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車両の駆動装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 車両の駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−124764(P2007−124764A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−311408(P2005−311408)
出願日 平成17年10月26日(2005.10.26)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 田原 安晃 / 遠藤 康浩 / 立松 和高
要約 課題
インバータが一体化され小型化かつ構成が簡素化された車両の駆動装置を提供する。

解決手段
車両の駆動装置は、モータジェネレータMG2と、モータジェネレータMG2の潤滑および冷却を行なう潤滑油の循環機構と、モータジェネレータMG2の制御を行ない、潤滑油の循環経路上に配置され前記潤滑油と接触して熱の授受を行なうパワー制御ユニットと、モータジェネレータMG2、循環機構およびパワー制御ユニットを収容し、循環経路が設けられたケースとを備える。好ましくは、パワー制御ユニットは、パワー制御素子と、パワー制御素子が第1の主表面に搭載される基板120とを含む。基板120は、循環経路において潤滑油に接する放熱フィン390,392,394を第2の主表面側に有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の回転電機と、
前記第1の回転電機の潤滑および冷却を行なう潤滑油の循環機構と、
前記第1の回転電機の制御を行ない、前記潤滑油との熱交換により冷却されるパワー制御ユニットと、
前記第1の回転電機、前記循環機構および前記パワー制御ユニットを収容し、前記循環経路が設けられたケースとを備える、車両の駆動装置。
【請求項2】
前記パワー制御ユニットは、
パワー制御素子と、
前記パワー制御素子が第1の主表面に搭載される基板とを含み、
前記基板は、
前記循環経路において前記潤滑油に接する放熱突起を第2の主表面側に有する、請求項1に記載の車両の駆動装置。
【請求項3】
前記ケースは、
前記循環経路上の下流に配置されたオイルパンを含み、
前記循環機構は、
前記回転電機の回転に応じて前記オイルパンから前記潤滑油を汲み上げて前記潤滑経路の前記パワー制御ユニットよりも上流部に送る機構を含む、請求項1または2に記載の車両の駆動装置。
【請求項4】
前記車両は、
前記第1の回転電機と併用されて車輪の回転に用いられる内燃機関を備え、
前記ケースは、前記内燃機関と熱伝導可能に接触する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
【請求項5】
前記潤滑油の熱は、前記ケースを介して前記内燃機関のハウジングに伝達される、請求項4に記載の車両の駆動装置。
【請求項6】
前記内燃機関のハウジングには、冷却水が循環される水路が形成され、
前記ケースは、
前記水路に挿入される放熱突起を有する、請求項5に記載の車両の駆動装置。
【請求項7】
前記車両は、
内燃機関を含み、
前記第1の回転電機のロータの回転中心軸と同軸上にロータの回転中心軸が配置される第2の回転電機と、
前記内燃機関のクランクシャフトの回転中心軸と同軸上にかつ前記第1、第2の回転電機の間に配置され、前記第1の回転電機のロータの回転が第1軸に伝達され、前記第2の回転電機のロータの回転が第2軸に伝達され、前記クランクシャフトの回転が第3軸に伝達される動力分割機構とをさらに備え、
前記パワー制御ユニットは、前記第1、第2の回転電機の制御を行ない、
前記ケースは、前記第2の回転電機、前記動力分割機構をさらに収容する、請求項1に記載の車両の駆動装置。
【請求項8】
前記パワー制御ユニットは、
前記第1、第2の回転電機にそれぞれ対応して設けられる第1、第2のインバータと、
前記第1、第2のインバータに共通して設けられる電圧コンバータとを含み、
前記電圧コンバータは、
前記第1、第2の回転電機および前記動力分割機構のいずれか跨ぐように分割して配置されるリアクトルおよびコンデンサとを含む、請求項7に記載の車両の駆動装置。
【請求項9】
前記ケースは、
第1の開口部が設けられ、前記パワー制御ユニットを収容する第1の収容室と、
第2の開口部が設けられ、前記第2の回転電機を収容する第2の収容室と、
前記第1、第2の収容室を仕切る隔壁とを含み、
前記隔壁には、前記循環経路の一部を形成する孔が設けられる、請求項7に記載の車両の駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の駆動装置に関し、特にインバータとモータを1つのケースに収めた車両の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現状のハイブリッド車は、インバータの大きな箱型ケースがあり、それがシャーシに固定されその下にモータケース(トランスアクスル)が配置されるという構成をとっているものが多い。なるべく多くの車種に搭載することができるハイブリッド車両の駆動装置について考慮すると、ケースが2個の構成であると車種ごとにその配置が最適化されることになり部品の共通化が図りにくい。
【0003】
本来、組合せて動作することが必要なユニットは1つのケースに収めて一体化してしまうことが望ましい。特開2004−343845号公報(特許文献1)、特開2001−119961号公報(特許文献2)および特開2003−199293号公報(特許文献3)には、モータとインバータとを一体化したハイブリッド車両の駆動装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−343845号公報
【特許文献2】特開2001−119961号公報
【特許文献3】特開2003−199293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2004−343845号公報(特許文献1)および特開2001−119961号公報(特許文献2)に開示されるハイブリッド車両の駆動装置は、モータの上にインバータを載せただけの構造であり、高さ方向に関し車両に搭載した場合の車両重心位置について改善の余地がある。さらに、ハイブリッド車両の駆動装置を搭載するスペースの省スペース化も十分に考慮されていない。
【0005】
多くの車種に搭載可能とするためには、通常の車両でエンジンに隣接配置されている自動変速機とほぼ同等の輪郭内にインバータとモータとを配置することができることが望ましい。
【0006】
