PCのパルスへスイッチングすると、ラミネートブスバー61を流れていた電流がラミネートブスバー59およびコンデンサ50a、50bへ転流する。ラミネートブスバー59→コンデンサ50b→ラミネートブスバー60を流れる電流経路は、本来ラミネートブスバー59→コンデンサ50a→ラミネートブスバー60を流れる電流経路よりインダクタンスが大きくなるが、パルスの電位差がCCのときにラミネートブスバー60に電流が流れていたため、ラミネートブスバー59のインダクタンスが電流増加を抑制する方向に働く作用を、ラミネートブスバー60のインダクタンスが電流減少を抑制する方向に働きうち消すことになり、コンデンサを流れる電流が均等化されることになる。
【0052】
なお、この例では、単相3レベルコンバータの場合で説明したが、3相3レベルコンバータの場合でも重ねの理から成り立つことは自明であるし、コンバータがインバータの場合でも同様に成立する。
また、コンバータ・インバータを組み立てる場合は、ラミネートブスバー53にコンデンサ50a〜50dを組み付ける。これに、絶縁板56を挟んでコンデンサの端子が対向するように設置する。図示しないコンバータ・インバータの筐体には、筐体の上部にコンデンサを支持する部材を設けて、そこに、コンデンサ50a〜50dを組みつけられたブスバーを設置する。
【0053】
図8のように単相3レベルコンバータ用パワーユニット20を2つと3相2レベルインバータ用パワーユニット40を1つ、コンデンサ50a〜50dの下に入れて、パワーユニットの直流ブスバーと、図8に示すラミネートブスバー51,52,53をボルトで固定する。コンバータ・インバータの筐体には、パワーユニット20と40を垂直に支持する部材を設置する。また、このときに冷却基板21a,21b(図4)と冷却基板41a,41b(図6)にそれぞれ設置されている冷却配管22a〜22d(図4)と冷却配管42a〜42d(図6)を図示しないポンプや熱交換器の配管に接続する。コンバータやインバータの交流入出力端子、即ち図2のコンバータ入力端子4a,4bやインバータ出力端子5a,5b,5cは、ブスバーやケーブルを用いて結線する。パワーユニット20,40の支持部材と筐体下面は、配線材のための空間がある構造とする。筐体の下面はパネルを取り外し可能な構造とすることで、パワーユニット20,40下の交流配線も可能になる。
【0054】
図18は、この発明の実施の形態1による電力変換装置を電車に搭載する場合のその断面を示す概略図である。
通常、車体64の床下には、コンバータ・インバータなどの推進装置がある。この推進装置に対して冷却装置63が設けられ、この冷却装置63の中には、図4に示す冷却基板21a、21b内や、図6に示す冷却基板41a、41b内を流れる冷媒を循環させるためのポンプや、冷媒の冷却を行う熱交換器等が含まれている。
【0055】
このような構造とすることで、比較的メンテナンスの頻度が高いパワーユニットが簡単に取り外すことができる。すなわち、筐体の下面のパネルを外し、パワーユニット下方の交流端子の配線を外し、同時に前面のラミネートブスバー51、52、53(図1)を取り外すことにより、パワーユニット20(図4)、パワーユニット40(図6)を車体64の側面から引き出すことができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、単相3レベルコンバータ、3相2レベルインバータの場合について説明したが、コンバータが3相である場合もパワーユニットの数を増加させることにより同様に対応できる。また、コンバータを3レベル回路から2レベル回路に変更した場合や、あるいは、インバータも3レベル回路に変更した場合も同様に適用でき、同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、第1のクランプダイオードのアノードと第1のコンデンサ群の負極側を接続する第1の中間電位導体と、第2のクランプダイオードのカソードと第2のコンデンサ群の正極側を接続する第2の中間電位導体を、第1および第2のクランプダイオードから電気的に最も離れた点で接続するようにしたので、3レベル電力変換装置に用いられる複数のコンデンサの負担を平均化し、コンデンサの劣化を一様にすることによりメンテナンス頻度を下げることができる。
【0058】
また、第1のコンデンサ群と第2のコンデンサ群の端子部を対向させ、第1のコンデンサ群に接続されている正極電位導体と第1の中間電位導体、第2のコンデンサ群に接続されている第2の中間電位導体と負極電位導体を、絶縁物を介して挟み込んだ構造としたので、3レベル電力変換装置に用いられる複数のコンデンサを接続するための直流回路部の浮遊インダクタンスが低減でき、スイッチング時のサージ電圧の低減し、サージ電圧を吸収してサージ電圧からスイッチング素子を保護するための補助回路としてのスナバ回路を小型化または不要とすることができる。
【0059】
