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発明の名称 車両用充電装置、電気機器及び車両用非接触充電システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−104868(P2007−104868A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−295046(P2005−295046)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 佐藤 孝夫
要約 課題
載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合の金属物の発熱を防止する。

解決手段
充電対象の携帯電話機には、受電側コイルと、受電側コイルを介して受電した電力により携帯電話機の蓄電部に充電すると共に、受電中に受電側コイルを介して一定波形の信号を発信するDC-DC変換・信号発信部を備えた受電側回路が取り付けられている。一方、車室内のカップホルダの底部付近にはカップホルダを包囲するように充電側コイルが巻回されており、充電側コイルは充電側回路に接続されている。充電側回路の波形判定部は、充電用コイルへの充電用電力の供給を開始させ、所定時間内に一定波形の信号を受信した場合は充電用コイルへの電力供給を継続させる処理を一定周期で繰り返す。
特許請求の範囲
【請求項1】
受電側コイル、当該受電側コイルを介して供給された充電用電力により蓄電部に充電する充電手段、及び、前記受電側コイルを介して所定の信号を発信する発信手段を備えた電気機器を載置するための車室内の載置部の近傍に設けられた充電側コイルと、
前記載置部に載置された電気機器に前記充電側コイルを介して充電用電力を供給する給電手段と、
前記載置部に載置された電気機器から前記充電側コイルを介して前記所定の信号を受信した場合にのみ、前記所定の信号の発信元の電気機器に前記充電側コイルを介して充電用電力が供給されるように前記給電手段を制御する給電制御手段と、
を含む車両用充電装置。
【請求項2】
前記充電側コイルは、前記載置部を包囲するように巻回されていることを特徴とする請求項1記載の車両用充電装置。
【請求項3】
車両のイグニッションスイッチがオフされた際に、前記載置部に載置された電気機器から前記充電側コイルを介して前記所定の信号を受信していた場合に報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用充電装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両用充電装置の充電コイルが近傍に設けられた載置部に載置可能な電気機器であって、
受電側コイルと、
当該受電側コイルを介して供給された充電用電力により蓄電部に充電する充電手段と、
前記受電側コイルを介して所定の信号を発信する発信手段と、
を備えたことを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両用充電装置と、請求項4記載の電気機器と、を備えた車両用非接触充電システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用充電装置、電気機器及び車両用非接触充電システムに係り、特に、車室内の載置部に載置された電気機器を充電するための車両用充電装置、当該車両用充電装置によって充電される電気機器、及び、前記車両用充電装置と前記電気機器から成る車両用非接触充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型の電気機器は内蔵している二次電池(蓄電池)を電源として作動するので、定期的に蓄電池を充電する必要がある。この種の電気機器の充電を車室内で行う場合、電気機器とコネクタを介して接続されると共に、車室内のシガーソケット等の電源端子から供給される電力を充電用の電力へ変換して電気機器へ供給する構成の充電器を用いることが一般的である。しかし、この種の充電器を用いる場合、充電器を電気機器及び電源端子と各々電気的に接続する必要があるので操作が煩雑であると共に、車両走行中に電気機器に加わるGによって充電中の電気機器が移動してしまうことで運転操作に支障をきたす恐れがある、という問題がある。
【0003】