また、特開2003−199293号公報(特許文献3)では、インバータ部の冷却系として水冷系を採用し、モータ部の冷却系として油冷系を採用しているので、構造が複雑となる。
【0007】
この発明の目的は、インバータが一体化され小型化かつ構成が簡素化された車両の駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、要約すると、車両の駆動装置であって、第1の回転電機と、第1の回転電機の潤滑および冷却を行なう潤滑油の循環機構と、第1の回転電機の制御を行ない、潤滑油との熱交換により冷却されるパワー制御ユニットと、第1の回転電機、循環機構およびパワー制御ユニットを収容し、循環経路が設けられたケースとを備える。
【0009】
好ましくは、パワー制御ユニットは、パワー制御素子と、パワー制御素子が第1の主表面に搭載される基板とを含む。基板は、循環経路において潤滑油に接する放熱突起を第2の主表面側に有する。
【0010】
好ましくは、ケースは、循環経路上の下流に配置されたオイルパンを含み、循環機構は、回転電機の回転に応じてオイルパンから潤滑油を汲み上げて潤滑経路のパワー制御ユニットよりも上流部に送る機構を含む。
【0011】
好ましくは、車両は、第1の回転電機と併用されて車輪の回転に用いられる内燃機関を備え、ケースは、内燃機関と熱伝導可能に接触する。
【0012】
より好ましくは、潤滑油の熱は、ケースを介して内燃機関のハウジングに伝達される。
さらに好ましくは、内燃機関のハウジングには、冷却水が循環される水路が形成され、ケースは、水路に挿入される放熱突起を有する。
【0013】
好ましくは、車両は、内燃機関を含む。車両の駆動装置は、第1の回転電機のロータの回転中心軸と同軸上にロータの回転中心軸が配置される第2の回転電機と、内燃機関のクランクシャフトの回転中心軸と同軸上にかつ第1、第2の回転電機の間に配置され、第1の回転電機のロータの回転が第1軸に伝達され、第2の回転電機のロータの回転が第2軸に伝達され、クランクシャフトの回転が第3軸に伝達される動力分割機構とをさらに備える。パワー制御ユニットは、第1、第2の回転電機の制御を行なう。ケースは、第2の回転電機、動力分割機構をさらに収容する。
【0014】
より好ましくは、パワー制御ユニットは、第1、第2の回転電機にそれぞれ対応して設けられる第1、第2のインバータと、第1、第2のインバータに共通して設けられる電圧コンバータとを含む。電圧コンバータは、第1、第2の回転電機および動力分割機構のいずれか跨ぐように分割して配置されるリアクトルおよびコンデンサとを含む。
【0015】
より好ましくは、ケースは、第1の開口部が設けられ、パワー制御ユニットを収容する第1の収容室と、第2の開口部が設けられ、第2の回転電機を収容する第2の収容室と、第1、第2の収容室を仕切る隔壁とを含む。隔壁には、循環経路の一部を形成する孔が設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インバータに一体化され小型化されかつ簡素な構成の車両の駆動装置を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
[車両の構成要素の説明]
図1は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両100のモータジェネレータ制御に関する構成を示す回路図である。
【0019】
図1を参照して、車両100は、電池ユニット40と、駆動装置20と、制御装置30と、図示しないエンジンおよび車輪とを含む。
【0020】
駆動装置20は、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構PSDと、減速機RDと、モータジェネレータMG1,MG2の制御を行なうパワー制御ユニット21とを備える。
【0021】
動力分割機構PSDは、基本的には、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。
【0022】
動力分割機構PSDの2つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1の各回転軸にそれぞれ接続され、他の1つの回転軸は減速機RDに接続される。動力分割機構PSDと一体化された減速機RDによってモータジェネレータMG2の回転は減速されて動力分割機構PSDに伝達される。
【0023】
減速機の回転軸は、図示しない減速ギヤやディファレンシャルギヤによって車輪に結合されている。なお、減速機は必須ではなく、モータジェネレータMG2の回転を減速せずに動力分割機構PSDに伝達する構成でもよい。
【0024】
電池ユニット40には端子41,42が設けられている。また駆動装置20には端子43,44が設けられている。車両100は、さらに、端子41と端子43とを結ぶパワーケーブル6と、端子42と端子44とを結ぶパワーケーブル8とを含む。
【0025】
電池ユニット40は、バッテリBと、バッテリBの負極と端子42との間に接続されるシステムメインリレーSMR3と、バッテリBの正極と端子41との間に接続されるシステムメインリレーSMR2と、バッテリBの正極と端子41との間に直列に接続される、システムメインリレーSMR1および制限抵抗Rとを含む。システムメインリレーSMR1〜SMR3は、制御装置30から与えられる制御信号SEに応じて導通/非導通状態が制御される。
【0026】
電池ユニット40は、さらに、バッテリBの端子間の電圧VBを測定する電圧センサ10と、バッテリBに流れる電流IBを検知する電流センサ11とを含む。
【0027】
バッテリBとしては、ニッケル水素、リチウムイオン等の二次電池や燃料電池などを用いることができる。また、バッテリBに代わる蓄電装置として電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタを用いることもできる。
【0028】
パワー制御ユニット21は、モータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ対応して設けられるインバータ22,14と、インバータ22,14に共通して設けられる昇圧コンバータ12とを含む。
【0029】
昇圧コンバータ12は、端子43,44間の電圧を昇圧する。インバータ14は、昇圧コンバータ12から与えられる直流電圧を三相交流に変換してモータジェネレータMG2に出力する。
【0030】
昇圧コンバータ12は、一方端が端子43に接続されるリアクトルL1と、昇圧後の電圧VHを出力する昇圧コンバータ12の出力端子間に直列に接続されるパワートランジスタ素子Q1,Q2と、パワートランジスタ素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2と、平滑用コンデンサC2とを含む。平滑用コンデンサC2は、昇圧コンバータ12によって昇圧された電圧を平滑化する。
