米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 三菱電機株式会社

発明の名称 電力変換装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6571(P2007−6571A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181671(P2005−181671)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
発明者 小草 慎一
要約 課題
複数の平滑コンデンサを並列接続した2つの平滑コンデンサ群を直列接続して用いる3レベル電力変換回路にて、並列接続された平滑コンデンサの責務を均等にする。

解決手段
各平滑コンデンサ13a〜13dをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、中央部位置に3レベル電力変換回路のP、C、Nの3端子を配設し、X方向に延在する複数のブスバーである、第1の平滑コンデンサ群13xの各正極とP端子とを接続するP電位ブスバー21と、第2の平滑コンデンサ群13yの各負極とN端子とを接続するN電位ブスバー22と、第1の平滑コンデンサ群13xの各負極に、第2の平滑コンデンサ群13yの各正極に、さらに、他の2つのブスバーおよびC端子にそれぞれ接続された3枚のC電位ブスバー23〜25とを備えて、並列接続された各平滑コンデンサ13a〜13dを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した電力変換装置において、
上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における該第1の平滑コンデンサ群と第2の平滑コンデンサ群との間の中央部位置に、上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設し、
上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極と上記P電位端子とを接続するP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極と上記N電位端子とを接続するN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のC電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第2のC電位導体と、上記第1のC電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と一端が接続され、上記第2のC電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と他端が接続され、上記中央部位置で上記C電位端子と接続される第3のC電位導体とを備えて、
上記配線用導体を経て、並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とすることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した電力変換装置において、
上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における該第1の平滑コンデンサ群と第2の平滑コンデンサ群との間の中央部位置に、上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設し、
上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第1のP電位導体と、上記第1のP電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と上記P電位端子とを接続する第2のP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のN電位導体と、上記第1のN電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と上記N電位端子とを接続する第2のN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極、および上記C電位端子に接続されるC電位導体とを備えて、
上記配線用導体を経て、並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とすることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した電力変換装置において、
上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における上記平滑コンデンサ回路の一方の端部位置に上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設し、
上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極と上記P電位端子とを接続するP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極と上記N電位端子とを接続するN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のC電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第2のC電位導体と、上記第1、第2のC電位導体における上記端部位置から遠方側の各端部と一端が接続され、他端が上記C電位端子と接続される第3のC電位導体とを備えて、
