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発明の名称 伝熱部品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−124747(P2007−124747A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−310209(P2005−310209)
出願日 平成17年10月25日(2005.10.25)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 深田 善樹
要約 課題
伝熱フィンの表面に設けられる耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのを未然に防止することができる伝熱部品を提供する。

解決手段
伝熱部品1の伝熱フィン1Aが高温の排気ガスに晒される使用時においては、亜鉛メッキ層からなる低融点金属層2が溶融するため、銅合金製の伝熱フィン1Aは、ニッケルメッキ層からなる耐蝕被覆層3に対し大きく熱膨張して相対変位するのが許容される。その結果、耐蝕被覆層3に亀裂などの損傷が発生するのが未然に防止される。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面が耐蝕被覆層で覆われた伝熱フィンを有する伝熱部品であって、
前記伝熱フィンの表面と前記耐蝕被覆層との間には低融点金属層が設けられていることを特徴とする伝熱部品。
【請求項2】
前記低融点金属層が前記伝熱フィンの熱膨張量に対応してその熱膨張方向に厚く設けられていることを特徴とする請求項1に記載の伝熱部品。
【請求項3】
前記耐蝕被覆層が前記伝熱フィンの熱膨張量に対応して伸縮可能なべローズ状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱部品。
【請求項4】
前記伝熱フィンが熱回収用の集熱フィンとして構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の伝熱部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器や放熱機あるいは熱電発電装置において、その伝熱部を構成する伝熱部品に関し、詳しくは、一群の伝熱フィンを有する伝熱部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンからの排気を導出する排気管の外面に高温端を押し付けて発電モジュール(熱電発電モジュール)を取り付け、この発電モジュールにより排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーとして回収する自動車用の排熱発電装置(熱電発電装置)が一般に知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この排熱発電装置には、排気ガスから熱エネルギーを回収して発電モジュールの高温端に伝熱する一群の集熱フィン(伝熱フィン)が排気ガスの流路に臨んで設けられている。
【特許文献1】特開2001−12240号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の熱電発電装置において、排気ガスの熱エネルギーを熱電発電モジュールの高温端へ伝熱する一群の伝熱フィンは、500℃以上におよぶ高温の排気ガスに晒されて大きく熱膨張する。このため、伝熱フィンの表面に熱膨張率の異なる材質の耐蝕被覆層が設けられていると、伝熱フィンと耐蝕被覆層との間の熱膨張差により耐蝕被覆層に強い引張り応力が発生し、その結果、耐蝕被覆層に亀裂が生じる虞がある。