【0031】
リアクトルL1の他方端はパワートランジスタ素子Q1のエミッタおよびパワートランジスタ素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはパワートランジスタ素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはパワートランジスタ素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはパワートランジスタ素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはパワートランジスタ素子Q2のエミッタと接続される。
【0032】
インバータ14は車輪を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ14は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
【0033】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、昇圧コンバータ12の出力ライン間に並列に接続される。
【0034】
U相アーム15は、直列接続されたパワートランジスタ素子Q3,Q4と、パワートランジスタ素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはパワートランジスタ素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはパワートランジスタ素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはパワートランジスタ素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはパワートランジスタ素子Q4のエミッタと接続される。
【0035】
V相アーム16は、直列接続されたパワートランジスタ素子Q5,Q6と、パワートランジスタ素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはパワートランジスタ素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはパワートランジスタ素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはパワートランジスタ素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはパワートランジスタ素子Q6のエミッタと接続される。
【0036】
W相アーム17は、直列接続されたパワートランジスタ素子Q7,Q8と、パワートランジスタ素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはパワートランジスタ素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはパワートランジスタ素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはパワートランジスタ素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはパワートランジスタ素子Q8のエミッタと接続される。
【0037】
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG2の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG2は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中性点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がパワートランジスタ素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がパワートランジスタ素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がパワートランジスタ素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
【0038】
なお、図1ではパワートランジスタ素子Q1〜Q8が絶縁ゲート型バイポーラ(IGBT)素子である例を図示しているが、より高温で動作可能なSiC−金属酸化物半導体電界効果型トランジスタ(MOSFET)等を用いることもできる。
【0039】
電流センサ24は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、モータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。
【0040】
インバータ22は、昇圧コンバータ12に対してインバータ14と並列的に接続される。インバータ22は、モータジェネレータMG1に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。インバータ22は、昇圧コンバータ12から昇圧された電圧を受けてたとえばエンジンを始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0041】
また、インバータ22は、エンジンのクランクシャフトから伝達される回転トルクによってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
【0042】
インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14の構成と同様であり、詳細な説明は繰返さない。
【0043】
制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2、電圧VB,VL,VH、電流IBの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動信号IGONを受ける。
【0044】
ここで、トルク指令値TR1,モータ回転数MRN1およびモータ電流値MCRT1はモータジェネレータMG1に関するものであり、トルク指令値TR2,モータ回転数MRN2およびモータ電流値MCRT2はモータジェネレータMG2に関するものである。
【0045】
また、電圧VBはバッテリBの電圧であり、電流IBは、バッテリBに流れる電流である。電圧VLは昇圧コンバータ12の昇圧前電圧であり、電圧VHは昇圧コンバータ12の昇圧後電圧である。