上記配線用導体を経て、並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とすることを特徴とする電力変換装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、平滑コンデンサを並列接続して用いた3レベルインバータまたはコンバータを含む電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置では、3レベルのインバータ装置に適用する平滑コンデンサの電極端子とこれを接続する導体の配置は、正極端子、中性電極端子、負極端子をそれぞれ複数個設け、即ち、1個の正極端子と中性電極端子を交互に設けて第1の群を形成し、更に1個の負極端子と中性電極端子を交互に設けて第2の群を形成するように配置する。そして各正極端子を幅広の正極ブスバーにより接続し、各中性電極端子を幅広の中性極ブスバーにより接続し、各負極端子を幅広の負極ブスバーにより接続する。このように正極端子と中性電極端子、負極端子を近接配置し、電流方向が逆向きになる導体の重なり面積を多くして磁束相殺効果により浮遊インダクタンスを低減していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−238458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電力変換装置では、電流方向が逆向きになる導体の重なり面積を多くして磁束相殺効果により浮遊インダクタンスを低減していた。ここでは、電流の偏りを防止するために正極側、負極側にそれぞれ1つの平滑コンデンサを用いてこれらを直列接続するものであったが、大容量の電力変換装置では必要とされる平滑コンデンサ容量が大きいため、複数の平滑コンデンサを並列接続した2つの平滑コンデンサ群を用いる。
また、電力変換装置の小型化のためには、並列接続された平滑コンデンサの配置の自由度が制限されることが多く、並列部を均一なインピーダンスの配線とすることが困難である。このように、並列部の配線にインピーダンスのばらつきがあると、各平滑コンデンサの電流が均等にならず、特定の平滑コンデンサの劣化が早く進むという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、3レベルの電力変換回路と、複数個の平滑コンデンサを並列接続した2つの平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを小型化に適した配置で接続すると共に、並列部の配線のインピーダンスを均一として、並列接続された平滑コンデンサの責務を均等にし、複数の平滑コンデンサの劣化状態を平均化して、大容量化、小型化に適した信頼性の高い電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1に係る電力変換装置は、それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した装置構成であって、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における該第1の平滑コンデンサ群と第2の平滑コンデンサ群との間の中央部位置に、上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設する。そして、上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極と上記P電位端子とを接続するP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極と上記N電位端子とを接続するN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のC電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第2のC電位導体と、上記第1のC電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と一端が接続され、上記第2のC電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と他端が接続され、上記中央部位置で上記C電位端子と接続される第3のC電位導体とを備えて、上記配線用導体を介して並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とするものである。
【0007】
この発明の請求項2に係る電力変換装置は、それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した装置構成であって、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における該第1の平滑コンデンサ群と第2の平滑コンデンサ群との間の中央部位置に、上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設する。そして、上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第1のP電位導体と、上記第1のP電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と上記P電位端子とを接続する第2のP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のN電位導体と、上記第1のN電位導体の上記中央部位置から遠方側端部と上記N電位端子とを接続する第2のN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極、および上記C電位端子に接続されるC電位導体とを備えて、上記配線用導体を介して並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とするものである。