上記に関連して特許文献1には、内部に電気器具本体を出し入れ自在に収納する磁性材料製の箱体の内周壁に沿うように巻回したループ状の1次側コイルを設け、ループ状の2次側コイルと該2次側コイルの出力で蓄電池を充電する充電部が設けられ前記箱体に収納された電気器具本体に対し、充電回路が1次側コイルに1次電流を流すことで1次側コイルに発生する磁束にて充電用電力を供給するように構成された非接触充電装置が開示されている。
【特許文献1】特開平4−317527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、電気機器を充電装置の箱体内に入れるのみで充電することができ、充電器を電気機器及び電源端子と各々電気的に接続するための操作を行う必要がないので、操作の煩雑さを解消できる。また、特許文献1に記載の技術を車室内での充電に適用した場合、車両走行中に電気機器にGが加わったとしても充電中の電気機器が箱体外へ逸脱してしまうことはなく、運転操作に支障をきたすことも防止できる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えばペーパクリップ等のように金属製の線材がループ状に折り曲げられて成る金属物単体、或いはこの種の金属物(例えばコイル等)を内蔵した他の電気機器が箱体内に入れられたとしても、これらの金属物単体や他の電気機器を充電対象の電気機器と区別することなく1次側コイルに磁束を発生させるので、箱体内に入れられた金属物単体又は他の電気機器に内蔵された金属物に電圧が誘起されて発熱するという問題があり、改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合に、前記金属物が発熱することを防止できる車両用充電装置、電気機器及び車両用非接触充電システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る車両用充電装置は、受電側コイル、当該受電側コイルを介して供給された充電用電力により蓄電部に充電する充電手段、及び、前記受電側コイルを介して所定の信号を発信する発信手段を備えた電気機器を載置するための車室内の載置部の近傍に設けられた充電側コイルと、前記載置部に載置された電気機器に前記充電側コイルを介して充電用電力を供給する給電手段と、前記載置部に載置された電気機器から前記充電側コイルを介して前記所定の信号を受信した場合にのみ、前記所定の信号の発信元の電気機器に前記充電側コイルを介して充電用電力が供給されるように前記給電手段を制御する給電制御手段と、を含んで構成されている。
【0008】
請求項1記載の発明では、受電側コイル、受電側コイルを介して供給された充電用電力により蓄電部に充電する充電手段、及び、受電側コイルを介して所定の信号を発信する発信手段を備えた電気機器を充電対象としており、車室内には当該電気機器を載置するための載置部が設けられ、当該載置部の近傍には充電側コイルが設けられている。また、請求項1記載の発明では、載置部に載置された電気機器に充電側コイルを介して充電用電力を供給する給電手段が設けられており、給電制御手段は、載置部に載置された電気機器から充電側コイルを介して所定の信号を受信した場合にのみ、所定の信号の発信元の電気機器に充電側コイルを介して充電用電力が供給されるように給電手段を制御する。
【0009】
このように、請求項1記載の発明では、充電対象でない金属物又は当該金属物を内蔵した電気機器、すなわち所定の信号を発信しない金属物又は当該金属物を内蔵した電気機器が載置部に載置された場合に、充電側コイルを介して所定の信号が受信されないことに基づき、給電手段による充電側コイルを介しての充電用電力の供給が停止されるので、載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合に、前記金属物が発熱することを防止することができる。
【0010】
なお、請求項1記載の発明において、載置部としては、車両の走行中に電気機器に加わるGによる電気機器の移動を阻止可能なように、電気機器を収納可能な大きさの凹形状部とすることができるが、このように載置部を凹形状とする場合、充電側コイルは、例えば請求項2に記載したように、載置部を包囲するように巻回されていることが好ましい。これにより、載置部内における充電対象の電気機器の位置に拘わらず、充電側コイルを介しての充電対象の電気機器への非接触充電を高効率かつ安定的に行うことができる。
【0011】
また、請求項1記載の発明によれば、載置部に載置された電気機器から充電側コイルを介して所定の信号を受信しているか否かに基づいて、充電対象の電気機器が載置部に載置されているか否かを判断することができるので、これを利用し、例えば請求項3に記載したように、車両のイグニッションスイッチがオフされた際に、載置部に載置された電気機器から充電側コイルを介して所定の信号を受信していた場合に報知する報知手段を更に設けるようにしてもよい。これにより、充電対象の電気機器を載置部に載置したまま車室内に置き忘れてしまうことを防止することができる。