また、電力変換装置の正側および負側の各アームを別の2枚の冷却基板上に設置し、絶縁物を介してパワーモジュール群の各パワーモジュールが対向するように2枚の冷却基板を平行に近接させて配置し、各パワーモジュール間の配線およびパワーモジュール群のエミッタ端子およびコレクタ端子の接続された交流回路への配線、直流回路への配線を平行に近接した配置とした構造としたので、パワーユニット部の浮遊インダクタンスを減少させることができ、スイッチング時のサージ電圧の低減し、サージ電圧を吸収してサージ電圧からスイッチング素子を保護するための補助回路としてのスナバ回路を小型化または不要とすることができる。
【0060】
また、パワーモジュール群を含むパワーユニットを、それぞれの冷却基板が互いに平行になるように並べて配置し、冷媒を冷却するための冷却装置とは容易に着脱可能なコネクタを用いて接続することによりコンバータとインバータを構成したので、パワーユニットの液冷回路部の着脱が容易となりメンテナンス性が向上する。
【0061】
さらに、パワーユニット群とコンデンサ群を設け、コンデンサ群に含まれるコンデンサの端子面がパワーユニット群に含まれるパワーユニットの冷却基板に平行になるよう隣接配置し、隣接面以外の面でインバータ、コンバータおよびコンデンサの電気的接続を行うので、パワーユニットとコンデンサを隣接して配置することができ、実装密度を上げることにより、電力変換装置の小型化ができる。また、パワーユニットとコンデンサの着脱が容易になりメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の実施の形態1による電力変換装置を示す概観図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電力変換装置の回路図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電力変換装置に使用するパワーモジュールの概観図である。
【図4】この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータユニットの概観図および分解図である。
【図5】この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータユニットの電流経路を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による電力変換装置の3相2レベルインバータユニットの概観図および分解図である。
【図7】この発明の実施の形態1による電力変換装置の3相2レベルインバータユニットの電流経路を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態1による電力変換装置の分解図である。
【図9】この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路部の分解図である。
【図10】この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路における3相2レベルインバータによる電流経路を示す図である。
【図11】図10の構成としなかった場合の電流経路を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータ回路図上での電流経路を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータ回路図上での電流経路を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1による電力変換装置の単相3レベルコンバータ回路図上での電流経路を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路における単相3レベルコンバータによる電流経路を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路における単相3レベルコンバータによる電流経路を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態1による電力変換装置の直流回路における単相3レベルコンバータによる電流経路を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態1による電力変換装置を電車に搭載する場合の概略図である。
【符号の説明】
【0063】
1a〜1l,2a〜2f パワーモジュール、3a〜3b,50a〜50d コンデンサ、4a〜4b コンバータ入力端子、5a〜5c インバータ出力端子、6a〜6l,8a〜8f,13 コレクタ端子、7a〜7l,9a〜9f,12 エミッタ端子、20 単相3レベルコンバータ用パワーユニット、21a,21b,41a,41b 冷却基板、22a〜22d,42a〜42d 冷却配管、23a,23b,24,25,26,27,28,29,51,52,53,59,60,61,62 ラミネートブスバー、30,46,56 絶縁板、40 3相2レベルインバータ用パワーユニット、43a〜43f,44,45 ラミネートブスバー、63 冷却装置、64 車体。




 

 


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