【0008】
この発明の請求項3に係る電力変換装置は、それぞれ環流ダイオードが逆並列接続される4個のスイッチング素子と2個のクランプダイオードとを備えた3レベルの電力変換回路と、それぞれ複数個の平滑コンデンサを並列接続して構成される第1の平滑コンデンサ群および第2の平滑コンデンサ群を直列接続した平滑コンデンサ回路とを、配線用導体により接続した装置構成であって、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサと上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサとをX方向にほぼ直線状に並んで配置し、該X方向位置における上記平滑コンデンサ回路の一方の端部位置に上記電力変換回路のP電位、C電位、N電位の3端子を配設する。そして、上記配線用導体が、それぞれ上記X方向に延在する複数の導体である、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極と上記P電位端子とを接続するP電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極と上記N電位端子とを接続するN電位導体と、上記第1の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの負極に接続された第1のC電位導体と、上記第2の平滑コンデンサ群の各平滑コンデンサの正極に接続された第2のC電位導体と、上記第1、第2のC電位導体における上記端部位置から遠方側の各端部と一端が接続され、他端が上記C電位端子と接続される第3のC電位導体とを備えて、上記配線用導体を介して並列接続された上記各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1に係る電力変換装置では、並列接続された各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスを確実に同等にでき、複数の平滑コンデンサの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。このため、大容量化、小型化に適した信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
この発明の請求項2に係る電力変換装置では、並列接続された各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスを確実に同等にでき、複数の平滑コンデンサの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。このため、大容量化、小型化に適した信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
この発明の請求項3に係る電力変換装置では、並列接続された各平滑コンデンサを通る複数の電流経路のインピーダンスを確実に同等にでき、複数の平滑コンデンサの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。このため、大容量化、小型化に適した信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電力変換装置を図について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の外観斜視図である。
図に示すように、半導体スタック部11と半導体スタック部11のパワーモジュールを冷却するための冷却装置12とを備える。半導体スタック部11は、図示しないコンバータ部およびインバータ部を内包し、冷却装置12は、例えば水冷方式なら冷却水を半導体スタック部11に送るためのポンプや、冷却水を冷却するためのラジエータなどを備えている。また、平滑コンデンサ13a〜13dをほぼ直線状に並んで配置する。この平滑コンデンサ13a〜13dの端子は下向きに設置されており、配線用導体としてのブスバー14で配線され、半導体スタック部11と結線されている。
【0011】
図2は、平滑コンデンサ13a〜13dを接続するためのブスバー14の外形、およびその分解図である。また、図3はこのブスバー14を適用する電力変換装置の回路構成を示す図であり、図1で示した半導体スタック部11内のコンバータ部7およびインバータ部8と平滑コンデンサ3a(第1の平滑コンデンサ群13x)および平滑コンデンサ3b(第2の平滑コンデンサ群13y)とで構成される。平滑コンデンサ群3a、3bを直列接続することによりP電位、C電位、N電位の3つの電位を備える。第1の平滑コンデンサ群13xは、2つの平滑コンデンサ13a、13bを並列接続して構成し、第2の平滑コンデンサ群13yは2つの平滑コンデンサ13c、13dを並列接続して構成する。
【0012】
図2に示すように、ブスバー14は複数の導体としてのP電位ブスバー21、N電位ブスバー22、および第1〜第3のC電位ブスバー23〜25を重ねた物であり、各ブスバー21〜25は導体を他のブスバー21〜25との接続部などを除き絶縁フィルムでラミネートして、接続部以外は互いに絶縁されている。ブスバー21〜24の突起部は平滑コンデンサ13a〜13dの端子部にボルト留めを行う部分であり、他のブスバー21〜25の重なる部分には突起を貫通させたり、ボルト締めを行ったりするための穴を開ける。 各ブスバー21〜25は、平滑コンデンサ13a〜13dの直線状の配置方向に延在させて重ね、P電位ブスバー21、N電位ブスバー22、および第3のC電位ブスバー25は、ブスバー14の中央部位置で半導体スタック部11に接続するために、半導体スタック部11の方向に伸びるP電位端子接続部21a、N電位端子接続部22a、C電位端子接続部25aを有する。また、第1〜第3のC電位ブスバー23〜25の端部には、通電するために絶縁フィルムでラミネートされない部分を設け、ボルト留め等の手段で接続、固定する。これにより第3のC電位ブスバー25は、第1のC電位ブスバー23の上記中央部位置(半導体スタック部11への接続位置)から遠方側端部と一端が接続され、第2のC電位ブスバー24の上記中央部位置から遠方側端部と他端が接続される。