【0005】
そこで、本発明は、伝熱フィンの表面に設けられる耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのを未然に防止することができる伝熱部品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る伝熱部品は、表面が耐蝕被覆層で覆われた伝熱フィンを有する伝熱部品であって、伝熱フィンの表面と耐蝕被覆層との間には低融点金属層が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る伝熱部品の使用状態では、低融点金属層が溶融することで伝熱フィンと耐蝕被覆層との間の熱膨張差に伴う相対変位が許容されるため、耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのが未然に防止される。
【0008】
本発明の伝熱部品において、低融点金属層が伝熱フィンの熱膨張量に対応してその熱膨張方向に厚く設けられていると、低融点金属層が溶融した際に伝熱フィンが耐蝕被覆層に対して大きく相対変位できるので好ましい。
【0009】
また、本発明の伝熱部品において、耐蝕被覆層は、伝熱フィンの熱膨張量に対応して伸縮可能なベローズ状に形成することができる。この場合、低融点金属層が溶融して伝熱フィンが熱膨張する際、ベローズ状の耐蝕被覆層が伸長して伝熱フィンが大きく熱膨張するのを許容するので好ましい。
【0010】
なお、本発明の伝熱部品における一群の伝熱フィンは、熱回収用の集熱フィンとして構成してもよいし、熱放出用の放熱フィンとして構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る伝熱部品によれば、その使用状態において低融点金属層が溶融することにより、伝熱フィンと耐蝕被覆層との間の熱膨張差に伴う相対変位が許容される。このため、耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのを未然に防止することができる。
【0012】
本発明の伝熱部品において、低融点金属層が伝熱フィンの熱膨張量に対応してその熱膨張方向に厚く設けられている場合、低融点金属層が溶融した際に伝熱フィンが耐蝕被覆層に対して大きく相対変位できる。このため、耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのを一層確実に防止することができる。
【0013】
また、本発明の伝熱部品において、耐蝕被覆層が伝熱フィンの熱膨張量に対応して伸縮可能なベローズ状に形成されている場合、低融点金属層が溶融して伝熱フィンが熱膨張する際、ベローズ状の耐蝕被覆層が伸長して伝熱フィンが大きく熱膨張するのを許容する。このため、耐蝕被覆層に亀裂などの損傷が発生するのを一層確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る伝熱部品の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る伝熱部品の外観を示す斜視図、図2は図1に示した伝熱部品の表面の層構造を示す縦断面図である。
【0015】
図1に示すように、一実施形態に係る伝熱部品1は、相互に所定間隔を開けて下方に平行に突出する一群の伝熱フィン1A,1A,1A…が一体に形成されたブロック状の本体を有し、伝熱フィン1A,1A,1A…と反対側の平面が後述する熱電発電モジュールとの接合面1Bとなっている。この伝熱部品1は、熱伝導性の高いアルミニウム合金や銅合金で構成されるものであり、一実施形態においては、熱伝導性が高くしかも耐熱性の高い銅合金で構成されている。
【0016】
ここで、図2に示すように、一群の伝熱フィン1A,1A,1A…を含む伝熱部品1の表面全体には低融点金属層2が形成され、この低融点金属層2の外側に耐蝕被覆層3が重ねて形成されている。すなわち、伝熱部品1は、表面が耐蝕被覆層3で覆われた一群の伝熱フィン1A,1A,1A…を有し、各伝熱フィン1Aの表面と耐蝕被覆層3との間には低融点金属層2が形成されている。
【0017】
低融点金属層2は、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)などの低融点金属のメッキ層からなり、一実施形態の伝熱部品1では、例えば亜鉛(Zn)のメッキ層からなる。この低融点金属層2は、溶融した際に伝熱フィン1A,1A,1A…の熱膨張量を十分に吸収できるように、伝熱フィン1A,1A,1A…の熱膨張方向に厚く設定されている。すなわち、伝熱フィン1A,1A,1A…の先端部を覆う先端部分2Aの厚さが大きく設定されている。
【0018】
耐蝕被覆層3は、ニッケル(Ni),クローム(Cr)などの高融点金属のメッキ層からなり、一実施形態の伝熱部品1では、例えばニッケル(Ni)のメッキ層からなる。
【0019】
図2に示した表面層構構造を有する一実施形態の伝熱部品1は、例えば図3の(a)〜(c)に示す工程を経て製造される。まず、図3の(a)に示す工程では、銅合金の鋳造または機械加工により、一群の伝熱フィン1A,1A,1A…および接合面1Bを有する伝熱部品1の本体が製造される。
【0020】
つぎの図3の(b)に示す工程では、溶融した亜鉛(Zn)に伝熱部品1の本体を浸漬して引き上げることにより、伝熱部品1の本体の表面全体に亜鉛(Zn)のメッキ層からなる低融点金属層2が形成される。その際、一群の伝熱フィン1A,1A,1A…の先端部を真下に向けた状態で伝熱部品1の本体を真上へ引き上げて冷却することにより、各伝熱フィン1Aの先端部に低融点金属層2の厚さの大きい先端部分2Aが形成される。
【0021】
続く図3の(c)に示す工程では、亜鉛(Zn)のメッキ層からなる低融点金属層2の表面に無電解ニッケルメッキを施して耐蝕被覆層3を形成する。このニッケルメッキ層からなる耐蝕被覆層3の厚さは、例えば20μm程度である。