【0046】
そして制御装置30は、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示を行なう制御信号PWU,降圧指示を行なう制御信号PWDおよび動作禁止を指示する信号CSDNを出力する。
【0047】
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC2とを出力する。
【0048】
同様に制御装置30は、インバータ22に対して直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC1とを出力する。
【0049】
図2は、図1における動力分割機構PSDおよび減速機RDの詳細を説明するための模式図である。
【0050】
図2を参照して、この車両駆動装置は、モータジェネレータMG2と、モータジェネレータMG2の回転軸に接続される減速機RDと、減速機RDで減速された回転軸の回転に応じて回転する車軸と、エンジン4と、モータジェネレータMG1と、減速機RDとエンジン4とモータジェネレータMG1との間で動力分配を行なう動力分割機構PSDとを備える。減速機RDは、モータジェネレータMG2から動力分割機構PSDへの減速比が、たとえば2倍以上である。
【0051】
エンジン4のクランクシャフト50とモータジェネレータMG1のロータ32とモータジェネレータMG2のロータ37とは同じ軸を中心に回転する。
【0052】
動力分割機構PSDは、図2に示す例ではプラネタリギヤであり、クランクシャフト50に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸に結合されたサンギヤ51と、クランクシャフト50と同軸上を回転可能に支持されているリングギヤ52と、サンギヤ51とリングギヤ52との間に配置され、サンギヤ51の外周を自転しながら公転するピニオンギヤ53と、クランクシャフト50の端部に結合され各ピニオンギヤ53の回転軸を支持するプラネタリキャリヤ54とを含む。
【0053】
動力分割機構PSDは、サンギヤ51に結合されたサンギヤ軸と、リングギヤ52に結合されたリングギヤケースおよびプラネタリキャリヤ54に結合されたクランクシャフト50の3軸が動力の入出力軸とされる。そしてこの3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、残りの1軸に入出力される動力は他の2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
【0054】
動力の取出用のカウンタドライブギヤ70がリングギヤケースの外側に設けられ、リングギヤ52と一体的に回転する。カウンタドライブギヤ70は、動力伝達減速ギヤRGに接続されている。そしてカウンタドライブギヤ70と動力伝達減速ギヤRGとの間で動力の伝達がなされる。動力伝達減速ギヤRGはディファレンシャルギヤDEFを駆動する。また、下り坂等では車輪の回転がディファレンシャルギヤDEFに伝達され、動力伝達減速ギヤRGはディファレンシャルギヤDEFによって駆動される。
【0055】
モータジェネレータMG1は、回転磁界を形成するステータ31と、ステータ31内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれているロータ32とを含む。ステータ31は、ステータコア33と、ステータコア33に巻回される三相コイル34とを含む。ロータ32は、動力分割機構PSDのサンギヤ51と一体的に回転するサンギヤ軸に結合されている。ステータコア33は、電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、図示しないケースに固定されている。
【0056】
モータジェネレータMG1は、ロータ32に埋め込まれた永久磁石による磁界と三相コイル34によって形成される磁界との相互作用によりロータ32を回転駆動する電動機として動作する。またモータジェネレータMG1は、永久磁石による磁界とロータ32の回転との相互作用により三相コイル34の両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
【0057】
モータジェネレータMG2は、回転磁界を形成するステータ36と、ステータ31内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれたロータ37とを含む。ステータ36は、ステータコア38と、ステータコア38に巻回される三相コイル39とを含む。
【0058】
ロータ37は、動力分割機構PSDのリングギヤ52と一体的に回転するリングギヤケースに減速機RDによって結合されている。ステータコア38は、たとえば電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、図示しないケースに固定されている。
【0059】
モータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界とロータ37の回転との相互作用により三相コイル39の両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。またモータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界と三相コイル39によって形成される磁界との相互作用によりロータ37を回転駆動する電動機として動作する。
【0060】
減速機RDは、プラネタリギヤの回転要素の一つであるプラネタリキャリヤ66が車両駆動装置のケースに固定された構造により減速を行なう。すなわち、減速機RDは、ロータ37のシャフトに結合されたサンギヤ62と、リングギヤ52と一体的に回転するリングギヤ68と、リングギヤ68およびサンギヤ62に噛み合いサンギヤ62の回転をリングギヤ68に伝達するピニオンギヤ64とを含む。
【0061】
たとえば、サンギヤ62の歯数に対しリングギヤ68の歯数を2倍以上にすることにより、減速比を2倍以上にすることができる。
【0062】
[構成要素の配置説明]
図3は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置20の外観を示す斜視図である。
【0063】
図4は、駆動装置20の平面図である。
図3、図4を参照して、駆動装置20のケースは、ケース104とケース102とに分割可能に構成されている。ケース104は主としてモータジェネレータMG1を収容する部分であり、ケース102は、主としてモータジェネレータMG2およびパワー制御ユニットを収容する部分である。
【0064】