【0012】
請求項4記載の発明に係る電気機器は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両用充電装置の充電コイルが近傍に設けられた載置部に載置可能な電気機器であって、受電側コイルと、当該受電側コイルを介して供給された充電用電力により蓄電部に充電する充電手段と、前記受電側コイルを介して所定の信号を発信する発信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明に係る電気機器は、上記の受電側コイル、充電手段及び発信手段を備え、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両用充電装置の充電コイルが近傍に設けられた載置部に載置されることで、上記の車両用充電装置によって充電されるので、請求項1記載の発明と同様に、載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合に、前記金属物が発熱することを防止することができる。なお、請求項4記載の発明に係る電気機器としては任意の電気機器を適用可能であるが、具体的には、例えば携帯電話機やPDA、携帯型の音楽プレイヤー、その他の携帯型の電気機器等が好適である。
【0014】
請求項5記載の発明に係る車両用非接触充電システムは、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両用充電装置と、請求項4記載の電気機器と、を備えているので、請求項1記載の発明及び請求項4記載の発明と同様に、載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合に、前記金属物が発熱することを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明は、載置部に載置された電気機器から充電側コイルを介して所定の信号を受信した場合にのみ、所定の信号の発信元の電気機器に充電側コイルを介して充電用電力が供給されるように制御するので、載置部に載置された物体が、非充電対象で磁束によって電圧が誘起される金属物又は当該金属物を含む電気機器である場合に、前記金属物が発熱することを防止できる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る電気機器充電システム10が示されている。電気機器充電システム10は、電気機器の充電を行う車両に取り付けられた充電側回路12と、充電側回路12によって充電される携帯電話機14(図3参照)に内蔵された受電側回路16から構成されている。なお、充電側回路12は本発明に係る車両用充電装置に、受電側回路16が取り付けられた携帯電話機14は本発明に係る電気機器に対応しており、電気機器充電システム10は請求項5に記載の車両用非接触充電システムに対応している。また、以下では本発明に係る電気機器として図3に示す携帯電話機14を例に説明するが、本発明に係る電気機器は携帯電話機14に限られるものではなく、PDAや携帯型の音楽プレイヤー、その他の携帯型の電気機器を適用可能である。
【0017】
充電側回路12は、車両のバッテリ20のプラス端子に接続されたレギュレータ22を備えており、レギュレータ22には、交流電圧発生・波形分離部24と、マイクロプロセッサを含んで構成された波形判定部26が各々接続されている。レギュレータ22は、波形判定部26から給電開始が指示されると、バッテリ20から供給された電力を一定電圧の直流電力へ変換して交流電圧発生・波形分離部24へ供給し、波形判定部26から給電停止が指示されると、交流電圧発生・波形分離部24への電力の供給を停止する。交流電圧発生・波形分離部24にはコンデンサ28、充電側コイル30、抵抗32が直列に接続されており、交流電圧発生・波形分離部24はレギュレータ22から直流電力が供給されると、供給された直流電力を、充電側コイル30を介して携帯電話機14を充電させるための一定電圧の交流電力へ変換し、コンデンサ28、充電側コイル30、抵抗32から成る回路へ供給する。
【0018】
なお、レギュレータ22及び交流電圧発生・波形分離部24は、充電側回路12を構成するその他の回路素子(コンデンサ28及び抵抗32)と共に、本発明に係る給電手段に対応しており、波形判定部26は本発明に係る給電制御手段及び請求項3に記載の報知手段に対応している。