【0013】
電力変換装置の回路構成の詳細を以下に示す。図3に示すように、平滑コンデンサ群3a、3bを直列接続してP電位、C電位、N電位の3つの電位を備える。即ち、平滑コンデンサ3aの正極側(図中上側)の電位をP電位、平滑コンデンサ3aの負極側(図中下側)および平滑コンデンサ3bの正極側(図中上側)の電位をC電位、平滑コンデンサ3bの負極側(図中下側)の電位をN電位とする。コンバータ部7は、3レベルの電力変換器としての単相3レベルコンバータであり、上記P電位部とN電位部の間には、それぞれ環流ダイオードが逆並列接続された第1〜第4のIGBTなどのスイッチング素子1a〜1d、1g〜1jが直列接続され、上記C電位部にアノード側を、上記第1および第2のスイッチング素子1a,1b、1g,1hの接続点にカソード側を接続された第1のクランプダイオード6a、6cと、上記第3および第4のスイッチング素子1c,1d、1i,1jの接続点にアノード側を、上記C電位部にカソード側を接続された第2のクランプダイオード6b、6dとを備える。インバータ部8は、3相2レベルインバータであり、それぞれ環流ダイオードが逆並列接続された6個のIGBTなどのスイッチング素子2a〜2fで構成される。なお、4a、4bはコンバータ入力端子、5a〜5cはインバータ入力端子、6a〜6dはダイオードである。また、各スイッチング素子1a〜1d、1g〜1j、2a〜2fは、環流ダイオードと共に、パワーモジュールを構成する。
【0014】
単相3レベルコンバータ7はP電位、C電位、N電位を切り替えて電圧を出力しており、3相2レベルインバータ8はP電位、N電位を切り替えて電圧を出力している。ここで、単相3レベルコンバータ7は、第1〜第4のスイッチング素子1a〜1d、1g〜1jおよび第1、第2のクランプダイオード6a、6c、6b、6dを2組備えるものとしたが、1組であっても良い。
【0015】
図4は、平滑コンデンサ13a〜13dとブスバー21〜25との配線および電流経路を示す図である。便宜上、半導体スタック部11への接続部は図の下方に記載している。なお、ブスバー14の中央部位置で半導体スタック部11に接続するため、半導体スタック部11側の電力変換回路7、8では、第1の平滑コンデンサ群13xと第2の平滑コンデンサ群13yとの間の中央部位置に、P電位、C電位、N電位の3端子が配設される。
平滑コンデンサ13a、13bは図3の回路図上の平滑コンデンサ3aに相当し、平滑コンデンサ容量を大きくするために平滑コンデンサ13a、13bを並列接続している。同様に平滑コンデンサ13c、13dは図3の回路図上の平滑コンデンサ3bに相当する。P電位ブスバー21は、平滑コンデンサ13a、13bの正極とP電位端子に接続される。N電位ブスバー22は、平滑コンデンサ13c、13dの負極とN電位端子に接続される。第1のC電位ブスバー23は平滑コンデンサ13a、13bの負極に接続され、第2のC電位ブスバー24は平滑コンデンサ13c、13dの正極に接続される。第3のC電位ブスバー25は、第1のC電位ブスバー23と一端が接続され、第2のC電位ブスバー24と他端が接続され、さらに中央部でC電位端子に接続される。
【0016】
このような配線構造において、P電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図4(a)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。
P電位ブスバー21に流入してきた電流は並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通り、C電位ブスバー23、25、24を経由し、平滑コンデンサ13cまたは13dを通りN電位ブスバー22を流れ、N電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この破線部、点線部の電流経路におけるインピーダンスが異なる場合は、インピーダンスが小さい方に電流が集中することになる。各平滑コンデンサ13a〜13dのインピーダンスはほぼ等しいので、インピーダンスの差が生じる場合は、ブスバー14(21〜25)によって生じるものであるが、図のような配線とすることにより、並列部で電流が通過するブスバー21〜25の長さは等しくなる。即ち、破線部と点線部とは、太線部に対して向きが反対の電流が重なって流れている部分の長さや、それ以外の部分の長さなど、条件がほぼ同じとなり、破線の電流経路でも点線の電流経路でもインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくなる。
【0017】
次に、P電位端子からC電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図4(b)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。
P電位ブスバー21に流入してきた電流は並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通り、第1のC電位ブスバー23から第3のC電位ブスバー25に流れ、C電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13bに流れる電流は等しくなる。
【0018】
次に、C電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図4(c)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。