ケース104にはフランジ106が形成され、ケース102にはフランジ105が形成され、フランジ106とフランジ105とがボルト等で固定されることにより、ケース104とケース102とが一体化される。
【0065】
ケース102にはパワー制御ユニットを組付けるための開口108が設けられている。この開口108の内部左側部分(車両進行方向側)にはコンデンサC2が収容され、中央部分にはパワー素子基板120と端子台116,118とが収容され、右側部分にはリアクトルL1とが収容されている。なお、この開口108は車両搭載状態においては蓋により閉じられている。また、コンデンサC2を右側に、リアクトルL1を左側に収容するように入れ換えても良い。
【0066】
つまり、リアクトルL1はモータジェネレータMG1およびMG2の回転軸の一方側に配置され、コンデンサC2は回転軸の他方側に配置されている。そしてコンデンサC2とリアクトルL1との間の領域にパワー素子基板120が配置されている。パワー素子基板120の下方にはモータジェネレータMG2が配置されている。
【0067】
パワー素子基板120にはモータジェネレータMG1を制御するインバータ22と、モータジェネレータMG2を制御するインバータ14と、昇圧コンバータのアーム部13とが搭載されている。
【0068】
インバータ14とインバータ22との間の領域には上下に重ねて配置された電源用バスバーが設けられている。インバータ14のU相アーム15、V相アーム16、W相アーム17からはそれぞれ1本ずつのバスバーがモータジェネレータMG2のステータコイルにつながる端子台116に向けて設けられている。同様にインバータ22からも3本のバスバーがモータジェネレータMG1のステータコイルにつながる端子台118に向けて設けられている。
【0069】
パワー素子基板120は高温になるためこれを冷却するためにパワー素子基板120の下には後に説明するオイル通路が設けられている。
【0070】
図1の電池ユニット40から端子43,44にパワーケーブルを介して与えられた電圧はリアクトルL1およびアーム部13を含む昇圧コンバータ12によって昇圧されコンデンサC2によって平滑化されてインバータ14および22に供給される。
【0071】
このように昇圧コンバータ12を用いて電池電圧を昇圧して用いることによりバッテリ電圧を200V程度に低減しつつ、かつモータジェネレータを500Vを超える高電圧で駆動することが可能となり、電力供給を小電流で行なうことにより電気損失を抑制しかつモータの高出力を実現することができる。
【0072】
駆動装置20として、インバータ14,22およびモータジェネレータMG1,MG2に加えて、昇圧コンバータ12も含めて一体化する場合には、比較的大きな部品であるリアクトルL1およびコンデンサC2の配置場所が問題となる。
【0073】
図5は、駆動装置20を図4のX1方向から見た側面図である。
図5を参照して、ケース102にはモータジェネレータ組付け用および保守用の開口109が設けられており、この開口109は車両搭載状態においては蓋により閉じられている。
【0074】
開口109の内部にはモータジェネレータMG2が配置されている。U,V,W相のバスバーが接続されるステータ36の内部にロータ37が配置されている。ロータ37の中央部分には中空のシャフト60が見えている。
【0075】
このハイブリッド車両の駆動装置は、同軸上に各ロータの回転中心軸が配置されるモータジェネレータMG2およびMG2の奥に配置されるモータジェネレータMG1と、クランクシャフトの回転中心軸と同軸上にかつモータジェネレータMG1およびMG2の間に配置される動力分割機構と、モータジェネレータMG1,MG2の制御を行なう図1のパワー制御ユニット21とを備える。
【0076】
図1のパワー制御ユニット21は、図5に示すようにモータジェネレータMG2の回転中心軸に対し、少なくとも一方側にリアクトルL1が他方側に平滑用コンデンサC2が分割配置される。モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構、およびパワー制御ユニット21は、金属製のケースに収容されて一体化されている。
【0077】
つまり、図5に示すように、ケース102のパワー制御ユニット21を収容する収容室にはモータジェネレータMG2のステータ36が大きく食い込んでいるので、モータジェネレータMG2の一方側にはリアクトルL1が配置され他方側にはコンデンサC2が配置され、大型部品を効率よく収容している。このため、コンパクトなハイブリッド車両の駆動装置が実現できている。
【0078】
図6は、図4のX2方向から駆動装置20を見た側面図である。図6において、パワー素子基板の上部にパワー素子を制御する制御基板121が配置されている。
【0079】
図7は、図4のVII−VIIにおける断面図である。
図6、図7を参照して、エンジンのクランクシャフト50はダンパー124に接続され、ダンパー124の出力軸は動力分割機構PSDに接続される。
【0080】
エンジンが配置される側からはダンパー124、モータジェネレータMG1、動力分割機構PSD、減速機RDおよびモータジェネレータMG2の順で、同一の回転軸上に並んでこれらが配置されている。モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは中空であり、この中空部分にダンパー124からの出力軸が貫通している。
【0081】
モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは、動力分割機構PSD側でサンギヤ51とスプライン嵌合されている。ダンパー124のシャフトは、プラネタリキャリヤ54と結合されている。プラネタリキャリヤ54は、ピニオンギヤ53の回転軸をダンパー124のシャフトの周りに回転自在に支持する。ピニオンギヤ53は、サンギヤ51およびリングギヤケースの内周に形成された図2のリングギヤ52と噛み合う。
【0082】
またモータジェネレータMG2のロータシャフト60の減速機RD側は、サンギヤ62とスプライン嵌合されている。減速機RDのプラネタリキャリヤ66は、ケース102の隔壁202に固定されている。プラネタリキャリヤ66は、ピニオンギヤ64の回転軸を支持する。ピニオンギヤ64は、サンギヤ62およびリングギヤケースの内周に形成された図2のリングギヤ68と噛み合う。
【0083】
図7を見ればわかるように、モータジェネレータMG1およびダンパー124はケース104の図右方向の開口111から組付けることができ、モータジェネレータMG2はケース102の左方向の開口109から組付けることができ、減速機RDおよび動力分割機構PSDはフランジ105,106の合わせ面から組付けることができる。
【0084】
ケース102の開口109は、潤滑油が漏れないように蓋71および液状ガスケット等で密閉される。ケース104の開口111の奥には蓋72が設けられ、MG1を収容する空間は潤滑油が漏れないように液状ガスケット等やオイルシール81によって密閉される。