【0019】
図2に示すように、充電側回路12が取り付けられた車両には、運転席50と助手席52の間にコンソールボックス54が設けられている。このコンソールボックス54の車両前後方向の前側端部付近には、前席(運転席50及び助手席52)用の2個のカップホルダ56,58が車両前後方向に沿って設けられている。前側のカップホルダ56は未使用時には回動蓋60によって閉止・収納されており(図2参照)、回動蓋60を図3矢印A方向へ回動させることによって露出され使用可能な状態となる。また、後側のカップホルダ58は未使用時にはスライド蓋62によって閉止・収納されており(図2参照)、スライド蓋62を車両後方側へスライド移動させることによって露出され使用可能な状態となる。本実施形態では、後側のカップホルダ58が本発明に係る載置部としての機能を兼ね備えており、図3に破線で示すように、充電側回路12の充電側コイル30は後側のカップホルダ58の底部付近に、カップホルダ58を包囲するように巻回されている。
【0020】
一方、図1に示すように、受電側回路16は受電側コイル34を備えており、受電側コイル34の一端はダイオード36のアノードに接続され、ダイオード36のカソードはコンデンサ38の一端、ツェナーダイオード40のカソード、DC−DC変換・信号発信部42に各々接続されている。また、受電側コイル34の他端はコンデンサ38の他端、ツェナーダイオード40のアノード、DC−DC変換・信号発信部42に各々接続されており、DC−DC変換・信号発信部42はダイオード44を介して携帯電話機14の蓄電池46のプラス端子に接続されると共に、蓄電池46のマイナス端子にも接続されている。なお、受電側コイル34は携帯電話機14の長手方向一端部(電源端子等が設けられている側の端部付近に配設されている(以下では、携帯電話機14のうち受電側コイル34が配設されている側の端部を「底部」という)。
【0021】
DC−DC変換・信号発信部42は、充電側コイル30と受電側コイル34の電磁誘導により受電側コイル34側から電力が供給されると、供給された電力を蓄電池46を充電させるための所定電圧の直流電力へ変換し、ダイオード44を介して蓄電池46へ供給することで蓄電池46を充電する。またDC−DC変換・信号発信部42は、受電側コイル34側から電力が供給されている間、予め定められた一定波形の信号(例えば第1の所定時間ローレベルが継続した後、第2の所定時間ハイレベルが継続することを繰り返す信号)を生成し、当該一定波形の信号を受電側コイル34を流れる電流に重畳させることで充電側回路12へ前記一定波形の信号を送信する。このように、DC−DC変換・信号発信部42は、受電側回路16を構成するその他の回路素子(ダイオード36、コンデンサ38、ツェナーダイオード40及びダイオード44)と共に、本発明に係る充電手段に対応しており、更に本発明に係る発信手段としての機能も兼ね備えている。
【0022】
充電側回路12の交流電圧発生・波形分離部24は、充電側コイル30を流れる電流から充電側コイル30が受信した信号に相当する成分を分離し、分離した成分(受信信号)を波形判定部26へ出力する。波形判定部26は交流電圧発生・波形分離部24から入力された受信信号の波形が予め定められた一定波形と一致しているか否かを判定し、判定結果に応じてレギュレータ22による電力供給をオンオフ(開始/停止)させる。
【0023】
次に本実施形態の作用として、まず車両のイグニッションスイッチがオンとなっている間、波形判定部26で一定周期T(例えば数秒〜十数秒程度の周期)で実行される電気機器監視処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。ステップ70ではレギュレータ22に対して給電開始を指示する。波形判定部26でから給電開始が指示されると、レギュレータ22は一定電圧の直流電力を交流電圧発生・波形分離部24へ供給し、交流電圧発生・波形分離部24はレギュレータ22から供給された直流電力を、充電側コイル30を介して携帯電話機14を充電させるための一定電圧の交流電力へ変換し、コンデンサ28、充電側コイル30、抵抗32から成る回路へ供給する。これにより、携帯電話機14を充電させるための磁束が充電側コイル30に発生する。
【0024】