【0022】
このような製造工程を経て製造される一実施形態の伝熱部品1は、例えば図4に示すような熱電発電装置10の構成部品として組み付けられる。この熱電発電装置10は、例えば図示しない自動車用のエンジンから排出される高温の排気ガスから熱エネルギーを回収して発電するものである。
【0023】
ここで、熱電発電装置10は、受熱基板11Aおよび放熱基板11Bを有する熱電発電モジュール11と、この熱電発電モジュール11の放熱基板11Bに接触する放熱ブロック12とを備えている。そして、この熱電発電モジュール11の受熱基板11Aに接合面1Bを密着させて一実施形態の伝熱部品1が組み付けられている。
【0024】
熱電発電モジュール11は、ゼーベック効果により温度差に応じた熱起電力を発生するn型熱電発電素子およびp型熱電発電素子が高温側の受熱基板11Aと低温側の放熱基板11Bとの間に複数個設置された構造を有し、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができる。
【0025】
放熱ブロック12は、熱電発電モジュール11の放熱基板11Bとの間の熱交換により放熱基板11Bから十分に吸熱できるように、熱伝導性の高い銅合金やアルミニウム合金の材料で構成されており、その内部には冷却水の流通路(図示省略)が形成されている。
【0026】
ここで、一実施形態の伝熱部品1が図4に示すように組み付けられた熱電発電装置10は、例えば図示しない自動車用のエンジンから排出される高温の排気ガスが伝熱部品1の一群の伝熱フィン1A,1A,1A…の間を流通するように設置される。
【0027】
このような設置状態において、排気ガスの熱が伝熱部品1の各伝熱フィン1A,1A,1A…から熱電発電モジュール11の受熱基板11Aに伝熱され、熱電発電モジュール11の放熱基板11Bから放熱ブロック12へ放熱される。その結果、熱電発電モジュール11の受熱基板11Aと放熱基板11Bとの間に温度差が発生し、その温度差に応じて熱電発電モジュール11の各n型熱電発電素子およびp型熱電発電素子が起電力を発生して発電する。
【0028】
このような熱電発電装置10の使用状態において、伝熱部品1の一群の伝熱フィン1A,1A,1A…は、例えば500℃以上の高温に達する。このため、銅合金からなる伝熱フィン1A,1A,1A…の本体とその表面を覆うニッケルメッキ層の耐蝕被覆層3との間に低融点金属層2が介在しない場合には、ニッケルメッキ層からなる耐蝕被覆層3に2,500μmもの歪が発生して耐蝕被覆層3に亀裂などの損傷が発生する。
【0029】
しかしながら、一実施形態の伝熱部品1には、一群の伝熱フィン1A,1A,1A…の本体とその表面を覆うニッケルメッキ層の耐蝕被覆層3との間に低融点金属層2が設けられているため、伝熱フィン1A,1A,1A…が例えば500℃以上の高温に達すると、図2に示した亜鉛メッキ層からなる低融点金属層2が溶融し、各伝熱フィン1Aと耐蝕被覆層3との間の熱膨張差に伴う相対変位が許容される。
【0030】
すなわち、一実施形態の伝熱部品1においては、亜鉛メッキ層からなる低融点金属層2が溶融することにより、銅合金からなる伝熱フィン1Aの本体は、ニッケルメッキ層からなる耐蝕被覆層3に引張り応力を発生させることなく、図5に示す低温状態から図6に示す高温状態へと大きく熱膨張することができる。
【0031】
従って、一実施形態の伝熱部品1によれば、高温下の使用状態において、ニッケルメッキ層からなる耐蝕被覆層3に亀裂などの損傷が発生するのを未然に防止することができる。
【0032】
本発明に係る伝熱部品は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、一実施形態の伝熱部品1において各伝熱フィン1Aを覆う耐蝕被覆層3(図5参照)は、図7に示すように、伝熱フィン1Aの熱膨張量に対応してその熱膨張方向に伸縮可能なベローズ部3Aを有するベローズ状に形成することができる。
【0033】
このベローズ部3Aを有する耐蝕被覆層3は、前述した伝熱部品1の製造工程のうち、図3の(b)の行程で冷却された低融点金属層2の伝熱フィン1Aを覆う部分に対し、予め図7に符号2Bで示すような波形断面の機械加工を施すことにより形成することができる。
【0034】
このようなベローズ状の耐蝕被覆層3を有する伝熱部品1では、低融点金属層2が溶融して伝熱フィン1A,1A,1A…が熱膨張する際、耐蝕被覆層3のベローズ部3Aが図8に示すように伸長して伝熱フィン1A,1A,1A…が大きく熱膨張するのを許容する。このため、耐蝕被覆層3に亀裂などの損傷が発生するのを一層確実に防止さすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝熱部品の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示した伝熱部品の表面の層構造を示す縦断面図である。
【図3】図2に示した伝熱部品の製造工程を示す縦断面図である。
【図4】図2に示した伝熱部品が組み付けられた熱電発電装置の概略構造を示す斜視図である。
【図5】図4に示した伝熱部品の伝熱フィンの低温状態を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図5に示した伝熱フィンの高温状態を示す縦断面図である。
【図7】図5に示した伝熱フィンの一変形例の低温状態を示す縦断面図である。
【図8】図7に示した伝熱フィンの高温状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 伝熱部品
1A 伝熱フィン
1B 接合面
2 低融点金属層
2A 先端部分
3 耐蝕被覆層
3A ベローズ部
10 熱電発電装置
11 熱電発電モジュール
12 放熱ブロック




 

 


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