【0085】
モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは、蓋72との間に設けられたボールベアリング78および隔壁203との間に設けられたボールベアリング77によって回転自在に支持されている。ロータ32のシャフトは中空であり、ダンパー124のシャフトがその内部を貫通している。ロータ32のシャフトとダンパー124のシャフトの間にはニードルベアリング79,80が設けられている。
【0086】
モータジェネレータMG2のロータ37のシャフトは、蓋71との間に設けられたボールベアリング73および隔壁202との間に設けられたボールベアリング74によって回転自在に支持されている。
【0087】
減速機RDのリングギヤと動力分割機構PSDのリングギヤがともに内周に刻まれたリングギヤケースは、隔壁202との間に設けられたボールベアリング75および隔壁203との間に設けられたボールベアリング76によって、回転自在に支持されている。
【0088】
パワー制御ユニット21を収容する収容室とモータジェネレータMG2を収容する収容室とはケース102の隔壁202で隔てられているが、その一部は端子台116が挿入される貫通孔でつながっている。この端子台116にはモータジェネレータMG2のステータコイルのバスバーが一方側に接続され、インバータ14のバスバーが他方側に接続される。そしてこれらのバスバーを電気的に接続可能なように、端子台116の内部には導電性部材が通されている。つまり端子台116は、モータジェネレータMG2側からの潤滑油分を通さないでかつ電気を通すように構成されている。
【0089】
同様に、端子台118によって、パワー制御ユニットが収容される空間とモータジェネレータMG1が収容される空間とが、電気を通しかつ潤滑油分を通さない状態で接続されている。
【0090】
図8は、図4のVIII−VIIIにおける断面を示した断面図である。
図8を参照して、パワー制御ユニット21を収容する収容室においてはリアクトルL1の断面が示されている。リアクトルL1は、たとえば電磁鋼板が積層されたコアにコイルが巻回された構造を有する。
【0091】
そしてリアクトルL1に近接して、図2で示された減速ギヤRGの回転軸130が配置され、減速ギヤRGのカウンタドリブンギヤ132が中央部に示される。このカウンタドリブンギヤ132は図2のカウンタドライブギヤ70と噛み合う。そしてこのカウンタドリブンギヤ132の同軸上にファイナルドライブギヤ133が設けられ、これに噛み合うファイナルドリブンギヤであるディファレンシャルギヤDEFがその下方に示されている。
【0092】
このようにモータジェネレータMG1,MG2、減速機RDおよび動力分割機構PSDに加えて、減速ギヤRGおよびディファレンシャルギヤDEFを配置した状態で、周辺の空きスペースを利用してパワー制御ユニットの構成要素であるパワー素子基板120、リアクトルL1およびコンデンサC2を配置している。これにより、高さを低く抑えつつコンパクトなハイブリッド車両の駆動装置を実現することができる。
【0093】
[冷却系の説明]
図9は、本実施の形態のハイブリッド車両の駆動装置の冷却系を示すブロック図である。
【0094】
図9を参照して、ウォータポンプ304によって冷却水がシリンダブロック302およびシリンダヘッド320に送出される。エンジンの暖気がまだ不十分である場合にはサーモスタット弁306がラジエーターからの通路よりもバイパス通路を選択するのでウォータポンプ304から送出された冷却水はシリンダブロック302、シリンダヘッド300を経由してバイパス流路326からウォータポンプ304に戻る。
【0095】
なお極寒時においてはスロットルボデー310に設けられた温水通路にシリンダヘッドからの温水通路328から温水が流れ温水通路330を経由してウォータポンプ304にこの温水が戻される。またシリンダヘッドを通過して暖まった冷却水は温水通路328,330によってヒータ312にも導かれる。これにより車室内の暖房にもエンジンからの熱が使用される。
【0096】
一方エンジンの暖機が十分な状態では、サーモスタット弁306はバイパス流路326からラジエーター308からの流路322に流入口を切換える。これによってウォータポンプ304から送出された冷却水はシリンダブロック302、シリンダヘッド300、流路320、ラジエーター308および流路322の順番で流れ、ウォータポンプ304に戻される。
【0097】
以上説明したように、シリンダブロック302内部には冷却水通路が設けられており、吸気側から排気側に向けて4つの気筒の周囲を図9の矢印に示すように冷却水が流れる。このように、エンジンのシリンダブロック302は、冷却水の循環によって適温に保たれている。
【0098】
インバータを含むパワー制御ユニット21およびモータジェネレータMG1,MG2においては、主に、オイル循環経路340で循環する潤滑油によって熱伝達が行なわれる。すなわち、パワー制御ユニット21は、他の冷却水等の液媒体による冷却系を介さずに、潤滑油と直接の熱交換により冷却されるインテリジェントパワーモジュール(IPM)等を含むものである。モータジェネレータMG1のケースとシリンダブロック302とはボルト等で締結されており金属部分の接触部分の熱伝導によって熱伝達が行なわれる。
【0099】
パワー制御ユニット21は、従来、水冷系で冷却されているのが普通であったが、パワートランジスタ素子としてたとえばSiC−MOSなどの高温動作可能な素子を利用すればモータジェネレータの耐熱温度と同程度の温度で動作させることが可能となる。したがって、冷却系としてパワー制御ユニット21専用の水冷系を廃して、モータジェネレータと共通の油冷系を採用して全体をコンパクトな構成にすることができる。
【0100】
このような構成を採用した本実施の形態では、インバータを含むパワー制御ユニット21およびモータジェネレータMG1,MG2は、一部は輻射等で放熱がされるが、主として潤滑油との熱交換により冷却が行なわれる。
【0101】
したがってパワー制御ユニット21およびモータジェネレータMG1,MG2において生じた熱は、潤滑油によってモータジェネレータMG1のケースに伝達されて、そして熱はそのケースからシリンダブロック302にさらに伝達される。シリンダブロック302は冷却水によって冷却されるので温度の上昇が抑制される。したがってパワー制御ユニットおよびモータジェネレータMG1,MG2の温度も上昇が抑制されることになる。
【0102】
図10は、図9におけるモータジェネレータMG1とシリンダブロック302との接続部分の断面を示した図である。
【0103】