次のステップ72では、交流電圧発生・波形分離部24から受信信号が入力されたか否かに基づいて、充電側コイル30が外部から何らかの信号を受信したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ74へ移行し、レギュレータ22に対して給電開始を指示してから所定時間t(但しt≪T)が経過したか否か判定する。ステップ74の判定も否定された場合はステップ72に戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ72,74を繰り返す。所定時間tが経過する迄の間に受信信号が入力されなかった場合には、ステップ74の判定が肯定されてステップ76へ移行し、レギュレータ22に対して給電停止を指示して電気機器監視処理を終了する。そして、レギュレータ22から交流電圧発生・波形分離部24への電力の供給が停止されることに伴って充電側コイル30の磁束の発生も停止される。
【0025】
また、ステップ72の判定が肯定された場合はステップ78へ移行し、交流電圧発生・波形分離部24から入力された受信信号の波形が、予め定められた一定波形に一致しているか否かを判定する。判定が否定された場合はステップ74へ移行し、ステップ72,74のループへ戻る。従って、充電側コイル30が外部から何らかの信号を受信したものの、受信した信号の波形が予め定められた一定波形と相違していた場合にも、所定時間t経過後にレギュレータ22から交流電圧発生・波形分離部24への電力の供給が停止され、充電側コイル30の磁束の発生も停止される。
【0026】
このように、カップホルダ58内が空の場合、或いはカップホルダ58内に携帯電話機14以外の物体が入っている場合には、充電側コイル30が外部から信号を受信しないことで、所定時間t経過後にレギュレータ22による電力の供給が停止され、電気機器監視処理が次に実行される迄の間、レギュレータ22による電力の供給が停止されている状態が継続されるので、カップホルダ58内に入っている物体が、磁束によって電圧が誘起される金属物(例えばペーパクリップ等のように金属製の線材がループ状に折り曲げられて成る金属物)又は当該金属物を含む電気機器であったとしても、当該金属物に電圧が誘起されて発熱することを防止できると共に、充電側回路12の消費電力量も低減することができる。
【0027】
また、カップホルダ58内が空、或いはカップホルダ58内に携帯電話機14以外の物体が入っている状態で、ノイズ等の影響で充電側コイル30が外部から何らかの信号を受信したとしても、受信した信号の波形が予め定められた一定波形と一致することは考えにくいので、上記と同様に、所定時間t経過後にレギュレータ22による電力の供給が停止され、電気機器監視処理が次に実行される迄の間、レギュレータ22による電力の供給が停止されている状態が継続されることになる。従って、カップホルダ58内に充電対象の携帯電話機14が入っていないときに、充電側コイル30で不必要に磁束を発生させることを確実に防止することができる。
【0028】
一方、車両の走行中に携帯電話機14の充電を行いたい場合、車両の乗員はスライド蓋62を車両後方側へスライド移動させてカップホルダ58を露出させた後に、携帯電話機14の底部が下となる向きでカップホルダ58内に携帯電話機14を入れる。カップホルダ58は凹形状、詳しくは平坦な底面の周囲にその全周に亘って所定高さの壁面が立設された形状であるので、車両の走行に伴ってカップホルダ内に入れられた携帯電話機14にGが加わったとしても、携帯電話機14がカップホルダ58外へ脱落したりすることが阻止される。
【0029】
上記のように、カップホルダ58内に充電対象の携帯電話機14が入れられた場合、充電側コイル30と受電側コイル34の電磁誘導によって受電側コイル34側からDC−DC変換・信号発信部42へ電力が供給されるので、DC−DC変換・信号発信部42は携帯電話機14の蓄電池46を充電すると共に、予め定められた一定波形の信号を生成し、当該一定波形の信号を受電側コイル34を流れる電流に重畳させることで、一定波形の信号を受電側コイル34を介して充電側回路12へ送信する。受電側コイル34を介して送信された一定波形の信号は充電側回路12の充電側コイル30で受信され、交流電圧発生・波形分離部24を介して波形判定部26に入力される。
【0030】
この場合、ステップ78の判定が肯定されるので、何ら処理を行うことなく(ステップ76でレギュレータ22による電力の供給を停止させることなく)電気機器監視処理を終了する。これにより、電気機器監視処理が次に実行される迄の間、充電側コイル30での磁束の発生、すなわち受電側回路16への電力の供給が継続され、携帯電話機14の蓄電池46の充電が継続される。受電側回路16のDC−DC変換・信号発信部42は受電側コイル34側から電力が供給されている間、一定波形の信号の送信を継続するので、カップホルダ58内に充電対象の携帯電話機14が入っている間は、電気機器監視処理が実行される毎にステップ78の判定が肯定されることで携帯電話機14の蓄電池46の充電が継続されることになる。