第3のC電位ブスバー25に流入してきた電流は、第2のC電位ブスバー24を経て並列に接続されている平滑コンデンサ13cまたは13dを通りN電位ブスバー22を流れ、N電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13c、13dに流れる電流は等しくなる。
【0019】
次に、比較例として、並列接続された平滑コンデンサ13a〜13dの電流が偏ってしまう例を図5に示す。図5では平滑コンデンサ13a〜13dへの配線はブスバー26〜28で行う。P電位ブスバー26、N電位ブスバー27は、図4で示したP電位ブスバー21、N電位ブスバー22と同様であり、平滑コンデンサ13a〜13dとの配線も同様になっている。C電位ブスバー28は、この場合1枚の導体で構成され、平滑コンデンサ13a、13bの負極と平滑コンデンサ13c、13dの正極に接続され、さらに中央部でC電位端子に接続される。
【0020】
この構成で電流がP電位端子からN電位端子に流れる場合の電流経路を図5(a)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。図に示すように、破線部の電流経路と点線部の電流経路を比較すると、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13a、平滑コンデンサ13dに流れる電流は平滑コンデンサ13b、平滑コンデンサ13cに流れる電流に比べて小さくなる。この場合、2個の平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を並列したが、並列数が増えると各平滑コンデンサに流れる電流の差がより顕著になる。
【0021】
次に、P電位端子からC電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図5(b)に示す。この場合も、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13aに流れる電流は平滑コンデンサ13bに流れる電流に比べて小さくなる。
次に、C電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図5(c)に示す。この場合も、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13dに流れる電流は平滑コンデンサ13cに流れる電流に比べて小さくなる。
このように、図5で示す比較例におけるブスバーでは、並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流を同等にできないものである。
【0022】
以上のように、この実施の形態では、図2で示したようなブスバー14により図4で示したように、配線の並列部での電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このように、ブスバー14を経て、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等にでき、このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくできる。
なお、電流がP電位端子からN電位端子、P電位端子からC電位端子、C電位端子からN電位端子に流れる場合について述べたが、電流の向きが反転してN電位端子からP電位端子、C電位端子からP電位端子、N電位端子からC電位端子に流れる場合も同様である。また、図4では、単相3レベルコンバータ7に流れる電流について説明したが、3相2レベルインバータ8に流れる電流についても、P電位端子からN電位端子、N電位端子からP電位端子へ流れる2つの場合になるが、同様に並列接続されている平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流を等しくできる効果が得られる。
また、平滑コンデンサ13a〜13dに電流が流れるコンデンサ端子間の部分を除いて、重なり合ったブスバー21〜25を流れる電流は向きが反対の電流が流れており、合計すると大きさゼロの電流が近接して流れている。これにより、磁束を打ち消し合うためインダクタンスは低くできる。
【0023】
このようにブスバー14の配線構造により、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスを容易で確実にほぼ同等にできる。これにより、複数の平滑コンデンサ13a〜13dの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサ13a〜13dに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。
従って、大容量化により複数の平滑コンデンサを並列接続して用い、さらに小型化により複数の平滑コンデンサを直線状に配置した構造でも、信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
【0024】
実施の形態2.
図6は、この実施の形態2による配線導体としてのブスバー41〜45と、該ブスバー41〜45と平滑コンデンサ13a〜13dとの配線および電流経路を示す図である。なお、電力変換装置の外観構造、回路構成は、上記実施の形態1の図1、図3で示したものと同様である。
便宜上、半導体スタック部11への接続部は図の下方に記載している。なお、ブスバーの中央部位置で半導体スタック部11に接続するため、半導体スタック部11側の電力変換回路7、8では、第1の平滑コンデンサ群13x(13a、13b)と第2の平滑コンデンサ群13y(13c、13d)との間の中央部位置に、P電位、C電位、N電位の3端子が配設される。