図10を参照して、シリンダブロック302とシリンダヘッド300によって燃焼室が形成される。燃焼室の上部には点火プラグ360が設けられる。またシリンダ内をピストン358が上下に往復運動を行ないピストンの上下運動はコンロッド356によってクランクシャフト354に伝達され回転運動に変化される。クランクシャフト354はその端部がダンパー124に結合される。
【0104】
ピストン358が上下運動を行なうシリンダの脇にはウォータジャケット350が設けられている。ウォータジャケット350には冷却水が通水されピストンが上下動する燃焼室部分のシリンダを冷却している。
【0105】
モータジェネレータMG1のケース104とシリンダブロック302との結合部分にはフィン351〜353が設けられており、このフィン351〜353はシリンダブロック302の外壁を貫通しウォータジャケット350に差し込まれている。したがって、ケース104に伝達された熱はフィン351〜353を介してウォータジャケット350の内部を流れる冷却水によって良好に冷却される。なお、フィン351〜353の差込部分周辺は、Oリングや液状ガスケット等のシール部材によって冷却水の漏れが防止される。
【0106】
図11は、図9におけるオイル循環経路340を示した断面図である。
図11を参照して、モータジェネレータMG2を収容する収容室とパワー制御ユニット21を収容する収容室の境界部分と、減速ギヤRGおよびディファレンシャルギヤDEFを収容する部分の各ケース部分断面が示されている。
【0107】
図12は、図11のXII−XIIにおける部分断面図である。
図11、図12を参照して、ケース102にはパワー制御ユニット21を収容する収容室とモータジェネレータMG2を収容する収容室の2つの空間を仕切る隔壁200が設けられている。この隔壁200の上面部分にはパワー素子基板120を冷却するためのオイル通路122が設けられ、このオイル通路122はオイル溜り370およびモータジェネレータMG2の収容室と連通している。モータジェネレータMG2の潤滑油がパワー素子基板120側に漏れ出ないように基板120は隔壁200と液状ガスケット等でシールされる。
【0108】
潤滑油は、ケース底部にオイルレベルOLまで貯蔵されている。このケース底部はオイルパンに該当する。なお、ケース底部に別途オイルパンを取り付けるような構造にしても良い。ロータ37の回転等に応じて図2のカウンタドライブギヤ70が回転される。カウンタドライブギヤ70によってカウンタドリブンギヤ132が回転され、カウンタドリブンギヤ132の回転に応じてディファレンシャルギヤDEFが回転する。
【0109】
すると図11の矢印に示すようにディファレンシャルギヤDEFが潤滑油をはね上げる。ケースの上部にはオイルキャッチ板386が設けられており、ディファレンシャルギヤDEFによって掻き揚げられたオイルはオイル溜り370に溜められる。オイル溜り370は、潤滑油の潤滑経路において基板120を含むパワー制御ユニットよりも上流部に位置する。オイル溜り370にはオイル出口372が設けられており、オイル出口372は図12に示すように基板120の下部の空間へのオイル入口374,376,378と通じている。
【0110】
基板120のパワー素子実装面と反対側の裏面にはオイルに熱を放熱するためのフィン390,392,394が設けられており、パワー素子の熱はこれらフィンを介して潤滑油に放熱される。その後潤滑油は隔壁200に設けられたオイル出口380,382,384を通りステータ36の上部に注がれる。そして潤滑油はステータ36の外周に沿って流れ再びケースの底部に戻される。
【0111】
図11および図12に示した変形例では、車両の駆動装置は、モータジェネレータMG2と、モータジェネレータMG2の潤滑および冷却を行なう潤滑油の循環機構と、モータジェネレータMG2の制御を行ない、潤滑油の循環経路上に配置され潤滑油で冷却されるパワー制御ユニット21と、モータジェネレータMG2、循環機構およびパワー制御ユニットを収容し、潤滑油の循環経路が設けられたケースとを備える。
【0112】
ディファレンシャルギヤDEFおよびオイルキャッチ板386が「潤滑油の循環機構」に相当し、オイル溜り370およびオイル通路122が「潤滑油の循環経路」の一部に相当する。
【0113】
「潤滑油の循環機構」のうちディファレンシャルギヤDEFが、「回転電機の回転に応じてオイルパンから潤滑油を汲み上げて潤滑経路のパワー制御ユニットよりも上流部に送る機構」に該当する。
【0114】
そして、パワー制御ユニット21は、パワー制御素子が第1の主表面に搭載される基板120とコンデンサC2と図5に位置が示されたリアクトルL1とを含む。基板120は、循環経路において潤滑油に接する放熱フィン390,392,394を第2の主表面側に有する。
【0115】
以上説明したように、モータジェネレータを駆動するときに高温となるパワートランジスタ素子部分をモータジェネレータの潤滑油を利用して冷却する。各部分の運転時の温度はたとえばステータコイルがおよそ160℃、潤滑油が120℃、パワートランジスタ素子がたとえばSiC−MOSなどの高温動作可能な素子を利用すれば200℃である。これに対してエンジンのハウジングは冷却水によって100℃以下に冷却されている。
【0116】
したがってモータジェネレータの内部を循環する潤滑油の熱をエンジンのハウジング側に逃がすことにより一体化したモータおよびインバータの部分に冷却水の経路を設けなくても冷却が可能となり重心を低くできるとともに、省スペース化さらには設計配置の自由度を向上させることができる。
【0117】
図13は、図9のオイル循環経路340の第2の例を示した図である。
図14は、図13のXIV−XIV断面における断面図である。
【0118】
図13、図14に示すようにディファレンシャルギヤDEFによって掻き揚げられたオイルはカウンタドリブンギヤ132の潤滑を行ない、その後カウンタドリブンギヤ132によってその潤滑油の一部はさらにはね上げられてオイルキャッチ板386Aによって受止められオイル溜り370Aに溜められる。オイル溜り370Aは、潤滑油の潤滑経路において基板120を含むパワー制御ユニットよりも上流部に位置する。
【0119】
オイル溜り370Aに設けられたオイル出口372Aは図14に示すようにオイル入口374,376,378と通じており基板120の底部に設けられたフィン390,392,394から潤滑油に熱が放熱される。その後潤滑油はオイル出口380,382,384からステータ36の上部に注がれステータ36の外壁を通じて再び潤滑油はケース底部に戻される。
【0120】
図13および図14に示した変形例では、ディファレンシャルギヤDEF、カウンタドリブンギヤ132およびオイルキャッチ板386Aが「潤滑油の循環機構」に相当し、オイル溜り370Aおよびオイル通路122が「潤滑油の循環経路」の一部に相当する。