【0031】
続いて、車両のイグニッションスイッチがオフされると、割込が発生して波形判定部26で実行されるイグニッションオフ時割込処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。ステップ80ではレギュレータ22に対して給電開始を指示することで充電側コイル30に磁束を発生させ、次のステップ82で充電側コイル30が外部から何らかの信号を受信したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ84へ移行し、レギュレータ22に対して給電開始を指示してから所定時間t(但しt≪T)が経過したか否か判定する。ステップ84の判定も否定された場合はステップ82に戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ82,84を繰り返す。所定時間tが経過する迄の間に受信信号が入力されなかった場合には、ステップ84の判定が肯定されてステップ86へ移行し、レギュレータ22に対して給電停止を指示することで充電側コイル30からの磁束の発生を停止させ、イグニッションオフ時割込処理を終了する。
【0032】
また、ステップ82の判定が肯定された場合はステップ88へ移行し、交流電圧発生・波形分離部24から入力された受信信号の波形が、予め定められた一定波形に一致しているか否かを判定する。判定が否定された場合はステップ84へ移行し、ステップ82,84のループへ戻る。従って、充電側コイル30が外部から何らかの信号を受信したものの、受信した信号の波形が予め定められた一定波形と相違していた場合にも、所定時間t経過後にレギュレータ22から交流電圧発生・波形分離部24への電力の供給が停止され、充電側コイル30からの磁束の発生も停止される。このように、イグニッションオフ時割込処理において、充電側コイル30が外部から信号を受信していない場合、及び、予め定められた一定波形と異なる波形の信号を充電側コイル30が受信した場合の処理は、先に説明した電気機器監視処理と同一である。
【0033】
一方、充電側コイル30が予め定められた一定波形の信号を受信した場合には、カップホルダ58内に携帯電話機14が入っていると判断できる。このため、ステップ88の判定が肯定された場合はステップ90へ移行し、カップホルダ58内に電気機器(携帯電話機14)を置き忘れていることを報知する。この報知は、例えばブザーを鳴動させることで行ってもよいし、置き忘れを報知する音声メッセージを再生するようにしてもよいし、ディスプレイ等に文字メッセージを表示するようにしてもよい。これにより、車両の乗員がカップホルダ58内に携帯電話機14を置き忘れて降車することを防止することができる。ステップ90の処理を行うとステップ86へ移行し、レギュレータ22に対して給電停止を指示することで充電側コイル30からの磁束の発生を停止させ、イグニッションオフ時割込処理を終了する。
【0034】
なお、上記では車両のイグニッションスイッチがオンとなっている間、電気機器監視処理が一定周期Tで実行され、車両のイグニッションスイッチがオフされるとイグニッションオフ時割込処理が実行される態様を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばスライド蓋62の位置を検出するセンサ又はスイッチを設けると共に、当該センサ又はスイッチを波形判定部26と接続し、波形判定部26はカップホルダ58が露出する位置にスライド蓋62が位置しているとき(載置部に電気機器を載置可能な状態のとき)にのみ、上述した電気機器監視処理及びイグニッションオフ時割込処理を実行するようにしてもよい。
【0035】
また、上記では後側のカップホルダ58にのみ充電側コイル30を設けた態様を説明したが、これに限定されるものではなく、前側のカップホルダ56に充電側コイル30を設けてもよい。また、本発明に係る載置部として機能するカップホルダの数は1台の車両につき1個に限られるものではなく、例えば前側及び後側のカップホルダ56,58に各々充電側コイル30を設けてもよいし、後席用のカップホルダを含む1台の車両の全てのカップホルダに充電側コイル30を設けてもよい。複数のカップホルダ(載置部)に充電側コイル30を各々設ける場合、充電側コイル30と同数の充電側回路12を設け、個々の充電側回路12を個々の充電側コイル30と接続すれば、複数のカップホルダ(載置部)で各々独立に電気機器の充電を行うことができる。