ブスバー41〜45は、複数の導体としての第1、第2のP電位ブスバー41、43、第1、第2のN電位ブスバー42、44、およびC電位ブスバー45を平滑コンデンサ13a〜13dの直線状の配置方向に延在させて重ね、第2のP電位ブスバー43、第2のN電位ブスバー44、および第3のC電位ブスバー25は、ブスバー14の中央部位置で半導体スタック部11に接続するために、半導体スタック部11の方向に伸びる接続部をそれぞれ有する。
【0025】
第1のP電位ブスバー41は、平滑コンデンサ13a、13bの正極と接続され、第1のN電位ブスバー42は、平滑コンデンサ13c、13dの負極と接続される。第2のP電位ブスバー43はP電位端子と一端が接続され、第1のP電位ブスバー41の上記中央部位置(半導体スタック部11への接続位置)から遠方側端部と他端が接続される。第2のN電位ブスバー44はN電位端子と一端が接続され、第1のN電位ブスバー42の上記中央部位置から遠方側端部と他端が接続される。C電位ブスバー45は平滑コンデンサ13a、13bの負極と平滑コンデンサ13c、13dの正極とに接続され、さらに中央部でC電位端子に接続される。
【0026】
このような配線構造において、P電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図6(a)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。
第2のP電位ブスバー43に流入してきた電流は、第1のP電位ブスバー41を経由し、並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通りC電位ブスバー45を流れ、平滑コンデンサ13cまたは13dを通り第1のN電位ブスバー42を流れ、第2のN電位ブスバー44を経由しN電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。図に示すように、並列部である破線部と点線部とは、電流経路の長さがほぼ等しいため、インピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくなる。
【0027】
次に、P電位端子からC電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図6(b)に示す。
第2のP電位ブスバー43に流入してきた電流は、第1のP電位ブスバー41を経由し、並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通りC電位ブスバー45を流れ、C電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13bに流れる電流は等しくなる。
次に、C電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図6(c)に示す。
C電位ブスバー45に流入してきた電流は、並列に接続されている平滑コンデンサ13cまたは13dを通り第1のN電位ブスバー42、第2のN電位ブスバー44を流れ、N電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13c、13dに流れる電流は等しくなる。
【0028】
以上のように、この実施の形態では、配線の並列部での電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このように、ブスバー41〜45を経て、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等にでき、このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくできる。
なお、電流がP電位端子からN電位端子、P電位端子からC電位端子、C電位端子からN電位端子に流れる場合について述べたが、電流の向きが反転してN電位端子からP電位端子、C電位端子からP電位端子、N電位端子からC電位端子に流れる場合も同様である。また、図6では、単相3レベルコンバータ7に流れる電流について説明したが、3相2レベルインバータ8に流れる電流についても、P電位端子からN電位端子、N電位端子からP電位端子へ流れる2つの場合になるが、同様に並列接続されている平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流を等しくできる効果が得られる。
また、平滑コンデンサ13a〜13dに電流が流れるコンデンサ端子間の部分を除いて、重なり合ったブスバー41〜45を流れる電流は向きが反対の電流が流れており、合計すると大きさゼロの電流が近接して流れている。これにより、磁束を打ち消し合うためインダクタンスは低くできる。
【0029】
このようにブスバー41〜45の配線構造により、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスを容易で確実にほぼ同等にできる。これにより、複数の平滑コンデンサ13a〜13dの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサ13a〜13dに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。
従って、大容量化により複数の平滑コンデンサを並列接続して用い、さらに小型化により複数の平滑コンデンサを直線状に配置した構造でも、信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
【0030】
実施の形態3.
図7は、この実施の形態3による、平滑コンデンサ13a〜13dを接続するための配線導体としてのブスバー14aの外形、およびその分解図である。なお、電力変換装置の外観構造、回路構成は、上記実施の形態1の図1、図3で示したものと同様である。