【0121】
「潤滑油の循環機構」のうちディファレンシャルギヤDEFおよびカウンタドリブンギヤ132が、「回転電機の回転に応じてオイルパンから潤滑油を汲み上げて潤滑経路のパワー制御ユニットよりも上流部に送る機構」に該当する。
【0122】
図13および図14に示した変形例でも図11および図12に示した例と同様な効果を得ることができる。
【0123】
図15は、図9のオイル循環経路340の第3の例を示した図である。
図16は、図15のXVI−XVI断面における断面図である。
【0124】
図15、図16を参照して、このオイル循環経路の第3の例では、トロコイド式のオイルポンプ400を設けてケース底部のオイル溜から潤滑油を汲み上げてオイル通路407に送出する。オイル通路407の出口は、潤滑油の潤滑経路において基板120を含むパワー制御ユニットよりも上流部に位置する。
【0125】
オイルポンプ400は、ディファレンシャルギヤDEFに噛み合う駆動ギヤ402と、駆動ギヤ402と軸が結合され共に回転するインナーロータ404と、インナーロータ404と内側の歯が噛み合うアウターロータ406とを含む。
【0126】
オイル通路407の出口は図16に示すようにオイル入口374,376,378と通じており基板120の底部に設けられたフィン390,392,394から潤滑油に熱が放熱される。その後潤滑油はオイル出口380,382,384からステータ36の上部に注がれステータ36の外壁を通じて再び潤滑油はケース底部のオイル溜に戻される。
【0127】
図15および図16に示した変形例では、オイルポンプ400が「潤滑油の循環機構」における「回転電機の回転に応じてオイルパンから潤滑油を汲み上げて潤滑経路のパワー制御ユニットよりも上流部に送る機構」に相当し、オイル通路407および122が「潤滑油の循環経路」の一部に相当する。
【0128】
図15および図16に示した変形例でも図11および図12に示した例と同様な効果を得ることができる。
【0129】
以上説明してきたように、本実施の形態によれば、従来のように水冷の冷却をモータとインバータとの間に設ける必要がなくなるため、小型化、省スペース化が可能となる。さらに、車両搭載時の略鉛直方向のサイズを小型化することができるため、重心を低くすることが可能となる。
【0130】
なお、本実施の形態においては、パワー制御ユニットの水冷系を廃止した例を示したが、パワー制御ユニットの冷却に油冷系を一部導入することにより、水冷系の簡略化や小型化を行なっても良い。また、実施の形態については、ハイブリッド車両に本願発明を適用した例を説明したが、本願発明はこれに限定されず、たとえば、電気自動車や燃料電池自動車等にも適用が可能である。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両100のモータジェネレータ制御に関する構成を示す回路図である。
【図2】図1における動力分割機構PSDおよび減速機RDの詳細を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置20の外観を示す斜視図である。
【図4】駆動装置20の平面図である。
【図5】駆動装置20を図4のX1方向から見た側面図である。
【図6】図4のX2方向から駆動装置20を見た側面図である。図6において、パワー素子基板の上部にパワー素子を制御する制御基板121が配置されている。
【図7】図4のVII−VIIにおける断面図である。
【図8】図4のVIII−VIIIにおける断面を示した断面図である。
【図9】本実施の形態のハイブリッド車両の駆動装置の冷却系を示すブロック図である。
【図10】図9におけるモータジェネレータMG1とシリンダブロック302との接続部分の断面を示した図である。
【図11】図9におけるオイル循環経路340を示した断面図である。
【図12】図11のXII−XIIにおける部分断面図である。
【図13】図9のオイル循環経路340の第2の例を示した図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面における断面図である。
【図15】図9のオイル循環経路340の第3の例を示した図である。
【図16】図15のXVI−XVI断面における断面図である。
【符号の説明】
【0133】
4 エンジン、6,8 パワーケーブル、10 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 昇圧コンバータ、13 アーム部、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20 駆動装置、21 パワー制御ユニット、30 制御装置、31,36 ステータ、32,37 ロータ、33,38 ステータコア、34,39 三相コイル、40 電池ユニット、41〜44 端子、50 クランクシャフト、51,62 サンギヤ、52 リングギヤ、53,64 ピニオンギヤ、54,66 プラネタリキャリヤ、60 シャフト、68 リングギヤ、70 カウンタドライブギヤ、71,72 蓋、73〜78 ボールベアリング、79,80 ニードルベアリング、81 オイルシール、100 車両、102,104 ケース、105,106 フランジ、108,109,111 開口、116,118 端子台、120 パワー素子基板、121 制御基板、122 オイル通路、124 ダンパー、130 回転軸、132 カウンタドリブンギヤ、133 ファイナルドライブギヤ、200,202,203 隔壁、300 シリンダヘッド、302 シリンダブロック、304 ウォータポンプ、306 サーモスタット弁、308 ラジエーター、310 スロットルボデー、312 ヒータ、320 シリンダヘッド、320,322 流路、326 バイパス流路、328,330 温水通路、340 オイル循環経路、350 ウォータジャケット、351〜353 フィン、354 クランクシャフト、356 コンロッド、358 ピストン、360 点火プラグ、372,372A,380,382,384 オイル出口、374,376,378 オイル入口、386,386A オイルキャッチ板、390,392,394 フィン、B バッテリ、C2 平滑用コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、DEF ディファレンシャルギヤ、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PSD 動力分割機構、Q1〜Q8 パワートランジスタ素子、R 制限抵抗、RD 減速機、RG 減速ギヤ、SMR1〜SMR3 システムメインリレー。




 

 


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