【0036】
また、上記では本発明に係る載置部としてカップホルダを適用した例を説明したが、載置部は電気機器を載置可能な形状、好ましくは車両走行中の電気機器の移動が阻止されるように凹形状であればよく、カップホルダ以外に、例えば車室内に設けられた灰皿や他の小物入れ等の凹形状の部分を載置部として適用可能である。
【実施例】
【0037】
続いて、充電時の充電側コイルと受電側コイルの最適な位置関係を探るために本願発明者が実施した実験の結果を説明する。この実験では、図6(A)に示すように、内径72mm(半径36mm)の有底円筒状のケースの外周に、高さ20mmの充電側コイルを、当該充電側コイルの鉛直方向中心位置がケースの底部から15mmの高さ位置となるように巻回し、当該充電側コイルに充電側回路12を接続すると共に、受電側回路16を内蔵し受電側コイルが底部に配設された携帯電話機をケース内に入れ、ケース内での携帯電話機の位置を鉛直方向及び水平方向へ移動させながら、充電側コイルに供給した電力(充電電力)及び受電側コイルで受電された電力(受電電力)を計測することを繰り返し、ケース内での携帯電話機の位置の変化(充電側コイルと受電側コイルの位置関係の変化)に対する誘電効率(充電効率)の変化を求めた。なお、誘電効率(充電効率)=受電電力/充電電力×100(%)である。
【0038】
ケース内の水平方向中央に携帯電話機が位置している状態で携帯電話機を鉛直方向に移動させることで、充電側コイルに対する受電側コイルの位置を鉛直方向に移動させた場合の誘電効率の変化を図6(B)に示す。なお、図6(B)の縦軸はケースの底面からの携帯電話機の底部(受電側コイル)の鉛直方向距離を表している。一般に、携帯電話機の蓄電池を1時間程度の充電時間で満充電状態にするためには3W以上の電力が必要とされている。本実施形態に係る充電側回路12による充電電力は10Wであるので、3W以上の受電電力を得るためには30%以上の誘電効率が必要となる。これに対し、図6(B)に「高誘電効率範囲」と表記して示すように、受電側コイルがケース内の底部側に位置しているとき、詳しくは充電側コイルの内側に位置しているときには30%以上の十分な誘電効率が得られている。従って、載置部に電気機器が載置された状態で、受電側コイルが充電側コイルの内側に位置する位置関係となるように、受電側コイル及び充電側コイルの配設位置を調節することで、十分な誘電効率が得られることが理解できる。
【0039】
また、携帯電話機の底部(受電側コイル)がケースの底面に接している状態で携帯電話機を水平方向に移動させることで、充電側コイルに対する受電側コイルの位置を水平方向に移動させた場合の誘電効率の変化を図6(C)に示す。なお、図6(C)の横軸は ケース内の水平方向中央に携帯電話機が位置している状態を基準位置(=0)としたときの基準位置からの距離を表している。図6(C)に示すように、携帯電話機の水平方向位置がケース内の水平方向中央から偏倚するに従って誘電効率は増大しており、載置部に電気機器が載置された状態で、受電側コイルと充電側コイルとの水平方向距離がなるべく小さくなるように、受電側コイル及び充電側コイルの配設位置や載置部の形状を調節することで、より高い誘電効率が得られることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係る電気機器充電システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】コンソールボックスが取り付けられた車室内を示す斜視図である。
【図3】充電側コイルが組み込まれたコンソールボックスを示す斜視図である。
【図4】波形判定部によって一定周期で実行される電気機器監視処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】イグニッションスイッチがオフされたときに波形判定部で実行されるイグニッションオフ時割込処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】本願発明者が実施した実験の結果を示す概略図及び線図である。
【符号の説明】
【0041】
10 電気機器充電システム
12 充電側回路
14 携帯電話機
16 受電側回路
22 レギュレータ
24 交流電圧発生・波形分離部
26 波形判定部
30 充電側コイル
34 受電側コイル
42 DC−DC変換・信号発信部
46 蓄電池
58 カップホルダ




 

 


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