図7に示すように、ブスバー14aは複数の導体としてのP電位ブスバー31、第1〜第3のC電位ブスバー33、32、34およびN電位ブスバー35を重ねた物であり、各ブスバー31〜35は導体を他のブスバー31〜35との接続部などを除き絶縁フィルムでラミネートして、接続部以外は互いに絶縁されている。ブスバー31〜33、35の突起部は平滑コンデンサ13a〜13dの端子部にボルト留めを行う部分であり、他のブスバー31〜35の重なる部分には突起を貫通させたり、ボルト締めを行ったりするための穴を開ける。
各ブスバー31〜35は、平滑コンデンサ13a〜13dの直線状の配置方向に延在させて重ね、P電位ブスバー31、第3のC電位ブスバー34およびN電位ブスバー35は、ブスバー14aの一方の端部位置で半導体スタック部11に接続するために、半導体スタック部11の方向に伸びるP電位端子接続部31a、C電位端子接続部34aおよびN
電位端子接続部35aを有する。また、ブスバー14aの他方の端部位置で、C電位ブスバー32〜34の端部には、通電するために絶縁フィルムでラミネートされない部分を設け、ボルト留め等の手段で接続、固定する。このボルト留めが行えるよう、この端部位置でのN電位ブスバー35は短くしている。
【0031】
図8は、平滑コンデンサ13a〜13dおよブスバー31〜35の配線および電流経路を示す図である。なお、ブスバー14aの一方の端部位置で半導体スタック部11に接続するため、半導体スタック部11側の電力変換回路7、8では、第1の平滑コンデンサ群13xと第2の平滑コンデンサ群13yとで構成される平滑コンデンサ回路の一方の端部位置(この場合、第1の平滑コンデンサ群13x側)に、P電位、C電位、N電位の3端子が配設される。
P電位ブスバー31は、平滑コンデンサ13a、13bの正極とP電位端子に接続される。第1のC電位ブスバー33は平滑コンデンサ13a、13bの負極に接続され、第2のC電位ブスバー32は平滑コンデンサ13c、13dの正極に接続される。第3のC電位ブスバー34は、第1、第2のC電位ブスバー32、33と一端が接続され、他端がC電位端子に接続される。N電位ブスバー35は、平滑コンデンサ13c、13dの負極とN電位端子に接続される。
【0032】
このような配線構造において、P電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図8(a)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。
P電位ブスバー31に流入してきた電流は並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通り、第1のC電位ブスバー33、第2のC電位ブスバー32を経由し、平滑コンデンサ13cまたは13dを通りN電位ブスバー35を流れ、N電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。
図に示すように、並列部である破線部と点線部とは、電流経路の長さがほぼ等しいため、インピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくなる。
【0033】
次に、P電位端子からC電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図8(b)に示す。
P電位ブスバー31に流入してきた電流は並列に接続されている平滑コンデンサ13aまたは13bを通り、第1のC電位ブスバー33から第3のC電位ブスバー34に流れ、C電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13bに流れる電流は等しくなる。
次に、C電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図8(c)に示す。
第3のC電位ブスバー34に流入してきた電流は、第2のC電位ブスバー32を経て並列に接続されている平滑コンデンサ13cまたは13dを通りN電位ブスバー35を流れ、N電位端子から半導体スタック部11に流れ出ていく。この場合も、並列部である破線部と点線部とは、電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このため並列接続されている各平滑コンデンサ13c、13dに流れる電流は等しくなる。
【0034】
次に、比較例として、並列接続された平滑コンデンサ13a〜13dの電流が偏ってしまう例を図9に示す。図9では平滑コンデンサ13a〜13dへの配線はブスバー36〜38で行う。P電位ブスバー36、N電位ブスバー38は、図8で示したP電位ブスバー31、N電位ブスバー35と同様であり、平滑コンデンサ13a〜13dとの配線も同様になっている。C電位ブスバー37は、この場合1枚の導体で構成され、平滑コンデンサ13a、13bの負極と平滑コンデンサ13c、13dの正極に接続され、さらに端部でC電位端子に接続される。
【0035】
この構成で電流がP電位端子からN電位端子に流れる場合の電流経路を図9(a)に示す。図中、太線、および破線、点線で電流経路を示している。破線部、点線部は並列部であり、太線部の電流が分流する。図に示すように、破線部の電流経路と点線部の電流経路を比較すると、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13dに流れる電流は平滑コンデンサ13cに流れる電流に比べて小さくなる。この場合、2個の平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を並列したが、並列数が増えると各平滑コンデンサに流れる電流の差がより顕著になる。
【0036】
次に、P電位端子からC電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図9(b)に示す。この場合も、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13bに流れる電流は平滑コンデンサ13aに流れる電流に比べて小さくなる。
次に、C電位端子からN電位端子に電流が流れる場合の電流経路を図9(c)に示す。この場合も、点線部の電流経路は破線部の電流経路に比べて明らかに長くなっており、差分のブスバー部分のインピーダンスにより、平滑コンデンサ13dに流れる電流は平滑コンデンサ13cに流れる電流に比べて小さくなる。
このように、図9で示す比較例におけるブスバーでは、並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流を同等にできないものである。
【0037】
以上のように、この実施の形態では、図7で示したようなブスバー14aにより図8で示したように、配線の並列部での電流経路のインピーダンスをほぼ等しくすることができる。このように、ブスバー14aを経て、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスをほぼ同等にでき、このため並列接続されている各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流は等しくできる。
なお、電流がP電位端子からN電位端子、P電位端子からC電位端子、C電位端子からN電位端子に流れる場合について述べたが、電流の向きが反転してN電位端子からP電位端子、C電位端子からP電位端子、N電位端子からC電位端子に流れる場合も同様である。また、図8では、単相3レベルコンバータ7に流れる電流について説明したが、3相2レベルインバータ8に流れる電流についても、P電位端子からN電位端子、N電位端子からP電位端子へ流れる2つの場合になるが、同様に並列接続されている平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)に流れる電流を等しくできる効果が得られる。
また、平滑コンデンサ13a〜13dに電流が流れるコンデンサ端子間の部分を除いて、重なり合ったブスバー31〜35を流れる電流は向きが反対の電流が流れており、合計すると大きさゼロの電流が近接して流れている。これにより、磁束を打ち消し合うためインダクタンスは低くできる。
【0038】
このようにブスバー14aの配線構造により、並列接続された各平滑コンデンサ13a、13b(13c、13d)を通る複数の電流経路のインピーダンスを容易で確実にほぼ同等にできる。これにより、複数の平滑コンデンサ13a〜13dの責務が均等化され、特定の平滑コンデンサ13a〜13dに電流が集中して劣化を早めることが防止できる。
従って、大容量化により複数の平滑コンデンサを並列接続して用い、さらに小型化により複数の平滑コンデンサを直線状に配置した構造でも、信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
【0039】
上記実施の形態1〜3では、3レベルの電力変換回路として単相3レベルコンバータ8を示したが、3レベルインバータであってもよい。また、3レベルのコンバータおよびインバータは、単相の場合でも多相の場合でも同様の効果が得られる。
また、各平滑コンデンサ群13x、13yでは、並列接続されている平滑コンデンサは2個としたが、3個以上の個数が並列接続されていても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1による電力変換装置の外観斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるブスバーの外形および分解図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電力変換装置の回路構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による平滑コンデンサとブスバーとの配線および電流経路を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1の比較例による平滑コンデンサとブスバーとの配線および電流経路を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2による平滑コンデンサとブスバーとの配線および電流経路を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3によるブスバーの外形および分解図である。
【図8】この発明の実施の形態3による平滑コンデンサとブスバーとの配線および電流経路を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態3の比較例による平滑コンデンサとブスバーとの配線および電流経路を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1a〜1d,1g〜1j IGBT、3a(13x) 第1の平滑コンデンサ群、
3b(13y) 第2の平滑コンデンサ群、
6a,6b,6c,6d クランプダイオード、7 単相3レベルコンバータ、
11 半導体スタック部、13a〜13d 平滑コンデンサ、
14,14a 配線導体としてのブスバー、21 P電位ブスバー、
22 N電位ブスバー、23 第1のC電位ブスバー、24 第2のC電位ブスバー、
25 第3のC電位ブスバー、21a P電位端子接続部、22a N電位端子接続部、25a C電位端子接続部、31 P電位ブスバー、32 第2のC電位ブスバー、
33 第1のC電位ブスバー、34 第3のC電位ブスバー、35 N電位ブスバー、
31a P電位端子接続部、34a C電位端子接続部、35a N電位端子接続部、
41 第1のP電位ブスバー、42 第1のN電位ブスバー、
43 第2のP電位ブスバー、44 第2のN電位ブスバー、45 C電位ブスバー。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013